JP2003029041A - 波長選択性位相変換装置、色分解光学装置および投射型表示装置 - Google Patents

波長選択性位相変換装置、色分解光学装置および投射型表示装置

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JP2003029041A
JP2003029041A JP2001218663A JP2001218663A JP2003029041A JP 2003029041 A JP2003029041 A JP 2003029041A JP 2001218663 A JP2001218663 A JP 2001218663A JP 2001218663 A JP2001218663 A JP 2001218663A JP 2003029041 A JP2003029041 A JP 2003029041A
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wavelength
optical
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polarization
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JP2001218663A
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Masaaki Sato
正聡 佐藤
Tetsuo Hattori
徹夫 服部
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】 入射角が0度となる極限でP偏光成分と
S偏光成分との反射の位相差を0度とする定義におい
て、第1波長領域の光のP偏光成分とS偏光成分との位
相差を第1の位相差、前記第1波長領域の光と異なる第2
波長領域の光のP偏光成分とS偏光成分との位相差を第
2の位相差とそれぞれしたとき、前記第1の位相差と前
記第2の位相差との差が180度となるような光学薄膜
TRが形成されている光学部材を有する波長選択性位相
変換装置104を提供すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入射光の波長領域
のうちの特定波長域の光の偏光の振動方向を変換する波
長選択性位相変換装置、この波長選択性位相変換装置を
備える色分解光学装置と投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】公表特許公報平11−504441号公
報には、リターダと称する複数の有機薄膜を積層(スタ
ック)した構成の光学装置と、この光学装置を備えるカ
ラー偏光子が提案されている。この光学装置は、入射す
る直線偏光のうち、特定の波長領域の光の振動方向を入
射光の振動方向と異なる方向に変換させる機能を有して
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記光学装置
は、有機薄膜を積層した構成を有することから、温度
(熱)、湿度、光(特に紫外光)などの環境の変化に弱
い。このため、上述した振動方向を変換する機能の信頼
性が低いという問題を有している。
【0004】また、有機薄膜の屈折率と接着剤層の屈折
率とを略一致させておかないと、接着面で反射等を生じ
る。このため、光量の損失を生ずるという問題も有して
いる。
【0005】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であり、環境の変化に対して影響を受けず、特定の波長
領域の光の振動方向を常に安定して変換することができ
る波長選択性位相変換装置、色分解光学装置および投射
型表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明では、入射角が0度となる極
限でP偏光成分とS偏光成分との反射の位相差を0度と
する定義において、第1波長領域の光(例えばB光)の
P偏光成分とS偏光成分との位相差を第1の位相差、前
記第1波長領域の光と異なる第2波長領域の光(例えば
G光、R光)のP偏光成分とS偏光成分との位相差を第
2の位相差とそれぞれしたとき、前記第1の位相差と前
記第2の位相差との差が180度となるような光学薄膜
TRが形成されている光学部材100を有する波長選択
性位相変換装置100を提供する。
【0007】ここで、本願明細書において使用される
「位相差」について予め定義しておく。全反射膜やダイ
クロイック膜のような所定膜面の位相差には2つの定義
がある。第1の定義は、所定膜面への入射角が0°にな
る極限で、P成分とS成分との反射の位相差を0°とす
る定義である。第2の定義は、所定膜面への入射角が0
°になる極限で、P成分とS成分との反射の位相差を1
80°とする定義である。そして、本願明細書では「位
相差」に関して上記第1の定義を用いる。
【0008】また、請求項2に記載の波長選択性位相変
換装置は、前記光学薄膜TRは、前記第1波長領域の光
と前記第2波長領域の光とをいずれも反射することで前
記第1の位相差と前記第2の位相差との差を180度と
することを特徴とする。
【0009】また、請求項3に記載の波長選択性位相変
換装置は、前記光学部材100は、前記第1波長領域の
光と前記第2波長領域の光とを入射する入射面100A
に反射防止膜ARが形成されていることを特徴とする。
【0010】また、請求項4に記載の発明は、単一偏光
の光を供給する照明光学系102,201と、入射角が
0度となる極限でP偏光成分とS偏光成分との反射の位
相差を0度とする定義において、前記照明光学系10
2,201からの光のうち第1波長領域の光のP偏光成
分とS偏光成分との位相差を第1の位相差、前記第1波長
領域の光と異なる第2波長領域の光のP偏光成分とS偏
光成分との位相差を第2の位相差とそれぞれしたとき、
前記第1の位相差と前記第2の位相差との差が180度
となるような光学薄膜TRが形成されている光学部材1
04を含む波長選択性位相変換装置104と、前記波長
選択性位相変換装置104の射出光を前記第1波長領域
の光と前記第2波長領域の光とに色分解する偏光分離面
105pを有し、前記第1波長領域の光を第1波長光被
照明部106Bへ射出し、前記第2波長領域の光を第2
波長光被照明部106Rへ射出する偏光ビームスプリッ
タ105BRとを有することを特徴とする色分解光学装
置を提供する。
【0011】ここで、「単一の偏光」とは、円偏光の場
合は楕円率が1の偏光状態、直線偏光の場合は楕円率が
0の偏光状態、楕円偏光の場合は楕円の長軸の方向が一
致し、楕円率が一致し、回転の向きが一致している偏光
状態をいう。
【0012】また、請求項5に記載の色分解光学装置
は、前記偏光ビームスプリッタ105BRの偏光分離面
105pは、前記第1波長光被照明部106Bと前記第
2波長光被照明部106Rとの少なくとも一方の略中央
から垂直に伸びる光軸AXに沿って進行する光線と前記
偏光分離面105pの法線とで定義されるS軸が、前記
波長選択性位相変換装置104を射出して前記光軸AX
に沿って進行する前記第1波長領域の光と前記第2波長
領域の光とのいずれか一方の光の振動方向に対して略平
行となるように配置されていることを特徴とする。
【0013】また、請求項6に記載の色分解光学装置
は、前記波長選択性位相変換装置104は波長板202
をさらに含み、前記波長板202は、前記光学薄膜10
5pを射出して前記光軸AXに沿って進行する前記第1
波長領域の光と前記第2波長領域の光とのいずれか一方
の光の偏光の振動方向を、前記第1波長光被照明部10
6Bと前記第2波長光被照明部106Rの少なくとも一
方の略中央から垂直に伸びる光軸AXに沿って進行する
光線と前記偏光分離面105pの法線とで定義されるS
軸に対して平行な方向に変換することを特徴とする。
【0014】また、請求項7に記載の色分解光学装置
は、前記第1の位相差は0度、前記第2の位相差は18
0度であり、前記波長板は1/2波長位相板202であ
ることを特徴とする。
【0015】また、請求項8に記載の色分解光学装置
は、前記第1の位相差は90度、前記第2の位相差は―
90度であり、前記波長板は1/4波長位相板であるこ
とを特徴とする。
【0016】また、請求項9に記載の色分解光学装置
は、前記照明光源102,201から供給される単一偏
光の光は、直線又は楕円偏光の光であり、前記照明光学
系102,201は、前記直線偏光の振動方向又は前記
楕円偏光の長軸の方向が、前記光軸AXに沿って進行す
る光線と前記光学薄膜面105pの法線とで定義される
S軸に対して略45度の傾きを有する偏光光を供給する
ことを特徴とする。
【0017】また、請求項10に記載の色分解光学装置
は、前記照明光学系102,201は、前記直線偏光の
振動方向又は前記楕円偏光の長軸の方向が、前記光軸A
Xに沿って進行する光線と前記光学薄膜面105pの法
線とで定義されるS軸に対して略平行又は略垂直の傾き
を有する第1偏光光を供給する第1偏光照明光学系10
2と、前記第1偏光光の直線偏光の振動方向又は前記楕
円偏光の長軸の方向を、前記光軸AXに沿って進行する
光線と前記光学薄膜面105pの法線とで定義されるS
軸に対して略45度の傾きを有する偏光光に変換する1
/2波長位相板201とを有することを特徴とする。
【0018】また、請求項11に記載の色分解光学装置
は、前記照明光学系102,201は、光源101から
の光を、略単一の振動方向を有する直線偏光に変換する
偏光変換装置102を含み、前記偏光変換装置102
は、第1の偏光分離面PD1と、前記第1の偏光分離面
PD1と平行に配置される第2の偏光分離面PD2と、
前記第1の偏光分離面PD1を挟持する第1光学部材P
Aと、前記第2の偏光分離面PD2を挟持する第2光学
部材PBと、前記第1光学部材PAと前記第2光学部材
PBとのいずれか一方の射出面側に配置され、前記第1
の偏光分離面PD1と前記第2の偏光分離面PD2との
何れか一方を介した光の偏光方向を変換する1/2波長
位相板WPとを含み、前記第1光学部材PAの射出面と
前記第1の偏光分離面PD1とが交差する交線が、前記
光軸AXに沿って進行する光線と前記光学薄膜105p
の法線とで定義されるS軸に対して略45度傾いている
ことを特徴とする。
【0019】また、請求項12に記載の色分解光学装置
は、照明光を供給する光源101と、前記第1波長光被
照明部106Bと、前記第2波長光被照明部106Rと
をさらに有し、前記光源101から前記第1波長光被照
明部106Bまでの光学的距離と、前記光源101から
前記第2波長光被照明部106Rまでの光学的距離とが
略等しいことを特徴とする。
【0020】また、請求項13に記載の発明は、単一偏
光の光を供給する照明光学系102,201と、入射角
が0度となる極限でP偏光成分とS偏光成分との反射の
位相差を0度とする定義において、前記照明光学系10
2,201からの光のうち第1波長領域の光のP偏光成
分とS偏光成分との位相差を第1の位相差、前記第1波長
領域と異なる第2波長領域の光のP偏光成分とS偏光成
分との位相差を第2の位相差とそれぞれしたとき、前記
第1の位相差と前記第2の位相差との差が180度とな
るような光学薄膜TRが形成されている光学部材104
を含む波長選択性位相変換装置104と、前記波長選択
性位相変換装置104の射出光を前記第1波長領域の光
と前記第2波長領域の光とに色分解する偏光分離面10
5pを有し、前記第1波長領域の光を第1波長光被照明
部106Bへ射出し、前記第2波長領域の光を第2波長
光被照明部106Rへ射出する偏光ビームスプリッタ1
05BRと、前記第1波長光被照明部106Bを含み、
前記第1波長領域の光を画像信号に基づき変調する第1
色用反射型ライトバルブ106Bと、前記第2波長光被
照明部106Rを含み、前記第2波長領域の光を画像信
号に基づき変調する第2色用反射型ライトバルブ106
Rと、前記第1色用反射型ライトバルブ106Bからの
光と前記第2色用反射型ライトバルブ106Rからの光
とを色合成する色合成光学系105BRと、前記第1色
用反射型ライトバルブ106Bと前記第2色用反射型ラ
イトバルブ106Rとに生成された像を所定面111上
に投射する投影光学系110と、を有することを特徴と
する投射型表示装置を提供する。
【0021】また、請求項14に記載の投射型表示装置
は、前記偏光ビームスプリッタ105BRの偏光分離面
105pは、前記第1波長光被照明部106Bと前記第
2波長光被照明部106Rとの少なくとも一方の略中央
から垂直に伸びる光軸AXに沿って進行する光線と前記
偏光分離面105pの法線とで定義されるS軸が、前記
波長選択性位相変換装置104を射出して前記光軸AX
に沿って進行する前記第1波長領域の光と前記第2波長
領域の光とのいずれか一方の光の振動方向に対して略平
行となるように配置されていることを特徴とする。
【0022】また、請求項15に記載の投射型表示装置
は、前記波長選択性位相変換装置104は波長板202
をさらに含み、前記波長板202は、前記光学薄膜TR
を射出して前記光軸AXに沿って進行する前記第1波長
領域の光と前記第2波長領域の光とのいずれか一方の光
の偏光の振動方向を、前記第1波長光被照明部106B
と前記第2波長光被照明部106Rの少なくとも一方の
略中央から垂直に伸びる光軸AXに沿って進行する光線
と前記偏光分離面105pの法線とで定義されるS軸に
対して平行な方向に変換することを特徴とする。
【0023】また、請求項16に記載の投射型表示装置
は、前記照明光学系102,201から供給される単一
偏光の光は、直線又は楕円偏光の光であり、前記照明光
学系102,201は、前記直線偏光の振動方向又は前
記楕円偏光の長軸の方向が、前記光軸AXに沿って進行
する光線と前記光学薄膜面105pの法線とで定義され
るS軸に対して略45度の傾きを有する偏光光を供給す
ることを特徴とする。
【0024】また、請求項17に記載の投射型表示装置
は、前記照明光学系102,201は光源101を有
し、前記光源101から前記第1色用反射型ライトバル
ブ106Bまでの光学的距離と、前記光源101から前
記第2色用反射型ライトバルブ106Rまでの光学的距
離とが略等しいことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の実施の形態を説明する。 (第1実施形態)図1(C)は、第1実施形態にかかる
波長選択性位相変換装置の概略構成を示す図である。波
長選択性位相変換装置100は、直角2等辺三角形の光
学ガラスプリズムから構成されている。光学ガラスプリ
ズムは、互いに直交する第1面100Aと、第3面10
0Cと、両面100Aと100Cとが構成する直角の頂
角AGと相対する第2面100Bとを有している。ま
た、第2面100Bは、第1面100Aから入射した光
を全反射する全反射膜TRを有する。全反射膜TRにて
反射された光は、第3面100Cから射出される。
【0026】なお、以下、説明の便宜のために図1
(A)〜(F)に示す互いに直交するXYZ座標系を用
いる。波長選択性位相変換装置100の第1面100A
はXZ平面と平行な面であり、第3面100CはYZ平
面に平行な面となる。
【0027】次に、波長選択性位相変換装置100の機
能を説明する。図1(A)は、第1面100Aに入射す
る光の偏光状態をS偏光成分(実線)とP偏光成分(点
線)とに分解して示す図である。この入射光の偏光の振
動方向は、図1(B)に示す方向の直線偏光E0であ
る。第1面100Aから入射した光は、図1(B)で示
す直線偏光E0の状態を維持して第2面100Bに至
る。
【0028】直線偏光E0の光は、第2面100Bの全
反射膜TRで反射される。第2面100Bを反射した光
は、第3面100Cから射出する。全反射膜TRは、入
射角が0度となる極限でP偏光成分とS偏光成分との反
射の位相差を0度とする定義において、第1波長領域の
光のP偏光成分とS偏光成分との位相差を第1の位相
差、前記第1波長領域の光と異なる第2波長領域の光の
P偏光成分とS偏光成分との位相差を第2の位相差とそ
れぞれしたとき、第1波長領域の光と第2波長領域の光
とをいずれも反射することで第1の位相差と第2の位相
差との差が180度となるように構成されている。
【0029】波長選択性位相変換装置100の第1面1
00Aに入射する直線偏光E0は、第1面100Aに対
して垂直に入射する。上述のように入射光の振動方向
は、XZ平面に平行で、かつ、Z軸とX軸とに対して4
5度傾いている直線偏光E0である。次に、直線偏光E
0の光は第2面100Bに対して45度の入射角度で入
射し、当該面にて反射される。そして、第2面100B
で反射された光は、第3面100Cを垂直に射出する。
【0030】本実施形態における全反射膜TRは、所定
の波長領域の光の偏光の振動方向を変化させる。この結
果、第3面100Cは、偏光の振動方向が変化した光
と、振動方向が変化しない光とを射出する。
【0031】図1(D)は、第1波長領域の光の振動方
向E1と、第2波長領域の光の振動方向E2とを示す図
である。また、図1(E)は、直線偏光E1の光をP偏
光成分とS偏光成分とに分解して示す図である。図1
(F)は、直線偏光E2の光をP偏光成分とS偏光成分
とに分解して示す図である。
【0032】上述したように、全反射膜TRは、入射光
のうち第1波長領域の光の振動方向を変化させ、第2波
長領域の光の振動方向はそのまま維持する。従って、第
1波長領域の光に関しては、全反射膜TRに入射する前
の振動方向E0と、反射した後の振動方向E1とは同じ
である。これに対して、第2波長領域の光に関しては、
全反射膜TRで反射した後の振動方向E2は、入射する
前の振動方向E0に対して90度直交している。
【0033】図2(A),(B),(C)は、第2面10
0B上に形成された全反射膜TRの膜組成を示す図であ
る。各組成図において、基板は波長選択性位相変換装置
100を構成する光学ガラス(屈折率は1.85)であ
る。また、組成物質名の右欄に記載されている数値は膜
厚(単位:nm)を示す。光は基板側から入射する。こ
こで、図2(A)はB光波長領域(420nm〜480
nm)、図2(B)はG光波長領域(520〜570n
m)、図2(C)はR光波長領域(620〜680n
m)の光に対して位相差を与える膜組成である。
【0034】次に、図2(A),(B),(C)に示した
膜組成の光学特性をそれぞれ図3,図4,図5に示す。図
3〜図5において、縦軸は入射光の振動方向のS偏光成
分(Z軸成分)とP偏光成分(X軸成分)との間の位相
差(単位:度)、横軸は波長(単位:nm)をそれぞれ
示している。
【0035】図3は、図2(A)に示す組成の膜を第2
面100Bに形成した場合の全反射膜TRの光学特性で
ある。420nmから480nmまでのB光に関して
は、全反射膜TRは反射の際に入射光のP偏光成分とS
偏光成分との位相差を180度に変換する。従って、B
光は図1(F)で示す直線偏光E2となって第3面10
0Cを射出する。
【0036】520nmから570nmまでのG光に関
しては、全反射膜TRは反射の際に入射光を円偏光を含
む楕円偏光に変換して第3面100Cから射出する。
【0037】620nmから680nmまでのR光に関
しては、全反射膜TRは反射の際に入射光のP偏光成分
とS偏光成分との間に位相差を発生させない。従って、
R光は図1(E)で示す直線偏光E1となって第3面1
00Cを射出する。
【0038】以上のことより、図2(A)に組成を示す
膜を第2面100Bに形成した場合の波長選択性位相変
換装置100は、420nmから480nmのB光波長
領域において、Z軸方向に進相軸を有する1/2波長位
相板と同じ機能を有する。
【0039】図4は、図2(B)に示す組成の膜を第2
面100Bに形成した場合の全反射膜TRの光学特性で
ある。420nmから480nmまでのB光に関して
は、全反射膜TRは反射の際に入射光のP偏光成分とS
偏光成分との間に位相差を発生させない。従って、B光
は図1(E)で示す直線偏光E1となって第3面100
Cを射出する。
【0040】520nmから570nmまでのG光に関
しては、全反射膜TRは反射の際に入射光のP偏光成分
とS偏光成分との位相差を180度に変換する。従っ
て、G光は図1(F)で示す直線偏光E2となって第3
面100Cを射出する。
【0041】620nmから680nmまでのR光に関
しては、全反射膜TRは反射の際に入射光のP偏光成分
とS偏光成分との間に位相差を発生させない。従って、
R光は図1(E)で示す直線偏光E1となって第3面1
00Cを射出する。
【0042】さらに、480nmから520nmまでの
光と、580nmから620nmまでの光とに関して
は、全反射膜TRは反射の際に入射光を円偏光を含む楕
円偏光に変換して第3面100Cから射出する。
【0043】以上のことより、図2(B)に組成を示す
膜を第2面100Bに形成した場合の波長選択性位相変
換装置100は、520nmから570nmのG光波長
領域において、Z軸方向に進相軸を有する1/2波長位
相板と同じ機能を有する。
【0044】図5は、図2(C)に示す組成の膜を第2
面100Bに形成した場合の全反射膜TRの光学特性で
ある。420nmから480nmまでのB光に関して
は、全反射膜TRは反射の際に入射光のP偏光成分とS
偏光成分との間に位相差を発生させない。従って、B光
は図1(E)で示す直線偏光E1となって第3面100
Cを射出する。
【0045】520nmから570nmまでのG光に関
しては、全反射膜TRは反射の際に入射光を円偏光を含
む楕円偏光に変換して第3面100Cから射出する。
【0046】620nmから680nmまでのR光に関
しては、全反射膜TRは反射の際に入射光のP偏光成分
とS偏光成分との位相差を180度に変換する。従っ
て、R光は図1(F)で示す直線偏光E2となって第3
面100Cを射出する。
【0047】以上のことより、図2(C)に組成を示す
膜を第2面100Bに形成した場合の波長選択性位相変
換装置100は、620nmから680nmのG光波長
領域において、Z軸方向に進相軸を有する1/2波長位
相板と同じ機能を有する。
【0048】また、波長選択性位相変換装置100の第
1面100Aには反射防止膜ARが形成されていること
が望ましい。
【0049】さらに、波長選択性位相変換装置100を
構成する光学ガラスは、ガラス内部を透過する光の偏光
状態を維持することが望ましい。このため、光学ガラス
は内部に有する複屈折によって偏光状態を変化させない
必要がある。本実施形態では、波長選択性位相変換装置
100を構成する光学ガラスは、光弾性常数の絶対値が
1.5×10-8cm2/N以下の値を有する。また、こ
のガラスの屈折率の値は1.85である。
【0050】以上説明したように、図2(A),(B),
(C)にそれぞれ示す誘電体多層膜からなる全反射膜T
Rを使用する構成により、入射する直線偏光のうちの特
定の波長領域の光の偏光状態を変化させることができ
る。
【0051】また、波長選択性位相変換装置100は、
ガラスプリズムの特定面上に多層膜からなる誘電体膜を
形成して構成されている。このため、有機薄膜等の有機
材料を使用する必要はない。従って、耐環境温度の変化
にも影響を受けず、温度特性の良好な波長選択性位相変
換装置を提供できる。さらに、接着剤を使用しないで全
反射膜を構成するので、光量の損失が少ないという効果
も奏する。
【0052】(第2実施形態)図6は、第2実施形態に
かかる投射型表示装置の概略構成を示す図である。本実
施形態は上記第1実施形態で述べた波長選択性位相変換
装置を有している。また、説明の便宜のため、図6に示
す方向に直交座標XYZ系を用いる。さらに、以下全て
の実施形態において光の偏光状態は、常に光源を背にし
て光を見た場合における状態を示す。
【0053】高圧水銀ランプLと放物面形状の凹面鏡P
Mとから構成される光源101は、略平行な光源光を射
出する。光源101からの略平行光は、単一偏光変換装
置102に入射される。
【0054】図7(A)は、単一偏光変換装置102の
構成を示す図である。単一偏光変換装置102は、光源
101側から順に、第1レンズ板1021と、第2レン
ズ板1022と、偏光ビームスプリッタアレイ1023
と、コンデンサレンズ1024とから構成される。第1
レンズ板1021は、複数のレンズ素子1021aが平
面的に配列されている。第2レンズ板1022は、複数
のレンズ素子1022aが、レンズ素子1021aに対
応して平面的に配列されている。また、偏光ビームスプ
リッタアレイ1023は、複数の偏光ビームスプリッタ
素子1023a,1023bの偏光分離部PDが相互に
平行になるように配列されている。ここで、所定の偏光
ビームスプリッタ素子1023bの射出面には1/2波
長板WPが設けられている。そして、偏光ビームスプリ
ッタアレイ1023の射出側にはコンデンサレンズ10
24が設けられている。
【0055】この構成の単一偏光変換装置102では、
第1レンズ板1021に入射した光源光は、レンズ素子
1021aの外形によって定義される複数の光に分割さ
れる。分割された光は、各レンズ素子1021aに対応
して配置されているレンズ素子1022a上に集光され
る。そして、当該各レンズ素子1022a上に輝点が形
成される。
【0056】この輝点から射出された光は、偏光ビーム
スプリッタアレイ1023に入射する。この入射光は、
偏光ビームスプリッタ素子1023aを透過するP偏光
と、偏光分離部PDによって反射されるS偏光とに分割
される。偏光分離部PDで反射されたS偏光は、隣接す
る他の偏光ビームスプリッタ素子1023bに入射す
る。そして、当該他の偏光ビームスプリッタ素子102
3bの偏光分離部PDで反射され、射出する。S偏光の
射出面には1/2波長板WPが設けられている。よっ
て、S偏光は1/2波長板WPによりP偏光に変換され
て射出する。従って、偏光変換装置102を射出する光
は、全体として紙面に平行な方向に振動方向を有するP
偏光に変換される。そして、このP偏光は、コンデンサ
レンズ1024を経て、G光反射ダイクロイックミラー
103の方向へ進行する。
【0057】ここで、複数のレンズ素子1021a、1
022aは短冊状に配列されている。そして、短冊形状
の長手方向は、図7(A)に記載の直交座標XYZ系に
おいて、Y軸に平行な方向である。
【0058】次に図6に戻って、光源101からの光
が、B光と,G光と,R光とに色分解される構成を説明す
る。
【0059】まず、B光から説明する。単一偏光変換装
置102からの光は、G光反射ダイクロイックミラー1
03に入射する。G光反射ダイクロイックミラー103
は、入射光を反射するG光と、透過するR光とB光との
混合光とに色分解する。G光反射ダイクロイックミラー
103を透過したB光とR光との混合光は、1/2波長
位相板201に入射する。
【0060】1/2波長位相板201は、その進相軸A
とY軸とが角度α=22.5度をなすように配置されて
いる。これにより、1/2波長位相板201に入射する
Y軸に平行な振動方向を有するP偏光を、Y軸に対して
45度の振動方向を有する偏光に変換する。図6(B)
は、1/2波長位相板201の進相軸Aの方向(点線)
と、1/2波長位相板201を射出するB光とR光との
混合光OUTの振動方向を示す図である。
【0061】本実施形態においては、単一偏光変換装置
102と1/2波長位相板201とで照明光学系を構成
している。単一偏光変換装置102は、直線偏光の振動
方向が、R光用反射型ライトバルブ106Rの略中央か
ら垂直に伸びる光軸AXに沿って進行する光線と偏光ビ
ームスプリッタ105BRの偏光分離部105pの法線
とで定義されるS軸に対して略垂直の傾きを有する第1
偏光光を供給する。
【0062】また、1/2波長位相板201は、前記第
1偏光光の直線偏光の振動方向を、前記光軸AXに沿っ
て進行する光線と前記偏光分離部105pの法線とで定
義されるS軸に対して略45度の傾きを有する偏光光に
変換する。
【0063】B光とR光との混合光は、直角プリズムか
らなる波長選択性位相変換装置104に第1面104A
から入射する。第1面104Aには、反射防止膜ARが
形成されている。波長選択性位相変換装置104の第2
面104Bには、全反射膜TRが形成されている。全反
射膜TRは、図2(C)に示す膜組成で構成され、図5
に示す光学特性を有する。このため、全反射膜TRは、
B光のP偏光成分とS偏光成分との位相差を第1の位相
差、B光と異なるR光のP偏光成分とS偏光成分との位
相差を第2の位相差とそれぞれしたとき、B光とR光と
の混合光を反射することで、第1の位相差と第2の位相
差との差を180度とする。
【0064】本実施形態では、第1の位相差(B光)は
0度、第2の位相差(R光)は180度である。B光と
R光とで位相差を与えられた混合光は、第3面104C
から射出する。
【0065】図6(C)は、第3面104Cを射出した
時のB光とR光との混合光の偏光状態を示す図である。
B光とR光とは、それぞれ90度傾きが異なる直線偏光
となる。このB光とR光との混合光は、1/2波長位相
板202に入射する。
【0066】1/2波長位相板202は、その進相軸A
が図6(C)に示すようにX軸に対して角度β=22.
5度となるように配置されている。これにより、1/2
波長位相板202を射出する混合光のうち、B光はX軸
と平行な方向に振動方向を有する直線偏光(P偏光)、
R光はZ軸と平行な方向に振動方向を有する直線偏光
(S偏光)となる。
【0067】換言すると、1/2波長位相板202は、
全反射膜TRを射出して、後述するR光用反射型ライト
バルブ106Rの光軸AXに沿って進行するR光の偏光
の振動方向を、R光用反射型ライトバルブ106Rの略
中央から垂直に伸びる光軸AXに沿って進行する光線と
偏光分離部105pの法線とで定義されるS軸に対して
平行な方向に変換する。
【0068】互いに直交する振動方向を有するB光とR
光は、偏光ビームスプリッタ105BRに入射する。そ
して、B光は、偏光ビームスプリッタ105BRの偏光
分離部105pを透過する。偏光ビームスプリッタ10
5BRを射出したB光は、B光用反射型ライトバルブ1
06Bに入射する。
【0069】次に、R光について説明する。上述したよ
うにR光は、1/2波長位相板202を射出した後は、
紙面に垂直な方向に振動方向を有するS偏光となる。従
って、R光は、偏光ビームスプリッタ105BRの偏光
分離部105pで反射される。偏光ビームスプリッタ1
05BRを射出したR光は、R光用反射型ライトバルブ
106Rに入射する。
【0070】次に、G光について説明する。単一偏光変
換装置102からのP偏光のうちG光は、G光反射ダイ
クロイックミラー103で反射される。次に、直角プリ
ズム108により光路を90度折り曲げられる。光路を
90度折り曲げられたG光は、偏光ビームスプリッタ1
09Gに入射する。G光はP偏光なので、偏光分離部1
09pを透過して偏光ビームスプリッタ109Gを射出
する。偏光ビームスプリッタ109Gを射出したG光
は、G光用反射型ライトバルブ106Gに入射する。
【0071】ここで、各色用反射型ライトバルブについ
て説明する。本実施形態にて使用する反射型ライトバル
ブは電気書き込み式反射型ライトバルブである。このラ
イトバルブは、平面に配列された複数の画素を有してい
る。各画素には、変調層の機能を果たす液晶層と、入射
光を反射する反射層と、各液晶層に電界を印加するため
のスイッチング機能を果たすTFTとが配置されてい
る。そして、各色光の画像信号よって選択された画素を
構成する液晶層にはTFTのスイッチング機能によって
電界が印加される。これにより、液晶分子の配列を変え
ることで複屈折層として機能させる。この結果、入射偏
光を、反射層を経て異なる振動方向を有する光(変調
光)として反射、射出させる機能を有する。また、非選
択の画素に入射した光は入射偏光と同じ振動方向を有す
る光として反射、射出される。
【0072】B光用反射型ライトバルブ106Bに入射
したB光は、B光信号によって変調されて反射、射出さ
れる。そして、偏光ビームスプリッタ105BRの偏光
分離部105pで反射されることで検光される。検光さ
れたB光は、ダイクロイックプリズム107に入射す
る。
【0073】R光用反射型ライトバルブ106Rに入射
したR光は、R光信号によって変調されて反射、射出さ
れる。そして、偏光ビームスプリッタ105BRの偏光
分離部105pを透過することで検光される。検光され
たR光は、ダイクロイックプリズム107に入射する。
【0074】G光用反射型ライトバルブ106Gに入射
したG光は、G光信号によって変調されて反射、射出さ
れる。そして、偏光ビームスプリッタ109Gの偏光分
離部109pで反射されることで検光される。検光され
たG光は、ダイクロイックプリズム107に入射する。
【0075】ダイクロイックプリズム107は、G光を
反射し、R光とB光とを透過する特性を有するダイクロ
イック膜107Dを有する。ダイクロイック膜107D
は、B光、R光を透過、G光を反射させることにより3
色の色合成を行う。そして、投射レンズ110は、スク
リーン111上にフルカラー像を投射する。
【0076】ここで、偏光ビームスプリッタ105BR
は、R光とB光との色分解光学系の機能と、検光光学系
の機能と、色合成光学系の機能とを兼用する。
【0077】次に、波長選択性位相変換装置104と偏
光ビームスプリッタ105BRの偏光分離部105pと
の関係を説明する。上述のように、偏光ビームスプリッ
タ105BRは、波長選択性位相変換装置104の射出
光を、第1波長領域のB光と、第2波長領域のR光とに
色分解する偏光分離部105pを有する。そして、前記
偏光ビームスプリッタ105BRの偏光分離部105p
は、R光用反射型ライトバルブ106Rの略中央から垂
直に伸びる光軸AXに沿って進行する光線と偏光分離部
105pの法線とで定義されるS軸が、波長選択性位相
変換装置104を射出して光軸AXに沿って進行するR
光の振動方向に対して略平行となるように配置されてい
る。
【0078】また、上記説明では、第1の位相差を0,
第2の位相差を180度としたが、これに限られるもの
ではない。例えば、第1の位相差を―90度、第2の位
相差を+90度としても良い。ただし、この場合は1/
2波長位相板202の代わりに、1/4波長位相板を用
いる必要がある。
【0079】次に、図8に基づいて、第1の位相差=0
度、第2の位相差=180度の場合と、第1の位相差=
+90度、第2の位相差=―90度の場合との2つの場
合について偏光状態の変換の様子を説明する。
【0080】図8(A),(B),(C)は、第1の位相
差=0度、第2の位相差=180度の場合の偏光状態を
説明する図である。図8(A)は、全反射膜TRに入射
する前の偏光状態である。第1色光10と第2色光20
共にS軸又はP軸に対して45度傾いている直線偏光で
ある。図8(B)は、全反射膜TRを反射した後の偏光
状態を示す。第1の位相差=0度のため、第1色光10
の偏光状態は維持されている。これに対して、第2の位
相差=180度のため、第2色光20は、第1色光10
に対して90度傾いた直線偏光となる。次に,1/2波
長位相板は、その進相軸又は遅相軸がP軸に対して2
2.5度傾くように設けられている。この結果、図8
(C)に示すように、第1色光10はS偏光、第2色光
20はP偏光に変換される。
【0081】図8(D),(E),(F)は、第1の位相
差=+90度、第2の位相差=―90度の場合の偏光状
態の変換を説明する図である。図8(D)は、全反射膜
TRに入射する前の偏光状態である。図8(A)と同様
に第1色光10と第2色光20共にS軸又はP軸に対し
て45度傾いている直線偏光である。図8(E)は、全
反射膜TRを反射した後の偏光状態を示す。第1の位相
差=+90度のため、第1色光10の偏光状態は右回り
の円偏光となる。これに対して、第2の位相差=―90
度のため、第2色光20は、左回りの円偏光となる。次
に,1/4波長位相板は、その遅相軸がP軸に対して4
5.0度傾くように設けられている。この結果、図8
(F)に示すように、第1色光10はS偏光、第2色光
20はP偏光に変換される。
【0082】また、本実施形態では、光源101からB
光用反射型ライトバルブ106Bまでの光学的距離と、
光源101からR光用反射型ライトバルブ106Rまで
の光学的距離とが略等しいことが望ましい。これによ
り、各ライトバルブ106B,106Rをより均一に照
明できる。
【0083】また、波長選択性位相変換装置は、ガラス
プリズムの特定面上に多層膜からなる誘電体膜を形成し
て構成されている。このため、有機薄膜等の有機材料を
使用する必要はない。従って、耐環境温度の変化にも影
響を受けず、温度特性の良好な波長選択性位相変換装置
を提供できる。さらに、接着剤を使用しないで全反射膜
を構成するので、光量の損失が少ないという効果も奏す
る。
【0084】(第3実施形態)図9、第3の実施形態に
かかる投射型表示装置の構成を示す図である。上記第2
実施形態では、単一偏光変換装置102は、短冊状に配
列された複数のレンズ素子1021a、1022aの長
手方向は、図7(A)に記載の直交座標XYZ系におい
て、Y軸に平行な方向である。
【0085】これに対して、本実施形態では、上記短冊
状配列の長手方向がY軸又はZ軸に対して45度傾いて
いる点が異なる。単一偏光変換装置102をX軸の回り
に45度傾けた場合は、後述するように波長選択性位相
変換装置の光源101側に設けられている1/2波長位
相板(上記第2実施形態では1/2波長位相板201に
相当)が不要となる。
【0086】単一偏光変換装置102を傾けた状態を図
7(B)に基づいてさらに詳細に説明する。図7(B)
は、偏光ビームスプリッタアレイ1023近傍を拡大し
て示す図である。偏光ビームスプリッタ素子1023a
は、第1の偏光分離面PD1と、第1の偏光分離面PD
1を挟持する第1光学部材PAとから構成される。
【0087】また、偏光ビームスプリッタ素子1023
bは、第1の偏光分離面PD1と平行に配置される第2
の偏光分離面PD2と、第2の偏光分離面PD2を挟持
する第2光学部材PBとから構成される。1/2波長位
相板WPは、第2光学部材PBの射出面側に配置され、
前記第1の偏光分離面PD1と前記第2の偏光分離面P
Dとの何れか一方を介した光の偏光方向を変換する。
【0088】そして、第1光学部材PAの射出面と第1
の偏光分離面PD1とが交差する交線が、前記光軸AX
に沿って進行する光線と全反射膜TRの法線とで定義さ
れるS軸に対して略45度傾いている。本実施形態で
は、単一偏光変換装置102は、このような状態で光路
内に設けられている。
【0089】図9に戻って説明を続ける。光源101か
ら射出した光源光は、単一偏光変換装置102によって
単一偏光に変換される。単一偏光変換装置102内の短
冊状に配列された複数のレンズ素子1021a、102
2aの長手方向は、上述のように図7(A)に記載の直
交座標XYZ系において、Y軸又はZ軸に対して45度
傾いている。このため、図9(B)に示すように単一偏
光変換素子102を射出した後の光源光OUTの振動方
向はY軸に対して45度傾いている。
【0090】次に、光源101からの光が、B光と,G
光と,R光とに色分解される構成を説明する。
【0091】まず、B光から説明する。偏光変換装置1
02からの光は、G光反射ダイクロイックミラー102
に入射する。G光反射ダイクロイックミラー102は、
入射光を反射するG光と、透過するR光とB光との混合
光とに色分解する。G光反射ダイクロイックミラー10
3を透過したB光とR光との混合光は、波長選択性位相
変換装置304に入射する。
【0092】B光とR光との混合光は、直角プリズムか
らなる波長選択性位相変換装置304に第1面304A
から入射する。第1面304Aには、反射防止膜ARが
形成されている。波長選択性位相変換装置304の第2
面304Bには、全反射膜TRが形成されている。全反
射膜TRは、図2(A)に示す膜組成で構成され、図3
に示す光学特性を有する。このため、全反射膜TRは、
R光のP偏光成分とS偏光成分との位相差を第1の位相
差、R光と異なるB光のP偏光成分とS偏光成分との位
相差を第2の位相差とそれぞれしたとき、B光とR光と
の混合光を反射することで、第1の位相差と第2の位相
差との差を180度とする。本実施形態では、第1の位
相差(R光)は0度、第2の位相差(B光)は180度
である。B光とR光とで位相差を与えられた混合光は、
第3面304Cから射出する。
【0093】図9(C)は、波長選択性位相変換装置3
04の第1面304Aに入射する前の光の偏光状態を示
す図である。図9(C)に示す状態は、上述したように
45度傾けた単一偏光変換装置102を射出した後の図
9(B)に示す状態と同じである。
【0094】また、図8(D)は、第3面304Cを射
出した時のB光とR光との混合光の偏光状態を示す図で
ある。B光とR光とは、それぞれ90度傾きが異なる直
線偏光となる。このB光とR光との混合光は、1/2波
長位相板301に入射する。
【0095】1/2波長位相板301は、その進相軸A
が図8(D)に示すようにX軸に対して角度β=22.
5度となるように配置されている。これにより、1/2
波長位相板301を射出する混合光のうち、B光はX軸
と平行な方向に振動方向を有する直線偏光(P偏光)、
R光はZ軸と平行な方向に振動方向を有する直線偏光
(S偏光)となる。
【0096】即ち、1/2波長位相板301は、全反射
膜TRを射出して、R光用反射型ライトバルブ106R
の光軸AXに沿って進行するR光の偏光の振動方向を、
R光用反射型ライトバルブ106Rの略中央から垂直に
伸びる光軸AXに沿って進行する光線と偏光分離部10
5pの法線とで定義されるS軸に対して平行な方向に変
換する。
【0097】なお、B光とR光とが、それぞれB光用反
射型ライトバルブ106BとR光用反射型ライトバルブ
106Rとに入射する構成は、上記第2実施形態と同様
であるのでその説明を省略する。
【0098】次に、G光について説明する。G光反射ダ
イクロイックミラー103は、単一偏光変換装置102
を射出した光のうちG光を反射する。G光反射ダイクロ
イックミラー103で反射されたG光は、直角プリズム
108でさらに光路を90度折り曲げられる。次に、G
光は、1/2波長位相板302に入射する。
【0099】図8(E)は、1/2波長位相板302に
入射する前の偏光状態を示す図である。図8(E)に示
す状態は、上述したように45度傾けた単一偏光変換装
置102を射出した後の図8(B)に示す状態と同じで
ある。1/2波長位相板302は、進相軸AがZ軸と2
2.5度の角度をなすように設けられている。このた
め、1/2波長位相板302はG光をS偏光に変換す
る。
【0100】S偏光に変換されたG光は、偏光ビームス
プリッタ109Gに入射する。そして、G光は偏光分離
部109pで反射され、G光用反射型ライトバルブ10
6Gに入射する。
【0101】B光用反射型ライトバルブ106Bに入射
したB光は、B光信号によって変調されて反射、射出さ
れる。そして、偏光ビームスプリッタ105BRの偏光
分離部105pで反射されることで検光される。検光さ
れたB光は、クロスダイクロイックプリズム303に入
射する。
【0102】R光用反射型ライトバルブ106Rに入射
したR光は、R光信号によって変調されて反射、射出さ
れる。そして、偏光ビームスプリッタ105BRの偏光
分離部105pを透過することで検光される。検光され
たR光は、クロスダイクロイックプリズム303に入射
する。
【0103】G光用反射型ライトバルブ106Gに入射
したG光は、G光信号によって変調されて反射、射出さ
れる。そして、偏光ビームスプリッタ109Gの偏光分
離部109pを透過することで検光される。検光された
G光は、クロスダイクロイックプリズム303に入射す
る。
【0104】本実施形態では、G光の検光光と、R光と
B光の合成検光光は互いに平行であって相対した方向か
ら進行してくる。このため、色合成をクロスダイクロイ
ックプリズム303にて行う。クロスダイクロイックプ
リズム303は、G光を反射するダイクロイック膜30
3Gと、R光とB光とを反射するダイクロイック膜30
3BRとをX型に配置することで形成される。
【0105】クロスダイクロイックプリズム303に入
射したG光は、ダイクロイック膜303Gを反射し、ダ
イクロイック膜303BRを透過する。また、R光とB
光とはダイクロイック膜303RBを反射し、ダイクロ
イック膜303Gを透過する。これによりクロスダイク
ロイックプリズム303は、合成光を投射レンズ110
側へ射出する。投射レンズ110は、スクリーン111
上にフルカラー像を投射する。
【0106】本実施形態のように、単一偏光変換装置1
02を傾けることで、波長選択性位相変換装置304に
直線偏光のみならず、楕円偏光等を入射させることが出
来る。
【0107】次に、図10に基づいて、全反射膜TRに
楕円偏光又は円偏光が入射した場合の偏光状態の変換に
ついて説明する。
【0108】図10(A),(B),(C)は、楕円偏光
が全反射膜TRに入射して、かつ第1の位相差=0度、
第2の位相差=180度の場合の偏光状態を説明する図
である。図8(A)は、全反射膜TRに入射する前の偏
光状態を示す図である。第1色光10と第2色光20共
に左回りの楕円偏光である。図10(B)は、全反射膜
TRを反射した後の偏光状態を示す。第1の位相差=0
度のため、第1色光10の偏光状態は維持されている。
これに対して、第2の位相差=180度のため、第2色
光20は、第1色光10に対して90度傾いた右回りの
楕円偏光となる。
【0109】次に、45度位相板が、その遅相軸がP軸
と平行となるように配置されている。このため、45度
位相板を透過後の偏光状態は、図8(B)に示した偏光
状態と同じになる。さらに、1/2波長位相板が、その
進相軸又は遅相軸がP軸に対して22.5度傾くように
設けられている。この結果、図10(C)に示すよう
に、第1色光10はS偏光、第2色光20はP偏光に変
換される。
【0110】図10(D),(E),(F)は、円偏光が
全反射膜TRに入射し、かつ第1の位相差=+90度、
第2の位相差=―90度の場合の偏光状態を説明する図
である。図10(D)は、全反射膜TRに入射する前の
偏光状態である。第1色光10と第2色光20共に左回
りの円偏光である。図10(E)は、全反射膜TRを反
射した後の偏光状態を示す。第1色光10と第2色光2
0とは、互いに90度をなす直線偏光となる。そして、
1/2波長位相板は、その進相軸又は遅相軸がP軸に対
して22.5度傾くように設けられている。この結果、
図10(F)に示すように、第1色光10はS偏光、第
2色光20はP偏光に変換される。
【0111】また、本実施形態においても、波長選択性
位相変換装置304は、ガラスプリズムの特定面上に多
層膜からなる誘電体膜を形成して構成される。このた
め、有機薄膜等の有機材料を使用する必要はなく、耐環
境温度の変化にも影響を受けず、温度特性の良好な投射
型表示装置を提供することができる。
【0112】さらに、接着剤を使用しないで全反射膜を
構成するので、光量の損失が少ないという効果も奏す
る。 (第4実施形態)図11は、第4の実施形態にかかる投
射型表示装置の概略構成を示す図である。上記第2及び
第3実施形態にかかる投射型表示装置は、波長選択性位
相変換装置と偏光ビームスプリッタを用いた色分解光学
系を備えている。これに対して、本実施形態にかかる投
射型表示装置は、波長選択性位相変換装置と偏光ビーム
スプリッタを用いた合成光学系を備えている点が異な
る。
【0113】光源101からの光は単一偏光変換装置1
02に入射する。本実施形態では、単一偏光変換装置1
02は入射光をS偏光に変換して射出する。単一偏光変
換装置102を射出した光は、G光反射ダイクロイック
ミラー103に入射する。G光反射ダイクロイックミラ
ー103は上記各実施形態と同様の機能を有する。
【0114】G光反射ダイクロイックミラー103を透
過したB光とR光とは、1/2波長位相板400に入射
する。1/2波長位相板400は、図11(B)に示す
ように、その進相軸AがZ軸と22.5度の角度をなす
ように配置されている。このため、1/2波長位相板4
00を透過して波長選択性位相変換装置304に入射す
る光INは図11(B)に示すように、Z軸と45度の
角度をなす直線偏光となる。
【0115】B光とR光とが、波長選択性位相変換装置
304に入射してから、それぞれB光用反射型ライトバ
ルブ106BとR光用反射型ライトバルブとに入射する
までの構成は上記第3実施形態と同じであるので重複す
る説明は省略する。
【0116】B光用反射型ライトバルブ106Bにおい
て、画像信号で変調されて反射されたB光は、S偏光と
なる。このため、偏光ビームスプリッタ105BRの偏
光分離部105pで反射することで検光される。
【0117】また、R光用反射型ライトバルブ106R
において、画像信号で変調されて反射されたR光は、P
偏光となる。このため、偏光ビームスプリッタ105B
Rの偏光分離部105pを透過することで検光される。
【0118】偏光ビームスプリッタ105BRを射出す
るR光(P偏光)とB光(S偏光)との合成検光光は、
1/2波長位相板401に入射する。1/2波長位相板
401は、その進相軸が図11(D)に示すようにX軸
に対して22.5度の角度をなすように配置されてい
る。このため、1/2波長位相板を透過した後の偏光状
態は、図11(D)に示すようにB光とR光とがそれぞ
れ直交し、X軸と45度の角度をなす直線偏光に変換さ
れる。この偏光状態の光が、波長選択性位相変換装置4
02に第1面402Aから入射する。波長選択性位相変
換装置402の第2面402Bには全反射膜TRが形成
されている。全反射膜TRの膜組成とその光学特性は、
上記第3実施形態と同様である。このため、波長選択性
位相変換装置402の第3面402Cから射出するB光
とR光との偏光状態は、図11(E)に示すようにな
る。次に、B光とR光とは1/2波長位相板403に入
射する。1/2波長位相板403の進相軸Aは、図11
(E)に示すようにZ軸に対して22.5度の角度をな
すように配置されている。これにより、1/2波長位相
板403を透過したB光とR光はZ軸と平行な方向に振
動方向を有するS偏光に変換される。
【0119】次に、G光について説明する。G光はG光
反射ダイクロイックミラー103で反射される。G光反
射ダイクロイックミラー103で反射されたG光は、直
角プリズム108で光路を90度折り曲げられる。光路
を折り曲げられたG光は、偏光ビームスプリッタ109
Gに入射する。ここで、G光は単一偏光変換装置102
によりS偏光に変換されているので、偏光分離部109
pで反射される。以下、G光用反射型ライトバルブ10
6Gに入射してから偏光ビームスプリッタ109Gを射
出するまでは、上記第3実施形態と同様であるので重複
する説明は省略する。偏光ビームスプリッタ109Gを
射出したG光(P偏光)は、光路長補補正部材403を
経て偏光ビームスプリッタ404に面404Aから入射
する。そして、偏光分離部404pを透過して、投射レ
ンズ110側へ射出される。
【0120】また、波長選択性位相変換装置402を射
出したB光とR光との混合光(S偏光)も、偏光ビーム
スプリッタ404に面404Bから入射する。そして、
偏光分離部404pで反射されて、投射レンズ110側
へ射出される。
【0121】最後に、投射レンズ110は、フルカラー
像をスクリーン111に投射する。
【0122】以上の説明のように、異なる振動方向を有
するR光とB光を波長選択性位相変換装置を用いて同じ
方向の振動方向を有する光に変換することができる。こ
のため、波長選択性位相変換装置と偏光ビームスプリッ
タを用いて他の色光であるG光との色合成光学系を形成
することができる。
【0123】また、本実施形態においても、波長選択性
位相変換装置は、ガラスプリズムの特定面上に多層膜か
らなる誘電体膜を形成して構成される。このため、有機
薄膜等の有機材料を使用する必要はなく、耐環境温度の
変化にも影響を受けず、温度特性の良好な投射型表示装
置を提供することができる。
【0124】さらに、接着剤を使用しないで全反射膜を
構成するので、光量の損失が少ないという効果も奏す
る。
【0125】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
環境の変化に対して影響を受けず、特定の波長領域の光
の振動方向を常に安定して変換することができる波長選
択性位相変換装置、色分解光学装置および投射型表示装
置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる波長選択性位相
変換装置の構成と入射光及び射出光の偏光状態を説明す
る斜視図である。
【図2】波長選択性位相変換装置の全反射膜の膜構成を
示す図である。
【図3】B光に対して位相変換特性を有する波長選択性
位相変換装置の光学特性を示す図である。
【図4】G光に対して位相変換特性を有する波長選択性
位相変換装置の光学特性を示す図である。
【図5】R光に対して位相変換特性を有する波長選択性
位相変換装置の光学特性を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態にかかる投射型表示装置
の概略構成を説明する図である。
【図7】単一偏光変換装置の構成を説明する図である。
【図8】偏光状態の変換の様子を示す図である。
【図9】本発明の第3実施形態にかかる投射型表示装置
の概略構成を説明する図である。
【図10】偏光状態の変換の様子を示す図である。
【図11】本発明の第4実施形態にかかる投射型表示装
置の概略構成を説明する図である。
【符号の説明】
100,104,304,402 波長選択性位相変換
装置 101 光源 102 単一偏光変換装置 103 ダイクロイックミラー 105BR,109G,404 偏光ビームスプリッタ 106B,106R,106G 反射型ライトバルブ 201,202,301,400,401,403 1
/2波長位相板 107,303 ダイクロイックプリズム 110 投射レンズ 111 スクリーン 108 光路折り曲げプリズム 302 ミラー 403 光路超補正部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1335 510 G02F 1/1335 510 2H099 1/13363 1/13363 5C060 G03B 21/00 G03B 21/00 D 33/12 33/12 H04N 9/31 H04N 9/31 Z Fターム(参考) 2H042 CA06 CA10 CA17 2H049 BA05 BA06 BA43 BB03 BC01 BC09 BC12 BC22 2H052 BA02 BA03 BA09 BA14 2H088 EA14 EA15 HA13 HA16 HA18 HA20 MA06 MA20 2H091 FA05X FA07X FA08X FA10X FA14X FA26X FA41X KA10 LA15 LA16 MA07 2H099 AA12 BA09 CA02 CA08 DA05 5C060 GA01 GA02 GB02 GB06 HC11 HC14 HC21 HC26 JA16 JA18 JB06

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入射角が0度となる極限でP偏光成分とS
    偏光成分との反射の位相差を0度とする定義において、 第1波長領域の光のP偏光成分とS偏光成分との位相差
    を第1の位相差、 前記第1波長領域の光と異なる第2波長領域の光のP偏
    光成分とS偏光成分との位相差を第2の位相差とそれぞ
    れしたとき、 前記第1の位相差と前記第2の位相差との差が180度
    となるような光学薄膜が形成されている光学部材を有す
    る波長選択性位相変換装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の波長選択性位相変換装置
    において、 前記光学薄膜は、前記第1波長領域の光と前記第2波長
    領域の光とをいずれも反射することで前記第1の位相差
    と前記第2の位相差との差を180度とすることを特徴
    とする波長選択性位相変換装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の波長選択性位相変換装置
    において、 前記光学部材は、前記第1波長領域の光と前記第2波長
    領域の光とを入射する入射面に反射防止膜が形成されて
    いることを特徴とする波長選択性位相変換装置。
  4. 【請求項4】単一偏光の光を供給する照明光学系と、 入射角が0度となる極限でP偏光成分とS偏光成分との
    反射の位相差を0度とする定義において、前記照明光学
    系からの光のうち第1波長領域の光のP偏光成分とS偏
    光成分との位相差を第1の位相差、 前記第1波長領域の光と異なる第2波長領域の光のP偏
    光成分とS偏光成分との位相差を第2の位相差とそれぞ
    れしたとき、 前記第1の位相差と前記第2の位相差との差が180度
    となるような光学薄膜が形成されている光学部材を含む
    波長選択性位相変換装置と、 前記波長選択性位相変換装置の射出光を前記第1波長領
    域の光と前記第2波長領域の光とに色分解する偏光分離
    面を有し、前記第1波長領域の光を第1波長光被照明部
    へ射出し、前記第2波長領域の光を第2波長光被照明部
    へ射出する偏光ビームスプリッタとを有することを特徴
    とする色分解光学装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の色分解光学装置におい
    て、 前記偏光ビームスプリッタの偏光分離面は、前記第1波
    長光被照明部と前記第2波長光被照明部との少なくとも
    一方の略中央から垂直に伸びる光軸に沿って進行する光
    線と前記偏光分離面の法線とで定義されるS軸が、前記
    波長選択性位相変換装置を射出して前記光軸に沿って進
    行する前記第1波長領域の光と前記第2波長領域の光と
    のいずれか一方の光の偏光の振動方向に対して略平行と
    なるように配置されていることを特徴とする色分解光学
    装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の色分解光学装置におい
    て、 前記波長選択性位相変換装置は波長板をさらに含み、 前記波長板は、前記光学薄膜を射出して前記光軸に沿っ
    て進行する前記第1波長領域の光と前記第2波長領域の
    光とのいずれか一方の光の偏光の振動方向を、前記第1
    波長光被照明部と前記第2波長光被照明部の少なくとも
    一方の略中央から垂直に伸びる光軸に沿って進行する光
    線と前記偏光分離面の法線とで定義されるS軸に対して
    平行な方向に変換することを特徴とする色分解光学装
    置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の色分解光学装置におい
    て、 前記第1の位相差は0度、前記第2の位相差は180度
    であり、 前記波長板は1/2波長位相板であることを特徴とする
    色分解光学装置。
  8. 【請求項8】請求項6に記載の色分解光学装置におい
    て、 前記第1の位相差は90度、前記第2の位相差は―90
    度であり、 前記波長板は1/4波長位相板であることを特徴とする
    色分解光学装置。
  9. 【請求項9】請求項5に記載の色分解光学装置におい
    て、 前記照明光源から供給される単一偏光の光は、直線又は
    楕円偏光の光であり、 前記照明光学系は、前記直線偏光の振動方向又は前記楕
    円偏光の長軸の方向が、前記光軸に沿って進行する光線
    と前記光学薄膜面の法線とで定義されるS軸に対して略
    45度の傾きを有する偏光光を供給することを特徴とす
    る色分解光学装置。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の色分解光学装置におい
    て、 前記照明光学系は、前記直線偏光の振動方向又は前記楕
    円偏光の長軸の方向が、前記光軸に沿って進行する光線
    と前記光学薄膜面の法線とで定義されるS軸に対して略
    平行又は略垂直の傾きを有する第1偏光光を供給する第
    1偏光照明光学系と、 前記第1偏光光の直線偏光の振動方向又は前記楕円偏光
    の長軸の方向を、前記光軸に沿って進行する光線と前記
    光学薄膜面の法線とで定義されるS軸に対して略45度
    の傾きを有する偏光光に変換する1/2波長位相板とを
    有することを特徴とする色分解光学装置。
  11. 【請求項11】請求項9に記載の色分解光学装置におい
    て、 前記照明光学系は、光源からの光を、略単一の振動方向
    を有する直線偏光に変換する偏光変換装置を含み、 前記偏光変換装置は、第1の偏光分離面と、 前記第1の偏光分離面と平行に配置される第2の偏光分
    離面と、 前記第1の偏光分離面を挟持する第1光学部材と、 前記第2の偏光分離面を挟持する第2光学部材と、 前記第1光学部材と前記第2光学部材とのいずれか一方
    の射出面側に配置され、前記第1の偏光分離面と前記第
    2の偏光分離面との何れか一方を介した光の偏光方向を
    変換する1/2波長位相板とを含み、 前記第1光学部材の射出面と前記第1の偏光分離面とが
    交差する交線が、前記光軸に沿って進行する光線と前記
    光学薄膜の法線とで定義されるS軸に対して略45度傾
    いていることを特徴とする色分解光学装置。
  12. 【請求項12】請求項4に記載の色分解光学装置におい
    て、 照明光を供給する光源と、 前記第1波長光被照明部と、 前記第2波長光被照明部とをさらに有し、 前記光源から前記第1波長光被照明部までの光学的距離
    と、前記光源から前記第2波長光被照明部までの光学的
    距離とが略等しいことを特徴とする色分解光学装置。
  13. 【請求項13】単一偏光の光を供給する照明光学系と、 入射角が0度となる極限でP偏光成分とS偏光成分との
    反射の位相差を0度とする定義において、前記照明光学
    系からの光のうち第1波長領域の光のP偏光成分とS偏
    光成分との位相差を第1の位相差、 前記第1波長領域と異なる第2波長領域の光のP偏光成
    分とS偏光成分との位相差を第2の位相差とそれぞれし
    たとき、 前記第1の位相差と前記第2の位相差との差が180度
    となるような光学薄膜が形成されている光学部材を含む
    波長選択性位相変換装置と、 前記波長選択性位相変換装置の射出光を前記第1波長領
    域の光と前記第2波長領域の光とに色分解する偏光分離
    面を有し、前記第1波長領域の光を第1波長光被照明部
    へ射出し、前記第2波長領域の光を第2波長光被照明部
    へ射出する偏光ビームスプリッタと、 前記第1波長光被照明部を含み、前記第1波長領域の光
    を画像信号に基づき変調する第1色用反射型ライトバル
    ブと、 前記第2波長光被照明部を含み、前記第2波長領域の光
    を画像信号に基づき変調する第2色用反射型ライトバル
    ブと、 前記第1色用反射型ライトバルブからの光と前記第2色
    用反射型ライトバルブからの光とを色合成する色合成光
    学系と、 前記第1色用反射型ライトバルブと前記第2色用反射型
    ライトバルブとに生成された像を所定面上に投射する投
    影光学系と、を有することを特徴とする投射型表示装
    置。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の投射型表示装置にお
    いて、 前記偏光ビームスプリッタの偏光分離面は、前記第1波
    長光被照明部と前記第2波長光被照明部との少なくとも
    一方の略中央から垂直に伸びる光軸に沿って進行する光
    線と前記偏光分離面の法線とで定義されるS軸が、前記
    波長選択性位相変換装置を射出して前記光軸に沿って進
    行する前記第1波長領域の光と前記第2波長領域の光と
    のいずれか一方の光の偏光の振動方向に対して略平行と
    なるように配置されていることを特徴とする投射型表示
    装置。
  15. 【請求項15】請求項14に記載の投射型表示装置にお
    いて、 前記波長選択性位相変換装置は波長板をさらに含み、 前記波長板は、前記光学薄膜を射出して前記光軸に沿っ
    て進行する前記第1波長領域の光と前記第2波長領域の
    光とのいずれか一方の光の偏光の振動方向を、前記第1
    波長光被照明部と前記第2波長光被照明部の少なくとも
    一方の略中央から垂直に伸びる光軸に沿って進行する光
    線と前記偏光分離面の法線とで定義されるS軸に対して
    平行な方向に変換することを特徴とする投射型表示装
    置。
  16. 【請求項16】請求項14に記載の投射型表示装置にお
    いて、 前記照明光学系から供給される単一偏光の光は、直線又
    は楕円偏光の光であり、 前記照明光学系は、前記直線偏光の振動方向又は前記楕
    円偏光の長軸の方向が、前記光軸に沿って進行する光線
    と前記光学薄膜面の法線とで定義されるS軸に対して略
    45度の傾きを有する偏光光を供給することを特徴とす
    る投射型表示装置。
  17. 【請求項17】請求項13に記載の投射型表示装置にお
    いて、 前記照明光学系は光源を有し、 前記光源から前記第1色用反射型ライトバルブまでの光
    学的距離と、前記光源から前記第2色用反射型ライトバ
    ルブまでの光学的距離とが略等しいことを特徴とする投
    射型表示装置。
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