JP2002062583A - 投射型表示装置、該投射型表示装置の調整方法、及び該方法で製造された投射型表示装置 - Google Patents

投射型表示装置、該投射型表示装置の調整方法、及び該方法で製造された投射型表示装置

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JP2002062583A
JP2002062583A JP2000246835A JP2000246835A JP2002062583A JP 2002062583 A JP2002062583 A JP 2002062583A JP 2000246835 A JP2000246835 A JP 2000246835A JP 2000246835 A JP2000246835 A JP 2000246835A JP 2002062583 A JP2002062583 A JP 2002062583A
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polarization
color
beam splitter
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Masaaki Sato
正聡 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】明るく、かつコントラトが高い投射画像を得る
ことができる投射型表示装置を提供すること。 【解決手段】光源Lからの光を偏光分離する偏光分離光
学系101と、偏光分離光学系101によって偏光分離
された光を複数の色光に色分解する色分解光学系PR
と、色分解光学系PRから出射される各色光を変調して
出射する反射型ライトバルブ106R等と、これらライ
トバルブからの射出光を合成する色合成光学系PRと、
この合成光を検光する検光光学系101とを有する投射
型表示装置において、偏光分離光学系101と検光光学
系101とは共通の偏光ビームスプリッタ101により
兼用され、偏光ビームスプリッタ101と前記ライトバ
ルブ106R等の間の光路中にはさらに1/4波長板1
05R等が設けられ、ライトバルブ106R等と偏光ビ
ームスプリッタ101と1/4波長板105R等とは相
対的に所定の位置関係を有して配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投射型表示装置、
該投射型表示装置の調整方法、及び該方法で製造された
投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術の投射型表示装置は、液晶パネ
ルに映像に応じた光学像を形成し、この光学像を照明光
で照射するとともに投射レンズによりスクリーン上に拡
大投射している。ここで、高解像度化を図るため、液晶
パネルとして反射型ライトバルブが用いられている。
【0003】光源からのほぼ平行光は、偏光ビームスプ
リッタにより反射するS偏光成分と直進するP偏光成分
とに分けられる。偏光ビームスプリッタを反射したS偏
光成分は反射型液晶ライトバルブに入射する。この液晶
ライトバルブは、液晶の複屈折性を利用して印加電圧に
応じて偏光を変調する機能を有している。ライトバルブ
により映像信号に応じて偏光が変調された反射光は、再
び偏光ビームスプリッタに入射する。反射光に含まれる
P偏光成分は偏光ビームスプリッタを直進して投射レン
ズに入射する。他方、反射光に含まれるS偏光成分は光
源の方向へ進行し、廃棄される。このようにして、反射
型ライトバルブに複屈折性の変化として形成された光学
像は、投射レンズによりスクリーン上に投射される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の上記投射型
表示装置では、偏光ビームスプリッタに入射する光線と
入射光軸とのなす角度が大きくなると、投射画像のコン
トラストが低下するという問題がある。かかる問題に鑑
みて特公平7−38050号公報に開示された光学装置
が提案されている。この光学装置では、偏光ビームスプ
リッタとライトバルブとの間に1/4波長板を配置する
ことにより、投射画像のコントラストをある程度向上さ
せている。
【0005】しかし、特公平7−38050号公報に提
案されている上記光学装置においては、ライトバルブの
液晶が有する特性については何ら考慮されていない。こ
のため、上記光学装置による投射像のコントラストはあ
まり向上していない。
【0006】本発明は上記点について鑑みてなされたも
のであり、明るく、かつコントラトが高い投射画像を得
ることができる投射型表示装置、該投射型表示装置の調
整方法、及び該方法で製造された投射型表示装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためのものであり、以下に、実施形態に示した各
図面を用いて、その内容を説明する。
【0008】第1の発明は、光源Lからの光を偏光分離
する偏光分離光学系101と、前記偏光分離光学系10
1によって偏光分離された光を複数の色光に色分解する
色分解光学系PRと、前記色分解光学系PRから出射さ
れる各色光をそれぞれ入射する位置に配置され、行列状
に配置される複数の画素を含み、前記複数の画素毎に入
射光を変調して出射する反射型ライトバルブ106R,
106G,106Bと、前記各ライトバルブ106R,
106G,106Bからの射出光を合成する色合成光学
系PRと、前記色合成光学系PRによる合成光を検光す
る検光光学系101とを有する投射型表示装置におい
て、前記偏光分離光学系101と前記検光光学系101
とは共通の偏光ビームスプリッタ101により兼用さ
れ、前記偏光ビームスプリッタ101と前記ライトバル
ブ106R,106G,106Bとの間の光路中にはさ
らに1/4波長板105R,105G,105Bが設け
られ、前記ライトバルブ106R,106G,106B
は第1の軸Oに垂直に配置され、かつ前記ライトバルブ
106R,106G,106Bの前記複数の画素の行方
向又は列方向が前記第1の軸Oと前記偏光ビームスプリ
ッタ101の偏光面101pの法線ベクトルとを含む平
面に対して平行又は垂直に配置され、前記1/4波長板
105R,105G,105Bは前記第1の軸Oに垂直
で、かつ少なくとも前記1/4波長板105R,105
G,105Bの進相軸AXaが前記平面に対して平行又
は垂直ではなく、所定の角度を有して配置されているこ
とを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0009】また、好ましい態様では、前記色分解光学
系PRは、前記偏光分離された光のうち、第1色光Bを
反射し、第2色光Rを透過する色分離面DBと、前記色
分離面DBより反射された前記第1色光Bを、前記偏光
ビームスプリッタ101を出射直後の前記第1色光Bの
偏光状態とほぼ同じ偏光状態に補償する第1偏光補償部
CBとを含むことを特徴とする。
【0010】また、好ましい態様では、前記色分解光学
系PRは、前記偏光分離された光を入射する第1入射面
102aと、前記色分離面DBと、前記第1偏光補償部
CBと、前記第1偏光補償部CBにより補償された前記
第1色光Bを前記反射型ライトバルブ106Bに出射す
る第1出射面102cとが形成される第1プリズム10
2と、前記色分離面DBを透過した第2色光Rを入射す
る第2入射面103aと、前記第2入射面103aから
の光を前記偏光ビームスプリッタ101出射直後の前記
第2色光Rの偏光状態とほぼ同じ偏光状態に補償する第
2偏光補償部CRと、前記第2偏光補償部CRにより補
償された前記第2色光Rを前記反射型ライトバルブ10
6Rに出射する第2出射面103cとが形成される第2
プリズム103と、を含むことを特徴とする。
【0011】また、好ましい態様によれば、前記検光さ
れた各色光をスクリーンSCへ投射するための投射レン
ズTLをさらに有し、前記投射レンズTLの光軸AXと
前記第1の軸Oとが一致していることを特徴とする。
【0012】また、第2の発明は、光源Lからの光を偏
光分離する偏光分離光学系101と、前記偏光分離光学
系101によって偏光分離された光を複数の色光に色分
解する色分解光学系PRと、前記色分解光学系PRから
出射される各色光をそれぞれ入射する位置に配置され、
行列状に配置される複数の画素を含み、前記複数の画素
毎に入射光を変調して出射する反射型ライトバルブ10
6R,106G,106Bと、前記各ライトバルブ10
6R,106G,106Bからの射出光を合成する色合
成光学系PRと、前記色合成光学系PRによる合成光を
検光する検光光学系101とを有する投射型表示装置の
調整方法において、前記偏光分離光学系101と前記検
光光学系101とは共通の偏光ビームスプリッタ101
により兼用され、前記ライトバルブ106R,106
G,106Bを第1の軸Oに垂直で、かつ前記ライトバ
ルブ106R,106G,106Bの前記複数の画素の
行方向又は列方向が、前記第1の軸Oと前記偏光ビーム
スプリッタ101の偏光面101pの法線ベクトルとを
含む平面に対して平行又は垂直に配置する工程と、前記
偏光ビームスプリッタ101と各色光用のライトバルブ
106R,106G,106Bの間の光路中に前記第1
の軸Oに対して垂直に1/4波長板105R,105
G,105Bを配置する工程と、前記ライトバルブ10
6R,106G,106Bによる変調光と非変調光との
コントラストが前記検光光学系PRにより検光された後
に最も高くなるように前記偏光ビームスプリッタ101
と前記1/4波長板105R,105G,105Bと前
記ライトバルブ106R,106G,106Bとの少な
くとも一つを調整する工程と、を有することを特徴とす
る投射型表示装置の調整方法を提供する。
【0013】また、好ましい態様では、前記調整する工
程は、前記1/4波長板105R,105G,105B
を前記偏光ビームスプリッタ101と前記ライトバルブ
106R,106G,106Bとに対して前記第1の軸
Oを中心に相対的に回転する工程と、前記ライトバルブ
106R,106G,106Bによる変調光と非変調光
とのコントラストが前記検光光学系101により検光さ
れた後に最も高くなる位置に前記偏光ビームスプリッタ
101と前記ライトバルブ106R,106G,106
Bとに対する前記1/4波長板105R,105G,1
05Bの相対的な位置の位置決めをする工程と、を含む
ことを特徴とする。
【0014】また、好ましい態様では、前記調整する工
程は、前記ライトバルブ106R,106G,106B
に複数の電圧を印加する工程と、前記複数の電圧のう
ち、前記ライトバルブ106R,106G,106Bに
よる変調光と非変調光とのコントラストが前記検光光学
系101により検光された後に最も高くなるときの電圧
を基準電圧として選択する工程と、を含むことを特徴と
する。
【0015】また、好ましい態様では、請求項5記載の
調整方法を用いて製造されたことを特徴とする投射型表
示装置を提供する。
【0016】また、第3の発明は、光源L,PMからの
光を偏光分離する偏光分離光学系PRと、前記偏光分離
光学系101から出射される各色光をそれぞれ入射する
位置に配置され、行列状に配置される複数の画素を含
み、前記複数の画素毎に入射光を変調して出射する反射
型ライトバルブ106R,106G,106Bと、前記
ライトバルブ106R,106G,106Bからの光を
検光する検光光学系101と、を有する投射型表示装置
の調整方法において、前記ライトバルブ106R,10
6G,106Bに複数の電圧を印加する工程と、前記複
数の電圧のうち、前記ライトバルブ106R,106
G,106Bによる変調光と非変調光とのコントラスト
が前記検光光学系101により検光された後に最も高く
なるときの電圧を基準電圧として選択する工程と、を含
むことを特徴とする投射型表示装置の調整方法を提供す
る。
【0017】また、好ましい態様では、請求項9記載の
調整方法を用いて製造されたことを特徴とする投射型表
示装置を提供する。
【0018】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の実施の形態にかかる投射型表示装置について説明す
る。
【0020】(第1実施形態)図1は、第1の実施形態
にかかる投射型表示装置の概略構成を示す図である。ラ
ンプLからの光源光は放物面形状の凹面鏡PMによりほ
ぼ平行光に変換され、偏光ビームスプリッタ101に入
射する。
【0021】偏光ビームスプリッタ101は、三角柱形
状であるプリズム101Aとプリズム101Bと両プリ
ズムの接合面に形成された偏光分離部101pとから構
成される。偏光分離部101pは、光源Lからの光源光
を、当該分離部を透過するP偏光と反射するS偏光とに
偏光分離する。透過したP偏光は、偏光ビームスプリッ
タ101を出射する。そして、プリズム102、プリズ
ム103ならびにプリズム104と前記プリズムの所定
面に形成された複数のダイクロイック膜とから構成され
る色分解合成プリズムに、P偏光は入射する。また、偏
光分離部101pを反射したS偏光は光路を90度折り
曲げられて進行し、廃棄される。
【0022】次に、色分解合成プリズムが、光源光をR
光とG光とB光とに色分解する構成について説明する。
上述したように、色分解合成プリズムは、プリズム10
2とプリズム103とプリズム104との3つのプリズ
ムから構成されている。
【0023】まず、光源光からB光成分を取出すための
プリズム102について説明する。
【0024】プリズム102は、第1面102aと第2
面102bと第3面102cとを有している。第1面1
02aは光源光を入射する。第2面102bは、B光を
反射しR光とG光とを透過するB光反射ダイクロイック
膜DBを有している。第3面102cは、第2面102
bを反射して次に第1面102aを全反射したB光を出
射する。この構成により、プリズム102は、光源Lか
らの光のうちB光成分を取出すことができる。
【0025】そして、第3面102cから出射したB光
は、1/4波長板105Bを透過してB光用ライトバル
ブ106Bに入射する。
【0026】また、B光は、偏光ビームスプリッタ10
1を経由してからプリズム102の第3面102c面を
射出するまでの間に、プリズム102の第2面102b
のダイクロイック膜DBと、第1面101aの全反射膜
とにおいて2回の反射作用を受ける。この結果、B光は
この2回の反射によりその偏光状態が変化してしまう。
このため、プリズム102の第1面102aは、プリズ
ム102の第3面102cを出射直後のB光の偏光状態
と、偏光ビームスプリッタ101を出射直後のB光の偏
光状態との楕円率及び偏光軸の傾きをほぼ同じ状態に補
償するB光偏光補償部CBを有している。
【0027】次に、光源光からR光成分を取出すための
プリズム103について説明する。
【0028】プリズム103は、プリズム102の第2
面102bと空隙を隔てて設けられている。プリズム1
03は、第1面103aと第2面103bと第3面10
3cとを有している。第1面103aはプリズム102
の第2面102bを透過した光を入射する。第2面10
3bは、R光を反射しG光を透過するR光反射ダイクロ
イック膜DRを有している。第3面103cは、第2面
103bを反射して次に第1面103aを全反射したR
光を出射する。この構成により、プリズム103は、光
源Lからの光のうちR光成分を取出すことができる。
【0029】そして、第3面103cから出射したR光
は、1/4波長板105Rを透過してR光用ライトバル
ブ106Rに入射する。
【0030】また、R光は、偏光ビームスプリッタ10
1を経由してからプリズム103の第3面103c面を
射出するまでの間に、プリズム102の第2面102b
に形成されたB光反射ダイクロイック膜DBにて透過作
用、プリズム103の第2面103bに形成されたR光
反射ダイクロイック膜DRにて反射作用、さらにプリズ
ム103の第1面103aにて反射作用をそれぞれ受け
る。この結果、R光は、1回の透過作用と、2回の反射
作用とによりその偏光状態が変化してしまう。このた
め、プリズム103の第1面103aは、プリズム10
3の第3面103cを出射直後のR光の偏光状態と、偏
光ビームスプリッタ101を出射直後R光の偏光状態と
の楕円率及び偏光軸の傾きをほぼ同じ状態に補償するR
光偏光補償部CRを有している。
【0031】次に、光源光からG光成分を取出すための
プリズム104について説明する。
【0032】プリズム104は、その第1面104a
が、プリズム103の第2面103bに接着剤により固
着されて設けられている。
【0033】プリズム104は、第1面104aと第2
面104bと第3面104cとを有している。第1面1
04aはプリズム103の第2面103bを透過した光
を入射する。第2面104bは、G光を全反射する。第
3面104cは、第2面104bを全反射したG光を出
射する。この構成により、プリズム104は、光源Lか
らの光のうちG光成分を取出すことができる。
【0034】そして、第3面104cから出射したG光
は、1/4波長板105Gを透過してG光用ライトバル
ブ106Gに入射する。
【0035】また、G光は、偏光ビームスプリッタ10
1を経由してからプリズム104の第3面104c面を
射出するまでの間に、プリズム102の第2面102b
に形成されたB光反射ダイクロイック膜DBにて透過作
用、プリズム103の第2面103bに形成されたR光
反射ダイクロイック膜DRにて透過作用、さらにプリズ
ム104の第2面104bの全反射膜にて反射作用をそ
れぞれ受ける。この結果、G光の偏光状態は、2回の透
過作用と1回の反射作用とにより変化してしまう。この
ため、プリズム104の第2面104bは、プリズム1
04の第3面104cを出射直後のG光の偏光状態と、
偏光ビームスプリッタ101を出射直後G光の偏光状態
との楕円率及び偏光軸の傾きをほぼ同じ状態に補償する
G光偏光補償部CGを有している。
【0036】また、上述した偏光ビームスプリッタ10
1,プリズム102,プリズム103,プリズム104
はその内部を通過する光の偏光状態が変化しないように
光弾性常数の絶対値が1.5×10-8cm2/N以下の
ガラスを使用することが望ましい。
【0037】なお、上記1/4波長板105B,105
G、及び105Rの具体的な配置とその機能については
後述する。
【0038】次にライトバルブについて説明する。ライ
トバルブ106B,106G、及び106Rは反射型の
液晶ライトバルブである。ライトバルブはマトリックス
状に配置された複数の画素を有している。各画素は液晶
分子を有する液晶層と当該液晶層の背面に設けられた反
射層とを有している。液晶層は、各画素毎に配置された
TFT等のスイッチング素子により液晶層の厚み方向に
電圧値を変えて印加させることで液晶分子の向きを変更
することができる。そして、この液晶分子の向きに応じ
てライトバルブに入射した光の偏光の傾きが変わる。即
ち、入射光の偏光状態を変調することができる。このよ
うに、印加電圧を変化させることで偏光状態を変えて、
画像の階調レベルを決めることができる。
【0039】ライトバルブの液晶層に電圧が印加されて
いない画素は、階調レベルが最低、即ち最も暗い画素で
ある。この時、液晶層の液晶分子は初期状態を維持して
いる。この状態の液晶層を経由して反射層にて反射し、
再度、液晶層を経由して射出した光は、変調作用を受け
ていない非変調光となる。そして、非変調光は1/4波
長板を通過後、色分解合成プリズムにP偏光として再入
射する。
【0040】また、ライトバルブの液晶層に最高電圧が
印加されている画素は、階調レベルが最高、即ち最も明
るい画素である。このとき、液晶層は初期状態から離れ
て所定方向に配列し、波長板層を形成している。この状
態の液晶層を経由して反射層にて反射し、再度、液晶層
を経由して射出した光は、変調作用を受けている変調光
となる。そして、変調光は、1/4波長板を通過後、色
分解合成プリズムにS偏光として再入射する。
【0041】色分解合成プリズムは、前記ライトバルブ
106R,106G,106Bからの反射光を色合成す
る。色合成された光は、偏光ビームスプリッタ101の
偏光分離部101Pにて検光される。そして、ライトバ
ルブで変調された光であるS偏光成分のみが投射レンズ
TLに入射する。投射レンズTLは、各R,G,B色の
ライトバルブの像をスクリーンSCにフルカラー像とし
て投影する。なお、非変調光であるP偏光成分は、偏光
ビームスプリッタ101の偏光分離部101Pを直進
し、光源L側に出射されて廃棄される。
【0042】次に、1/4波長板105B,105R、
及び105Gの配置とその機能について詳細に説明す
る。R,G,B色に対応する各波長板は、それぞれ同一
の配置、同一の機能を有している。従って、以下の説明
ではB光に関して述べ、その他のR光、G光に関しては
その説明が重複するので省略する。
【0043】図2は、図1に示した投射型表示装置にお
いて、光源Lからライトバルブ106Bの1点へ入射す
る円錐状の光線を模式的に表した図である。投射型表示
装置内を進行する光は、図1に示したようにプリズムで
1回又は複数回反射されてからライトバルブ106Bに
入射する。図2では簡単のため、このような反射による
光路の折り曲げが無いものとし、直線状の光軸を有する
円錐形状の光として表示している。また、プリズム10
2,103,104からなる色分解合成プリズムは、簡
略して破線の直方体PRとして表示している。なお、色
分解合成プリズム中に形成された複数のダイクロイック
膜の表示は省略する。
【0044】また、光線の進行方向等の説明のために、
互いに直交する座標軸x,y,z軸を図2に示すように
定義する。ここで、y軸は光軸Oに平行な軸となる。
【0045】ライトバルブ106B及び1/4波長板1
05Bはxz平面に対して平行、即ち光軸Oに平行な軸
であるy軸に対して垂直に配置されている。ライトバル
ブ106Bの複数の画素の行方向はx軸と平行、当該画
素の列方向はz方向と平行である。
【0046】また、1/4波長板105Bは、図2中の
矢印で示す進相軸AXa及び遅相軸AXbがx軸、z軸
の方向と一致しておらず、所定の角度を有してy軸の周
りに回転した位置に設けられている。換言すると、1/
4波長板105Bは、光軸Oに垂直である。そして1/
4波長板105Bの進相軸AXa及び遅相軸AXbは、
光軸Oと偏光ビームスプリッタ101の偏光面101p
の法線ベクトルNを含む平面に対して平行又は垂直では
なく、所定の角度を有して配置されている。
【0047】次に、色分解合成プリズムPRを出射して
からライトバルブ106Bに至るまでの光の偏光状態に
ついて説明する。以下の説明において、図2の(a)で
示す位置、即ち色分解合成プリズムPRを出射した後
で、かつ1/4波長板105Bに入射する前の位置にお
ける光を「1/4波長板前(a)の光」という。また、
図2の(b)で示す位置、即ち1/4波長板105Bを
通過した後で、かつライトバルブ106Bに入射する前
の位置における光を「1/4波長板後(b)の光」とい
う。さらに、図2の(c)の位置、即ちライトバルブ1
06Bの液晶層LCを通過した後で、かつ反射部材RE
Fに入射する直前の位置における光を「反射部材前
(C)の光」という。
【0048】まず、上述した特公平7−38050号公
報に開示された光学装置のように、1/4波長板の進相
軸AXa又は遅相軸をx軸またはz軸と一致させて配置
した従来の場合について説明する。
【0049】尚、特公平7−38050号公報の装置
は、S偏光をライトバルブに照射する構成となっている
が、これ以降の特公平7−38050号公報の装置説明
は、本願との比較を容易にするためP偏光をライトバル
ブに照射する構成であるとして説明することにする。即
ち、特公平7−38050号公報の技術を図2の装置に
適用した場合として説明することにする。
【0050】なお、以下、偏光状態を説明する各図にお
けるxyz座標軸は図2における座標軸と一致し、y軸
は円で示した瞳PLの中央部に紙面に垂直な軸となる。
さらに、偏光状態を観察する方向は、常にライトバルブ
106B側から光源Lを見る方向とする。
【0051】図3(A)は、1/4波長板入射前(a)
の位置における偏光状態を示す図である。1/4波長板
入射前(a)の光は楕円率が略0(ゼロ)の直線偏光に
なっている。ここで、1/4波長板が存在せず、直接ラ
イトバルブ106Bに入射、反射する場合について説明
する。上述の特公平7−38050号公報に開示された
光学装置では、ライトバルブの液晶層に電圧が印加され
ていないときにライトバルブを平面ミラーと等価なもの
として扱っている。平面ミラーは反射の前後で偏光状態
を変化させない。このため、その反射光の偏光状態は図
3(B)で示したようになる。これに対して、偏光ビー
ムスプリッタ101は、図3(C)で示す直線偏光の状
態の光(即ち、図3(A)と同一の状態)を透過し、直
交する成分を反射する。従って、ライトバルブ106B
を反射して再び偏光ビームスプリッタ101へ入射する
光のうち、x軸の正又は負側に大きい位置の光線Lp
1,Ln1については、偏光ビームスプリッタ101を
反射する成分が急激に増大する。
【0052】ここで、特公平7−38050号公報の光
学装置では、1/4波長板105Bをその進相軸AXa
又は遅相軸AXbをx軸またはz軸と一致させるように
配置している。この構成では、偏光ビームスプリッタ1
01を透過した光は、該1/4波長板105Bを透過
し、さらにライトバルブへ入射、反射する。そして、1
/4波長板105Bを再度透過する。このように、1/
4波長板105Bを2回透過すると、直線偏光は維持さ
れたままで、1/4波長板105Bに入射する前の偏光
方向と1/4波長板105Bを2回透過した後の偏光方
向とを2等分する方向は進相軸AXaと一致することと
なる。このため、図3(B)に示す偏光状態の光が、1
/4波長板を2回透過すると、図3(C)で示す偏光状
態に変換される。従って、偏光ビームスプリッタ101
を反射する成分は存在しない。よって、特公平7−38
050号公報の光学装置では、投射画像のコントラスト
を向上できるとしている。
【0053】上述の説明においては、液晶ライトバルブ
に電圧を印加していない時に、該ライトバルブを平面ミ
ラーと等価なものと仮定して扱っている。しかし、電圧
を印可していない状態のライトバルブの液晶は、後述す
る液晶のプレチルト角のために平面ミラーとして扱うこ
とはできない。このため、単に1/4波長板を光路中に
挿入しただけでは、大幅にコントラストを向上すること
ができない。
【0054】次に、図4(A)〜図4(C)を用いて本
実施形態における図2の(a),(b),(c)の各位
置における偏光の状態を説明する。図4(A),図4
(B),図4(C)はそれぞれ、円錐状にライトバルブ
106B上に集光する光線の(a),(b),(c)の
各位置における偏光の状態を示す図である。
【0055】まず、図4(A)を用いて1/4波長板入
射前(a)の光の偏光状態について説明する。1/4波
長板入射前(a)の光は楕円率が略0(ゼロ)の直線偏
光になっている。また、x軸の正側と負側に行くに従っ
てz軸に対するその傾きは大きくなっている。この偏光
軸の傾きは、光線の進行方向と偏光ビームスプリッタ1
01の偏光面101pの法線方向とによってほとんど決
定される。
【0056】また、この偏光軸の傾きに関しては、色分
解合成プリズムPRの影響はキャンセルされており、偏
光ビームスプリッタ101を透過した際の偏光状態と略
一致している。偏光状態が維持できるのは、上述したよ
うに、プリズム102の第1面102aはB光偏光補償
部CBを有し、かつ偏光ビームスプリッタ101,プリ
ズム102等は光弾性常数の絶対値が小さいガラスを使
用しているからである。
【0057】次に、図4(B)を用いて1/4波長板出
射後(b)の光の偏光状態について説明する。図4
(B)から明らかなように、1/4波長板出射後(b)
の光の楕円率は、x軸の正側へ行くほど小さく、負側へ
行くほど大きくなっている。これは、1/4波長板10
5Bの進相軸AXaと遅相軸AXbとが、ライトバルブ
106Bの複数の画素の行方向(x軸方向)又は列方向
(z軸方向)に対して平行または垂直でなく、かつ所定
の角度傾いていることに起因する。この1/4波長板1
05Bの進相軸AXaと遅相軸AXbとは互いに直交
し、90度の角度をなしている。このため、進相軸AX
aと遅相軸AXbとのいずれか一方の軸に関して考察す
れば、他方の軸に関して同様のことが言える。よって、
以下、遅相軸AXbに着目して説明する。
【0058】まず、1/4波長板出射後(b)の偏光状
態は、瞳PL内の位置により図4(B)に示すように楕
円率が異なる理由を説明する。
【0059】図5(A)は、1/4波長板の遅相軸AX
bに対して角度θだけ傾いた直線偏光が入射している様
子を示す図である。また、図5(B)は上記直線偏光
が、1/4波長板を出射して楕円偏光に変換された様子
を示す図である。図5(B)から明らかなように、0度
<θ<45度の直線偏光は、1/4波長板105Bによ
り長手方向の軸が遅相軸AXbに一致した楕円偏光に変
換される。そして、θの値が45度に近づくほど、楕円
率が大きくなる。そのため、1/4波長板入射前(a)
の光のうち、1/4波長板の遅相軸AXbと直線偏光の
方向とが一致している光ほど、1/4波長板出射後
(b)の光の楕円率が小さくなる(即ち、直線偏光に近
づく)。
【0060】逆に、1/4波長板入射前(a)の光のう
ち、1/4波長板105Bの遅相軸AXbと直線偏光の
方向とが異なっている光ほど、1/4波長板出射後
(b)の光の楕円率が大きくなる。また、1/4波長板
出射後(b)の光の楕円偏光の長軸の方向は、1/4波
長板105Bの遅相軸AXbの方向に一致する。つま
り、図4(B)に示す瞳PL中の各箇所の楕円偏光の長
軸方向は、すべて1/4波長板105Bの遅相軸AXb
の方向と平行になっている。さらに、図4(A)におけ
るx軸の正側に最も値が大きい位置の直線偏光Lpの傾
きと、1/4波長板105Bの遅相軸AXbとの傾きと
が一致している。このことから、図4(A)におけるx
軸の負側に最も大きい位置の直線偏光Lnの傾きが、1
/4波長板の遅相軸AXbの方向と最も角度差が大きく
なる。従って、直線偏光Lnは1/4波長板105Bを
通過することで、図4(B)に示すように最も楕円率の
大きい楕円偏光Dnに変換される。
【0061】次に、1/4波長板105Bの遅相軸AX
bと進相軸AXaの方向をライトバルブの複数の画素の
行方向又は列方向に対して所定角度だけ傾ける理由につ
いて説明する。ライトバルブの複数の画素の行方向(x
軸に平行な方向)に対する1/4波長板105Bの遅相
軸AXbの傾きは、ライトバルブの液晶層中の液晶分子
の傾きの方向とその大きさを考慮して決める必要があ
る。
【0062】図6は、液晶分子の傾きを説明する図であ
る。液晶分子LCMの傾きを説明するため、プレチルト
角θp(一般に数度である)とΨとの2つの角度を用い
る。Ψは液晶分子LCMのxz平面への射影とz軸との
傾き角である。
【0063】まず、プレチルト角θpについて垂直配向
型の液晶素子を例にとって説明する。液晶分子LCMは
細長い棒状の結晶である。プレチルト角とは、液晶に電
圧が印加されていない状態(最低階調レベル)におけ
る、ライトバルブ106Bの法線方向(y軸に平行な方
向)に対する棒状の液晶分子LCMの長手方向DRの傾
きをいう。
【0064】液晶分子LCMに予めプレチルト角θpを
与えておく理由を説明する。仮に、ライトバルブ106
Bの法線方向(y軸に平行な方向)と棒状の液晶分子L
CMの長手方向DRとが一致するように構成されている
と、電圧が印加された場合に液晶分子LCMがどの向き
に傾くか分からない。このため、その液晶分子LCMの
傾く方向の制御が困難になる。ここで、液晶分子LCM
をライトバルブ106Bの法線方向に対して予めプレチ
ルト角θp分だけ傾けて配置しておけば、液晶に電圧が
印加された場合に、y軸方向からみて角度Ψの方向に必
ず倒れるようにできる。このため、印加電圧の値によっ
て容易に液晶分子LCMの傾きを制御することができ
る。さらに好ましくは、Ψ=45度であることが望まし
い。これにより、電圧を印加した場合に、液晶分子LC
MはΨ=45度の方向に倒れるように構成できる。
【0065】上述したようなプレチルト角θp=数度、
Ψ=45度の液晶分子LCMを有するライトバルブ10
6Bは、液晶層に電圧が全く印加されない最低階調レベ
ルの時に、ほぼ7/360波長板(進相軸と遅相軸との
位相差が7度の位相板)として作用する。そのため、1
/4波長板105Bの遅相軸AXbの方向とライトバル
ブ106Bの複数の画素の列方向(z軸に平行な方向)
とは約3.5度傾けことが望ましい。
【0066】図4(B)に戻って、1/4波長板出射後
(b)の偏光状態の光が、ライトバルブの液晶層(電圧
が印加されない最低階調レベルで、かつプレチルト角を
有する場合)を通過すると、図4(C)に示す反射部材
入射前(c)の偏光状態の光となる。図4(C)に示す
ように、図のx軸方向中央部の光D0の偏光の楕円率は
略0(ゼロ)であり、左右方向の外側ほど楕円率が大き
くなっている。しかし、全ての偏光軸の方向は、1/4
波長板を透過した後(図4(B))と略同様である。こ
のように、液晶分子LCMのプレチルト角θpを考慮し
て1/4波長板105Bの遅相軸AXb(又は進相軸A
Xa)の方向を光軸Oの周りに所定の角度回転(傾け)
て配置した。かかる構成により、反射部材入射前(c)
の光の偏光状態を図4(C)に示す状態にすることがで
きる。
【0067】次に、ライトバルブ106Bの反射部材に
入射した図4(C)に示す偏光状態の光が該反射部材で
反射し、さらにライトバルブ106Bの液晶層と1/4
波長板105Bを経て、合成プリズムPRに入射し、偏
光ビームスプリッタに101に入射する場合について説
明する。図4(C)において瞳PL内の中心軸(y軸)
に関し対称な位置の光の偏光状態が相互に略同一の状態
であることが重要である。例えば、光線の進行に従って
説明すると、図4(A)のAA→図4(B)のBB→図
4(C)のCC,の順に偏光状態が変化する。そして、
ライトバルブ106Bの反射部材によって反射された後
では、さらに、図4(C)のDD→図4(B)のEE→
図4(A)のFF、の順に偏光状態が変化する。
【0068】そして、図4(A)のFF、即ち直線偏光
Lpの状態で色分解合成プリズムPRに入射する。そし
て、色分解合成プリズムPRは、上述したように偏光状
態を変化させないように構成されている。この結果、直
線偏光Lpの状態で偏光ビームスプリッタ101に入射
する。偏光ビームスプリッタ101の偏光分離部101
pは、この偏光状態の直線偏光Lpを最も効率良く全て
透過することができる。即ち、偏光分離部101pを反
射する光が存在しないため、図1における投射レンズT
Lに入射する光は存在しない。よって、理想的な黒い階
調の状態を投射することができ、コントラストを大幅に
向上できる。
【0069】なお、本実施形態では、電圧が印加されて
いない状態では、最低階調レベル(最も暗い画素)とな
るライトバルブを例に説明している。しかし、これに限
られず、電圧が印加されていない状態で最高階調レベル
(最も明るい画素)となるライトバルブもある。本発明
は、両タイプのライトバルブに適用できることは言うま
でもない。
【0070】(第2実施形態)第2実施形態にかかる投
射型表示装置は、その基本的な構成は上記第1実施形態
と同様であるので、重複する部分の説明は省略する。本
実施形態は、1/4波長板105R,105G,105
Bの位置、又はライトバルブ106R,106G,10
6Bへの印加電圧を調整する点が上記第1実施形態と異
なっている。なお、以下の説明ではB光に関して述べ、
その他のR光、G光に関してはその説明が重複するので
省略する。
【0071】本実施形態にかかる投射型表示装置は、図
1に示すように1/4波長板105R,105G,10
5Bをそれぞれ光軸Oを中心として回転させる波長板駆
動部RM,GM,BMを有している。
【0072】B光を例にして波長板駆動部BMについて
説明する。まず、ライトバルブ106Bは、光軸Oに垂
直で、かつライトバルブ106Bの複数の画素の行方向
(x軸方向)又は列方向(y軸方向)が光軸Oと偏光ビ
ームスプリッタ101の偏光面101pの法線ベクトル
Nとを含む平面に対して平行又は垂直に配置されてい
る。
【0073】そして、波長板駆動部BMは、1/4波長
板105Bを偏光ビームスプリッタ101とライトバル
ブ106Bとに対して光軸Oを中心に相対的に回転す
る。
【0074】最後に、ライトバルブ106Bによる変調
光と非変調光とのコントラストが偏光ビームスプリッタ
(検光光学系)101により検光された後に最も高くな
る位置に偏光ビームスプリッタ101とライトバルブ1
06Bとに対する1/4波長板105Bの相対的な位置
の位置決めをする。
【0075】なお、1/4波長板105Bの位置を調整
するときに、ライトバルブ106Bに電圧を印加した状
態で調整する場合と、ライトバルブ106Bに電圧を印
加しない状態で調整する場合との2通りの手順がある。
【0076】また、上記コントラストが最も高くなる位
置とは、上記第1実施形態で述べたように、ライトバル
ブ106Bの液晶分子LCMのプレチルト角θpで相対
的に決まる位置である。従って、液晶分子LCMのプレ
チルト角θpを変化させることでも、上記コントラスト
を向上させることができる。
【0077】このため、本実施形態において更に好まし
くは、上述の1/4波長板105Bの位置決めを行った
後に、後述するライトバルブ106Bへの基準電圧の調
整を行うことがさらに望ましい。
【0078】図1に示すように本実施形態にかかる投射
型表示装置のライトバルブ106R,106G,106
Bは、それぞれライトバルブ駆動駆動回路RLD,GL
D,BLDにより駆動されている。また、すべてのライ
トバルブ駆動回路は黒レベル電圧指示部BLKに接続さ
れている。
【0079】B光を例にしてライトバルブ106Bの基
準電圧の調整について説明する。まず、オペレータが黒
レベル電圧指示部BLKを操作することで、ライトバル
ブ駆動回路BLDはライトバルブ106Bに複数の電圧
を順次印加する。
【0080】次に、これら複数の電圧のうち、ライトバ
ルブ106Bによる変調光と非変調光とのコントラスト
が偏光ビームスプリッタ(検光光学系)101により検
光された後に最も高くなるときの電圧を基準電圧として
選択する。
【0081】なお、調整の手順はこれに限られず、以下
の(1)〜(3)の何れでも良い。 (1)1/4波長板の位置決めのみによる調整. (2)ライトバルブへの基準電圧を変化させることのみ
による調整. (3)ライトバルブへの基準電圧を変化させる調整の
後、1/4波長板の位置決めを行う調整. さらに、本実施形態では、1/4波長板の位置を調整し
ているが、これに限られず、偏光ビームスプリッタやラ
イトバルブの位置を調整しても良い。
【0082】また、上記各実施形態は偏光ビームスプリ
ッタを一つ有するタイプの投射型表示装置を例に説明し
たが、本発明はこれに限られず、複数の偏光ビームスプ
リッタを有する投射型表示装置にも適用できる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、例えば1/4波長板を所定の位置に配置し
ているので、明るく、コントラストが高い投射画像を容
易に得ることができる。請求項2記載の発明によれば、
偏光補償部を有しているので、偏光状態が維持される結
果、効率良く高コントラストな投射画像が得られる。請
求項5記載の発明によれば、投射型表示装置を高コント
ラスト画像が得られるように簡便に調整できる。請求項
6記載の発明によれば、1/4波長板を回転させること
により、容易にコントラストの向上を図ることができ
る。請求項7及び請求項9記載の発明によれば、印加電
圧の調整により、簡便な構成でコントラストの高い画像
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる投射型表示装置の基本的構成を
示す図である。
【図2】偏光ビームスプリッタと1/4波長板とライト
バルブの配置を説明する図である。
【図3】(A)〜(C)は1/4波長板の位置を調整し
ない場合の偏光状態を説明する図である。
【図4】本発明における(A)は1/4波長板入射前の
偏光状態、(B)は1/4波長板透過後の偏光状態、
(C)はライトバルブの反射部材に入射する光の偏光状
態をそれぞれ示した図である。
【図5】直線偏光が1/4波長板に入射した際の射出光
の偏光を説明する図である。
【図6】ライトバルブ中の液晶分子のプレチルト角等を
説明する図である。
【符号の説明】
L ランプ PM 方物面鏡 101 偏光ビームスプリッタ 101A,101B 三角プリズム 101p 偏光分離部 102,103,104 プリズム DB,DR ダイクロイック膜 CB,CR,CG 偏光補償部 105B,105G,105R 1/4波長板 106B,106G,106R 反射型ライトバルブ TL 投射レンズ SC スクリーン PR 色分解合成プリズム AXa 進相軸 AXb 遅相軸 RM,GM,BM 1/4波長板駆動部 RLD,GLD,BLD ライトバルブ駆動回路 BLK 黒レベル電圧指示部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13363 G02F 1/13363 G03B 21/14 G03B 21/14 Z 33/12 33/12 G09F 9/00 360 G09F 9/00 360D Fターム(参考) 2H042 CA08 CA10 CA14 CA15 CA17 2H043 AB05 AB06 AB08 AB14 AB31 2H088 EA12 HA13 HA17 HA20 HA23 MA02 2H091 FA05Z FA10Z FA11Z FA21Z FA41Z LA17 MA07 5G435 AA02 AA03 BB03 BB12 BB16 BB17 CC12 DD05 DD06 FF05 GG02 GG03 GG04 GG23 LL15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの光を偏光分離する偏光分離光
    学系と、 前記偏光分離光学系によって偏光分離された光を複数の
    色光に色分解する色分解光学系と、 前記色分解光学系から出射される各色光をそれぞれ入射
    する位置に配置され、行列状に配置される複数の画素を
    含み、前記複数の画素毎に入射光を変調して出射する反
    射型ライトバルブと、 前記各ライトバルブからの射出光を合成する色合成光学
    系と、 前記色合成光学系による合成光を検光する検光光学系と
    を有する投射型表示装置において、 前記偏光分離光学系と前記検光光学系とは共通の偏光ビ
    ームスプリッタにより兼用され、 前記偏光ビームスプリッタと前記ライトバルブとの間の
    光路中にはさらに1/4波長板が設けられ、 前記ライトバルブは第1の軸に垂直に配置され、かつ前
    記ライトバルブの前記複数の画素の行方向又は列方向が
    前記第1の軸と前記偏光ビームスプリッタの偏光面の法
    線ベクトルとを含む平面に対して平行又は垂直に配置さ
    れ、 前記1/4波長板は前記第1の軸に垂直で、かつ少なく
    とも前記1/4波長板の進相軸が前記平面に対して平行
    又は垂直ではなく、所定の角度を有して配置されている
    ことを特徴とする投射型表示装置。
  2. 【請求項2】 前記色分解光学系は、 前記偏光分離された光のうち、第1色光を反射し、第2
    色光を透過する色分離面と、 前記色分離面より反射された前記第1色光を、前記偏光
    ビームスプリッタを出射直後の前記第1色光の偏光状態
    とほぼ同じ偏光状態に補償する第1偏光補償部とを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の投射型表示装置。
  3. 【請求項3】 前記色分解光学系は、 前記偏光分離された光を入射する第1入射面と、前記色
    分離面と、前記第1偏光補償部と、前記第1偏光補償部
    により補償された前記第1色光を前記反射型ライトバル
    ブに出射する第1出射面とが形成される第1プリズム
    と、 前記色分離面を透過した第2色光を入射する第2入射面
    と、前記第2入射面からの光を前記偏光ビームスプリッ
    タ出射直後の前記第2色光の偏光状態とほぼ同じ偏光状
    態に補償する第2偏光補償部と、前記第2偏光補償部に
    より補償された前記第2色光を前記反射型ライトバルブ
    に出射する第2出射面とが形成される第2プリズムと、
    を含むことを特徴とする請求項2記載の投射型表示装
    置。
  4. 【請求項4】 前記検光された各色光をスクリーンへ投
    射するための投射レンズをさらに有し、 前記投射レンズの光軸と前記第1の軸とが一致している
    ことを特徴とする請求項1記載の投射型表示装置。
  5. 【請求項5】 光源からの光を偏光分離する偏光分離光
    学系と、 前記偏光分離光学系によって偏光分離された光を複数の
    色光に色分解する色分解光学系と、 前記色分解光学系から出射される各色光をそれぞれ入射
    する位置に配置され、行列状に配置される複数の画素を
    含み、前記複数の画素毎に入射光を変調して出射する反
    射型ライトバルブと、 前記各ライトバルブからの射出光を合成する色合成光学
    系と、 前記色合成光学系による合成光を検光する検光光学系と
    を有する投射型表示装置の調整方法において、 前記偏光分離光学系と前記検光光学系とは共通の偏光ビ
    ームスプリッタにより兼用され、 前記ライトバルブを第1の軸に垂直で、かつ前記ライト
    バルブの前記複数の画素の行方向又は列方向が前記第1
    の軸と前記偏光ビームスプリッタの偏光面の法線ベクト
    ルとを含む平面に対して平行又は垂直に配置する工程
    と、 前記偏光ビームスプリッタと各色光用のライトバルブと
    の間の光路中に前記第1の軸に対して垂直に1/4波長
    板を配置する工程と、 前記ライトバルブによる変調光と非変調光とのコントラ
    ストが前記検光光学系により検光された後に最も高くな
    るように前記偏光ビームスプリッタと前記1/4波長板
    と前記ライトバルブとの少なくとも一つを調整する工程
    と、を有することを特徴とする投射型表示装置の調整方
    法。
  6. 【請求項6】 前記調整する工程は、前記1/4波長板
    を前記偏光ビームスプリッタと前記ライトバルブとに対
    して前記第1の軸を中心に相対的に回転する工程と、 前記ライトバルブによる変調光と非変調光とのコントラ
    ストが前記検光光学系により検光された後に最も高くな
    る位置に前記偏光ビームスプリッタと前記ライトバルブ
    とに対する前記1/4波長板の相対的な位置の位置決め
    をする工程と、を含むことを特徴とする請求項5記載の
    投射型表示装置の調整方法。
  7. 【請求項7】 前記調整する工程は、 前記ライトバルブに複数の電圧を順次印加する工程と、 前記複数の電圧のうち、前記ライトバルブによる変調光
    と非変調光とのコントラストが前記検光光学系により検
    光された後に最も高くなるときの電圧を基準電圧として
    選択する工程と、を含むことを特徴とする請求項5記載
    の投射型表示装置の調整方法。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の調整方法を用いて製造さ
    れたことを特徴とする投射型表示装置。
  9. 【請求項9】 光源からの光を偏光分離する偏光分離光
    学系と、 前記偏光分離光学系から出射される各色光をそれぞれ入
    射する位置に配置され、行列状に配置される複数の画素
    を含み、前記複数の画素毎に入射光を変調して出射する
    反射型ライトバルブと、 前記ライトバルブからの光を検光する検光光学系と、を
    有する投射型表示装置の調整方法において、 前記ライトバルブに複数の電圧を順次印加する工程と、 前記複数の電圧のうち、前記ライトバルブによる変調光
    と非変調光とのコントラストが前記検光光学系により検
    光された後に最も高くなるときの電圧を基準電圧として
    選択する工程と、 を含むことを特徴とする投射型表示装置の調整方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の調整方法を用いて製造
    されたことを特徴とする投射型表示装置。
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