JP2003223853A - カラー陰極線管及びカラー陰極線管用シャドウマスク構体 - Google Patents

カラー陰極線管及びカラー陰極線管用シャドウマスク構体

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JP2003223853A
JP2003223853A JP2002020967A JP2002020967A JP2003223853A JP 2003223853 A JP2003223853 A JP 2003223853A JP 2002020967 A JP2002020967 A JP 2002020967A JP 2002020967 A JP2002020967 A JP 2002020967A JP 2003223853 A JP2003223853 A JP 2003223853A
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JP
Japan
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ray tube
color cathode
magnetic field
cathode ray
shadow mask
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JP2002020967A
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Naoyuki Makino
直幸 牧野
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Toshiba Development and Engineering Corp
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Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地磁気による電子ビームへの影響を避けるた
めにインナーシールドを用いているが、このインナーシ
ールドにおいても、特に管軸方向の地磁気に対してはシ
ールド効果が弱く、磁気シールド作用には限界があり、
地磁気の管軸方向成分Bz及び垂直軸方向成分Byを持
つ漏れ磁界が存在するために、ビームランディングずれ
が発生し色純度を劣化させていたが、これを軽量且つ簡
単な構成で、地磁気による電子ビームへの影響をより一
層軽減させることで、色純度を向上させたカラー陰極線
管及びカラー陰極線管用シャドウマスク構体を提供す
る。 【解決手段】 シャドウマスク17を保持するマスクフ
レーム20を、このシャドウマスク17を固定する側壁
部18、及びこの側壁部18と略直角に形成された底面
部19からなる断面が略L字状で全体として枠状に形成
されたマスクフレーム20の対角部コーナー近傍に、こ
の側壁部18及び底面部19を所定の角度で連結する複
数の磁界制御片23を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャドウマスクを
保持するマスクフレームの長辺対角部コーナー近傍に磁
界を制御する複数の磁界制御片を配置したシャドウマス
ク構体を使用することにより、地磁気等から発生する外
部磁界による色純度の劣化を防止したカラー陰極線管及
びカラー陰極線管用シャドウマスク構体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一般的にカラーテレビジョン受像
機やカラー端末ディスプレイ等に使用されているカラー
陰極線管は、図7に示すように、画面が略矩形状を呈す
るフェースパネル51と、このフェースパネル51のス
カート部52に一体的に接合されたファンネル53を有
する外囲器を備えており、このフェースパネル51の内
面には、青、緑、赤に発光する3色蛍光体層を有する蛍
光体スクリーン54が配設されている。
【0003】更に、この外囲器内には、この蛍光体スク
リーン54に対向して、3電子ビーム55B,55G,
55Rが通過し色選別を行うための多数の電子ビーム通
過孔56を有するシャドウマスク57が配置され、この
シャドウマスク57は、このシャドウマスク57を固定
する側壁部58及びこの側壁部58から略直角に折曲さ
れた底面部59からなる断面略L字形で枠状のマスクフ
レーム60に固定され、このマスクフレーム60は、フ
ェースパネル51のスカート部52の内側面に設けられ
たスタッドピン61に弾性支持体62によって取着され
ている。
【0004】また、ファンネル53のネック63内に
は、電子ビーム55B,55G,55Rを放出する電子
銃64が配設されており、この電子銃64から放出され
た電子ビーム55B,55G,55Rを、ファンネル5
3の外側に装着された偏向ヨーク65の発生する磁界に
よって偏向し、電子ビーム55B,55G,55Rにて
蛍光体スクリーン54を水平、垂直方向に走査すること
によって、蛍光体スクリーン54上にカラー画像を再生
表示している。
【0005】この時、図8に示すように、電子銃64か
ら放出された電子ビーム55B,55G,55Rが蛍光
体スクリーン54に射突するまでの間において、地磁気
や外部回路に起因した外部磁場の存在する領域を通過す
ることになる。この外部磁場は、電子ビーム55B,5
5G,55Rにローレンツ力を与えるために、この外部
磁場の影響を受けて電子ビーム55B,55G,55R
は本来の軌道から逸脱し、所定の3色蛍光体層からずれ
た状態で蛍光体スクリーン54に射突するようになるた
めにランディングずれを起し、画像の色純度を劣化させ
る要因となっている。なお、蛍光体スクリーン54は、
3色蛍光体層66B,66G,66Rと、この3色蛍光
体層66B,66G,66R間に設けた黒色光吸収層6
7から構成されている。
【0006】このような外部磁場の影響を回避するため
には、これら外部磁場の影響を受けないように、外囲器
内の電子ビーム55B,55G,55Rの通過領域部分
を、一端がマスクフレーム60の底面部59に固定され
た略矩形中空台形状のインナーシールド68でシールド
することが行われている。
【0007】このインナーシールド68は、図9に示す
ように、板厚が0.1〜0.3mm程度の圧延鋼板を四
角錐台形状に折曲して組立成形されており、更に、その
径大側開口部69の夫々の辺の一端に、管軸方向(z方
向)と直角になるように外方向に折曲した当接片70が
設けられ、この当接片70がマスクフレーム60の底面
部59とクリップ等の手段で取着され、他端の径小側開
口部71をファンネル53内の電子銃64側方向に延在
させた、全体として略矩形台形状の構成となっている。
このインナーシールド68をファンネル53内に配置す
ることで、電子ビーム55B,55G,55Rが地磁気
等の影響を極力受けないように、電子ビーム55B,5
5G,55Rの通過領域をシールドして対応している。
【0008】この外部磁場の中でも特に地磁気の場合に
は、設置されるカラー陰極線管の画面の向きによって、
地磁気が起因のランディングずれの状態が異なっている
ことが知られている。即ち、カラー陰極線管の画面を南
北方向に向けた場合と、東西方向に向けた場合とでは、
ランディングずれの状態が異なり、更に、南北半球の緯
度差によってもランディングずれの状態が異なってい
る。
【0009】一般に、蛍光体スクリーン54をストライ
プ状としたカラー陰極線管では、そのストライプ状の構
成上から、垂直方向の地磁気による影響をランディング
ずれに影響を及ぼさない水平方向に磁束の向きを変換す
ることで、垂直方向に電子ビーム55B,55G,55
Rが移動するようにして、色純度の劣化を回避すること
が可能である。
【0010】このインナーシールド68のシールド性能
を定量化する方法としては、ランディングずれ量を一般
的に使用しており、外部磁界が無磁界の状態と所定の磁
界を加えたときのランディング状態の差を測定し、地磁
気によるランディング移動量(地磁気移動量)としてシ
ールド性能の指標としている。一般的に我国においては
日本での磁界を想定して、水平軸方向(x方向)では
0.03mT、垂直軸方向(y方向)では0.035m
Tの磁界を加えて、無磁界状態との地磁気移動量を測定
している。
【0011】このようなランディングずれは、電子ビー
ム55B,55G,55Rの速度成分をv、磁束密度を
B、電子の電荷をqとしたときに、荷電粒子が磁界から
受けるローレンツ力Fは、次のように表わすことができ
る。
【0012】F=−q・v×B……(1) この場合、カラー陰極線管のように電子を用いる場合に
は、電子の電荷をeとすると、 F=−e・v×B……(2) として表わされ、ビームランディングに影響を与える磁
界成分は、y方向及びz方向のBy、Bzとなる。
【0013】この(2)式からビームランディングに影
響を与えるx方向への影響は、 Fx=−e(v・Bz−v・By)……(3) として表わすことができる。
【0014】即ち、By,Bzは、夫々v、vと作
用してビームランディングのずれを発生させる。
【0015】この磁束密度Bの管軸方向成分Bzによる
ランディングずれは、図10(a)に矢印aで示すよう
に、画面上部では左方向に、また画面下部では右方向に
ずれることになる。これは実際にはカラー陰極線管を北
向きに設置した場合の地磁気の管軸方向成分Bzと垂直
偏向に伴なう電子ビーム55B,55G,55Rの垂直
軸方向の速度成分vとによるランディングずれであ
る。カラー陰極線管を南向きに設置した場合は、この図
10(a)に示した矢印と逆方向のランディングずれが
生じる。また、図10(b)は、磁束密度Bの垂直方向
成分Byによるランディングずれを矢印bで示すよう
に、画面全面で左方向にずれることになる。これは、北
半球における地磁気の垂直方向成分Byと電子ビーム5
5B,55G,55Rの管軸方向速度成分vによるラ
ンディングずれである。
【0016】しかしながら、図9に示したインナーシー
ルド68においては、特に管軸方向の地磁気に対しては
シールド効果が弱く、磁気シールド作用には限界があ
り、完全に地磁気をシールドすることができないため
に、インナーシールド68を配置しても、その内側の電
子ビーム通過領域に地磁気の管軸方向成分Bz及び垂直
軸方向成分Byを持つ漏れ磁界が存在し、図10(a)
及び(b)に示したようなランディングずれを生じ、画
像の色純度を劣化させていた。
【0017】この図10(a)に示すビームランディン
グずれを軽減するために、特開昭53−15061号公
報には、図11に示すように、短辺部72にV字状の切
込み73を形成した略矩形中空台形状のインナーシール
ド68が開示されている。
【0018】このインナーシールド68では、カラー陰
極線管を北向きに設置した場合は、管軸方向磁力線がイ
ンナーシールド68の水平方向に延在する長辺部74方
向に強制され、それに伴ない地磁気の垂直軸方向成分B
yが増加し、Y+方向では+Byが、またY−方向では
−Byが増加する。その結果、画面上部ではビームラン
ディングが右方向に移動し、画面下部では左方向に移動
する右回転作用を受ける。これは、図10(a)に矢印
aで示した左方向のランディングずれを補正し、カラー
陰極線管を北向きもしくは南向きに設置した場合の色純
度の劣化を防止する。
【0019】しかし、カラー陰極線管を東向きまたは西
向きに設置した場合には、V字状の切込み73から地磁
気の水平軸方向成分Bxがインナーシールド68内側の
電子ビーム通過領域に入り易くなるために、その電子ビ
ーム通過領域の磁束密度が増加し、且つ磁界形状がより
バレル形となる。即ち、例えばカラー陰極線管を東向き
に設置した場合には、図12に破線cで示すように、漏
れ磁界の形状がよりバレル形となり、特に画面の対角部
コーナー付近に近づくほど、地磁気の垂直軸方向成分B
yが増加し、矢印dで示すように、台形状のランディン
グずれが生ずる。また、カラー陰極線管を西向きに設置
した場合には、図12の矢印dとは逆向きのランディン
グずれが生ずる。
【0020】このように、従来のインナーシールド68
では、カラー陰極線管を北向きまたは南向きに設置した
場合のランディングずれを軽減しようとすると、カラー
陰極線管を東向きまたは西向きに設置した場合のランデ
ィングずれが増大するために、北向きまたは南向きに設
置した場合のランディングずれと東向きまたは西向きに
設置した場合のランディングずれとを、V字状の切込み
73の切込み量によって調整することで、バランスさせ
ている。そのために、全ての設置方向について画像の色
純度を良好にすることが不十分であった。
【0021】しかも、この地磁気等の外部磁界がビーム
ランディングに与える影響は、カラー陰極線管が大形に
なるほど大きくなり、例えば対角長80cmの大形カラ
ー陰極線管になると、電子銃64から蛍光体スクリーン
54までの距離が対角長51cmのカラー陰極線管の約
1.6倍となり、電子ビーム55B,55G,55Rの
移動も約2.5倍となる。また、蛍光体スクリーン54
とシャドウマスク57との間隔も大きくなるために、そ
のぶん電子ビーム55B,55G,55Rの移動が更に
大きくなる。実際にインナーシールド68の配置された
対角長80cmカラー陰極線管の日本国内での実測値で
は、カラー陰極線管を南向きから北向きに変更した場合
に、約50μm移動している。
【0022】更に、最近の高品位超大形カラー陰極線管
では、蛍光体スクリーン54をアスペクト比が16:9
の横長画面が主流となりつつあり、3色蛍光体層66
B,66G,66Rの配列ピッチを約0.6〜0.7m
mと微細化しているために、ビームランディングの余裕
度が30μm程度と非常に小さくなっている。そのため
に、このようなカラー陰極線管では、インナーシールド
68を配置しても、地磁気等の影響によるランディング
ずれが生じ易く、色純度の劣化を起こし易いという問題
がある。
【0023】また、このようなビームランディングずれ
を防止するために、断面L字形のマスクフレームの側面
部端部と内側張出部端部間に磁界制御板を配置したカラ
ー受像管が、特開平4−267036号公報に開示され
ている。この開示されたカラー受像管においてもビーム
ランディングずれを改善することは可能であるが、磁界
制御板をマスクフレームの長辺部全面にわたって形成し
ているために、マスクフレームの重量が重くなり、この
ためにマスクフレームの保持手段を強固にしなければな
らず、更にマスクフレームの製作時の工程数も増加する
等の問題があった。
【0024】また、内部磁気シールドを介して流れる磁
束を安定化させて、色純度の劣化を防止したカラー陰極
線管が、特開平5−159711号公報に開示されてい
る。この開示されたカラー陰極線管では、磁束を安定化
させるために、マスクフレームのスカート部とフランジ
部とを角度をもった斜辺部で連結するように特殊な形態
とする必要があり、特別な成形加工を必要とするばかり
でなく、内部磁気シールドにも特別な加工を施す必要が
ある。
【0025】更に、マスクフレーム及び内部磁気シール
ドの連結部分は、フレームスカート部、フランジ部、斜
辺部と角度を持って連接されている3つの辺の繋ぎ部角
度に誤差が生じると、内部磁気シールドは通常0.1〜
0.3mm程度の圧延鋼板を用いていることから、先端
部がマスクフレーム部と擦れることにより、マスクフレ
ームに施している黒化膜が剥がれ、耐圧特性を劣化させ
たり、隙間が生ずることによりTVセットのスピーカ等
による振動でも擦れることにより、黒化膜が剥がれ、耐
圧特性を劣化させる等の問題も有している。
【0026】同様に、マスクフレーム及び内部磁気シー
ルドの間に隙間が生じると、TVセットのスピーカ等の
振動によってもマスクフレームと内部磁気シールド間で
振動が起き、異音を発する等の問題も有している。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】従来のカラー陰極線管
においては、インナーシールド68を備えていても、電
子ビーム通過領域の不要磁界を充分に遮蔽することがで
きず、カラー陰極線管を北向きまたは南向きに設置した
場合のビームランディングずれを軽減しようとすると、
逆にカラー陰極線管を東向きまたは西向きに設置した場
合のビームランディングずれが増大してしまい、結局、
北向きまたは南向きに設置した場合のビームランディン
グずれと、東向きまたは西向きに設置した場合のビーム
ランディングずれをインナーシールド68の短辺72の
V字状の切込み73量を調整することによってバランス
をとっているために、良好な色純度の再生画像を得るに
は不十分であった。
【0028】特に、超大形の高精細・高品位なカラー陰
極線管においては、電子ビーム55B,55G,55R
の余裕度が極めて小さく、このために再生画像の色純度
が劣化し易くなり、高精細・高品位な画像を得るうえで
極めて深刻な問題となっている。
【0029】また、色純度を向上させるために、マスク
フレームや内部磁気シールドに特別な構成を採り入れた
カラー陰極線管もあるが、重量が重くなったり、複雑な
加工を必要とする等の問題がある。
【0030】本発明は、これらの課題に対処してなされ
たものであり、東向きまたは西向きに設置したときのビ
ームランディングを劣化させることなく、北向きまたは
南向きに設置したときのビームランディングずれを大幅
に軽減し、軽量且つ簡単な構成の色純度の良好なカラー
陰極線管及びカラー陰極線管用シャドウマスク構体を得
ることを目的としている。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明は、カラー陰極線
管を、略矩形状のフェースパネルと、このフェースパネ
ルに連接するファンネルと、このファンネルのネック内
に配置され3電子ビームを放出する電子銃と、この電子
銃に対向して前記フェースパネル内面に形成される3色
蛍光体層を有する蛍光体スクリーンと、この蛍光体スク
リーンに対向して配置されるシャドウマスクと、このシ
ャドウマスクを保持する側壁部及びこの側壁部に対して
略直角に形成された底面部からなる断面略L字形でフェ
ースパネルに取着される枠状のマスクフレームと、この
マスクフレームに取着される矩形中空台形状のインナー
シールドとを備えるカラー陰極線管において、電子ビー
ムの通過方向に沿うように側壁部と底面部を連結する複
数の磁界制御片をマスクフレームの対角部近傍の長辺側
に配設するように構成した。
【0032】また、カラー陰極線管用シャドウマスク構
体を、多数の電子ビーム通過孔が穿設されたシャドウマ
スクと、このシャドウマスクを保持する側壁部及びこの
側壁部に対して略直角に形成された底面部からなる断面
略L字形で枠状に形成されたマスクフレームと、このマ
スクフレームの対角部近傍の長辺側に前記側壁部及び底
面部間を所定の角度で連結する複数の磁界制御片とから
構成した。
【0033】このように構成することによって、対角部
コーナー近傍に複数の磁気制御片を設けることによる吸
収磁界によって、地磁気によるランディングずれを軽減
することができるために、色純度をより良好なものとす
ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るカラー陰極線
管及びカラー陰極線管用シャドウマスク構体について、
図面を参照して詳細に説明する。本発明に係るシャドウ
マスク構体を備えたカラー陰極線管は、図1及び図2に
示すように、画面が略矩形状で外面の曲率が略平面に近
い平面状を呈するフェースパネル11と、このフェース
パネル11のスカート部12に一体的に接合されたファ
ンネル13を有する外囲器を備えており、このフェース
パネル11の内面には、青、緑、赤に発光する3色蛍光
体層及びこの3色蛍光体層間に設けられた黒色光吸収層
を有する蛍光体スクリーン14が配設されている。
【0035】更に、この外囲器内には、図2及び図3に
示すように、この蛍光体スクリーン14に対向して、3
電子ビーム15B,15G,15Rが通過し色選別を行
うための多数の電子ビーム通過孔16を有するシャドウ
マスク17が配置されている。このシャドウマスク17
は、このシャドウマスク17を固定する側壁部18及び
この側壁部18から略直角に折曲された底面部19から
なる断面略L字形で枠状のマスクフレーム20に固定さ
れ、このマスクフレーム20は、フェースパネル11の
スカート部12の内側面に設けられたスタッドピン21
に弾性支持体22によって着脱自在に取着されている。
このマスクフレーム20の長辺側の対角部コーナー近傍
には、側壁部18端部と底面部19端部を連結するよう
に側壁部18から底面部19にかけて一体成形にて所定
の角度に形成された、これら端部と磁気的に結合してい
る複数の磁界制御片23が設けられ、これらシャドウマ
スク17、マスクフレーム20及び磁界制御片23によ
ってシャドウマスク構体24が構成されている。
【0036】また、ファンネル13のネック25内に
は、電子ビーム15B,15G,15Rを放出する電子
銃26が配設されており、この電子銃26から放出され
た電子ビーム15B,15G,15Rを、ファンネル1
3の外側に装着された偏向ヨーク27の発生する磁界に
よって偏向し、電子ビーム15B,15G,15Rにて
蛍光体スクリーン14を水平、垂直方向に走査すること
によって、蛍光体スクリーン14上にカラー画像を再生
表示している。
【0037】この時、電子銃26から放出された電子ビ
ーム15B,15G,15Rが蛍光体スクリーン14に
射突するまでの間では、地磁気や外部回路に起因した外
部磁場の存在する領域を通過することになるので、この
外部磁場の影響を回避するために、外囲器内の電子ビー
ム15B,15G,15Rの通過領域部分をマスクフレ
ーム20の底面部19に固定された矩形中空台形状のイ
ンナーシールド28でシールドするように構成してい
る。
【0038】このインナーシールド28は、例えば、板
厚が0.1〜0.3mm程度の圧延鋼板を四角錐台形状
に折曲して組立成形されており、更にその径大側開口部
29の夫々の辺の一端を管軸方向と直角になるように外
方向に折曲した当接片30が設けられ、この当接片30
がマスクフレーム20の底面部19とクリップ(図示せ
ず)等の手段で取着され、他端の径小側開口部31をフ
ァンネル13内の電子銃26側方向に延在させた、全体
として略矩形台形状の構成となっており、このインナー
シールド28をファンネル13内に配置することで、電
子ビーム15B,15G,15Rが地磁気等の影響を極
力受けないようにシールドして対応している。
【0039】そして、マスクフレーム20の側壁部18
及び底面部19間の長辺側対角部コーナー近傍に所定の
角度で複数の磁界制御片23を配置すると、カラー陰極
線管を東向きまたは西向きに設置した場合のランディン
グずれを劣化することなく、カラー陰極線管を北向きま
たは南向きに設置した場合のランディングずれを軽減す
ることができ、設置方向に関係なく色純度が良好な画像
を表示することが可能となる。この複数の磁界制御片2
3を対角部コーナー近傍に配置するのは、対角部コーナ
ー付近が地磁気によるビームランディングへの影響が最
も強く受ける部分であり、またビームランディングのば
らつきも最も大きくなる地点であるために、この点での
磁界を制御することによって、効率的にビームランディ
ングずれを補正することが可能となるためである。
【0040】即ち、図4に示すように、カラー陰極線管
を北向きに設置した場合、インナーシールド28の電子
銃26側に径小側開口部31が存在するために、インナ
ーシールド28では管軸方向の磁界aを完全には遮蔽す
ることができずに、インナーシールド28内側の電子ビ
ーム通過領域に漏れ磁界bが存在するが、磁界制御片2
3を夫々の長辺の対角部コーナー近傍に所定の角度で配
置することによって、その漏れ磁界bを引き寄せ電子ビ
ーム通過領域近傍において磁界制御片23に対する吸収
磁界cとなり、結果的に垂直軸方向成分Byが増加す
る。即ち、Y+方向では+Byが、またY−方向では−
Byが増加することになる。
【0041】その結果、図5に示すように、画面上方で
は矢印dで示す右方向、画面下方では矢印eで示す左方
向のランディングずれを生じ、その右回転作用によっ
て、図10(a)に示した磁界制御片23の配置されな
い場合の左回転方向のランディングずれを相殺すること
ができる。同様にカラー陰極線管を南向きに設置した場
合も、磁界制御片23の配置されない場合のランディン
グずれを相殺する磁界を発生する。
【0042】このように、磁界制御片23を配置するこ
とにより、カラー陰極線管を東向きまたは西向きに設置
した場合のランディングずれを劣化することなく、カラ
ー陰極線管を北向きまたは南向きに設置した場合、イン
ナーシールド28内側の漏れ磁界を成形して、垂直軸方
向成分Byを増加させ、Y+方向では+By、Y−方向
では−Byを増加させて、磁界制御片23の配置されて
いない場合のランディングずれを相殺して、色純度良好
な画像を表示するカラー陰極線管とすることができる。
【0043】また、この磁界制御片23は、図6に示す
ように、マスクフレーム20の側壁部18と底面部19
との間に所定の角度θFをもって配置されているが、こ
の角度θFを電子ビーム15B,15G,15Rの垂直
方向偏向角度θDと略平行となるように設定すること
で、対角部コーナー近傍を通過する電子ビーム15B,
15G,15Rに平行して近接させることが可能とな
り、それだけ吸収磁界領域の長さLを増加させることが
でき、より多くの漏れ磁界bを吸収磁界cとすることが
可能となり、垂直軸方向成分Byを増加させ、より一層
のビームランディングずれを軽減させることができる。
【0044】そこで、これらのランディングずれの軽減
効果を確認するために、従来品と本発明を実施した実施
品との比較テストを行った。
【0045】即ち、マスクフレームの側壁部の高さを6
0mmに、底面部の幅を50mmに設定したマスクフレ
ームを用意して、磁界制御片を設けていないシャドウマ
スク構体として構成し、これを垂直方向偏向角度θDを
約45°にしたカラー陰極線管に組込んで従来品を形成
した。これに対して従来品と同様に、マスクフレーム2
0の側壁部18の高さを60mmに、底面部19の幅を
50mmに設定したマスクフレーム20を設け、このマ
スクフレーム20に対し高さ40mm、底面部分の幅を
23mmに形成した磁界制御片23を、マスクフレーム
20に対する取付角度θFを30°に設定したシャドウ
マスク構体24を、対角部コーナー近傍を通過する電子
ビーム15B,15G,15Rの垂直方向偏向角度θD
を約45°にしたカラー陰極線管に組込んで実施品1を
構成した。また同様構成で、高さ40mm、底面部分の
幅を40mmに形成した磁界制御片23を、マスクフレ
ーム20に対する取付角度θFを電子ビーム15B,1
5G,15Rの垂直方向偏向角度と略同じ45°に設定
したシャドウマスク構体24を使用したカラー陰極線管
を実施品2として構成した。
【0046】この従来品と実施品1及び2のビームラン
ディングずれの比較テストでは、表1に示すような結果
となった。
【表1】 即ち、従来品においては、東向きまたは西向きにカラー
陰極線管画面を設置した場合に、35μmのビームラン
ディングずれが観測され、北向きまたは南向きに設置し
た場合には、更に大きな50μmのビームランディング
ずれとして観測された。これに対して、実施品1及び実
施品2ともに、東向きまたは西向きにカラー陰極線管画
面を設置した場合には、従来品と同等の35μmのビー
ムランディングずれが観測されたものの、北向きまたは
南向きに設置した場合には、実施品1では35μmとな
って、従来品に比較してビームランディングずれが30
%改善されており、更に実施品2においては、25μm
と従来品に比較してビームランディングずれが50%も
の大幅な改善を図ることができている。
【0047】このことから、マスクフレーム20の底面
部19から側壁部18にかけて電子ビーム15B,15
G,15Rの通過方向に沿うように傾斜させて磁界制御
片23を配置することで、ビームランディングずれを改
善することが可能で、特に対角部コーナー近傍を通過す
る電子ビーム15B,15G,15Rと略平行となるよ
うな角度に設定することで、東向きまたは西向きにカラ
ー陰極線管を設置した場合のビームランディングずれを
劣化させることなく、北向きまたは南向きでのビームラ
ンディングずれを更に大幅に改善することが可能となっ
ている。しかも磁界制御片23を対角部コーナー近傍に
配置しているだけなので、構成も簡単で軽量化されてお
り、しかも複雑な成形加工を必要とせずに構成すること
ができるので、汎用性にも富んでいる。
【0048】なお、この磁界制御片23の取付角度θF
を45°以上に設定しても同等の効果が得られるが、あ
まり大きな角度に設定すると、反対に電子ビーム15
B,15G,15Rから離れてしまうために、その効果
を持たせることが難しくなり、45°+20%程度の角
度範囲内に設定する必要がある。
【0049】また、磁界制御片23の板厚は、自由に設
定することができ、また磁界制御片23を一体成形によ
って形成した場合について説明しているが、この磁界制
御片23をマスクフレーム20とは別ピースにて形成
し、これをマスクフレーム20に溶接等の手段によって
固定するように構成することも可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、マスクフレームの対角
部コーナー近傍のマスクフレーム長辺側の側壁部と底面
部との間に所定の取付角度で対角部近傍を通過する3電
子ビームと略平行となる複数の磁界制御片を設けること
による吸収磁界によって、特に地磁気の影響によるラン
ディングずれを軽減し、軽量且つ簡単な構成で汎用性に
も富んだ色純度の優れたカラー陰極線管及びカラー陰極
線管用シャドウマスク構体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカラー陰極線管を示す一部切欠断
面図。
【図2】同じくカラー陰極線管の対角部を拡大して示す
断面図。
【図3】同じくカラー陰極線管を構成するシャドウマス
ク構体を示す図で、(a)は平面図、(b)は水平軸方
向の断面図、(c)は垂直軸方向の断面図。
【図4】同じくカラー陰極線管のビームランディングず
れの改善方法を説明するための説明図。
【図5】同じくビームランディングずれの改善効果を説
明するための説明図。
【図6】同じくシャドウマスク構体の構成を示す断面
図。
【図7】従来のカラー陰極線管を示す一部切欠断面図。
【図8】同じく電子ビームの通過軌道を説明するための
説明図。
【図9】同じくインナーシールドを示す斜視図。
【図10】同じくビームランディングずれの発生状態を
説明するための説明図。
【図11】同じくインナーシールドの他の構成例を示す
斜視図。
【図12】同じくビームランディングずれの発生状態を
説明するための説明図。
【符号の説明】
11:フェースパネル 13:ファンネル 14:蛍光体スクリーン 15B,15G,15R:電子ビーム 16:電子ビーム通過孔 17:シャドウマスク 18:側壁部 19:底面部 20:マスクフレーム 23:磁界制御片 24:シャドウマスク構体 25:ネック 26:電子銃 28:インナーシールド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略矩形状のフェースパネルと、 このフェースパネルに連接するファンネルと、 このファンネルのネック内に配置され3電子ビームを放
    出する電子銃と、 この電子銃に対向して前記フェースパネル内面に形成さ
    れる3色蛍光体層を有する蛍光体スクリーンと、 この蛍光体スクリーンに対向して配置されるシャドウマ
    スクと、 このシャドウマスクを保持する側壁部及びこの側壁部に
    対して略直角に形成された底面部からなる断面略L字形
    で前記フェースパネルに取着される枠状のマスクフレー
    ムと、 このマスクフレームに取着される矩形中空台形状のイン
    ナーシールドとを備えるカラー陰極線管において、 前記電子ビームの通過方向に沿うように前記側壁部と底
    面部を連結する複数の磁界制御片をマスクフレームの対
    角部近傍の長辺側に配設したことを特徴とするカラー陰
    極線管。
  2. 【請求項2】 前記磁界制御片を対角部近傍を通過する
    電子ビームの垂直方向の偏向角と略平行となるように配
    設したことを特徴とする請求項1記載のカラー陰極線
    管。
  3. 【請求項3】 多数の電子ビーム通過孔が穿設されたシ
    ャドウマスクと、 このシャドウマスクを保持する側壁部及びこの側壁部に
    対して略直角に形成された底面部からなる断面略L字形
    で枠状に形成されたマスクフレームと、 このマスクフレームの対角部近傍の長辺側に前記側壁部
    及び底面部間を所定の角度で連結する複数の磁界制御片
    とを具備したことを特徴とするカラー陰極線管用シャド
    ウマスク構体。
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