JP2003031149A - カラー陰極線管 - Google Patents

カラー陰極線管

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JP2003031149A
JP2003031149A JP2001210983A JP2001210983A JP2003031149A JP 2003031149 A JP2003031149 A JP 2003031149A JP 2001210983 A JP2001210983 A JP 2001210983A JP 2001210983 A JP2001210983 A JP 2001210983A JP 2003031149 A JP2003031149 A JP 2003031149A
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axis
opening
cathode ray
ray tube
color cathode
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JP2001210983A
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Hirotaka Unno
洋敬 海野
Juichi Okamoto
寿一 岡本
Tetsuya Masumura
哲哉 増村
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】色純度の良好なカラー陰極線管を提供すること
にある。 【解決手段】シャドウマスクを固定するマスクフレーム
40は、一組の対向する短辺部44と、一組の対向する
長辺部42とを有している。インナーシールド11は、
マスクフレーム40に取り付けられる大開口部61と、
管軸方向の電子銃構体側の小開口部62とを有する中空
台形状に形成されている。マスクフレーム40は、長辺
部42に少なくとも1つの開口部45を有し、各開口部
45は、長辺部42の長手方向の開口径よりも長手方向
に直交する方向の開口径が大きくなるように形成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カラー陰極線管
に係り、特に、外部磁界の影響を軽減して良好なランデ
ィング特性を得るために改良したフレームを備えたカラ
ー陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラー陰極線管は、一列配置の
3電子ビームを放出するインライン型電子銃構体を備え
ている。このカラー陰極線管は、電子ビームと直交して
ビーム軌道にローレンツ力を及ぼす地磁気などの外部磁
界を遮蔽するインナーシールドを備えている。このイン
ナーシールドは、シャドウマスクを保持するマスクフレ
ームに取り付けられ、ファンネルの内側に位置する。
【0003】このようなカラー陰極線管では、電子銃構
体から放出された3電子ビームがシャドウマスクを介し
てパネル内面に設けられた蛍光体スクリーンの3色蛍光
体層にそれぞれ正確に射突(ランディング)することに
より、所望の色を励起発光させ、カラー画像を表示す
る。
【0004】この場合、電子銃構体から射出された電子
ビームは、上述のようにパネル内面の蛍光体層に射突す
るまでのビーム軌道上において、地磁気や外部回路に起
因した外部磁場の存在する領域を通過する。その際、電
子ビームは、外部磁場からローレンツ力を受け、本来の
ビーム軌道から逸脱し、所望の蛍光体層に対して位置ず
れを起こした状態で射突する(ミスランディング)。こ
のため、表示されるカラー画像の色純度が劣化する。
【0005】したがって、カラー陰極線管では、外部磁
場の影響を受けやすいファンネル内部に磁性体金属板に
よって形成されたインナーシールドが配置されている。
【0006】一般に、図13に示すように、インナーシ
ールド11は、マスクフレーム14に一端(大開口部)
が係止され、他端(小開口部)が電子銃構体方向に延在
する中空台形状の基本構造を有している。外部磁場の中
でも特に地磁気の場合、カラー陰極線管の画面を配置す
る向きにより地磁気起因のミスランディングが異なる。
すなわち、カラー陰極線管の画面を南北方向に向けた場
合と東西方向に向けた場合とでは、ミスランディングが
異なる。さらに、南北半球の緯度差によってもミスラン
ディングが異なる。
【0007】そのため、磁束の向きを可能な限り電子ビ
ームのビーム軌道と平行にする必要がある。また、スト
ライプ形状の蛍光体層を有する蛍光体スクリーンを備え
たカラー陰極線管では、ミスランディングに影響を及ぼ
さない垂直方向に電子ビームが移動するような磁束の向
きにすることで色純度の劣化を回避できる。
【0008】一方で、ドット形状の蛍光体層を有する蛍
光体スクリーンを備えたカラー陰極線管の場合、蛍光体
スクリーンは、ドット形状のために全方向のミスランデ
ィングを考慮しなければならない。このような地磁気に
依存するミスランディング軽減策として、様々な形状及
び構造を持つインナーシールドが開発されている。
【0009】一般的なインナーシールドを用いたカラー
陰極線管を無磁界状態から有磁界状態に設定した場合に
発生するランディング変化を図14の(a)乃至(c)
に示す。図14の(a)は、表示画面上においてカラー
陰極線管のX軸(水平軸)方向(−→+)に磁界がさ交
した場合、図14の(b)は、カラー陰極線管のZ軸
(管軸)方向(−→+)に磁界がさ交した場合、図14
の(c)は、カラー陰極線管のY軸(垂直軸)方向(+
→−)に磁界がさ交した場合をそれぞれ示している。
【0010】ここで、一般には、図14の(a)に示し
たように、X軸方向に磁界がさ交することによって生じ
るミスランディングによる表示画面上でのビームスポッ
トの移動量をEW移動量、図14の(b)に示したよう
に、Z軸方向に磁界がさ交することによって生じるミス
ランディングによる表示画面上でのビームスポットの移
動量をNS移動量、図14の(c)に示したように、Y
軸方向に磁界がさ交することによって生じるミスランデ
ィングによる表示画面上でのビームスポットの移動量を
Bv移動量と称する。
【0011】インナーシールドのシールド性能が高い
程、図14の(a)乃至(c)に示した各移動量が小さ
くなる。図14の(a)乃至(c)に示した各移動量
は、例えば、EW移動量が約10μm、NS移動量が約
20μm、Bv移動量が約10μm程度である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−15971
3号公報に代表される従来のインナーシールドの構成で
は、特に、Z軸方向に入射する地磁気(Bz)を電子ビ
ームのビーム軌道と平行にするために、切欠部60を設
けている。このため、Z軸方向の磁界によるNS移動量
を低減できるが、Y軸方向(By)及びX軸方向(B
x)の地磁気成分は、電子ビームのZ軸方向速度成分
(Vz)と直交する成分が大きくなり、ミスランディン
グを発生させ、画像の色純度を劣化させている。
【0013】具体的には、X軸方向の磁界によるEW移
動量において、図15に示すように、表示画面の対角端
やX軸端では10μm程度の移動量にもかかわらず、Y
軸端付近で15〜20μm程度の大きな移動量を示す。
この現象により、カラー陰極線管のX軸方向に地磁気が
さ交する条件下においては、電子ビームを正確に所望の
蛍光体層にランディングさせることが困難となる。
【0014】一般に用いられるインナーシールドは、図
16に示すような中空台形状、あるいは図13に示すよ
うな中空台形状の小開口部辺上に切欠部を設けた形状で
ある。前述のEW移動量は、図16のインナーシールド
では、図14の(a)に示したように表示画面全域でほ
ぼ均等となる。これは、大開口部長辺上に収束された磁
界がインナーシールド面上を通過して小開口部の長辺上
に地磁気とは逆方向の補正成分50を発生することによ
る。
【0015】一方、Z軸方向の磁界によるNS移動量を
縮小するために、小開口部に切欠部を設けた図13に示
した形状のインナーシールドでは、補正成分50’が不
足するために、表示画面におけるY軸端付近の移動量が
増大する。
【0016】上述したように、図13及び図16に示し
たような形状のインナーシールドでは、外部磁場の影響
により電子ビームの蛍光体層へのランディング特性が劣
化し、ミスランディングによる色純度の劣化を招くおそ
れがある。
【0017】この発明は、上述した問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、色純度の良好なカラー陰
極線管を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、請求項1に記載のカラー陰極線管は、
内面に蛍光体スクリーンを配置したほぼ矩形状のパネル
部と、前記パネル部に接合されたファンネル部と、を有
する外囲器と、前記パネル部に向けて電子ビームを放出
する電子銃構体と、前記蛍光体スクリーンに対向して前
記パネル部の内側に配置されるとともに、複数の電子ビ
ーム通過孔を有するシャドウマスクと、一組の対向する
短辺部と、一組の対向する長辺部とを有するとともに、
前記シャドウマスクを固定するほぼ枠状に形成されたフ
レームと、前記フレームに取り付けられる大開口部と、
管軸方向の前記電子銃構体側の小開口部とを有する中空
台形状のインナーシールドと、を備え、前記フレーム
は、前記長辺部に少なくとも1つの開口部を有し、前記
開口部は、前記長辺部の長手方向の開口径よりも前記長
手方向に直交する方向の開口径が大きくなるように形成
されたことを特徴とする。
【0019】この発明のカラー陰極線管によれば、フレ
ームの長辺部に開口部を設けたことにより、フレームに
長辺部の長手方向に沿った地磁気成分に対するシールド
性能を向上させることができる。また、対角部において
は、管軸方向の地磁気成分と電子ビームのビーム軌道と
が平行となるようにシールド性能を維持できる。
【0020】したがって、フレーム長辺部の長手方向に
沿った地磁気成分がインナーシールドの大開口部長辺上
に有効に収束され、小開口部長辺上に発生する補正磁界
成分を強めることができる。したがって、色純度の良好
な蛍光体ドット形状のカラー陰極線管とすることを可能
にしている。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明のカラー陰極線管
の一実施の形態について図面を参照して説明する。この
カラー陰極線管は、例えば90度の偏向角で、対角41
cmの有効画面を有している。
【0022】図1に示すように、カラー陰極線管は、真
空外囲器10を備えている。この真空外囲器10は、水
平軸(X軸)を長軸、垂直軸(Y軸)を短軸として、水
平軸(X軸)方向に延びる長辺と垂直軸(Y軸)方向に
延びる短辺とを有するとともに周縁にスカート部2を有
し外面がほぼ矩形状のパネル1と、パネル1のスカート
部2に連接されたファンネル4と、ファンネル4の小径
部に連接された円筒状のネック3と、を有している。ネ
ック3の内径は、例えば29.1mmである。
【0023】蛍光体スクリーン6は、パネル1の内面の
矩形状有効領域に配置されている。この蛍光体スクリー
ン6は、図2に示すように、ドット状(またはストライ
プ状)の多数の赤(R)、緑(G)、青(B)にそれぞ
れ発光する3色蛍光体層6R、6G、6Bと、これら蛍
光体層の隙間に配置された黒色の光吸収層6Kとを備え
ている。各色の蛍光体層のドットのピッチは、例えば
0.28mmである。
【0024】色選別機構であるシャドウマスク20は、
真空外囲器10内において蛍光体スクリーン6から管軸
(Z軸)方向に所定間隔離れて対向して配設されてい
る。このシャドウマスク20は、後述するマスクフレー
ム40の外壁に固定された複数の弾性支持体15をパネ
ル1のスカート部2の内面に埋設された複数のスタッド
ピン17に係合させることにより、パネル1の内側に着
脱自在に支持されている。パネル1とマスクフレーム4
0との間の間隔は、例えば9mmである。
【0025】なお、パネル1を含む真空外囲器10及び
シャドウマスク20は、パネル1の中心及び電子銃構体
9を通って延びる管軸Z、管軸Zと直交して延びる長軸
(水平軸)Xと、管軸Z及び長軸Xと直交して延びる短
軸(垂直軸)Yと、を有している。
【0026】インライン型電子銃構体9は、ネック3の
内部に配設されている。この電子銃構体9は、同一水平
面上を通るセンタービーム8Gおよびその両側の一対の
サイドビーム8B,8RからなるX軸(水平)方向に一
列に配置された3電子ビーム8(B,G,R)をZ軸
(管軸)方向に放出する。電子銃構体9から出射された
3本の電子ビーム8B,8G,8Rは、シャドウマスク
20の電子ビーム通過孔に入射する角度がそれぞれ異な
るため、目的のドット状の蛍光体層にランディングして
所定の色に発光させる。
【0027】偏向ヨーク7は、ネック3からファンネル
4にかけてその外周に装着されている。この偏向ヨーク
7は、電子銃構体9から放出された電子ビーム8B、8
G、8Rを水平軸方向及び垂直軸方向に偏向する非斉一
な偏向磁界を発生するための水平偏向コイル、及び垂直
偏向コイルを含んで構成されている。この非斉一磁界
は、ピンクッション型の水平偏向磁界と、バレル型の垂
直偏向磁界とによって形成される。
【0028】パネル1とファンネル4との結合部分の内
側には、3電子ビーム8R、8G、8Bに対して地磁気
や外部回路などから発生する不所望な外部磁場を遮蔽す
るインナーシールド11が配置されている。
【0029】そして、上述したような構成のカラー陰極
線管では、電子銃構体9から放出された3電子ビーム8
B、8G、8Rは、蛍光体スクリーン13に向けてセル
フコンバージェンスされながら、蛍光体スクリーン13
上の対応する蛍光体層上にフォーカスされる。この3電
子ビーム8B、8G、8Rは、偏向ヨーク7により発生
される非斉一な偏向磁界により水平軸X方向及び垂直軸
Y方向に偏向され、シャドウマスク20の電子ビーム通
過孔を介してパネル1内面の蛍光体スクリーン6を水平
方向及び垂直方向に走査される。これにより、カラー画
像が表示される。
【0030】図3に示すように、シャドウマスク20
は、マスク本体30と、マスクフレーム40とによって
構成されている。
【0031】マスク本体30は、水平軸(X軸)方向及
び垂直軸(Y軸)方向に所定のピッチで形成された多数
の電子ビーム通過孔21を有する矩形状有効部22と、
この有効部21の周辺から折り曲げられて管軸(Z軸)
方向に沿って延びるスカート部23とを有している。こ
のマスク本体30は、例えば、インバー(36%Ni
(ニッケル)−Fe(鉄)合金、熱膨張係数:1.2×
10−6/℃)等の低熱膨張材からなる金属薄板を所定
形状にプレス成形することによって形成される。
【0032】マスクフレーム40は、L字形の断面を有
するとともに矩形枠状に形成され、マスク本体30を支
持固定する。このマスクフレーム40は、マスク本体3
0を形成する材料より大きな熱膨張係数を有する材料に
よって形成され、例えば低炭素鋼板(熱膨張係数12×
10−6/℃)を所定形状にプレス成形することによっ
て形成される。
【0033】マスク本体30の矩形状有効部22は、所
定曲面状すなわちなだらかなドーム状に曲面成形され、
水平軸(X軸)方向に延びる長辺と、垂直軸(Y軸)方
向に延びる短辺と、を有している。スカート部23は、
複数個所24a,24b,24c(図中、×印で示して
いる)で矩形枠状のマスクフレーム40の側壁41内側
に溶接により固着されている。この実施の形態では、マ
スク本体30のスカート部23は、中心方向(管軸側)
に向かって若干の圧縮応力を受けた状態でマスクフレー
ム40に固着されており、この圧縮応力によって曲面張
り出し強度を上げている。
【0034】図1に示した弾性支持体15は、マスクフ
レーム40の外側に設けられ、弾性支持体42に形成さ
れている開口がパネル1内面に形成されたスタッドピン
17に係合することで、シャドウマスク20がパネル1
内に配置されている。
【0035】マスク本体30のスカート部23は、マス
ク本体有効部22の周辺の折り曲げ部から管軸(Z軸)
方向に沿って延びて、その端部が開放端となっている。
スカート部23のコーナー(長辺と短辺との交差部)付
近には、比較的大きく切り込まれた一対のスリット状の
切り込みによって挟まれたコーナー溶接用舌片部25が
構成されている。また、長軸(X軸)端部付近すなわち
スカート部23の短辺中央付近には、開放端から延びる
一対のスリット状の切り込みによって挟まれた辺上溶接
用舌片部26が構成されている。また、短軸(Y軸)端
部付近すなわちスカート部23の長辺中央付近には、開
放端から延びる一対のスリット状の切り込みによって挟
まれた辺上溶接用舌片部27が構成されている。
【0036】マスクフレーム40は、図3及び図4に示
すように、水平軸(X軸)方向に延出された一組の対向
する長辺部42と、垂直軸(Y軸)方向に延出された一
組の対向する短辺部44と、を有している。これら長辺
部42及び短辺部44は、それぞれ側面部41と底面部
43とによりL字型の断面を形成している。マスクフレ
ーム40の長辺部42の長さは、例えば327mmであ
り、側面部41の高さは、例えば30mmである。
【0037】図1及び図4に示すように、インナーシー
ルド11は、板厚が0.1乃至0.3mm程度の金属磁
性体(インナーシールド材鉄材)を成形することによっ
て中空台形状に形成されている。このインナーシールド
11は、シャドウマスク20側を大口径の大開口部61
とし、電子銃構体9側を小口径の小開口部62とする矩
形状の断面を有するように形成されている。また、この
インナーシールド11は、小開口部62の4つの対角端
部から長辺63及び短辺64に向かって所定の角度で傾
斜し、しかも所定の深さを有する切欠部60を有してい
る。
【0038】このような構造を有するインナーシールド
11は、大開口部61を溶接するなどによりシャドウマ
スク12のマスクフレーム40の底面部43に取り付け
られている。大開口部61の寸法は、例えば295.3
mm×221.7mmであり、小開口部62の寸法は、
例えば120mm×94mmであり、高さは、例えば1
18mmである。
【0039】この実施の形態によれば、インナーシール
ド11を保持するマスクフレーム40は、その長辺部4
2に少なくとも1つの開口部45を有している。この開
口部45は、長辺部42の長手方向の開口径よりもこの
長手方向に直交する方向の開口形が大きくなるように形
成されている。
【0040】すなわち、図4に示すように、開口部45
は、マスクフレーム40の長辺部42における側面部4
1及び底面部43の少なくとも一方に形成されている
(図4に示した例では、開口部45は、側面部41及び
底面部43の両方に形成されている)。この開口部45
は、水平軸(X軸)方向に沿った開口径よりも管軸(Z
軸)方向に沿った開口径が大きくなるように形成されて
いる。
【0041】図4に示した例では、開口部45は、マス
クフレーム40の長辺部42の中心(垂直軸(Y軸)と
の交差位置)から90mmだけ離れた位置に長方形状の
スリット状に形成され、側面部41上及び底面部43上
にそれぞれ2つ設置されている。開口部45の水平軸
(X軸)方向に沿った開口径Wは、1mm以上であり、
例えば2mmである。また、開口部45の管軸(Z軸)
方向に沿った開口径Lは、マスクフレームの管軸(Z
軸)方向に沿った幅(30mm)の20%以上であり、
例えば9mmである。
【0042】図5に示すように、水平軸(X軸)方向か
ら進入する磁界は、マスクフレーム40の長辺部42及
びインナーシールド11の長辺63上に収束されるが、
上述したように、マスクフレーム40の長辺部42上に
磁気抵抗となる開口部45を形成したことにより、マス
クフレーム40に収束される磁束が減少し、インナーシ
ールド11の大開口部61側の長辺63上に有効に収束
する。
【0043】したがって、マスクフレームの長辺部の長
手方向に沿った外部磁場に対するシールド性能を向上さ
せることができる。小開口部62の長辺上に発生する補
正磁界成分50を強めることができる。また、対角部に
おいては、管軸方向の外部磁場と電子ビームのビーム軌
道とが平行となるようにシールド性能を維持できる。
【0044】すなわち、水平軸(X軸)方向に沿った外
部磁場に対するマスクフレームの長辺部のシールド性能
を向上し、インナーシールドの大開口部61側の長辺上
に水平軸方向に沿った外部磁場を収束することにより、
EW移動量を小さくすることができ、電子ビームの蛍光
体層へのランディング特性を改善することが可能とな
る。したがって、電子ビームのミスランディングによる
色純度の劣化を抑制することができる。
【0045】図6は、開口部45の管軸(Z軸)方向に
沿った開口径Lに対するEW移動量の関係を示す図であ
る。図6に示した結果から、開口径Lをマスクフレーム
の管軸(Z軸)方向に沿った幅(30mm)の20%以
上すなわち6mm以上とすることにより、対角部付近及
び垂直軸端部付近でのEW移動量を十分に小さく抑える
ことができたことがわかる。
【0046】図7は、開口部45の設置数に対するEW
移動量の関係を示す図である。図7に示した結果から、
開口部45を1個以上設置することにより、対角部付近
及び垂直軸端部付近でのEW移動量を十分に小さく抑え
ることができたことがわかる。
【0047】図8は、開口部45の水平軸(X軸)方向
に沿った開口径Wに対するEW移動量の関係を示す図で
ある。図8に示した結果から、開口径Wを1mm以上と
することにより、対角部付近及び垂直軸端部付近でのE
W移動量を十分に小さく抑えることができたことがわか
る。
【0048】図9は、開口部の有無に対する垂直軸端部
付近でのEW移動量の関係を示す図である。図9に示し
た結果から、マスクフレームの側面部及び底面部の少な
くとも一方に開口部を設置することにより、EW移動量
を十分に小さく抑えることができ、より好ましくはマス
クフレームの側面部及び底面部の両方に開口部を設置す
ることでさらにEW移動量を十分に小さく抑えることが
できたことがわかる。
【0049】上述したように、この実施の形態に係るカ
ラー陰極線管は、マスクフレームの側面部及び底面部の
少なくとも一方に形成された開口部を有している。この
開口部は、管軸(Z軸)方向に沿った長さがマスクフレ
ームの幅の20%以上であり、水平軸(X軸)方向に沿
った長さが1mm以上であることが望ましい。
【0050】これにより、マスクフレーム自体の機械的
強度を低下させること無く、インナーシールドの水平軸
(X軸)方向の外部磁場に対するシールド性能を向上さ
せることができ、外部磁場の影響による電子ビームのラ
ンディング特性を改善することが可能となる。したがっ
て、色純度の良好なカラー陰極線管を提供することがで
きる。
【0051】上述した実施の形態では、マスクフレーム
に設置された開口部の形状は、水平軸(H軸)方向に短
軸を有し、且つ、管軸(Z軸)方向に長軸を有する長方
形状としたが、この発明は、この例に限定されるもので
はなく、種々変更可能である。
【0052】例えば、図10に示すように、開口部45
が管軸方向Zに沿って複数配列され、開口群46を形成
しても良い。この場合、マスクフレームの管軸(Z軸)
方向に沿った幅は30mmであり、各開口部45は、例
えば水平軸(H軸)方向に沿った開口径が0.8mmで
あり、管軸(Z軸)方向に沿った開口径が2.5mmで
あり、さらに、隣接する開口部45の管軸(Z軸)方向
に沿った間隔L’が0.4mmである。
【0053】マスクフレームの長辺部42に上述したよ
うな開口群46を形成した場合、管軸(Z軸)方向に沿
った全開口部45の長さは7.5mmとなり、管軸(Z
軸)方向に沿った長さがマスクフレームの幅の20%以
上となる。このような図10に示す構造の開口群46を
設けた場合でも、上述した実施の形態と同様の効果を得
ることができる。
【0054】また、図11に示すように、開口部45
は、管軸(Z軸)に平行な軸(Z’軸)に対して所定の
角度、例えば30°だけ傾斜した長軸を有する長方形状
に形成しても良い。このような構造の開口部45を設け
た場合でも、上述した実施の形態と同様の効果を得るこ
とができる。
【0055】さらに、図12に示すように、開口部45
は、水平軸(H軸)方向に短軸を有し、かつ、管軸(Z
軸)方向に長軸を有する長円形状に形成しても良い。こ
の場合、マスクフレームの管軸(Z軸)方向に沿った幅
は30mmであり、開口部45は、例えば水平軸(H
軸)方向に沿った開口径が2mmであり、管軸(Z軸)
方向に沿った開口径が9mmである。このような構造の
開口部45を設けた場合でも、上述した実施の形態と同
様の効果を得ることができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、色純度の良好なカラー陰極線管を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係るカラー
陰極線管の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図2】図2は、図1に示したカラー陰極線管に適用さ
れる蛍光体スクリーンの構造を概略的に示す平面図であ
る。
【図3】図3は、図1に示したカラー陰極線管に適用さ
れるシャドウマスクの構造を概略的に示す分解斜視図で
ある。
【図4】図4は、図1に示したカラー陰極線管に適用さ
れるインナーシールド及びマスクフレームの構造を概略
的に示す図である。
【図5】図5は、図4に示したインナーシールド及びマ
スクフレームに作用する外部磁場とインナーシールドに
発生する補正磁界とを説明するための図である。
【図6】図6は、開口部の管軸(Z軸)方向に沿った開
口径に対するEW移動量の関係を示す図である。
【図7】図7は、開口部の設置数に対するEW移動量の
関係を示す図である。
【図8】図8は、開口部の水平軸(X軸)方向に沿った
開口径に対するEW移動量の関係を示す図である。
【図9】図9は、開口部の有無に対する垂直軸端部付近
でのEW移動量の関係を示す図である。
【図10】図10は、図1に示したカラー陰極線管に適
用可能な他の形状の開口部を有するマスクフレームの構
造を概略的に示す平面図である。
【図11】図11は、図1に示したカラー陰極線管に適
用可能な他の形状の開口部を有するマスクフレームの構
造を概略的に示す平面図である。
【図12】図12は、図1に示したカラー陰極線管に適
用可能な他の形状の開口部を有するマスクフレームの構
造を概略的に示す平面図である。
【図13】図13は、従来のインナーシールドの構造を
概略的に示す図である。
【図14】図14の(a)は、表示画面上においてカラ
ー陰極線管のX軸(水平軸)方向(−→+)に磁界がさ
交した場合のEW移動量を説明するための図であり、図
14の(b)は、カラー陰極線管のZ軸(管軸)方向
(−→+)に磁界がさ交した場合のNS移動量を説明す
るための図であり、図14の(c)は、カラー陰極線管
のY軸(垂直軸)方向(+→−)に磁界がさ交した場合
のBv移動量を説明するための図である。
【図15】図15は、図13に示した構造のインナーシ
ールドを適用した際にカラー陰極線管のX軸(水平軸)
方向(−→+)に磁界がさ交した場合のEW移動量を説
明するための図である。
【図16】図16は、従来のインナーシールドの構造を
概略的に示す図である。
【符号の説明】
1…パネル 2…スカート部 3…ネック 4…ファンネル 6…蛍光体スクリーン 7…偏向ヨーク 8(R、G、B)…電子ビーム 10…真空外囲器 11…インナーシールド 30…マスク本体 40…マスクフレーム 41…側面部 42…長辺部 43…底面部 44…短辺部 45…開口部 60…切欠部 61…大開口部 62…小開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増村 哲哉 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番地2 株式 会社東芝深谷工場内 Fターム(参考) 5C031 EE08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内面に蛍光体スクリーンを配置したほぼ矩
    形状のパネル部と、前記パネル部に接合されたファンネ
    ル部と、を有する外囲器と、 前記パネル部に向けて電子ビームを放出する電子銃構体
    と、 前記蛍光体スクリーンに対向して前記パネル部の内側に
    配置されるとともに、複数の電子ビーム通過孔を有する
    シャドウマスクと、 一組の対向する短辺部と、一組の対向する長辺部とを有
    するとともに、前記シャドウマスクを固定するほぼ枠状
    に形成されたフレームと、 前記フレームに取り付けられる大開口部と、管軸方向の
    前記電子銃構体側の小開口部とを有する中空台形状のイ
    ンナーシールドと、 を備え、 前記フレームは、前記長辺部に少なくとも1つの開口部
    を有し、 前記開口部は、前記長辺部の長手方向の開口径よりも前
    記長手方向に直交する方向の開口径が大きくなるように
    形成されたことを特徴とするカラー陰極線管。
  2. 【請求項2】前記開口部は、前記フレームの前記長辺部
    における側面部及び底面部の少なくとも一方に形成され
    たことを特徴とする請求項1に記載のカラー陰極線管。
  3. 【請求項3】前記長辺部は、水平方向に平行に延出され
    たことを特徴とする請求項1に記載のカラー陰極線管。
  4. 【請求項4】前記開口部は、水平方向に沿った開口径よ
    りも前記管軸方向に沿った開口径が大きくなるように形
    成されたことを特徴とする請求項1に記載のカラー陰極
    線管。
  5. 【請求項5】前記開口部は、その長軸長さが設置される
    箇所のフレームの前記管軸方向に沿った幅の20%以
    上、かつ、その短軸長さが1mm以上であることを特徴
    とする請求項4に記載のカラー陰極線管。
  6. 【請求項6】前記インナーシールドは、その小開口部側
    の対角端部から長辺及び短辺にそれぞれに所定の切り込
    み角度で且つ所定の切り込み深さで形成された切欠部を
    有することを特徴とする請求項1に記載のカラー陰極線
    管。
  7. 【請求項7】前記開口部は、水平方向に短軸を有し、且
    つ管軸方向に長軸を有する長方形状に形成されたことを
    特徴とする請求項1に記載のカラー陰極線管。
  8. 【請求項8】前記開口部は、水平方向に短軸を有し、且
    つ管軸方向に長軸を有する長方形状に形成され、且つ、
    複数の前記開口部が管軸方向に並列に配置されたことを
    特徴とする請求項1に記載のカラー陰極線管。
  9. 【請求項9】前記開口部は、管軸に対して所定の角度だ
    け傾斜した長軸を有する長方形状に形成されたことを特
    徴とする請求項1に記載のカラー陰極線管。
  10. 【請求項10】前記開口部は、水平方向に短軸を有し、
    且つ管軸方向に長軸を有する長円形状に形成されたこと
    を特徴とする請求項1に記載のカラー陰極線管。
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