JP2003028776A - 信号検出装置、信号検出装置によるプローブ顕微鏡、及び信号検出方法、信号検出方法を用いてサンプル表面を観察する観察方法 - Google Patents

信号検出装置、信号検出装置によるプローブ顕微鏡、及び信号検出方法、信号検出方法を用いてサンプル表面を観察する観察方法

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JP2003028776A
JP2003028776A JP2001217950A JP2001217950A JP2003028776A JP 2003028776 A JP2003028776 A JP 2003028776A JP 2001217950 A JP2001217950 A JP 2001217950A JP 2001217950 A JP2001217950 A JP 2001217950A JP 2003028776 A JP2003028776 A JP 2003028776A
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JP2001217950A
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Takeaki Itsuji
健明 井辻
Shunichi Shito
俊一 紫藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装置の距離制御能力が追従できないような構造
を避けて、サンプルの観察を最後まで容易に行うことの
できる信号検出装置、信号検出装置によるプローブ顕微
鏡、及びこれらの方法を提供する。 【解決手段】サンプル表面との非接触な状態での物理的
相互作用によるプローブの共振周波数のシフト量の信号
を検出する信号検出装置または方法において、プローブ
の自励発振を促すシステムから出力される信号の振幅値
をモニタする手段と、該手段の出力を参照し、サンプル
表面と前記プローブ先端の探針部との接触を回避するた
めの制御信号を出力する探針退避回路と、この出力をサ
ーボ回路の出力に加算して、前記サンプル表面とプロー
ブ先端間の距離制御を行う加算回路と、を有する構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号検出装置、信
号検出装置によるプローブ顕微鏡、及び信号検出方法、
信号検出方法を用いてサンプル表面を観察する観察方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、導体の電子構造を直接観察できる
走査型トンネル顕微鏡(STM)の開発以来、原子間力
顕微鏡(AFM)、走査型容量顕微鏡(SCaM)、近
接場顕微鏡(SNOM)といった、先端の尖ったプロー
ブを走査することにより様々な情報とその分布を得る顕
微鏡装置が、次々と開発されている。現在、これらの顕
微鏡は、走査型プローブ顕微鏡(SPM)と総称され、
原子、分子レベルの解像度をもつ微細構造の観察手段と
して広く用いられている。
【0003】AFMは、原子間力により生じるプローブ
のたわみを検出することにより、サンプル表面の微細な
凹凸を観察する顕微鏡である。このAFM観察によれ
ば、導体のサンプルしか観察できないSTMと違って、
サンプルが絶縁体であっても容易に観察を行うことがで
きることから、その応用範囲は広い。そのため、次世代
の原子・分子操作装置としても注目されており、様々な
報告がされている。
【0004】特に、非接触領域(引力領域)において、
プローブ先端とサンプル表面との物理的な接触なしにサ
ンプル表面形状を観察することができるものとして、非
接触型原子間力顕微鏡(ncAFM)が知られている。
このncAFMは、プローブを共振点で加振させ、サン
プル表面とプローブの探針との間の物理的相互作用(プ
ローブの探針とサンプル表面との間に働く分子間力)に
よるプローブの共振周波数のシフト量を検出することに
より、サンプル表面形状の観察を行うAFMである
(J.Appl.Phys.69(2),15 Jan
uary 1991)。
【0005】図1に、ncAFMの構成図を示す。プロ
ーブの加振はアクチュエータ102で行われ、その制御
には主にI/V変換回路108、ゲインコントロール回
路109、位相シフタ111が用いられる。レーザダイ
オード106より照射された光はプローブ101の先端
で反射して光電変換素子107に入射する(光てこ方
式)。光電変換素子107として2分割フォトダイオー
ドや、4分割フォトダイオード等を使用することによっ
て、プローブ101先端の変位(たわみ量)を知ること
ができる。そのため、プローブ101の加振時の周波数
情報も光電変換素子107の出力として得られる。ゲイ
ンコントロール回路109は入力された信号(ここでは
I/V変換回路108の出力)の強度を一定にして出力
するような回路で、アクチュエータ102への印加電圧
を制御している。位相シフタ111はゲインコントロー
ル回路109の出力の位相と、プローブ101の位相と
が同位相になるように調整することによって、系の発振
を促し、プローブ101の共振を実現させている。図の
ような構成をとることにより、プローブ101先端に外
力(原子間力)による影響で共振点が変動しても、その
変動した共振点でプローブ101を加振させることが可
能になる。
【0006】位相検出回路110、サーボ回路112は
スキャナ105のZ方向(サンプル103に対して垂直
方向)の制御を行う部分である。ここではプローブ10
1先端とサンプル103表面が近接したことによるプロ
ーブ101の共振周波数のシフト量が、常に一定値にな
るように制御する。スキャナ105をXYコントローラ
104によってXY方向(面方向)に動かし、サンプル
103表面をプローブ101で走査した時のZ方向の制
御量がサンプル表面の観察像として出力される。ここ
で、位相検出回路110はシフトしたプローブ101共
振周波数を電圧値に変換して出力する回路である。構成
としてはPLL(Phase Locked Loo
p)回路がよく用いられ、その出力値をサーボ回路11
2に入力している。
【0007】このncAFM観察によれば、観察は非接
触領域において行われるので、プローブ先端とサンプル
表面とが接触することによる影響を回避することができ
る。このようなことから、ncAFMは原子・分子操作
装置としての応用がより一層期待されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、位相検出回
路110として用いているPLL回路は、位相比較器・
VCO(電圧制御型発振器)・LPF等を用いたフィー
ドバック・ループを利用しているため、PLL回路が安
定に動作するまで時間がかかってしまう。そのため、例
えば、観察時のスループットをあげるために高速スキャ
ンを行おうとすると、サンプル103表面上に予測して
いない異物や激しい凹凸が存在した場合、スキャナ10
5へのフィードバックが追従できず、プローブ101の
先端がサンプル103表面と接触して、プローブ101
の共振が停止し、その後の観察ができなくなるという問
題点があった。特開平9−178761号公報では、接
触状態を周波数的に監視する機構を用いて、接触に近い
状態になったときにプローブを引き上げ、観察を停止さ
せる構成を有しているが、そのために、サンプルの観察
を最後まで行うことができなくなっている。
【0009】そこで、本発明は、上記課題を解決し、サ
ンプル上に存在する予測していない異物や、スキャナが
追従しきれない程の周波数成分を有する凹凸が存在した
場合において、それらを回避し、サンプルの観察を最後
まで容易に行うことのできる信号検出装置、信号検出装
置によるプローブ顕微鏡、及び信号検出方法、信号検出
方法を用いてサンプル表面を観察する観察方法を提供す
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するため、つぎの(1)〜(10)のように構成した
信号検出装置、信号検出装置によるプローブ顕微鏡、及
び信号検出方法、信号検出方法を用いてサンプル表面を
観察する観察方法を提供するものである。 (1)プローブ先端の探針部と非接触な状態に置かれた
サンプル表面との間に物理的相互作用を働かせ、前記物
理的相互作用による前記プローブの共振周波数のシフト
量の信号を検出する信号検出装置において、前記プロー
ブの自励発振を促すシステムから出力される信号の振幅
値をモニタするピークディテクタ回路と、前記ピークデ
ィテクタ回路の出力を参照し、前記サンプル表面と前記
プローブ先端の探針部との接触を回避するための制御信
号を出力する探針退避回路と、前記探針退避回路の出力
を、サンプル表面とプローブ先端との距離制御用の信号
を生成するサーボ回路の出力に加算して、前記サンプル
表面とプローブ先端間の距離制御を行う加算回路と、を
有することを特徴とする信号検出装置。 (2)前記探針退避回路は、参照信号を出力する参照信
号発生回路と、該参照信号発生回路の出力値と前記ピー
クディテクタ回路の出力値とを比較してその差信号を出
力するコンパレート回路と、によって構成されているこ
とを特徴とする上記(1)に記載の信号検出装置。 (3)前記探針退避回路は、参照信号を出力する参照信
号発生回路と、該参照信号発生回路の出力値をスレッシ
ョルドとして前記ピークディテクタ回路の出力値を比較
するコンパレート回路と、該コンパレート回路の出力を
参照してパルス信号を発生させるパルス信号発生装置
と、によって構成されていることを特徴とする上記
(1)に記載の信号検出装置。 (4)前記加算回路は、前記サンプルを載置したスキャ
ナの垂直方向の距離制御を行うように構成されているこ
とを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の
信号検出装置。 (5)プローブによって信号を検出する信号検出装置を
備え、サンプル表面を観察するプローブ顕微鏡におい
て、前記信号検出装置を上記(1)〜(4)のいずれか
に記載の信号検出装置によって構成したことを特徴とす
るプローブ顕微鏡。 (6)プローブ先端の探針部と非接触な状態に置かれた
サンプル表面との間に物理的相互作用を働かせ、前記物
理的相互作用による前記プローブの共振周波数のシフト
量の信号を検出する信号検出方法において、前記プロー
ブの自励発振を促すシステムから出力される信号の振幅
値をモニタするステップと、前記ステップのモニタされ
た信号の出力を参照し、前記サンプル表面と前記プロー
ブ先端の探針部との接触を回避するための制御信号を出
力するステップと、前記ステップの制御信号の出力を、
サンプル表面とプローブ先端との距離制御用の信号を生
成するサーボ回路の出力に加算して、前記サンプル表面
とプローブ先端間の距離制御を行うステップと、を有す
ることを特徴とする信号検出方法。 (7)前記プローブ先端の探針部の接触を回避するため
の制御信号を出力するステップは、参照信号を出力する
ステップと、前記参照信号の出力値と前記プローブの自
励発振を促すシステムにおけるモニタされた信号の出力
値とを比較してその差信号を出力するステップと、によ
って構成されていることを特徴とする上記(6)に記載
の信号検出方法。 (8)前記プローブ先端の探針部の接触を回避するため
の制御信号を出力するステップは、、参照信号を出力す
るステップと、前記参照信号のの出力値をスレッショル
ドとして前記プローブの自励発振を促すシステムにおけ
るモニタされた信号の出力値を比較するコンパレート回
路と、該コンパレート回路の出力を参照してパルス信号
を発生させるパルス信号発生装置と、によって構成され
ていることを特徴とする上記(6)に記載の信号検出方
法。 (9)前記加算回路は、前記サンプルを載置したスキャ
ナの垂直方向の距離制御を行うように構成されているこ
とを特徴とする上記(6)〜(8)のいずれかに記載の
信号検出方法。 (10)プローブによる信号検出方法を用いてサンプル
表面を観察する観察方法において、前記信号検出方法を
上記(6)〜(9)のいずれかに記載の信号検出方法を
用いてサンプル表面を観察することを特徴とする観察方
法。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面を参照して説明する。図2は本発明の装置構成を示
した図である。本装置は、プローブ201・アクチュエ
ータ202・レーザダイオード206・光電変換素子2
07・I/V変換回路208・ゲインコントロール回路
209・位相シフタ211で構成されるプローブ201
の加振系と、位相検出回路210・サーボ回路212・
加算回路215・スキャナ205・ピークディテクタ回
路213・探針退避回路214・加算回路202で構成
されるプローブ201とサンプル203の距離制御系で
構成されている。
【0012】また、サンプル203の表面観察は、XY
コントローラ204を用いてスキャナ205をXY
(面)方向にサンプル203を走査することによって行
う。この時、プローブ201はアクチュエータ202に
よって共振点で加振されている。共振点での加振方法を
説明する。プローブ201先端にレーザダイオード20
6によって光を照射し、反射光よりプローブ201先端
の変動を光電変換素子207、I/V変換回路208で
電圧の信号に変換する(光てこ方式)。ゲインコントロ
ール回路209では、I/V変換回路208より出力さ
れた電圧信号の振幅値を一定値に調整する。位相シフタ
211でゲインコントロール回路209の出力電圧値の
位相と、プローブ201の位相を合わせ込むことによっ
て系自体の発振を促し、プローブ201を共振点で加振
させる(フィードフォワード制御)。なお、プローブ2
01先端の変動の検出方法は、光てこ方式に限るもので
はない。このフィードフォワード制御を行うことによっ
て、プローブ201の先端に外力(原子間力等)による
影響で共振周波数がシフトしても、そのシフトした点で
共振を行わせることが可能になる。
【0013】この共振周波数のシフト量は、プローブ2
01の共振周波数のシフト量に対応した電圧の信号とし
て位相検出回路210によって検出さる。この位相検出
回路210としては、PLL等の周波数/電圧変換回路
等が用いられる。サーボ回路212は、位相検出回路2
10の出力を参照し、プローブ201の周波数シフト量
を一定値に制御するための信号を出力する。具体的な制
御方法は、スキャナ205をZ方向(高さ方向)に動か
すことにより、プローブ201とサンプル203との距
離制御を行うが、実際にスキャナ203を制御するのは
加算回路215である。加算回路215の動作について
は後述する。このサーボ回路212の制御量は、サンプ
ル203の表面形状の観察像として画像化される。
【0014】加算回路215は、サーボ回路212の出
力と探針退避回路214の出力をそれぞれ加算して、ス
キャナ205を制御する回路である。サーボ回路212
の出力は、先にも述べたようにサンプル203表面の形
状に対応した信号である。探針退避回路214は、サン
プル203表面にゴミ等の異物や、激しい凹凸の構造
等、ncAFM装置の距離制御能力が追従できない程の
スループット(周波数信号)が検出された時、スキャナ
205を引き下げる(プローブ201とサンプル203
の距離を離す)信号を出力する回路である。この動作
は、装置の距離制御能力が及ばなくなった結果、プロー
ブ201先端とサンプル203表面が接触し、プローブ
201の加振が停止し、その後の観察ができなくなるこ
とを避けるために行うものである。このncAFM装置
の距離制御能力が追従できない程のスループット(周波
数信号)が検出されたかどうかの判断の基準は、ピーク
ディテクタ回路213の出力信号の変動を参照する。
【0015】ピークディテクタ回路213は、I/V変
換回路208から出力されるAFM信号の振幅値をモニ
タする回路である。サンプル203表面の観察時に、装
置の距離制御系が正常に動作している場合、プローブ2
01とサンプル203の距離は常に一定になるように制
御されているため、AFM信号の振幅値は一定になる。
そのため、ピークディテクタ回路213からはある一定
値が出力される。
【0016】探針退避回路214は、ピークディテクタ
回路213の出力信号の変動をモニタしてスキャナ20
5を制御する信号を出力するため、ピークディテクタ回
路213の出力に変動がなかった場合、この動作は行わ
れず、ある一定の信号を加算回路215に出力する。サ
ンプル203表面にゴミ等の異物や、激しい凹凸の構造
等、ncAFM装置の距離制御能力が追従できない程の
スループット(周波数信号)が検出された時、サンプル
203とプローブ201は急接近(またはサンプルに接
触)しているため、プローブ201の先端には、サンプ
ル203との物理的相互作用(本実施の形態では原子間
力)が強く働き、プローブ201の振幅値が変化する。
ピークディテクタ回路213はAFM信号の振幅値を検
出する回路であるため、その出力が変動し、探針退避回
路214はスキャナ205を引き下げるような信号を出
力する。
【0017】上記構成によれば、サンプル上に存在する
予測していない異物や、スキャナが追従しきれない程の
周波数成分を有する凹凸が存在した場合において、それ
らを回避し、サンプルの観察を最後まで容易に行うこと
のできる。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]装置構成図は図2である。特に探針退避回
路214は図3のように構成した。この時のプローブ2
01の動作を図5に示す。
【0019】図2において、プローブ201は共振周波
数380KHz、振動系の鋭さを表すQ値が大気中で4
00のものを使用した。アクチュエータ202は圧電セ
ラミックスを用い、光電変換素子207は4分割フォト
ダイオードを用いた。スキャナ205はXYZ方向に走
査可能なチューブピエゾを用いた。I/V変換回路20
8・位相シフタ211・ピークディテクタ回路213・
加算回路215はOpAmp等のICや抵抗・コンデン
サ・ダイオード等の素子で構成される一般的な回路構成
を用いた。サーボ回路212はPI(比例・積分)制御
を行う回路構成で実現した。位相検出回路210はパッ
ケージされたIC、74VHC4046(Fairch
ild Semiconductor社)を用いたPL
L回路で実現した。
【0020】探針退避回路214の構成は、図3のよう
に、コンパレート回路301・参照信号発生回路302
で構成した。コンパレート回路301はOpAmpで構
成される差動増幅回路で実現した。また、参照信号発生
回路302は、基準電源用IC、AD581(アナログ
・デバイセズ社)を用いた回路構成で実現した。参照信
号は、コンパレート回路301に入力されるピークディ
テクタ回路213の出力値(AFM信号の振幅に対応)
と同じ値になるように設定した。コンパレート回路30
1は、ピークディテクタ回路213の出力と、参照信号
発生回路302の出力を比較して、その差分を加算回路
215に入力する回路である。
【0021】この回路の動作とプローブの動作を図5に
示す(回路動作(1)・プローブ動作(2))。プロー
ブの距離制御能力が追従しきれないような構造物に接近
した場合、プローブの先端に強い原子間力が働き、プロ
ーブが拘束された結果、AFM信号の振幅値が小さくな
る。その結果、参照信号発生回路302の参照信号との
間にずれが生じ、コンパレート回路301からは、その
差分のERROR SIGNALが出力される。この
時、スキャナ205は引き下げられ、プローブと構造物
との距離は引き離される(図5)。プローブと構造物
との間に十分な距離が保たれ、AFM信号の振幅値が参
照信号と同じレベルになると、再びプローブの距離制御
が開始され、通常の観察動作に移行する(図5)。
【0022】本実施例では、サンプル203としてSi
基板上に高さ100[nm]のAuパターンを形成した
もを使用し、Si基板とAuパターンの境界上で観察を
行ったところ、プローブの共振を止めることなく安定に
観察動作を行えることが確認された。
【0023】[実施例2]装置構成図は図2である。特
に探針退避回路214は図4のように構成した。この時
のプローブ201の動作を図6に示す。
【0024】図2において、プローブ201は共振周波
数380KHz、振動系の鋭さを表すQ値が大気中で4
00のものを使用した。アクチュエータ202は圧電セ
ラミックスを用い、光電変換素子207は4分割フォト
ダイオードを用いた。スキャナ205はXYZ方向に走
査可能なチューブピエゾを用いた。I/V変換回路20
8・位相シフタ211・ピークディテクタ回路213・
加算回路215はOpAmp等のICや抵抗・コンデン
サ・ダイオード等の素子で構成される一般的な回路構成
を用いた。サーボ回路212はPI(比例・積分)制御
を行う回路構成で実現した。位相検出回路210はパッ
ケージされたIC、74VHC4046(Fairch
ild Semiconductor社)を用いたPL
L回路で実現した。
【0025】探針退避回路214の構成は、図4のよう
に、コンパレート回路401・参照信号発生回路402
・パルス信号発生回路403で構成した。コンパレート
回路401はOpAmpで構成される一般的な比較回路
で実現した。また、参照信号発生回路402は、基準電
源用IC、AD581(アナログ・デバイセズ社)を用
いた回路構成で実現した。参照信号は、コンパレート回
路401に入力されるピークディテクタ回路213の出
力値(AFM信号の振幅に対応)と同じ値になるように
設定した。コンパレート回路401は、ピークディテク
タ回路213の出力と、参照信号発生回路402の出力
を比較して、ピークディテクタ回路213の出力値が参
照信号よりも小さくなった場合、パルス信号発生回路4
03にトリガを与える回路である。パルス信号発生回路
403は任意波形発生器LW420A(LeCroy
社)を使用した。
【0026】この回路の動作とプローブの動作を図6に
示す(回路動作(1)・プローブ動作(2))。プロー
ブの距離制御能力が追従しきれないような構造物に接近
した場合、プローブの先端に強い原子間力が働き、プロ
ーブが拘束された結果、AFM信号の振幅値が小さくな
る。その結果、参照信号発生回路402の参照信号との
間にずれが生じ、コンパレート回路401からはトリガ
信号が発生する。パルス信号発生回路403は、このト
リガ信号を受けて図6(1)のような信号を出力する。
その信号が発生している間、スキャナ205は引き下げ
られ、プローブと構造物との距離は引き離される(図6
)。プローブと構造物との間に十分な距離が保たれ、
AFM信号の振幅値が参照信号と同じレベルになると、
再びプローブの距離制御が開始され、通常の観察動作に
移行する(図6)。この時パルス信号発生回路408
から発生される信号の速度(傾き)は、プローブと構造
物間の距離制御のフィードバックが追従するよりも遅い
速度(傾き)である。
【0027】本実施例では、サンプル203としてSi
基板上に高さ100[nm]のAuパターンを形成した
ものを使用し、Si基板とAuパターンの境界上で観察
を行ったところ、プローブの共振を止めることなく安定
に観察動作を行えることが確認された。
【0028】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、距離制御システムが追従できないような構造を避け
て、サンプルの観察を行うことが可能になるので、プロ
ーブの共振が止まることなく、最後まで安定な観察動作
を行うことが容易になる。さらに、そのような構造に接
近してもプローブとサンプルとが接触することがないた
め、プローブ先端の保護を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の非接触型原子間力顕微鏡(ncAFM)
の構成を示す図である。
【図2】本発明の非接触型原子間力顕微鏡(ncAF
M)の構成を示す図である。
【図3】実施例1における探針退避回路の構成例を示す
図である。
【図4】実施例2における探針退避回路の構成例を示す
図である。
【図5】実施例1のプローブ動作を示した図である。
【図6】実施例2のプローブ動作を示した図である。
【符号の説明】
101,201:プローブ 102,202:アクチュエータ 103,203:サンプル 104,204:XYコントローラ 105,205:スキャナ 106,206:レーザダイオード 107,207:光電変換素子 108,208:I/V変換回路 109,209:ゲインコントロール回路 110,210:位相検出回路 111,211:位相シフタ 112,212:サーボ回路 213:ピークディテクタ回路 214:探針退避回路 215:加算回路 301,401:コンパレート回路 302,402:参照信号発生回路 403:パルス信号発生回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA06 AA50 FF44 GG06 JJ18 JJ22 PP24 QQ25 QQ27 2F069 AA57 GG04 GG07 GG71 HH30 JJ14 MM24 5J084 AA05 AD02 BA04 BA36

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プローブ先端の探針部と非接触な状態に置
    かれたサンプル表面との間に物理的相互作用を働かせ、
    前記物理的相互作用による前記プローブの共振周波数の
    シフト量の信号を検出する信号検出装置において、 前記プローブの自励発振を促すシステムから出力される
    信号の振幅値をモニタするピークディテクタ回路と、 前記ピークディテクタ回路の出力を参照し、前記サンプ
    ル表面と前記プローブ先端の探針部との接触を回避する
    ための制御信号を出力する探針退避回路と、 前記探針退避回路の出力を、サンプル表面とプローブ先
    端との距離制御用の信号を生成するサーボ回路の出力に
    加算して、前記サンプル表面とプローブ先端間の距離制
    御を行う加算回路と、 を有することを特徴とする信号検出装置。
  2. 【請求項2】前記探針退避回路は、参照信号を出力する
    参照信号発生回路と、該参照信号発生回路の出力値と前
    記ピークディテクタ回路の出力値とを比較してその差信
    号を出力するコンパレート回路と、によって構成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の信号検出装置。
  3. 【請求項3】前記探針退避回路は、参照信号を出力する
    参照信号発生回路と、該参照信号発生回路の出力値をス
    レッショルドとして前記ピークディテクタ回路の出力値
    を比較するコンパレート回路と、該コンパレート回路の
    出力を参照してパルス信号を発生させるパルス信号発生
    装置と、によって構成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の信号検出装置。
  4. 【請求項4】前記加算回路は、前記サンプルを載置した
    スキャナの垂直方向の距離制御を行うように構成されて
    いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の信号検出装置。
  5. 【請求項5】プローブによって信号を検出する信号検出
    装置を備え、サンプル表面を観察するプローブ顕微鏡に
    おいて、前記信号検出装置を請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の信号検出装置によって構成したことを特徴と
    するプローブ顕微鏡。
  6. 【請求項6】プローブ先端の探針部と非接触な状態に置
    かれたサンプル表面との間に物理的相互作用を働かせ、
    前記物理的相互作用による前記プローブの共振周波数の
    シフト量の信号を検出する信号検出方法において、 前記プローブの自励発振を促すシステムから出力される
    信号の振幅値をモニタするステップと、 前記ステップのモニタされた信号の出力を参照し、前記
    サンプル表面と前記プローブ先端の探針部との接触を回
    避するための制御信号を出力するステップと、 前記ステップの制御信号の出力を、サンプル表面とプロ
    ーブ先端との距離制御用の信号を生成するサーボ回路の
    出力に加算して、前記サンプル表面とプローブ先端間の
    距離制御を行うステップと、 を有することを特徴とする信号検出方法。
  7. 【請求項7】前記プローブ先端の探針部の接触を回避す
    るための制御信号を出力するステップは、参照信号を出
    力するステップと、前記参照信号の出力値と前記プロー
    ブの自励発振を促すシステムにおけるモニタされた信号
    の出力値とを比較してその差信号を出力するステップ
    と、によって構成されていることを特徴とする請求項6
    に記載の信号検出方法。
  8. 【請求項8】前記プローブ先端の探針部の接触を回避す
    るための制御信号を出力するステップは、、参照信号を
    出力するステップと、前記参照信号のの出力値をスレッ
    ショルドとして前記プローブの自励発振を促すシステム
    におけるモニタされた信号の出力値を比較するコンパレ
    ート回路と、該コンパレート回路の出力を参照してパル
    ス信号を発生させるパルス信号発生装置と、によって構
    成されていることを特徴とする請求項6に記載の信号検
    出方法。
  9. 【請求項9】前記加算回路は、前記サンプルを載置した
    スキャナの垂直方向の距離制御を行うように構成されて
    いることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記
    載の信号検出方法。
  10. 【請求項10】プローブによる信号検出方法を用いてサ
    ンプル表面を観察する観察方法において、前記信号検出
    方法を請求項6〜9のいずれか1項に記載の信号検出方
    法を用いてサンプル表面を観察することを特徴とする観
    察方法。
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