JP2003028107A - 流体アクチュエータおよびそれを用いた糸条パッケージの製造装置 - Google Patents

流体アクチュエータおよびそれを用いた糸条パッケージの製造装置

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JP2003028107A
JP2003028107A JP2001213505A JP2001213505A JP2003028107A JP 2003028107 A JP2003028107 A JP 2003028107A JP 2001213505 A JP2001213505 A JP 2001213505A JP 2001213505 A JP2001213505 A JP 2001213505A JP 2003028107 A JP2003028107 A JP 2003028107A
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piston
bobbin
rod
traverse
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Hiroyuki Terasaka
広行 寺坂
Ichiro Kumo
雲  一郎
Hiroshi Umetani
博司 梅谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】糸条パッケージの製造工程において好適に用い
ることができる、長いストロークでも応答時間が短く、
かつ、高速で稼働できる流体アクチュエータ、および、
工程を削減できる糸条パッケージの製造装置および製造
方法を提供すること。 【解決手段】糸条を巻き取るボビンを装着する複数本の
ボビンホルダと、巻取ボビンホルダを自動切替する自動
切替手段と、糸条の綾振り手段と、巻始め糸条のバンチ
巻形成手段とを備え、バンチ巻形成手段は、糸条をボビ
ンに掛ける糸掛け手段と、ボビンに掛かった糸条の綾振
りを規制するトラバースイン規制手段とを備え、トラバ
ースイン規制手段は、シリンダ室を備えたシリンダブロ
ックと、シリンダ室の内部に摺動自在に設けたピストン
およびロッドと、ピストンに圧力を予め負荷する圧力負
荷手段と、予め負荷された圧力に対抗してピストンおよ
びロッドの移動を阻止する移動阻止手段とを備えた流体
アクチュエータを有している糸条パッケージの製造装置
を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に糸条の巻取工
程で好適に用いることができる流体アクチュエータおよ
びそれを備えた糸条パッケージの製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維の製造工程においては、紡糸機から
紡出した糸条を巻き取るにあたり、巻取ボビンホルダを
自動で切り換える自動切替式の巻取機が多用されている
が、巻取ボビンホルダを自動で切り換えるために、得ら
れる糸条パッケージの糸条巻始めおよび巻終わりにはテ
ールバンチ巻および表層バンチ巻が形成される。 たと
えばテールバンチ巻の場合、ボビンを装着した第1のボ
ビンホルダおよび第2のボビンホルダの間で巻取ボビン
ホルダを自動切替するときに、第2のボビンホルダに装
着したボビンに糸条が掛かったときに糸条の張力が低減
する。そこで、この張力変動を検知して糸掛けガイドを
作動させ、糸条が綾振られるのを防ぎながらテールバン
チ巻きを形成し、一定時間が経過した後に糸条の綾振り
規制を解除して、糸条を綾振りながらボビンに巻取る。
【0003】このとき、テールバンチ巻は客先にて巻き
終わりの糸条と巻き始めの糸条をつなぐテール移行を実
施するための3〜5周程度が巻かれていればよいが、実
際は上記糸切替中に糸条の綾振り規制を行っている時間
によって決まり、その糸条の綾振りの規制・解除には、
圧縮流体でピストンに圧力を負荷する流体アクチュエー
タが多用されている。
【0004】しかしながら、このアクチュエータは、一
般に、ピストンを摺動自在に設けたシリンダ内に圧縮流
体を供給してピストンを押し出し、また、シリンダ内の
圧縮流体を排気してピストンを引き戻すために電磁弁を
用いているので、実際に電磁弁を閉じて圧縮流体を供給
し始めてからピストンが押し出されるまでにも、また、
電磁弁を開放して圧縮流体を排気し始めてからピストン
が引き戻されるまでにも、相当の時間(少なくとも35
msec程度)を要してしまうため、糸切替え時にテー
ルバンチ巻を最速3msecで1周形成する巻取機にお
いて、3〜5周程度(制御時間10〜15msec)の
巻数に制御するのは不可能であった。
【0005】そのため、巻取ボビンの切替を自動で行っ
ても、上記したように後工程での取扱い性向上のため
に、人手によりテールバンチ巻きを一度解舒して所定の
巻数に直すという糸端処理が必要となり、処理工程が一
つ多くなり効率も悪く、人件費やランニングコストが嵩
んでいる。
【0006】そこで、バンチ巻きの巻数を安定させ糸端
処理を不要にするために、電磁力によってロッドを軸方
向に高速かつ高応答で直線運動させることのできる、電
磁石を用いた電磁方式のリニアアクチュエータの利用が
考えられる。この電磁方式のアクチュエータは、ロッド
の引き込み、あるいは押し出し指令を電磁石のソレノイ
ドコイルに入力してから10msec程度の非常に早い
応答時間で駆動させることが可能である。
【0007】しかしながら、この種のアクチュエータの
場合、上記のような応答時間で作動できるのはピストン
ロッドの作動ストロークが5〜10mm程度の場合であ
り、上述の糸条パッケージの製造工程中の糸端処理のよ
うに、作動ストロークが30mm程度となるような場合
には、上記と同じ応答作動時間で作動させることができ
ない。
【0008】また、特開平10−148203号公報に
記載されるような、電磁弁とシリンダとの間の配管を省
き、シリンダ内に流路切替え軸を備えたリニアアクチュ
エータを用いることも考えられるが、このアクチュエー
タも作動ストロークがごく短いストロークで、かつ、往
復動の作動周期が非常に短い場合には有効であるが、流
路切替え軸が作動した後にロッドを駆動させるための圧
力を発生させなければならず、30mm以上の長いスト
ロークを10〜15msec程度というような応答時間
では駆動させることができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、糸条パッケ
ージの製造工程において好適に用いることができる、長
いストロークでも応答時間が短く、かつ、高速で稼働で
きる流体アクチュエータ、および、工程を削減できる糸
条パッケージの製造装置および製造方法を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、シリンダ室を備えたシリンダブロックと、
シリンダ室の内部に摺動自在に設けたピストンおよびロ
ッドと、ピストンに圧力を予め負荷する圧力負荷手段
と、予め負荷された圧力に対抗してピストンおよびロッ
ドの移動を阻止する移動阻止手段とを備えている流体ア
クチュエータを特徴とするものである。また、本発明
は、シリンダ室を備えたシリンダブロックと、シリンダ
室の内部に摺動自在に設けたピストンおよびロッドと、
ピストンに圧力を予め負荷する圧縮流体を導入する圧縮
流体導入流路と、予め負荷された圧縮流体の圧力に対抗
してピストンおよびロッドの移動を阻止する移動阻止手
段とを備えている流体アクチュエータを特徴とするもの
である。これらにおいて、移動阻止手段が、ロッドに設
けた磁性体からなる係止部と、係止部を吸着する電磁石
とを備えていることが好ましい。そして、糸条を巻き取
るボビンを装着する複数本のボビンホルダと、巻取ボビ
ンホルダを自動切替する自動切替手段と、糸条の綾振り
手段と、巻始め糸条のバンチ巻形成手段とを備え、バン
チ巻形成手段は、糸条をボビンに掛ける糸掛け手段と、
ボビンに掛かった糸条の綾振りを規制するトラバースイ
ン規制手段とを備え、トラバースイン規制手段は上記い
ずれかの流体アクチュエータを備えている糸条パッケー
ジの製造装置も好ましい態様である。
【0011】さらに、本発明は、糸条を綾振りながら巻
き取るボビンを装着した第1のボビンホルダおよび第2
のボビンホルダの間で巻取ボビンホルダを自動切替する
ときに、第2のボビンホルダに装着したボビンに糸条を
掛け、ロッドを有するピストンで糸条の綾振りを規制し
てバンチ巻きを形成し、その後、ロッドを有するピスト
ンによる糸条の綾振り規制を解除して糸条の綾振りを再
開し、糸条をボビンに巻き取る糸条パッケージの製造方
法であって、ピストンおよびロッドの移動を阻止しなが
らピストンに圧力を負荷し、所定時間経過した後にその
移動阻止を解除して糸条の綾振り規制を解除する糸条パ
ッケージの製造方法も特徴とするものである。このと
き、圧縮流体を用いてピストンに圧力を負荷することが
好ましく、電磁石に通電して発生する磁力を利用してピ
ストンおよびロッドの移動を阻止し、通電停止により磁
力が消滅することを利用してピストンの移動阻止を解除
することがより好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の糸条パッケージの製造装
置は、ボビンに設けたスリット溝やボビンと糸切替え用
のボビンの端面同士が当接する接合部によって形成され
る糸捕捉部に糸条を捕捉し、連続的に糸条の巻取りを行
う自動切替式のものであり、たとえば図1〜6に示すよ
うに、糸条を巻き取るボビン21を装着する一対(複数
本)のボビンホルダ20と、巻取ボビンホルダを自動切
替するターレット盤22および糸切替機構27を備えた
自動切替手段と、ボビンホルダ20の上流側に設けたト
ラバース装置23(糸条の綾振り手段)と、ボビン21
上に巻き取られた糸条に当接して所定の面圧を付与する
接圧ローラ24と、巻始め糸条のテールバンチ形成手段
29(バンチ巻き形成手段)と、糸条がスリット溝もし
くは糸捕捉部に捕捉された瞬間に生じる急激な張力変動
を検出するために、巻取中の張力を常時検出する張力計
30と、張力計30から送信される張力波形と所定の閾
値とを比較する張力比較手段31などを備えている。
【0013】一対のボビンホルダ20は、回転軸26に
よって機枠19に回転自在に支持されたターレット盤2
2に電動機25を駆動源として回転自在に取り付けら
れ、そのボビンホルダ20にはそれぞれボビン21が緊
締されている。
【0014】ボビンホルダ20は、下側が巻取位置、上
側が待機位置となっており、下側巻取位置のボビンホル
ダ20の下方には鉛直方向に昇降する枠体が設けられて
おり、枠体に回転自在に取り付けられた接圧ローラ24
およびトラバース装置23が設けられている。さらにそ
の下方に、巻取り糸条の張力を検出するための張力計3
0を兼ねた糸条の送り支点となる綾振り支点ガイド56
が設けられている。
【0015】前記張力計30は、図11に示すように、
糸条100の綾振りによって綾振りガイドA59を経て
アクティブレバー61に加えられた糸条張力による力を
検出するが、機械振動による力も一緒に検出してしまう
ため、ノイズ成分を含む出力となる。このため、糸条1
00には接触せずに機械振動のみを受ける綾振りガイド
D58を備えたダミーレバー60を別に設け、アクティ
ブレバー61に取り付けた歪みゲージA63、およびダ
ミーレバー60に取り付けた歪みゲージD62の出力の
差動を取ることによって、機械振動によるノイズ成分を
相殺し、糸条張力による力のみを検出するようにしてい
る。
【0016】糸切替機構27は、糸条を満巻ボビンから
空ボビンへ移し替える際にトラバースしないように位置
規制する仕切板34および糸道規制ガイド40とを備
え、また、テールバンチ形成手段29は、糸条をボビン
に掛けるための、糸寄せガイド36、糸道案内ガイド3
8、糸掛けガイド39およびアーム41を備えた糸掛け
機構28と、ボビンに掛かった糸条の綾振りを規制する
トラバースイン規制ガイド37(トラバースイン規制手
段)とを備えている。
【0017】糸寄せガイド36は、糸条をトラバース案
内板35から外してボビン21の端部、すなわち、テー
ルバンチ形成位置に案内し、糸道案内ガイド38は、糸
寄せガイド36によってテールバンチ形成位置に案内さ
れた糸条を空ボビンの端部に形成されたスリット溝42
の垂直線上を走行するように案内する。そして、糸掛け
ガイド39は、糸道規制ガイド40とトラバースイン規
制ガイド37との間を走行する糸条を、回転する空ボビ
ンの周面に接触させスリット溝42に捕捉させ、アーム
41は、糸掛けガイド39を待機位置と糸掛け動作位置
との間で回動させる。
【0018】また、トラバースイン規制ガイド37は、
図7、8に示すような流体アクチュエータを用いてい
る。この流体アクチュエータは、内部にシリンダ室3を
有する直方体のシリンダブロック9と、シリンダ室3の
内部に摺動自在に設けたピストン2およびロッド1(1
A、1B)と、ピストン2に圧力を予め負荷する圧縮流
体を導入する給気ポート13および給気通路11(圧縮
流体導入流路)と、予め負荷された圧縮流体の圧力に対
抗してピストン2およびロッド1の移動を阻止する移動
阻止手段とを備えている。
【0019】シリンダブロック9には、図示しない流体
圧源に接続される給気ポート13および排気ポート14
が形成されており、両ポートは、シリンダ室3をピスト
ン2によって区画して形成される加圧室A15、加圧室
B16に、給気通路11、排気通路12を介して連通し
ている。なお、両ポートにはねじが形成されており、こ
のねじの部分で給排気用の配管をねじ結合する。また、
ピストン2には加圧室A15、加圧室B16からの圧縮
流体の洩れを防止するため、シール部材17が設けられ
ている。
【0020】ロッド1は、ピストン2を起点としてシリ
ンダ室の軸方向に互いに反対方向に延びたロッド1Aと
1Bとからなり、ロッド1Aは、シリンダブロック9の
前方((図7、8の左側)にて軸受け部材10によって
支持され、貫通孔から前後((図7、8の左右方向)に
移動する。また、ロッド1Bは、後方(図7、8の右
側)に磁性体からなる係止部8を備え、ピストン2の円
筒軸中心と同芯となるようにハウジング4に設けられた
貫通孔から前後((図7、8の左右方向)に移動する。
【0021】移動阻止手段は、ブロック9の後方(図
7、8の右側)に設けられた、電磁石6、電磁石6の内
側に配置されたソレノイドコイル5、電磁石6に通電す
るための、電源に接続された通電ケーブル18、およ
び、電磁石6をボルトで保持するための直方体のハウジ
ング4と、ロッドBに設けた磁性体からなる係止部8と
を備えている。電磁石6は、通電すると吸着面7に吸着
力Fsが生じるようになっており、ロッド1Bの後端部
に設けられている磁性体からなる係止部8を吸着力Fs
によって軸方向に拘時する。この電磁石6の吸着力Fs
は、圧縮流体をピストン2に負荷した場合の軸方向への
引き込み力Fp(ロッド1Aをシリンダ室内に引き込ま
せる力)に対して、常にFs>Fpとなるように設定し
てある。
【0022】このような構成の流体アクチュエータにお
いて、ロッドを早い応答時間で引き込む場合(ロッド1
Aをシリンダ室3内に引き戻す場合)の作動手順につい
て説明する。
【0023】まず、図7のように、ロッド1Aが前方に
突出した状態で電磁石6に電力を供給し、ソレノイドコ
イル5を磁化させて吸着面7に吸着力Fsを発生させ、
係止部8を拘持する。続いて、吸着力Fsが係止部8に
作用した状態を維持しながら、圧縮流体を給気ポート1
3および給気通路11を通して加圧室A15内に供給
し、ピストン2に対して引き込み力Fpを作用させる。
このとき、前記したように、電磁石6による吸着力Fs
の方が圧縮流体による引き込み力Fpより勝るため、圧
縮流体を加圧室A15に作用させることによってピスト
ン2が引き込み方向に移動することはない。
【0024】次いで、外部からアクチュエータに対して
ロッド1の引き込み信号が入力されると、電磁石6のソ
レノイドコイル5への通電を停止する。その結果、ソレ
ノイドコイル5の磁力が瞬時に消磁されるため、係止部
8に対する吸着力Fsも瞬時に無くなる。このときピス
トン2には前述したように圧縮流体が既にロッド1の引
き込み方向へ作用している。その結果、ソレノイドコイ
ル5の消磁と同時にピストン2に差圧が作用して、ピス
トン2が図8に示すように引き込み方向へ移動する。こ
のとき、前記外部からの引き込み信号がアクチュエータ
に入力してからロッド1Aが引き込みを完了するまでの
一連の動作に要する時間は、作動ストロークが30mm
程度であっても、5〜15msec程度となる。
【0025】このように、本発明においては、流体アク
チュエータが、あらかじめピストンを作動させるための
差圧を発生するとともに、かつ、ピストンに予め負荷し
た圧力に対抗してピストンおよびロッドが移動するのを
阻止する手段を設けているので、圧縮流体を用いたアク
チュエータで、かつ、作動ストローク長が30mm程度
であっても、15msec以内という非常に短い時間で
かつ高速にピストンおよびロッドを駆動させることが可
能となる。
【0026】なお、ピストン2の引き込み動作は圧縮流
体を供給することによって行うようにしてもよいが、コ
イルバネのようなバネを用いて、バネ力によって瞬時に
引き込むようにすればアクチュエータ内の配管経路が少
なくなり、アクチュエータの構成を簡素化することがで
きる。
【0027】しかしながら、ピストン2の引き込み動作
を圧縮流体によって行いつつも、電磁石によりロッドに
設けた磁性体からなる係止部を吸着させるように構成す
る場合には、駆動力が非常に大きくなるので、その大き
な駆動力を利用してピストン2およびロッド1の高速駆
動を可能とすることができ、さらに、駆動するまでの時
間を短くすることができる。すなわち、アクチュエータ
の作動時間は、ソレノイドコイル5の通電を停止して
ピストン2およびロッド1が動き始めるまでの時間と、
ピストン2およびロッド1が動きだし、一定長のスト
ロークを完了するまでの時間とに分けられるが、電磁石
でロッドに設けた磁性体からなる係止部を吸着すること
で、ピストン2およびロッド1が動き始めるまでの時間
を短縮化できる。そして、この電磁駆動では、作動スト
ローク長が30mm程度にもなってしまうと、それだけ
の駆動力を発生させるためには大きな電力が必要とな
り、装置構成や制御構成が大がかりになるので、装置を
簡素化するためには、圧縮流体によりピストン2および
ロッド1の駆動力を得ることが好ましい。これにより、
簡素な装置でも大きな駆動力が得られ、ピストン2およ
びロッド2の高速駆動が可能となる。
【0028】続いて、上述の図1に示す糸条パッケージ
の製造装置を用いた糸条パッケージの製造方法について
説明する。
【0029】口金から紡糸され、必要に応じて延伸等の
処理が行われた糸条は、綾振り支点ガイド56を支点と
して送り出され、ターレット盤22に設けた一対のボビ
ンホルダ20のうちの巻取位置に配置されているボビン
ホルダ20に装着したボビン21に、左右に往復トラバ
ースされながらそのボビン21が満巻になるまで巻き取
られる。
【0030】ボビン21が満巻状態になると、ターレッ
ト盤22が駆動装置(図示せず)によって180°回転
することにより、図2に示すように、満巻ボビンは上部
側の待機位置に移動し、上部側で待機していた空ボビン
は下部の巻取位置に移動する。このようにボビンの位置
交換が行われるとき、上部の満巻ボビンに巻かれつつあ
る糸条は、仕切り板34の側面部に接触しながら綾振ら
れる。続いて、糸寄せガイド36が横方向に動く。これ
により、綾振り支点ガイド56を支点としてトラバース
案内板35に沿って走行していた糸条100は引っ掛け
られ、図3に示すように、トラバース案内板35から外
れ、ボビン21の端部、すなわち、テールバンチ形成位
置に案内されるとともに糸道規制ガイド40、糸道案内
ガイド38に預けられる。
【0031】その後、図4に示すように、トラバースイ
ン規制ガイド37のロッド1を前方に押しだして(ロッ
ド1Aを押し出して)、糸道案内ガイド38、規制ガイ
ド40およびトラバースイン規制ガイド37により、糸
条を空ボビンの端部に形成されたスリット溝42の垂直
線上を走行するように案内する。続いて図5に示すよう
に、糸掛けガイド39により、走行糸条を回転する空ボ
ビンの周面に接触させスリット溝42に捕捉させるとと
もにテールバンチを形成し、所定時間経過した後にトラ
バースイン規制ガイド37のロッド1を引き戻し、図6
に示すようにトランスファーテールを形成する糸条を糸
道案内ガイド38で捕捉して、空ボビンへの糸条巻取り
を開始する。
【0032】なお、テールバンチは、糸掛けガイド39
により、糸条をスリット溝42に捕捉させてからトラバ
ースイン規制ガイド37のロッド1による糸道の規制が
解除されるまでの間にボビンホルダ20が回転した巻量
だけ形成されるが、トラバースイン規制ガイド37のロ
ッド1は、糸掛けガイド39により糸条が空ボビンの周
面に接触しスリット溝42に捕捉された瞬間に張力が急
激に変動するのを利用して、この張力変動から所定時間
経過した後に電磁石6への通電を停止し、瞬時に引き戻
す。
【0033】すなわち、図9に示すように、張力計30
から出力された張力信号45は、張力比較手段31に送
信され、ハイパスフィルタ52によって低周波成分の濾
波処理が行われ、ハイパス処理信号46として出力され
る。ここで、張力信号45をハイパス処理することによ
って、糸条がボビンに設けたスリット溝、もしくは糸捕
捉部に入った場合に発生する急峻な張力変化のみを検出
し、その他の緩やかな張力変化を排除して糸条が捕捉さ
れたタイミングを精度良く検出することが可能となる。
【0034】次に、濾波された前記ハイパス処理信号4
6を比較器53に入力し、別に定めた閾値47と比較す
る。ここで、スリット溝42に糸条が捕捉されたときに
は、図10に示すようなハイパス処理信号46と閾値4
7との交点48が検出される。その後、交点48を検出
した信号を波形整形器54にて整形し、糸条捕捉信号4
9として出力される。
【0035】次いで、トラバースイン制御回路55に糸
条捕捉信号49が入力されると、トラバースイン制御回
路55はテールバンチ設定器32で設定された所望する
巻数のテールバンチの形成に必要な時間Td51を算出
し、Td51時間経過の後、トラバースイン規制信号5
0をOFFにし、図6に示すように、トラバースイン規
制ガイド37のロッド1を退避させることで糸条はトラ
バース域に侵入し、トラバース案内板35に沿って空ボ
ビンへの糸条の巻取りが開始される。
【0036】このように上述したアクチュエータが用い
られる本発明の糸条パッケージの製造装置および製造方
法においては、流体アクチュエータが、あらかじめピス
トンを作動させるための差圧を発生するとともに、か
つ、予め負荷した圧力に対抗してピストンおよびロッド
が移動するのを阻止する手段を設けているので、ピスト
ンおよびロッドを短い時間でかつ高速で駆動させること
ができる。また、ロッドの待避時間もたとえば10〜1
5msec程度にと安定させることができる。その結
果、たとえば巻取速度5000m/min、ボビン径φ
=90mm、、3msecで1周のテールバンチ巻を形
成する糸条巻取機に上述の本発明のアクチュエータを用
いると、従来の圧縮流体アクチュエータを利用した場合
では10周以上のテールバンチが形成され、人手により
テールバンチ巻きを一度解舒して所定の巻数に直すとい
う糸端処理が必要となり、処理工程が一つ多くなり効率
も悪く、人件費やランニングコストが嵩んでしまってい
たところを、バンチ巻きの巻数をたとえば3〜5周程度
にと少なくかつ正確に制御できるようになり、糸端処理
を不要とすることが可能であり、人件費やランニングコ
ストを低減することもできる。さらに、従来は、テール
バンチ巻きの巻数が多いために搬送途中でテールバンチ
巻の糸条が垂れ下がり他の糸条パッケージに絡むことが
あったが、この問題も回避することができる。
【0037】
【発明の効果】本発明の流体アクチュエータは、シリン
ダ室を備えたシリンダブロックと、シリンダ室の内部に
摺動自在に設けたピストンおよびロッドと、ピストンに
圧力を予め負荷する圧力負荷手段と、予め負荷された圧
力に対抗してピストンおよびロッドの移動を阻止する移
動阻止手段とを備えているので、好ましくは、ピストン
に圧力を予め負荷する圧縮流体を導入する圧縮流体導入
流路と、予め負荷された圧縮流体の圧力に対抗してピス
トンおよびロッドの移動を阻止する移動阻止手段とを備
えているので、あらかじめピストンを作動させるための
差圧を発生することができ、かつ、予め負荷した圧力に
対抗してピストンおよびロッドが移動するのを阻止する
ことができるので、ピストンおよびロッドを駆動させる
までの時間および、駆動開始からストローク完了までの
時間を非常に短くすることができる。そして、この流体
アクチュエータを糸条パッケージの製造装置に用いる
と、得られる糸条パッケージのテールバンチ巻きの巻数
がたとえば3〜5周程度にと少なくかつ正確に制御さ
れ、糸端処理を不要とすることができる。
【0038】また、本発明の糸条パッケージの製造方法
は、ロッドを有するピストンで糸条の綾振りを規制して
バンチ巻きを形成し、その後、ロッドを有するピストン
による糸条の綾振り規制を解除して糸条の綾振りを再開
し、糸条をボビンに巻き取るに際し、ピストンおよびロ
ッドの移動を阻止しながらピストンに圧力を負荷し、所
定時間経過した後にその移動阻止を解除して糸条の綾振
り規制を解除するので、ピストンおよびロッドを駆動さ
せるまでの時間および駆動開始からストローク完了まで
の時間を非常に短くすることができ、得られる糸条パッ
ケージのテールバンチ巻きの巻数をたとえば3〜5周程
度にと少なくかつ正確に制御することができ、結果、糸
端処理を不要とすることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示す糸条パッケージの製
造装置の概略斜視(一部透視)図である。
【図2】図1に示す糸条パッケージの製造装置の巻取ボ
ビンホルダ自動切替時の状態を示す一部拡大図である。
【図3】図1に示す糸条パッケージの製造装置の巻取ボ
ビンホルダ自動切替時の状態を示す一部拡大図である。
【図4】図1に示す糸条パッケージの製造装置の巻取ボ
ビンホルダ自動切替時の状態を示す一部拡大図である。
【図5】図1に示す糸条パッケージの製造装置の巻取ボ
ビンホルダ自動切替時の状態を示す一部拡大図である。
【図6】図1に示す糸条パッケージの製造装置の巻取ボ
ビンホルダ自動切替時の状態を示す一部拡大図である。
【図7】本発明の一実施態様を示す流体アクチュエータ
の概略断面図である。
【図8】本発明の一実施態様を示す流体アクチュエータ
の概略断面図である。
【図9】本発明の糸条パッケージの製造装置における張
力計の測定値の処理工程を示すフロー図である。
【図10】本発明の糸条パッケージの製造装置における
張力信号およびハイパス処理信号の変動を示す概略図で
ある。
【図11】張力計の詳細を示す斜視図である。
【符号の説明】
1(A、B):ロッド 2:ピストン 3:シリンダ室 4:ハウジン
グ 5:ソレノイドコイル 6:電磁石 7:吸着面 8:係止部 9:シリンダブロック 10:軸受け部
材 11:給気通路 12:排気通
路 13:給気ポート 14:排気ポ
ート 15:加圧室A 16:加圧室
B 17:シール部材 18:通電ケ
ーブル 19:機枠 20:ボビン
ホルダ 21:ボビン 22:ターレ
ット盤 23:トラバース装置 24:接圧ロ
ーラ 25:電動機 26:回転軸 27:糸切替機構 28:糸掛け
機構 29:テールバンチ形成機構 30:張力計 31:張力比較手段 32:テール
バンチ制御回路 33:糸巻層 34:仕切り
板 35:トラバース案内板 36:糸寄せ
ガイド 37:トラバースイン規制ガイド 38:糸道案
内ガイド 39:糸掛けガイド 40:糸道規
制ガイド 41:アーム 42:スリッ
ト溝 43:テールバンチ 44:トラン
スファーテール 45:張力計 46:ハイパ
ス処理信号 47:閾値 48:交点 49:糸条捕捉信号 50:トラバ
ースイン規制信号 51:テールバンチ形成タイム 52:ハイパスフィル
タ 53:比較器 54:波形整
形器 55:トラバースイン制御回路 56:綾振り支点ガイ
ド 57:ガイドロッド 58:綾振り
ガイドD 59:綾振りガイドA 60:ダミー
レバー 61:アクティブレバー 62:歪みゲ
ージD 63:歪みゲージA 70:
表層バンチ 100:糸条
フロントページの続き Fターム(参考) 3F056 AA05 AB02 DB08 EB01 EB03 3H081 AA02 BB03 CC26 FF11 FF47 HH04 4L045 DC12 DC31 DC37

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ室を備えたシリンダブロックと、
    シリンダ室の内部に摺動自在に設けたピストンおよびロ
    ッドと、ピストンに圧力を予め負荷する圧力負荷手段
    と、予め負荷された圧力に対抗してピストンおよびロッ
    ドの移動を阻止する移動阻止手段とを備えていることを
    特徴とする流体アクチュエータ。
  2. 【請求項2】シリンダ室を備えたシリンダブロックと、
    シリンダ室の内部に摺動自在に設けたピストンおよびロ
    ッドと、ピストンに圧力を予め負荷する圧縮流体を導入
    する圧縮流体導入流路と、予め負荷された圧縮流体の圧
    力に対抗してピストンおよびロッドの移動を阻止する移
    動阻止手段とを備えていることを特徴とする流体アクチ
    ュエータ。
  3. 【請求項3】移動阻止手段が、ロッドに設けた磁性体か
    らなる係止部と、係止部を吸着する電磁石とを備えてい
    る、請求項1または2に記載の流体アクチュエータ。
  4. 【請求項4】糸条を巻き取るボビンを装着する複数本の
    ボビンホルダと、巻取ボビンホルダを自動切替する自動
    切替手段と、糸条の綾振り手段と、巻始め糸条のバンチ
    巻形成手段とを備え、バンチ巻形成手段は、糸条をボビ
    ンに掛ける糸掛け手段と、ボビンに掛かった糸条の綾振
    りを規制するトラバースイン規制手段とを備え、トラバ
    ースイン規制手段は請求項1〜3のいずれかに記載の流
    体アクチュエータを備えている糸条パッケージの製造装
    置。
  5. 【請求項5】糸条を綾振りながら巻き取るボビンを装着
    した第1のボビンホルダおよび第2のボビンホルダの間
    で巻取ボビンホルダを自動切替するときに、第2のボビ
    ンホルダに装着したボビンに糸条を掛け、ロッドを有す
    るピストンで糸条の綾振りを規制してバンチ巻きを形成
    し、その後、ロッドを有するピストンによる糸条の綾振
    り規制を解除して糸条の綾振りを再開し、糸条をボビン
    に巻き取る糸条パッケージの製造方法であって、ピスト
    ンおよびロッドの移動を阻止しながらピストンに圧力を
    負荷し、所定時間経過した後にその移動阻止を解除して
    糸条の綾振り規制を解除することを特徴とする糸条パッ
    ケージの製造方法。
  6. 【請求項6】圧縮流体を用いてピストンに圧力を負荷す
    る、請求項4に記載の糸条パッケージの製造方法。
  7. 【請求項7】電磁石に通電して発生する磁力を利用して
    ピストンおよびロッドの移動を阻止し、通電停止により
    磁力が消滅することを利用してピストンの移動阻止を解
    除する、請求項5または6に記載の糸条パッケージの製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009213640A (ja) * 2008-03-10 2009-09-24 Toshiba Corp 超音波プローブ
JP2010201109A (ja) * 2009-03-06 2010-09-16 Juki Corp ミシンの下糸張力検出装置
CN113529190A (zh) * 2021-08-10 2021-10-22 北京中丽制机工程技术有限公司 一种新型纺丝卷绕装置及纺丝卷绕方法

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