JP2003033140A - 乾燥固形飼料及びその製造方法 - Google Patents

乾燥固形飼料及びその製造方法

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勤 東
Kazuyuki Kodama
和之 児玉
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ITOCHU SHIRYO
Itochu Feed Mills Co Ltd
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ITOCHU SHIRYO
Itochu Feed Mills Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価なビタミンCを用い、ビタミンCの酸化
分解を可及的に抑制して飼料中のビタミンC濃度を良好
に維持することのできる経済的かつ実用的な乾燥固形飼
料及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 造粒機を用いて固形飼料を製造する乾燥
固形飼料の製造方法において、製造の最終工程において
ビタミンCを飼料に展着吸収させる。この場合におい
て、油脂類に混合したビタミンCを飼料に展着吸収させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾燥固形飼料及び
その製造方法に係り、特にビタミンCを含有する魚類用
乾燥固形飼料及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビタミンC(L−アスコルビン酸)は、
動物の生命を維持する上で不可欠の栄養素であり、ビタ
ミン類の中では最も多量に必要とされるビタミンであ
る。ビタミンCは、生体内において、タンパク質の代謝
やコラーゲン(結合組織)の生成、副腎皮質ホルモンの
生成、抗酸化作用などに関与し、ビタミンCが欠乏する
と貧血や出血、骨肉脆弱による骨折や体型異常、発育停
止、免疫低下などの障害が発生する。このように、ビタ
ミンCは生体内で様々な生理機能に関与する重要なビタ
ミンであるが、化学的に不安定であるため水分、熱、空
気などにより容易に酸化されて消失してしまう(芦田淳
著、「栄養化学概論」第2次改著、養賢堂、東京、昭和
62年、307〜313頁)。
【0003】ヒト、サル、モルモットなどは、ビタミン
Cを生体内で合成できないので、食餌を通してビタミン
Cを摂取しなければならない。一方、陸上動物のウシ、
ブタ、イヌなどは、ビタミンCを生合成することができ
るので、ビタミンCを経口摂取しなくても欠乏症は発生
しない。魚類においても、生体内にビタミンCの合成系
路が存在することが推測されているが、その合成能力は
極めて微弱であるため、ビタミンCを添加していない飼
料で飼育した例えばハマチ、ニジマス、ウナギ、ギンザ
ケなどにおいて、摂取減少、成長停止、骨格変形、肉質
の脆弱化、へい死の増加といった欠乏症の発現が報告さ
れている(橋本芳郎編、「養魚飼料学」、恒星社厚生
閣、東京、昭和48年、135〜139頁)。最近はま
た、ハマチの黄疸病の発症予防に対してビタミンCの大
量投与(20000ppm)が有効であるとする報告も
なされている(村田寿著、「アクアネット」2巻9号、
湊文社、東京、平成11年、44〜48頁)。このよう
に、ビタミンCは、魚類用飼料の不可欠栄養素として添
加しなければならないビタミンとなっている。
【0004】ビタミンCが添加された乾燥固形飼料を製
造する従来の方法においては、まず、配合組成に従い調
製した粉末原料に所定量のビタミンCを加えて、これら
を均一に混合する。次いで、この混合物に、水、蒸気、
必要に応じて油脂等を添加し、これを例えばエクストル
ーダなどの造粒機を用いて押出すことにより、18%前
後の水分を含む円筒型又は偏平型のペレット状軟質飼料
を成形する。そして、このペレット状軟質飼料を熱風乾
燥により乾燥させて乾燥固形飼料が作られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の乾燥固形飼料の製造方法では、造粒機による押
出し工程や乾燥工程において、加水、加熱、空気との接
触といったビタミンCの酸化要因(上述の「栄養化学概
論」参照)が長時間に亘って生じることとなる。このた
め、最初の工程で添加されたビタミンCは、製造の過程
においてほとんど酸化分解されてしまい、製造後の飼料
中のビタミンCの濃度が低くなってしまう。また、製造
後の飼料中にビタミンCが残存していたとしても、飼料
の保存期間中に、残存していたビタミンCが消失されて
しまう。
【0006】このようなビタミンC濃度の低下を防止す
るために、最近では、最初の工程において極めて高濃度
のビタミンCを添加して飼料中の残存率を維持する方法
やビタミンCの安定性を向上するための種々のビタミン
C製剤(硬化油を被覆したビタミンC、ビタミンCのカ
ルシウム塩、ビタミンCの脂肪酸エステル)を添加する
方法などが開発されている。しかしながら、これらの方
法では、高濃度のビタミンCやビタミンC製剤に対する
材料費が高くなってしまい、また安定した効果が得られ
ないので、いずれの方法も実用的であるとは言い難い。
【0007】このような状況にあって、最近では、熱に
強く安定性の高いビタミンC誘導体(L−アスコルビル
−2−リン酸エステルマグネシウム)の実用化が進み、
固形飼料についてもビタミンCに代わる材料として用い
られるようになっている。しかしながら、このビタミン
C誘導体は、ビタミンCに比べて極めて高価であるた
め、コストが高騰し、飼料が極めて高価になってしまう
という問題がある。
【0008】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたもので、安価なビタミンCを用い、ビタ
ミンCの酸化分解を可及的に抑制して飼料中のビタミン
C濃度を良好に維持することのできる経済的かつ実用的
な乾燥固形飼料及びその製造方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1に、本発明者は、飼
料に添加されたビタミンCの酸化分解が、製造工程にお
ける加水、加熱、空気との接触などの酸化要因により促
進されると考え、これらの要因を排除するために、ビタ
ミンCの添加を飼料製造の最終工程で行うことが不可欠
の要素であると考えた。即ち、本発明の第1の態様は、
造粒機を用いて固形飼料を製造する乾燥固形飼料の製造
方法において、製造の最終工程においてビタミンCを飼
料に展着吸収させることを特徴としている。
【0010】本発明者は、ビタミンCの添加を飼料製造
の最終工程で行うことにより、ビタミンCの酸化要因を
排除することができることを実証するため、以下に述べ
る実験を行った。
【0011】(実験1)エクストルーダを造粒機として
用いた飼料の製造工程において、従来と同様に最初の工
程においてビタミンCを添加して製造した飼料Aと、最
終工程においてビタミンCを添加して製造した飼料Bと
を用意した。即ち、原料粗砕、配合計量、原料混合、微
粉砕、コンディショナー(水・蒸気注入)、エクストル
ーダ(押出し造粒、80〜100℃)、熱風乾燥(12
5℃、3時間)、冷却乾燥(30分)からなる飼料の製
造工程において、最初の原料混合工程でビタミンCを添
加して製造した飼料Aと、最終工程である熱風乾燥工程
と冷却乾燥工程との間にビタミンCを噴霧展着装置内の
スプレーで噴霧展着させて製造した飼料Bとを用意し
た。これらの飼料A,Bを室温(22〜25℃)に10
日間放置して、飼料中のビタミンCの濃度(ppm)を
測定してビタミンCの残存率を調べた。この実験におい
ては、ビタミンCの添加濃度を100ppm、1000
ppm、10000ppmの3段階に設定して、ビタミ
ンCの添加濃度が残存率に及ぼす影響についても併せて
調べた。なお、ビタミンCの濃度は、高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)を用いて、OPDAによる蛍光
誘導化法(J.Agric.Food Chem. 19
84,32,352−355)を一部改変した方法によ
り測定した。
【0012】その結果、飼料AにおけるビタミンC濃度
は製造直後から既に大きく減衰し、その残存率は、設定
濃度100ppm区については0%となりビタミンCが
完全に消失し、1000ppm区についても4%と極め
て低く、10000ppm区だけが37%と比較的高く
なった。飼料Aを10日間放置した後のビタミンCの残
存率は更に低下して、1000ppm区については1
%、10000ppm区については6%となった。一
方、飼料BのビタミンCの残存率は、100ppm区に
ついては28%、1000ppm区については38%、
10000ppm区については48%となり、室温に1
0日間放置してもビタミンCの濃度が高い値に維持され
ることが判明した。
【0013】このように、飼料製造の最初の工程でビタ
ミンCを添加して製造した従来の飼料に関しては、製造
工程中の酸化要因による影響を強く受け、飼料中のビタ
ミンC濃度を維持することが困難である。また、ビタミ
ンCの添加濃度を高くすることで残存率を高くすること
ができるが、その残存率は製造後の放置期間中に急速に
減衰した。これに対して、最終工程でビタミンCを噴霧
展着させて製造した飼料に関しては、3段階の添加濃度
のいずれについても高いビタミンC残存率を示し、ま
た、放置期間中の減衰も緩やかであった。この結果か
ら、最終工程でビタミンCを噴霧展着させて製造する方
法が、製造の最初の工程でビタミンCを添加して製造す
る従来の方法に比べて、飼料中のビタミンC濃度を安定
的に維持することができる点で優れた方法であることが
確認された。
【0014】第2に、本発明者は、ビタミンCの酸化
は、空気に触れない条件下の加熱に対しては比較的安定
である(上述の「栄養化学概論」参照)ことから、ビタ
ミンCを油脂類に混合して飼料に添加することにより、
ビタミンCの空気や水分との接触を可及的に避けること
を考えた。即ち、本発明の第2の態様は、造粒機を用い
て固形飼料を製造する乾燥固形飼料の製造方法におい
て、油脂類に混合したビタミンCを飼料に展着吸収させ
ることを特徴としている。
【0015】本発明者は、油脂類に混合したビタミンC
を飼料に添加することにより、飼料中のビタミンCの残
存率が良好に維持されることを確認するため、以下に述
べる実験を行った。
【0016】(実験2)油脂類としての魚油に混合した
ビタミンC(魚油混合ビタミンCという。以下同じ)を
添加して製造した飼料Cと、水に溶解させたビタミンC
を添加して製造した飼料Dとを用意した。これらの飼料
C,Dを室温に12日間放置した後、飼料中のビタミン
Cの濃度を測定してビタミンCの残存率を調べた。ま
た、飼料C,Dを40℃の下で12日間放置した場合に
ついても、同様にビタミンCの残存率を調べた。また、
この実験においても、ビタミンCの添加濃度を100p
pm、1000ppm、10000ppmの3段階に設
定した。この結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1に示すように、室温に放置した場合に
ついては、魚油混合ビタミンCを添加した飼料Cは、上
述の実験1よりやや低い残存率を示したが、傾向的には
近似する結果となった。一方、水に溶解したビタミンC
を添加した飼料Dは、いずれも飼料Cに比べてかなり低
い残存率となった。
【0019】また、40℃の下で放置した場合について
は、飼料Cは、室温に放置した場合に比べて温度の影響
によるビタミンC濃度の減衰が見られたが、その減衰は
緩やかであった。このように、魚油混合ビタミンCを添
加した飼料は、温度に起因するビタミンCの酸化要因の
影響を受けにくいと考えられる。一方、飼料Dは、実験
1における飼料Aと同様に、いずれもビタミンCが完全
に消失するか、あるいは、ほとんど消失する状態に至っ
た。
【0020】これらの実験結果から明らかなように、化
学的に不安定で容易に酸化されるビタミンCを添加した
飼料中のビタミンC濃度を良好に維持するために、ビタ
ミンCの添加を製造の最終工程で行うこと、及び、油脂
類に混合したビタミンCを飼料に噴霧展着させることの
2つの要素が有効であることが分かる。
【0021】
【実施例】(実施例1−本発明に係る飼料の製造例)原
料の配合組成は、魚粉680kg、小麦粉70kg、馬
鈴薯澱粉60kg、魚油60kg、無機塩混合物20k
g、ビタミンCを含まないビタミン混合物3kg、その
他の添加物(飼料用酵母、色素材料など)7kgとし、
これら合計900kgの原料混合物を均一に混合して粉
砕した後、1軸のエクストルーダを用いて直径14〜1
5mm、長さ16〜18mmの円筒状軟質ペレット飼料
を調製した。このときのエクストルーダの押出し条件
は、表2に示す通りである。
【0022】
【表2】
【0023】上述のようにして調製したペレット飼料
を、熱風乾燥機(90〜130℃)で3時間乾燥させ
て、水分3〜6%の円筒状乾燥固形飼料を得た。この飼
料300kgを回転式噴霧展着装置に導入して噴霧展着
処理を行った。この噴霧展着装置においては、飼料を回
転させながら、30kgの魚油に0.5kgのビタミン
Cを混合した魚油混合ビタミンCを飼料にスプレー装置
によって10〜15秒間噴霧し、その後、更に飼料を1
分間回転させてビタミンCを均一に展着吸収させた。こ
の噴霧展着処理においては、飼料300kgずつをバッ
チ式で処理した。展着終了後、この飼料を送風乾燥機で
30分間乾燥させることにより、本発明に係る乾燥固形
飼料を得た。このようにして得られた飼料は、1トン当
たりに脂肪を160kg含有し、そのビタミンC濃度は
1500ppm(計算値)である。
【0024】ここで、飼料300kgを1バッチとする
上記条件では、魚油に混合するビタミンCの量を最大5
kgまでの範囲内で任意に変えることができるが、好ま
しくは0.1〜3kgの範囲内とする。例えば、ビタミ
ンC濃度が3000ppm(計算値)の飼料を製造する
には、魚油30kgに1kgのビタミンCを混合して噴
霧すればよく、また、0.2kgのビタミンCを混合し
て噴霧すればビタミンC濃度600ppm(計算値)の
飼料が得られる。添加するビタミンCとしては、L−ア
スコルビン酸の他に、例えばコーティング処理したビタ
ミンC、ビタミンCカルシウムなどの塩類、ビタミンC
脂肪酸エステル類などを用いることもできる。
【0025】ビタミンCを混合する魚油量は、10〜5
0kgの範囲内で任意に変えることができるが、好まし
くは20〜35kgの範囲内とする。この際、魚油量を
増減することによって飼料の脂肪含有量が変動するの
で、原料の配合組成を適宜調製する。また、魚油の代わ
りに、その他の油脂類、例えば大豆油などの植物油類、
加温して流動性を増す鶏油、豚油、牛油などの獣脂類、
硬化油、ワックス、各種脂肪酸類などを使用することも
できる。特に、本発明は、1軸あるいは2軸のエクスト
ルーダ又はペレットミルなどの造粒機を用いて造粒成形
する淡水産又は海水産の魚類用乾燥固形飼料に適用する
ことができる。
【0026】(実施例2−本発明に係る飼料のビタミン
C残存率)ビタミンC濃度を1500ppm(計算値)
に設定し、L−アスコルビン酸を添加して、本発明に係
る製造方法によって、ビタミンC濃度が実測値で166
6ppmの製品を得た。これを通常の包装袋に入れて開
封したまま、室温24〜26℃の下に49日間放置し、
その間のビタミンC濃度と残存率を7日おきに測定し
た。その結果を表3に示す。表3に示すように、本発明
に係る飼料は、49日経過後もなお663ppmのビタ
ミンCを含有し、40%の残存率を維持した。
【0027】
【表3】
【0028】(実施例3−本発明に係る飼料のビタミン
C残存率)ビタミンC濃度を1500ppm(計算値)
に設定した飼料を、上述した実施例2と同じ条件で製造
し、ビタミンC濃度の実測値が1559ppmの製品を
得た。これを通常の包装袋に入れて未開封のまま、30
℃の保管倉庫に35日間放置した後、ビタミンC濃度及
び残存率を測定したところ、ビタミンC濃度1514p
pm、残存率97%となって、ビタミンC濃度がほぼ完
全に維持された。このように、包装袋内に未開封のまま
使用時まで飼料を保管しておけば、更に効果的にビタミ
ンCの安定性を維持することができる。
【0029】(実施例4−本発明に係る飼料のビタミン
C残存率)ビタミンC濃度を1200ppm(計算値)
に設定し、L−アスコルビン酸カルシウム(有効濃度8
1%)を添加して、製造した飼料のビタミンC濃度が実
測値で1350ppmの製品を得た。これを通常の包装
袋に入れて開封したまま、室温24〜26℃の下に49
日間放置し、その間のビタミンC濃度を7日おきに測定
した。その結果を表4に示す。表4に示すように、本発
明に係る飼料は、49日後もなお842ppmのビタミ
ンCを含有し、62%の残存率を維持した。このよう
に、L−アスコルビン酸カルシウムを用いるとL−アス
コルビン酸よりも更に良好な残存率を維持することがで
きる。
【0030】
【表4】
【0031】(実施例5−本発明に係る飼料を用いたハ
マチの飼育例)実施例3において製造したビタミンC濃
度1514ppmの飼料と、従来の製造方法により製造
したビタミンC誘導体添加飼料(ビタミンC誘導体とし
てLーアスコルビル−2−リン酸マグネシウムを実測濃
度で260ppm含有したもの)とを用いてハマチを飼
育し、2ヶ月後に2尾ずつ取り上げて肉質部と肝臓部の
ビタミンC濃度を測定した。この結果を表5に示す。
【0032】
【表5】
【0033】表5に示すように、本発明に係る飼料を用
いて飼育した魚体のビタミンC濃度(平均値)は、肉質
部で61.8ppm、肝臓部で97.9ppmであっ
た。一方、従来のビタミンC誘導体添加飼料を用いて飼
育した魚体のビタミンC濃度(平均値)は、肉質部で1
3.9ppm、肝臓部で38.8ppmと低く、両部位
とも、本発明に係る飼料を用いて飼育した魚体に比べて
かなり劣ったものとなった。これは、飼料中のビタミン
C濃度の差によるものと考えられる。
【0034】ここで、飼料1kg当たりに必要となるビ
タミンC又はビタミンC誘導体の経費を両飼料のビタミ
ンC濃度から試算すると、本発明に係る飼料については
1.5円と安価であるのに対して、ビタミンC誘導体添
加飼料については5.2円と3倍以上も高くなった。こ
のように、本発明に係る飼料は、安価なビタミンC経費
で十分な量のビタミンCを魚類などに供給できるという
大きな利点がある。また、本発明に係る飼料が含有する
ビタミンC(1514ppm)は、酸化型ビタミンCが
60ppm(4%)、還元型ビタミンCが1454pp
m(96%)と、酸化型に対して還元型が多く含まれて
おり、ビタミンCとしての有効性も良好に保持されてい
る。
【0035】これまで本発明の一実施例について説明し
たが、本発明は上述の実施例に限定されず、その技術的
思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよ
いことは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】上述したように、本発明に係る乾燥固形
飼料の製造方法によれば、化学的に不安定で容易に酸化
されるビタミンCを添加した飼料中のビタミンC濃度を
良好に維持することができる。また、この製造方法によ
り製造された乾燥固形飼料は、安価なビタミンC経費で
十分な量のビタミンCを魚類などに供給できるので、魚
体の健康維持と経済的な魚類養殖の推進に寄与すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B150 AA08 AE01 AE28 BA04 DA57 DE13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 造粒機を用いて固形飼料を製造する乾燥
    固形飼料の製造方法において、 製造の最終工程においてビタミンCを飼料に展着吸収さ
    せることを特徴とする乾燥固形飼料の製造方法。
  2. 【請求項2】 造粒機を用いて固形飼料を製造する乾燥
    固形飼料の製造方法において、 油脂類に混合したビタミンCを飼料に展着吸収させるこ
    とを特徴とする乾燥固形飼料の製造方法。
  3. 【請求項3】 飼料の製造の最終工程においてビタミン
    Cを展着吸収させて形成した乾燥固形飼料。
  4. 【請求項4】 油脂類に混合したビタミンCを飼料に展
    着吸収させて形成した乾燥固形飼料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003086099A1 (en) * 2002-04-18 2003-10-23 Showa Denko K.K. Fish-farming solid feed and process for producing same
JP2008173044A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Nitto Fuji Flour Milling Co Ltd 魚介類用飼料、魚介類用成長促進剤、魚介類用体色改善剤、魚介類用食味改善剤、魚介類用免疫賦活剤、及び魚介類の飼育方法

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