JP2003031440A - 電気二重層コンデンサ - Google Patents

電気二重層コンデンサ

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JP2003031440A
JP2003031440A JP2001218523A JP2001218523A JP2003031440A JP 2003031440 A JP2003031440 A JP 2003031440A JP 2001218523 A JP2001218523 A JP 2001218523A JP 2001218523 A JP2001218523 A JP 2001218523A JP 2003031440 A JP2003031440 A JP 2003031440A
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electric double
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JP2001218523A
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Masahiko Ueda
昌彦 上田
Jun Kubo
純 久保
Yasuhisa Yamazaki
泰久 山崎
Kosei Kubo
好世 久保
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Nippon Kodoshi Corp
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Nippon Kodoshi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気二重層コンデンサの製造時における素子
の高温での乾燥と、得られた電気二重層コンデンサの基
盤実装時におけるリフロー炉の高温にも耐え、薄くて小
型化された電気二重層コンデンサを提供することを目的
とする。 【解決手段】 一対の分極性電極をセパレータによって
隔離してなる電気二重層コンデンサにおいて、前記セパ
レータは、ポリフェニレンサルファイドを主体とする不
織布により構成する。セパレータはポリフェニレンサル
ファイド繊維の含有率が40重量%以上の原料を用い
て、湿式抄紙法により抄造してシート化するか、ポリフ
ェニレンサルファイド繊維の含有率が40重量%以上と
なるように乾式法によりシート化作製する。セパレータ
の厚さは20〜300μmの範囲にあり、密度は、0.
250〜0.600g/cmの範囲に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気二重層コンデン
サに関し、特には電気二重層コンデンサの製造時におけ
る素子の高温での乾燥、及び得られた電気二重層コンデ
ンサの基盤実装時の耐熱性に関する要求を高レベルで達
成するようにした電気二重層コンデンサに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電気二重層コンデンサは、分極性電極と
電解液(質)を接触させたとき、分極性電極表面と電解
液(質)界面に、相対する電荷が蓄積される電気二重層
現象を利用したコンデンサである。一般的には対向する
一対の分極性電極と、この一対の分極性電極を電気的、
機械的に隔離するセパレータ及び有機電解液(質)で構
成されている。分極性電極としては、電荷蓄積界面の大
きい、即ち比表面積の大きい活性炭粉末などが使用され
る。
【0003】この電気二重層コンデンサは電極面積が広
く、アルミ電解コンデンサ等と比較して大容量が得られ
るため、主として半導体の揮発性メモリーのバックアッ
プ用途などの微弱電源として使用されてきた。更に、近
時は体積・重量エネルギー密度の大容量が着目されて、
点滅式道路鋲や電気自動車の回生システム等の産業用電
気製品からコードレスで給湯できる電気ポット等の民生
用電気製品に到るまで幅広く用途が拡大してきている。
【0004】電気二重層コンデンサは活性炭繊維布、或
いはアルミネットに活性炭やカーボンブラックを担持さ
せてなる一対の分極性電極の間にセパレータを介在さ
せ、かつ、これらに電解液を含浸させた後に封口して製
作している。電解液としてはプロピレンカーボネート等
の有機溶媒に、テトラエチルアンモニウムテトラフルオ
ロボレートやテトラエチルホスホニウムテトラフルオロ
ボレート等を溶解したものが使用されている。
【0005】この電気二重層コンデンサには、その構造
からコイン型と捲回型とがあり、その容量は電荷蓄積界
面として作用する電極の表面積により容量が決定され
る。コイン型は微細な活性炭素繊維や活性炭粉末をバイ
ンダーにより結着し、マット状にして円形に打ち抜いた
一対の分極性電極の間に平行して介在させたセパレータ
に電解液を含浸させた後に外装材を兼ねる金属ケースと
金属蓋内に収納し、ガスケットを介してかしめることに
よって密封している。一方捲回型は電極物質の表面積を
大きくするために微粉末状にした活性炭をバインダーに
より集電体である金属箔表面に塗布、結着させて電極を
構成し、この電極一対をセパレータを介在させて捲回し
てコンデンサ素子としたものが大容量の捲回型電気二重
層コンデンサとして用いられる。
【0006】電気二重層コンデンサのセパレータには、
電極として用いられる活性炭が極から脱落してもセパレ
ータを通過しない緻密性と、使用される電解液の含浸性
が良好であること、電解液を含浸させた状態での抵抗
値、即ちイオン透過性が良好であることが求められる。
特に緻密性が低いセパレータを用いた電気二重層コンデ
ンサはショート不良率や漏れ電流が増加する難点があ
り、充放電を繰り返している間に容量の低下を招く可能
性が高くなる。更にイオン透過性の低いセパレータを用
いた電気二重層コンデンサは内部抵抗が高くなり、充放
電効率が低下したり大電流の充放電には不向きなコンデ
ンサになってしまう問題がある。
【0007】ショート不良率を低減するには、均一でピ
ンホールなどの貫通孔がない緻密性の高いセパレータと
することが要求され、内部抵抗を下げるためにはショー
ト不良率の改善とは逆に、イオンが通る経路としての貫
通孔を確保するために多孔質のセパレータ、換言すれば
緻密性の低いセパレータとすることが要求される。これ
は電気二重層コンデンサの伝導方式はイオン伝導であっ
て、電荷を持ったイオンが移動することで電荷が移動す
るためである。このようにショート不良率を低減させる
とともに内部抵抗を低下させるという相反する特性が求
められている。
【0008】従来、電気二重層コンデンサのセパレータ
としては、天然セルロース繊維とフラッシュ紡糸法によ
り製造したマイクロガラス繊維の混抄紙やポリオレフィ
ン系不織布が使用されている。フラッシュ紡糸法により
製造したマイクロガラス繊維は非常に細く、断面形状が
円形で繊維剛性も高いため、緻密性が高くて電気抵抗が
低いセパレータを得ることができる。このマイクロガラ
ス繊維をセパレータとして用いることにより、残存電圧
と内部抵抗がともに良好な電気二重層コンデンサが得ら
れる。また、ポリオレフィン系不織布を用いて目付け量
の大きい厚いシートを形成することにより、緻密性の優
れたセパレータが得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年電気二重層コンデ
ンサには、更なる高容量化が求められており、特に捲回
型コンデンサの場合には素子の長さが100mmを超え
る大型の電気二重層コンデンサが製造されている。しか
し非水系有機電解液を用いる電気二重層コンデンサでは
用いる部材の水分を除去する方法が問題となる。電気二
重層コンデンサに用いる部材としては、活性炭素材料で
構成された電極とセパレータ及び電解液が挙げられる
が、活性炭素材料の持つ吸着水分を除去するには200
℃を超える高温での乾燥が必要である。
【0010】このような高温での乾燥に耐えるセパレー
タとして、前記ガラス繊維等の無機繊維を用いて製造さ
れたシートがあるが、このような無機繊維シートでは機
械的強度を高めるためにシートの厚さをより大きくする
必要がある。しかしシートの厚さを大きくすることは体
積当たりの容量を高める上で好ましくなく、又極間距離
が拡がることによって抵抗値が上昇して性能面での問題
が生じる。
【0011】電気二重層コンデンサの性能面から考慮す
ると、耐熱性の低いセパレータを用いて、活性炭電極と
セパレータをそれぞれ別々の乾燥設備を用いて最適な乾
燥温度で乾燥させた後、低湿度の雰囲気中で組み立てる
手段が一般的であるが、この手段は低湿度の雰囲気中を
実現するための設備が大がかりとなり、製造コストがア
ップしてしまうという問題がある。
【0012】他方でコイン型電気二重層コンデンサの場
合には、上記使用部材の高耐熱性の要求とともに以下の
目的でも高耐熱性が要求されている。即ち、コイン型電
気二重層コンデンサが使用される電子機器は素子の基盤
への表面自動実装化が進められており、基盤への表面実
装においては抵抗やセラミックコンデンサ等の素子を基
盤に仮止めした後、リフロー炉と呼ばれる高温の炉を通
してハンダ付けを行っている。しかし近年では環境問題
から鉛フリーハンダが使用されるようになり、リフロー
炉の温度が従来よりも高くなっていて、瞬間的に260
℃もの高温になってきており、コンデンサ素子の内部温
度も200℃近傍の高温になる。
【0013】このような高温に耐えるコイン型電気二重
層コンデンサを製造するには、従来から用いられている
ポリオレフィン系の多孔質フィルムや不織布をセパレー
タとして用いることができず、ガラス繊維等を用いた無
機繊維シートをセパレータとして用いなければならな
い。しかしながら、無機繊維シートでは前記したように
厚さを大きくすることが要求されるので、薄くて小型化
された電気二重層コンデンサを得る上での障害になると
いう問題点が生じる。
【0014】そこで本発明は、電気二重層コンデンサの
製造時における素子の高温での乾燥と、得られた電気二
重層コンデンサの基盤実装時のリフロー炉の高温にも耐
えるとともに、薄くて小型化された電気二重層コンデン
サを提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、一対の分極性電極をセパレータによって隔
離してなる電気二重層コンデンサにおいて、前記セパレ
ータは、ポリフェニレンサルファイドを主体とする不織
布により構成したことが特徴となっている。
【0016】前記セパレータは、ポリフェニレンサルフ
ァイド繊維の含有率が40重量%以上の原料を用いて、
湿式抄紙法により抄造するか、ポリフェニレンサルファ
イド繊維の含有率が40重量%以上となるように乾式法
によりシート化するか、ポリフェニレンサルファイド繊
維100重量%を加熱溶融した原料を用いて、メルトブ
ロー法もしくはスパンボンド法によりシート化して作製
する。
【0017】ポリフェニレンサルファイド繊維に配合し
て湿式抄紙法でシート化する繊維として、マニラ麻パル
プ,hempパルプ,エスパルトパルプ,木材クラフト
パルプ等の天然セルロース繊維の中から選択した少なく
とも1種の繊維を用いる。また、ポリフェニレンサルフ
ァイド繊維に配合して湿式抄紙法又は乾式法でシート化
する繊維として、レーヨン繊維,ポリエステル繊維,叩
解可能な再生セルロース繊維であるポリノジックレーヨ
ン,溶剤紡糸再生セルロース繊維であるリヨセル,ビニ
ロン,アクリル,又はポリプロピレン−ポリエチレンテ
レフタレート複合分割繊維の中から選択した少なくとも
1種の繊維を用いる。そして、セパレータの厚さは、2
0〜300μmの範囲にあり、密度は、0.250〜
0.600g/cmの範囲に設定する。
【0018】上記本発明によれば、得られたセパレータ
の特性及び該セパレータを用いた電気二重層コンデンサ
の特性の何れも良好であり、コンデンサ素子作製後の強
熱乾燥及びハンダリフローを想定した加熱によってもセ
パレータ形状を維持する高い耐熱性を有し、セパレータ
に要求される低抵抗と低漏れ電流及び低ショート不良率
を実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる電気二重層
コンデンサの各実施形態を説明する。本発明にかかる電
気二重層コンデンサは、一対の分極性電極を隔離するセ
パレータとして高耐熱性を有するポリフェニレンサルフ
ァイドに着目し、該ポリフェニレンサルファイド繊維が
セパレータに対して40重量%以上の原料を湿式抄紙法
を用いてシート化するか、同様にポリフェニレンサルフ
ァイド繊維の含有率が40重量%以上となるように乾式
法によりシート化したことが特徴となっている。
【0020】ポリフェニレンサルファイド繊維を湿式抄
紙法でシート化するには、ポリフェニレンサルファイド
の含有率がセパレータに対して40重量%以上の原料を
長網抄紙機や円網抄紙機、長網円網コンビネーションマ
シン、円網円網コンビネーションマシン等の抄紙機によ
りセパレータを抄造する。
【0021】ポリフェニレンサルファイド繊維をシート
化する乾式法としては、それぞれ公知のスパンボンド
法、メルトブロー法、カード法が採用することができ
る。スパンボンド法、メルトブロー法を採用する場合
は、ポリフェニレンサルファイド繊維100重量%を加
熱溶融した原料を用いる。カード法を採用する場合はポ
リフェニレンサルファイド繊維と他の化学繊維との混紡
が可能であり、セパレータに対して、ポリフェニレンサ
ルファイド繊維の含有率が40重量%以上となるように
配合して製作する。なお、スパンボンド法、メルトブロ
ー法を用いる場合においても、ポリフェニレンサルファ
イド不織布と他の樹脂製不織布とを貼り合わせてセパレ
ータを製作することは可能であり、その際はポリフェニ
レンサルファイド繊維が40%重量以上となるように貼
り合わせればよい。
【0022】得られるセパレータの厚さは20〜300
μm、密度は0.250〜0.600g/cmの範囲
であることが最良である。セパレータの厚さが20μm
未満では機械的強度が低下して取扱が難しく、内部短絡
の危険があり、300μmを超えると小型化ができず、
電気抵抗も上昇する。コイン型の電気二重層コンデンサ
では、セパレータにある程度の厚さがないとプレス成型
時にショートする確率が高くなるため、ある程度の厚さ
が要求されている。密度については特に制限はないが、
0.250g/cm未満では引張強度が極端に低下
し、電気二重層コンデンサ用のセパレータとして実用性
に欠ける。本発明によるセパレータは緻密ではあっても
イオンが通る経路としての貫通孔が維持されているた
め、実質的に密度0.6g/cmを超えることがな
い。
【0023】ポリフェニレンサルファイドは融点が28
0℃という高耐圧性の熱可塑性樹脂であり、連続使用温
度が170℃〜200℃と他の熱可塑性樹脂の中でも最
高位の耐熱性を有している。この樹脂を繊維化しても同
等の高耐圧性を保持しており、繊維断面が円形であるた
め、シート化したセパレータは良好なイオン伝導性を示
し、電気的特性の優れたセパレータが提供可能となる。
【0024】ポリフェニレンサルファイド繊維に他の繊
維を配合して湿式抄紙法でシート化するには、他の繊維
として電気二重層コンデンサに組み込まれた際の電気化
学的安定性と、広い温度領域における熱的安定性を有し
ていることが要求される。繊維例として従来のアルミ電
解コンデンサ用セパレータ紙に用いられているマニラ麻
パルプやhempパルプ、エスパルトパルプ、木材クラ
フトパルプ等の天然セルロース繊維を用いることができ
る。
【0025】また、ポリフェニレンサルファイド繊維に
他の繊維を配合して湿式抄紙法や乾式法でシート化する
には、レーヨン繊維、ポリエステル繊維等の化学繊維、
叩解可能な再生セルロース繊維であるポリノジックレー
ヨンや溶剤紡糸再生セルロース繊維であるリヨセル、ビ
ニロン、アクリル等の叩解可能な合成繊維、又はポリプ
ロピレン−ポリエチレンテレフタレート(PP−PE
T)複合分割繊維が使用可能である。
【0026】これらの繊維の含有率は、セパレータに求
められる特性に応じて増減することができる。配合する
他の繊維がポリフェニレンサルファイドより耐熱性が劣
る場合は、ポリフェニレンサルファイド繊維の含有率が
40重量%未満では他の繊維部分が高温により溶融もし
くは分解してセパレータ形状の変化やフィルム化による
イオン伝導性の悪化を招くため、高耐熱性と電気的特性
の双方を充足することが困難になる。
【0027】表1により、略同一厚さで同一密度に抄造
したポリフェニレンサルファイド繊維を40重量%以上
含有する本発明にかかるセパレータと、ポリプロピレン
製メルトブローン不織布、ポリプロピレン製微多孔フィ
ルムを用いた比較例としてセパレータを用いて、厚さ、
密度、引張強度、気密度の各セパレータ特性を測定した
結果と、これらのセパレータを電極の間に介在させたコ
ンデンサ素子を作製した後に電解液を含浸させ、封口を
施して得た電気二重層コンデンサの容量、内部抵抗、漏
れ電流の各特性を測定した結果を示す。
【0028】
【表1】
【0029】本発明による実施例1〜4の電気二重層コ
ンデンサの製造方法と評価方法は次の通りである。
【0030】(1)コイン型の電気二重層コンデンサの
製造方法 一対の分極性電極(比表面積約2500m/gの活性
炭繊維からなる125g/mの布状物質,6mmφ)
の間に平行して介在させたセパレータに電解液を含浸さ
せた後に外装材を兼ねる金属ケースと金属蓋内に収納
し、ガスケットを介してかしめることによって密封して
定格電圧2.5V,定格容量0.1Fのコイン型の電気
二重層コンデンサを製作した。なお、集電性向上のた
め、分極性電極の金属ケースに当る面にはアルミニウム
層を形成した。
【0031】(2)捲回型の電気二重層コンデンサの製
造方法 一対の分極性電極(アルミネットに活性炭・カーボンブ
ラックを担持させたもの)の間にセパレータを介在させ
て円柱状に捲回してコンデンサ素子を得た。このコンデ
ンサ素子を真空度10-3Torr、200℃の真空乾
燥炉で24時間乾燥してから電解液を含浸させ、有底円
筒状のアルミケースに収納して開口部をゴム封口体で密
封して定格電圧2.5V,定格容量5Fの捲回型電気二
重層コンデンサを製作した。
【0032】(3)セパレータの評価方法 厚さ、密度及び引張強度は旧JIS C2301(電解
コンデンサ紙)に規定された方法で測定した。
【0033】(4)セパレータの気密度 気密度に関してはJIS C2111(電気絶縁紙試験
方法)に規定する“12.1 気密度”の項に従い、B
型試験器(ガーレーデンソメータ)によって測定した。
但し穴の部分の直径が6mmであるアダプターを使用し
た。
【0034】(5)電気二重層コンデンサの評価方法 コンデンサ素子の初期特性として静電容量(C),内部
抵抗(Z),漏れ電流(LC)を測定した。コイン型電
気二重層コンデンサの耐熱性の評価として(1)で製造
したコンデンサ素子をリフロー炉を想定した260℃の
電気炉内に入れて1分後に取り出し、室温まで冷却した
後、前記コンデンサ特性を測定した。上記の評価方法に
おいて、ショートや容量低下、抵抗値上昇などの異常が
発生したコンデンサ素子については分解調査を行い、異
常原因を調べた。
【0035】[実施例1]ポリフェニレンサルファイド
繊維80%と、ポリエチレンフタレート繊維20%を混
合した原料を円網抄紙機で抄紙して、厚さ60μm,密
度0.40g/cmのセパレータを得た。このセパレ
ータを使用して捲回型電気二重層コンデンサを製造し
た。
【0036】[比較例1]ポリプロピレン繊維60重量
%と、ポリエチレン繊維40重量%からなる原料を円網
抄紙機で抄紙して、厚さ60μm,密度0.40g/c
のセパレータを得た。このセパレータを使用して捲
回型電気二重層コンデンサを製造した。
【0037】[実施例2]ポリフェニレンサルファイド
樹脂100重量%を加熱溶融してスパンボンド法により
シート化し、厚さ300μm,密度0.42g/cm
のセパレータを得た。このセパレータを使用してコイン
型電気二重層コンデンサを製造した。
【0038】[比較例2]ポリプロピレン樹脂100重
量%を加熱溶融してスパンボンド法によりシート化し、
厚さ300μm,密度0.42g/cmのセパレータ
を得た。このセパレータを使用してコイン型電気二重層
コンデンサを製造した。
【0039】[実施例3]ポリフェニレンサルファイド
繊維40%と、CSF0ccまで叩解した叩解可能な溶
剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化物60%を混合し
た原料を長網抄紙機で抄紙して、厚さ25μm,密度
0.40g/cmのセパレータを得た。このセパレー
タを使用して捲回型電気二重層コンデンサを製造した。
【0040】[比較例3]ポリフェニレンサルファイド
繊維20%と、CSF0ccまで叩解した叩解可能な溶
剤紡糸セルロース繊維のフィブリル化物80%を混合し
た原料を長網抄紙機で抄紙して、厚さ25μm,密度
0.40g/cmのセパレータを得た。このセパレー
タを使用して捲回型電気二重層コンデンサを製造した。
【0041】[比較例4]厚さ25μmのポリプロピレ
ン製微多孔フィルムをセパレータとして使用して捲回型
電気二重層コンデンサを製造した。
【0042】[実施例4]ポリフェニレンサルファイド
樹脂100重量%を加熱溶融してメルトブロー法により
シート化し、厚さ100μm,密度0.30g/cm
のセパレータを得た。このセパレータを使用して捲回型
電気二重層コンデンサを製造した。
【0043】[比較例5]ポリプロピレン樹脂100重
量%を加熱溶融してメルトブロー法によりシート化し、
厚さ100μm,密度0.30g/cmのセパレータ
を得た。このセパレータを使用して捲回型電気二重層コ
ンデンサを製造した。
【0044】前記表1によれば、本発明にかかる実施例
1〜実施例4はセパレータ特性及び電気二重層コンデン
サ特性の何れも満足しており、コンデンサ素子作製後の
強熱乾燥及びハンダリフローを想定した加熱によっても
セパレータ形状を維持しており、セパレータに要求され
る低抵抗と低漏れ電流及び低ショート不良率を実現して
いる。これに対して比較例1〜比較例5はセパレータ特
性と電気二重層コンデンサ特性の何れかに不具合が発生
している。
【0045】特に実施例1と比較例1は同一密度,同一
厚さのセパレータであるにも関わらず、電気二重層コン
デンサの特性に大きな差異が生じている。実施例2と比
較例2の場合も同様であって、実施例2の内部抵抗は
2.48037Ωと比較例2の内部抵抗10.97Ωよ
り格段に低くなっており、イオンが通る経路としての貫
通孔が維持されていることが判る。更に、実施例1,2
は漏れ電流も少なく、残存電圧に関しても比較例1,2
よりも格段に優れた値を示している。実施例3と比較例
3,4及び実施例4と比較例5も同様な結果が得られて
いる。
【0046】比較例1の容量F(*1)は、コンデンサ
素子を分解したところセパレータがフィルム化してお
り、コンデンサとしての機能が得られなかった。比較例
2の内部抵抗Ω(*2)は、セパレータが部分的にフィ
ルム化しており、イオン流路が狭くなったために抵抗値
が上昇している。比較例3の容量F(*3)は、セパレ
ータのタブ部分が破断してショートしており、セパレー
タが脆くなっていてセパレータ自体の気密度が1000
0sec/100cc以上となっている。比較例4の容
量F(*4)は、セパレータがシャットダウンと呼ばれ
る熱ヒューズ機構により完全にフィルム化していたため
コンデンサとしての機能が消失している。比較例5の内
部抵抗Ω(*5)は、セパレータが部分的にフィルム化
しており、イオン流路が狭くなったために抵抗値が上昇
している。
【0047】
【発明の効果】以上記載した本発明によれば、セパレー
タの原料として、融点が280℃という高耐圧性の熱可
塑性樹脂であり、連続使用温度が170℃〜200℃と
他の熱可塑性樹脂の中でも最高位の耐熱性を有している
ポリフェニレンサルファイドを主体とする不織布により
構成したことにより、得られたセパレータは緻密な紙質
となってもイオンが通る経路としての貫通孔を確保して
おり、イオン流路が狭くならずにイオン透過性も優れ、
セパレータの特性及び該セパレータを用いた電気二重層
コンデンサの特性の何れも良好であって、コンデンサ素
子作製後の強熱乾燥及びハンダリフローを想定した加熱
によってもセパレータ形状を維持し、セパレータに要求
される耐熱性と低抵抗性及び低漏れ電流と低ショート不
良率を実現することができる。
【0048】電気二重層コンデンサの製造面から考慮す
ると、従来のように耐熱性の低いセパレータを用いて活
性炭電極とセパレータをそれぞれ別々の乾燥設備を用い
て最適な乾燥温度で乾燥させてから低湿度の雰囲気中で
組み立てる手段は不要であり、設備費が低廉となって製
造コストを下げることができる。更にコイン型電気二重
層コンデンサのようにリフロー炉などの高温炉を通して
基盤へハンダ付けを行う表面自動実装化技術にも対応可
能であり、鉛フリーハンダ採用により環境を良好に維持
する観点からも有効である。
【0049】特に非水系有機電解液を用いる電気二重層
コンデンサ部材の水分を除去するため、活性炭素材料の
持つ吸着水分を200℃を超える高温で乾燥除去するこ
とができるので、シートの厚さを大きくすることなく抵
抗値の上昇を抑えて性能面での問題がなく、電気二重層
コンデンサに要求されている高容量化に対しても対処可
能となる。
【0050】従って本発明にかかる電気二重層コンデン
サは、製造時における素子の高温での乾燥と、得られた
電気二重層コンデンサの基盤実装時におけるリフロー炉
の高温にも耐えるとともに、使用するセパレータに要求
される諸特性を高いレベルで維持し、更に近時のセパレ
ータの薄物化を実現して、近年用途が拡大しつつある電
気二重層コンデンサの信頼性向上と普及促進をはかるこ
とができる。
フロントページの続き (72)発明者 久保 好世 高知県高知市塚ノ原43番地16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の分極性電極をセパレータによって
    隔離してなる電気二重層コンデンサにおいて、 前記セパレータは、ポリフェニレンサルファイドを主体
    とする不織布により構成したことを特徴とする電気二重
    層コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記セパレータは、ポリフェニレンサル
    ファイド繊維の含有率が40重量%以上の原料を用い
    て、湿式抄紙法により抄造してシート化した請求項1に
    記載の電気二重層コンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記セパレータは、ポリフェニレンサル
    ファイド繊維の含有率が40重量%以上となるように乾
    式法によりシート化した請求項1に記載の電気二重層コ
    ンデンサ。
  4. 【請求項4】 前記セパレータは、ポリフェニレンサル
    ファイド繊維100重量%を加熱溶融した原料を用い
    て、メルトブロー法もしくはスパンボンド法によりシー
    ト化した請求項1に記載の電気二重層コンデンサ。
  5. 【請求項5】 ポリフェニレンサルファイド繊維に配合
    して湿式抄紙法でシート化する繊維として、マニラ麻パ
    ルプ,hempパルプ,エスパルトパルプ,木材クラフ
    トパルプ等の天然セルロース繊維の中から選択した少な
    くとも1種の繊維を用いる請求項2に記載の電気二重層
    コンデンサ。
  6. 【請求項6】 ポリフェニレンサルファイド繊維に配合
    して湿式抄紙法又は乾式法でシート化する繊維として、
    レーヨン繊維,ポリエステル繊維,叩解可能な再生セル
    ロース繊維であるポリノジックレーヨン,溶剤紡糸再生
    セルロース繊維であるリヨセル,ビニロン,アクリル,
    又はポリプロピレン−ポリエチレンテレフタレート複合
    分割繊維の中から選択した少なくとも1種の繊維を用い
    る請求項2又は3に記載の電気二重層コンデンサ。
  7. 【請求項7】 前記セパレータの厚さは、20〜300
    μmの範囲にある請求項1,2,3,4,5又は6に記
    載の電気二重層コンデンサ。
  8. 【請求項8】 前記セパレータの密度は、0.250〜
    0.600g/cm の範囲にある請求項1,2,3,
    4,5,6又は7に記載の電気二重層コンデンサ。
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