JP2003031496A - 半導体基板の製造方法及び半導体装置 - Google Patents
半導体基板の製造方法及び半導体装置Info
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Abstract
成する半導体基板の製造方法において、結晶の成長方向
のみならずこれに直交する方向にも良好に電流が流れる
半導体基板を製造する。 【解決手段】 絶縁性基板1上に非晶質半導体膜21を
形成し、絶縁性基板1およびレーザ照射手段31の少な
くとも一方を一方向に移動させながら非晶質半導体膜2
1にレーザ光をパルス照射し、非晶質半導体膜21を前
記移動方向に順次結晶化させて第1の結晶化領域Aを形
成した後、第1の結晶化領域A内を照射開始位置とし
て、絶縁性基板1およびレーザ照射手段31の少なくと
も一方を前記移動方向に対して略垂直方向に移動させな
がらレーザ光をパルス照射して、半導体膜を順次結晶化
させる。
Description
法およびこれを用いた半導体装置に関し、より詳細には
連続横方向結晶成長方法(Sequential Lateral Solidif
ication;以下「SLS法」と記すことがある)により非
晶質半導体膜を結晶化させる半導体基板の製造方法およ
びこの方法で製造された半導体基板を用いた半導体装置
に関するものである。
高解像度の密着型イメージセンサ、三次元ICといった
装置を実現させるためには、絶縁性の基板や膜の上に高
性能な半導体素子を形成する必要がある。このためこの
ような半導体素子の開発が近年盛んに行われている。
いる。薄膜状の半導体には大別して非晶質なものと結晶
性のものとがある。非晶質半導体膜は低い温度で、しか
も気相法で比較的容易に作製できることから量産性に優
れ、これまで広く用いられてきたが、高性能の半導体素
子に用いるには結晶性のものに比べ導電性の点などで不
十分であった。そこで高性能の半導体素子には結晶性の
半導体膜を用いる必要があった。
した非晶質半導体膜にレーザ光を照射し、レーザ光のエ
ネルギーにより結晶化する方法が一般的に用いられてい
た。この方法は、非晶質半導体膜の溶融・固化による結
晶化現象を用いたものであり、比較的高品質な結晶性半
導体膜が得られるが、前記の高性能な半導体素子に用い
るには未だ満足できるものではなかった。
質半導体膜を一方向に移動させながら非晶質半導体膜に
レーザ光をパルス照射し、既に結晶化した領域の結晶性
を反映させなら移動方向に結晶を成長させる方法(連続
横方向結晶成長方法;SLS法)がある。例えば特表200
0-505241号公報では、この方法を利用して、パルスレー
ザ光をマスクを介して露光するように照射して半導体膜
の一部を溶融し、結晶の成長方向を制御する技術が提案
されている。具体的には、パルスレーザを非晶質半導体
膜に照射するときの移動距離を小さくすることで、移動
方向に結晶を成長させている。また、マスクの形状やア
イランド形状を特定の形状とすることで小面積ではある
が結晶粒界のない単結晶領域を作製している。
成長方向に優れた結晶性が得られるのでこの成長方向に
は電流はよく流れるものの、結晶間に存在する結晶粒界
が結晶の成長方向に沿ったものとなるため、結晶の成長
方向に直交する方向には電流が流れにくいという問題が
あった。このためこのような結晶性半導体膜を用いた半
導体素子では結晶の成長方向によって電気特性にバラツ
キがあった。
されたものであり、結晶の成長方向のみならずこれに直
交する方向にも良好に電流が流れる半導体基板を製造す
る方法を提供することをその目的とするものである。
がなく、高性能な半導体装置を提供することにある。
基板上に非晶質半導体膜を形成し、絶縁性基板およびレ
ーザ照射手段の少なくとも一方を一方向に移動させなが
ら前記非晶質半導体膜にレーザ光をパルス照射し、前記
非晶質半導体膜を前記移動方向に順次結晶化させて第1
の結晶化領域を形成した後、第1の結晶化領域内を照射
開始位置として、絶縁性基板およびレーザ照射手段の少
なくとも一方を前記移動方向に対して略垂直方向に移動
させながらレーザ光をパルス照射して、半導体膜を順次
結晶化させることを特徴とする半導体基板の製造方法が
提供される。
ーザ光のパルス照射間隔の間に移動する、絶縁性基板と
レーザ照射手段との相対的距離を、レーザ照射により溶
融した半導体膜が隣接する結晶化領域の結晶性を反映し
て再結晶化できる長さとするのが望ましく、その相対的
距離としては0.1〜1.5μmの範囲が好ましい。
と、これに隣接する結晶化領域との境界で、半導体膜を
溶融するエネルギー値からゼロにビームエネルギーを不
連続に変化させるのが望ましい。このようにするために
は、例えばレーザ光のビームエネルギー分布において半
導体膜を溶融するエネルギー値未満の部分を遮断部材を
用いて遮断し、この部分のレーザ光が半導体膜に照射さ
れないようにすればよい。
体膜が膜厚方向にわたって完全に溶融するエネルギー以
上であるのがよい。具体的には、レーザ光のビームエネ
ルギーは200〜600mJ/cm2の範囲が好まし
い。
照射領域を、レーザ照射手段の相対的移動方向に短く、
移動方向に垂直な方向に長い長方形とするのが望まし
い。
造方法によって製造された半導体基板を用い、この半導
体基板の中で第2段階のレーザー光照射により多結晶化
した領域を活性領域として用いたことを特徴とする半導
体装置が提供される。
みならずこれに直交する方向にも良好に電流が流れる半
導体基板を製造できないか鋭意検討を重ねた結果、SL
S法により一方向に結晶を成長させた後、この方向に対
して略垂直方向に、この結晶の結晶性を反映させるよう
にSLS法により結晶を成長させればよいことを見出し
本発明をなすに至った。
程図を示す。まず、絶縁性基板の表面に形成された非晶
質半導体膜21に対して、図の左から右方向へレーザ照
射手段31を移動させながらレーザ光をパルス照射する
(図1(a))。すると、非晶質半導体膜21は前記移
動方向に成長した結晶性半導体膜22となる(同図
(b))。なおこの図では結晶粒界を細線で表している
が、実際には結晶粒界を目視で観察することはできな
い。結晶粒界を観察するにはセコエッチングすればよ
い。
動方向に対して略垂直方向に変えると同時にレーザ照射
領域が図の左右方向に広くして、前記と同様にレーザ照
射手段32を移動させながらレーザ光をパルス照射させ
る(同図(c))。ここで重要なことは、レーザ照射開
始位置を前記形成した第1の結晶化領域A内とすること
である。すなわち、図の左右方向に成長した結晶の部分
を図の下方向に順次成長させることにより大きな結晶が
得られる、換言すれば結晶粒界の少ない半導体膜が得ら
れるのである(同図(d),(e))。具体的には、従
来の1回のSLS法による結晶化では、筋状の結晶粒界
が1μm以下の間隔で多数形成されていたのに対し、本
発明の製造方法によれば、結晶粒界の間隔を数十〜数百
μm程度にまで大きくすることができる。これにより結
晶粒界に直交する方向の導電性を、結晶粒界に沿う方向
のそれとほぼ同等のレベルにできる。
晶化工程において半導体膜の上部のみにパルスレーザ光
を照射して第1の結晶化領域Aとしているが、半導体膜
の全体にパルスレーザ光を照射して全体を第1の結晶化
領域Aとしてももちろん構わない。ただ、第2段の結晶
化工程で成長に反映される結晶性は、第2段のパルスレ
ーザ光の照射開始位置の結晶性であるから、第1段の結
晶化工程で半導体膜の全体を結晶化する技術的必要性は
なく、エネルギー効率を考慮するならば第1段の結晶化
領域はできるだけ狭い領域であるのが望ましい。また、
第1段の結晶化領域Aは半導体膜の周縁に設けなくても
よく、例えば図1の半導体膜中央の左右方向に結晶化領
域Aを設け、この結晶化領域Aから上方向と下方向にそ
れぞれ第2段の結晶化処理を行っても構わない。
く。SLS法による結晶成長の工程を図2に示す。ここ
では図の上から下方向にレーザ照射手段(不図示)が移
動するものとし、この方向に結晶が成長する。まず、レ
ーザ光が照射されるとその領域の半導体膜は溶融する
(同図(a))。そして照射が終わると、冷却されて溶
融した半導体は照射領域の両端から中央に向かって次第
に固化・結晶化する。このとき、照射領域に隣接して結
晶化領域がある場合には、この結晶化領域の結晶性が溶
融状態から結晶化する半導体に反映して結晶が成長する
(同図(b))。次に、図の下方向に所定距離移動した
領域にレーザ光が照射され(同図(c))、この領域の
半導体が溶融する(同図(d))。そして、前記と同様
にして隣接する結晶化領域の結晶性を反映しながら結晶
が成長していく(同図(e))。この工程を繰り返すこ
とにより、レーザ照射手段の移動方向(同図の下方向)
に結晶が成長する。
照射手段の移動距離は、溶融した半導体膜が隣接結晶化
領域の結晶性を反映して再結晶できる距離とするのが望
ましい。前記移動距離が前記距離よりも長いと、ランダ
ムな結晶核によるグレイン状の結晶となるからである。
前記距離は半導体の種類や膜厚などから適宜決定すれば
よいが、隣接結晶化領域の結晶性を反映した再結晶を行
い、且つ高い生産性を得るためには0.1〜1.5μm
の範囲が好ましい。
ネルギーは、レーザ光照射領域の移動方向後端と、これ
に隣接する結晶化領域との境界で、半導体膜が溶融する
エネルギー値からゼロに不連続に変化させるのが望まし
い。例えば、レーザ光のビームエネルギー分布8が図3
に示すようなガウシアン形状であった場合には、レーザ
光照射領域の結晶化領域に接する部分がレーザ光の照射
によっても充分には溶融せず、結晶化領域の結晶性を反
映させながら結晶を成長させることができなくなるから
である。
領域との境界でレーザ光のビームエネルギーを急激に変
化させるには、例えばレーザ照射手段と絶縁性基板との
間に遮断部材を配設し、半導体膜を溶融するエネルギー
値未満のレーザ光の部分を遮断し、この部分のレーザ光
が半導体膜に照射されないようにすればよい。遮断部材
を用いれば、レーザ照射手段の光学系を大幅に変更する
ことなく、また難しい調整も必要なく、簡単に不必要な
レーザ光部分を除くことができる。図4に、遮断部材6
を設けた場合のレーザ光のビームエネルギー分布図の一
例を示す。図4から理解されるように、ガウシアン形状
のビームエネルギー分布8を有するレーザ光であっても
レーザ光の光路に遮断部材6を配設すれば、半導体膜を
溶融できないビームエネルギーの低い部分を簡単に取り
除くことができ、しかもレーザ光照射領域の境界を所定
エネルギー値以上からゼロに不連続に変化させることが
できる。
ルギーは、半導体膜が膜厚方向にわたって完全に溶融す
るエネルギー以上であるのがよい。半導体膜が膜厚方向
に完全に溶融しないと、結晶化する際に隣接する結晶化
領域の結晶性が充分に反映されないからである。具体的
なレーザ光のビームエネルギーとしては一般に200〜
600mJ/cm2の範囲が好ましい。
長400nm以下のエキシマレーザ光が好適である。波
長400nm以下のレーザ光は、半導体膜特にケイ素膜
に対する吸収係数が非常に高いため、絶縁性基板に熱的
衝撃を与えることなく半導体膜のみを瞬時に加熱でき、
またエキシマレーザ光は発振出力が大きいため照射面積
を広くすることができるからである。このようなエキシ
マレーザ光としては例えば、波長308nmのXeCl
エキシマレーザ光、波長248nmのKrFエキシマレ
ーザ光、波長198nmのArFエキシマレーザ光など
が挙げられ、この中でも、大きな発振出力が安定して得
られることからXeClエキシマレーザ光が最も好まし
い。なお、波長は可視域となるがYAGレーザ光も使用
可能である。
は、レーザ照射手段の相対的移動方向に短く、前記移動
方向に垂直な方向に長い長方形とするのが望ましい。レ
ーザ照射領域における前記移動方向の長さは、レーザ光
のパルス照射間に移動するレーザ照射手段の距離以上で
あればよい。したがって、限られたレーザ光のビームエ
ネルギーを有効に使用するためには、レーザ光の照射領
域を、レーザ照射領域の移動方向の長さをできる限り短
くする一方、移動方向に垂直な方向の長さをできる限り
長くするのがよい。
に非晶質半導体膜を形成する方法に特に限定はなく、プ
ラズマCVD法や減圧CVD法、スパッタリング法など
従来公知の方法を用いることができる。また、形成する
非晶質半導体膜の膜厚に特に限定はないが30〜150
nmの範囲が好ましい。
は、薄膜トランジスタ(Thin FilmTransistor;「TF
T」)の部材として好適に用いられる。ここで、TFT
のソース/ドレイン領域及びチャンネル領域(これらを
「活性領域」という)は、前記半導体基板のうち第2段
階のレーザー光照射により多結晶化した領域を用いる。
前記のように、この領域は結晶粒界が少なく通電方向に
よる電気特性の差が小さいからである。このようなTF
Tは、集積回路やアクティブマトリックス型の液晶表示
装置、密着型イメージセンサ、三次元ICなど広く使用
でき、これら各種装置の高速化、高解像度化などの高性
能化が可能となる。
びその半導体基板を用いてN型の薄膜トランジスタ(T
FT)を製造する方法について、その一実施形態を次に
説明する。図5に概略工程図を示す。まず、ガラス基板
(絶縁性基板)1上にスパッタリング法によって厚さ3
00〜500nmの酸化ケイ素からなる下地膜11を形
成した。この下地膜11はガラス基板1からの不純物の
拡散を防ぐ作用を奏する。そして次に、プラズマCVD
法によって厚さ40nmの真性(I型)非晶質ケイ素膜
21を形成した(同図(a))。
段からパルスレーザ光3を一方向(第1段階)とそれに
垂直な方向(第2段階)に非晶質ケイ素膜21に順に照
射して、非晶質ケイ素膜21を結晶性ケイ素膜22とし
た(同図(b))。これにより結晶粒界の間隔が数百μ
mの結晶性ケイ素膜22が形成された。なお、レーザ光
3はXeClエキシマレーザ(波長308nm、パルス
幅40nsec)を用い、照射時に基板1を400℃に
加熱し、ビームエネルギーを350mJ/cm 2とし
た。
6に示す。レーザ発振器34から出射したパルスレーザ
光33はミラー4によって方向を変えられてホモジナイ
ザー5へ入射する。そしてこのホモジナイザー5でレー
ザ光33は長方形状のレーザ光とされ、さらに絶縁性基
板1とホモジナイザー5との間の光路に配設された遮断
部材6により、ビームエネルギーの低い絶縁性基板1の
移動方向の前・後部分がカットされてレーザ光33は半
導体膜2に照射する。ホモジナイザー5から出射して遮
断部材6に照射するレーザ光照射面積は300mm×
0.2mmとした。そして半導体膜2に照射するレーザ
光照射面積7は、第1段階の照射は10mm×0.05
mm、第2段階の照射は300mm×0.05mmとし
た。遮断部材6と基板1との間隔はいずれも数mm程度
である。
0.5μmとした。前記レーザ光照射面積の移動方向の
長さは0.05mm(50μm)であるから、ケイ素膜
上の任意の一点おいて合計100回のパルス照射が行わ
れる。もちろん、最後のパルス照射が結晶の成長に直接
影響する。
の活性領域として用いる部分の結晶性ケイ素膜22を残
しその他を除去する。なお、TFTの活性領域として用
いる部分は第2段階のレーザー光照射により多結晶化し
た領域である必要がある。そして次に、活性領域となる
結晶性ケイ素膜22を覆うように、厚さ100nmの酸
化ケイ素膜101を成膜する(同図(d))。この酸化
ケイ素膜101はゲート絶縁膜として作用する。具体的
には、TEOS(Tetra Ethoxy Ortho Silicate)を原
料とし、酸素と共に基板を300〜450℃に加熱して
RFプラズマCVD法によってこれを分解・堆積させ
た。別の成膜方法として、TEOSを原料としてオゾン
ガスと共に基板を400〜550℃に加熱して減圧CV
D法又は常圧CVD法によってこれを分解・堆積させて
もよい。そして、酸化ケイ素膜を成膜した後、ゲート絶
縁膜自身のバルク特性および結晶性ケイ素膜とゲート絶
縁膜との界面特性を向上させるために、不活性ガス雰囲
気下で400〜600℃の温度で1〜4時間アニール処
理した。
リング法によって厚さ600nmのアルミニウム膜を形
成した後、パターニングしてゲート電極102を形成す
る。つぎに、イオンドーピング法によって、ゲート電極
102をマスクとして結晶性ケイ素膜22に不純物とし
てリンを注入した(同図(f))。結晶性ケイ素膜22
のうち、リンが注入された部分は後にソース/ドレイン
領域103となり、リンが注入されなかった部分は後に
チャンネル領域104となる(同図(g))。なお、ド
ーピングガスとしてフォスフィン(PH3)を用い、加
速電圧は80kV、ドープ量は2×1015cm-2とし
た。
イオン注入したリンの活性化を行うとともに、リンの注
入工程で劣化した結晶性を回復させた。ここでレーザは
前記と同じXeClエキシマレーザを使用した。形成し
たN型不純物(リン)領域のシート抵抗を測定したとこ
ろ200〜800Ωであった。
る、厚さ600nm程度の層間絶縁膜105を形成した
(同図(i))。層間絶縁膜105を酸化ケイ素膜で形
成する場合には、原料としてのTEOSと酸素とをプラ
ズマCVD法により、あるいはオゾンと共に減圧又は常
圧CVD法により形成する。このような方法によれば段
差被覆性に優れた層間絶縁膜が得られる。一方、窒化珪
素膜で形成する場合には、SiH4とNH3を原料ガスと
してプラズマCVD法により形成する。この方法によれ
ば結晶性ケイ素膜とゲート絶縁膜との界面に水素原子が
供給され、TFT特性を劣化させる不対結合手を低減さ
せることができる。
ール106を穿設し、窒化チタンとアルミニウムの二層
膜によってソース・ドレイン電極配線107を形成する
(同図(j))。窒化チタン膜はアルミニウムが半導体
層に拡散するのを防止するために設けられる。TFTを
液晶表示装置などの画素スイッチングとして用いる場合
には、ITOなどの透明電極膜からなる画素電極をドレ
イン電極に接続する。またTFTを薄膜集積回路に用い
る場合には、ゲート電極上にもコンタクトホールを穿設
し外部電極と接続する。そして最後に、1気圧の水素雰
囲気下で350℃、1時間のアニール処理を行い、TF
Tを完成させた。
チャンネル領域の結晶成長方向とTFTでキャリアが流
れる方向とが平行であるTFTと、垂直であるTFTと
で、その電界効果移動度および閾値電圧を測定したとこ
ろ、2つの方向が平行であるTFTでは、電界効果移動
度が450cm2/Vs、閾値電圧が1.0Vであっ
た。一方、2つの方向が垂直であるTFTでは、電界効
果移動度が350cm2/Vs、閾値電圧が1.0Vで
あった。このように、本発明の半導体基板を用いて作製
したTFTでは、チャンネル方向による電気特性差を小
さくできた。また、一つの基板(400×320mm)
に作製したTFT間で(30点測定)、電界効果移動度
で±10%程度、閾値電圧で±0.2V程度のバラツキ
しかなかった。さらに、繰り返し測定や、バイアス・温
度ストレスによる耐久性試験を行ったところ、TFTの
特性に劣化はほとんど見られなかった。
トリックス型液晶表示装置を作製し、点灯評価したとこ
ろ、従来のものに比べて表示ムラが小さく、またTFT
リークによる画素欠陥もほとんどなく、さらにコントラ
スト比も高かった。
半導体基板を用いてMOS型トランジスタを作製した
が、この半導体基板を用いてバイポーラトランジスタや
静電誘導トランジスタを作製することももちろんでき
る。
びこれを用いたTFTについて具体的に説明したが、本
発明は前記説明した実施態様に限定されるものではな
く、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で行う各種変
更ももちろん本発明の技術的範囲に属する。
形成した非晶質半導体膜に対して、絶縁性基板およびレ
ーザ照射手段の少なくとも一方を一方向に移動させなが
ら非晶質半導体膜にレーザ光をパルス照射し、非晶質半
導体膜を移動方向に順次結晶化させて第1の結晶化領域
を形成した後、第1の結晶化領域内を照射開始位置とし
て、絶縁性基板およびレーザ照射手段の少なくとも一方
を前記移動方向に対して略垂直方向に移動させながらレ
ーザ光をパルス照射して、非晶質半導体膜を結晶化させ
るので、結晶粒界の間隔が数百μmと長い結晶性半導体
膜を形成できる。これにより、結晶の成長方向のみなら
ずこれに直交する方向にも良好に電流が流れる半導体基
板が得られる。
法によって製造された半導体基板を用い、この半導体基
板のうち第2段階のレーザー光照射により多結晶化した
領域を活性領域として用いるので、装置特性にバラツキ
がなく、高性能・高集積化が図れる。
工程図である。
る工程図である。
ある。
説明図である。
材の説明図である。
体膜 31,32 レーザ照射手段 33 レーザ光
Claims (9)
- 【請求項1】 絶縁性基板上に非晶質半導体膜を形成
し、絶縁性基板およびレーザ照射手段の少なくとも一方
を一方向に移動させながら前記非晶質半導体膜にレーザ
光をパルス照射し、前記非晶質半導体膜を前記移動方向
に順次結晶化させて第1の結晶化領域を形成した後、第
1の結晶化領域内を照射開始位置として、絶縁性基板お
よびレーザ照射手段の少なくとも一方を前記移動方向に
対して略垂直方向に移動させながらレーザ光をパルス照
射して、半導体膜を順次結晶化させることを特徴とする
半導体基板の製造方法。 - 【請求項2】 前記レーザ光のパルス照射間隔の間に移
動する、前記絶縁性基板と前記レーザ照射手段との相対
的距離を、レーザ照射により溶融した半導体膜が隣接す
る結晶化領域の結晶性を反映して再結晶化できる長さと
する請求項1記載の半導体基板の製造方法。 - 【請求項3】 前記相対的距離が0.1〜1.5μmの
範囲である請求項2記載の半導体基板の製造方法。 - 【請求項4】 前記レーザ光照射領域の移動方向後端
と、これに隣接する結晶化領域との境界で、半導体膜を
溶融するエネルギー値からゼロにビームエネルギーを不
連続に変化させる請求項1〜3のいずれかに記載の半導
体基板の製造方法。 - 【請求項5】 前記レーザ光のビームエネルギー分布に
おける、半導体膜を溶融するエネルギー値未満の部分を
遮断部材を用いて遮断し、この部分のレーザ光が前記半
導体膜に照射されないようにした請求項4記載の半導体
基板の製造方法。 - 【請求項6】 前記レーザ光のビームエネルギーが、前
記半導体膜が膜厚方向にわたって完全に溶融するエネル
ギー以上である請求項1〜5のいずれかに記載の半導体
基板の製造方法。 - 【請求項7】 前記レーザ光のビームエネルギーが20
0〜600mJ/cm2である請求項6記載の半導体基
板の製造方法。 - 【請求項8】 前記レーザ光の照射領域を、前記レーザ
照射手段の相対的移動方向に短く、前記移動方向に垂直
な方向に長い長方形とした請求項1〜7のいずれかに記
載の半導体基板の製造方法。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかの製造方法によ
って製造された半導体基板を用い、この半導体基板のう
ち第2段階のレーザー光照射により多結晶化した領域を
活性領域として用いたことを特徴とする半導体装置。
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Cited By (23)
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