JP2003028192A - クラッチカバー組立体 - Google Patents

クラッチカバー組立体

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JP2003028192A
JP2003028192A JP2001212214A JP2001212214A JP2003028192A JP 2003028192 A JP2003028192 A JP 2003028192A JP 2001212214 A JP2001212214 A JP 2001212214A JP 2001212214 A JP2001212214 A JP 2001212214A JP 2003028192 A JP2003028192 A JP 2003028192A
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inclined surface
pressure plate
clutch
cover assembly
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Norihisa Uenohara
範久 植之原
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Exedy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチカバー組立体の摩耗補償機構におい
て傾斜面の加工を安価に行う。 【解決手段】 クラッチカバー組立体1において、摩耗
補償機構29は、ダイヤフラムスプリング27を支持す
るためのファルクラムリング23を有し、摩擦フェーシ
ング11の摩耗量に応じてファルクラムリング23を摩
耗補償側に移動させるための機構である。摩耗補償機構
29は移動機構24を有している。移動機構24は、回
転方向に延びる第1傾斜面23dを有するファルクラム
リング23と、第1傾斜面23dに相補的に当接する第
2傾斜面32aを有する回転プレート32とを含み、両
者を相対回転させることで両部材を軸方向に離れるよう
に移動させ、その結果ファルクラムリング23を摩耗補
償側に移動させるための機構である。第1傾斜面23d
は半径方向に沿った断面において滑らかに湾曲する凹状
であり、第2傾斜面32aは半径方向に沿った断面にお
いて滑らかに湾曲する凸状である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチカバー組
立体、特に摩擦部材の摩耗にかかわらず押圧荷重を初期
状態に維持するための摩耗補償機構を備えたクラッチカ
バー組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】クラッチ装置のクラッチカバー組立体
は、エンジンのフライホイールに装着され、ダイヤフラ
ムスプリングのばね力を利用してクラッチディスク組立
体の摩擦フェーシングをフライホイールに押し付けて、
エンジンの駆動力をトランスミッション側に伝達する。
このようなクラッチ装置では、摩擦フェーシングが磨耗
量が一定以上になると、摩擦フェーシングが擦り減って
使用不可能になり、又はクラッチカバーのダイヤフラム
スプリングの姿勢が変化して押圧荷重が変化してしま
う。そのため、クラッチディスク組立体を交換する必要
がでてくる。この交換時期を延ばす、すなわちクラッチ
の長寿命化が従来より要請されている。
【0003】クラッチの長寿命化を達成するためには、
クラッチディスク組立体においては、摩擦フェーシング
の有効使用厚みを増加させることが重要である。そこ
で、摩擦フェーシングをリベット等を用いずにクッショ
ニングプレートに固定する方法が用いられる。クラッチ
カバー組立体においては、摩擦フェーシングが摩耗した
場合にダイヤフラムスプリングの姿勢を初期状態に復帰
させる必要がある。そのために、摩擦フェーシングの磨
耗量を検出し、その磨耗量に応じてダイヤフラムスプリ
ングを支持する部材(プレッシャープレート側のファル
クラムリング、又はクラッチカバー側の支持機構)を移
動させる。これにより、クラッチディスク組立体の摩擦
フェーシングを最大限まで使用できる。
【0004】特開平10−227317号公報に示すク
ラッチカバー組立体では、摩耗補償機構は、主に、クラ
ッチカバーとダイヤフラムスプリングとの間に配置され
たファルクラムリングと、ファルクラムリングをプレッ
シャープレートから離れる方向に付勢する移動機構と、
ファルクラムリングがプレッシャープレートから離れる
のを防ぐとともに摩擦フェーシングに摩耗が生じた場合
に摩耗量だけファルクラムリングがプレッシャープレー
トから軸方向に移動するのを許容する摩耗量検出機構と
を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】移動機構は、回転方向
に延びる複数の傾斜面を有する2つの部材と、両部材を
回転方向に互いに付勢するばねとから構成されている。
2つの部材の傾斜面同士は互いに相補的に当接してお
り、一方が他方を回転方向に押すように移動すると、他
方の部材は軸方向に移動する。
【0006】各傾斜面は、半径方向に所定の幅を有し回
転方向に比較的長く延びており、回転方向一端から他端
に向かって徐々に軸方向高さが変化している。傾斜面
は、平坦な面であり、互いに密着した状態で当接してい
る。傾斜面を構成する一方の部材は例えばファルクラム
リングやプレッシャープレートであって、その傾斜面は
機械加工によって形成する必要がある。しかし、回転方
向に延びる傾斜面を平坦に加工することは困難であり、
高価な加工機械による複雑な加工が必要である。また、
斜面が平坦な場合、斜面と斜面とが半径方向にずれを生
じやすく、安定性が良くないという問題がある。
【0007】本発明の課題は、クラッチカバー組立体の
摩耗補償機構において傾斜面の加工を安価に行うことに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のクラッ
チカバー組立体は、フライホイールに装着され、摩擦部
材をフライホイールに連結及び連結解除させるためのも
のであり、クラッチカバーと、プレッシャープレート
と、押圧部材と、摩耗補償機構とを備えている。クラッ
チカバーは、フライホイールと一体回転するようになっ
ている。プレッシャープレートは、摩擦部材に近接して
配置され、クラッチカバーに一体回転するが軸方向に移
動可能である。押圧部材は、プレッシャープレートに対
して摩擦部材側への押圧力を与えるための部材である。
摩耗補償機構は、押圧部材を支持するための支持部を有
し、摩擦部材の摩耗量に応じて支持部を摩耗補償側に移
動させるための機構である。
【0009】摩耗補償機構は移動機構を有している。移
動機構は、回転方向に延びる第1傾斜面を有する第1部
材と、第1傾斜面に相補的に当接する第2傾斜面を有す
る第2部材とを含み、第1部材と第2部材を相対回転さ
せることで両部材を軸方向に離れるように移動させ、そ
の結果支持部を摩耗補償側に移動させるための機構であ
る。第1傾斜面及び第2傾斜面の一方は半径方向断面に
おいて滑らかに湾曲する凹状である。第1傾斜面及び第
2傾斜面の他方は、半径方向断面において滑らかに湾曲
する凸状であり、前記一方と概ね同等の曲率を有する。
【0010】請求項1に記載のクラッチカバー組立体で
は、押圧部材がプレッシャープレートを摩擦フェーシン
グ側に押すと、クラッチディスク組立体の摩擦フェーシ
ングがフライホイールとプレッシャープレートとの間に
挟まれる。このようにしてクラッチが連結される。次に
押圧部材からの押圧力が解除されると、プレッシャープ
レートから摩擦フェーシングに対する押圧が解除され
る。この結果、摩擦フェーシングはフライホイール及び
プレッシャープレートから離れる。このようにしてクラ
ッチ連結が解除される。
【0011】クラッチ連結時に摩擦フェーシングが摩耗
すると、摩耗補償機構が作動し、具体的には移動機構に
おいて第1部材と第2部材が相対回転し、傾斜面によっ
て両部材が軸方向に離れていく。この結果摩耗補償が行
われ、押圧部材の姿勢は初期状態に復帰しており、初期
の押圧荷重をプレッシャープレートに与える。以上に述
べた構造では、第1傾斜面及び第2傾斜面の一方は半径
方向に沿った断面において滑らかに湾曲する凹状である
ため、その傾斜面を機械加工する際に安価な加工機械を
使用できる。また、斜面の断面が溝形状となるため、半
径方向に対する位置決め機能を有するようになり、斜面
の安定性が良くなる。
【0012】請求項2に記載のクラッチカバー組立体
は、フライホイールに装着され、摩擦部材をフライホイ
ールに連結及び連結解除させるためのものであり、クラ
ッチカバーと、プレッシャープレートと、押圧部材と、
摩耗補償機構とを備えている。クラッチカバーはフライ
ホイールと一体回転するようになっている。プレッシャ
ープレートは、摩擦部材に近接して配置され、クラッチ
カバーに一体回転するが軸方向に移動可能である。押圧
部材は、プレッシャープレートに対して摩擦部材側への
押圧力を与えるための部材である。摩耗補償機構は、押
圧部材を支持するための支持部を有し、摩擦部材の摩耗
量に応じて支持部を摩耗補償側に移動させるための機構
である。
【0013】摩耗補償機構は移動機構を有している。移
動機構は、プレッシャープレートの摩擦部材と反対側に
配置され支持部及び回転方向に延びる第1傾斜面が形成
されたファルクラム部材と、プレッシャープレートとフ
ァルクラム部材との間に相対回転可能に配置され第1傾
斜面に相補的に当接する第2傾斜面を有する回転部材と
を有し、回転部材をファルクラム部材に対して回転させ
ることでファルクラム部材をプレッシャープレートから
離れる方向に移動させ、その結果支持部を摩耗補償側に
移動させるための機構である。第1傾斜面は半径方向に
沿った断面において滑らかに湾曲する凹状であり、第2
傾斜面は半径方向に沿った断面において滑らかに湾曲す
る凸状であり、前記一方と概ね同等の曲率を有すること
を特徴とする。
【0014】請求項2に記載のクラッチカバー組立体で
は、押圧部材がファルクラム部材を押すと、ファルクラ
ムリングを介してプレッシャープレートが摩擦フェーシ
ング側に押される。この結果、クラッチディスク組立体
の摩擦フェーシングがフライホイールとプレッシャープ
レートとの間に挟まれる。このようにしてクラッチが連
結される。次に押圧部材からの押圧力が解除されると、
プレッシャープレートから摩擦フェーシングに対する押
圧が解除される。この結果、摩擦フェーシングはフライ
ホイール及びプレッシャープレートから離れる。このよ
うにしてクラッチ連結が解除される。
【0015】クラッチ連結時に摩擦フェーシングが摩耗
すると、摩耗補償機構が作動し、具体的には移動機構に
おいて回転部材がファルクラム部材に対して回転し、傾
斜面によってファルクラム部材がプレッシャープレート
から軸方向に離れていく。この結果摩耗補償が行われ、
押圧部材の姿勢は初期状態に復帰する。以上に述べた構
造では、第1傾斜面は半径方向に沿った断面において滑
らかに湾曲する凹状であるため、ファルクラム部材の第
1傾斜面を機械加工する際に安価な加工機械を使用でき
る。
【0016】
【発明の実施の形態】1.第1実施形態 (1)構成 図1〜図5は、本発明の一実施形態が採用されたクラッ
チカバー組立体1を示している。クラッチカバー組立体
1は、車両のエンジンのフライホイール2から伝達され
たトルクを、クラッチディスク組立体3に伝達または遮
断するための装置であり、フライホイール2に取付けら
れる。
【0017】クラッチディスク組立体3は、フリクショ
ンディスク4と、フリクションディスク4にコイルスプ
リング6を介して連結されたハブ7とから主に構成され
ている。フリクションディスク4は、円板状プレート9
の外周部両面にそれぞれ固定されている。各フリクショ
ンディスク4は、リベット12により円板状プレート9
に固定された芯板10と、芯板10に固定された摩擦フ
ェーシング11とから構成されている。この実施形態で
は、摩擦フェーシング11はセラミック・メタル焼結材
料から構成されている。
【0018】図1におけるR1方向がクラッチの回転方
向であり、R2方向が後述する回転プレート32の摩耗
調整時における回転方向である。図2及び図3における
左側に図示しないエンジンが配置され、右側に図示しな
いトランスミッションが配置されている。クラッチカバ
ー組立体1は、主に、クラッチカバー21と、プレッシ
ャープレート22と、ファルクラムリング23と、ダイ
ヤフラムスプリング27と、ストラッププレート26
と、レリーズ装置28と、摩耗補償機構29(移動機構
24、摩耗量検出機構25)とから構成されている。
【0019】クラッチカバー21は、フライホイール2
に取付けられる皿形状の部材である。クラッチカバー2
1は、クラッチディスク組立体3の外周側を覆う外周側
覆い部21aと、クラッチディスク組立体3のトランス
ミッション側に対向する円板状部21bとを有してい
る。外周側覆い部21aは、フライホイールリング2a
を介してフライホイール2の外周部に固定されている。
【0020】さらに、円板状部21bの外周部には、図
4に示すように、円周方向に等間隔で4箇所に軸方向孔
21dが形成されている。プレッシャープレート22
は、クラッチカバー21の外周側覆い部21aの内側に
配置され、フリクションディスク4とクラッチカバー2
1の円板状部21bとの間でフリクションディスク4に
近接して配置されている。プレッシャープレート22は
環状の部材であり、鋳鉄などから作られている。プレッ
シャープレート22は、フリクションディスク4に対向
する摩擦面22aと、円板状部21bに対向する第2側
面22bとを有している。プレッシャープレート22の
第2側面22bにおいて、内周側には環状に延びる平坦
な溝22cが形成されている。この溝22c内に、後述
する移動機構24が設けられている。さらに、プレッシ
ャープレート22の外周面には、さらに半径方向外側に
延びる複数の(4つの)突出部22dが形成されてい
る。突出部22dは、クラッチカバー21の軸方向孔2
1dに対応している。
【0021】ストラッププレート26は、プレッシャー
プレート22をクラッチカバー21に対して連結するた
めの部材である。ストラッププレート26は、軸方向に
重ねて並べられた複数の細長い板状弾性部材からなり、
円周方向に等間隔で4箇所に設けられている。各ストラ
ッププレート26は、回転方向R1側端がリベット42
によってクラッチカバー21の端部に固定されており、
回転方向R2側端がボルト43によってプレッシャープ
レート22の突出部22dに固定されている。これによ
り、プレッシャープレート22は、クラッチカバー21
に対して軸方向に移動可能であるが、一体回転するよう
になっている。なお、クラッチ連結中には、ストラップ
プレート26は、プレッシャープレート22に対してフ
ライホイール2側から離れるように付勢力を与えてい
る。なお、ボルト43はクラッチカバー21の軸方向孔
21dを通ってさらに延び、軸方向孔21dより径が大
きい頭部43aを有している。頭部43aはクラッチカ
バー21の軸方向トランスミッション側面から所定距離
だけ軸方向に離れている。
【0022】ファルクラムリング23は、プレッシャー
プレート22の第2側面22b側に配置されている。フ
ァルクラムリング23は、ダイヤフラムスプリング27
からの荷重を受け、プレッシャープレート22とともに
をフライホイール2側に移動するための部材である。フ
ァルクラムリング23は、環状部23aと環状部23a
から半径方向外方に延びる4つの突出部23bとから構
成されている環状部23aは、プレッシャープレート2
2の溝22cに対して軸方向に所定の間隔をあけて対向
するように配置されている。
【0023】4つの突出部23bのうち半径方向に対抗
する2箇所には、軸方向孔23cが形成されている。こ
の軸方向孔23c内にはボルト45の胴部が貫通してい
る。ボルト45はプレッシャープレート22の外周部に
固定され、頭部45aが突出部23bから軸方向エンジ
ン側に離れて配置されている。すなわち、ボルト45に
よって、ファルクラムリング23がプレッシャープレー
ト22から軸方向に離れることができる距離が決定され
ている。また、ボルト45によって、ファルクラムリン
グ23はプレッシャープレート22と一体回転するよう
になっている。
【0024】摩耗補償機構29は、摩擦フェーシング1
1の摩耗量に応じてファルクラムリング23をプレッシ
ャープレート22に対して軸方向トランスミッション側
に移動させて、ダイヤフラムスプリング27の姿勢を維
持するための機構であり、移動機構24と、摩耗量検出
機構25とを備えている。移動機構24は、プレッシャ
ープレート22の溝22cとファルクラムリング23の
環状部23aとの間の環状空間内に配置されている。移
動機構24は、ファルクラムリング23に対してプレッ
シャープレート22から離れる方向(トランスミッショ
ン側)に付勢力を与えるための機構である。移動機構2
4は、主に、ファルクラムリング23と回転プレート3
2と複数のリターンスプリング33とから構成されてい
る。ファルクラムリング23の環状部23aの軸方向エ
ンジン側面には円周方向に所定距離だけ延びる複数の第
1傾斜面23dが形成されている。図6に示すように、
ファルクラムリング23の第1傾斜面23dはR2方向
が高くなっており(エンジン側に突出している)、R1
方向端が低くなっている。回転プレート32は、図6か
ら明らかなように、環状の板金製部材である。回転プレ
ート32には、円周方向に所定距離だけ延びる複数の第
2傾斜面32aが形成されている。回転プレート32の
第2傾斜面32aは第1傾斜面23dに対して相補的に
当接するように形成・配置されている。回転プレート3
2は、溝22c内で円周方向に移動自在に配置されてい
る。
【0025】なお、図7に示すように、第1傾斜面23
dは半径方向に沿った断面において滑らかに湾曲する凹
状であり、第2傾斜面32aは半径方向に沿った断面に
おいて滑らかに湾曲する凸状である。第1及び第2傾斜
面23d,32aの凹凸形状の曲率が概ね同じであるた
め、両者の密着性が向上している。さらに、ファルクラ
ムリング23の第1傾斜面23dは機械加工で加工する
必要であるが、凹状としているため、簡単な加工方法で
製造することができる。
【0026】また、回転プレート32はプレスで製造さ
れた板金製品であり、複数の第2傾斜面32aを同時に
形成しているため、コストが低い。回転プレートは樹脂
製であってもよい。ファルクラムリング23の内周部と
回転プレート32には、それぞればね係合部23e,3
2cが形成されている。リターンスプリング33の両端
は円周方向に位置の異なるばね係合部23eと32cと
に係合している。リターンスプリング33は、回転プレ
ート32をファルクラムリング23に対して回転方向R
2側に引っ張っている。この結果、第1及び第2傾斜面
23d,32aからなるくさび機構により、ファルクラ
ムリング23は軸方向トランスミッション側に常に付勢
されている。
【0027】摩耗量検出機構25は、摩擦フェーシング
11に摩耗がないときはファルクラムリング23が軸方
向に移動するのを禁じ、摩擦フェーシング11が摩耗す
るとその摩耗量を検出し、摩耗量に応じてファルクラム
リング23が軸方向に移動するのを許すための機構であ
る。摩耗量検出機構25は、プレッシャープレート22
の外周部の第2側面22b部分、及びファルクラムリン
グ23の突出部23bのうちボルト45が設けられてい
ない2箇所に配置されている。摩耗量検出機構25を構
成する部材は、各箇所において、主にボルト38とブッ
シュ39の2個の部材である。このように摩耗量検出機
構25は、2個の簡単な部材から構成されている。
【0028】ボルト38は、本体38aとねじ部38b
とから構成されている。ねじ部38bはプレッシャープ
レート22のねじ孔22eに螺合している。これによ
り、ボルト38はプレッシャープレート22と一体に移
動するようになっている。ボルト38の本体38aは、
ファルクラムリング23の軸方向孔23c内を貫通して
いる。本体38aは軸方向孔23cとの間には隙間を有
しており、両者は軸方向に相対移動可能である。なお、
プレッシャープレート22に固定される部材はボルトで
なく、ピンなどの他の棒状部材であってもよい。
【0029】ブッシュ39は、スリットが形成された筒
状の部材であり、半径方向に拡縮すなわち弾性変形可能
である。ブッシュ39は、筒部39aと、その軸方向ト
ランスミッション側端から外周側に延びる円板状のフラ
ンジ39bとから構成されている。ブッシュ39は、ボ
ルト38の本体38aの外周に配置され、本体38aに
締まり嵌めされており、軸方向に移動可能に摩擦係合し
ている。このようにブッシュ39はスリットが形成され
た弾性筒状体であるため、たわみ変形しやすく、ボルト
38との間で生じる摺動抵抗が安定している。筒部39
aの軸方向エンジン側端は、ファルクラムリング23の
突出部23bの軸方向トランスミッション側の面に近接
している。筒部39aと突出部23bとの間にはコーン
スプリング48が配置されている。コーンスプリング4
8は、環状かつ板状の部材であり、内径がボルト38の
本体38aの外径にほぼ一致している。コーンスプリン
グ48は、所定の剛性と弾性とを有しており、ファルク
ラムリング23とブッシュ39との間の衝撃緩和用クッ
ション部材として機能している。
【0030】このように、ブッシュ39は、コーンスプ
リング48を介してファルクラムリング23がプレッシ
ャープレート22から離れるのを制限している。プレー
ト部材41は、クラッチカバー21の外周部に固定され
た部材であり、摩耗量検出機構25に対応して半径方向
に対抗する2箇所に設けられている。図8に示すよう
に、プレート部材41は、半径方向外側部がボルト50
によってクラッチカバー21の一部に固定されている。
プレート部材41の半径方向内側部はさらに半径方向に
延びる一対の突出部41aが形成されている。一対の突
出部41aの間は半円形状の凹部となっており、その中
にブッシュ39の筒部39aが隙間を空けて配置されて
いる。突出部41aの軸方向トランスミッション側面は
ブッシュ39のフランジ39bに当接している。このよ
うにして、ブッシュ39は、クラッチカバー21側の部
材に対して、軸方向トランスミッション側には移動可能
であるが、軸方向エンジン側には移動不能に係合してい
る。なお、プレート部材41は、クラッチカバー21の
本体の内部に設けられているため、カバー本体側への孔
等の加工を不要にしている。
【0031】なお、ブッシュ39の外周面にはスナップ
リング51が設けられている。スナップリング51は、
プレート部材41の突出部41aから軸方向エンジン側
に所定距離だけ離れて配置されている。このため、プレ
ッシャープレート22は、クラッチカバー21に対し
て、スナップリング51がプレート部材41に当接する
までは軸方向トランスミッション側に移動可能である
が、当接が生じると、スナップリング51、ブッシュ3
9及びボルト38を介して移動が停止されるようになっ
ている。
【0032】ダイヤフラムスプリング27は、クラッチ
カバー21に支持され、ファルクラムリング23を介し
てプレッシャープレート22をフライホイール2側に押
圧するための部材である。ダイヤフラムスプリング27
は概ね円板形状である。ダイヤフラムスプリング27
は、外周側に環状の弾性部27aを有し、弾性部27a
からは内周側に多数のレバー部27bが延びている。す
なわち、ダイヤフラムスプリング27には大径の中心孔
が形成されその内周縁から放射状に延びる複数のスリッ
ト27cが形成されている。スリット27cの半径方向
外側端すなわちレバー部27bの根元部分には、スリッ
ト27cより円周方向幅の広い小判孔27dが形成され
ている。ダイヤフラムスプリング27の外周部はクラッ
チカバー21に支持されている。より具体的には、弾性
部27aの外周縁部分の軸方向トランスミッション側面
はクラッチカバー21に対してワイヤリング52を介し
て支持され、弾性部27aの内周縁部分の軸方向エンジ
ン側面はファルクラムリング23の環状部23aに支持
されている。このようにして、ダイヤフラムスプリング
27は、クラッチカバー21に支持されて、ファルクラ
ムリング23及びプレッシャープレート22に対して軸
方向エンジン側に押圧力を与えている。
【0033】レリーズ装置28は、ダイヤフラムスプリ
ング27によるプレッシャープレート22への押圧力を
解除してクラッチのレリーズを行うための装置である。
レリーズ装置28は、レリーズベアリング47等から構
成されている。レリーズベアリング47は、インナーレ
ースとアウターレースと両レース間に配置された複数の
転動体とから構成されている。
【0034】(2)動作 〔クラッチ連結〕クラッチ連結状態では、ダイヤフラム
スプリング27がファルクラムリング23をエンジン側
に付勢している。これにより、プレッシャープレート2
2はフライホイール2との間にクラッチディスク組立体
3のフリクションディスク4を挟持している。
【0035】〔クラッチレリーズ〕クラッチレリーズ時
には、レリーズ装置28を軸方向トランスミッション側
に移動する。すると、ダイヤフラムスプリング27のレ
バー部27bの先端が軸方向トランスミッション側に引
き出され、弾性部27aからファルクラムリング23へ
の押圧力が解除される。
【0036】すると、ストラッププレート26の反力に
よりプレッシャープレート22及びファルクラムリング
23が軸方向トランスミッション側に移動する。このと
き、ファルクラムリング23とプレッシャープレート2
2は一体となって軸方向に移動する。これは、ボルト3
8とブッシュ39との間で生じる摺動抵抗が、ストラッ
ププレート26の反力と移動機構24からの付勢力の合
計より大きく設定されており、ボルト38とブッシュ3
9との間で滑りが生じないからである。すなわち、プレ
ッシャープレート22は、摩耗量検出機構25を介して
ファルクラムリング23を軸方向に移動させる。この結
果、プレッシャープレート22からクラッチディスク組
立体3のフリクションディスク4に対する押圧力が解除
される。
【0037】〔磨耗発生〕クラッチ連結時に摩擦フェー
シング11が摩耗すると、プレッシャープレート22及
びファルクラムリング23が摩耗量だけフライホイール
2側に移動する。このとき、摩耗量検出機構25のボル
ト38はプレッシャープレート22とともにエンジン側
に移動する。しかし、ブッシュ39は、フランジ39b
がプレート部材41に当接しているため、エンジン側に
移動不能である。そのため、ボルト38がブッシュ39
に対して軸方向に移動する。この結果、ファルクラムリ
ング23の突出部23bはブッシュ39の筒部39a先
端から摩擦フェーシング11の摩耗量に等しい距離だけ
離れる。
【0038】次にクラッチレリーズ動作を行うと、プレ
ッシャープレート22とファルクラムリング23はとも
に軸方向トランスミッション側に移動する。スナップリ
ング51がプレート部材41に当接すると、プレッシャ
ープレート22の軸方向移動は停止する。プレッシャー
プレート22の移動が停止すると、ファルクラムリング
23が移動機構24からの付勢力により、ブッシュ39
に当接するまでトランスミッション側に移動する。ファ
ルクラムリング23は、突出部23bがブッシュ39の
筒部39aに当接すると(より正確にはコーンスプリン
グ48を介してブッシュ39によって軸方向移動を停止
させられると)、それ以上はプレッシャープレート22
に対して離れる方向に移動しない。この結果、磨耗量の
オーバーアジャスト(磨耗量以上にファルクラムリング
23がプレッシャープレート22に対して移動するこ
と)は生じにくい。
【0039】また、クラッチレリーズ状態でプレッシャ
ープレート22が振動した場合でも、ファルクラムリン
グ23とブッシュ39との間にはコーンスプリング48
が配置されているため、両部材間での衝撃が吸収・緩和
される。したがって、摩耗量のオーバーアジャスト(つ
まりブッシュ39がボルト38に対して軸方向トランス
ミッション側に滑ってしまい、ファルクラムリング23
が摩耗量以上に軸方向トランスミッション側に移動して
しまう状態)が生じにくい。
【0040】次にクラッチ連結動作を行うと、ファルク
ラムリング23は摩耗前と同じ軸方向位置に復帰してお
り、その結果、ダイヤフラムスプリング27の押圧姿勢
も変化せず、押圧荷重の変化もない。プレッシャープレ
ート22の第2側面22bとファルクラムリング23と
の間に前述の摩耗量に等しい隙間が形成される。この状
態からクラッチ連結動作を行うと、プレッシャープレー
ト22とファルクラムリング23との間の隙間が大きく
なり、ボルト45の頭部45aとファルクラムリング2
3の突出部23bの間の隙間は初期の隙間に比べて摩耗
量の分だけ短くなっている。
【0041】〔効果〕摩耗量検出機構25における構造
では、摩耗量検出のためのボルト38及びブッシュ39
がプレッシャープレート22の第2側面22b側に設け
られているため、ファルクラムリング23の移動を規制
するための摩擦係合部分がプレッシャープレート22の
摩擦面22a側で生じる熱の悪影響を受けにくい。その
結果、ボルト38とブッシュ39の間で生じる摺動抵抗
の大きさが長期間にわたって安定する。
【0042】さらに、ボルト38とブッシュ39はプレ
ッシャープレート22やクラッチカバー21から独立し
た部材であるため、摩擦係合部分の摺動抵抗の設定が容
易である。摩耗量検出機構25は、クラッチカバー組立
体1に取付ける前に、ボルト38にブッシュ39を巻付
けて完成させる。すなわち、摩擦係合部分の摺動抵抗の
設定は、クラッチカバー組立体1の外部で行うことがで
きる。また、プレッシャープレートやフライホイールに
摩擦係合部を設けていないため、摩擦係合部分での摺動
抵抗の設定がさらに容易になっている。プレッシャープ
レートやクラッチカバーに摩擦係合部分を設ける従来例
では、それら部材に開けた孔において荷重調整をする必
要があり、設定が困難である。
【0043】前記実施形態ではプレッシャープレート側
に摩耗補償機構が設けられているが、クラッチカバー側
に摩耗補償機構が設けられた構造に本発明を適用しても
よい。 2.第2実施形態 図9〜図11は、本発明の一実施形態が採用されたクラ
ッチカバー組立体101を示している。クラッチカバー
組立体101は、車両、特にトラックなどの大型車両に
採用されている。クラッチカバー組立体101は、エン
ジンのフライホイール102から伝達されたトルクを、
クラッチディスク組立体103に伝達または遮断するた
めの装置であり、フライホイール102に取り付けられ
る。なお、このクラッチ装置では、2個のクラッチディ
スク組立体103が設けられ、両クラッチディスク組立
体103のフリクションディスク104間にはインター
ミディエイトプレート105が配置されている。なお、
本発明はクラッチディスク組立体が1つだけ設けられた
クラッチ装置にも採用できる。
【0044】クラッチディスク組立体103は、フリク
ションディスク104と、フリクションディスク104
にコイルスプリング106を介して連結されたハブ10
7とから主に構成されている。フリクションディスク1
04は、円板状プレート109の外周部両面にそれぞれ
固定された複数のフリクションプレート108により構
成されている。各フリクションプレート108は、リベ
ット112により円板状プレート109に固定された芯
板110と、芯板110に固定された摩擦フェーシング
111とから構成されている。この実施形態では、摩擦
フェーシング111はセラミック・メタル焼結材料から
構成されている。
【0045】図10及び図11における左側に図示しな
いエンジンが配置され、右側に図示しないトランスミッ
ションが配置されている。クラッチカバー組立体101
は、主に、クラッチカバー121と、プレッシャープレ
ート122と、ファルクラムリング123と、摩耗補償
機構129(移動機構124、摩耗量検出機構125)
と、クラッチ押圧機構127と、ドライブ機構126
と、レリーズ装置128とから構成されている。
【0046】クラッチカバー121は、フライホイール
102に取り付けられる皿形状の部材である。クラッチ
カバー121は、クラッチディスク組立体103の外周
側を覆う外周覆い部121aと、クラッチディスク組立
体103のトランスミッション側に対向する円板状部1
21bとを有している。さらに、円板状部121bの外
周部には、フリクションディスク104に対して軸方向
に対向する環状の対向部分121cが形成されている。
この対向部分121c(すなわち円板状部21bの外周
部分)には、円周方向に等間隔で複数の第1軸方向孔1
21dが形成されている。
【0047】プレッシャープレート122は、クラッチ
カバー121の外周覆い部121aの内側に配置され、
フリクションディスク104とクラッチカバー121の
対向部分121cとの間でフリクションディスク104
に近接して配置されている。プレッシャープレート12
2は環状の部材であり、鋳鉄などから作られている。プ
レッシャープレート122は、フリクションディスク1
04に対向する摩擦面122a(第1側面)と対向部分
121cに対向する第2側面122bとを有している。
プレッシャープレート122の第2側面122bにおい
て、内周側には環状に延びる溝122cが形成されてい
る。この溝122c内に、後述する移動機構124が設
けられる。
【0048】ファルクラムリング123は、プレッシャ
ープレート122の第2側面122b側に配置されてい
る。ファルクラムリング123は、レバー部材146か
らの荷重を受け、プレッシャープレート122とともに
をフライホイール102側に移動するための部材であ
る。ファルクラムリング123は、環状部123aと環
状部123aから半径方向外方に延びる複数の突出部1
23bとから構成されている。環状部123aは、プレ
ッシャープレート122の溝122cに対して軸方向に
所定の間隔をあけて対向するように配置されている。ま
た、突出部123bはプレッシャープレート122の第
2側面122bに当接している。突出部123bは円周
方向に所定角度延びており、R2方向側には第2軸方向
孔123cが形成されており、R1側には第3軸方向孔
123dが形成されている。第2軸方向孔123cは、
プレッシャープレート122のねじ孔122eに対応し
ている。また、第2軸方向孔123cは第1軸方向孔1
21dに対応しており、第1軸方向孔121dより径が
小さい。
【0049】ファルクラムリング123及びプレッシャ
ープレート122は、ドライブ機構126によりクラッ
チカバー121すなわちフライホイール102と一体回
転する。ドライブ機構126は円周方向に並んで複数か
所に設けられ、各々がストラッププレート142とボル
ト143とナット144とから構成されている。ストラ
ッププレート142は、ファルクラムリング123をク
ラッチカバー121に対して回転不能にかつ軸方向に移
動可能に連結するための部材である。ストラッププレー
ト142は、複数の板部材を重ねた円周方向(概ね接線
方向)に延びる板状弾性部材である。ストラッププレー
ト142のR1方向端はクラッチカバー121に固定さ
れている。ストラッププレート142のR2方向端は、
ボルト143とナット144によりファルクラムリング
123に固定されている。ボルト143は、頭部が、プ
レッシャープレート122の係合凹部122d内に挿入
され、軸方向に移動可能になっている。ボルト143
は、ファルクラムリング123の第3軸方向孔123d
を通過しナット144に先端が螺合している。ストラッ
ププレート142のR2方向端は、突出部123bとナ
ット144との間に挟まれている。ボルト143は、係
合凹部122dに対して図10の状態からトランスミッ
ション側に移動可能である。このボルト143により、
ファルクラムリング123とプレッシャープレート12
2は相対回転不能にかつ軸方向に相対移動可能に連結さ
れている。
【0050】摩耗補償機構129は、摩擦フェーシング
111の摩耗量に応じてファルクラムリング123をプ
レッシャープレート122に対して軸方向トランスミッ
ション側に移動させて、ダイヤフラムスプリング151
の姿勢を維持するための機構であり、移動機構124
と、摩耗量検出機構125とを備えている。移動機構1
24は、プレッシャープレート122の溝122cとフ
ァルクラムリング123の環状部123aとの間の環状
空間内に配置されている。移動機構124は、ファルク
ラムリング123に対してプレッシャープレート122
から離れる方向(トランスミッション側)に付勢力を与
えるための機構である。移動機構124は、主に、ファ
ルクラムリング123と回転プレート132と複数のリ
ターンスプリング133とから構成されている。ファル
クラムリング123の環状部123aの軸方向エンジン
側面には円周方向に所定距離だけ延びる複数の第1傾斜
面123dが形成されている。前記実施形態と同様に、
ファルクラムリング123の第1傾斜面123dはR2
方向が高くなっており(エンジン側に突出している)、
R1方向端が低くなっている。回転プレート132は、
環状の板金製部材である。回転プレート132には、円
周方向に所定距離だけ延びる複数の第2傾斜面132a
が形成されている。回転プレート132の第2傾斜面1
32aは第1傾斜面123dに対して相補的に当接する
ように形成・配置されている。回転プレート132は、
溝122c内で円周方向に移動自在に配置されている。
【0051】なお、図10及び11に示すように、第1
傾斜面123dは半径方向に沿った断面において滑らか
に湾曲する凹状であり、第2傾斜面132aは半径方向
に沿った断面において滑らかに湾曲する凸状である。第
1及び第2傾斜面123d,132aの凹凸形状の曲率
が概ね同じであるため、両者の密着性が向上している。
さらに、ファルクラムリング123の第1傾斜面123
dは機械加工で加工する必要であるが、凹状としている
ため、簡単な加工方法で製造することができる。
【0052】また、回転プレート132はプレスで製造
された板金製品であり、複数の第2傾斜面132aを同
時に形成しているため、コストが低い。回転プレートは
樹脂製であってもよい。ファルクラムリング123の内
周部と回転プレート132には、それぞればね係合部1
23e,132cが形成されている。リターンスプリン
グ133の両端は円周方向に位置の異なるばね係合部1
23eと132cとに係合している。リターンスプリン
グ133は、回転プレート132をファルクラムリング
123に対して回転方向R2側に引っ張っている。この
結果、第1及び第2傾斜面123d,132aからなる
くさび機構により、ファルクラムリング123は軸方向
トランスミッション側に常に付勢されている。
【0053】移動機構124はプレッシャープレート1
22の内周部に配置されており、内周側に露出している
ため、移動機構124の操作が容易である。たとえば、
リターンスプリング133の取り付けや取り外しが容易
である。回転プレート132のエンジン側面とプレーッ
シャープレート122の溝122cの間に、摩擦係数を
従来に比べて増加させるための摩擦部材140を配置し
ている。摩擦部材140は、薄いワッシャであり、溝1
22c内に配置されている。その結果、振動が激しい条
件下であっても、アンダーアジャストが生じにくい。ア
ンダーアジャストとは、クラッチ連結時すなわちファル
クラムリング123に軸方向に力が作用しその結果くさ
び機構の第1傾斜面123dから第2傾斜面132aに
軸方向に力が作用している状態で、振動により回転プレ
ート132に対して円周方向に作用する力が大きくな
り、回転プレート132がR1方向に滑る現象である。
その場合は、ファルクラムリング123の位置が磨耗量
に対応しなくなる。
【0054】摩耗量検出機構125は、摩擦フェーシン
グ111に摩耗がないときはファルクラムリング123
が軸方向に移動するのを禁じ、摩擦フェーシング111
が摩耗するとその摩耗量を検出し、摩耗量に応じてファ
ルクラムリング123が軸方向に移動するのを許すため
の機構である。摩耗量検出機構125は、図11に示す
ように、プレッシャープレート122のねじ孔122e
とファルクラムリング123の第2軸方向孔123cに
対応して設けられている。摩耗量検出機構125を構成
する部材は、各箇所において、ボルト138とブッシュ
139の2個の部材である。このように摩耗量検出機構
225は、2個の簡単な部材から構成されている。
【0055】ボルト138は、本体138aと、本体1
38aの先端に形成されたねじ部138bと頭部138
cとから構成されている。ねじ部138bはプレッシャ
ープレート122のねじ孔122eに螺合している。こ
れにより、ボルト138はプレッシャープレート122
と一体に固定されている。ボルト138の本体138a
は、ファルクラムリング123の第2軸方向孔123c
とクラッチカバー121の第1軸方向孔121d内を貫
通している。本体138aは、第1軸方向孔121d及
び第2軸方向孔123cとの間には隙間を有している。
頭部138cはクラッチカバー121の対向部分121
cからトランスミッション側に間隔をおいて配置されて
いる。なお、プレッシャープレート122に固定される
第1部材はボルトでなく、ピンなどの他の棒状部材であ
ってもよい。
【0056】ブッシュ139は、筒状の部材であり、半
径方向に拡縮すなわち弾性変形可能である。ブッシュ1
39は、筒部139aと筒部139aの一端から外周側
に延びる円板状のフランジ39bとから構成されてい
る。筒部139aとフランジ139bには軸方向に延び
るスリットが形成されている。このブッシュ139は、
図11で示すように、クラッチカバー121の対向部分
121cの第1軸方向孔121d内でしかもボルト13
8の本体138aの外周に配置されている。ブッシュ1
39は本体138aに締まり嵌めされている。また、筒
部139aの一端は、ファルクラムリング123の突出
部123bのエンジン側の面にクッション部材181
(後述)を介して当接している。筒部139aの外周面
とクラッチカバー121の第1軸方向孔121dとの間
には隙間が確保されている。フランジ139bは、対向
部分121cに当接して配置されている。フランジ13
9bとボルト138の頭部138cとの軸方向隙間は、
摩擦フェーシング111の摩耗代とほぼ同じかあるいは
それ以上に確保されている。ブッシュ139はスリット
が形成された弾性筒状体であるため、たわみ変形しやす
く、ボルト138との間で生じる摺動抵抗が安定してい
る。
【0057】クラッチ押圧機構127は、ファルクラム
リング123を介してプレッシャープレート122をフ
ライホイール102側に押圧するための機構である。ク
ラッチ押圧機構127は、レバー部材146と、リテー
ナ147と、プレート148と、当接プレート149
と、スナップリング150と、ダイヤフラムスプリング
151と、ピン152と、割りピン153とから構成さ
れている。
【0058】リテーナ147は、トランスミッションの
入力シャフト(図示せず)の外周に配置された環状の部
材である。リテーナ147は後述するレリーズ装置12
8に係合している。リテーナ147は、円筒状の本体1
47aと、そのトランスミッション側端から外周側に延
びるフランジ147bとから主に構成されている。リテ
ーナ147は、クラッチカバー121の円板状部121
bの内周部に固定されたピン152に相対回転不能にか
つ軸方向に移動自在に係合している。
【0059】ダイヤフラムスプリング151は概ね円板
形状である。ダイヤフラムスプリング151の外周部は
クラッチカバー121に支持され、内周端はリテーナ1
47に対して所定の押圧力を与え、リテーナ147をエ
ンジン側に付勢している。リテーナ147に固定された
割りピン153が円周方向に複数箇所でダイヤフラムス
プリング151のレバー部の間に挿入されている。これ
により、ダイヤフラムスプリング151はリテーナ14
7とともに一体回転する。
【0060】レバー部材146は、レバー比によりダイ
ヤフラムスプリング151の押圧力を増大してファルク
ラムリング123に伝達するための押圧部材である。レ
バー部材146は、円周方向に等間隔で放射状に配置さ
れている。各レバー部材146は、たとえば短冊状のプ
レート部材を折り曲げて形成されている。レバー部材1
46の半径方向外側部はトランスミッション側に突出す
るように折り曲げられている。その部分には円周方向に
長く延びる孔146bが形成されている。この孔146
b内にクラッチカバー21に螺合されたリング161か
ら延びる係合突出部161aが係合している。これによ
り、レバー部材146はクラッチカバー121と一体回
転する。孔146bの円周方向両側は、クラッチカバー
121に揺動可能に当接している支点146aとなって
いる。さらに、レバー部材146には、半径方向外側寄
り部分においてエンジン側に突出しファルクラムリング
123の環状部123aに当接する作用点146cが形
成されている。レバー部材146の半径方向内側部に
は、トランスミッション側に突出する力点146dが形
成されている。力点146dは、リテーナ147のフラ
ンジ147bのトランスミッション側に配置されてい
る。フランジ147bとレバー部材146の力点146
dの間には、コーンスプリング160とプレート148
とが配置されている。コーンスプリング160は、図9
及び図10に示すクラッチ連結状態では、フランジ14
7bと力点146dとの間で圧縮されて平坦になってい
る。円板状のプレート148のエンジン側には、レバー
部材146の力点146dが当接している。当接プレー
ト149は、リテーナ147の本体147aの外周のト
ランスミッション側にスナップリング150により固定
されている。当接プレート149の外周部はトランスミ
ッション側に突出する屈曲部となっている。クラッチ連
結状態では、この屈曲部とレバー部材146との間には
軸方向に所定の隙間が確保されている。
【0061】レリーズ装置128は、クラッチ押圧機構
127によるプレッシャープレート122への押圧力を
解除してクラッチのレリーズを行うための装置である。
レリーズ装置28は、レリーズベアリング154と、ク
イル155と、円筒部材156と、コイルスプリング1
59とから構成されている。レリーズベアリング154
は、インナーレースとアウターレースと両レース間に配
置された複数の転動体とから構成されている。クイル1
55はレリーズベアリング154の外周に配置され、ア
ウターレースに相対回転不能に固定されている。円筒部
材156は、インナーレースに固定され、その先端はリ
テーナ147の内周側に配置されている。円筒部材15
6の先端には外周側に突出する支持面157が形成され
ている。支持面157は、リテーナ147の内周部のエ
ンジン側の面に当接している。支持面157とリテーナ
147の当接面は球面形状になっており、ミスアライメ
ントの吸収を行うことができる。コイルスプリング15
9は、円筒部材156の外周に配置されている。コイル
スプリング159は、インナーレースとリテーナ147
との間に圧縮状態で配置されている。
【0062】図11に示すように、ファルクラムリング
123とブッシュ139との間には、複数の材料からな
るクッション部材181が配置されている。具体的に
は、ブッシュ139の軸方向エンジン側端とファルクラ
ムリング123の軸方向トランスミッション側面との間
には、クッション部材181が挟まれている。クッショ
ン部材181は、円板ワッシャ状の部材であり、ボルト
138の本体138aの回りに嵌められている。クッシ
ョン部材181は、樹脂やゴム等の弾性体182と、そ
の軸方向両側に設けられた鋼板183とからなる。この
構造では、弾性体182によって所望のクッション性が
得られ、鋼板183によって摩耗等が生じにくくなって
いる。つまり、鋼板183は補強部材又は摩耗防止部材
として機能している。
【0063】3.第3実施形態 図12及び図13に第3実施形態としてのクラッチカバ
ー組立体201を示す。このクラッチカバー組立体20
1の基本的な構造は第1実施形態と同様であるので、こ
こでは異なる点のみを説明する。このクラッチカバー組
立体201において、移動機構224は、主に、ファル
クラムリング223を構成するサポートプレート252
と、プレッシャープレート22に形成された傾斜突出部
222cと、複数のリターンスプリング233とから構
成されている。
【0064】ファルクラムリング223は、リング本体
251と、サポートプレート252とから構成されてい
る。リング本体251は環状の部材であり、ダイヤフラ
ムスプリング227の押圧部を支持している。サポート
プレート252は、リング本体251のプレッシャープ
レート222側面に固定され、一体の部材を構成してい
る。サポートプレート252は、環状の板金製部材であ
り、前記実施形態と同様にプレッシャープレート222
側に複数の第2傾斜面252aを有している。ファルク
ラムリング223は、プレッシャープレート222に対
して回転自在となっている。
【0065】プレッシャープレート222の第2側面2
22bには、ファルクラムリング223に対応して複数
の傾斜突出部222cが形成されている。各傾斜突出部
222cの第1傾斜面222dは、サポートプレート2
52の第2傾斜面252aに対して相補的に当接してい
る。摩擦フェーシングが摩耗した後のレリーズ動作で
は、ファルクラムリング223は、移動機構224から
の付勢力によって、プレッシャープレート222に対し
て回転しながら軸方向に離れていく。
【0066】なお、第1傾斜面222dは半径方向に沿
った断面において滑らかに湾曲する凹状であり、第2傾
斜面252aは半径方向に沿った断面において滑らかに
湾曲する凸状である。第1及び第2傾斜面222d,2
52aの凹凸形状の曲率が概ね同じであるため、両者の
密着性が向上している。さらに、プレッシャープレート
222の第1傾斜面222dは機械加工で加工する必要
であるが、凹状としているため、簡単な加工方法で製造
することができる。
【0067】
【発明の効果】本発明に係るクラッチカバー組立体の摩
耗補償機構では、傾斜面の一方は半径方向に沿った断面
において滑らかに湾曲する凹状であるため、機械加工す
る際に安価な加工機械を使用できる。また斜面の断面が
溝形状となるため、半径方向に対する位置決め機能を有
するようになり、斜面の安定性が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのクラッチカバー組
立体の平面図。
【図2】クラッチ装置の縦断面概略図であり、図1のII
-O断面図。
【図3】クラッチ装置の縦断面概略図であり、図1のO-
III断面図。
【図4】クラッチ装置の縦断面概略図であり、図1のO-
IV断面図。
【図5】クラッチ装置の側面図であり、図1のV矢視
図。
【図6】移動機構の部分縦断面図。
【図7】摩耗量検出機構の縦断面概略図。
【図8】摩耗量検出機構の平面図であり、図1の部分拡
大図。
【図9】本発明の第2実施形態としてのクラッチ装置の
縦断面概略図。
【図10】クラッチ装置の縦断面概略図。
【図11】図9の部分拡大図であり、摩耗検出機構を示
す図。
【図12】第3実施形態におけるクラッチカバー組立体
の縦断面概略図。
【図13】第3実施形態におけるクラッチカバー組立体
の縦断面概略図。
【符号の説明】
1 クラッチカバー組立体 2 フライホイール 3 クラッチディスク組立体 4 フリクションディスク 11 摩擦フェーシング 21 クラッチカバー 22 プレッシャープレート 23 ファルクラムリング(第1部材、支持部、ファル
クラム部材) 23d 第1傾斜面 24 移動機構 25 摩耗量検出機構 26 ストラッププレート 27 ダイヤフラムスプリング(押圧部材) 28 レリーズ装置 29 摩耗補償機構 32 回転プレート(第2部材、回転部材) 32a 第2傾斜面 38 ボルト 39 ブッシュ 39a 筒部 39b フランジ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フライホイールに装着され、摩擦部材を前
    記フライホイールに連結及び連結解除させるためのクラ
    ッチカバー組立体であって、 前記フライホイールと一体回転するクラッチカバーと、 前記摩擦部材に近接して配置され、前記クラッチカバー
    に一体回転するが軸方向に移動可能なプレッシャープレ
    ートと、 前記プレッシャープレートに対して前記摩擦部材側への
    押圧力を与えるための押圧部材と、 前記押圧部材を支持するための支持部を有し、前記摩擦
    部材の摩耗量に応じて前記支持部を摩耗補償側に移動さ
    せるための摩耗補償機構とを備え、 前記摩耗補償機構は、回転方向に延びる第1傾斜面を有
    する第1部材と、前記第1傾斜面に相補的に当接する第
    2傾斜面を有する第2部材とを含み、前記第1部材と前
    記第2部材を相対回転させることで両部材を軸方向に離
    れるように移動させ、その結果前記支持部を摩耗補償側
    に移動させるための移動機構を有し、 前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面の一方は半径方向断
    面において滑らかに湾曲する凹状であり、前記第1傾斜
    面及び前記第2傾斜面の他方は半径方向断面において前
    記一方と概ね同等の曲率を有する滑らかに湾曲する凸状
    であることを特徴とする、クラッチカバー組立体。
  2. 【請求項2】フライホイールに装着され、摩擦部材を前
    記フライホイールに連結及び連結解除させるためのクラ
    ッチカバー組立体であって、 前記フライホイールと一体回転するクラッチカバーと、 前記摩擦部材に近接して配置され、前記クラッチカバー
    に一体回転するが軸方向に移動可能なプレッシャープレ
    ートと、 前記プレッシャープレートに対して前記摩擦部材側への
    押圧力を与えるための押圧部材と、 前記押圧部材を支持するための支持部を有し、前記摩擦
    部材の摩耗量に応じて前記支持部を摩耗補償側に移動さ
    せるための摩耗補償機構とを備え、 前記摩耗補償機構は、前記プレッシャープレートの前記
    摩擦部材と反対側に配置され前記支持部及び回転方向に
    延びる第1傾斜面が形成されたファルクラム部材と、前
    記プレッシャープレートと前記ファルクラム部材との間
    に相対回転可能に配置され前記第1傾斜面に相補的に当
    接する第2傾斜面を有する回転部材とを有し、前記回転
    部材を前記ファルクラム部材に対して回転させることで
    前記ファルクラム部材を前記プレッシャープレートから
    離れる方向に移動させ、その結果前記支持部を摩耗補償
    側に移動させるための移動機構を有し、 前記第1傾斜面は半径方向に沿った断面において滑らか
    に湾曲する凹状であり、前記第2傾斜面は半径方向に沿
    った断面において前記一方と概ね同等の曲率を有する滑
    らかに湾曲する凸状であることを特徴とする、クラッチ
    カバー組立体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106931049A (zh) * 2015-12-29 2017-07-07 舍弗勒技术股份两合公司 离合器系统及其离合器操纵机构
CN106931049B (zh) * 2015-12-29 2020-06-16 舍弗勒技术股份两合公司 离合器系统及其离合器操纵机构

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