JP2003028680A - 流量計測方法および流量計測装置ならびにガスメータ - Google Patents

流量計測方法および流量計測装置ならびにガスメータ

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JP2003028680A JP2001211025A JP2001211025A JP2003028680A JP 2003028680 A JP2003028680 A JP 2003028680A JP 2001211025 A JP2001211025 A JP 2001211025A JP 2001211025 A JP2001211025 A JP 2001211025A JP 2003028680 A JP2003028680 A JP 2003028680A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体に脈動が生じるなどして流速が変動して
も、そのときの流体の流量値の許容誤差範囲のから外れ
るほどの有意な誤差が生じることを解消して正確な流量
値を得る。 【解決手段】 伝搬時間計測部100によって伝搬時間
が計測されるごとに、流量値演算部200が、伝搬時間
に基づいて算出される流速値vに対応した流量係数k
を、その流速値vとそれに対応した流量係数kとの対応
関係の情報が予め設定されたテーブルに基づいてその都
度求め、その流量係数kを圧力変動に対応した補正値δ
kで補正し、その補正された流量係数(k+δk)を流
速値vに乗算する演算を行って、そのときの計測デュー
ティ期間中における、圧力変動に起因した誤差が補正さ
れたガスの瞬間流量値qを得る。そしてその瞬間流量値
qの所定回数ごとの計測値の平均を求めて流量計測値Q
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は流量計測方法および
流量計測装置ならびにガスメータに関するもので、さら
に詳しくは、都市ガスやその他のガス燃料あるいは液体
燃料などのような流体の流速値またはその流体における
超音波の伝播時間などを、時間差方式やシングアラウン
ド方式等の超音波流速計によって計測し、その流速値ま
たは伝播時間に対して流量係数を乗算するなどの演算を
行なって流体の流量値を得る、流量計測方法および流量
計測装置ならびにガスメータに関する。
【0002】
【従来の技術】ガスメータは典型的な流量計測装置の一
つであるが、近年、より精確な流量計測を実現するため
に、超音波方式の流量計測装置あるいは流量計測方法が
提案されている。超音波方式の流量計測装置は一般に、
導通路を流れるガスの流体の流速を所定のサンプリング
頻度(換言すれば計測周波数)で間欠的に計測し、その
計測された流速値に基づいて、その計測時点での流量値
を得ている。
【0003】例えば、超音波計測方式(装置および方
法)のガスメータでは、超音波の発振および受振がそれ
ぞれ可能である一組の超音波発/受振器を、流体が導通
する流体管路における流れの方向に所定の距離を置いて
相前後して設けておき、流体の流れと同方向に上流側か
ら下流側へと超音波を伝播させて、その伝播時間を計測
し、続いて流体の流れと逆方向に下流側から上流側へと
超音波を伝播させて、その伝播時間を計測するという動
作を繰り返し、これら両方向での伝播時間の逆数の差か
ら流体の流速値を求めて、その流速値に基づいて、その
ときの流量値(流量の計測値)を得るようにしている。
あるいは、流体の流れと同方向に上流側から下流側へと
超音波を伝播させたときの流速の影響を受けた超音波の
見掛けの周波数と、それとは逆方向に下流側から上流側
へと超音波を伝播させたときの流速の影響を受けた超音
波の見掛けの周波数との、周波数差を計測し、その周波
数差から流速値を求めるという、いわゆるシングアラウ
ンド方式のものなども提案されている。
【0004】このような超音波伝播方式のガスメータを
はじめとした流量計測装置では一般に、ガスなどの流体
中を上下両方向に伝播する超音波の伝播時間差または周
波数差を電気信号として検出し、その電気信号に基づい
て上記の流速値のデータを得て、その流速値のデータに
流量係数を乗ずる演算を行なうというデータ処理によっ
て流量値を算出するものである。このようなデータの演
算処理を行って流量値を得ることができることから、超
音波伝播方式の流量計測装置は、マイクロコンピュータ
(以下、マイコンと呼ぶ)を用いたマイコン・ガスメー
タのような流量計測装置に好適なものとして注目されて
いる。
【0005】ところで、このような超音波伝播方式のガ
スメータにおいては一般に、ガスの流速を間欠的に計測
し、その計測値の所定計測回数に亘る平均値を算出し
て、その平均値に対応した流量係数を求め、それを流速
値に乗算することによって、そのときの流量値を得るよ
うにしていた。例えば10回の計測から得られた10個
の流速の計測値の平均値を算出し、その平均値に対応し
た流量係数kを、流速値と流量係数値との対応関係を予
め定めておいたテーブルに基づくなどして求め、その流
量係数kを流速の計測値に乗算することによって、その
ときの流量値すなわち流量計測値を得るようにしてい
た。またこのような手法はガスメータだけでなく一般に
推量式の流量計測装置およびその方法にて用いることが
提案されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
は上記のような所定回数に亘る流速の計測期間中に、そ
の流速が大幅に変化することが多く、またガスのような
流体には乱流や脈動が発生して、流速が頻繁に変化する
ことも多い。
【0007】例えばガスメータの場合では、ガスメータ
の下流側で脈動の発生しやすいGHP(ガスヒートポン
プ)式のガス機器などを使用している場合や、同一のガ
ス配管に連なっている隣家でGHP式のガス機器を使用
している場合などに、ガスメータを流れるガスに脈動が
発生しやすい。このようなガス流中での脈動やうねりに
よるガスの頻繁な流速変化や、ガス機器のオン・オフに
伴う急峻な流速変化などに起因して、上記のような所定
回数に亘るガス流速の計測期間中に、そのガス流速が大
幅に変化したり頻繁に変化する場合が多い。そのような
流速変化が発生すると、脈動やうねりなどが発生しない
ものという前提で設定された流量係数を用いた演算で得
られた流量計測値は、真値から大幅に(有意に)外れた
値となってしまう場合がある。
【0008】特に、流速値の変化に対応して流量係数を
大幅に変化させることが必要な流量値の領域では、所定
回数の計測を行なっている間に流速の計測値が頻繁に、
あるいは大幅に変化すると、そのときの流速に精確に対
応した流量係数を用いることができなくなり、その結
果、有意な(計測精度に支障が生じる程に無視できな
い)誤差が生じるという問題がある。
【0009】本発明はこのような点に鑑みて成されたも
ので、ガスのような流体の流速を計測し、その流速計測
値に対応した流量係数を用いた演算を行なってその流体
の流量値を得る流量計測装置および流量計測方法ならび
にガスメータにおいて、ガスなどの流体の流速が大幅に
変化したり、流体中に脈動が生じるなどして流速が頻繁
に変化しても、そのときの流量の計測結果に有意な誤差
が生じることを解消して、正確な流量値を得ることがで
きる流量計測方法および流量計測装置ならびにガスメー
タを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による流量計測方
法は、流体に音波を間欠的に伝播させてその伝播時間ま
たは前記流体の流速を計測し、前記伝播時間または前記
流体の流速に基づいて前記流体の流量値を得る流量計測
方法において、前記音波を伝播させる毎にその音波の伝
播時間または前記流体の流速を計測すると共に、前記伝
播時間または前記流体の流速に対応した流量係数を求
め、かつ前記流体の圧力変動の周期または周波数および
振幅を計測し、その圧力変動の周期または周波数および
振幅に対応した補正を前記流量係数に施して、その補正
が施された流量係数と前記伝播時間または前記流体の流
速とを用いた演算を行なって前記流体の瞬間流量値を算
出し、その瞬間流量値に基づいて前記流体の流量値を得
るというものである。
【0011】また、本発明による他の流量計測方法は、
流体に音波を間欠的に伝播させてその伝播時間または前
記流体の流速を計測し、前記伝播時間または前記流体の
流速に基づいて前記流体の流量値を得る流量計測方法に
おいて、前記音波を伝播させる毎にその音波の伝播時間
または前記流体の流速を計測すると共に、前記伝播時間
または前記流体の流速に対応した流量係数を求め、かつ
前記流体の圧力変動の周期または周波数を計測し、その
圧力変動の周期または周波数に対応した補正を前記流量
係数に施して、その補正が施された流量係数と前記伝播
時間または前記流体の流速とを用いた演算を行なって前
記流体の瞬間流量値を算出し、その瞬間流量値に基づい
て前記流体の流量値を得るというものである。
【0012】また、本発明によるさらに他の流量計測方
法は、流体に音波を間欠的に伝播させてその伝播時間ま
たは前記流体の流速を計測し、前記伝播時間または前記
流体の流速に基づいて前記流体の流量値を得る流量計測
方法において、前記音波を伝播させる毎にその音波の伝
播時間または前記流体の流速を計測すると共に、前記伝
播時間または前記流体の流速に対応した流量係数を求
め、かつ前記流体の圧力変動の振幅を計測し、その圧力
変動の振幅に対応した補正を前記流量係数に施して、そ
の補正が施された流量係数と前記伝播時間または前記流
体の流速とを用いた演算を行なって前記流体の瞬間流量
値を算出し、その瞬間流量値に基づいて前記流体の流量
値を得るというものである。
【0013】本発明による流量計測装置は、流体に音波
を間欠的に伝播させる音波伝播手段と、前記音波の伝播
時間または前記流体の流速を計測する伝播時間または前
記流体の流速計測手段と、前記伝播時間または前記流体
の流速に基づいて前記流体の流量値を演算する流量値演
算手段とを有する流量計測装置において、前記伝播時間
または前記流体の流速計測手段は、前記音波伝播手段が
前記音波を伝播させる毎に、その音波の伝播時間または
前記流体の流速を計測するものであり、前記流量値演算
手段が、前記伝播時間または前記流体の流速とそれに対
応した流量係数とを用いた演算を行って前記流体の流量
値を演算するものであり、前記流体の圧力変動の周期ま
たは周波数および振幅を計測する圧力変動計測手段と、
前記圧力変動の周期または周波数および振幅に対応した
補正を前記流量係数に施す流量係数補正手段とを、さら
に備えている。
【0014】本発明による他の流量計測装置は、流体に
音波を間欠的に伝播させる音波伝播手段と、前記音波の
伝播時間または前記流体の流速を計測する伝播時間また
は前記流体の流速計測手段と、前記伝播時間または前記
流体の流速に基づいて前記流体の流量値を演算する流量
値演算手段とを有する流量計測装置において、前記伝播
時間または前記流体の流速計測手段は、前記音波伝播手
段が前記音波を伝播させる毎に、その音波の伝播時間ま
たは前記流体の流速を計測するものであり、前記流量値
演算手段が、前記伝播時間または前記流体の流速とそれ
に対応した流量係数とを用いた演算を行って前記流体の
流量値を演算するものであり、前記流体の圧力変動の周
期または周波数を計測する圧力変動計測手段と、前記圧
力変動の周期または周波数に対応した補正を前記流量係
数に施す流量係数補正手段とを、さらに備えている。
【0015】本発明によるさらに他の流量計測装置は、
流体に音波を間欠的に伝播させる音波伝播手段と、前記
音波の伝播時間または前記流体の流速を計測する伝播時
間または前記流体の流速計測手段と、前記伝播時間また
は前記流体の流速に基づいて前記流体の流量値を演算す
る流量値演算手段とを有する流量計測装置において、前
記伝播時間または前記流体の流速計測手段は、前記音波
伝播手段が前記音波を伝播させる毎に、その音波の伝播
時間または前記流体の流速を計測するものであり、前記
流量値演算手段が、前記伝播時間または前記流体の流速
とそれに対応した流量係数とを用いた演算を行って前記
流体の流量値を演算するものであり、前記流体の圧力変
動の振幅を計測する圧力変動計測手段と、前記圧力変動
の振幅に対応した補正を前記流量係数に施す流量係数補
正手段とをさらに備えている。
【0016】本発明によるガスメータは、ガスに音波を
間欠的に伝播させる音波伝播手段と、前記音波の伝播時
間または前記流体の流速を計測する伝播時間または前記
流体の流速計測手段と、前記伝播時間または前記流体の
流速に基づいて前記ガスの流量値を演算する流量値演算
手段とを有するガスメータにおいて、前記伝播時間また
は前記流体の流速計測手段は、前記音波伝播手段が前記
音波を伝播させる毎に、その音波の伝播時間または前記
流体の流速を計測するものであり、前記流量値演算手段
が、前記伝播時間または前記流体の流速とそれに対応し
た流量係数とを用いた演算を行って前記ガスの流量値を
演算するものであり、前記ガスの圧力変動の周期または
周波数および振幅を計測する圧力変動計測手段と、前記
圧力変動の周期または周波数および振幅に対応した補正
を前記流量係数に施す流量係数補正手段とを、さらに備
えている。
【0017】本発明による他のガスメータは、ガスに音
波を間欠的に伝播させる音波伝播手段と、前記音波の伝
播時間または前記流体の流速を計測する伝播時間または
前記流体の流速計測手段と、前記伝播時間または前記流
体の流速に基づいて前記ガスの流量値を演算する流量値
演算手段とを有するガスメータにおいて、前記伝播時間
または前記流体の流速計測手段は、前記音波伝播手段が
前記音波を伝播させる毎に、その音波の伝播時間または
前記流体の流速を計測するものであり、前記流量値演算
手段が、前記伝播時間または前記流体の流速とそれに対
応した流量係数とを用いた演算を行って前記ガスの流量
値を演算するものであり、前記ガスの圧力変動の周期ま
たは周波数を計測する圧力変動計測手段と、前記圧力変
動の周期または周波数に対応した補正を前記流量係数に
施す流量係数補正手段とを、さらに備えている。
【0018】本発明によるさらに他のガスメータは、ガ
スに音波を間欠的に伝播させる音波伝播手段と、前記音
波の伝播時間または前記流体の流速を計測する伝播時間
または前記流体の流速計測手段と、前記伝播時間または
前記流体の流速に基づいて前記ガスの流量値を演算する
流量値演算手段とを有するガスメータにおいて、前記伝
播時間または前記流体の流速計測手段は、前記音波伝播
手段が前記音波を伝播させる毎に、その音波の伝播時間
または前記流体の流速を計測するものであり、前記流量
値演算手段が、前記伝播時間または前記流体の流速とそ
れに対応した流量係数とを用いた演算を行って前記ガス
の流量値を演算するものであり、前記ガスの圧力変動の
振幅を計測する圧力変動計測手段と、前記圧力変動の振
幅に対応した補正を前記流量係数に施す流量係数補正手
段とを、さらに備えている。
【0019】すなわち、本発明による流量計測装置およ
び流量計測方法ならびにガスメータでは、ガスのような
流体の流速に対応して変化する音波の伝播時間または流
体の流速を計測するごとに、その計測された伝播時間ま
たは流速に対応した流量係数を求め、さらにその流量係
数に対して圧力変動に対応した補正を施して、圧力変動
に起因した誤差の補正も含めた流量係数を得る。そして
その補正された流量係数を伝播時間または流体の流速に
乗算する演算を行うなどして瞬間流量値を算出し、その
瞬間流量値に基づいて流体の流量値を得る。
【0020】ここで、本発明者等は、本発明による手法
とは別に、音波の伝播時間または流体の流速と圧力変動
との組み合わせに対応した流量係数をあらかじめ用意し
ておき、その用意された多数種類の流量係数のうちか
ら、実際に計測された伝播時間または流速と圧力変動と
に対応した流量係数を選び出し、その流量係数を伝播時
間または流速に乗算するなどして瞬間流量値を算出する
という手法についても検討したが、この手法では、種々
に異なる伝播時間または前記流体の流速と圧力変動との
組み合わせに対してきめ細かく流量係数を対応させるこ
とができるようにするためには、極めて多種類の流量係
数を用意しておかなければならなくなる。そのような極
めて多種類の流量係数のデータは、全体としては膨大な
データ量になってしまうという不都合がある。
【0021】しかも、そのような膨大な量のデータのう
ちから、計測された伝播時間または流体の流速と圧力変
動との組み合わせに最も適合した流量係数のデータを抽
出するためには時間がかかるので、1回の計測ごとに最
も適合した流量係数を読み出さねばならないことや、流
速計測のサンプリング頻度が高いことなどとあいまっ
て、頻繁なサンプリング回数に対して最適な流量係数の
データを抽出する速さが追随できなくなるという致命的
な不都合がある。
【0022】あるいは、一旦、伝搬時間または流体の流
速とそれに対応した流量係数とを乗算して流量値を算出
し、その流量値に対して圧力変動に対応した流量補正を
行うことなどについても本発明者等は検討したが、一旦
算出された流量値に対して、その算出後に、圧力変動に
対応した流量補正を行うことは、データの処理量や処理
時間の増大を招き、延いてはガスメータに内蔵されてい
るリチウム電池などの電力消費量の増大を招くという不
都合がある。
【0023】しかし、本発明による流量計測装置および
流量計測方法ならびにガスメータでは、計測された伝播
時間または流体の流速に流量係数を一度は乗算しなけれ
ばならないという超音波計測方式のガスメータのような
間接計測方式の流量計測値の特質を、むしろ逆手に取っ
て利用して、瞬間流量値を算出する際に用いられる流量
係数に対して、圧力変動に対応した補正を施し、その補
正された流量係数を用いた一度の乗算によって、データ
の処理量や処理時間の増大を招くことなく、圧力変動に
起因した誤差が既に補正された瞬間流量値を得ることが
できる。
【0024】なお、上記の瞬間流量値の所定計測回数ご
との平均値を演算して流体の流量値を得るようにしても
よい。
【0025】また、上記の伝播時間または流速の代り
に、音波が前記流体の下流から上流へと伝播する際の周
波数と上流から下流へと伝播する際の周波数との周波数
差を計測し、その周波数差と補正が施された流量係数と
を用いた演算を行なって流体の瞬間流量値を算出し、そ
の瞬間流量値に基づいて流体の流量値を得るようにして
もよい。
【0026】また、上記の補正値は、圧力変動が計測さ
れる毎に、その圧力変動の周期や振幅に対応して最適な
値を算出するようにしてもよく、あるいは流体の圧力変
動に対応した複数種類の補正値をあらかじめ定めてお
き、その補正値のうちから、そのとき計測された圧力変
動に対応した補正値を選出し、それを用いて流量係数に
補正を施すようにしてもよい。いずれにしても、圧力変
動に対応して、流量値の有意な誤差(または不確からし
さ)を許容誤差(または許容不確からしさ)の範囲内に
まで抑制することができるような補正値を求めて、その
補正値を、流速に対応した流量係数に対して加算または
減算あるいは乗算または除算するなどして流量係数に補
正を施すようにする。
【0027】また、一度の計測あたりに上流側から下流
側への伝播時間の計測とその逆に下流側から上流側への
伝播時間の計測との両方を行ない、その伝播時間差を求
めて、その伝播時間差に対応して上記の流量係数を求め
てもよく、上流側から下流側への伝播時間に対応して一
つの流量係数を求め、下流側から上流側への伝播時間に
対応して前記とは別個に流量係数を求めるようにしても
よい。
【0028】また、流量値の所定計測回数ごとの平均値
を求めることで、流量値のデータ量をさらに少なくする
ことなども可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は本実施の形態のガス
メータの概要構成を示す図である。このガスメータは、
ガスに対して超音波を上流側から下流側へと伝播させる
ことと下流側から上流側へと伝播させることとを一組と
してその一組を1度の計測タイミングごとに実行する超
音波伝播部10と、上流側から下流側への超音波の伝播
時間T1と下流側から上流側への超音波の伝播時間T2と
を計測する伝播時間計測部100と、伝播時間T1,T2
を用いて流速値v=α(1/T1−1/T2)(ここで、
αは流路によって決まる定数)を演算し、その流速値v
に対応した流量係数kを求め、その流量係数kが流量係
数補正部700によって補正を施されて得られた流量係
数(k+δk)と流速値vとを乗算する演算を行なうこ
とにより、ガスの瞬間流量値qを得て、さらにその瞬間
流量値qを所定の計測回数ごとに合算してその平均値を
求めて流量計測値Qを得る流量値演算部200と、その
流量計測値Qを積算(ΣQ)する流量値積算部300
と、流量計測値Qを所定の計測回数分に亘ってインクリ
メントしながら時系列的に記憶すると共に流量計測値Q
の積算値(流量積算値ΣQ)を記憶する流量値記憶部4
00と、その流量値記憶部400に記憶された流量計測
値Qおよび流量積算値ΣQを読み出す流量計測値読出部
500と、ガスの圧力変動の周期(f)および振幅
(a)を検知する圧力変動計測部600と、圧力変動の
周期および振幅に対応して流量係数の補正値(δk)を
算出する流量係数補正部700とを備えている。
【0030】ここで、このガスメータは、上記の他にも
遮断弁装置やそのテスト遮断を行なうテスト遮断装置、
あるいは微少漏洩検知装置(いずれも図示省略)など、
ガスメータとして必要な各種の装置や制御回路なども備
えていることは言うまでもないが、そのような種々の装
置等の構成は本発明に関する主要な機能やそれを実行す
るための構成とは直接的な関係性が低いので、それらの
詳細な説明については省略する。
【0031】さらに詳細には、超音波伝播部10は、導
通路103を流れるガスに対して超音波を間欠的に伝播
させる超音波送/受信機器101a,101bを備えて
いる。超音波送/受信機器101a,101bは一度の
計測デューティ当たりに所定の頻度で超音波を間欠的に
伝播させるものである。なお、導通路103、超音波送
/受信機器101a,101bは、ハードウェアとして
は従来の一般的なものを用いても構わない。
【0032】伝播時間計測部100は、前記の超音波送
/受信機器101a,101bを駆動して、ガスの流れ
に対する上/下量両方向での超音波の伝播時間T1,T2
を計測するものである。
【0033】流量値演算部200は、前記の伝播時間計
測部100によって伝播時間T1,T2の一組が計測さ
れるごとに、その伝播時間から求められる流速値vに対
応した流量係数kを、それらの対応関係の情報が予め設
定されたテーブル(図示省略)に基づいて求める。こう
して求められた流量係数kは、後述するように流量係数
補正部700によって圧力変動に対応して求められた補
正値δkによる補正を施される(k+δk)。その補正
された流量係数k+δkと流速値vとを乗算する演算を
行なうことによって(v×(k+δk)=q)、そのと
きの計測デューティにおけるガスの瞬間流量値qが得ら
れる。さらに、その瞬間流量値qの所定回数ごとの計測
値の平均を求めて流量計測値Qが得られる。
【0034】流量値積算部300は、流量値演算部20
0によって得られた流量計測値Qを積算して流量積算値
ΣQを得るものである。すなわち、この流量値積算部3
00は、流量値演算部200によって流量計測値Qが新
たに演算されてそのデータが伝送されて来ると、その新
たな流量計測値Qのデータを、それまで記憶していた流
量積算値ΣQに加算する。こうして流量値積算部300
は、新たな流量計測値Qが伝送されて来ると、その流量
計測値Qをそれまでの流量積算値ΣQの値に加算して、
流量積算値ΣQの値を順次にインクリメントして行く。
【0035】流量値記憶部400は、前記の流量値演算
部200によって得られた流量計測値QのデータをRA
Mのような記憶デバイス(図示省略)に時系列的に所定
の計測回数に亘ってインクリメントしながら記憶すると
共に、最新の流量積算値ΣQのデータを記憶するもので
ある。それらのデータは、例えばガスメータの検針が行
なわれる1か月ごとに読み出された後に消去されるよう
にしてもよく、あるいは、例えばデータ消去命令が入力
されるまでは常に書込/読出可能に保持されるようにし
てもよい。いずれにしても、この流量値記憶部400に
時系列的に記憶された流量計測値Qのデータおよび流量
積算値ΣQのデータは、ガス管理者や検針担当者あるい
はユーザによって必要に応じて読み出されて、ガスの使
用状況やガス漏洩の発生の有無を確認するためなどに適
用されることを意図して記憶されるものである。
【0036】流量計測値読出部500は、ガス管理者や
ユーザによって操作されて、流量値記憶部400に記憶
された流量計測値Qや流量積算値ΣQを読み出すための
ものである。この流量計測値読出部500は、例えば1
か月ごとに行なわれるガスメータ検針の際に検針担当者
によってハンディーターミナル(図示省略)に接続され
て流量計測値Qや流量積算値ΣQを読み出すようにして
もよく、あるいはガスメータに通信装置および通信回線
等(いずれも図示省略)を接続し、その通信回線等を介
して読み出して、それを中央監視センターへ送出し、中
央監視センターで流量計測値Qや流量積算値ΣQを遠隔
操作的にモニタリングできるようにしてもよい。その読
み出しのデータ的な手法それ自体については、RAMの
ような記憶デバイスに時系列的に記憶されているデータ
を所望に応じて読み出す一般的な手法を用いればよいこ
とは言うまでもない。
【0037】圧力変動計測部600は、ガス中に発生す
る短周期の脈動や長周期のうねりのような流量変動の発
生に伴う圧力変動を、例えば圧力センサ601のような
検知部品によって検知し、その圧力変動の周期または周
波数(f)および振幅(a)を計測する。ここでは、一
例として周波数(f)を計測する場合について説明して
いるが、物理的には周波数(f)の逆数である周期(τ
=1/f)を計測するようにしてもよいことは言うまで
もない。
【0038】この圧力変動計測部600は、さらに詳細
には、例えば図4に模式的に示したように、圧力変動の
波形(P(t);図4(A))の自己相関関数を求め、
それをフーリエ変換して、圧力変動の波形のパワースペ
クトル密度(Φ(f);図4(B))を得ることによっ
て、そのとき計測された圧力変動の波形に含まれている
脈動やうねりの周期(τ)または周波数(f)および振
幅(a)を求めることができる。例えば図4の一例で
は、図4(B)に示したように、低周波数(fs=1/
τs )のうねりのスペクトルΦ(fs )と、高周波数
(fp=1/τp )の脈動のスペクトルΦ(fp )と
が、顕著なピークとして現れているから、これらのピー
クの存在に基づいて、脈動やうねりの周波数(f)を求
めることができる。また、パワースペクトル密度Φ
(f)の値は一般に振動エネルギー密度を表しているか
ら、このパワースペクトル密度Φ(f)と周波数(f)
とに基づいて、脈動やうねりの振幅(a)を求めること
ができる。ただし、脈動やうねりの周期(τ)または周
波数(f)および振幅(a)を求める具体的な手法は、
これのみには限定されないことは言うまでもない。
【0039】流量係数補正部700は、圧力変動計測部
600によって脈動やうねりのような圧力変動の発生が
検知されると、その脈動やうねりなどの圧力変動が発生
した場合に生じることが想定される有意な誤差(または
不確かさ)を、流量係数を補正することによって所定の
誤差(または不確かさ)以下にまで抑え込むことができ
るような補正値δkを算出し、その補正値δkを用いた
補正を流量係数kに施す。この補正値δkは、本実施の
形態では流量係数kに対して加算(または減算)するこ
とによって、その流量係数kを補正するものとしたが、
流量係数kに対して乗算(または除算)することによっ
てその流量係数kを補正するものとしてもよい。
【0040】この補正値δkは、統計的(経験則的また
は実験則的)な手法によって、圧力変動の周期(τ)ま
たは周波数(f)および振幅(a)の組み合わせの複数
種類のパターンのそれぞれに対応した最適な補正値δk
を、あらかじめ定めておき、その複数種類の補正値δk
のうちから、伝播時間計測部100による伝播時間の計
測と共に圧力変動計測部600によって計測された圧力
変動の周期(τ)または周波数(f)および振幅(a)
の組み合わせに最も合致した補正値δkを選出すること
によって、求めるようにすることができる。
【0041】あるいは、伝播時間計測部100による伝
播時間の計測と共に圧力変動計測部600によって計測
された圧力変動の値(ΔP)に対応して、その圧力変動
に起因して生じる流速値vの誤差Δvを所定の値以下に
まで抑制することができるような補正値δkを、その都
度(1回の流速計測ごとに)、算出することも可能であ
る。
【0042】さらに詳細には、統計的な手法によれば、
まず圧力変動が実質的に皆無であるという条件下での流
速値v0を計測しておく。そして、周波数(f)および
振幅(a)を一定の範囲内に設定して圧力変動を生じさ
せた条件下で、このガスメータによる流速値vの計測を
統計的に十分な回数(N回,N>>1)に亘って試行す
る実験を行って、そのN回の計測で得られた流速値vの
発生頻度から、図5に示したような確率密度分布(確率
密度関数)P(v)のグラフを得る。この確率密度関数
の例えばピーク値PMAXに対応する流速(あるいは確率
密度分布のグラフの全面積の重心の流速値)vmodeを求
めて、このvmodeと圧力変動が皆無の場合の流速値v0
との差Δv(=vmode−v0)を、周波数がfで振幅が
aの圧力変動がある場合に発生することが統計的に確か
められた流速値の誤差とすることができる。この図5の
一例では、vmodeがv0よりも+(正)方向に偏位して
いるので、このときの流速の計測結果に発生する誤差
は、+方向にΔvの大きさのものであることが、統計的
に確認されたことになる。
【0043】このようにして周波数がfで振幅がaの圧
力変動が生じているという条件下で誤差Δvが発生する
ことを確認したならば、次に、そのような誤差Δvを例
えば許容誤差(許容不確かさ)±1%以内のような所定
の許容範囲内にまで抑制するための補正値δkを求め
る。
【0044】例えば図5に示した一例では、誤差Δvが
+方向に現れるものであるため、その+方向の誤差Δv
を減少ないし解消するためには、その誤差Δvに対応し
た数値を有する−方向の(負の)補正値δkを流量係数
kに加算ればよい。または、正の補正値δkを流量係数
kから減算すればよい。従って、そのような誤差Δvの
補正に最適な数値および極性を備えた補正値δkを設定
する。あるいは、流量係数kに対して乗算(または除
算)することによってその流量係数kを補正することが
できるような補正値δkを設定するようにしてもよい。
図5の場合を一例に取ると、誤差Δvが+方向に現れる
ものであるため、その+方向の誤差Δvを減少ないし解
消することができるような倍率(縮小率)を有する補正
値δkを流量係数kに乗算(または除算)すればよい。
【0045】いずれにしても、圧力変動の周波数(f)
および振幅(a)の組み合わせ(f,a)を種々に変更
して、その個々の場合のそれぞれについて、上記のよう
な手法によって補正値δkを設定することができる。
【0046】あるいは、圧力変動計測部600によって
検知された圧力変動の値に対応して補正値δkをその都
度算出するという手法によれば、上記のような統計的な
手法によって、圧力変動の周波数(f)および振幅
(a)の組み合わせ(f,a)とΔvを抑制ないし解消
できる最適な補正値δkとの関数関係(δk=G(f,
a))をあらかじめ確認し、その関数関係によって圧力
変動(f,a)に対応して最適な補正値δkを算出する
ことができる演算則G(f,a)を設定しておく。そし
て、実際に発生している圧力変動の周波数(f)および
振幅(a)を圧力変動計測部600によって計測し、そ
の計測された周波数の値fおよび振幅の値aを、演算則
G(f,a)に代入することにより、脈動やうねりのよ
うな圧力変動に起因した誤差Δvを抑制ないし解消する
ことができる最適な補正値δkを、δk=G(f,a)
なる演算によって算出することができる。
【0047】あるいは、圧力変動の周期(τ)と流速v
の計測タイミングの周期(Tv)との関係と誤差の発生
確率との連関に基づいて、流量係数の補正値δkを求め
ることも可能である。すなわち、図6(A)に模式的に
示したように、±Aという振幅を持った流量変動が生じ
ている場合、圧力変動の周期(τ)に対して、流速vの
計測タイミングの周期(Tv)が等しいか正数倍である
場合には、圧力変動の周期と計測タイミングの周期とに
位相差φがあると、その圧力変動に起因して、流速値v
の計測値には常に+または−のいずれか一方のみに偏っ
た誤差が生じることになる。しかも、その誤差の偏りの
大きさは、位相差φがτ/4に近いほど大きくなる。し
かし、図6(B)に模式的に示したように、流速vの計
測タイミングの周期(Tv)が、圧力変動の周期(τ)
の偶数分の1、または圧力変動の周期(τ)の偶数分の
1に圧力変動の周期(τ)の整数倍を加えたものである
場合には(この場合ではTv=3τ/2)、圧力変動の
周期と計測タイミングの周期とに位相差φがあると、流
速値vの計測値には交互に+方向の誤差と−方向の誤差
とが交互に生じることになり、複数回の計測結果を合計
または平均すれば、理論的には誤差成分が正と負とで打
ち消し合うこととなる。
【0048】このように、理論的には、流速vの計測タ
イミングの周期(Tv)が圧力変動の周期(τ)に等し
いか正数倍に近いほど、流速vの計測値には偏り誤差が
生じやすくなり、計測タイミングの周期(Tv)が、圧
力変動の周期(τ)の偶数分の1、または圧力変動の周
期(τ)の偶数分の1に圧力変動の周期(τ)の整数倍
を加えたものに近いほど、流速vの計測値には偏り誤差
が生じない(打ち消される)ようになる傾向がある。そ
こで、このような傾向性に基づいて、実際に計測された
圧力変動の周期(τ)が流速vの計測タイミングの周期
(Tv)の正数倍に近いほど、またそのときのτとTvと
の位相差φがτ/4に近いほど、補正値δkの大きさを
大きくし、圧力変動の周期(τ)が流速vの計測タイミ
ングの周期(Tv)の偶数分の1、または圧力変動の周
期(τ)の偶数分の1に圧力変動の周期(τ)の整数倍
を加えたものに近いほど、またそのときのτとTvとの
位相差φが0に近いほど、補正値δkの大きさを小さく
する。そしてそれらの中間の周期(例えばτ/3)や位
相差(τ/4)の場合については、両極端の間の直線近
似することなどによって、補正値δkを算出するように
すればよい。
【0049】あるいは、演算則G(f,a)は、上記の
ような統計的な手法を全く用いることなく設定すること
も可能である。ただし、この場合には、上記のような統
計的な手法を部分的に用いて設定された演算則G(f,
a)を用いる場合とは、補正方法が若干異なったものと
なる。
【0050】そのような手法を、図7に模式的に示した
ような周波数の三角波形で近似される流量変動(脈動)
が生じている場合を一例に取って説明する。ある時刻t
nに流速vの計測が行われたとする。このとき、計測対
象のガスには周期がτで振幅がAの脈動が生じている
が、この脈動の発生に起因して、周期がほぼ等しいτで
振幅がAに対応した−aの圧力変動(図示省略)が発生
する。ここで、計測対象のガスが理想流体であると仮定
すると、ベルヌーイの定理によりA+a=const.
であるから、Aが正の値であるとすればaは負の値とな
る(極性の符号が逆になる)ので、このような点を踏ま
えて、ここでは圧力変動の振幅を−aと表現してある。
また、計測対象のガスを非圧縮性の理想流体であると仮
定すれば、理論的には、圧力変動の周期は流量変動の周
期(τ)と等しくなる。
【0051】このとき生じている脈動は、間接的に圧力
変動として計測されるので、圧力変動の周期τと計測タ
イミングtnとの位相差φを計測することによって、脈
動の周期τと計測タイミングtnとの位相差φを求める
ことができる。また、圧力変動の振幅aを計測し、この
振幅aに基づいて脈動の振幅Aを求めることができる。
そして位相差φと脈動の振幅Aとに基づいて、このとき
脈動に起因して生じた誤差Δvが求められる。さらに詳
細には、このΔvの大きさ(絶対値)は、Δv={2A
/(τ/2)}×φ=4A×φ/τによって算出するこ
とができる。なお、この式において、さらに、脈動の振
幅Aは圧力変動の振幅aの関数(例えばA=Π(a))
として表することができるから、結局、脈動に起因して
生じた誤差Δvは、Δv=4Π(a)×φ/τという、
aとφとτを用いた演算式によって算出することができ
る。ここで、Δvの値が+であるのか−であるのかにつ
いては、この時刻tnで圧力センサ601によって計測
された圧力が正圧であるのか負圧であるのかによって検
知することができる。あるいは圧力変動が正方向である
のか負方向であるのかによって検知することができる。
例えば圧力変動が負であれば流量変動は正となり、圧力
変動が正であれば流量変動は負となることは、上述した
通りである。
【0052】上記のようにして推定される誤差Δvを補
正することができるような数値および極性(+または
−)の補正値δkを、上記の圧力変動の周期τおよび振
幅a,位相差φに基づいて算出することができる。
【0053】あるいは、図7に基づいて説明したような
手法の場合、圧力変動と流量変動との間の応答遅れなど
に起因して位相差φが不正確なものとなり、正確なΔv
が得られなくなるおそれもある。そこで、そのような場
合には、流量変動の実効値としてΔv/2を用いて、こ
のΔv/2という流速の誤差を補正できるような補正値
δkを算出し、それを圧力変動の正・負に対応して流量
係数kに加算または減算して補正を行うようにしてもよ
い。
【0054】なお、補正値δkの算出または選出の具体
的な手法は、上記のようなもののみには限定されないこ
とは言うまでもない。
【0055】上記のような補正値δを用いて補正された
流量係数k+δkは、流量値演算部200で瞬間流量値
qを算出する際に用いられる。なお、この圧力変動計測
部600によって脈動やうねりの発生、あるいはガス流
量のしきい値以上の大幅な変動の発生が判定されると、
それらが発生しないときの瞬間流量値qの計測頻度より
もさらに頻繁に流速値vの計測を行なうようにしてもよ
い。あるいは、脈動やガス流量の大幅な変動が発生して
いないときには、上記のような個々の流速値vごとにそ
れぞれ対応した流量係数kを求めることはせずに、一般
的なガスメータと同様に所定回数ごとの計測値の平均を
演算し、その平均値に対応した一つの流量係数を求めて
その流量係数を平均値に乗算する演算を行なって流量値
を得るようにし、脈動やうねりやガス流量のしきい値以
上の大幅な変動が発生したことが判定された場合にの
み、上記のように個々の流速値vごとに対応した流量係
数kを各々求め、さらにその流量係数を圧力変動に対応
して補正を行って、その個々の流速値vとその一つ一つ
に対応した補正済みの流量係数k+δkとの乗算を行な
って瞬間流量値qを得るようにしてもよい。
【0056】次に、このガスメータにおけるガス流量の
計測動作(流量計測方法)について説明する。図2,図
3はその流量計測動作の流れの概要を示したものであ
る。
【0057】所定の計測タイミングに至ると(Step
1;以下、S1のように略称)、伝搬時間計測部100
は所定の計測デューティ期間中にガスの伝搬時間T1,
T2の間欠的な計測を行なう(S3)。またこのとき、
計測回数の情報を担持するフラグFの値に1を加算する
(S2)。
【0058】一方、圧力変動計測部600は、このとき
のガスの圧力変動の周期τおよび振幅aを計測し(S
4)、かつその圧力変動値ΔPが所定のしきい値ΔPt
h以上であるか否かを判定する(S5)。このときΔP
がΔPth未満であれば(S5のN)、流量値演算部2
00は、圧力変動がない場合に対応して予め設定された
伝搬時間T1,T2を用いた上記の演算;v=α(1/
T1−1/T2)から求まる流速値vに対応する流量係数
kを求める(S6)。そしてその流量係数kをそのまま
流速値vに乗算する(掛け合わせる)演算を流量値演算
部200によって行なって、そのときの瞬間流量値qを
算出する(S7)。
【0059】一方、ここでΔPがΔPth以上であれば
(S5のY)、流量値演算部200は、圧力変動の周期
τおよび振幅aに対応して予め設定された補正値δkの
テーブルまたは演算則δk=G(f,a)に基づいて、
補正値δkの値を選出または算出する(S8)。そして
その補正値δkを用いてk+δkという演算を行うなど
して流量係数kを補正する(S9)。そしてその補正が
施された流量係数(k+δk)を流速値vに乗算する
(v×(k+δk))演算を行なって、瞬間流量値qを
算出する(S10)。
【0060】続いて、フラグFが所定の計測回数Fth
に達していない場合には(S11のN)、流量値演算部
200は、このとき計測された瞬間流量値qを一時的に
記憶する(S12)。フラグFが所定の計測回数Fth
に達している場合には(S11のY)、それまで一時的
に記憶されていた所定の計測回数分の瞬間流量値qのデ
ータを読み出して(S13)、その平均値を取ることに
よって流量計測値Qを得る(S14)。
【0061】続いて、流量値積算部300が、流量値演
算部200によって新たに演算して得られた流量計測値
Qを、それまでの流量積算値ΣQにさらに積算する(S
15)。このようにして1つの流量計測値Qが積算され
ると、フラグFをF=0にリセットする(S16)。ま
た、Qの積算と並行して、流量計測値Qのデータを流量
値記憶部400がRAMのような記憶デバイスに時系列
的に記憶する(S17)。
【0062】そして、ガス管理者やユーザによって流量
計測値Qの読み出しの命令が入力されると(S18の
Y)、流量計測値読出部500が、流量値記憶部400
に記憶されている流量計測値Qを読み出す(S19)。
【0063】以上のような動作が、このガスメータの使
用期間中に繰り返し継続される。
【0064】なお、ガス圧力に大幅な変動や所定の変動
パターンが発生したことが圧力変動計測部600によっ
て検知された場合にのみ、上記のS8〜S14のような
個々の瞬間流速値に対応した流量係数kを用いて流量計
測値Qを得る手法を行うものとし、ガス圧力に大幅な変
動や所定の変動パターンが発生しない場合には、所定の
計測回数ごとの伝搬時間の平均値を算出し、その平均値
に対応した流量係数を求めて、それを平均値に乗じて流
量計測値を得るという一般的な手法を行うようにしても
よい。
【0065】また、本実施の形態では、個々の計測ごと
の伝搬時間T1,T2に基づいて流速値vを算出し、その
vに対応した流量係数kを求める場合について示した
が、流量係数kを求める手法としてはこの他にも、伝搬
時間差ΔT=T2−T1を求め、そのΔTに対応した流量
係数kを、vの算出を経ることなく直接的に求めるよう
にしてもよい。
【0066】また、本実施の形態では流速値vごとに対
応した流量係数kを各々求め、その個々の流速値vとそ
の一つ一つに個々に対応した流量係数kを乗算する演算
を行なって瞬間流量値qを得るようにしているが、1つ
の計測デューティ内で流量値vを例えば10回程度計測
し、その計測で得られた10個の流速値vの平均値を取
り、その平均値に対応した流量係数kを求め、その流量
係数kに上記同様の圧力変動の周期および振幅に対応し
た補正を施して、その補正された流量係数v流速値vの
平均値とを乗算して瞬間流量値qを求めるようにするこ
となども可能であることは言うまでもない。ただしその
場合には、1つの計測デューティ内での流速値vの計測
回数としては、その回数の計測を行なっている間にガス
の流速が頻繁あるいは大幅に変化したとしても、そのと
きの流速値vの平均値から求められた流量係数kを用い
て算出されたガス流量の瞬間計測値qに、有意な誤差が
生じない程度の計測回数とすることが望ましいことは言
うまでもない。
【0067】また、本実施の形態では、圧力変動の周波
数(f)および振幅(a)の組み合わせ(f,a)に対
応してΔvを抑制ないし解消できる最適な補正値δkを
得る(δk=G(f,a))ようにしているが、これの
みには限定されないことは言うまでもない。この他に
も、圧力変動の周波数(f)および振幅(a)と補正前
の流量vとの組み合わせ(f,a,v)に対応して、Δ
vを抑制ないし解消できる最適な補正値δkを得る(δ
k=G(f,a,v))ようにしてもよい。すなわち、
δkを決定(算出)するパラメータとして補正前のvを
さらに追加し、そのvの値が、あらかじめ定義しておい
た複数段階の流量レベル(例えば第1の流量レベル;1
≦v<5[L/s],第2の流量レベル;5≦v<10
[L/s],第3の流量レベル;10≦v<30[L/
s]…のように)のうちの、どの流量レベルにあるのか
を評価して、そのvの流量レベルに応じてあらかじめ定
められているfとaとの組み合わせとδkとの関数関係
(δk=G(f,a,v=v))に基づいて、ガスの状
態にさらに的確に対応した補正値δkを得ることによ
り、Δvをさらに確実に抑制ないし解消することができ
る。
【0068】また、上記の超音波伝播部10および伝播
時間計測部100としては、時間差方式、位相差方式、
シングアラウンド方式のものなどが適用可能である。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガスのような流体の流速に対応して変化する音波の伝播
時間を計測するごとに、その計測された伝播時間に対応
した流量係数を求め、さらにその流量係数に対して圧力
変動に対応した補正を施して、圧力変動に起因した誤差
の補正も含めた流量係数を得て、その補正された流量係
数を伝播時間に乗算する演算を行うなどして瞬間流量値
を算出し、その瞬間流量値に基づいて流体の流量値を得
るようにしたので、ガスなどの流体の流速が大幅に変化
したり、流体中に脈動が生じるなどして流速が頻繁に変
化しても、そのときの流量の計測結果に有意な誤差が生
じることを解消することができる。しかも、その脈動や
うねりなどに起因した誤差の補正に要する演算量や演算
時間が膨大なものとなることを防いで、簡易な演算方法
および短時間の演算時間を要するだけで、正確な補正を
達成することができる。
【0070】また、間欠的に計測される個々の伝搬時間
または流速に各々対応した流量係数を乗算する演算を行
なって、個々の瞬間流量値を求め、さらにその個々の流
量値の平均を求めるようにすることにより、その流量値
のデータ量を少なくすることができるので、例えば計測
結果の流量値のデータを記憶したり伝送したりする場合
などに、そのデータの取扱いをさらに簡便なものとする
ことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るガスメータの概要
構成を示す図である。
【図2】図1のガスメータにおける流量計測動作の概要
を示すフローチャートである。
【図3】図1のガスメータにおける流量計測動作の概要
を示すフローチャートである。
【図4】圧力変動計測部によって圧力変動の波形の周期
および振幅を求める手法を模式的に示した図である。
【図5】確率密度分布(確率密度関数)を用いてΔvお
よび補正値δkを求める統計的な手法を示した図であ
る。
【図6】圧力変動の周期(τ)と流速vの計測タイミン
グの周期(Tv)との関係と誤差の発生確率との連関に
基づいて、流量係数の補正値δkを求める手法を示した
図である。
【図7】統計的な手法以外による演算則G(f,a)の
求め方の基本的な手法の根拠を示した図である。
【符号の説明】
10…超音波伝搬部、100…伝搬時間計測部、200
…流量値演算部、300…流量値積算部、400…流量
値記憶部、500…流量計測値読出部、600…圧力変
動計測部、700…流量係数補正部
フロントページの続き (72)発明者 湯浅 健一郎 東京都港区海岸一丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 (72)発明者 長岡 行夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 安倍 秀二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2F030 CA03 CB09 CC13 CD20 CE04 2F035 DA14 DA15 DA16 DA19 GA03

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体に音波を間欠的に伝播させてその伝
    播時間または前記流体の流速を計測し、前記伝播時間ま
    たは前記流体の流速に基づいて前記流体の流量値を得る
    流量計測方法において、 前記音波を伝播させる毎にその音波の伝播時間または前
    記流体の流速を計測すると共に、前記伝播時間または前
    記流体の流速に対応した流量係数を求め、かつ前記流体
    の圧力変動の周期または周波数および振幅を計測し、そ
    の圧力変動の周期または周波数および振幅に対応した補
    正を前記流量係数に施して、その補正が施された流量係
    数と前記伝播時間または前記流体の流速とを用いた演算
    を行なって前記流体の瞬間流量値を算出し、その瞬間流
    量値に基づいて前記流体の流量値を得ることを特徴とす
    る流量計測方法。
  2. 【請求項2】 前記流体の圧力変動の周期または周波数
    および振幅の組み合わせに対応した補正値をあらかじめ
    定めておき、その補正値のうちから前記圧力変動の周期
    または周波数および振幅の組み合わせに対応した補正値
    を選出し、それを用いて前記流量係数に補正を施すこと
    を特徴とする請求項1記載の流量計測方法。
  3. 【請求項3】 流体に音波を間欠的に伝播させてその伝
    播時間または前記流体の流速を計測し、前記伝播時間ま
    たは前記流体の流速に基づいて前記流体の流量値を得る
    流量計測方法において、 前記音波を伝播させる毎にその音波の伝播時間または前
    記流体の流速を計測すると共に、前記伝播時間または前
    記流体の流速に対応した流量係数を求め、かつ前記流体
    の圧力変動の周期または周波数を計測し、その圧力変動
    の周期または周波数に対応した補正を前記流量係数に施
    して、その補正が施された流量係数と前記伝播時間また
    は前記流体の流速とを用いた演算を行なって前記流体の
    瞬間流量値を算出し、その瞬間流量値に基づいて前記流
    体の流量値を得ることを特徴とする流量計測方法。
  4. 【請求項4】 前記流体の圧力変動の周期または周波数
    に対応した補正値をあらかじめ定めておき、その補正値
    のうちから前記圧力変動の周期または周波数に対応した
    補正値を選出し、それを用いて前記流量係数に補正を施
    すことを特徴とする請求項3記載の流量計測方法。
  5. 【請求項5】 流体に音波を間欠的に伝播させてその伝
    播時間または前記流体の流速を計測し、前記伝播時間ま
    たは前記流体の流速に基づいて前記流体の流量値を得る
    流量計測方法において、 前記音波を伝播させる毎にその音波の伝播時間または前
    記流体の流速を計測すると共に、前記伝播時間または前
    記流体の流速に対応した流量係数を求め、かつ前記流体
    の圧力変動の振幅を計測し、その圧力変動の振幅に対応
    した補正を前記流量係数に施して、その補正が施された
    流量係数と前記伝播時間または前記流体の流速とを用い
    た演算を行なって前記流体の瞬間流量値を算出し、その
    瞬間流量値に基づいて前記流体の流量値を得ることを特
    徴とする流量計測方法。
  6. 【請求項6】 前記流体の圧力変動の振幅に対応した補
    正値をあらかじめ定めておき、その補正値のうちから前
    記圧力変動の振幅に対応した補正値を選出し、それを用
    いて前記流量係数に補正を施すことを特徴とする請求項
    5記載の流量計測方法。
  7. 【請求項7】 前記瞬間流量値の所定計測回数ごとの平
    均値を演算して前記流体の流量値を得ることを特徴とす
    る請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の流量計
    測方法。
  8. 【請求項8】 前記伝播時間または前記流体の流速の代
    りに、前記音波が前記流体の下流から上流へと伝播する
    際の周波数と上流から下流へと伝播する際の周波数との
    周波数差を計測し、その周波数差と前記補正が施された
    流量係数とを用いた演算を行なって前記流体の瞬間流量
    値を算出し、その瞬間流量値に基づいて前記流体の流量
    値を得ることを特徴とする請求項1ないし6のうちのい
    ずれか1項に記載の流量計測方法。
  9. 【請求項9】 流体に音波を間欠的に伝播させる音波伝
    播手段と、前記音波の伝播時間または前記流体の流速を
    計測する伝播時間または前記流体の流速計測手段と、前
    記伝播時間または前記流体の流速に基づいて前記流体の
    流量値を演算する流量値演算手段とを有する流量計測装
    置において、 前記伝播時間または前記流体の流速計測手段は、前記音
    波伝播手段が前記音波を伝播させる毎に、その音波の伝
    播時間または前記流体の流速を計測するものであり、 前記流量値演算手段が、前記伝播時間または前記流体の
    流速とそれに対応した流量係数とを用いた演算を行って
    前記流体の流量値を演算するものであり、 前記流体の圧力変動の周期または周波数および振幅を計
    測する圧力変動計測手段と、 前記圧力変動の周期または周波数および振幅に対応した
    補正を前記流量係数に施す流量係数補正手段とを、さら
    に備えていることを特徴とする流量計測装置。
  10. 【請求項10】 前記流量係数補正手段が、前記流体の
    圧力変動の周期または周波数および振幅の組み合わせに
    対応して複数種類の補正値をあらかじめ定めておき、そ
    の複数種類の補正値のうちから前記圧力変動の周期また
    は周波数および振幅の組み合わせに対応した補正値を選
    出し、それを用いて前記流量係数に補正を施すものであ
    ることを特徴とする請求項9記載の流量計測装置。
  11. 【請求項11】 流体に音波を間欠的に伝播させる音波
    伝播手段と、前記音波の伝播時間または前記流体の流速
    を計測する伝播時間または前記流体の流速計測手段と、
    前記伝播時間または前記流体の流速に基づいて前記流体
    の流量値を演算する流量値演算手段とを有する流量計測
    装置において、 前記伝播時間または前記流体の流速計測手段は、前記音
    波伝播手段が前記音波を伝播させる毎に、その音波の伝
    播時間または前記流体の流速を計測するものであり、 前記流量値演算手段が、前記伝播時間または前記流体の
    流速とそれに対応した流量係数とを用いた演算を行って
    前記流体の流量値を演算するものであり、 前記流体の圧力変動の周期または周波数を計測する圧力
    変動計測手段と、 前記圧力変動の周期または周波数に対応した補正を前記
    流量係数に施す流量係数補正手段とを、さらに備えてい
    ることを特徴とする流量計測装置。
  12. 【請求項12】 前記流量係数補正手段が、前記流体の
    圧力変動の周期または周波数に対応して複数種類の補正
    値をあらかじめ定めておき、その複数種類の補正値のう
    ちから前記圧力変動の周期または周波数に対応した補正
    値を選出し、それを用いて前記流量係数に補正を施すも
    のであることを特徴とする請求項11記載の流量計測装
    置。
  13. 【請求項13】 流体に音波を間欠的に伝播させる音波
    伝播手段と、前記音波の伝播時間または前記流体の流速
    を計測する伝播時間または前記流体の流速計測手段と、
    前記伝播時間または前記流体の流速に基づいて前記流体
    の流量値を演算する流量値演算手段とを有する流量計測
    装置において、 前記伝播時間または前記流体の流速計測手段は、前記音
    波伝播手段が前記音波を伝播させる毎に、その音波の伝
    播時間または前記流体の流速を計測するものであり、 前記流量値演算手段が、前記伝播時間または前記流体の
    流速とそれに対応した流量係数とを用いた演算を行って
    前記流体の流量値を演算するものであり、 前記流体の圧力変動の振幅を計測する圧力変動計測手段
    と、 前記圧力変動の振幅に対応した補正を前記流量係数に施
    す流量係数補正手段とを、さらに備えていることを特徴
    とする流量計測装置。
  14. 【請求項14】 前記流量係数補正手段が、前記流体の
    圧力変動の振幅に対応して複数種類の補正値をあらかじ
    め定めておき、その複数種類の補正値のうちから前記圧
    力変動の振幅に対応した補正値を選出し、それを用いて
    前記流量係数に補正を施すものであることを特徴とする
    請求項13記載の流量計測装置。
  15. 【請求項15】 前記流量値演算手段が、前記瞬間流量
    値の所定計測回数ごとの平均値を演算して前記流体の流
    量値を得るものであることを特徴とする請求項9ないし
    14のうちいずれか1項に記載の流量計測装置。
  16. 【請求項16】 前記伝播時間または前記流体の流速計
    測手段およびそれによって計測される前記伝播時間また
    は前記流体の流速の代りに、前記音波が前記流体の下流
    から上流へと伝播する際の周波数と上流から下流へと伝
    播する際の周波数との周波数差を計測する周波数差計測
    手段を備えると共に、 前記流量値演算手段を、前記補正が施された流量係数と
    前記周波数差とを用いた演算を行なって前記流体の瞬間
    流量値を算出し、その瞬間流量値に基づいて前記流体の
    流量値を得るものとしたことを特徴とする請求項9ない
    し14のうちのいずれか1項に記載の流量計測装置。
  17. 【請求項17】 ガスに音波を間欠的に伝播させる音波
    伝播手段と、前記音波の伝播時間または前記流体の流速
    を計測する伝播時間または前記流体の流速計測手段と、
    前記伝播時間または前記流体の流速に基づいて前記ガス
    の流量値を演算する流量値演算手段とを有するガスメー
    タにおいて、 前記伝播時間または前記流体の流速計測手段は、前記音
    波伝播手段が前記音波を伝播させる毎に、その音波の伝
    播時間または前記流体の流速を計測するものであり、 前記流量値演算手段が、前記伝播時間または前記流体の
    流速とそれに対応した流量係数とを用いた演算を行って
    前記ガスの流量値を演算するものであり、 前記ガスの圧力変動の周期または周波数および振幅を計
    測する圧力変動計測手段と、 前記圧力変動の周期または周波数および振幅に対応した
    補正を前記流量係数に施す流量係数補正手段とを、さら
    に備えていることを特徴とするガスメータ。
  18. 【請求項18】 前記流量係数補正手段が、前記ガスの
    圧力変動の周期または周波数および振幅の組み合わせに
    対応して複数種類の補正値をあらかじめ定めておき、そ
    の複数種類の補正値のうちから前記圧力変動の周期また
    は周波数および振幅の組み合わせに対応した補正値を選
    出し、それを用いて前記流量係数に補正を施すものであ
    ることを特徴とする請求項17記載のガスメータ。
  19. 【請求項19】 ガスに音波を間欠的に伝播させる音波
    伝播手段と、前記音波の伝播時間または前記流体の流速
    を計測する伝播時間または前記流体の流速計測手段と、
    前記伝播時間または前記流体の流速に基づいて前記ガス
    の流量値を演算する流量値演算手段とを有するガスメー
    タにおいて、 前記伝播時間または前記流体の流速計測手段は、前記音
    波伝播手段が前記音波を伝播させる毎に、その音波の伝
    播時間または前記流体の流速を計測するものであり、 前記流量値演算手段が、前記伝播時間または前記流体の
    流速とそれに対応した流量係数とを用いた演算を行って
    前記ガスの流量値を演算するものであり、 前記ガスの圧力変動の周期または周波数を計測する圧力
    変動計測手段と、 前記圧力変動の周期または周波数に対応した補正を前記
    流量係数に施す流量係数補正手段とを、さらに備えてい
    ることを特徴とするガスメータ。
  20. 【請求項20】 前記流量係数補正手段が、前記ガスの
    圧力変動の周期または周波数に対応して複数種類の補正
    値をあらかじめ定めておき、その複数種類の補正値のう
    ちから前記圧力変動の周期または周波数に対応した補正
    値を選出し、それを用いて前記流量係数に補正を施すも
    のであることを特徴とする請求項19記載のガスメー
    タ。
  21. 【請求項21】 ガスに音波を間欠的に伝播させる音波
    伝播手段と、前記音波の伝播時間または前記流体の流速
    を計測する伝播時間または前記流体の流速計測手段と、
    前記伝播時間または前記流体の流速に基づいて前記ガス
    の流量値を演算する流量値演算手段とを有するガスメー
    タにおいて、 前記伝播時間または前記流体の流速計測手段は、前記音
    波伝播手段が前記音波を伝播させる毎に、その音波の伝
    播時間または前記流体の流速を計測するものであり、 前記流量値演算手段が、前記伝播時間または前記流体の
    流速とそれに対応した流量係数とを用いた演算を行って
    前記ガスの流量値を演算するものであり、 前記ガスの圧力変動の振幅を計測する圧力変動計測手段
    と、 前記圧力変動の振幅に対応した補正を前記流量係数に施
    す流量係数補正手段とを、さらに備えていることを特徴
    とするガスメータ。
  22. 【請求項22】 前記流量係数補正手段が、前記ガスの
    圧力変動の振幅に対応して複数種類の補正値をあらかじ
    め定めておき、その複数種類の補正値のうちから前記圧
    力変動の振幅に対応した補正値を選出し、それを用いて
    前記流量係数に補正を施すものであることを特徴とする
    請求項21記載のガスメータ。
  23. 【請求項23】 前記流量値演算手段が、前記瞬間流量
    値の所定計測回数ごとの平均値を演算して前記ガスの流
    量値を得るものであることを特徴とする請求項17ない
    し22のうちいずれか1項に記載のガスメータ。
  24. 【請求項24】 前記伝播時間または前記流体の流速計
    測手段およびそれによって計測される前記伝播時間また
    は前記流体の流速の代りに、前記音波が前記ガスの下流
    から上流へと伝播する際の周波数と上流から下流へと伝
    播する際の周波数との周波数差を計測する周波数差計測
    手段を備えると共に、前記流量値演算手段を、前記補正
    が施された流量係数と前記周波数差とを用いた演算を行
    なって前記ガスの瞬間流量値を算出し、その瞬間流量値
    に基づいて前記ガスの流量値を得るものとしたことを特
    徴とする請求項17ないし22のうちのいずれか1項に
    記載のガスメータ。
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