JP2003028411A - プラズマ式灰溶融炉 - Google Patents
プラズマ式灰溶融炉Info
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Abstract
径を大きくしても未溶融焼却灰の炉室外への流出を防止
することができるプラズマ式灰溶融炉を提供すること。 【解決手段】 プラズマアーク式灰溶融炉1は、周壁1
4に囲まれた炉室3を設けている。灰溶融炉1には、炉
室3の中心部に配設される主電極4と該主電極4と出滓
口17とを結ぶ線の出滓口17側に配設される補助電極
20が設けられている。炉底壁9には炉底電極5が配設
され、それらの電極には直流電源8が接続されている。
溶融炉本体2には周壁14を貫通する覗き窓22を設
け、覗き窓22の外側には、出滓口17を撮影する赤外
線カメラ23を配設している。
Description
溶融処理してスラグ化した焼却灰を、資源化若しくは減
量化するプラズマ式の灰溶融炉において、溶融効率を向
上することができるプラズマ式灰溶融炉に関する。
るためのものであり、灰溶融炉により溶融した焼却灰
は、低沸点の揮散物や、金属類及びその他成分のスラグ
に分け、無害化するとともに、そのリサイクルを図って
いる。こうした焼却灰の溶融炉のニーズが増加してきて
いる。これらの灰溶融炉には、焼却灰の溶融のために重
油等を燃料にするバーナ式灰溶融炉や、電気抵抗式灰溶
融炉及びプラズマ式灰溶融炉等のように電気を熱源とし
て灰を溶融するものが知られている。
ラズマアーク式灰溶融炉1を示し、灰溶融炉1には、溶
融炉本体2の周壁14に囲まれた炉室3を設けている。
灰溶融炉1には、主電極4、炉底電極5及び直流電源6
等を備えたプラズマ装置が設けられ、主電極4は、溶融
炉本体2の天井壁7を貫通して垂下されるとともに、昇
降装置8に支持されることにより炉室3内を上下動でき
るように構成されている。炉底電極5は、主電極4の直
下の炉底壁9に炉底電極5を設置し、これらの電極4,
5間に、プラズマ発生用の直流電源6を接続している。
溶融炉本体2は、外壁を鉄皮10で覆い、内壁11はレ
ンガ等の耐火材で形成し、溶融炉本体2の周壁14に
は、焼却灰12の投入口13が配設され、投入口13に
対向する周壁14には、溶融スラグ16の排出口である
出滓口17が配設され、出滓口17には出滓樋18が接
続されている。
3には、焼却灰の投入口13から炉底壁9上に焼却灰1
2が投入され、灰溶融炉1の炉室3を還元雰囲気にした
状態で、直流電源6により電圧を電極4,5間に印加す
る。すると、該電極4,5間にプラズマアークが発生
し、焼却灰12は加熱されて溶融してスラグ16とな
り、焼却灰中に含まれているメタル成分が溶融して溶融
メタル19となり炉底に沈む。溶融スラグ16が炉底に
溜まり出滓口17の高さに達すると、スラグ16が出滓
口17から溢れでて出滓樋18を通って、図示しないモ
ールドに供給され、スラグ16は次工程で冷却処理され
る。他方、溶融メタル19は、図示のように溶融炉本体
2が傾倒式のものであれば、シリンダ25を駆動させて
支軸26を回転軸として溶融炉本体2を傾倒させて、出
滓口17から溶融メタル19を炉外に排出するようにし
ている。
プラズマ式灰溶融炉1では、処理量を大きくするために
炉室3の内径を拡大するような場合は、炉室3の出滓口
17付近の内壁11の温度が焼却灰12の融点以下の温
度となり、図5に示すように未溶融焼却灰12aがスラ
グ16面上に浮いて、そのまま出滓口17から出滓樋1
8を通って、炉室3の外に排出されてしまう。未溶融焼
却灰12aには、有害な金属が含まれていることもあ
り、スラグの品質の確保からも完全に溶融してから炉室
3外に排出する必要がある。かかる場合に、プラズマ電
極4,5の出力を大きなものにすることも考えられる
が、電気消費量が大きくなる。本発明はこのような事情
に鑑みてなされたもので、灰溶融炉の灰処理量を大きく
するために炉室の径を大きする場合に、溶融効率を向上
することができるプラズマ式灰溶融炉を提供することを
目的とする。
融炉は、上記目的を達成するために、焼却灰が投入され
る炉本体と、該炉本体の炉室内の中心部に配設される主
電極と、炉本体の炉底壁に配設される炉底電極と、上記
主電極及び炉底電極により加熱された焼却灰が溶融して
スラグ化した溶融スラグを炉室外に排出する出滓口とを
備えたプラズマ式灰溶融炉において、上記主電極と出滓
口とを結ぶほぼ直線上にあって、該直線の中間点を含め
て中間点よりも出滓口よりに、炉室内補助電極を設けた
ことにある。なお、ほぼ直線上とは、その直線上と、多
少のずれがある範囲を含み、多少のずれとは、本発明の
効果が発揮できる範囲である。上記プラズマ式灰溶融炉
は、上記炉本体の運転時に、上記主電極の先端部を溶融
スラグに浸漬し、上記炉室内補助電極の先端部を溶融ス
ラグ面上に間隔を開けて配置することができる。さら
に、上記プラズマ式灰溶融炉は、上記炉本体の炉壁に赤
外線を透過させる透過窓を設けるとともに、該透過窓の
近傍に上記出滓口を監視する赤外線カメラを設け、未溶
融焼却灰の存在状況により補助電極の電力を調整するこ
とができる。
プラズマ式灰溶融炉について図面を参照しながら説明す
る。なお、従来例と同一名称の部材については同一の符
号を付して説明する。図1は、本発明に係るプラズマア
ーク式灰溶融炉1を示し、この灰溶融炉1は、周壁14
に囲まれた炉室3を設け、周壁14は耐熱レンガ等の耐
熱材により形成されている。また、灰溶融炉1には、炉
室3側に配設される主電極4、炉室3の炉底壁9に配設
される炉底電極5が設けられ、これらのプラズマ電極
4,5は水平断面が円形である炉室3の中心軸上に配置
されている。
7を貫通し、かつ垂下されて配設されるとともに、昇降
装置8に支持されることにより炉室3内を上下動できる
ように構成されている。主電極4は、金属または黒鉛製
であり、内部にプラズマ用ガスを発生させる通路を形成
した円筒形状のものを用いている。他方の炉底電極5
は、主電極4の直下に配設され、その先端部と対向して
設置されている。これらのプラズマ電極4,5間には、
プラズマ発生用の直流電源6が接続されている。直流電
源6は、炉底電極5側に+を接続し、主電極4側に−を
接続している。溶融炉本体2の下壁部には、溶融スラグ
16の排出口である出滓口17が配設され、出滓口17
には、出滓樋18が接続されている。この出滓口17及
び出滓樋18は、耐火材で形成されている。
とは別に炉室内電極である補助電極20が配設されてい
る。円筒状の補助電極20は、天井壁7から炉室3内に
垂下され、昇降装置21により上下動が可能である。図
2に示すように、補助電極20の配置場所は、本実施の
形態では、補助電極20の軸心Aが主電極4の軸心Oと
出滓口17の開口の幅方向に対する中心Bとを結ぶ線上
に配置され、かつ主電極4と出滓口17の開口の中間部
(OC=CB=L)C若しくはその中間部Cよりも出滓
口17側に近い位置(CB間)に配置している。また、
主電極4と補助電極20は同じ径のものを用いることが
でき、こうすると電極の継ぎ足し用装置の共通化を図る
ことができ便利である。ただし、主電極4と補助電極2
0は、必ずしも共通化を図ることなく例えば補助電極2
0の径を細くすると、炉室内空間が広くなる利点があ
る。
スラグ16の流れを観察できる位置に覗き窓22が設け
られ、覗き窓22の近傍には、赤外線カメラ23が配設
されている。この赤外線カメラ23は、出滓口17の未
溶融焼却灰12aを観察するものであるので、出滓口1
7の手前側(上流側)の溶融スラグ16の流れや出滓樋
18における溶融スラグ16の流れを観察できる部位に
設けてもよい。赤外線カメラ23により撮影された映像
は、それに接続されているモニターを介して観察するこ
とができる。溶融炉本体2の周壁14には、焼却灰12
を炉室3に投入する投入口13が設けられ、投入口13
は図示しない灰供給用のホッパに連絡している。なお、
この灰溶融炉1には、その他、図示されていないプラズ
マ制御する制御装置や周壁14部を冷却する冷却装置等
の設備が多数配設されているが、それらの詳細な説明は
省略する。
実施の形態の作用について説明する。図1に示すよう
に、灰溶融炉1の炉室3には、焼却灰12の投入口13
から炉底壁上に焼却灰12が投入され、灰溶融炉1の炉
室3を還元雰囲気にした状態で、直流電源6により電圧
を炉室内側電極4,20と炉底電極5との間に印加す
る。この際、補助電極20の出力量は、小さめにしてお
く。このようにして、これらの電極間にプラズマアーク
が発生し、炉室3内が1000℃以上の雰囲気となり、
焼却灰12が加熱されて溶融して溶融スラグ16とな
り、焼却灰12中に含まれているメタル成分もまた溶融
して溶融メタル19となり炉底に沈む。その上澄みの溶
融スラグ16が炉底に溜まり出滓口17の高さに達する
と、スラグ16が出滓口17から溢れでて出滓樋18を
通って、炉室外に排出される。主電極4及び補助電極2
0は、灰溶融炉1の稼働中に消耗するので、それら電極
4,20の先端部が溶融スラグ16面から所定の高さに
位置するように、各々の昇降装置8,21を使用して、
その消耗分だけ高さ調整する。
赤外線カメラ23が、出滓口17近傍を撮影している。
赤外線カメラ23は出滓口17での溶融スラグ16の流
れを撮影するものであり、未溶融焼却灰12aが炉室外
に流出するか否かを観察することができる。その一方、
溶融炉本体2が処理量を大きくするために炉室3の径が
大きく設計されているような場合は、炉室3の中心側は
高温状態が維持されるが、内壁11側に位置する壁面近
傍の未溶融焼却灰12aが融点以下の温度となり、未溶
融焼却灰12aが出滓口17から流出されることがあ
る。このような場合は、赤外線カメラ23により未溶融
焼却灰12aの存在を監視し、それが出滓口17から流
出する前に、補助電極側20,5の電力量を大きくす
る。これにより、出滓口17付近の内壁11に位置する
未溶融焼却灰12aの温度が高くなり、未溶融焼却灰1
2を溶融させてその排出を未然に防ぐことができる。未
溶融焼却灰12aが流出するおそれがなくなった場合
は、補助電極20の出力量を小さく調整する。なお、灰
溶融炉1の運転方法としては、溶融スラグ16の出滓状
況を観察しながら、主電極4及び補助電極20の出力量
を交互に大きくしたり、小さく調整してもよい。さらに
は、主電極4及び補助電極20の両者の出力を同時に大
きくしたり、小さくしてもよい。こうしたいずれの運転
方法であっても、未溶融焼却灰12aの炉室3外の流出
を防止することができる。
方法を示す図である。溶融炉本体2の稼働中に一方の主
電極4の先端部を溶融スラグ16層に挿入し、他方の補
助電極20を溶融スラグ16面上から所定の間隔を開け
て、灰溶融炉本体1を稼働する。すると、炉室3の中心
部に配設されている主電極4が溶融スラグ16層を拡散
するように攪拌効果を発揮し、溶融スラグ16の温度の
均一化を図ることができる。他方、補助電極20は溶融
スラグ16の表面の温度を高くして未溶融焼却灰12a
を溶融する。
一方の電極が主電極4と補助電極20とから構成されて
いるので、未溶融焼却灰12aが炉室3の外へ流出する
ような場合は、補助電極20の出力を大きくして未溶融
焼却灰12aを溶融することができる。また、赤外線カ
メラ23で炉室3内の出滓口17の上流側近傍を観察し
たような場合は、未溶融焼却灰12aの存在を予め知る
ことができ、出滓口17から未溶融焼却灰12aが流出
するのを即座に防止することができる。
たが、勿論、本発明はこれに限定されることなく本発明
の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
溶融炉によれば、焼却灰が投入される炉本体と、該炉本
体の炉室内の中心部に配設される主電極と、炉本体の炉
底壁に配設される炉底電極と、上記主電極及び炉底電極
により加熱された焼却灰が溶融してスラグ化した溶融ス
ラグを炉室外に排出する出滓口とを備えたプラズマ式灰
溶融炉において、上記主電極と出滓口とを結ぶほぼ直線
上にあって、該直線の中間点を含めて中間点よりも出滓
口よりに、炉室内補助電極を設けたので、補助電極の電
力を調整することにより未溶融の焼却灰を出滓口からの
流出を抑制することができるようになる。また、上記プ
ラズマ式灰溶融炉は、上記炉本体の運転時に、上記主電
極の先端部を溶融スラグに浸漬し、上記炉室内補助電極
の先端部を溶融スラグ面上に間隔を開けて配置すると、
主電極は溶融スラグ層を攪拌することができ、補助電極
は溶融スラグの表面部分を加熱することができる。さら
に、上記プラズマ式灰溶融炉は、炉本体の炉壁に赤外線
を透過させる透過窓を設けるとともに、該透過窓の近傍
に上記出滓口を監視する赤外線カメラを設け、未溶融焼
却灰の存在状況により補助電極の電力を調整すると、未
溶融焼却灰の炉室外への流出を未然防止することができ
るようになった。
面図である。
る。
端部を溶融スラグ内に挿入させた状態を示す概略断面図
である。
図である。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 焼却灰が投入される炉本体と、該炉本体
の炉室内の中心部に配設される主電極と、炉本体の炉底
壁に配設される炉底電極と、上記主電極及び炉底電極に
より加熱された焼却灰が溶融してスラグ化した溶融スラ
グを炉室外に排出する出滓口とを備えたプラズマ式灰溶
融炉において、上記主電極と出滓口とを結ぶほぼ直線上
にあって、該直線の中間点を含めて中間点よりも出滓口
よりに、炉室内補助電極を設けたことを特徴とするプラ
ズマ式灰溶融炉。 - 【請求項2】 上記炉本体の運転時に、上記主電極の先
端部を溶融スラグに浸漬し、上記炉室内補助電極の先端
部を溶融スラグ面上に間隔を開けて配置したことを特徴
とする請求項1に記載のプラズマ式灰溶融炉。 - 【請求項3】 上記炉本体の炉壁に赤外線を透過させる
透過窓を設けるとともに、該透過窓の近傍に上記出滓口
を監視する赤外線カメラを設け、未溶融焼却灰の存在状
況により主電極又は補助電極の電力を調整するようにし
たことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ
式灰溶融炉。
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