JPH078181A - アスコルビン酸強化造粒飼料及びその製造法 - Google Patents

アスコルビン酸強化造粒飼料及びその製造法

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JPH078181A
JPH078181A JP5238685A JP23868593A JPH078181A JP H078181 A JPH078181 A JP H078181A JP 5238685 A JP5238685 A JP 5238685A JP 23868593 A JP23868593 A JP 23868593A JP H078181 A JPH078181 A JP H078181A
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ascorbic acid
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granulated
enriched
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Shigeto Takeuchi
茂人 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ハマチ、タイ、サケ、マス、アユ、コイ、ニワ
トリ、ブタ、ウシ、ウマ用のL−アスコルビン酸類を安
定に配合したアスコルビン酸強化造粒飼料を提供するこ
とにある。 【構成】L−アスコルビン酸類と造粒剤を含有する平均
粒径1〜10mmのアスコルビン酸類含有粒子を配合す
ることにより飼料1kg中のL−アスコルビン酸類濃度
が5mM以上含有された高温過熱造粒された粒径5mm
以上、体積100mm以上のアスコルビン酸強化造粒
飼料及びその製造法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアスコルビン酸類を安定
に配合したアスコルビン酸強化飼料に関し、更に詳しく
は特殊なアスコルビン酸類粒子を配合する特殊なアスコ
ルビン酸強化飼料及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】L−アスコルビン酸は栄養学上重要な栄
養素の1つであり多くの生物飼料にその単体又はその塩
類や誘導体が添加されている。多くの養殖魚類ではアス
コルビン酸が欠乏すると壊血病症状を呈し死に至る。中
でもハマチ、タイ、サケ、マス、アユ等の養殖魚は他の
魚種に比較しアスコルビン酸の要求性が高いとされてお
り飼料へのアスコルビン酸の添加量を高める必要があ
る。又、ニワトリ、ブタ、ウシはアスコルビン酸を生合
成するがストレス対策などにアスコルビン酸の飼料への
投与が効果が高いとされておりアスコルビン酸の添加が
行われている。
【0003】しかしL−アスコルビン酸は酸化分解され
やすく飼料に添加しても速やかに失活しその効果を持続
させることはできない。又最近ではエクストルーダーの
普及により高温造粒飼料の割合が高くなっておりL−ア
スコルビン酸を安定に配合する技術の開発が要望され過
去幾つかの安定化技術が利用されてきた。
【0004】最も一般的な技術として安価なアスコルビ
ン酸類をコーティングして飼料に配合する技術がある。
例えば特開昭52−15812,特開昭53−1278
19,特開昭54−109962,特開昭54−154
514,特開昭55−49313,特開昭57−598
03,特開昭57−85317,特開昭58−2054
61,特開昭59−44327,特開昭63−1648
64,特開昭63−258813,特開昭64−311
8,特開昭64−3119,特開平1−500113,
特開平1−296953,特開平2−46259等があ
る。
【0005】これらのコーティング技術に共通する点は
コーティングしたアスコルビン酸類の粒子を飼料製造工
程中の粉砕工程で粒子が破壊されないようにその粒径を
1mm以下の微粒子として造粒している点である。この
ため空気中の酸素が浸透しやすく飼料の製造工程及び流
通過程においてコーティングされたL−アスコルビン酸
が容易に酸化分解されてしまう。
【0006】このため最近ではL−アスコルビン酸の安
定化誘導体を飼料に添加する方法が考案されている。例
えば特開昭52−102192,特開昭62−2857
59,特開昭62−198615,特開昭62−175
142等があるがこれらの方法は誘導体の価格が高価で
あるため限られた用途にしか利用できないという問題が
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は安価なアスコルビン酸類を分解させずに安定に配合で
きる特殊な魚類、陸上動物用造粒飼料を製造し提供する
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アスコル
ビン酸類の飼料への添加方法と飼料中のアスコルビン酸
類の残存率との関係を研究しアスコルビン酸類の飼料中
での安定性の向上を模索し検討を行った結果、L−アス
コルビン酸類の特定の粒径、体積以上の造粒物を特殊な
方法で飼料原料中に混合し特定の温度以上で高温造粒す
ることにより特定の大きさの飼料中のアスコルビン酸類
を安定に保てることを見いだし本発明を完成した。
【0009】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明におけるアスコルビン酸強化造粒飼料に配合されるア
スコルビン酸類含有粒子(以下VC粒子と略す)とはア
スコルビン酸類としてL−アスコルビン酸、L−アスコ
ルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸ナトリウム等
のL−アスコルビン酸又はその塩類から選択される単体
又は二種以上の混合物を主成分とする平均粒径1〜10
mmの結晶又は造粒粒子からなる。
【0010】本発明におけるアスコルビン酸強化造粒飼
料に配合されるVC粒子のうち造粒粒子とはL−アスコ
ルビン酸、L−アスコルビン酸カルシウム、L−アスコ
ルビン酸ナトリウム等のL−アスコルビン酸又はその塩
類から選択される単体又は二種以上の混合物を主成分と
するアスコルビン酸類と増粘性、接着性を持つ物質とそ
れらを溶解させる溶剤等の造粒に必要な副成分からな
る。これら副成分は従来の技術で使用される物質を用い
ることができ特に限定されない。副成分の溶剤は増粘
性、接着性物質を溶解可能な水やアルコール類もしくは
飼料に添加できうる安全な溶媒から選択されれば良く特
に限定されない。
【0011】副成分の増粘性、接着性物質としては例え
ばヤシ油、魚油、チキン油、菜種油、大豆油、パーム
油、牛油、ラード、ヒマシ油、チキン油類、などの食用
油類、硬化油類、ポリアクリル酸塩類、ポリエチレング
リコール類などの増粘性高分子化合物、でんぷん、ソル
ビット、デキストリン類、ショ糖等の増粘性糖類、前記
のアスコルビン酸類、ワックス類、ロウ類、ポリグリセ
リン重合脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル
類、ショ糖脂肪酸エステル類等の脂肪酸エステル類パル
ミチン酸類、ステアリン酸類等の脂肪酸類、カルボキシ
メチルセルロース等のセルロース類やこれらの混合物が
ある。
【0012】本発明のアスコルビン酸強化造粒飼料に配
合するVC粒子の造粒粒子中には、従来アスコルビン酸
類の安定性を保つために用いられてきたアスコルビン酸
類の安定剤又はその安定化誘導体を配合することもでき
る。例えばビタミンE、エリソルビン酸、茶抽出物、ポ
リフェノール類、エトキシキンなどの酸化防止剤、アス
タキサンチン等のカロチノイド類、クエン酸、リン酸、
メタリン酸、グリシン等の有機酸類等、L−アスコルビ
ン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコル
ビン酸−2−トリリン酸ナトリウム、L−アスコルビン
酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−2−ピロリ
ン酸ナトリウム等のL−アスコルビン酸の安定化物又は
その塩類から選択される混合物等の従来のアスコルビン
酸安定化剤又はその安定化物を配合することができる。
【0013】本発明におけるアスコルビン酸強化造粒飼
料に配合されるVC粒子のうち造粒粒子の造粒方法は造
粒後にアスコルビン酸類の力価が極端に減少しない方法
で、好ましくはVC粒子の体積あたりの表面積が少なく
凹凸の少ない球形に近い粒子を成型可能な造粒機械、造
粒方法であれば従来の造粒技術が使用でき特に限定され
ない。例えぼ、流動層造粒コーティング装置、遠心流動
型コーティング造粒装置、遠心流動型造粒機、スプレー
ドライ式造粒機、回転円板式流動層造粒装置、遠心転動
式造粒装置、浮遊流動式造粒機、旋回流動式造粒機等を
使用した造粒方法を用いることもできる。
【0014】造粒粒子中のアスコルビン酸類の濃度は特
に限定されないがアスコルビン酸類への造粒剤の添加が
VC粒子の飼料中での安定性を増すことを考慮するとV
C粒子中のアスコルビン酸類濃度は好ましくは50−9
5%が望ましい。VC粒子が結晶の場合は本発明のVC
粒子の主成分であるアスコルビン酸以外の副成分として
結晶水、付着水、その他の不純物等がありVC粒子中の
アスコルビン酸類の濃度は特に限定されないが50〜1
00%重量が望ましい。
【0015】本発明のアスコルビン酸類に配合するVC
粒子の平均粒径は1〜10mmの範囲でなければならな
い。本発明者らの実験結果から従来技術によるアスコル
ビン酸類の粒径が1mm以下の微粒子でコーティング造
粒されたアスコルビン酸類を飼料に添加してもそのほと
んどが飼料造粒時かもしくは流通時に経時的に速やかに
分解してしまう。アスコルビン酸類の粒径が1mm以上
であれば酸化分解するのはVC粒子の表面数ミクロンの
範囲のみであり粒子の内側の大部分が分解を回避でき
る。VC粒子表面のアスコルビン酸類は酸化されるがV
C粒子表面は酸素欠乏となり中心部まで酸素が到達する
ことができず粒子の内側のアスコルビン酸類は分解をま
ぬがれるものと推定される。本発明者らの実験によれば
飼料の造粒温度が80−200℃であっても粒径1mm
以上のVC粒子であればその50%以上のアスコルビン
酸類が残存しうることが確認されている。
【0016】逆にこの粒径が大き過ぎると飼料の造粒成
型に飼料が脆くなる等の悪影響を及ぼすため本発明のV
C粒子の平均粒径は1〜10mmの範囲が良く形状は体
積当たりの表面積が少ない球形もしくはそれに近い不定
形が好ましい。
【0017】本発明のアスコルビン酸強化造粒飼料には
前記のVC粒子を飼料1kg当たり5mM以上のアスコ
ルビン酸類の濃度になるように配合する。
【0018】本発明のアスコルビン酸強化造粒飼料の形
状は平均粒径1〜10mmのVC粒子を配合することを
考慮すると平均粒径5〜50mm、平均体積100mm
以上の飼料形状が望ましい。
【0019】本発明のVC粒子のアスコルビン酸強化造
粒飼料への配合方法はVC粒子がその形状を破壊せずに
配合されるのであれば特に限定されない。一般に造粒飼
料の原料は造粒前にすべて粉砕機で粉砕後ミキサーで混
合されるがVC粒子をこのように粉砕するとその粒子が
1mm以下に破壊される可能注があるため粉砕後の原料
にVC粒子を添加する必要がある。
【0020】本発明のVC粒子を添加したアスコルビン
酸強化造粒飼料は通常の造粒方法で、造粒することがで
きる。造粒起と方法としてはエクストルーダー、ペレッ
ターマシンなどの通常の押し出し成型機を使用した造粒
法を用いることができる。
【0021】本発明のアスコルビン酸強化造粒飼料中の
VC粒子のアスコルビン酸類の安定性を保つためにには
飼料の酸素透過率を低くすることが好ましく、このため
には造粒前のグルテン生成の向上及び高温過熱によるα
−デンプン化率の上昇が飼料内への酸素透過率を低下さ
せることができる。グルテン生成については飼料造粒前
の飼料原料に対する練り時間の増加、加圧等が有用であ
り、このためにはペレットマシーンによる造粒よりも練
り時間の長く高い加圧が可能なエクストルーダーによる
造粒が望ましい。デンプンのα−デンプン化率の上昇に
ついてはエクストルーダー等の造粒機の造粒温度が80
℃以上である必要があるが温度が高過ぎるとアスコルビ
ン酸が分解するため好ましくは80〜200℃の範囲の
過熱造粒が望ましい。
【0022】本発明のアスコルビン酸強化飼料はその粒
径が5mm以上、体積100mm以上に限定されかつ
飼料が80℃以上の高温で過熱造粒しているため飼料の
硬度が高くかつ脆くない等の性質を備えているためにこ
れを消化吸収でき得る発達した消化管を持つ生物に投与
されることが望ましい。その例としては体長15cm以
上のハマチ、タイ、サケ、マス、アユ用飼料及びニワト
リ、ブタ、ウシ用飼料がある。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により、更に
詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例、比
較例により限定されるものではない。
【0024】(1)実施例1 次の処方によりフロイント産業社製流動層造粒コーチン
グ装置FLO−120型により常法により平均粒径1m
mのVC粒子を造粒した。グラニュー糖30メッシュ2
0%,アスコルビン酸60%、コーンスターチ5%,ポ
リエチレングリコール(6.000)5%,ヒドロキシ
プロピルセルロースエタノール溶解物10%
【0025】このVC粒子を次の処方により他の飼料原
料を粉砕後にミキサーで混合しウエンガー社製2軸エク
ストルーダー(内部温度110−122℃)で常法によ
り平均粒径5mmのハマチ、タイ、サケ、マス、アユ用
造粒飼料を製造した。魚粉35%、コーンミール30
%、マッカラム塩3%、ハルーバービタミンプレミック
ス1.4%、前記のVC粒子0.5%及び残分に大豆粉
を添加して100%とした。
【0026】(2)実施例2 コーンミール30%、小麦粉30%、魚粉5%、アルフ
ァルファミール4%、キャッサバミール5%、ライムス
トン粉末5%、フスマ6%、河合製薬社製ミネラルミッ
クス3%、武田化学飼料社製ビタミンプレミックス1.
4%、実施例1のVC粒子0.5%及び残分に大豆粉を
添加して100%としこれを原料に実施例1と同条件で
ウエンガー社製エクストゥルーダーにより平均粒径5m
mのニワトリ、ブタ、ウシ用造粒飼料を製造した。
【0027】(3)比較例1 試験区として実施例1、2の飼料用い、又比較区として
実施例1、2の飼料に平均粒径0.05mmのコーティ
ングアスコルビン酸を実施例1、2と同じ濃度で同じ組
成の飼料に同じ製造方法で添加し飼料を実施例1の方法
で造粒した後飼料中のL−アスコルビン酸の安定性を比
較した。アスコルビン酸の定量は飼料中のアスコルビン
酸を5%メタリン酸で抽出し高速液体クロマトグラフィ
ーにより飼料中のアスコルビン酸含量を測定し試験区の
L−アスコルビン酸濃度を1.00とした時の比較区の
L−アスコルビン酸量の存在比を求め表1にまとめた。
この結果本発明の試験区のL−アスコルビン酸の存在比
は、比較区に比べ高くなっており飼料中のL−アスコル
ビン酸の残存濃度を高めることが確認された
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明により、安価なL−アスコルビン
酸類を安定に配合したハマチ、タイ、サケ、マス、ア
ユ、ニワトリ、ブタ、ウシ用のアスコルビン酸強化造粒
飼料を製造することができ経済動物の成長率の向上、弊
死率の低下、品質の向上に寄与でき、産業上有用な技術
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスコルビン酸類を含有する平均粒径1
    〜10mmのアスコルビン酸類含有粒子を配合すること
    により飼料1kg中のアスコルビン酸類濃度が5mM以
    上含有された粒径5mm以上、体積100mm以上の
    アスコルビン酸強化造粒飼料。
  2. 【請求項2】 飼料がハマチ、タイ、サケ、マス、ア
    ユ、ニワトリ、ブタ、ウシ、ウマ用飼料で80℃以上の
    温度で造粒される高温造粒飼料である請求項1のアスづ
    ルビン酸強化造粒飼料。
JP5238685A 1993-06-29 1993-06-29 アスコルビン酸強化造粒飼料及びその製造法 Pending JPH078181A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11130674A (ja) * 1995-09-28 1999-05-18 Takeda Chem Ind Ltd ビタミン含有組成物
JP2001346524A (ja) * 2000-06-09 2001-12-18 Nippon Doubutsu Yakuhin Kk 観賞魚用飼料
KR100450274B1 (ko) * 2001-07-30 2004-09-30 주식회사 엘지생명과학 폴리에톡실화 아스코르브산 유도체를 함유하는 동물용사료첨가제 조성물

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JP2001346524A (ja) * 2000-06-09 2001-12-18 Nippon Doubutsu Yakuhin Kk 観賞魚用飼料
KR100450274B1 (ko) * 2001-07-30 2004-09-30 주식회사 엘지생명과학 폴리에톡실화 아스코르브산 유도체를 함유하는 동물용사료첨가제 조성물

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