JP2001066551A - 画像表示装置および照明装置 - Google Patents

画像表示装置および照明装置

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JP2001066551A
JP2001066551A JP23883399A JP23883399A JP2001066551A JP 2001066551 A JP2001066551 A JP 2001066551A JP 23883399 A JP23883399 A JP 23883399A JP 23883399 A JP23883399 A JP 23883399A JP 2001066551 A JP2001066551 A JP 2001066551A
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忠史 川村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 明るく、色純度が良く、コントラストが高い
画像表示装置を実現すること。 【解決手段】 光源からの光を偏光分離素子に入射さ
せ、入射光を偏光方向が互いに異なる2つの光ビームに
分離する。偏光分離素子の偏光分離面には、光源からの
光ビームの主光線を偏光分離面の法線に対して45°を
超える角度で入射させる。また、偏光分離素子の画像表
示素子側およびスクリーン側の光出射面に対して光ビー
ムを略垂直に出射させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光を利用した画
像表示装置および偏光を出射する照明装置に関する。特
に、本発明は、例えば液晶プロジェクタのような、光源
から出射され画像表示素子を経た光を投影レンズにより
スクリーンに拡大投影する画像表示装置およびこのよう
な画像表示装置など偏光を利用する光学装置において好
適に用いられる照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子を用いた投影型画像
表示装置(以下、「液晶プロジェクタ」と称する。)
が、高精細で大型の表示が可能な画像表示装置として注
目されている。液晶プロジェクタは、用いられる液晶表
示素子のタイプに応じて、透過型と反射型とに大別され
る。反射型液晶表示素子は、透過型液晶表示素子に比べ
て、絵素開口率を高くできるという利点を有しており、
反射型液晶プロジェクタは明るい表示が可能である。
【0003】また、液晶プロジェクタは、カラー表示方
式によって、3板式と単板式とに分類される。3板式液
晶プロジェクタは、3原色(R、G、B)の光ビームの
それぞれに対して液晶表示素子を設けているので、光の
利用効率が高く、非常に明るい表示を実現できる。これ
に対して、1枚の液晶表示素子を用いる単板式液晶プロ
ジェクタは、小型、軽量および安価であるという利点を
有している。
【0004】反射型液晶表示素子を用いた3板式液晶プ
ロジェクタは、例えば電子ディスプレイフォーラム97
(P.3−27〜3−32)や特開平4−338721
号公報に開示されている。
【0005】図14に、電子ディスプレイフォーラム9
7に開示されている液晶プロジェクタを模式的に示す。
この液晶プロジェクタでは、光源601から出射された
光ビーム(白色光)をダイクロイックミラーで、赤、
緑、青(以下、順にR、G、Bと呼ぶ。)の3原色の光
ビームに分離し、それぞれの色光ビームを対応する偏光
ビームスプリッタ(PBS)602に入射させる。偏光
ビームスプリッタ602は、入射光ビームを互いに直交
する偏光方向を有する2つの光ビーム(S偏光ビームと
P偏光ビーム)に分離し、1方の光ビーム(S偏光ビー
ム)が対応する反射型液晶表示素子604にそれぞれ入
射する。反射型液晶表示素子604でそれぞれ反射さ
れ、偏光方向が変調されたR、G、Bの光ビームは、再
度PBS602に入射し、クロスダイクロイックプリズ
ム603で合成された後、投影レンズ605でスクリー
ンに投影される。
【0006】図15(a)および(b)に、特開平4−
338721号公報に開示されている液晶プロジェクタ
を模式的に示す。この液晶プロジェクタでは、光源70
1からの光をPBS704で2つの直線偏光ビームに分
離後、一方の偏光ビームをクロスダイクロイックプリズ
ム(図15(a))やフィリップスタイププリズム(図
15(b))の色分離・合成素子で、R、GおよびB光
ビームに分離する。反射型液晶表示素子707−R、
G、Bで、偏光方向が変調され、反射されたそれぞれの
色光ビームを上記の色分離・合成素子で合成(色合成)
した後、PBS704に再度入射させる。偏光方向が変
調された偏光ビームは、PBS704を選択的に透過
し、投影レンズ708に入射し、スクリーンに投影され
る。
【0007】これらの液晶プロジェクタに用いられるP
BSとしては、一般的なガラスPBSと、上記の電子デ
ィスプレイフォーラム97に開示されているような液浸
PBSとがある。ガラスPBSは、2つの直角三角柱プ
リズムを貼り合わせた構造を有し、貼り合わせ面が偏光
分離面として機能する。ガラスプリズムは偏光分離特性
に優れるものの、ガラスによる複屈折の影響を受けやす
い。液浸PBSは、表面に偏光分離面が形成されたガラ
ス板が高屈折率の液体中に浸された構造を有している。
この液浸PBSは、ガラスPBSと比べるとガラスによ
る複屈折の影響を受け難いというメリットを有するが、
温度上昇による液体の膨張を緩和する機構や冷却機構の
問題で、その筺体自体が複雑で高価なものとなる。ま
た、筺体の四方をガラスで囲み、その中に液体を封入す
る形となるため、ガラスPBSより大きくなると同時
に、ガラスと液体の界面で反射が起こり、明るさの低下
や迷光の原因となるため、現在では民生用としてはあま
り実用化されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した液晶プロジェ
クタのように、偏光を利用する画像表示装置において
は、偏光の程度(消光比)や利用効率が表示品質に影響
する。本願発明者は、PBSの特性を詳細に検討した結
果、PBSを利用して偏光を生成する従来の照明光学系
に以下の問題があることを見出した。
【0009】図16および図17を参照しながら、従来
の偏光生成光学系の問題を説明する。図16は、従来の
偏光生成光学系を模式的に示す斜視図であり、図17
は、従来の偏光生成光学系におけるPBSの偏光分離特
性を示すグラフである。
【0010】図16に示したように、従来の液晶プロジ
ェクタで用いられている偏光生成光学系は、光ビームの
主光線がガラスPBSの偏光分離面に対して入射角αが
45°で入射するように構成されている。なお、主光線
とは、広がり角θを有する光ビームの中心の光を指す。
また、光ビームがガラスによる屈折を防止するために、
光ビームがガラスPBSの表面(入射面)に対して直角
に入射し、偏光分離面で反射された光ビームは、PBS
の他の表面(出射面)から直角に出射されるように構成
されている。従来のPBSは、入射面と出射面とが直角
な直角プリズムであり、直角二等辺三角形の断面を有す
る三角柱を2つ、直角二等辺三角形の底辺を含む面で貼
り合わされた構造を有している。偏光分離面とPBSの
表面(入射面および出射面)とは45°を成している。
なお、一般に、入射角(反射角)は、入射光ビームおよ
び反射光ビームの主光線を含む面内において、光ビーム
が入射する面(ここでは、偏光分離面)に対する法線と
入射光ビーム(反射光ビーム)の主光線とが成す角とし
て定義される。
【0011】実際の光源から出射された入射光ビーム
は、図16に示したように、主光線の周りに広がり角θ
を持って、偏光分離面に入射する。従って、入射光ビー
ムは、主光線を中心に角度分布を有しており、上述のよ
うに入射光ビームの主光線を偏光分離面に対して45°
になるように配置しても、実際には45°±θの入射角
度で入射する光ビームも存在していることになる。
【0012】液晶プロジェクタの照明光学系から出射さ
れる光ビームは、一般にθ’=±5°〜±20°の広が
りを有する。広がり角θ’は、光源のアーク長、コリメ
ート光学系などに依存し、用途によって変更され得る。
なお、広がり角θ’は、光ビームの空気中における広が
り角を示し、PBS中の広がり角(偏光分離面における
広がり角)θと区別している。一例として、空気中の広
がり角θ’を±16°とすると、PBS内での広がり角
θは±10°前後となる(PBSを構成するガラスの屈
折率を約1.6とする)。
【0013】従来のガラスPBSは、図17に示したよ
うな偏光分離特性を有している。図17から分かるよう
に、偏光分離面への入射角αが45°付近では、S偏光
はほとんど反射され、P偏光はほとんど透過される。入
射角αが45°からずれていくにつれて、P偏光の透過
率が低下し、反射率が上昇する。この傾向は、入射角α
が45°よりも小さい側(入射方向が偏光分離面の法線
方向に近い側)で顕著であり、特に、入射角αが約40
°よりも小さくなると、急激にP偏光の透過率が減少
し、反射率が増大する。これに対し、S偏光の透過率お
よび反射率は、入射角αが45°からずれてもほとんど
変化しない、すなわちS偏光を選択反射する特性はほと
んど低下しない。
【0014】なお、PBSの偏光選択特性は用途によっ
て異なり得る。例えば、単色光を分離するためのPBS
は、特定の狭い波長範囲の光を対象に設計・作製される
ので、一般に、白色光を分離するためのPBSよりも高
い偏光選択特性を有する。また、要求される波長選択特
性は、PBSの用途に依存する。従って、入射角αの広
がりによる偏光選択性の低下の許容範囲は、用途によっ
て異なり得る。例えば、緑色光に対して最適化されたガ
ラスPBSは、45°入射に対して95%以上のP偏光
透過率を実現できるのに対して、白色光に対しては約9
0%となる。
【0015】例えば、上述のように、入射光ビームがθ
=±10°の広がり角を有した場合、従来の照明光学系
においては、図17のハッチング領域(35°〜55
°)が利用されることになる。まず、反射型液晶表示素
子に入射されるべき光ビームはS偏光なので、入射ビー
ムはPBSの偏光分離面でS偏光が選択的に反射され
る。図17から分かるように、S偏光に対する反射特性
はα=35°〜55°の範囲内で高い値を有しているの
で、入射光ビーム中のS偏光のほとんどが反射され、反
射型液晶表示素子に入射する。
【0016】この後、液晶表示素子によって偏光方向が
変調され、P偏光に変換された光ビームは、液晶表示素
子から反射され、再び偏光分離面に入射する。このP偏
光の光ビームの入射角もθ=±10°の広がりを有して
いる。上述したように(図17)、入射角が40°以下
になると、P偏光の透過率は急激に低下(反射率は急激
に上昇)するので、入射角が40°以下のP偏光ビーム
の多くは、偏光分離面を透過せずに、光源側に反射され
る。その結果、従来の液晶プロジェクタによる表示の明
るさ及びコントラスト比が著しく低下するだけでなく、
カラー表示においては迷光の発生により色純度も低下す
る。
【0017】上述の問題は、反射型液晶プロジェクタに
限らず、PBSを用いる透過型液晶プロジェクタや偏光
を利用する他の画像表示装置においても発生する。さら
に、画像表示装置に限らず、PBSを用いる偏光生成光
学系(照明光学系)を有する照明装置は、上述した現象
に起因して、P偏光の利用効率が低いという問題を有し
ている。
【0018】本発明は、上記の問題に鑑みてなされたも
のであり、その主な目的は、明るくコントラスト比の高
い表示が可能な画像表示装置およびP偏光の利用効率の
高い照明装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の画像表示装置
は、光ビームを出射する光源と、光ビームを偏光方向が
互いに異なる第1および第2光ビームに分離する機能を
有する第1偏光分離素子と、前記光源から出射された光
ビームの偏光状態を変調する反射型画像表示素子と、前
記反射型画像表示素子で変調された前記光ビームを投影
する投影素子とを有する画像表示装置であって、前記第
1偏光分離素子は、前記光源から出射された前記光ビー
ムを受ける入射面と、前記光ビームを分離する偏光分離
面と、前記光ビームを前記反射型画像表示素子側に出射
する第1出射面と、前記変調された光ビームを前記投影
素子側に出射する第2出射面とを有し、前記光源から出
射された前記光ビームの主光線は、前記偏光分離面に4
5度を超える角度で入射し、且つ、前記光ビームの主光
線および前記変調された光ビームの主光線は、前記第1
出射面および前記第2出射面からそれぞれ略垂直に出射
する構成を有し、そのことによって上記目的を達成する
ことができる。なお、前記第1および第2光ビームは、
いずれの偏光方向がS偏光であってもP偏光であっても
よい。
【0020】前記光源から出射された前記光ビームの主
光線は、前記第1偏光分離素子の前記入射面に略垂直に
入射することが好ましい。
【0021】前記第1偏光分離素子は、2つの三角柱ガ
ラスプリズムを互いに貼り合わせた構造を有し、前記2
つの三角柱ガラスプリズムのうちの少なくとも一方は、
前記光ビームの主光線と前記偏光分離面の法線とが形成
する面内の断面が直角三角形ではない構成とすることが
好ましい。
【0022】前記光源から出射された前記光ビームの主
光線は、前記第1偏光分離素子の前記偏光分離面に55
度以下の角度で入射することが好ましい。
【0023】前記第1偏光分離素子および前記反射型画
像表示素子が1対1で配置された光学系を複数有する構
成としてもよい。
【0024】前記第1偏光分離素子1つに対し、前記反
射型画像表示素子が複数配置された光学系を有する構成
としてもよい。
【0025】前記光源から出射された前記光ビームは3
原色の光ビームを含み、3原色の光ビームのうちの少な
くとも1つの色の光ビームの偏光方向を選択的に変化さ
せる偏光制御素子をさらに有する構成としてもよい。
【0026】前記光源から出射された前記光ビームに含
まれる3原色の光ビームのうち同じ偏光方向を有する2
つの色の光を互いに分離する色分離素子をさらに有し、
前記色分離素子は、色分離される光ビームが入射する入
射面と、前記入射した光ビームを互いに異なる色に分離
する色分離面と、色分離された色光ビームを出射する出
射面とを有し、前記色分離される光ビームの主光線は、
前記入射面に略垂直に入射し、且つ、前記色分離面に4
5度未満の角度で入射し、前記色分離された色光ビーム
の主光線は、前記出射面から略垂直に出射する構成とし
てもよい。
【0027】前記光源から出射された3原色の光ビーム
を第1色光ビーム、第2色光ビームおよび第3色光ビー
ムとするとき、前記第1色光ビームと前記第3色光ビー
ムとを組み合わせた色光ビームと、前記第2色光ビーム
と前記第3色光ビームとを組み合わせた色光ビームと
を、順次選択的に透過するカラーフィルタ素子をさらに
有し、前記偏光制御素子は、前記第3色光ビームの偏光
方向または前記第1色光ビームおよび前記第2色光ビー
ムの偏光方向を変化させる構成としてもよい。
【0028】前記光源と前記第1偏光分離素子との間
に、光ビームを偏光方向が互いに異なる第3および第4
光ビームに分離する機能を有する第2偏光分離素子と、
前記光源から出射され、前記第2偏光分離素子で分離さ
れた第4光ビームの偏光方向を前記第3光ビームの偏光
方向と同じにする偏光変換素子と、をさらに有し、前記
第2偏光分離素子は、前記光源から出射された前記光ビ
ームを受ける入射面と、前記光ビームを分離する偏光分
離面と、前記第3光ビームを出射する第3出射面と、前
記第4光ビームを出射する第4出射面とを有し、前記光
源から出射された前記光ビームの主光線は、前記第2偏
光分離素子の前記偏光分離面に45度を超える角度で入
射し、且つ、前記第3および第4光ビームの主光線は、
それぞれ前記第3出射面および前記第4出射面からそれ
ぞれ略垂直に出射し、前記第2偏光分離素子で分離され
た前記第3光ビームと、前記第2偏光分離素子で分離さ
れ、且つ前記偏光変換素子で前記第3光ビームの偏光方
向と同じ偏光方向とされた前記第4光ビームとを前記第
1偏光分離素子の前記入射面に供給する構成としてもよ
い。
【0029】本発明の照明装置は、光ビームを出射する
光源と、前記光源から出射された前記光ビームを偏光方
向が互いに異なる第1および第2光ビームに分離する偏
光分離素子とを有し、前記偏光分離素子は、前記光源か
ら出射された前記光ビームを受ける入射面と、前記光ビ
ームを分離する偏光分離面と、前記第1光ビームを出射
する第1出射面と、前記第2光ビームを出射する第2出
射面とを有し、前記光ビームの主光線は、前記偏光分離
面に45度を超える角度で入射し、且つ、前記第1およ
び第2光ビームの主光線は、それぞれ前記第1出射面お
よび前記第2出射面からそれぞれ略垂直に出射する構成
を有し、そのことによって上記目的を達成することがで
きる。
【0030】
【発明の実施形態】本発明の実施の形態を図面を参照し
ながら説明する。
【0031】図1は、本発明による偏光生成光学系を模
式的に示す斜視図であり、図2は、本発明による偏光生
成光学系におけるPBSの偏光分離特性を示すグラフで
ある。
【0032】図1に示したように、本発明による偏光生
成光学系は、光ビームの主光線がガラスPBS104の
偏光分離面105に対して入射角αが45°を超える角
度(ここではα=50°)で入射するように構成されて
いる。さらに、光ビームがPBS104のガラスによる
屈折を防止するために、光ビームがガラスPBS104
の表面(入射面104a)に対して直角に入射し、偏光
分離面で反射された光ビームは、PBSの他の表面(第
1出射面104b)から直角に出射されるように構成さ
れている。
【0033】図1に示した本発明による実施形態の偏光
生成光学系においては、光ビームが偏光分離面105に
50°で入射するので、例えば、広がり角θが±10°
の光ビームに対するPBS104の偏光分離特性は、図
2中に斜線で示したように、P偏光に対しても安定した
特性を有している。すなわち、図17に示した従来の偏
光分離光学系におけるPBSの偏光分離特性と異なり、
P偏光の反射率が十分に低い(P偏光の透過率が十分に
高い)角度領域(αの範囲)を利用できる。これらの偏
光選択性は、偏光生成光学系の用途によって変わるの
で、用途に応じて所定の偏光選択性が得られるように入
射角αを適宜設定すればよい。特に、PBSのP偏光に
対する偏光選択性が急激に低下する入射角をαmin
(図2の例では40°)と入射光ビームの広がり角θ
(典型的には±10°)とを考慮して、主光線の入射角
α=αmin+|θ|を満足するように設定する。さら
に、P偏光に対する偏光選択性が入射光ビームの主光線
に対して対称になるように、入射角αを設定することが
好ましい。以下の実施形態で例示するように、反射型画
像表示装置の照明光学系に適用する場合には、一般に広
がり角θが±10°程度なので、αを50°に設定する
ことによって、入射光ビームの全て(50°±10°で
入射する光線)に対して良好な偏光選択性を有するの
で、高品位な表示を実現できる偏光を生成することがで
きる。また、偏光分離面に対する入射角を45°より大
きくするためには、従来の直角プリズム(キューブ状プ
リズム)よりも大きなプリズムを形成する必要があるの
で、主光線の入射角は55°以下であることが好まし
い。すなわち、入射角が45°を越え、55°以下とな
るようなPBSを用いることが、偏光分離特性とコスト
との観点から好ましいと言える。偏光分離面105への
光ビームの入射角度は実際に使用する照明系の広がり角
に合わせて上記45°を越え55°以下の角度範囲内で
調整すればよい。
【0034】また、本発明による偏光生成光学系におい
ては、PBS104の偏光分離面105で偏光分離され
た反射ビームは、PBS104の出射面104bから直
角に出射されるように構成されているので、PBS10
4の出射面104bと空気との界面において、反射ビー
ムが屈折されることが無い。従って、PBS104を構
成する材料の屈折率の波長分散によって発生する色収差
を低減できる。
【0035】また、後に詳述するように、反射画像表示
装置の照明光学系に適用する場合には、反射画像表示素
子(不図示)は、図1に示した反射ビームに対して直角
に配置し、反射画像表示素子で偏光方向が変調され、反
射された光ビームが第1出射面104bに再び直角に入
射し、その主光線が偏光分離面105に50°で入射
し、偏光分離面105を透過した後、第2出射面104
cから直角に出射される構成とされることが好ましい。
このように、反射ビームがPBS104の出射面(第1
出射面104bおよび第2出射面104c)に対して、
直角に入射および出射する構成とすることによって、反
射型画像表示素子のコンバージェンスの調整が容易とな
るだけでなく、非点収差を防止することができ、良好な
画像を表示することが可能となる。
【0036】さらに、図1の実施形態のように、PBS
104の入射面104aに光ビームが直角に入射する構
成とすることによって、入射光ビームがPBS104の
入射面104aで屈折されることが無くすことができ
る。このような構成を採用すると、PBS104を構成
する材料の屈折率の波長分散によって発生する色収差を
低減できるとともに、入射光ビームの偏光分離面に対す
る入射角が単純に求められるので、PBS104の設計
および/または光学系の設計が容易になる。
【0037】本発明によるPBSは、頂角が鋭角(90
°未満)の2つの三角柱ガラスプリズムを底面で貼り合
せることによって構成することができる。偏光分離面
は、互いに貼り合わされる底面に形成される。偏光分離
面は誘電体多層膜として公知の方法で形成され得る。典
型的には、三角柱プリズムの光入射面内の断面形状は、
二等辺三角形であり、底角は45°を超える角度であ
り、図1に示したように、菱形の断面を有する。このよ
うな菱形の断面を有するPBSは、PBSの入射面10
4および出射面104bおよび104cに対して光ビー
ムが略直角に入・出射し、且つ偏光分離面105に45
°を超える角度で入射する構成を容易に実現できる。ま
た、同じ三角柱プリズムを貼り合せた構成を採用するこ
とによって、プリズムの製造コストを低減することが可
能となる。
【0038】本発明に好適に用いられるPBSは、図1
に示した例に限られない。例えば、図3(a)〜(c)
に示すPBSを用いてもよい。図3(a)に示したよう
に断面を三角形の角部を削り落とした形状としたり、図
3(b)にしめしたように四角柱を用いたりしてもよ
い。さらに、図3(c)に示したように、色分離・合成
素子(色分離・合成プリズム)と一体化してもよい。い
ずれにしても、図3(a)〜(c)の破線で囲んだ領域
内に示され構成が、頂角が鋭角で底角が45°を超える
三角形の断面形状を有する三角柱プリズムの側面と底面
(偏光分離面として機能する)とを有していればよい。
【0039】上述した本発明による偏光生成光学系を用
いた画像表示装置の実施形態を以下に説明する。本発明
は、下記の実施形態に限られず、上述した偏光生成光学
系は、偏光を利用する他の光学機器の照明装置として好
適に適用される。
【0040】(実施形態1)本発明の実施形態1による
投影型カラー画像表示装置(液晶プロジェクタ)100
の模式図を図4に示す。液晶プロジェクタ100は、図
1に示したPBS104を含む本発明による偏光生成光
学系を備えている。
【0041】液晶プロジェクタ100は、光源101と
して、120W、アーク長1.4mmのPhilips
社製のUHPランプを備えている。光源101として
は、この他にハロゲンランプやキセノンランプ、メタル
ハライドランプを用いることができる。
【0042】光源101から出射された白色(R、G、
Bを含む)の光ビームは、放物面鏡102で略平行光
(コリメート)にされた後、偏光板103に入射する。
偏光板103は、偏光方向(振動方向)が紙面に対して
垂直方向の光ビームのみを透過し、偏光板103を透過
した光ビームがPBS104に入射する。すなわち、P
BS104に入射する光ビームはS偏光である。PBS
104は、入射面内の断面形状は菱形であり、その入射
面104aには光源101からの光ビームが直角に入射
する。PBS104の断面形状は、上述したように菱形
に限定されるものではなく、PBS104の偏光分離面
105に所定の角度(α)で光ビームが入射し、且つ、
PBS104の光出射面104bおよび104cに対し
て、光ビームの主光線が略垂直になっていればよい。
【0043】PBS104の偏光分離面105で偏光選
択的に反射された白色光ビーム(S偏光)は、色分離素
子であるフィリップスタイププリズム106に入射す
る。フィリップスタイププリズム106は、入射光ビー
ムをR、G、Bの光ビームに順次分離し、対応する反射
型液晶表示素子107−R、107−Gおよび107−
Bにそれぞれを入射させる(これらを総称して反射型液
晶表示素子107と呼ぶこともある)。反射型液晶表示
素子107−R、107−Gおよび107−Bの反射面
(表示面)はそれぞれの光ビームの主光線に対して垂直
となるように配置されている。
【0044】反射型液晶表示素子107としては、例え
ば、0.9型XGAパネルで、垂直配向の液晶モードの
もの用いることができる。反射型液晶表示素子として
は、上記他にTNモードなど公知の表示モードの液晶表
示素子を広く用いることができる。また、液晶表示素子
以外の他の反射型表示素子を用いてもよい。
【0045】反射型液晶表示素子107に入射し、偏光
方向が変調され、反射されたR、G、Bそれぞれの光ビ
ームは、フィリップスタイププリズム106に向けて反
射される。フィリップスタイププリズム106で色合成
された光ビームは、PBS104の出射面104bから
垂直に入射する。反射型液晶表示素子107で変調され
P偏光となった光ビームは、偏光分離面105を透過
し、偏光板109(P偏光を透過する)を介して、投影
レンズ(投影素子)108によりスクリーンに投影され
る。反射型液晶表示素子107は、例えばアクティブマ
トリクス型の液晶表示素子で、入力された画像信号に従
って、入射光の偏光方向を変調するので、反射型液晶表
示素子107で変調された光ビームを投影することによ
って、反射型液晶表示素子107に入力された画像デー
タに対応する画像をスクリーンに投影表示することがで
きる。
【0046】本実施形態の液晶プロジェクタ100は、
図1に示した偏光生成光学系を備えており、入射光ビー
ムの主光線がPBS104の偏光分離面105に対して
50°で入射するように配置されている。また、入射ビ
ームの広がり角θは、PBSのプリズム内(偏光分離面
に対して)±10°程度である。従って、PBS104
の偏光分離面105には、図2中の斜線部で示した入射
角範囲50°±10°の光線が入射することになり、P
BS104の偏光分離特性の良好な領域のみを使用する
ことができる。
【0047】本実施形態の液晶プロジェクタ100は、
PBS104のP偏光に対する偏光分離特性の低下の影
響をほとんど受けず、明るく、コントラスト比の高い、
高品位な表示を実現することができる。
【0048】なお、本実施形態では、色分離素子とし
て、フィリップスタイププリズム106を用いたが、色
分離を行える素子であればいかなるものでもよく、例え
ば、光分離面をクロスさせたクロスダイクロイックプリ
ズム(クロスダイクロイックミラー)やダイクロイック
ミラーを用いても良い。
【0049】また、本実施形態では、1個のPBSに3
枚の反射型液晶表示素子107を用いたが、図5(a)
に示すように、反射型液晶表示素子107R、107
G、107Bのそれぞれに1個のPBS104(計3個
のPBS104)を設ける構成を採用してもよい。図5
(a)に示した液晶プロジェクタは、色分離用のクロス
ダイクロイックミラー110および色合成用のクロスダ
イクロイックプリズム112およびダイクロイックミラ
ー(G反射)、全反射ミラー114を用いている。な
お、先に説明した構成要素と実質的に同じ機能を有する
構成要素は、同じ参照符号で示し、説明を省略する。ま
た、本発明は、図5(b)に示すように、カラー表示が
可能な反射型液晶表示素子107を1枚用いる単板式プ
ロジェクタにも適用することができる。すなわち、本発
明の偏光生成光学系は、PBSを用いる光学系であれ
ば、公知の光学系に広く適用できる。
【0050】さらに、本実施形態では、コントラスト比
の向上を目的として、偏光板103および109を使用
したが、PBS104の偏光分離特性や用途によって
は、偏光板103および109の一方または両方を省略
してもよい。
【0051】さらに、本実施形態ではPBS104にS
偏光を入射させたが、偏光板103および109の光透
過軸(偏光軸)を90°回転させてP偏光を入射する構
成としても良い。このような構成を採用した場合、PB
S104の偏光分離面105を透過したP偏光を用いて
表示を行うので、光学系の配置・調整が容易であるとい
う利点が得られる。P偏光を用いると、光源101と反
射型液晶表示素子107とを結ぶ光軸(主光線の方向)
がPBS104の偏光分離面105で折り曲げられな
い。光ビームは、反射面がθ傾くと、2θずれた角度で
反射されるために、反射面が多い光学系程、光軸に対す
る各光学素子(プリズム、反射板や表示素子)の配置・
調整が難しくなる。特に、3板式のプロジェクタでは、
PBSの前後に色分離・合成素子を配置するするため、
さらに、その光学系の配置・調整は困難である。従っ
て、PBSにP偏光を入射させる構成を採用すると、光
源、PBSおよび反射型液晶表示素子などの光学素子の
配置が容易に行える。
【0052】(実施形態2)本発明の実施形態2による
投影型カラー画像表示装置(液晶プロジェクタ)200
の模式図を図6に示す。実施形態1の液晶プロジェクタ
100の構成要素と実質的に同様の機能を有する構成要
素は同じ参照符号で示し、以下ではその説明を省略す
る。
【0053】液晶プロジェクタ200は、実施形態1の
液晶プロジェクタ100と同様に、図1に示したPBS
104を含む本発明による偏光生成光学系を備えてい
る。液晶プロジェクタ200は、さらに、光源から出射
された白色光ビームの3原色の光のうちの1つの色の光
の偏光方向を選択的に変化させる(典型的には、偏光面
を回転させる)機能を有する偏光制御素子を有してい
る。この偏光制御素子を備えることによって、本実施形
態の液晶プロジェクタ200は、PBS104の偏光分
離面105を透過した光を表示に用いることが可能とな
っている。従って、実施形態1の液晶プロジェクタ10
0よりもコンパクトな液晶プロジェクタを提供すること
が可能となる。
【0054】光源101から出射された光ビームは、放
物面鏡102で略平行光にされたのち、トリミングフィ
ルタ201と偏光板103に入射する。光源101とし
ては、例えば、120W、アーク長1.4mmのPhi
lip社製のUHPランプを用いる。実施形態1と同様
に、光源101として他の公知の光源を広く用いること
ができる。偏光板103は、偏光方向が紙面に対して垂
直な光ビームのみを透過する。偏光板103を透過した
光ビームは、偏光制御素子202に入射する。
【0055】偏光制御素子202は、偏光板103を透
過したS偏光(紙面に垂直方向に振動)の入射光ビーム
(白色)のうち、B光ビームの偏光方向のみを90°回
転し、P偏光(紙面に平行方向に振動)とする。偏光制
御素子202を透過した光ビームがPBS104に入射
する。PBS104としては、実施形態1と同様のPB
Sを用いることができる。
【0056】図7は、偏光制御素子202の偏光選択特
性の波長依存性を示す。図7中の実線は、図6の光学系
におけるPBS104の偏光分離面105で反射される
光ビームの相対値(反射率)を示し、破線は、偏光分離
面105を透過される光の相対値(透過率)を示す。偏
光制御素子202を透過した光ビームのうちのS偏光成
分であるRおよびG光ビームは、偏光分離面105で反
射され、偏光制御素子202を透過した光ビームのうち
のP偏光成分であるB光ビームは偏光分離面105を透
過する。
【0057】なお、S偏光(R,G光ビーム)とP偏光
(B光ビーム)との境界波長域(図7中の斜線部)の光
は、トリミングフィルタ201によって除去される。ト
リミングフィルタ201は、図7の斜線部で示した偏光
制御素子202で偏光面が回転されたB光ビームと偏光
面が回転されないG光ビームとの境界の波長域を除去す
る働きと、色純度の低下の原因になるR光ビームとG光
ビームとの境界波長域を除去する働きをあわせ持つ。
【0058】偏光制御素子202としては、例えば、米
国特許5,751,384号に開示されている素子を使
用することができる。この偏光制御素子は、波長板(位
相差板)を複数枚その光学軸(例えば遅相軸)の角度を
変えて積層し、ある特定の波長域の光の偏光方向(偏光
面)だけを選択的に回転させる機能を有する。例えば、
本実施形態のように、B光ビームの偏光方向を選択的に
回転させる偏光制御素子を用いると、図6に示したよう
に、白色の直線偏光(S偏光:紙面に垂直方向に振動)
が偏光制御素子に入射すると、その出射光のうち、R光
ビームおよびG光ビームの偏光方向は維持され(S偏
光)、B光ビームの偏光方向だけを90°回転する(P
偏光:紙面に平行方向に振動)ことができる。なお、偏
光制御素子202は、上記の素子に限られず、同様の機
能を有するものであれば、いかなるものでも利用でき
る。例えば、コレステリック液晶などを用いても良い。
【0059】PBS104の偏光分離面105で反射さ
れたRおよびG光ビームは、PBS104の偏光分離面
105と反射面が略平行になるように配置されたダイク
ロイックミラー203に入射する。G光ビームは、ダイ
クロイックミラー203で反射され、R光ビームはダイ
クロイックミラー203を透過する。上述したように、
PBS104やダイクロイックミラー203を透過・反
射し、色分離されたR,GおよびB光ビームは、それぞ
れ対応する反射型液晶表示素子107−R、107−G
および107−Bに入射し、反射型液晶表示素子107
に供給される画像信号に従って、偏光方向が変調され
る。
【0060】反射型液晶表示素子107Rおよび107
Gでそれぞれ変調され反射されたRおよびG光ビーム
は、ダイクロイックミラー203に再度入射し、色合成
された後、再度PBS104に入射する。B光ビームも
反射型液晶表示素子107Bで変調された後、PBS1
04に入射する。PBS104では、これらの光ビーム
のうち偏光方向が変調された光のみ選択的に投影レンズ
108に入射させる。
【0061】上述したように、偏光制御素子202を用
いて特定の色の光ビームの偏光方向を回転させ、偏光分
離面105を透過した光ビームを表示用いるプロジェク
タを従来の偏光生成光学系を用いて構成すると、PBS
104の偏光分離特性の低下は、コントラスト比の低下
とともに、明るさや色純度が低下するという問題があっ
た。ところが、本発明の偏光生成光学系を用いることに
よって、上記の問題を解決し、コントラスト比ととも
に、明るさおよび色純度を改善することができる。
【0062】本実施形態によって、コントラスト比、明
るさおよび色純度を改善できる理由を図6を参照しなが
ら以下に説明する。
【0063】従来の偏光生成光学系のように、P偏光に
対する偏光分離面105の偏光分離特性が悪いと、偏光
制御素子202で偏光方向が回転されたP偏光となった
B光ビームの一部は、RおよびG光ビームとともに偏光
分離面105で反射され、反射型表示素子107Rおよ
び107Gに入射する。これらの反射型表示素子107
Rおよび107Gで変調されなたかったB光ビームの一
部は、偏光分離面105を透過し、表示光に混入するこ
ととになるので、表示のコントラスト比および色純度が
低下する。また、本来、反射型表示素子107Bに入射
し、変調されて、表示に利用されるべきB光ビームの利
用効率が低下する。
【0064】また、偏光制御素子202で偏光方向が回
転されP偏光となったB光ビームのうち偏光分離面10
5を透過したB光ビームの一部は反射型表示素子107
Bで変調されない。この変調されないB光ビームはP偏
光のまま偏光分離面105に入射する。このとき、偏光
分離面105のP偏光に対する偏光分離特性が悪いと、
B光ビームの一部が偏光分離面105で反射され、表示
光に混入することとなる。その結果、表示のコントラス
ト比および色純度が低下する。
【0065】さらに、偏光制御素子202で偏光方向が
変化せず、S偏光のまま偏光分離面105に入射したR
およびG光ビームは、偏光分離面105で高効率で反射
される。しかしながら、反射型表示素子107Rおよび
107Gで変調されP偏光となった後、再度偏光分離面
105に入射すると、偏光分離面105でその一部が反
射され、表示に利用されなくなる。このRおよびG光ビ
ームの利用効率の低下と上述したB光ビームの利用効率
の低下によって、明るさが大幅に低下する。
【0066】本発明による偏光生成光学系は、PBS1
04のP偏光に対する偏光分離特性が従来よりも改善さ
れているので、上述の問題の発生を抑制・防止すること
ができるので、コントラスト比とともに、明るさおよび
色純度を改善することができる。
【0067】液晶プロジェクタ200の他の構成要素の
機能を以下に説明する。
【0068】PBS104と投影レンズ108の間に
は、偏光制御素子202と同じ特性を有する偏光制御素
子204と、紙面に対して平行方向の偏光(P偏光)を
透過させる偏光板205とが配置されている。偏光制御
素子204は、B光ビームのみの偏光方向を回転し、
R、GおよびB光ビームの偏光方向を揃える。偏光板2
05は、偏光制御素子204からの光ビームのうちPB
S104で本来除去されるべき漏れ光を除去し、表示の
コントラスト比を向上させる。
【0069】PBS104と反射型液晶表示素子107
−R、107−Gとの間及びPBS104と反射型液晶
表示素子107−Bの間には、例えば、それぞれ、図8
(a)および(b)に示す特性を有するダイクロイック
ミラー206および207が挿入されている。ダイクロ
イックミラー206および207は、反射型表示素子1
07−R、107−Gおよび107−Bにそれぞれ対応
する波長の光以外の光ビームを除去する。
【0070】本実施形態では、ダイクロイックミラー2
06をPBS104の直後に配置したが、ダイクロイッ
クミラー203で光を分離した後、すなわち、ダイクロ
イックミラー203と反射型表示素子107−Rおよび
/または反射型表示素子107−Gとの間にダイクロイ
ックミラーを配置しても良い。この配置を採用した場合
には、ダイクロイックミラーの分光特性は、反射型液晶
表示素子107−Gに対応するダイクロイックミラーは
G光ビームのみを透過、反射型液晶表示素子107−R
に対応するダイクロイックミラーはR光ビームのみを透
過するものを用いても良く、PBS104や偏光制御素
子202の特性によっては、どちらか一方にのみ配置し
ても良い。
【0071】また、本実施形態では、PBS104で分
離された光路の両方にそれぞれダイクロイックミラー2
06および207を配置したが、PBS104や偏光制
御素子202の特性によっては、ダイクロイックミラー
206および207を省略しても良く、一方だけを設け
ても良い。
【0072】さらに、本実施形態では、B光ビームとG
光ビームとの境界波長域を除去する働きと、R光ビーム
とG光ビームとの境界波長域を除去する働きをあわせ持
つトリミングフィルタ201を使用したが、トリミング
フィルタ201は、PBS104や偏光制御素子202
の特性および使用する波長域によっては、必ずしも両方
の境界波長域の光を除去する必要はなく、また、要求さ
れる表示性能によっては、省略してもよい。また、トリ
ミングフィルタ201の配置位置は、光源101からス
クリーン(不図示)までの光路上であれば、いかなる位
置でも良い。
【0073】本実施形態では、B光ビームの偏光方向を
回転させる偏光制御手段202および204を用いた
が、偏光方向を回転させる色光ビームはこれに限定され
るものではなく、また、PBS104に入射する各色光
ビームのP偏光とS偏光とが入れ替わっても良い。
【0074】本実施形態では、白色光ビームをPBS1
04で、R、GおよびB光ビームに分離したが、(G、
B)とRまたは(B、R)とGなど、組み合わせを変え
ることも可能である。この場合、偏光制御素子202お
よび204で偏光方向を回転させる色光ビームを変える
だけで良い。
【0075】また、本実施形態では、PBS104の光
入射側及び出射側の両方に偏光板と偏光制御手段を配置
したが、光出射側の偏光制御手段204と偏光板205
は必ずしも必要ではなく、省略してもよい。また、反射
型液晶表示素子107としては、実施形態1と同様に、
公知の反射型表示装置を広く利用することができる。
【0076】上述したように、本実施形態の液晶プロジ
ェクタ200は、本発明による偏光生成光学系を備えて
いるので、PBSのP偏光に対する偏光分離特性の低下
によって発生していた混色や必要な光の減衰を防止で
き、明るく、色純度が良く、高コントラスト比の表示を
実現することができる。
【0077】本実施形態による他の液晶プロジェクタ2
00’を図9を参照しながら説明する。
【0078】液晶プロジェクタ200’は、図6に示し
た液晶プロジェクタ200における板状のダイクロイッ
クミラー203に代えて、ダイクロイックプリズム20
3’を備えている点において異なる。また、ダイクロイ
ックプリズム203’による収差や光路調整するため
に、B光ビームの光路にもガラスプリズム208を設け
ている。このプリズム208とPBS104とを一体化
させて作製しても良い。液晶プロジェクタ200’の他
の構成要素は、液晶プロジェクタ200の構成要素と同
じ参照符号で示し、ここではその説明を省略する。
【0079】ダイクロイックプリズム203’を用いる
場合には、色分離面203aにおける偏光依存性を低減
するために、図10に示すように、ダイクロイックプリ
ズム203’の色分離面203aの法線に対する入射光
の角(入射角β)が、45°より小さく、好ましくは4
0°以下、となるように構成することが好ましい。
【0080】色分離面203aに対する入射角が大きい
と、色分離面203aの分光特性がP偏光とS偏光とに
よって異なる(偏光依存性が生じる)。この偏光依存性
は、色分離面203aを2つのガラスプリズムの間に有
する、上述のダイクロイックプリズムにおいて顕著とな
る。また、図9に示したプロジェクタ200’のように
反射型画像表示素子107を用いたプロジェクタにおい
ては、光ビームが色分離素子を2回(往路と復路)通過
するので、色分離面の分光特性の偏光依存性の影響を強
く受ける。具体的には、典型的な色分離面203aは、
P偏光よりもS偏光に対する帯域が狭く、S偏光の一部
を反射してしまうことが多い。したがって、S偏光を表
示に利用する構成においては、光の利用効率が低下し、
暗い表示となってしまう。
【0081】上述したように、ダイクロイックプリズム
203’の色分離面203aの法線に対する入射光の角
(入射角β)が、45°より小さく、好ましくは40°
以下となるように構成することによって、この問題を抑
制することができる。さらに、図10に示したように、
ダイクロイックプリズム203’の入射面および出射面
に対して光ビームの主光線が略垂直に入射するように構
成することによって、ダイクロイックプリズム203’
と空気との界面における光の屈折を抑制・防止できるの
で好ましい。例えば、図10に示した様に、頂角が鈍角
の2等辺三角形の断面形状を有するプリズムを2つ底面
で貼り合わせた構成を採用することによって、上記の条
件を満足するダイクロイックプリズムを容易に作製する
ことができる。なお、ダイクロイックプリズムの断面形
状は、上述した菱形に限られず、図3にPBS104の
例として図3に示したのと同様に、種々の形状であって
よい。但し、PBS104では頂角が鋭角であったのに
対し、ダイクロイックプリズム203の頂角は鈍角であ
る点は異なる。なお、色分離面203aは、公知の誘電
体多層膜として形成することができる。
【0082】このプロジェクタ200’も上述のプロジ
ェクタ200と同様の特性を有し、本実施形態による
と、コントラスト比、明るさおよび色純度に優れ、コン
パクトで安価なプロジェクタを提供することができる。
【0083】(実施形態3)本発明の実施形態3による
投影型カラー画像表示装置(液晶プロジェクタ)300
の模式図を図11に示す。実施形態1および2の液晶プ
ロジェクタの構成要素と実質的に同じ機能を有する構成
要素は同じ符号参照符号で示し、ここでは説明を省略す
る。
【0084】本実施形態の液晶プロジェクタ300は、
光源101から出射される白色光(R、G、B光ビーム
を含む)のうちの2色の色光ビームを含む2つの光ビー
ムを時分割で反射型表示素子107に照射する構成を有
している点において、実施形態2の液晶プロジェクタ2
00と異なる。
【0085】液晶プロジェクタ300の光源101の背
面には、光源101からの光ビームをその第2焦点に集
光させるための楕円鏡301が配置されている。楕円鏡
301の第2焦点近傍には、回転カラーフィルタ302
が配置されている。後述するように、この回転カラーフ
ィルタ302によって、R、G、B光ビームのうちの2
色の色光ビームを含む2つの光ビームを時分割で反射型
表示素子107に照射することが可能となる。
【0086】回転カラーフィルタ302を透過した光
は、回転カラーフィルタ302の前方に配置されたガラ
スロッド303に導かれる。このガラスロッド303
は、その内部で光ビームを反射し、光を伝達するもの
で、その光出射面が後述する反射型液晶表示素子107
(107−1および107−2)上に略結像するように
配置されている。ガラスロッド303の光出射面では、
ロッド内部で光が全反射を繰り返すため、照度分布がほ
ぼ均一になっている。ガラスロッド303を設けること
によって、反射型液晶表示素子107に入射する光ビー
ムの照度分布の均一性を向上することができる。
【0087】ガラスロッド303を出射した光は、照明
レンズ304とフィールドレンズ305に入射し、略平
行光にされたのち、偏光板103に入射する。偏光板1
03では、偏光方向が紙面に対して垂直方向の光ビーム
(S偏光)のみを透過し、偏光板103を透過した光ビ
ームは偏光制御素子202に入射する。
【0088】偏光制御素子202以降の光学系は、図6
に示した実施形態2の液晶プロジェクタ200と実質的
に同じである。ただし、液晶プロジェクタ300は、2
つの光ビーム(それぞれが3原色の光ビームのうちの2
つの光ビームを含む)を用いるので、液晶プロジェクタ
200における色分離素子203は不要で、反射型液晶
表示素子107は2個である。
【0089】偏光制御素子202は、実施形態2で用い
たものと同様の特性を有しており、入射光のうちB光ビ
ームの偏光方向だけを紙面に対して平行方向に回転し、
P偏光とする。偏光制御素子202を透過した光ビーム
はPBS104に入射する。PBS104の断面形状
は、例えば菱形である。偏光制御素子202を出射した
光ビームがPBS104に入射すると、RおよびG光ビ
ーム(S偏光)は、PBS104の偏光分離面105で
反射され、B光ビーム(P偏光)は、偏光分離面を透過
する。
【0090】PBS104の偏光分離面105で反射さ
れた光ビームは反射型液晶表示素子107−1に、透過
した光ビームは反射型液晶表示素子107−2に、それ
ぞれ入射し、画像信号に従って変調された後、再度PB
S104に向けて反射される。反射型液晶表示素子10
7によって偏光方向が変調された光ビームだけが、偏光
分離面105で投影レンズ108側に導かれ、スクリー
ンに投影され画像を表示する。PBS104と投影レン
ズ108の間には、偏光制御素子204と偏光板205
が配置されている。偏光制御素子204は、偏光制御素
子202と同様のものを用い、B光ビームの偏光方向だ
けを回転し、R、GおよびB光ビームの偏光方向を揃え
る。偏光板205は、偏光制御素子204を透過した光
ビームのうちPBS104で本来除去される光ビームの
漏れ光を除去し、コントラスト比をを向上させる。
【0091】本実施形態の液晶プロジェクタ300は時
分割で色表示を行うので、応答速度の観点から、反射型
液晶表示素子107として、例えば、応答速度が2ms
ec〜3msec以下となるような液晶表示素子を用い
ることが好ましい。このような素子として、例えば、液
晶材料や液晶分子の配向を工夫することにより、室温で
ネマチック相を呈する液晶層を有する液晶表示素子を用
いることができる。また、応答時間が2msec〜3m
sec以下である強誘電性を有する液晶材料を用いた液
晶表示素子を使用することができる。このように、公知
の反射型液晶表示素子を広く用いることができる。
【0092】次に、本実施形態における時分割色表示の
原理を説明する。
【0093】回転カラーフィルタ302は、図12
(a)に示すように、シアン(B、Gの成分を含む色
光)およびマゼンタ(B、Rの成分を含む色光)の光ビ
ームをそれぞれ透過する領域302aおよび302bを
有する。図12(a)に示した例では、領域302aお
よび302bが回転カラーフィルタの円周領域(360
°)を2分割(180°ずつ)するように配置されてい
る。
【0094】この回転カラーフィルタ302を、例えば
1/60秒(1フレーム期間に対応)で回転すると、シ
アンおよびマゼンタ光ビームがそれぞれ透過する時間
は、約8msec程度であり、この時間間隔毎に透過す
る光ビームの色が切り替わる。シアンおよびマゼンタ光
ビームの両方に共通に含まれるB光ビームは、回転カラ
ーフィルタ302の回転に関係なく、PBS104の偏
光分離面105を透過し、反射型液晶素子107−2に
入射する。一方、シアンおよびマゼンタ光ビームからB
光ビームが除去されたRおよびG光ビームは、回転カラ
ーフィルタ302の回転速度に応じて、上記の時間間隔
毎に順次切り替わり、反射型液晶素子107−1に入射
する。従って、回転カラーフィルタ302が一回転する
間に、R、GおよびB光ビームが反射型液晶素子107
−1および107−2で変調されることになる。
【0095】上記の例では、回転カラーフィルタ302
を1/60秒で回転させたが、2倍速やそれ以上の速度
にしてもよい。また、回転カラーフィルタ302の回転
速度を上げる変わりに、例えば、図12(b)に示す回
転カラーフィルタ302’ように、回転カラーフィルタ
の円周領域を4分割(シアンおよびマゼンタ領域のそれ
ぞれを2分割)するなど、カラーフィルタの分割数を多
くしても、同様の効果が得られる。回転カラーフィルタ
302の回転速度や分割数は、表示速度(フレーム期間
やフィールド期間)に応じて適宜設定すればよい。ま
た、時分割色表示のために用いるカラーフィルタ素子と
して、回転カラーフィルタを例示したがこれに限られな
い。
【0096】また、本実施形態では、B光ビームの偏光
方向を回転させる偏光制御手段202および204を用
いたが、RおよびG光ビームの偏光方向を回転させても
よく、PBS104に入射する各色光ビームのPおよび
S偏光が入れ替わっても良い。また、本実施形態では白
色光ビームの色分離は上記の例に限られず、R、G、B
光ビームのうちの任意の2色の色光ビームを含む2つの
光ビームを用いればよい。この場合、偏光制御素子20
2および204で偏光方向を回転させる光ビームの色を
適宜変更すればよい。偏光制御素子202および204
は、2つの光ビームに共通に含まれる色光ビームの偏光
方向を変換してもよいし、逆に、2つの光ビームに共通
に含まれる色光ビーム以外の2色の色光ビーム(2つ)
の偏光方向を変換してもよい。
【0097】本実施形態の液晶プロジェクタ300は、
本発明による偏光生成光学系を備えているので、PBS
のP偏光に対する偏光分離特性の低下によって発生して
いた混色や必要な光の減衰を防止でき、明るく、色純度
が良く、高コントラスト比の表示を実現することができ
る。さらに、本実施形態によると、実施形態2よりもコ
ンパクトで低コストな液晶プロジェクタを提供すること
ができる。
【0098】(実施形態4)本発明による偏光生成光学
系を用いて、光の利用効率をさらに向上することができ
る。本実施形態の偏光生成光学系を図13(a)および
(b)に示す。
【0099】図13(a)に示した偏光生成光学系40
0は、入射光ビーム(非偏光)を受け、偏光方向が互い
に異なる2つの光ビーム(第1および第2出射光ビー
ム)に分離するPBS404と、分離された一方の光ビ
ーム(第2出射光ビーム;例えばS偏光)を反射し、こ
の光ビームを所定の方向に導く全反射ミラー406と、
分離された2つの異なる偏光方向を有する光ビームの偏
光方向を一致させるための偏光変換素子としての2分の
1波長板408とを有している。図示の例では、PBS
404の偏光分離面405で分離されたS偏光を2分の
1波長板408でP偏光に変換し、実質的に全ての入射
光ビームをP偏光として出射している。もちろん、PB
S404の偏光分離面405で分離されたP偏光を2分
の1波長板408でS偏光に変換し、実質的に全ての入
射光ビームをS偏光として出射する構成としてもよい。
また、用途によっては、偏光分離面405で分離された
2つの光ビームの進行方向を平行にするための全反射ミ
ラー406を省略してもよい。
【0100】また、図13(b)に示すように、複数の
PBSを有するアレイ504を用いて偏光生成光学系5
00を構成してもよい。例えば、図示したように、フラ
イアイレンズ502を介して入射する光ビームをPBS
504の偏光分離面505で分離し、偏光分離面505
で選択的に反射された光ビーム(例えばS偏光)を2分
の1波長板508によって、偏光分離面505を透過し
た光ビーム(例えばP偏光)の偏光と一致させる構成と
することができる。なお、2分の1波長板508は、P
BSアレイ504が有する複数のPBSに対して一つ置
きに配置する。
【0101】偏光生成光学系400におけるPBS40
4および偏光生成光学系500におけるPBSアレイ5
04は、上述の実施形態におけるPBS104と実質的
に同じであり、従来の偏光生成光学系におけるPBSの
P偏光に対する偏光分離特性の低下を抑制・防止する効
果を有している。従って、入射光ビームが直角プリズム
を用いたPBSの偏光分離面に45°で入射する構成を
有する従来の偏光生成光学系(例えば、特開平8−30
4739号公報)よりも、優れた偏光状態の偏光を高効
率で出射することができる。
【0102】本実施形態の偏光生成光学系400および
500は、偏光を用いる種々の光学系に好適に用いるこ
とができる。例えば、偏光生成光学系400を先の実施
形態1から3のプロジェクタに利用することによって、
さらに明るい表示が可能となる。あるいは、光の利用効
率の上昇を利用して、光源の出力を低下することによっ
て、光源の小型化や低消費電力化の効果を得ることもで
きる。
【0103】具体的には、例えば、実施形態1の液晶プ
ロジェクタ100の偏光板103に加えて、偏光生成光
学系400を用いることによって、偏光板103で吸収
されていた偏光を表示に利用することが可能となる。光
源101から出射される光ビームは一般に非偏光なの
で、偏光板103で吸収される光の量は、出射光量の約
50%である。従って、本実施形態の偏光生成光学系を
用いることによって、光の利用効率が約2倍となる。
【0104】上述の実施形態1から4では、反射型の液
晶プロジェクタを例に本発明を説明したが、本発明によ
る偏光生成光学系は、これに限られず、透過型の液晶プ
ロジェクタや、偏光を利用する表示装置や他の光学装置
のための照明装置として好適に利用することができる。
また、例示した反射型液晶プロジェクタの反射型液晶表
示素子を直線偏光(S偏光またはP偏光)の偏光方向を
変調する素子として、反射型液晶表示素子の機能を説明
したが、これに限られず、入射光の偏光状態を変調する
素子を広く用いることができる。例えば、楕円偏光を構
成する2つの直交する直線偏光のうちの一方の直線偏光
の振幅を変調する素子や、直交する2つの直線偏光の位
相差を変調する素子を用いることができる。
【0105】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、PBSの
P偏光に対する偏光分離特性の低下の影響を受けない偏
光生成光学系を構成できる。従って、本発明による偏光
生成光学系を画像表示装置に適用することよって、明る
く、コントラストの良い画像を表示することができる。
【0106】また、光源からのR、GおよびB光ビーム
のうちの1色の光ビームを他の2色の光ビームと偏光方
向を異ならせてPBSに入射させる方式の画像表示装置
においては、混色による色純度の低下を防止でき、明る
く、色純度が良く、高コントラストで、コンパクトな画
像表示装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による偏光生成光学系を模式的に示す斜
視図である。
【図2】本発明による偏光生成光学系におけるPBSの
偏光分離特性を示すグラフである。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の実施形態で用いら
れるPBSの例を示す模式的な断面図である。
【図4】本発明の実施形態1による液晶プロジェクタ1
00の模式図である。
【図5】(a)および(b)は、実施形態1による他の
液晶プロジェクタの模式図である。
【図6】本発明の実施形態2による液晶プロジェクタ2
00の模式図である。
【図7】実施形態2の液晶プロジェクタに用いられる偏
光制御素子の偏光選択特性の波長依存性を示すグラフで
ある。
【図8】ダイクロイックミラーの分光透過率を示すグラ
フである。
【図9】本発明の実施形態2による他の液晶プロジェク
タ200’の模式図である。
【図10】液晶プロジェクタ200’に用いられる色分
離用プリズムの模式図である。
【図11】本発明の実施形態3による液晶プロジェクタ
300の模式図である。
【図12】(a)および(b)は、液晶プロジェクタ3
00に用いられる回転カラーフィルタ302の模式図で
ある。
【図13】(a)および(b)は、本発明の実施形態4
の偏光生成光学系を示す模式図である。
【図14】従来の3板式液晶プロジェクタの模式図であ
る。
【図15】従来の他の3板式液晶プロジェクタの模式図
である。
【図16】従来の偏光生成光学系を模式的に示す斜視図
である。
【図17】従来の偏光生成光学系におけるPBSの偏光
分離特性を示すグラフである。
【符号の説明】
100、200、200’、300 液晶プロジェクタ 101 光源 102 放物面鏡 103 偏光板 104 PBS 105 偏光分離面 106 フィリップスタイププリズム 107 反射型画像表示素子 108 投影レンズ 109 偏光板 201 トリミングフィルタ 202 偏光制御素子 203 ダイクロイックミラー 204 偏光制御素子 205 偏光板 206 ダイクロイックミラー 207 ダイクロイックミラー 208 ガラスロック 301 楕円鏡 302 回転カラーフィルタ 303 ガラスロッド 304 照明レンズ 305 フィールドレンズ 601 光源 602 PBS 603 クロスダイクロイックミラー 604 反射型液晶表示素子 605 投影レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 浩 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA05 BA16 BC22 2H088 EA15 EA16 EA18 HA13 HA20 HA24 HA28 MA02 MA06 2H099 AA12 BA09 CA02 CA11 5C060 BA03 BA08 BC05 EA00 GA01 GB02 GB06 HC00 HC16 HC20 HC24 HC25 JA11 JA17 JB06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを出射する光源と、 光ビームを偏光方向が互いに異なる第1および第2光ビ
    ームに分離する機能を有する第1偏光分離素子と、 前記光源から出射された光ビームの偏光状態を変調する
    反射型画像表示素子と、 前記反射型画像表示素子で変調された前記光ビームを投
    影する投影素子とを有する画像表示装置であって、 前記第1偏光分離素子は、前記光源から出射された前記
    光ビームを受ける入射面と、前記光ビームを分離する偏
    光分離面と、前記光ビームを前記反射型画像表示素子側
    に出射する第1出射面と、前記変調された光ビームを前
    記投影素子側に出射する第2出射面とを有し、 前記光源から出射された前記光ビームの主光線は、前記
    偏光分離面に45度を超える角度で入射し、且つ、前記
    光ビームの主光線および前記変調された光ビームの主光
    線は、前記第1出射面および前記第2出射面からそれぞ
    れ略垂直に出射する画像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記光源から出射された前記光ビーム
    の主光線は、前記第1偏光分離素子の前記入射面に略垂
    直に入射する請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記第1偏光分離素子は、2つの三角
    柱ガラスプリズムを互いに貼り合わせた構造を有し、前
    記2つの三角柱ガラスプリズムのうちの少なくとも一方
    は、前記光ビームの主光線と前記偏光分離面の法線とが
    形成する面内の断面が直角三角形ではない請求項1また
    は2に記載の画像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記光源から出射された前記光ビーム
    の主光線は、前記第1偏光分離素子の前記偏光分離面に
    55度以下の角度で入射する請求項1から3のいずれか
    に記載の画像表示装置。
  5. 【請求項5】 前記第1偏光分離素子および前記反射
    型画像表示素子が1対1で配置された光学系を複数有す
    る請求項1から4のいずれかに記載の画像表示装置。
  6. 【請求項6】 前記第1偏光分離素子1つに対し、前
    記反射型画像表示素子が複数配置された光学系を有する
    請求項1から4のいずれかに記載の画像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記光源から出射された前記光ビーム
    は3原色の光ビームを含み、3原色の光ビームのうちの
    少なくとも1つの色の光ビームの偏光方向を選択的に変
    化させる偏光制御素子をさらに有する請求項1から6の
    いずれかに記載の画像表示装置。
  8. 【請求項8】 前記光源から出射された前記光ビーム
    に含まれる3原色の光ビームのうち同じ偏光方向を有す
    る2つの色の光を互いに分離する色分離素子をさらに有
    し、 前記色分離素子は、色分離される光ビームが入射する入
    射面と、前記入射した光ビームを互いに異なる色に分離
    する色分離面と、色分離された色光ビームを出射する出
    射面とを有し、 前記色分離される光ビームの主光線は、前記入射面に略
    垂直に入射し、且つ、前記色分離面に45度未満の角度
    で入射し、前記色分離された色光ビームの主光線は、前
    記出射面から略垂直に出射する請求項7に記載の画像表
    示装置。
  9. 【請求項9】 前記光源から出射された3原色の光ビー
    ムを第1色光ビーム、第2色光ビームおよび第3色光ビ
    ームとするとき、前記第1色光ビームと前記第3色光ビ
    ームとを組み合わせた色光ビームと、前記第2色光ビー
    ムと前記第3色光ビームとを組み合わせた色光ビームと
    を、順次選択的に透過するカラーフィルタ素子をさらに
    有し、 前記偏光制御素子は、前記第3色光ビームの偏光方向ま
    たは前記第1色光ビームおよび前記第2色光ビームの偏
    光方向を変化させる請求項7に記載の画像表示装置。
  10. 【請求項10】 前記光源と前記第1偏光分離素子との
    間に、光ビームを偏光方向が互いに異なる第3および第
    4光ビームに分離する機能を有する第2偏光分離素子
    と、 前記光源から出射され、前記第2偏光分離素子で分離さ
    れた第4光ビームの偏光方向を前記第3光ビームの偏光
    方向と同じにする偏光変換素子と、 をさらに有し、 前記第2偏光分離素子は、前記光源から出射された前記
    光ビームを受ける入射面と、前記光ビームを分離する偏
    光分離面と、前記第3光ビームを出射する第3出射面
    と、前記第4光ビームを出射する第4出射面とを有し、 前記光源から出射された前記光ビームの主光線は、前記
    第2偏光分離素子の前記偏光分離面に45度を超える角
    度で入射し、且つ、前記第3および第4光ビームの主光
    線は、それぞれ前記第3出射面および前記第4出射面か
    らそれぞれ略垂直に出射し、 前記第2偏光分離素子で分離された前記第3光ビーム
    と、前記第2偏光分離素子で分離され、且つ前記偏光変
    換素子で前記第3光ビームの偏光方向と同じ偏光方向と
    された前記第4光ビームとを前記第1偏光分離素子の前
    記入射面に供給する請求項1から9のいずれかに記載の
    画像表示装置。
  11. 【請求項11】 光ビームを出射する光源と、前記光源
    から出射された前記光ビームを偏光方向が互いに異なる
    第1および第2光ビームに分離する偏光分離素子とを有
    し、 前記偏光分離素子は、前記光源から出射された前記光ビ
    ームを受ける入射面と、前記光ビームを分離する偏光分
    離面と、前記第1光ビームを出射する第1出射面と、前
    記第2光ビームを出射する第2出射面とを有し、 前記光ビームの主光線は、前記偏光分離面に45度を超
    える角度で入射し、且つ、前記第1および第2光ビーム
    の主光線は、それぞれ前記第1出射面および前記第2出
    射面からそれぞれ略垂直に出射する照明装置。
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