JP2003032960A - 駆動用スピンドルモータおよび情報記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報記録媒体層が形成された平面を面振れを
小さくして高精度に回転させ、情報を高密度に記録・再
生を行うことができる駆動用スピンドルモータを提供
し、それを用いた小型、薄型の情報記録再生装置を提供
する。 【解決手段】 略同心円状の複数の記録トラックを記録
する情報記録媒体層が形成された平面を有するディスク
部と、その外周部に環状の突出部を一体形成して回転デ
ィスクを構成し、突出部と軸受部によりラジアル軸受部
およびスラスト軸受部を構成することにより、駆動用ス
ピンドルモータの回転軸を省略でき、また、軸受剛性を
大きくすることができ、小型化、薄型化を実現するとと
もに、高精度な回転ディスクの面振れおよび軸振れを実
現し、高記録密度の実現を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスクや光
ディスク等の情報記録媒体を使用した情報記録再生装
置、特に情報を高い密度で記録し、それを再生すること
ができる装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】以下、従来の情報記録再生装置について
図面を用いて説明する。

【０００３】図７は従来の情報記録再生装置の主要部の
概略断面図、図８はその一部の部分拡大図である。

【０００４】図７において、圧入等の方法により回転台
７１に回転軸部７２が固着されており、回転台７１のフ
ランジ部７３の下面にはロータヨーク７４を介して複数
極に着磁された回転磁石７５が固着され、これらにより
回転子７６を形成している。

【０００５】一方、回転子７６の回転軸部７２の外周面
と微小な隙間が形成される内周面を有するリング形状の
軸受スリーブ７７がスラスト支持板７８によって一端が
封止された状態で形成され、固定側軸受部７９を構成し
てベース８０に固着されており、図８に部分拡大図で示
すように、軸受スリーブ７７とスラスト支持板７８で形
成される凹部に、回転子７６の回転軸部７２が挿入さ
れ、回転軸部７２と軸受スリーブ７７およびスラスト支
持板７８の間の微小な隙間に、例えばエステル系合成油
のような動圧潤滑剤８１が封入されている。さらに、鉄
心８２にコイル８３が巻かれた固定子８４が、ベース８
０に圧入或いは接着等の方法により固着され、回転磁石
７５とコイル８３が巻かれた鉄心８２が対向するように
配置されている。また、回転磁石７５の軸方向下端面に
対向するようにスラスト吸引板８５がベース８０に固着
されている。

【０００６】スラスト支持板７８に対向する回転子７６
の回転軸部７２の下端面のスラスト面に動圧発生溝（図
示せず）を有しスラスト軸受部８６を形成している。ま
た、回転子７６の回転軸部７２の外周面に対向する軸受
スリーブ７７の内周面には、動圧発生溝（図示せず）を
有しラジアル軸受部８７を形成し、スラスト軸受部８６
およびラジアル軸受部８７でもって所謂流体軸受を構成
しており、コイル８３に電流を供給することによって周
知のように回転磁石７５が回転即ち回転子７６が回転
し、回転子７６の回転軸部７２の回転によって、動圧潤
滑剤８１に動圧が発生し、回転軸部７２においてラジア
ル方向およびアキシャル方向に動圧を受けて、回転子７
６が回転中心軸１の周りに滑らかに回転させられ、情報
記録再生装置等に適した駆動用スピンドルモータ８８を
形成している。

【０００７】情報記録媒体層が形成されている平面７０
１を有するディスク状記録媒体（以下、ディスクとよ
ぶ）７０２が回転台７１のフランジ部７３の上面に載置
され、クランプ部材７０３がネジ７０４の締め付けによ
ってディスク７０２を回転台７１のフランジ部７３に押
し付けて固定している。駆動用スピンドルモータ８８に
よりディスク７０２を回転させて、スライダに搭載した
磁気ヘッド（図示せず）または光を集光する対物レンズ
等を備えた光ピックアップ（図示せず）等の情報変換素
子を用いて周知の方法にてディスク７０２への記録再生
を行うことで情報記録再生装置が構成される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】近年、各種情報機器が
広く使用されるようになって、ディスクに対してもその
記録容量増大の必要性が増してきており、高記録密度化
への取り組みが強化されているとともに、装置の小型化
・薄型化への要求が強まりつつある。それに伴って、デ
ィスクの回転精度の高精度化とともに小型化が必要にな
ってきている。

【０００９】しかしながら、上記の従来の構成の駆動用
スピンドルモータの回転台にディスクを載置した情報記
録再生装置では、回転台のフランジ部およびディスクの
それぞれの面振れおよび回転中心に対する軸振れが、重
畳された形で現れ、回転中のディスクの動的面振れおよ
び軸振れを小さく抑えることは非常に難しく、それぞれ
の面振れおよび軸振れを非常に高精度に作製することが
必要になり、さらに、回転台にディスクを固定するため
の締結部品が必要となり、コスト高にもなるという課題
があった。

【００１０】また、ディスクの回転精度の高精度化の維
持のためには、ラジアル軸受部およびスラスト軸受部を
構成する回転軸部の軸径および軸長さを大きくする必要
があり、回転軸部が占めるスペースが大きくなり、小型
化、薄型化を実現することが難しいという課題があっ
た。

【００１１】本発明は、上記の課題を解決し、小型化、
薄型化を実現するとともに、高精度なディスクの面振れ
および軸振れを実現し、高密度記録に好適な駆動用スピ
ンドルモータを提供し、そのような駆動用スピンドルモ
ータを用いて高記録密度の実現を図ることができる情報
記録再生装置を提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の駆動用スピンドルモータは、ディスクに情報
記録媒体層を保持するための主面を有し、ディスクの主
面とは反対側の面の外周に沿って環状の突出部が一体的
に形成されたディスク部と、突出部と対向させて環状を
なすように配置されて、ディスク部を回転自在に保持す
るとともに、突出部と協働してディスク部の回転中心軸
を規制する軸受部と、ディスク部の主面とは反対側の面
に、ロータヨークおよびこのロータヨークを介して取付
けられた環状磁石からなる回転子と、回転子に対向させ
て配置した固定子と、ディスク部の突出部と軸受部との
隙間部に形成した潤滑材層と、突出部および軸受部にお
ける、対向した壁面のいずれか一方に形成された動圧発
生溝とを備えた構成を有する。さらに、この構成の駆動
用スピンドルモータは、また、軸受部は突出部が遊嵌す
る環状の溝部を有し、溝部に沿って移動可能とし、突出
部および軸受部がそれぞれディスク部の回転中心軸と平
行な壁面を備え、壁面は間隙をおいて互いに対向し、突
出部および軸受部の少なくともいずれか一方の壁面に動
圧発生溝を設けるようにした構成をも含んでいる。

【００１３】これらの構成によって、ディスクの主面と
は反対側の面の外周に沿って一体形成した環状の突出部
と、突出部に対向させて環状をなす用に配置し、突出部
と協働してディスク部の回転中心軸を規制する軸受部で
ラジアル軸受部およびスラスト軸受部を構成することに
なり、従来ディスクの回転中心に存在した回転軸部を省
略することができ、小型化を実現できる。また、ディス
ク部外周部でラジアル軸受部を構成することになり、軸
受径が大きくなり、ラジアル軸受剛性が上がるためラジ
アル軸受部の長さを短くでき、薄型化を実現できる。同
様に、ディスク部外周部でスラスト軸受部を構成してお
り、スラスト軸受部は回転中心より離れた位置に形成さ
れ、また、軸受面積を大きくすることが容易であり、ス
ラスト軸受剛性が上がるため高精度なディスクの面振れ
および軸振れを実現し、高記録密度に好適な駆動用スピ
ンドルモータの実現を図ることができる。

【００１４】また、この目的を達成するために本発明の
駆動用スピンドルモータは、ディスク部の外周に沿って
一体形成された環状の突出部の外周側縁部と、突出部に
対向して配置形成されて軸受部を構成する環状の筐体ベ
ース外縁部の内周側との間隙部の上にカバーを設けた構
成を有している。

【００１５】この構成によって、落下等による強い衝撃
に対してもディスク部が軸受部から離脱するようなこと
がない。

【００１６】また、この目的を達成するために本発明の
情報記録再生装置は、情報記録媒体層を有するディスク
部と、ディスク部を回転駆動するモータと、情報記録媒
体層に記録再生する情報変換素子と、情報変換素子を所
定の位置に位置決めする揺動手段とを具備し、モータが
請求項１から請求項５のいずれかに記載された駆動用ス
ピンドルモータである構成を有している。

【００１７】この構成によって、小型、薄型で、且つ、
ディスク部の情報記録媒体層が形成された平面の面振れ
および軸振れが高精度に抑えられ、高密度の記録再生が
可能な情報記録再生装置を実現することができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて説明する。

【００１９】（実施の形態１）図１および図２は、本発
明の実施の形態１を説明するための情報記録再生装置の
主要部の構成概要図であり、図１は主要部である駆動用
スピンドルモータを説明するための概略断面図、図２は
図１の一部を取り出した部分拡大図、図３は本発明の回
転ディスクを反対側から見た概略平面図である。

【００２０】図１において、回転中心軸１に垂直な主面
２上に情報記録媒体層３が形成されたディスク部４と、
その外周端縁に沿って主面２とは反対側の方向に突出す
る環状の突出部５が一体形成されて回転ディスク６が形
成されている。さらに、回転ディスク６の主面２の反対
側即ち環状の突出部５側のディスク部４の下面にロータ
ヨーク７が固着され、ロータヨーク７には複数極に着磁
された環状磁石８が接着等の方法により固着され、回転
子９を構成している。一方、鉄心１０にコイル１１が巻
かれた固定子１２が、ベース１３に圧入或いは接着等の
方法により固着されている。また、ベース１３には回転
ディスク６の環状の突出部５の下端面に対向する凹部上
平面部、突出部５の外周面と微小な隙間を有して対向す
る凹部外側内周面および突出部５の内周面に微小な隙間
を有して対向する凹部内側内周面で形成される凹部を有
するリング状の軸受部１４が固着され、軸受部１４の凹
部に、回転ディスク６の突出部５が挿入され、且つ、環
状磁石８とコイル１１が巻かれた鉄心１０が隙間を有し
て対向するように配置されている。さらに、図２に部分
拡大図で示すように、環状の突出部５と側軸受部１４の
凹部との間の微小な隙間に、例えばエステル系合成油の
ような動圧潤滑剤２１が封入されている。また、環状磁
石８の軸方向下端面に対向するようにスラスト吸引板１
５がベース１３に固着されている。

【００２１】図２および図３に示すように、軸受部１４
の凹部上平面部２２に対向する回転ディスク６の環状の
突出部５の下端面２３に動圧発生溝３１を形成してスラ
スト軸受部２４を構成し、また、回転ディスク６の環状
の突出部５の外周面２５に対向する軸受部１４の凹部外
側内周面２６に動圧発生溝（図示せず）を形成して、ラ
ジアル軸受部２７を構成する。さらに、カバー２８をベ
ース１３の上面に接着等で固着し、その一部が回転ディ
スク６の主面２の外周縁部と小さな隙間を有して覆うよ
うにしておけば、落下等による強い衝撃に対しても回転
ディスク６が軸受部１４から離脱するようなことがな
い。なお、図示しないが、カバー２８は、ベース１３で
はなく、軸受部１４の上面に固着しても良い。

【００２２】コイル１１に電流を供給することによって
周知のように環状磁石８が回転即ち回転ディスク６が回
転し、環状の突出部５の回転によって、動圧潤滑剤２１
に動圧が発生し、軸受部１４および回転ディスク６の突
出部５においてラジアル方向およびアキシャル方向に動
圧を受けて、回転ディスク６が回転中心軸１の周りに滑
らかに回転させられ、情報記録再生装置に好適な駆動用
スピンドルモータを構成する。

【００２３】なお、動圧発生溝は、上述の実施の形態に
おけるように、軸受部１４の凹部上平面部２２に対向す
る回転ディスク６の環状の突出部５の下端面２３に形成
するのではなく、回転ディスク６の環状の突出部５の下
端面２３に対向する軸受部１４の凹部上平面部２２に動
圧発生溝を形成しても同じ効果が得られることは言うま
でもないことであり、その動圧発生溝は、軸受部１４の
凹部上平面部２２に対向する回転ディスク６の突出部５
の下端面２３に形成された動圧発生溝と同じ形状で形成
される。また、ラジアル軸受部２７として、軸受部１４
の凹部外側内周面２６に動圧発生溝（図示せず）を形成
する替わりに、軸受部１４の凹部外側内周面２６に対向
する回転ディスク６の環状の突出部５の外周面２５に動
圧発生溝を形成しても良い。

【００２４】また、図示していないけれども、上述の説
明において軸受部１４とベース１３を個別の部材として
説明したが、軸受部１４をベース１３に一体形成して一
つの部材としても良いのは言うまでもないことであり、
一体形成することによって、一層小型化、薄型化が図る
ことができる。

【００２５】環状磁石８の下端面に対向させてスラスト
吸引板１５を設けること、および、軸受部１４の凹部と
回転ディスク６の環状の突出部５で形成される隙間に動
圧潤滑剤２１を充填することによって、情報記録再生装
置のいかなる姿勢差に対しても、環状磁石８とスラスト
吸引板１５の間の磁力、および、回転ディスク６の周囲
の大気圧を受けて、回転ディスク６の環状の突出部５は
軸受部１４の凹部から抜けることはなく、また、動圧潤
滑剤２１自身の粘性や表面張力で動圧潤滑剤２１が流れ
出て動圧潤滑剤２１がなくなるようなこともなく、回転
ディスク６の回転中においても、発生した動圧潤滑剤２
１の動圧と回転子９の自重、環状磁石８とスラスト吸引
板１５の間の磁力およびその周りの大気圧と釣り合った
状態で滑らかに回転するものである。

【００２６】また、上述の実施の形態においては、コイ
ル１１が巻かれた鉄心１０の内側（回転中心軸１側）
に、ロータヨーク７に固着された環状磁石８が鉄心１０
に対向するように構成された所謂インナロータ型の構成
で説明しているが、図４に示すように、コイル４１が巻
かれた鉄心４２がロータヨーク４３に固着された環状磁
石４４の内側に対向するように構成された所謂アウタロ
ータ型の構成としても良いのは言うまでもないことであ
る。なお、図４において前述の図１に示された参照符号
が付加された項目と同様の項目については、図１と同じ
参照符号を付加している。図４において、コイル４１が
巻かれた鉄心４２が、圧入或いは接着等の方法により、
ベース４５に固着されており、一方、ロータヨーク４３
に固着された環状磁石４４が回転ディスク４６に接着等
の方法により固着され、鉄心４２と環状磁石４４が対向
するように配置されている。その他の点は図１における
インナロータ型と同様であり、ここでは詳細な説明は省
略する。

【００２７】また、上述の実施の形態は、所謂ラジアル
ギャップ（周対向）型ブラシレスモータの構成にて示し
ているが、図５に示すように、所謂アキシャルギャップ
（面対向）型ブラシレスモータの構成で形成しても良い
のは言うまでもないことである。ここで、図５はアキシ
ャルギャップ型ブラシレスモータの構成を有する情報記
録再生装置の主要部の一例を示す概略断面図であり、前
述の図１に示された参照符号が付加された項目と同様の
項目については、図１と同じ参照符号を付加している。
図５に示すように、回転ディスク６の環状の突出部５側
の面にロータヨーク５１が接着等の方法により固着さ
れ、ロータヨーク５１には複数極に着磁された環状磁石
５２が同様に接着等の方法により固着されている。一
方、例えば印刷配線基板５３上にそれぞれ略三角形状の
複数個のコイル５４が巻かれた固定子５５が、ベース５
６に固着され、環状磁石５２とコイル５４が軸方向に隙
間を有するように対向して配置されている。その他の点
は図１におけるラジアルギャップ型ブラシレスモータと
同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。

【００２８】また、上述の実施の形態の各々（ラジアル
ギャップ型におけるインナロータ型とアウタロータ型お
よびアキシャルギャップ型）において、組立時、例えば
真空槽等の真空中で軸受部の凹部に動圧潤滑剤を所定量
滴下し、その後軸受部の凹部に回転ディスクの環状の突
出部を挿入することが好ましい。真空中にて組立てるこ
とにより、動圧潤滑剤に含まれる空気等の気泡が取り除
かれる。さらに、動圧潤滑剤が空気等の気泡を含まない
ことによって動作中の周囲の温度による空気等の気泡の
膨張がないため一層安定した軸受性能を発揮させること
ができる。

【００２９】本実施の形態１にて説明した駆動用スピン
ドルモータと、スライダに搭載した磁気ヘッド（図示せ
ず）、或いは、光を集光する対物レンズ等を備えた光ピ
ックアップ（図示せず）等の情報変換素子と、情報変換
素子を情報記録媒体層の所定の位置に位置決めする揺動
手段（図示せず）を用いて周知の方法にて回転ディスク
上の情報記録媒体層への記録再生を行うことによって、
小型化、薄型化で高記録密度を実現した情報記録再生装
置が構成される。

【００３０】以上のように本実施の形態１によれば、回
転ディスクを駆動用スピンドルモータ部の回転子の一部
として兼ねた働きをさせることによって、駆動用スピン
ドルモータ部の回転台のフランジ部にディスクをクラン
プする部材や回転台そのものも不用となり、薄型化を図
ることができるとともに、低コスト化も図ることができ
る。

【００３１】また、回転ディスクの外周部において回転
ディスクと軸受部によってラジアル軸受部およびスラス
ト軸受部を構成することにより、モータ部の回転軸部を
省略することができ、小型化、薄型化を実現するととも
に、回転中心軸に対する回転ディスクの情報記録媒体層
が形成された平面の直角度が非常に高精度に形成され、
その直角度不良による面振れを極めて小さく抑えること
ができ、また、軸受剛性が非常に大きくなり、高精度な
ディスクの面振れを実現することができ、さらに、面外
振動を抑制することができ、高記録密度の実現を図るこ
とができる。また、回転中心軸に対する径方向の振れも
小さく抑えることができ、回転ディスクの情報記録媒体
層に記録される略同心円状の複数の記録トラックに正確
に追従させるための予め転写されたサーボ信号の回転中
心と回転ディスクの実動作中の回転中心のズレも小さく
抑えられることになり、高記録密度の実現を図ることが
できる。

【００３２】（実施の形態２）図６は、本発明の実施の
形態２の情報記録再生装置の主要部を説明するための図
であり、主要部の概略断面図である。なお、前述の図１
に示された参照符号が付加された項目と同様の項目につ
いては、図１と同じ参照符号を付加している。

【００３３】図６において、回転ディスク６１は、前述
の実施の形態１と同様に、主面２に情報記録媒体層３が
形成されたディスク部４と外周部に環状の突出部６２が
一体形成された形状を有しており、ロータヨーク７を介
して環状磁石８が固着されて回転子６３を構成してい
る。また、軸受部６４は、回転ディスク６１の環状の突
出部６２の下端面に対向する凹部上平面部、突出部６２
の内周面と微小な隙間を有して対向する凹部内側内周面
および突出部６２の外周面に微小な隙間を有して対向す
る凹部外側内周面で形成される凹部を有するリング形状
であり、回転ディスク６１の突出部６２と軸受部６４の
間の微小な隙間には動圧潤滑剤６５が充填されている。

【００３４】軸受部６４の凹部に回転ディスク６１の環
状の突出部６２を挿入した状態において、回転ディスク
６１の環状の突出部６２の下端面、或いは、回転ディス
ク６１の環状の突出部６２の下端面に対向する軸受部６
４の凹部上平面部のいずれか一方に動圧発生溝（図示せ
ず）を形成してスラスト軸受部６６を構成し、回転ディ
スク６１の環状の突出部６２の内周面、或いは、回転デ
ィスク６１の環状の突出部６２の内周面に対向する軸受
部６４の凹部内側内周面のいずれか一方に動圧発生溝
（図示せず）を形成してラジアル軸受部６７を構成する
という点が前述の実施の形態１と異なる。その他の構成
は前述の実施の形態１と同様であり、詳細な説明につい
ては省略する。

【００３５】本実施の形態２においても、図示しない
が、前述の実施の形態１と同様に、軸受部６４はベース
６８と一体形成しても良いし、鉄心にコイルが巻かれた
固定子がロータヨークに固着された環状磁石の内側に対
向するアウタロータ型の構成にすることも容易に可能で
あり、また、印刷配線基板上に複数個のコイルが巻かれ
た固定子が環状磁石と軸方向に隙間を有するように対向
して配置されたアキシャルギャップ（面対向）型ブラシ
レスモータの構成で形成することができるのは言うまで
もないことである。さらに、前述の実施の形態１と同様
に、真空中で組立てることによって、安定した軸受性能
を発揮させることができる。

【００３６】以上のように本実施の形態２によれば、前
述の実施の形態１と同様に、情報記録媒体層が形成され
た平面の回転中心軸に対する直角度が高精度に保持され
るとともに、軸受剛性も大きく、面振れおよび軸振れが
非常に小さく抑えられて、高精度な回転精度が得られ、
また、部品の削減もできてコストの低減化を図り、さら
に、小型化、薄型化に適した構成の駆動用スピンドルモ
ータ部を実現することができ、高密度記録に好適な情報
記録再生装置を実現することができる。

【００３７】

【発明の効果】以上のように本発明は、情報記録媒体層
が回転中心軸に垂直な平面上に形成され、外周部に一体
化された環状の突出部からなる回転ディスクと、情報記
録媒体層が形成された主面とは反対側の回転ディスクの
面にロータヨークを介して固着された環状磁石とにより
構成された回転子と、回転ディスクの環状の突出部の外
周を微小な隙間をもって包み込むような凹部を有する軸
受部、および、環状磁石に対向させて配置された固定子
が配設されたベースとからなり、さらに、回転ディスク
の突出部の下端面に動圧発生溝を形成してスラスト軸受
部、回転ディスクの環状の突出部の外周面に対向する軸
受部の凹部内側内周面に動圧発生溝を形成してラジアル
軸受部を構成し、回転ディスクを回転駆動するモータ部
を備えた情報記録再生装置構成である。

【００３８】このような構成とすることにより、回転デ
ィスクの外周部に一体形成された環状の突出部と軸受部
によりラジアル軸受部およびスラスト軸受部を構成し、
ディスク駆動用スピンドルモータの回転軸部を省略する
ことができ、その省略したスペースにロータヨークに固
着された環状磁石、および、環状磁石に対向させて配置
された固定子を配置することができるため、小型化を実
現できる。

【００３９】また、情報記録媒体層が形成された回転デ
ィスクを駆動用スピンドルモータ部の回転子の一部とし
て用いることにより、ディスクを駆動用スピンドルモー
タに締結するための締結部材が不要となり、コストの低
減を図ることができるとともに、薄型化の実現を図るこ
とができ、さらに、軸受部と組み合わせて回転ディスク
の環状の突出部を軸受部とすることにより、回転中心軸
に対する直角度が非常に高精度に形成され、情報記録媒
体層が形成された回転ディスクの平面面振れを極めて小
さく抑えることができ、高精度なディスクの面振れを実
現することができ、また、回転中心軸に対する径方向の
振れも小さく抑えることができ、回転ディスクの情報記
録媒体層に記録される略同心円状の複数の記録トラック
に正確に追従させるための予め転写されたサーボ信号の
回転中心と回転ディスクの実動作中の回転中心のズレも
小さく抑えられることになり、高記録密度の実現を図る
ことができる。

【００４０】また、回転ディスクの外周部でラジアル軸
受部を構成するため軸受径が大きくなり、ラジアル軸受
剛性が上がり、従って、ラジアル軸長さを短くできるた
め薄型化を実現できる。同様に、回転ディスクの外周部
でスラスト軸受部を構成することにより軸受部の面積を
大きくすることができるとともに、径の大きな位置でス
ラスト軸受部を構成することになり、スラスト軸受剛性
が非常に大きくなるため、高精度なディスクの面振れお
よび軸心振れを実現し、高密度記録に適した駆動用スピ
ンドルモータの実現を図ることができ、そのような駆動
用スピンドルモータを搭載することによって、高密度記
録ができる小型、薄型の情報記録再生装置の実現を図る
ことができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１における駆動用スピンド
ルモータの構成を概要説明するための概略断面図

【図２】本発明の実施の形態１における駆動用スピンド
ルモータの構成を概要説明するための部分拡大図

【図３】本発明の実施の形態１における回転ディスクを
下から見た概略平面図

【図４】本発明の実施の形態１におけるアウタロータ型
の構成を概要説明するための概略断面図

【図５】本発明の実施の形態１におけるアキシャルギャ
ップ型の構成を概要説明するための概略断面図

【図６】本発明の実施の形態２における駆動用スピンド
ルモータの構成を概要説明するための概略断面図

【図７】従来の情報記録再生装置における駆動用スピン
ドルモータを示す概略断面図

【図８】従来の情報記録再生装置における駆動用スピン
ドルモータの一部を示す部分拡大図

【符号の説明】

１ 回転中心軸 ２ 主面 ３ 情報記録媒体層 ４ ディスク部 ５，６２ 突出部 ６，４６，６１ 回転ディスク ７，４３，５１，７４ ロータヨーク ８，４４，５２ 環状磁石 ９，６３，７６ 回転子 １０，４２，８２ 鉄心 １１，４１，５４，８３ コイル １２，５５，８４ 固定子 １３，４５，５６，６８，８０ ベース １４，６４ 軸受部 １５，８５ スラスト吸引板 ２１，６５，８１ 動圧潤滑剤 ２２ 凹部上平面部 ２３ 下端面 ２４，６６，８６ スラスト軸受部 ２５ 外周面 ２６ 凹部外側内周面 ２７，６７，８７ ラジアル軸受部 ２８ カバー ３１ 動圧発生溝 ５３ 印刷配線基板 ７１ 回転台 ７２ 回転軸部 ７３ フランジ部 ７５ 回転磁石 ７７ 軸受スリーブ ７８ スラスト支持板 ７９ 固定側軸受部 ８８ 駆動用スピンドルモータ ７０１ 平面 ７０２ ディスク状記録媒体（ディスク） ７０３ クランプ部材 ７０４ ネジ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｇ１１Ｂ 19/20 Ｇ１１Ｂ 19/20 Ｅ Ｈ０２Ｋ 21/12 Ｈ０２Ｋ 21/12 Ｍ Ｆターム(参考） 3J011 AA01 BA04 CA02 5D006 CB07 DA03 5D109 BA02 BA12 BA13 BA17 BA20 BA22 BB02 BB12 BB18 BB21 BB22 5H607 AA04 BB01 BB09 BB13 BB14 BB17 CC01 GG03 GG12 GG15 GG20 JJ04 5H621 BB07 GA01 GA04 HH01 JK07 JK13 JK19

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスクに情報記録媒体層を保持するた
   めの主面を有し、前記ディスクの前記主面とは反対側の
   面の外周に沿って環状の突出部が一体的に形成されたデ
   ィスク部と、 前記突出部と対向させて環状をなすように配置されて、
   前記ディスク部を回転自在に保持するとともに、前記突
   出部と協働して前記ディスク部の回転中心軸を規制する
   軸受部と、 前記ディスク部の前記主面とは反対側の面に、ロータヨ
   ークおよびこのロータヨークを介して取付けられた環状
   磁石からなる回転子と、 前記回転子に対向させて配置した固定子と、 前記ディスク部の前記突出部と前記軸受部との間隙部に
   形成した潤滑材層と、 前記突出部および前記軸受部における、対向した壁面の
   いずれか一方に形成された動圧発生溝とを備えたことを
   特徴とする駆動用スピンドルモータ。
2. 【請求項２】 前記軸受部は前記突出部が遊嵌する環状
   の溝部を有し、前記溝部に沿って移動可能としたことを
   特徴とする請求項１に記載の駆動用スピンドルモータ。
3. 【請求項３】 前記突出部および前記軸受部がそれぞれ
   前記ディスク部の回転中心軸と平行な壁面を備え、前記
   壁面は間隙をおいて互いに対向していることを特徴とす
   る請求項１または請求項２に記載の駆動用スピンドルモ
   ータ。
4. 【請求項４】 前記突出部および前記軸受部の少なくと
   もいずれか一方の壁面に動圧発生溝を設けたことを特徴
   とする請求項３に記載の駆動用スピンドルモータ。
5. 【請求項５】 前記ディスク部の外周に沿って一体形成
   された環状の前記突出部の外周側縁部と、前記突出部に
   対向して配置形成されて前記軸受部を構成する環状の筐
   体ベース外縁部の内周側との間隙部の上にカバーを有す
   ることを特徴とする請求項１から請求項４のいずれかに
   記載の駆動用スピンドルモータ。
6. 【請求項６】 情報記録媒体層を有するディスク部と、 前記ディスク部を回転駆動するモータと、 前記情報記録媒体層に記録再生する情報変換素子と、 前記情報変換素子を所定の位置に位置決めする揺動手段
   とを具備し、 前記モータが請求項１から請求項５のいずれかに記載さ
   れた駆動用スピンドルモータであることを特徴とする情
   報記録再生装置。