JP2003033064A - 張力制御用電動機の速度/トルク制御装置 - Google Patents

張力制御用電動機の速度/トルク制御装置

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JP2003033064A JP2001209024A JP2001209024A JP2003033064A JP 2003033064 A JP2003033064 A JP 2003033064A JP 2001209024 A JP2001209024 A JP 2001209024A JP 2001209024 A JP2001209024 A JP 2001209024A JP 2003033064 A JP2003033064 A JP 2003033064A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動機運転を均一処理して加減速時の張力変
動を抑制し、コイル品質を向上させた張力制御用電動機
の速度/トルク制御装置を得る。 【解決手段】 PC12は、電動機8の速度指令値を生
成する速度指令器16と、巻取機2上でのコイル径に応
じて電動機8に対する界磁電圧指令値およびトルク指令
値を生成するトルク指令発生器15と、速度指令値と電
動機の回転速度との偏差に応じて電動機の電機子電圧を
制御する速度フィードバック制御系と、2種類の巻取対
象物を加減速制御しながら重ねて巻取る場合の慣性補償
量を計算する慣性補償器18とを含み、慣性補償器18
は、各巻取対象物に対する慣性補償量を個別に計算する
演算手段を含み、2種類の比重の異なる巻取対象物の慣
性モーメントを個々に計算し、その総合値を慣性補償量
として補償する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄鋼ラインなど
に適用される張力制御用電動機の速度/トルク制御装置
に関し、特に金属ストリップの巻戻しまたは巻取りを行
う巻取機を一定張力に維持することのできる張力制御用
電動機の速度/トルク制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、鉄鋼ラインなどに適用される金
属ストリップの巻取機は、巻取り後の製品として要求さ
れるコイル径に達した時点で、速度を減速させる必要が
あり、このとき、コイルの持つ慣性力により金属ストリ
ップの張力が変動する。
【0003】このような金属ストリップの張力変動は、
製品の品質に影響をおよぼすので、巻取機の制御におい
ては、一定張力を保ちながら巻取ることが要求されてい
る。したがって、巻取機の張力制御においては、巻戻し
張力および巻取り張力を一定に保つために、電動機の速
度/トルクがフィードバック制御されている。
【0004】また、巻取時においては、金属ストリップ
表面が損傷されるのを防ぐために、紙や樹脂のフィルム
が積層されており、2種類の巻取対象物に対して張力制
御する必要がある。
【0005】この種の速度/トルク制御装置において
は、加速(減速)時における加速トルクを補償する必要
があるが、従来の慣性補償においては、比重の異なる2
種類の巻取対象物に対して巻戻し運転および巻取り運転
を行う際に、比重の小さい方(フィルム)の補償制御は
無視されている。
【0006】次に、従来の張力制御用電動機の速度/ト
ルク制御装置による動作について説明する。一般に、電
動機を運転する場合、電圧および電流がともに正極性の
領域が使用されるが、たとえば鉄鋼ラインなどのコイル
巻戻し運転および巻取り運転においては、周知のように
他の領域も使用される。
【0007】たとえば、巻取機の運転パターンについて
考えると、加速および定常運転状態においては、力行運
転となる。一方、減速時においては、回生運転となり、
この場合、金属ストリップを定張力に保ちつつ、決めら
れた速度で運転する必要がある。
【0008】しかしながら、加速トルクに対する慣性補
償においては、比重の異なる2種類の巻取対象物に対し
て巻戻し運転および巻取り運転を行う際に、比重の小さ
い方を無視しているので、加減速時の張力変動が補償さ
れないおそれがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の張力制御用電動
機の速度/トルク制御装置は以上のように、加速トルク
に対する慣性補償において、比重の異なる2種類の巻取
対象物に対して巻戻し運転および巻取り運転を行う際
に、比重の小さい方を無視していたので、加減速時の張
力変動を補償することができないという問題点があっ
た。
【0010】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、2種類の比重の異なる巻取対象
物の慣性モーメントを個々に計算し、その総合値を慣性
補償量として補償することにより、電動機によるコイル
の巻戻し運転および巻取り運転を均一に処理することの
できる張力制御用電動機の速度/トルク制御装置を得る
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る張力制御
用電動機の速度/トルク制御装置は、ライン上で搬送さ
れて巻取機に巻取られる巻取対象物の張力を制御するた
めの電動機の速度/トルク制御装置において、巻取対象
物は、比重の異なる2種類の巻取対象物を含み、電動機
の電機子電流に基づいて電機子電圧を制御するプログラ
マブルコントローラを備え、プログラマブルコントロー
ラは、電動機に対する速度指令値を生成する速度指令器
と、電動機の回転速度に基づく巻取対象物の巻取機上で
のコイル径に応じて、電動機に対する界磁電圧指令値を
生成する界磁指令器と、電動機に対するトルク指令値を
生成するトルク指令発生器と、速度指令値と電動機の回
転速度との偏差に応じて電動機の電機子電圧を制御する
速度フィードバック制御系と、2種類の巻取対象物を加
減速制御しながら重ねて巻取る場合の慣性補償量を計算
する慣性補償器とを含み、慣性補償器は、2種類の巻取
対象物に対する慣性補償量を個別に計算する演算手段を
含むものである。
【0012】また、この発明に係る張力制御用電動機の
速度/トルク制御装置による慣性補償器内の演算手段
は、2種類の巻取対象物に対応した慣性補償量を個別に
算出するためのテーブルを含み、テーブルは、加減速時
における巻取対象物のコイル径をパラメータとして慣性
補償量を算出し、慣性補償量を電動機に対するトルク補
正値とするものである。
【0013】また、この発明に係る張力制御用電動機の
速度/トルク制御装置による慣性補償器内の演算手段
は、電動機のトルク実績値を収集する収集手段と、電動
機のトルク実績値に基づいて学習テーブル値を生成する
学習用テーブルとを含み、テーブルは、学習テーブル値
に基づいて慣性補償量を補正する機能を含むものであ
る。
【0014】また、この発明に係る張力制御用電動機の
速度/トルク制御装置による慣性補償器内の演算手段
は、2種類の巻取対象物に対応した占積率を個別に算出
するためのテーブルを含み、テーブルは、2種類の巻取
対象物の張力値、鋼種および板厚値をパラメータとして
占積率を算出し、占積率を電動機に対するトルク補正値
とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、図面を参照
しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明
する。図1はこの発明の実施の形態1を示すブロック構
成図である。
【0016】図1において、1は巻取り巻取対象物とな
る金属ストリップ、2は巻取機、3は金属ストリップ1
を巻取機2に向けて送るための送りロールである。な
お、ここでは図示されないが、巻取機2の直前にはフィ
ルムが挿入機構が設けられており、金属ストリップ1
は、フィルム(図示せず)と積層されてコイル状に巻取
られる。
【0017】4は巻取機2の速度およびトルクを制御す
るための速度/トルク制御装置(Automatic
Speed Regurator/Current L
imit Controller)、5は巻取機2の速
度を制御するための速度制御装置(Automatic
Speed Regurator)、6は速度/トル
ク制御装置4の制御下で巻取機2を駆動する減速機、7
は速度制御装置5の制御下で送りロール3を駆動する減
速機である。
【0018】8は巻取機2に駆動力を供給するための電
動機、9は送りロール3に駆動力を供給するための電動
機、10は電動機8の回転速度に対応したパルス信号を
生成するパルス発生器、11は電動機9の回転速度に対
応したパルス信号を生成するパルス発生器である。
【0019】12はプログラマブルコントローラ(以
下、「PC」と記す)、13はPC12に操作入力を与
えるための操作箱、14はPC12に所定の動作プログ
ラムおよび各種データを入力するプロセスコンピュータ
である。
【0020】PC12は、トルク指令発生器15、速度
指令発生器16、コイル径計測器17および慣性補償器
18を備えており、速度指令値と電動機8の回転速度と
の偏差に応じて電動機8の電機子電圧を制御する速度フ
ィードバック制御系を構成している。
【0021】トルク指令発生器15は、電動機8に対す
るトルク指令器のみならず、界磁電圧指令値を生成する
界磁指令器を含んでいる。トルク指令発生器15は、速
度/トルク制御装置4に対するトルク指令値Toを生成
し、速度指令発生器16は、速度制御装置5に対する速
度指令値Voを生成する。
【0022】コイル径計測器17は、各パルス発生器1
0、11からのパルス信号に基づいて、巻取機2上の金
属ストリップ1のコイル径Dを計測する。各パルス発生
器10、11からのパルス信号は、後述するように、加
減速速度の演算にも用いられる。
【0023】慣性補償器18は、プロセスコンピュータ
14からの入力データ(ストリップ幅Wなど)と、速度
指令発生器16から入力データ(速度指令値)と、コイ
ル径計測器17からの入力データ(コイル径D)とに基
づいて、慣性補償用の制御値をトルク指令発生器15に
入力する。
【0024】速度/トルク制御装置4に対する張力目標
値T*および速度制御装置5に対する速度目標値V*
は、目標設定値として、プロセスコンピュータ14から
与えられる。
【0025】各目標設定値T*およびV*は、PC12
内のトルク指令発生器15および速度指令発生器16に
より、速度/トルク制御装置4および速度制御装置5に
対するトルク指令値Toおよび速度指令値Vo(基準制
御値)に変換される。また、各基準制御値To、Voを
実際に出力するタイミングは、操作箱13から入力され
る。
【0026】図1のように、巻取機2には、減速機6を
介して電動機8が設けられており、電動機8の駆動出力
は、トルク制御装置4により制御されて、金属ストリッ
プ1の張力を制御する。
【0027】また、巻取機2の前段に配置された送りロ
ール3には、減速機7を介して電動機9が設けられてお
り、電動機9の駆動出力は、速度制御装置5により制御
される。
【0028】これにより、金属ストリップ1は、トルク
制御装置4および減速機6を介して駆動される巻取機2
と、速度制御装置5および減速機7を介して駆動される
送りロール3とにより、一定速度且つ一定張力で巻取機
2に巻取られる。
【0029】このように、金属ストリップ1は、巻取機
2に対して、一定速度且つ一定張力で巻取られが、巻取
機2上に巻取られたコイルは、時間毎に刻々と変化す
る。
【0030】このとき、巻取機2上のコイル径Dの変化
に追従して、PC12内のトルク発生器15から生成さ
れるトルク基準制御値も制御する必要がある。したがっ
て、まず、PC12内のコイル径計測器17は、パルス
発生器10、11から入力されるパルス信号に基づい
て、巻取機2上のコイル径Dを計測する。
【0031】以下、高品質の製品を得るために、PC1
2内の慣性補償器18およびトルク指令発生器15によ
りトルク補償を行い、一定張力が維持されるように巻取
機2を制御する。
【0032】すなわち、PC12は、トルク発生器1
5、速度指令発生器16、コイル径計測器17および慣
性補償器18を有し、一定張力に対して変化する電動機
8の界磁に対応する電動機8の電機子電流に基づく電機
子電圧を制御する。
【0033】また、トルク指令発生器15は、一定ライ
ン速度に対して変化するコイル径に対応した界磁指令値
を生成する。さらに、慣性補償器18は、比重の異なる
2種類の巻取対象物が重ねて巻取られたコイルの加減速
時での慣性を補償するために、比重の異なる2種の巻取
対象物を個々に慣性補償量として計算を行う。
【0034】次に、図2を参照しながら、図1内の慣性
補償器18による演算処理について詳細に説明する。図
2は慣性補償器18による慣性モーメントGD2の演算
機能(トルク指令発生器15の指令値演算機能に関連す
る)を示すブロック図である。
【0035】図2において、21は金属ストリップ1の
慣性モーメントGD2を算出するGD2演算手段、22は
パルス信号(速度v)から加減速速度を算出する加減速
速度演算手段、23はトルク計算定数K(<<1)を算
出するトルク計算定数演算手段、24はトルク出力値T
[kg・m]を算出するトルク出力値演算手段である。
【0036】前述のように、金属ストリップ1(また
は、フィルム)を巻取る際には、比重の異なる2種類以
上の巻取対象物に対して、個々の慣性モーメントGD2
を計算しなければ、加減速時の慣性補償を行うことがで
きず、安定した張力制御を実現することはできない。
【0037】したがって、慣性補償器18内のGD2
算手段21は、巻取対象物の慣性モーメントGD2を個
々に計算する。すなわち、巻取機2の自身の慣性モーメ
ントGDo2に、比重の異なる各コイルの慣性力相当値
を加算して、以下の(1)式のように慣性モーメントG
2を算出する。
【0038】 GD2=GDo2+(π/8)×δa×Wa×(D4−Do4)×αa+(π/8 )×δb×Wb×(D4−Do4)×αb ・・・(1)
【0039】ただし、(1)式において、DはPC12
内で計測されるコイル径、DoはPC12内にあらかじ
め格納されたコイル内径(データ値)、Wa、Wbはプ
ロセスコンピュータ14から入力される各巻取対象物の
ストリップ幅、δa、δbは巻取られる金属ストリップ
1およびフィルムの各比重、αa、αbは巻取機2上の
コイルの各巻取対象物毎の占積率である。
【0040】なお、占積率αa(=コイルBの板厚/コ
イルAの板厚)、αb(=1−αa)は、金属ストリッ
プ1、フィルムの各厚みの比率から算出され、たとえ
ば、プロセスコンピュータ14から各種データとして与
えられ得る。
【0041】また、加減速速度演算手段22は、加減速
時の加減速速度Vaを以下の(2)式により算出する。
【0042】 Va=(dv/dt)×(1/Dπ) ・・・(2)
【0043】ただし、(2)式において、dv/dtは
PC12の1サンプリング当たりの速度変化、Dπは現
在のコイル円周である。(2)式のように、加減速速度
Vaは、1サンプリング当たりの速度変化dv/dtを
コイル円周Dπで除算した値となる。
【0044】トルク計算定数演算手段23は、トルク出
力値Tの計算に用いられる定数K(たとえば、1/37
5)を算出する。トルク出力値演算手段24は、各演算
手段21〜23からの出力値を全て乗算し、慣性補償と
しての制御値すなわちトルク出力値Tを算出する。
【0045】以上のように、比重の異なる個々の慣性モ
ーメントGD2を計算することにより、加減速時の金属
ストリップ1に与えられる張力変動を抑制することがで
き、安定な張力制御に基づいて高品質のコイルを生産す
ることができる。
【0046】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、個々の比重δa、δbを計算したが、コイル径Dを
パラメータとしたデータテーブルにより、コイル径Dに
応じて比重A、B毎の慣性モーメントGD2を求めても
よい。
【0047】以下、図3を参照しながら、各比重毎のG
2算出用テーブルを設けたこの発明の実施の形態2に
ついて説明する。この場合、慣性補償器18は、加減速
時でのコイル径をパラメータとしたテーブル(モデル
式)を有し、トルク補正値としてトルク指令発生器15
に与える。
【0048】図3はこの発明の実施の形態2による慣性
補償器18A内の計算機能を示すブロック図であり、前
述(図2参照)と同様のものについては同一符号を付し
て詳述を省略する。
【0049】図3において、慣性補償器18Aは、前述
のGD2演算手段21に代えて、コイル径Dをパラメー
タとする2種類のテーブル25、26を備えている。テ
ーブル25は、コイル径Dから比重A用の慣性モーメン
トGD2aを算出し、テーブル26は、コイル径Dから
比重B用の慣性モーメントGD2bを算出する。
【0050】各テーブル25、26の出力値は、巻取機
2の自身の慣性モーメントGDo2に加算され、さら
に、加減速速度Vaおよびトルク計算定数Kが乗算され
る。これにより、慣性補償用のトルク出力値Tが算出さ
れる。
【0051】このように、コイル径Dをパラメータとす
るテーブル25、26により、比重A、B毎に慣性モー
メントGD2a、GD2bを求めることができ、したがっ
て、前述と同様に、加減速時の張力変動を抑制すること
ができる。
【0052】実施の形態3.なお、上記実施の形態2で
は、テーブル25、26のみを設けたが、加減速時にお
ける電動機8のトルク実績をPC12に収集して、トル
ク実績に応じて最適なテーブル値を学習する学習用テー
ブルを設けてもよい。
【0053】この場合、慣性補償器28内のテーブル
(モデル式)は、トルク実績値を収集する機能と、トル
ク実績値に応じた学習機能とを備えている。以下、図4
を参照しながら、学習用テーブルを設けたこの発明の実
施の形態3について説明する。
【0054】図4はこの発明の実施の形態3による慣性
補償器18B内の計算機能を示すブロック図であり、前
述(図3参照)と同様のものについては同一符号を付し
て詳述を省略する。
【0055】図4において、19は電動機8の出力電流
値(トルク実績)を検出する変流器であり、検出された
トルク実績はPC12内の慣性補償器18Bに入力され
る。慣性補償器18Bは、前述の構成要素21〜26に
加えて、収集装置27および学習用テーブル28を備え
ている。
【0056】収集装置27は、加減速時における電動機
8のトルク実績を収集し、学習用テーブル28に入力す
る。学習用テーブル28は、電動機8のトルク実績に基
づいて、各テーブル25、26の出力値を学習すること
により、最適のテーブル値(補正値)を各テーブル2
5、26にフィードバックする。これにより、加減速時
の張力変動をさらに確実に抑制することができる。
【0057】実施の形態4.なお、上記実施の形態1で
は、巻取られるコイルの占積率αa、αbを金属ストリ
ップ1、フィルムの厚み比率により求めたが、張力値、
鋼種および板厚値をパラメータとするデータテーブルを
用いて、占積率αa、αbを求めてもよい。
【0058】この場合、慣性補償器28は、計算過程に
おいて、異種ストリップの各占積率αa、αbを、張力
値、鋼種、板厚をパラメータとしたテーブル(モデル
式)を有し、トルク補正値としてトルク指令発生器15
に与える。
【0059】以下、図5を参照しながら、占積率αa、
αbの算出用テーブルを設けたこの発明の実施の形態4
について説明する。一般に、巻取対象物がフィルムなど
の場合、張力設定の値によっては、巻取対象物が押しつ
ぶされることがあり、厚み比率が微妙に変化することが
ある。
【0060】したがって、巻取対象物がフィルムなどの
場合には、厚み比率をパラメータとするよりも、張力
値、鋼種および板厚値をパラメータとして、占積率α
a、αbを求める方が高い信頼性を得ることができる。
【0061】図5はこの発明の実施の形態4による慣性
補償器18C内の計算機能を示すブロック図であり、前
述(図2参照)と同様のものについては同一符号を付し
て詳述を省略する。
【0062】図5において、慣性補償器18Cは、前述
の構成要素21〜24に加えて、占積率設定テーブル2
9を備えている。占積率設定テーブル29は、プロセス
コンピュータ14から入力される張力値、鋼種および板
厚値をパラメータとして、占積率αa、αbを算出し、
GD2演算手段21に入力する。
【0063】以下、前述と同様に、トルク出力値演算手
段24により、慣性補償用のトルク出力値Tが算出され
る。これにより、巻取対象物がフィルムなどの場合であ
っても、加減速時の張力変動を確実に抑制することがで
きる。
【0064】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ライ
ン上で搬送されて巻取機に巻取られる巻取対象物の張力
を制御するための電動機の速度/トルク制御装置におい
て、巻取対象物は、比重の異なる2種類の巻取対象物を
含み、電動機の電機子電流に基づいて電機子電圧を制御
するPCを備え、PCは、電動機に対する速度指令値を
生成する速度指令器と、電動機の回転速度に基づく巻取
対象物の巻取機上でのコイル径に応じて、電動機に対す
る界磁電圧指令値を生成する界磁指令器と、電動機に対
するトルク指令値を生成するトルク指令発生器と、速度
指令値と電動機の回転速度との偏差に応じて電動機の電
機子電圧を制御する速度フィードバック制御系と、2種
類の巻取対象物を加減速制御しながら重ねて巻取る場合
の慣性補償量を計算する慣性補償器とを含み、慣性補償
器は、2種類の巻取対象物に対する慣性補償量を個別に
計算する演算手段を含み、2種類の比重の異なる巻取対
象物の慣性モーメントを個々に計算し、その総合値を慣
性補償量として補償するようにしたので、電動機による
コイルの巻戻し運転および巻取り運転を均一処理するこ
とができ、加減速時の張力変動を抑制して安定な張力制
御を実現して製品の品質を向上させた張力制御用電動機
の速度/トルク制御装置が得られる効果がある。
【0065】また、この発明によれば、慣性補償器内の
演算手段は、2種類の巻取対象物に対応した慣性補償量
を個別に算出するためのテーブルを含み、テーブルは、
加減速時における巻取対象物のコイル径をパラメータと
して慣性補償量を算出し、慣性補償量を電動機に対する
トルク補正値とするようにしたので、演算負荷を軽減し
た張力制御用電動機の速度/トルク制御装置が得られる
効果がある。
【0066】また、この発明によれば、慣性補償器内の
演算手段は、電動機のトルク実績値を収集する収集手段
と、電動機のトルク実績値に基づいて学習テーブル値を
生成する学習用テーブルとを含み、テーブルは、学習テ
ーブル値に基づいて慣性補償量を補正する機能を含むの
で、さらに高精度な均一処理が可能な張力制御用電動機
の速度/トルク制御装置が得られる効果がある。
【0067】また、この発明によれば、慣性補償器内の
演算手段は、2種類の巻取対象物に対応した占積率を個
別に算出するためのテーブルを含み、テーブルは、2種
類の巻取対象物の張力値、鋼種および板厚値をパラメー
タとして占積率を算出し、占積率を電動機に対するトル
ク補正値とするようにしたので、演算負荷を軽減した張
力制御用電動機の速度/トルク制御装置が得られる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示すブロック構成
図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による演算機能を示
すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による慣性補償器内
の演算機能を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態3による慣性補償器内
の演算機能を示すブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態4による慣性補償器内
の演算機能を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 金属ストリップ、2 巻取機、3 送りロール、4
速度/トルク制御装置、5 速度制御装置、8 巻取
機用の電動機、9 送りロール用の電動機、10 巻取
機用のパルス発生器、11 送りロール用のパルス発生
器、12 PC(プログラマブルコントローラ)、13
操作箱、14 プロセスコンピュータ、15 トルク
指令発生器、17 コイル径計測器、18、18A、1
8B、18C 慣性補債器、19 変流器(トルク実績
検出器)、21 GD2演算手段、22 加減速速度演
算手段、23 トルク計算定数演算手段、24 トルク
出力値演算手段、25、26 比量用GD2テーブル、
27 収集装置、28学習用テーブル、29 占積率設
定テーブル、D コイル径、K トルク計算定数、To
トルク指令値、Va 加減速速度、Vo 速度指令
値。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ライン上で搬送されて巻取機に巻取られ
    る巻取対象物の張力を制御するための電動機の速度/ト
    ルク制御装置において、 前記巻取対象物は、比重の異なる2種類の巻取対象物を
    含み、 前記電動機の電機子電流に基づいて電機子電圧を制御す
    るプログラマブルコントローラを備え、 前記プログラマブルコントローラは、 前記電動機に対する速度指令値を生成する速度指令器
    と、 前記電動機の回転速度に基づく前記巻取対象物の前記巻
    取機上でのコイル径に応じて、前記電動機に対する界磁
    電圧指令値を生成する界磁指令器と、 前記電動機に対するトルク指令値を生成するトルク指令
    発生器と、 前記速度指令値と前記電動機の回転速度との偏差に応じ
    て前記電動機の電機子電圧を制御する速度フィードバッ
    ク制御系と、 前記2種類の巻取対象物を加減速制御しながら重ねて巻
    取る場合の慣性補償量を計算する慣性補償器とを含み、 前記慣性補償器は、前記2種類の巻取対象物に対する慣
    性補償量を個別に計算する演算手段を含むことを特徴と
    する張力制御用電動機の速度/トルク制御装置。
  2. 【請求項2】 前記慣性補償器内の演算手段は、前記2
    種類の巻取対象物に対応した慣性補償量を個別に算出す
    るためのテーブルを含み、 前記テーブルは、加減速時における前記巻取対象物のコ
    イル径をパラメータとして前記慣性補償量を算出し、前
    記慣性補償量を前記電動機に対するトルク補正値とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の張力制御用電動機の
    速度/トルク制御装置。
  3. 【請求項3】 前記慣性補償器内の演算手段は、 前記電動機のトルク実績値を収集する収集手段と、 前記電動機のトルク実績値に基づいて学習テーブル値を
    生成する学習用テーブルとを含み、 前記テーブルは、前記学習テーブル値に基づいて前記慣
    性補償量を補正する機能を含むことを特徴とする請求項
    2に記載の張力制御用電動機の速度/トルク制御装置。
  4. 【請求項4】 前記慣性補償器内の演算手段は、前記2
    種類の巻取対象物に対応した占積率を個別に算出するた
    めのテーブルを含み、 前記テーブルは、前記2種類の巻取対象物の張力値、鋼
    種および板厚値をパラメータとして前記占積率を算出
    し、前記占積率を前記電動機に対するトルク補正値とす
    ることを特徴とする請求項1に記載の張力制御用電動機
    の速度/トルク制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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