JP2003028039A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JP2003028039A JP2001217865A JP2001217865A JP2003028039A JP 2003028039 A JP2003028039 A JP 2003028039A JP 2001217865 A JP2001217865 A JP 2001217865A JP 2001217865 A JP2001217865 A JP 2001217865A JP 2003028039 A JP2003028039 A JP 2003028039A
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 点火コイルと点火プラグとを直接に接続した
構造を図りつつ、混合気への着火性を良好に得るため
に、接地電極の燃焼室内おける配置位置を特定位置に容
易に設定できる内燃機関用点火装置を提供する。 【解決手段】 点火コイル9の保護外筒31をプラグホ
ールパイプとして構成することで外径寸法を縮小でき、
点火コイル9をシリンダヘッドとシリンダヘッドカバー
との間の内部空間に配置可能となる。これにより、点火
コイル9と点火プラグ11とを配線ケーブルなどを介さ
ずに直接かつ確実に接続することができ、電力損失によ
る点火用高電圧の低下を抑制できる。また、点火コイル
9、プラグホールパイプ(保護外筒31)の固定作業を
一度に実施でき、組み立て作業工数を削減できる。さら
に、点火プラグ11の主体金具19の先端部25がネジ
溝を備えないため、接地電極21の燃焼室55内におけ
る配置位置を設定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の気筒毎
に装着された点火プラグと点火用高電圧を発生する点火
コイルとを備えて、混合気への着火を行うための火花放
電を点火プラグで発生する内燃機関用点火装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車エンジン等に使用され
る内燃機関において混合気への着火(点火)を行う内燃
機関用点火装置は、点火用高電圧を発生する点火コイル
と、点火用高電圧が印加されることで火花放電を発生す
る点火プラグとを備えている。
【0003】そして、点火プラグは、一般的に、絶縁体
の軸孔の先端側に挿設された中心電極と、絶縁体の外側
に設けられた主体金具と、一端が主体金具に結合されて
他端が中心電極と火花放電ギャップを隔てて対向する接
地電極と、絶縁体の軸孔の後端側に挿設されると共に該
中心電極に電気的に接続される端子電極とを備えて構成
されている。また、主体金具の外周表面には固定用ネジ
溝が形成されて、この固定用ネジ溝を用いて螺合により
シリンダヘッドに固定される構造の点火プラグが知られ
ている。
【0004】また、点火コイルは、一般的に、一次巻
線、二次巻線およびコイルコアからなるコイル本体部を
備えて構成され、一次巻線に流れる電流の通電・遮断に
よりコイルコアの磁束密度が変化することで、二次巻線
の両端に点火用高電圧が発生するように構成されてい
る。そして、点火コイルは、ハイテンションケーブル等
の配線ケーブル(通電経路)を介して点火プラグと電気
的に接続されることにより、点火用高電圧を点火プラグ
に印加する。
【0005】ところで、点火プラグが固定されるシリン
ダヘッドの上部とシリンダヘッドカバーとの間に形成さ
れる内部空間には、吸気弁および排気弁を駆動するため
のカムシャフト等からなる吸排気弁駆動機構が備えら
れ、この吸排気弁駆動機構を円滑に動作させるための潤
滑油が循環されている。
【0006】これに対し、点火プラグは、高電圧の印加
により火花放電を発生する構造であるため、潤滑油が付
着した場合には、漏電などの影響により正常に火花放電
が発生できない虞がある。このため、シリンダヘッドと
シリンダヘッドカバーとの間に形成される内部空間に、
点火プラグを挿通可能な内径に形成された円筒形状のプ
ラグホールパイプを備えることで、点火プラグの設置ス
ペースを確保して点火プラグを潤滑油から隔離してい
る。なお、プラグホールパイプは、その軸方向が点火プ
ラグの軸方向と同一方向となる状態でシリンダヘッドに
固定されている。
【0007】そして、プラグホールパイプにより形成さ
れた設置スペースに点火プラグを装着した後、点火コイ
ルと点火プラグとの間に前述した配線ケーブルを配線す
ることで、点火コイルと点火プラグとが電気的に接続さ
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、点火コイルと
点火プラグとをハイテンションケーブル等の配線ケーブ
ルを介して接続する場合、点火コイルと点火プラグとの
距離が長くなるほど配線ケーブルの抵抗値が大きくなる
等の影響により、配線ケーブルでの損失が大きくなると
いう問題がある。このように配線ケーブルでの損失が大
きくなると、点火用高電圧を発生させるためのエネルギ
が無駄に消費されることになり、また、場合によって
は、点火プラグに印加される電圧値が低下して火花放電
が発生できない虞もある。
【0009】このような問題に対しては、点火コイルと
点火プラグとを直接に接続する構造を採用する(いわゆ
る、ダイレクトイグニッションタイププラグ)ことが有
効である。しかし、この構造を採用するためには、シリ
ンダヘッドとシリンダヘッドカバーとで形成される内部
空間に、点火コイルの配置スペースを確保する必要が生
じることとなる。そして、前述したように、シリンダヘ
ッドとシリンダヘッドカバーとで形成される内部空間に
は、点火プラグの他に吸排気弁駆動機構等が備えられて
いることから、点火コイルを設置するための設置スペー
スをシリンダヘッドの内部に確保することは容易とはい
えない。
【0010】他方、近年の高効率化(燃費向上)やクリ
ーン化の要求に応えるために、混合気の空燃比を高く
(希薄空燃比に)設定した内燃機関が普及してきてい
る。このような内燃機関においては、燃焼室内における
混合気の乱流(スワール流やタンブル流)を考慮した構
造を図り、点火プラグの火花放電ギャップ近傍に燃焼に
適した混合気を生成することで、混合気への着火性を安
定させている。
【0011】しかし、混合気の乱流を発生させる場合に
は、点火プラグの接地電極の燃焼室内における配置位置
が、混合気への着火性に影響することが知られており、
接地電極の配置位置によっては着火性が低下することが
ある。つまり、混合気は、点火プラグの火花放電ギャッ
プに発生する火花放電に触れることで着火されるが、例
えば、混合気の乱流の方向に対し、接地電極が火花放電
ギャップよりも風上に位置する場合には、接地電極が障
害となって混合気が火花放電に触れ難くなるため、混合
気への着火が行われ難く、また火炎伝播を妨げることに
なり、混合気への着火性が低下してしまう虞がある。
【0012】具体的には、図8(b)のように、燃焼室
55の内部において混合気流の流れ方向に対する接地電
極Xの角度位置θ(すなわち接地電極Xと混合気流のな
す角度θ)を設定したとき、エンジンの種類によっても
異なるが一般的には、θ=90°、270°を満たすと
きに着火性が良好となり、一方混合気流に対して火花放
電ギャップgが接地電極Xの陰になるθ=0°、360
°では、着火性が低下することとなる。また、θ=18
0°でも接地電極Xが可変成長を妨げるような方向に位
置するために、着火性が若干低下することになる。この
ように混合気流に対する接地電極Xの角度位置θは、エ
ンジン性能(着火性)に影響を与えるものである。な
お、図8(b)は、図8(a)に示すように点火プラグ
11をシリンダヘッド51に取り付けたときに、点火プ
ラグ11を燃焼室55側からみたときの図面に相当する
ものである。
【0013】そして、螺合によりシリンダヘッドに装着
する構造の点火プラグにおいては、接地電極の燃焼室内
における配置位置は、点火プラグ毎に不確定であり、接
地電極を燃焼室内の特定位置に配置することが困難であ
る。また、螺合によりシリンダヘッドに装着する点火プ
ラグでは、ネジ溝の僅かな寸法誤差や個体差によって、
最終的な装着時における接地電極の位置が変化してしま
うことからも、接地電極を特定位置に設定することは難
しいという問題もある。
【0014】そこで、本発明は、点火コイルと点火プラ
グとを直接に接続した構造を図りつつ、内燃機関におけ
る混合気への着火性を良好に得るために、シリンダヘッ
ドに対する点火プラグの最終的な装着時において接地電
極の燃焼室内おける配置位置を特定位置に容易に設定す
ることができる内燃機関用点火装置を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、絶縁体の軸孔の
先端側に挿設された中心電極と、絶縁体の外側に設けら
れた主体金具と、主体金具に結合されて中心電極との間
で火花放電ギャップを形成する接地電極とを有すると共
に、内燃機関のシリンダヘッドに形成されるプラグ配置
孔に配置される点火プラグと、一次巻線、二次巻線およ
びコイルコアからなるコイル本体部を備えると共に、こ
のコイル本体部を内部に収容する形態で当該コイル本体
部と一体化された筒状の保護外筒とを備える点火コイル
と、を直接に接続し、混合気への着火を行うための火花
放電を点火プラグの火花放電ギャップに発生する内燃機
関用点火装置であって、点火プラグの主体金具は、シリ
ンダヘッドと直接または他部材を介して間接的に接触す
るプラグ座面を先端側に有する鍔部と、この鍔部のプラ
グ座面から軸方向先端側に延設された外周にネジ溝が設
けられていない筒状の先端部を備えている一方、点火コ
イルの保護外筒が、主体金具のプラグ座面より後端側に
配置される形態でシリンダヘッドに固定される筒状のプ
ラグホールパイプとして構成され、保護外筒によって、
主体金具のプラグ座面がシリンダヘッドに対して押圧さ
れ、かつ点火プラグがシリンダヘッドに固定されること
を特徴とする。
【0016】この内燃機関用点火装置においては、点火
コイルと点火プラグとが直接に接続される構造(いわゆ
る、ダイレクトイグニッションタイププラグ)を有して
おり、配線ケーブルなどを介して両者を接続する構成で
ないことから、配線ケーブルでの電力損失が発生するこ
とがない。なお、このように点火コイルと点火プラグと
を直接に接続できるのは、点火コイルの保護外筒を、プ
ラグホールパイプにより構成することで、一次巻線、二
次巻線およびコイルコアからなるコイル本体部をプラグ
ホールパイプである保護外筒の内部に収納させたことに
より、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとで形成
される内部空間において、点火コイルの設置スペースを
有効に確保可能となったからである。
【0017】そして、この内燃機関用点火装置に備えら
れる点火プラグは、主体金具の先端部の外周表面にネジ
溝が設けられておらず、螺合によりシリンダヘッドに装
着される構造ではない。つまり、この点火プラグは、シ
リンダヘッド(プラグ配置孔)に対して遊嵌状に挿入し
つつ装着することができる。したがって、シリンダヘッ
ドに対する点火プラグの装着時において、主体金具への
接地電極の結合部位置がプラグ配置孔の軸線を中心とし
た周方向の特定位置となる(換言すれば、接地電極の燃
焼室内における配置位置が特定位置を満たす)ように設
定がし易くなり、点火プラグを螺合させる構造のように
接地電極の相対位置が不確定となる問題を抑えることが
できる。
【0018】例えば、この点火プラグは、接地電極の燃
焼室内における配置位置(狙い位置)を予め設定し、そ
の狙い位置に対してシリンダヘッドに挿入、固定するこ
とで、最終的な装着時における接地電極の配置位置を狙
い位置に設定することができる。つまり、燃焼室内にお
ける混合気流の流れ方向は、吸気管や燃焼室の構造によ
り決定されることから、シリンダヘッドに対する方向が
略一定である。このため、点火プラグの装着時におい
て、混合気流の流れ方向を考慮して接地電極の配置位置
を設定することで、混合気流の方向に対する配置位置を
特定位置に設定することが容易となる。また、プラグ配
置孔に従来のようにネジ溝を形成する必要が無くなり、
少なくともネジ溝の厚さ分はプラグ配置孔の内径を縮小
化することができるため、大面積の吸・排気弁をシリン
ダヘッド側に設置し易く、それらを設置するための設計
がし易いといった利点も得られる。
【0019】さらに、この内燃機関用点火装置では、外
周にネジ溝を有さない筒状の先端部を有する主体金具に
て構成される点火プラグをシリンダヘッドに対して固定
するにあたり、プラグホールパイプとしても機能する点
火コイルの保護外筒を利用することが注目すべき点であ
って、この保護外筒によって主体金具のプラグ座面をシ
リンダヘッドに対して押圧して点火プラグを固定するこ
とが注目すべき点である。
【0020】つまり、本発明では、点火プラグを潤滑油
から隔離するためのプラグホールパイプを、点火コイル
の保護外筒として利用し、さらには主体金具にネジ溝を
有さない点火プラグをシリンダヘッドに固定するための
固定部材としても使用するようにしている。このように
シリンダヘッドに取り付けられる点火コイルの保護外筒
であるプラグホールパイプを、点火プラグのシリンダヘ
ッドに対する固定部材として用いることで、点火プラグ
を固定する固定部材を新たに追加する場合に比べて、部
品点数の増加を抑えることができる。
【0021】また、点火コイルの保護外筒がプラグホー
ルパイプとして構成されていることから、保護外筒をシ
リンダヘッドに装着することで、点火コイルの装着作業
およびプラグホールパイプの装着作業を同時に実施する
ことができる。そして、主体金具にネジ溝を有さない点
火プラグをシリンダヘッドに固定する場合は、従来のよ
うに点火プラグをシリンダヘッドに対し螺合により装着
する構造とは異なり、燃焼室側から燃焼圧が印加された
場合、または内燃機関の振動が大きく生じた場合でも安
定して点火プラグをシリンダヘッドに固定することが重
要である。そして、本発明では、主体金具のプラグ座面
がシリンダヘッドに対して押圧されるようにして点火コ
イルの保護外筒をシリンダヘッドに固定し、この保護外
筒により点火プラグの固定を行うようにしている。その
結果、主体金具における鍔部のプラグ座面の略全体が均
一に押圧されて、プラグ座面とシリンダヘッドとの間を
安定して接触させることができる。それにより、燃焼室
側から燃焼圧が印加された場合にも、安定して点火プラ
グを固定することができる。
【0022】なお、点火コイルの保護外筒によって点火
プラグを安定してシリンダヘッドに固定するには、混合
気の燃焼により発生する燃焼圧よりも大きい押圧力以
上、具体的には10〔MPa〕以上で主体金具のプラグ
座面を押圧するようにすることが望ましい。
【0023】よって、本発明(請求項1)の内燃機関用
点火装置によれば、点火コイルと点火プラグとを直接に
接続することから、点火用高電圧を通電するための通電
経路における損失を低減でき、失火するのを防止するこ
とができる。また、プラグホールパイプを点火コイルの
保護外筒として構成することにより、点火コイルの装着
作業とプラグホールパイプの装着作業を同時に実行で
き、組み立て作業工数を従来よりも削減させることがで
きる。さらにこの点火コイルの保護外筒によって点火プ
ラグをシリンダヘッド固定することで、新たな固定部材
を用いることなく、主体金具にネジ溝を有さない点火プ
ラグをシリンダヘッドに対して安定して固定することが
できる。
【0024】なお、点火コイルの保護外筒であるプラグ
ホールパイプを、主体金具のプラグ座面がシリンダヘッ
ドに対して押圧するように当該シリンダヘッドに固定さ
せるには、主体金具のプラグ座面の後端側に配置される
保護外筒を、主体金具の一部に当接させつつ押圧させる
ようにするとよい。具体的には、点火コイルの保護外筒
を、点火プラグのうちで主体金具の鍔部におけるプラグ
座面とは反対側に位置する後端面に当接させつつシリン
ダヘッドに固定することで、プラグ座面をシリンダヘッ
ドに押圧させるとよい。また、主体金具が、自身の後端
部周縁を絶縁体の外周部に向けて加締めてなる加締め部
を形成している場合には、点火コイルの保護外筒を、こ
の加締め部に当接させつつシリンダヘッドに固定するこ
とで、プラグ座面をシリンダヘッドに押圧させてもよ
い。
【0025】そして、点火コイルと点火プラグとを直接
に接続させて、両者の電気的接続を図る接続構造は特に
限定されないが、通常、点火プラグは、中心電極に電気
的に接続される端子電極を有する一方、点火コイルは、
二次巻線に電気的に接続される高電圧出力端子を有して
構成されることから、この高電圧出力端子と端子電極と
を組み合わせて電気的な接続が図れられる。ここで、こ
の高電圧出力端子と端子電極とを組み合わせるにあたっ
て、例えば、嵌合、ハンダ付け、加締めや溶接等による
接続方法を採用することができる。しかし、高電圧出力
端子と端子電極とを溶接等により固着した場合、固着し
た後に点火プラグを取り外すことが困難であるため、本
内燃機関用点火装置を装着できる内燃機関が、点火プラ
グの定期的な交換が不要な内燃機関に限定される。
【0026】そこで、点火プラグが、絶縁体の軸孔の後
端側に挿設されると共に中心電極に電気的に接続される
端子電極を有する一方、点火コイルがコイル本体部の二
次巻線にて発生した点火用高電圧を点火プラグの端子電
極に印加するための高電圧出力端子を有する場合には、
請求項2に記載のように、点火コイルの高電圧出力端子
と点火プラグの端子電極とが、着脱可能に接続されてい
るとよい。
【0027】つまり、点火コイルの高電圧出力端子と点
火プラグの端子電極とが着脱可能に接続される(組み合
わされる)ことで、点火プラグと点火コイルとを直接に
接続した後、再び両者を分離することが可能となる。な
お、着脱可能な接続方法としては、例えば、高電圧出力
端子を略円筒形状に形成すると共に中心軸方向に向かう
弾性力を有する接触部を備えて形成し、端子電極を略円
柱形状に形成して、高電圧出力端子の内部に端子電極を
配置するように嵌合させる方法がある。また、このと
き、高電圧出力端子の接触部は、中心軸を中心として放
射状に複数配置することで、端子電極との接続面積を大
きく確保することができ、また、内燃機関の振動が発生
した場合でも、接触部が弾性変形することで端子電極と
の接触を確実に維持することができ、接触的の変化を抑
制することができる。
【0028】よって、本発明(請求項2)の内燃機関用
点火装置によれば、高電圧出力端子と端子電極とが着脱
可能に接続されることから、点火プラグを交換すること
が可能となり、点火プラグの定期的な交換が必要な内燃
機関に対しても適用できるため、多くの種類の内燃機関
に適用することが可能となる。
【0029】そして、上述(請求項1または請求項2)
の内燃機関用点火装置は、請求項3に記載のように、保
護外筒が圧入によりシリンダヘッドに固定されるように
構成すると良い。つまり、圧入による固定方法は、点火
コイルの保護外筒を強固にシリンダヘッドに固定するこ
とができ、燃焼室側から燃焼圧が印加された場合でも、
主体金具にネジ溝を有さない点火プラグを安定してシリ
ンダヘッドに固定することができる。
【0030】ところで、保護外筒を圧入でシリンダヘッ
ドに固定した場合、固定後にこの保護外筒をシリンダヘ
ッドから取り外すことが困難であり、点火プラグの交換
が困難となることから、装着可能な内燃機関が点火プラ
グの定期的な交換が不要な内燃機関に限定される。
【0031】そこで、上述(請求項1または請求項2)
の内燃機関用点火装置においては、請求項4に記載のよ
うに、保護外筒が、その外周表面から外向きに突出して
形成されたフランジ部を備え、このフランジ部を利用し
て、保護外筒がシリンダヘッドに固定されるとよい。
【0032】つまり、フランジ部を利用してシリンダヘ
ッドに固定することにより、点火コイルの保護外筒をシ
リンダヘッドに圧入する必要が無くなる。そして、固定
後に取り外しが可能な方法でフランジ部をシリンダヘッ
ドに固定することで、点火コイルの保護外筒を、固定後
に再びシリンダヘッドから取り外すことが可能となる。
【0033】このとき、フランジ部は、例えば、点火コ
イルの保護外筒であるプラグホールパイプの外側表面全
周にわたり形成しても良く、あるいは、プラグホールパ
イプの外周表面のうち異なる箇所から延設して複数箇所
に形成してもよい。そして、フランジ部のシリンダヘッ
ドへの固定方法としては、例えば、ボルト等を用いてシ
リンダヘッドに固定する方法や、シリンダヘッドに係合
部を設けて、シリンダヘッドに点火プラグを挿入した
後、保護外筒を自身の中心軸を中心に回転させることで
フランジ部をこの係合部と係合させることで固定する方
法などを用いると良い。
【0034】また、主体金具にネジ溝を有さない点火プ
ラグをシリンダヘッドに固定するには、上述(請求項1
または請求項2)の内燃機関用点火装置において、請求
項5に記載のように、貫通孔を有し、外周表面にネジ溝
が形成された筒状のナット部材を備えており、このナッ
ト部材が、貫通孔において保護外筒に対し後端側から外
挿されて、螺合によりシリンダヘッドに固定されると共
に、自身の一部を保護外筒に接触させることで、保護外
筒をシリンダヘッドに固定するとよい。
【0035】このようにナット部材を用いて点火コイル
の保護外筒をシリンダヘッドに固定する場合について
も、保護外筒を圧入する必要が無くなる。そして、ナッ
ト部材をシリンダヘッドに螺合して固定することで、保
護外筒を固定後に再びシリンダヘッドから取り外すこと
が可能となる。
【0036】なお、ナット部材は、自身の貫通孔におい
て点火コイルの保護外筒に対し後端側から外挿され、螺
合によりシリンダヘッドに固定されるものであるが、こ
のナット部材の固定時において、ナット部材の一部が保
護外筒に接触することによって当該保護外筒が点火プラ
グの主体金具のプラグ座面をシリンダヘッドに対して押
圧することができるように、保護外筒及びナット部材を
形成しておくことが重要である。これにより、混合気の
燃焼により発生する燃焼圧が燃焼室側から印加された場
合でも、ナット部材により固定される点火コイルの保護
外筒によって、主体金具にネジ溝を有さない点火プラグ
をシリンダヘッドに安定して固定することができる。
【0037】また、主体金具にネジ溝を有さない点火プ
ラグをシリンダヘッドに固定するには、請求項6に記載
のように、上述(請求項1または請求項2)の内燃機関
用点火装置において、保護外筒が、その外周表面にネジ
溝が形成され、シリンダヘッドに設けられたネジ溝との
螺合により当該シリンダヘッドに固定されていてもよ
い。
【0038】このように点火コイルの保護外筒を螺合に
よりシリンダヘッドに固定することにより、シリンダヘ
ッドへの固定後に保護外筒を取り外すことができ、ボル
トなどの他の部材を備えることが無い。また、保護外筒
のシリンダヘッドへの締め込みトルクの管理によって、
保護外筒であるプラグホールパイプによる点火プラグへ
の押圧力(印加荷重)を概略一定とすることができ、保
護外筒によって、主体金具のプラグ座面をシリンダヘッ
ドに対してばらつきなく安定して押圧させることができ
る。
【0039】一方、プラグホールパイプは、従来より、
シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間に形成さ
れる内部空間に、吸排気弁駆動機構などの他の機器と共
に配置されており、その上側端部がシリンダヘッドカバ
ーと当接することで、シリンダヘッドとシリンダヘッド
カバーとの間の内部空間で循環する潤滑油が外部に漏れ
るのを防いでいる。
【0040】そこで、上述(請求項1から請求項6のい
ずれか)の内燃機関用点火装置においては、請求項7に
記載のように、シリンダヘッドの上部に設けられるシリ
ンダヘッドカバーを備え、保護外筒は、シリンダヘッド
カバーとシリンダヘッドとの間で挟持されることで当該
シリンダヘッドに固定されるとよい。
【0041】つまり、シリンダヘッドカバーが、点火コ
イルの保護外筒としても機能するプラグホールパイプを
シリンダヘッドに付勢することで、直接に接続される点
火コイルと点火プラグとをシリンダヘッドに固定するの
である。なお、このとき、直接に接続される点火コイル
および点火プラグが、シリンダヘッドに対して混合気の
燃焼により発生する燃焼圧よりも大きな付勢力で付勢さ
れるように、点火コイルの保護外筒(プラグホールパイ
プ)、点火プラグ、シリンダヘッドカバーおよびシリン
ダヘッドの各寸法を適切に設定すると良い。
【0042】ところで、主体金具にネジ溝を有さない点
火プラグでは、シリンダヘッドへの装着時において、主
体金具への接地電極の結合部位置がプラグ配置孔の軸線
を中心とした周方向の特定位置となる(換言すれば、接
地電極の燃焼室内における配置位置が特定位置を満た
す)ように設定し易くなるが、プラグ配置孔に点火プラ
グを挿入した後に回転を生じ、接地電極の燃焼室内にお
ける配置位置が変化する虞がある。
【0043】そこで、上述(請求項1から請求項7のい
ずれか)の内燃機関用点火装置においては、請求項8に
記載のように、点火プラグが、シリンダヘッドへの装着
時であってプラグ配置孔の軸方向を中心に回転させたと
きに、シリンダヘッドと1または複数箇所にて嵌合し合
う位置設定部を主体金具に備える一方、シリンダヘッド
は、位置設定部に対応する設定対応部を備えており、点
火プラグをプラグ配置孔に配置したときに、主体金具へ
の接地電極の結合位置がプラグ配置孔の軸線を中心とし
た周方向の所定位置に設定されるとよい。
【0044】ここで、主体金具に形成される位置設定部
は、シリンダヘッドに形成される設定対応部に嵌合ない
し係合して、点火プラグがその中心軸を中心として回転
不可能とするためのものであり、点火プラグをシリンダ
ヘッドに装着する際の接地電極の燃焼室内における配置
位置を特定位置に設定するためのものである。
【0045】そして、位置設定部は、例えば、主体金具
の鍔部または先端部の外表面から外向きに突出する突条
部や、点火プラグの主体金具の鍔部または先端部に設け
た溝部等として備えると良い。また、主体金具の鍔部ま
たは先端部にて、軸方向に垂直な平面での断面形状が円
以外の形状(多角形(六角形など)や楕円形等)となる
特定断面部を形成し、この特定断面部を位置設定部とし
て設けても良い。
【0046】なお、このとき、シリンダヘッドには、接
地電極の燃焼室内における配置位置が着火性の良好な位
置となるように考慮して、位置設定部と嵌合可能な形状
の嵌合部あるいは位置設定部と係合可能な係合部を設け
るとよい。これにより、確実かつ容易に接地電極の相対
位置を着火性が良好な位置に設定することができる。
【0047】よって、本発明(請求項8)の内燃機関用
点火装置によれば、シリンダヘッドへの点火プラグの装
着時に予め設定している接地電極の燃焼室内における配
置位置が回転により変化するのを防ぐことが出来ると共
に、接地電極を容易かつ確実に特定位置に設定すること
ができ、良好な着火性を得ることが出来る。
【0048】また、上述(請求項1から請求項8のいず
れか)の内燃機関用点火装置においては、請求項9に記
載のように、点火プラグは、絶縁体の軸孔の後端側に挿
設されると共に中心電極に電気的に接続される端子電極
を有する一方、点火コイルは、コイル本体部の二次巻線
にて発生した点火用高電圧を点火プラグの端子電極に印
加するための高電圧出力端子を有しており、点火コイル
の高電圧出力端子と点火プラグの端子電極との接続部分
の周囲を覆う絶縁部材を備えるとよい。
【0049】つまり、点火プラグは、端子電極に点火用
高電圧が印加された時に、端子電極と主体金具との間で
コロナ放電が発生する場合があり、このようなコロナ放
電が発生すると、中心電極と接地電極との間に印加され
る電圧が低下することになり、火花放電ギャップにて火
花放電を発生させることができなくなる。また、点火コ
イルの保護外筒が金属材料で形成されている場合には、
高電圧出力端子と保護外筒、あるいは端子電極と保護外
筒との間で放電が発生することがあり、このような放電
が発生する場合にも、火花放電ギャップにて火花放電を
発生させることができなくなる。
【0050】これに対して、高電圧出力端子と端子電極
との接続部分の周囲を絶縁性部材で覆うことで、端子電
極と主体金具との間でのコロナ放電や、高電圧出力端子
と保護外筒あるいは端子電極と保護外筒との間での放電
の発生を防ぐことができる。また、プラグホールパイプ
は、本来、点火プラグを潤滑油から隔離するためのもの
であるが、点火コイルの保護外筒をプラグホールパイプ
として構成するため、寸法誤差などにより、プラグホー
ルパイプである保護外筒とシリンダヘッドとの間に間隙
が生じ、潤滑油が浸透し易くなる虞がある。
【0051】そこで、上述(請求項1から請求項9のい
ずれか)の内燃機関用点火装置においては、請求項10
に記載のように、保護外筒とシリンダヘッドとの間にオ
イルシール部材を備えるとよい。つまり、オイルシール
部材は、例えば弾性変形可能な材質(ゴムなど)で形成
されており、プラグホールパイプである保護外筒とシリ
ンダヘッドとの間に生じた間隙に応じて、その断面形状
が変形することで、プラグホールパイプである保護外筒
とシリンダヘッドとの間隙を封鎖し、潤滑油の浸透を好
適に防止することが出来る。これにより、点火プラグの
うち、特に端子電極、接地電極および中心電極などに潤
滑油が付着するのを防止することができる。
【0052】よって、本発明(請求項10)の内燃機関
用点火装置によれば、点火プラグに潤滑油が付着するの
を防止でき、潤滑油の影響により点火プラグで正常に火
花放電が発生できなくなる等の異常の発生を防止するこ
とが出来る。そして、上述(請求項1から請求項10の
いずれか)の内燃機関用点火装置においては、請求項1
1に記載のように、点火プラグの主体金具の外側に環状
のガスケットが備えられ、このガスケットを介して点火
プラグとシリンダヘッドとが接触しているとよい。
【0053】つまり、点火プラグとシリンダヘッドとが
当接する箇所、例えば、点火プラグにおいては主体金具
の鍔部のプラグ座面とシリンダヘッドとの間に、ガスケ
ットを備えるのである。これにより、点火プラグとシリ
ンダヘッドとの間に間隙が生じるのを防ぎ、燃焼室の気
密性を確実に維持して、エンジンの性能(気密性)、点
火プラグの性能(耐熱性)を良好に維持することが出来
る。
【0054】ところで、内燃機関の失火検知やノッキン
グ検知等を行う一手法としてイオン電流を検出する方法
が知られており、イオン電流の検出は、例えば、点火プ
ラグの電極間(中心電極と接地電極との間)に点火用高
電圧とは逆極性の検出用電圧を印加し、電極間に流れる
電流を検出することで行う。そして、点火プラグの電極
間への検出用電圧は、点火コイルと点火プラグとを接続
する通電経路を介して印加するため、この通電経路を用
いてイオン電流の検出を行う場合、通電経路の抵抗値が
大きくなると、正確にイオン電流を検出することができ
ない虞がある。これは、イオン電流が微小な電流であ
り、通電経路の抵抗値の僅かな変化が検出精度に大きく
影響を与えることになるからである。
【0055】そこで、上述(請求項1から請求項11の
いずれか)の内燃機関用点火装置は、請求項12に記載
のように、混合気の燃焼後において点火プラグの中心電
極と接地電極との間に流れるイオン電流を検出するため
のイオン電流検出手段を備えるとよい。
【0056】つまり、上述(請求項1から請求項11の
いずれか)の内燃機関用点火装置は、プラグホールパイ
プとコイル本体部とが一体化された点火コイルと点火プ
ラグとが直接接続していることから、配線ケーブルを介
していない。具体的には点火プラグの中心電極と電気的
に接続する端子電極と、点火コイルの二次巻線と電気的
に接続される高電圧出力端子との間の距離が近くなり、
端子電極と高電圧出力端子の接触性が良好となることか
ら、イオン電流の検出精度が低下するのを抑えることが
できる。
【0057】よって、本発明(請求項12)の内燃機関
用点火装置によれば、精度良くイオン電流を検出するこ
とができ、内燃機関の運転状態(失火やノッキング等)
を好適に検知することが可能となる。
【0058】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。図1(a)は、第1実施例の内燃機関用点
火装置1に備えられる点火コイル9および点火プラグ1
1が、シリンダヘッド51とシリンダヘッドカバー53
との間に装着される状態を表す説明図であり、図1
(b)は、点火コイル9および点火プラグ11が装着さ
れた後のシリンダヘッド51およびシリンダヘッドカバ
ー53の断面図である。
【0059】また、点火コイル9および点火プラグ11
は、図2に示すように、それぞれ別々に構成されている
が、点火コイル9は、図1(b)に示すように、点火プ
ラグ11と一体に結合可能に構成されている。そして、
一体に結合された点火コイル9および点火プラグ11
は、点火プラグ11が内燃機関のシリンダヘッド51に
設けられたプラグ配置孔51aに配置される状態で、シ
リンダヘッド51とシリンダヘッドカバー53との間に
配置される。
【0060】なお、シリンダヘッド51とシリンダヘッ
ドカバー53との間に形成される空間には、吸気弁、排
気弁を駆動するためのカムシャフト等からなる吸排気弁
駆動機構(図1(a)および図1(b)では図示省略)
が備えられており、この吸排気弁駆動機構を円滑に動作
させるための潤滑油が循環されている。
【0061】また、シリンダヘッド51は、点火プラグ
11を配置するためのプラグ配置孔51aを備えてい
る。なお、プラグ配置孔51aは、点火プラグ11(詳
細には、後述する鍔部23のプラグ座面23a)と当接
する段差面51bと、段差面51bよりも燃焼室55に
近い側(図1(b)における下側)に設けられた第1壁
面51cと、段差面51bよりもシリンダヘッドカバー
53に近い側(図1(b)における上側)に設けられた
第2壁面51dおよび第3壁面51eと、を備えてい
る。
【0062】そして、内燃機関用点火装置1は、点火コ
イル9や点火プラグ11の他に、パワースイッチング素
子を有するイグナイタ(図1(a)および図1(b)で
は図示省略)等を備えている。そして、イグナイタが一
次巻線L1の通電・遮断制御を行うことにより、点火コ
イル9の二次巻線L2に点火用高電圧が発生し、この点
火用高電圧が点火プラグ11に印加されると、点火プラ
グ11の中心電極17と接地電極21との間に形成され
る火花放電ギャップgに火花放電が発生する。つまり、
内燃機関用点火装置1は、点火プラグ11の火花放電ギ
ャップgに火花放電を発生し、この火花放電によって混
合気への着火を行うための装置である。
【0063】次に、点火コイル9は、図1(b)または
図2に示すように、長軸状の鉄芯であるコアCOと、コ
アCOの周囲に配置される二次巻線L2と、二次巻線L
2の周囲に配置される一次巻線L1とからなるコイル本
体部37を備えており、このコイル本体部37が略円筒
形状の保護外筒31に収容されつつ一体化されて構成さ
れている。
【0064】また、コイル本体部37の後端部(図1
(b)における上部)には、一次巻線L1と外部機器
(バッテリなど)とを電気的に接続するためのコネクタ
部39が備えられ、コイル本体部37の先端側には、二
次巻線L2に発生する点火用高電圧の出力端子である高
電圧出力端子41が備えられている。この点火コイル9
においては、外部機器による一次巻線L1への通電電流
の通電・遮断制御により、コイルコアCOの磁束密度が
急峻に変化することで、二次巻線L2に点火用高電圧が
発生する。なお、本明細書においては、点火プラグ11
の軸方向端部のうち、点火プラグ11の火花放電ギャッ
プgが形成される側を先端側、その軸方向に向かって反
対側(後述する端子電極13が形成される側)を後端側
とする。
【0065】そして、点火コイル9の保護外筒31は、
ステンレスやアルミニウム等の金属材料で形成され、後
端31aおよび先端31bがそれぞれ開口した略円筒形
状に形成されている。なお、保護外筒31のうち、後端
31aは、外径が円筒部分よりも拡径して、シリンダヘ
ッドカバー53の開口部53aに当接可能な形状に形成
されている。また、保護外筒31のうち、先端31b近
傍の内径は、主体金具19における鍔部23の外径より
も縮径して、シリンダヘッド51のプラグ配置孔51a
の第2壁面51dに圧入可能な形状に形成されている。
【0066】また、保護外筒31は、コネクタ部39を
後端31aから突出させると共に高電圧出力端子41を
内部に収容する状態で、コイル本体部37を内部に収容
している。更に、保護外筒31の内部のうち、コイル本
体部37の先端側には、高電圧出力端子41の周囲を覆
うように形成された絶縁性部材43が配置されている。
なお、絶縁性部材43は、ゴムや樹脂などの絶縁性材料
で形成されており、後述する点火プラグ11の端子電極
13、絶縁体15の周囲を覆うように形成されている。
【0067】次に、点火プラグ11は、図1(b)また
は図2に示すように、絶縁体15の軸孔の先端側(図1
(b)における下側)に挿設された中心電極17と、絶
縁体15の外側に設けられた主体金具19と、一端が主
体金具19に結合されて他端が中心電極17との間で火
花放電ギャップgを形成する接地電極21と、絶縁体1
5の軸孔の後端側(図1(b)における上側)に挿設さ
れると共に中心電極17と電気的に接続される端子電極
13と、を備えて構成されている。
【0068】このうち、主体金具19には、シリンダヘ
ッド51(詳細には、プラグ配置孔51aの段差面51
b)と直接または他部材(具体的にはガスケット71)
を介して接触するプラグ座面23aを先端側に有する鍔
部23と、この鍔部23のプラグ座面23aから軸方向
先端側に延設された外周表面にネジ溝が設けられていな
い円筒状の先端部25と、が備えられている。また、鍔
部23の後端側には、後端面23bが形成されている。
なお、主体金具19は、自身の後端部周縁を絶縁体15
の外周部に向けて加締めてなる加締め部27を形成して
おり、この加締め部27により、主体金具19の内部に
形成された金具側係合部(図示せず)に係合される絶縁
体15の抜き止めがなされ、絶縁体15は主体金具19
に対して保持される。
【0069】また、保護外筒31は、点火プラグ11の
うち主体金具19における鍔部23の後端面23bより
も後端側部分を、先端31bから内部に収容可能に構成
されている。そして、保護外筒31は、上述したように
先端31bの内径が点火プラグ11の鍔部23の外径よ
りも小さく形成され、先端31bが点火プラグ11の鍔
部23の後端面23bに当接するよう形成されている。
【0070】そして、点火プラグ11を下先端31b側
から保護外筒31の内部に挿入することで、高電圧出力
端子41と端子電極13とが嵌合接続され、絶縁性部材
43が点火プラグ11の絶縁体15を保持することとな
り、点火コイル9と点火プラグ11とが一体に結合され
る(直接に接続される)。このとき、保護外筒31の先
端31bは、点火プラグ11の主体金具19における鍔
部23の後端面23bに当接する。
【0071】なお、高電圧出力端子41は、略円柱形状
に形成されると共に点火コイル9の径方向に弾性変形す
る複数の接触部を備えており、この接触部は、点火コイ
ル9の中心軸を中心として放射状に配置されると共に中
心軸に向かう弾性力を有している。そして、端子電極1
3が略円柱形状に形成されていることから、高電圧出力
端子41と端子電極13とを嵌合接続する際には、端子
電極13が高電圧出力端子41の内部において放射状に
配置された複数の接触部の中心部分に配置され、複数の
接触部が自身の弾性力によって端子電極13に当接する
状態となる。
【0072】このように、複数の接触部が端子電極13
に接触することから、高電圧出力端子41と端子電極1
3との接触面積が大きくなり、接触抵抗を低く抑えるこ
とができる。また、複数の接触部が弾性変形することか
ら、内燃機関の振動が発生した場合でも、弾性変形によ
りいずれかの接触部が端子電極13との接触を維持する
ことができ、高電圧出力端子41と端子電極13との接
触不良が起こり難くなり、接触抵抗の変化を抑制するこ
とができる。さらに、このような接続構造であれば、高
電圧出力端子41と端子電極13とが着脱可能となり、
点火コイル9と点火プラグ11とを直接に接続した後
に、両者を分離することが可能となる。
【0073】そして、点火コイル9および点火プラグ1
1が直接に接続された後、保護外筒31が先端31bか
らシリンダヘッド51のプラグ配置孔51aに対して締
まり嵌め状態で挿入されることで、保護外筒31の先端
31bに近い外側表面が、プラグ配置孔51aの第2壁
面51dに圧入固定され、直接に接続された点火コイル
9および点火プラグ11がシリンダヘッドに固定され
る。
【0074】なお、保護外筒31をプラグ配置孔51a
に圧入する際には、ガスケット71が、主体金具19の
鍔部23のプラグ座面23aと段差面51bとの間に挟
持され、オイルシール63が、保護外筒31とプラグ配
置孔51aの第3壁面51eとの間に配置される。ま
た、プラグ配置孔51aのうち第1壁面51cは、点火
プラグ11の先端部25と対向することになる。
【0075】ここで、オイルシール63は、耐熱性を有
する弾性変形可能な材料からなる環状に形成された部材
であり、保護外筒31と第3壁面51eとの間で挟持さ
れて断面形状が変形することで、保護外筒31とシリン
ダヘッド51(詳細には、第3壁面51e)との間に生
じる間隙を封鎖する。よって、オイルシール63によ
り、保護外筒31とシリンダヘッド51との間を潤滑油
が浸透するのを防ぐことができる。また、このオイルシ
ール63は、保護外筒31の外周側面に周方向に形成さ
れた有底筒状の凹部(図示せず)に嵌め込まれた状態で
配置されており、保護外筒31をプラグ配置孔51aに
圧入する際に、プラグ配置孔51aの第3壁面51eと
の間で弾性変形しつつ、第3壁面51eとの間に挟持さ
れる。なお、図1(a)では、オイルシール63の図示
を省略している。
【0076】このあと、シリンダヘッドカバー53がシ
リンダヘッド51の上部に固定されることにより、保護
外筒31の後端31aの拡径した部分がシリンダヘッド
カバー53の開口部53aの周囲部分と当接する状態と
なる。この結果、直接に接続された点火コイル9および
点火プラグ11は、図1(b)に示すように、点火プラ
グ11がシリンダヘッド51のプラグ配置孔51aに配
置され、点火コイル9の保護外筒31がシリンダヘッド
カバー53の内面と当接する状態で、シリンダヘッド5
1とシリンダヘッドカバー53との間に挟持される。
【0077】なお、このとき、保護外筒31の後端31
aの拡径した部分とシリンダヘッドカバー53の開口部
53aの周囲部分との間には、潤滑油の浸透を防止する
ための第2オイルシール64(図1(a)および図1
(b)参照)が配置されている。この第2オイルシール
64により、保護外筒31の後端31aとシリンダヘッ
ドカバー53との間から潤滑油が漏洩するのを防ぎ、潤
滑油が後端31aから侵入して点火プラグ11に付着す
るのを防止している。また、エンジン外部に潤滑油が漏
洩するのを防いでいる。
【0078】このようにして、プラグ配置孔51aに装
着された点火プラグ11は、プラグ配置孔51aに圧入
された保護外筒31の先端31bが主体金具19の鍔部
23の後端面23bに当接して、この保護外筒31が主
体金具19の鍔部23のプラグ座面23aをシリンダヘ
ッド51に対して押圧することによって、混合気の燃焼
により燃焼圧が発生した場合でも、主体金具19の先端
部25の外周表面にネジ溝を有さない点火プラグ11を
安定してシリンダヘッド51に固定することができる。
【0079】また、点火プラグ11は、上述したように
主体金具19の先端部25の外周表面にネジ溝が設けら
れておらず、シリンダヘッド51への固定方法が螺合に
よる方法ではないことから、主体金具19への接地電極
21の結合部位置がプラグ配置孔51aの軸線を中心と
した周方向の特定位置(図8で示す接地電極Xと混合気
流のなす角度(θ=90°、270°))となる(換言
すれば、接地電極21の燃焼室55内における配置位置
が特定位置を満たす)ように設定がし易くなる。そし
て、主体金具19の先端部25がネジ溝を備えることな
く筒状に形成されていることから、この点火プラグ11
は、シリンダヘッド51のプラグ配置孔51aに対して
螺合することなく挿入することができ、螺合により点火
プラグをシリンダヘッドに装着する場合と比べて容易に
点火プラグを装着することができる。
【0080】このため、シリンダヘッド51に対する接
地電極21の燃焼室55内における配置位置を予め設定
し、直接に接続された点火コイル9および点火プラグ1
1をプラグ配置孔51aに装着することで、点火プラグ
11の最終的な装着時における接地電極21の燃焼室5
5内における配置位置を特定位置に設定することが容易
となる。そして、この後、シリンダヘッドカバー53を
シリンダヘッド51の上部に固定して、点火コイル9お
よび点火プラグ11をシリンダヘッドカバー53とシリ
ンダヘッド51との間で挟持することで、点火コイル9
および点火プラグ11をより安定してシリンダヘッド5
1に固定することができる。
【0081】なお、本実施例の内燃機関用点火装置1に
おいては、燃焼室55における混合気の乱流の方向を考
慮して、混合気への着火性が良好となるように(図8で
示す接地電極Xと混合気流のなす角度(θ=90°、2
70°))、接地電極21の燃焼室55内における配置
位置を設定しつつ、点火コイル9を構成する保護外筒3
1によって、点火プラグ11をシリンダヘッド51に固
定している。
【0082】以上、説明したように、第1実施例の内燃
機関用点火装置においては、点火コイル9の保護外筒3
1をプラグホールパイプとして構成することから、点火
コイルとプラグホールパイプとを別個に備える場合に比
べて、プラグホールパイプ(保護外筒31)の外径寸法
を縮小することができ、シリンダヘッド51に対するプ
ラグホールパイプ(保護外筒31)の占有領域を従来よ
り縮小化することができ、吸排気弁機構などの他の機器
の設置スペースを広く確保することが可能となる。ある
いは、プラグホールパイプ(保護外筒31)の外径及び
内径寸法をあまり変更しない設計とした場合には、保護
外筒31におけるコイル本体部37の配置スペースを大
きくすることができ、巻線量の増加などにより点火コイ
ル9の能力を高めることも可能となる。
【0083】また、この内燃機関用点火装置において
は、コイル本体部37を保護するための保護外筒31の
機能を、プラグホールパイプを利用して達成させたこと
から、シリンダヘッド51とシリンダヘッドカバー53
とで形成される内部空間において、点火コイルを設置す
るための設置スペースが有効に確保され、それにより点
火コイル9と点火プラグ11とを配線ケーブルなどを介
さずに直接かつ確実に接続することができる。
【0084】そして、第1実施例の内燃機関用点火装置
では、保護外筒31がプラグホールパイプとして構成さ
れた点火コイル9を備えていることから、点火コイル9
をシリンダヘッド51へ固定することで、プラグホール
パイプ(本実施例では保護外筒31)のシリンダヘッド
51への固定作業も同時に実施することとなる。つま
り、点火コイルおよびプラグホールパイプ(本実施例で
は保護外筒31)のシリンダヘッドへの固定作業を1回
の作業で済ませることができる。
【0085】また、点火プラグ11を点火コイル9と直
接に接続させた状態で、シリンダヘッド51への固定作
業を行うことができることから、点火コイルおよびプラ
グホールパイプに加えて、点火プラグ11のシリンダヘ
ッド51への固定作業も同時に行うことができる。
【0086】そして、点火プラグ11は、主体金具19
にネジ溝を有さない構造であることから、主体金具19
の接地電極21の結合部位置がプラグ配置孔51aの軸
線を中心とした周方向の特定位置となるように設定し易
くなる。そして、本実施例の内燃機関用点火装置1は、
特に混合気への着火性が良好となるように接地電極21
の燃焼室55内における配置位置が設定されることか
ら、混合気への着火性が良好に得られる。
【0087】また、点火コイル9の保護外筒31が、プ
ラグ配置孔51aへの圧入により第2壁面51dに挟持
されると共に、さらにシリンダヘッド51とシリンダヘ
ッドカバー53との間で挟持され、かつシリンダヘッド
51に固定されるこの保護外筒31によって、点火プラ
グ11をシリンダヘッド51に対して押圧することか
ら、直接に接続された点火コイル9および点火プラグ1
1は、強固にシリンダヘッド51に固定されることにな
る。このため、主体金具19にネジ溝を有さない点火プ
ラグ11は、混合気の燃焼により燃焼圧が発生した場合
でも、確実にシリンダヘッド51に固定される。
【0088】さらに、絶縁性部材43が、高電圧出力端
子41と端子電極13との接続部分の周囲を覆うことか
ら、端子電極13と主体金具19との間でのコロナ放電
や、高電圧出力端子41と保護外筒31あるいは端子電
極13と保護外筒31との間での放電の発生を防ぐこと
が可能となる。
【0089】ここで、内燃機関用点火装置においては、
主体金具19への接地電極21の結合部位置が、確実に
プラグ配置孔51aの軸線を中心とした周方向の特定位
置となるように、点火プラグ11の代わりに、図6に示
す第2点火プラグ11a、第3点火プラグ11bおよび
第4点火プラグ11cのいずれかを用いて構成しても良
い。
【0090】まず、第2点火プラグ11aは、主体金具
19の鍔部23の外周側面に、軸方向に延びる位置設定
部としての突条部65を備えており、図6(a)に側方
から見た第2点火プラグ11aの外観図を示し、図6
(b)に先端側から見た第2点火プラグ11aの外観図
を示す。そして、この突条部65は、接地電極21との
相対位置を図6(b)に示すように一定にして形成して
いることから、シリンダヘッド51のプラグ配置孔51
aの第2壁面51d(図1参照)に、突条部65と嵌合
可能な設定対応部としての嵌合溝を設けて、第2点火プ
ラグ11aをプラグ配置孔51aに挿入しつつ、主体金
具19に形成される突条部65をシリンダヘッド51に
形成される上記嵌合溝に嵌合させるだけで、接地電極2
1の燃焼室55内における配置位置を一定に維持するこ
とができる。なお、このときシリンダヘッド51におけ
る嵌合溝の位置は、主体金具19への接地電極21の結
合部位置がプラグ配置孔51aの軸線を中心とした周方
向の特定位置となるように、さらに接地電極21と突条
部65との相対関係を考慮して予め設定される。
【0091】また、図6(b)から判るように、第2点
火プラグ11aにおいては、主体金具19の鍔部23の
外周表面における周方向位置のうち、突条部65の設置
位置は、接地電極21の主体金具19への結合部位置と
同一位置となっている。しかし、鍔部23の周方向位置
における突条部65の設置位置は、接地電極21の主体
金具19の結合部位置と同一位置に限定されることはな
い。但し、このときシリンダヘッド51側に形成される
嵌合溝の位置は、上述したように、接地電極21と突条
部65との相対位置関係、および燃焼室55内における
接地電極21の特定位置関係を考慮して適宜設定する必
要がある。なお、この突条部65は、第2点火プラグ1
1aでは主体金具19の鍔部23の外周側面に形成され
るものであったが、主体金具19の先端部25の外周に
形成してもよい。このとき、シリンダヘッド51側で
は、その先端部25に形成される突条部に対応するべ
く、プラグ配置孔51aの第1壁面51cに嵌合溝を適
宜形成すればよい。
【0092】また、第3点火プラグ11bは、主体金具
19の鍔部23の側面に、軸方向に延びる位置設定部と
しての溝部67を備えており、図6(c)に側方から見
た第3点火プラグ11bの外観図を示し、図6(d)に
先端側から見た第3点火プラグ11bの外観図を示す。
そして、この溝部67は、接地電極21との相対位置を
図6(d)に示すように一定に形成していることから、
シリンダヘッド51のプラグ配置孔51aに、溝部67
と嵌合可能な設定対応部としての嵌合突部を設けて、第
3点火プラグ11bをプラグ配置孔51aに挿入しつ
つ、主体金具19に形成される溝部67をシリンダヘッ
ド51に形成される上記嵌合突部に嵌合させるだけで、
接地電極21の燃焼室55内における配置位置を一定に
維持することができる。なお、このときシリンダヘッド
51における嵌合突部の位置は、主体金具19への接地
電極21の結合部位置がプラグ配置孔51aの軸線を中
心とした周方向の特定位置となるように、さらに接地電
極21と突条部65との相対関係を考慮して予め設定さ
れる。
【0093】また、図6(d)から判るように、第3点
火プラグ11bにおいては、主体金具19の鍔部23の
外周表面における周方向位置のうち、溝部67の設置位
置は、接地電極21の主体金具19への結合部位置と同
一位置となっている。しかし、鍔部23の周方向位置に
おける溝部67の設置位置は、接地電極21の主体金具
19への結合部位置と同一位置に限定されることはな
い。但し、このときシリンダヘッド51側に形成される
嵌合突部の位置は、上述したように、接地電極21と溝
部67との相対位置関係、および燃焼室55内における
接地電極21の特定位置関係を考慮して適宜設定する必
要がある。なお、この溝部67は、第3点火プラグ11
bでは主体金具19の鍔部23の外周側面に形成される
ものであったが、主体金具19の先端部25の外周に形
成してもよい。このとき、シリンダヘッド51側では、
その先端部25に形成される溝部に対応するべく、プラ
グ配置孔51aの第1壁面51cに嵌合突部を適宜形成
すればよい。
【0094】さらに、第4点火プラグ11cは、主体金
具19の鍔部23の側面に位置設定部としての平面部6
9を備えており、図6(e)に側方から見た第4点火プ
ラグ11cの外観図を示し、図6(f)に先端側から見
た第4点火プラグ11cの外観図を示す。そして、この
平面部69は、接地電極21との相対位置が図6(f)
に示すように一定にして形成していることから、シリン
ダヘッド51のプラグ配置孔51aに、平面部69と嵌
合可能となるように当該平面部69と対向する設定対応
部としての対向平面部を設けて、第4点火プラグ11c
をプラグ配置孔51aに挿入しつつ、主体金具19に形
成される平面部69をシリンダヘッド51に形成される
上記対向平面部に嵌合させるだけで、接地電極21の燃
焼室55内における配置位置を一定に維持することがで
きる。なお、このときシリンダヘッド51に形成される
対向平面部の位置は、主体金具19への接地電極21の
結合部位置がプラグ配置孔51aの軸線を中心とした周
方向の特定位置となるように、さらに接地電極21と平
面部69との相対関係を考慮して予め設定される。
【0095】また、図6(f)から判るように、第4点
火プラグ11cにおいては、主体金具19の鍔部23の
外周表面における周方向位置のうち、平面部69の形成
位置は、接地電極21の主体金具19への結合部位置と
同一位置となっている。しかし、鍔部23の周方向位置
における平面部69の設置位置は、接地電極21の主体
金具19への結合部位置と同一位置に限定されることは
ない。
【0096】但し、このときシリンダヘッド51側に形
成される対向平面部の位置は、上述したように、接地電
極21と平面部69との相対位置関係、および燃焼室5
5内における接地電極21の特定位置関係を考慮して適
宜設定する必要がある。また、第4点火プラグ11c
は、主体金具19の鍔部23の断面形状(第4点火プラ
グ11cの軸方向に垂直な平面での断面形状)が、円の
一部を切除した形状であるが、鍔部23の断面形状は、
この他に多角形(六角形など)や楕円形等の円以外の形
状に形成しても良い。そして、シリンダヘッド51のプ
ラグ配置孔51aにおける対応部分の断面形状を、点火
プラグの鍔部23が配置可能な形状とすることで、シリ
ンダヘッド51に対する接地電極21の相対位置を、確
実かつ容易に特定位置に設定できる。
【0097】次に、第2実施例として、フランジ部75
を有する第2保護外筒73を用いて形成された第2点火
コイル9aを備える内燃機関用点火装置について説明す
る。なお、第2実施例の内燃機関用点火装置に備えられ
る点火プラグは、第1実施例の点火プラグ11と同様の
構成である。
【0098】そして、直接に接続された第2点火コイル
9aおよび点火プラグ11が配置された状態のシリンダ
ヘッド51の断面図を図3に示す。なお、第2点火コイ
ル9aについては、第2保護外筒73の先端側部分の外
表面を表しており、第2保護外筒73の内部には第1実
施例と同様のコイル本体部(図3では図示省略)が備え
られている。また、点火プラグ11については、鍔部2
3の後端面23bよりも後端側の部分(端子電極13や
絶縁体15)が、第2保護外筒73の内部に配置されて
いる。
【0099】なお、図3に示すように、シリンダヘッド
51には吸気弁57および排気弁59が備えられ、さら
にシリンダヘッド51の上部には、吸気弁57および排
気弁59を駆動するためのカムシャフト61などからな
る吸排気弁駆動機構が備えられている。そして、シリン
ダヘッド51とシリンダヘッドカバー(図3では図示省
略)との間の内部空間では、この吸排気弁駆動機構を円
滑に動作させるための潤滑油が循環されている。
【0100】図3に示すように、第2保護外筒73は、
その外周表面から径方向外向きに突出して形成されたフ
ランジ部75を備えており、フランジ部75にはボルト
77を挿通可能な貫通孔75aが設けられている。な
お、図3においては、フランジ部75とボルト77との
位置関係を明確にするために、フランジ部75を透視し
た場合のボルト77を表している。また、このフランジ
部75については、本実施例のように第2保護外筒73
の外周の全周にわたって外向きに突出して形成されてい
てもよいし、外周の全周に対して断続的に1または複数
外向きに突出して形成されていてもよい。そして、点火
プラグ11が第2保護外筒73の先端73bから内部に
収容されて、第2保護外筒73の先端73bと点火プラ
グ11における主体金具19の鍔部23の後端面23b
とが当接しつつ、第2点火コイル9aと点火プラグ11
とが直接に接続される。
【0101】このとき、第2保護外筒73の先端73b
からフランジ部75の先端側表面までの長さは、プラグ
配置孔51aの第2壁面51dの軸方向長さから点火プ
ラグ11の鍔部23の軸方向長さおよびガスケット71
の弾性変形する前の軸方向長さ(厚さ)を差し引いた長
さより長く設定されている。これにより、フランジ部7
5をボルト77によりシリンダヘッド51に固定した際
に、第2保護外筒73の先端73bが主体金具19の鍔
部23の後端面23bに当接可能となり、第2保護外筒
73の先端73bにより、点火プラグ11(詳細には、
プラグ座面23a)をシリンダヘッド51(詳細には、
プラグ配置孔51aの段差面51b)に対して押圧する
ことができる。
【0102】なお、第2保護外筒73のフランジ部75
は、貫通孔75aを通じてシリンダヘッド51に螺合固
定されるボルト77によって、シリンダヘッド51に固
定されるものであり、シリンダヘッド51には、ボルト
77と螺合可能な雌ネジ部51gが形成されている。
【0103】また、第2保護外筒73の外周表面のうち
フランジ部75と先端73bとの間の外周表面と、シリ
ンダヘッド51のプラグ配置孔51aの第2壁面51d
との間には、オイルシール63が配置されており、点火
プラグ11への潤滑油の侵入を防いでいる。なお、第2
実施例のシリンダヘッド51のプラグ配置孔51aは、
段差面51b、第1壁面51cおよび第2壁面51dを
備えているが、第1実施例のプラグ配置孔51aとは異
なり第3壁面は備えていない。また、このオイルシール
63は、第2保護外筒73の外周表面に周方向に形成さ
れた有底状の凹部73cに嵌めこまれた状態で配置され
ており、第2保護外筒73をシリンダヘッド51にフラ
ンジ部75により固定する際に、このオイルシール63
は、プラグ配置孔51aの第2壁面51dとの間で弾性
変形しつつ、第2壁面51dとの間に挟持される。
【0104】以上説明したように、第2実施例の内燃機
関用点火装置は、ボルト77でフランジ部75を固定す
ることで、第2保護外筒73がシリンダヘッド51に固
定されるよう構成されている。このため、ボルト77を
取り外すことで、固定後の第2保護外筒73(第2点火
コイル9a)および点火プラグ11をシリンダヘッド5
1から取り外すことが可能となる。
【0105】したがって、第2実施例の内燃機関用点火
装置によれば、第1実施例の内燃機関用点火装置と同様
に、第2保護外筒73による点火プラグ11の装着時に
おいて、接地電極21の燃焼室55内における配置位置
を点火プラグ11が最適な着火性をもたらす位置に設定
することができる。また、第2保護外筒73をシリンダ
ヘッドから取り外し、第2保護外筒73から点火プラグ
11を取り外すことにより、点火プラグ11の交換が可
能となるため、多くの種類の内燃機関に適用することが
可能となる。
【0106】続いて、第3実施例として、小型フランジ
部91を有する第3保護外筒89を用いて形成された第
3点火コイル9bと、第3保護外筒89をシリンダヘッ
ド51に固定するためのナット部材としての円筒形固定
部材87と、を備える内燃機関用点火装置について説明
する。なお、第3実施例の内燃機関用点火装置に備えら
れる点火プラグは、第1実施例の点火プラグ11と同様
の構成である。また、シリンダヘッド51に設けられる
吸排気弁駆動機構については第2実施例と同様の構成で
あるため、ここでは説明を省略する。
【0107】そして、直接に接続された第3点火コイル
9bおよび点火プラグ11が、円筒形固定部材87によ
り固定された状態のシリンダヘッド51の断面図を図4
に示す。なお、第3点火コイル9bについては、第3保
護外筒89の先端側部分の外表面を表しており、第3保
護外筒89の内部には第1実施例と同様のコイル本体部
(図3では図示省略)が備えられている。また、点火プ
ラグ11については、鍔部23の後端面23bよりも後
端側の部分(端子電極13や絶縁体15)が、第3保護
外筒89の内部に配置されている。
【0108】まず、円筒形固定部材87は、内径が第3
保護外筒89の円筒部分を挿通可能な大きさであり、外
周表面にネジ溝87cを有する略円筒形状に形成されて
いる。また、第3保護外筒89は、図4に示すように先
端89bの近傍に径方向外向きに突出する小型フランジ
部91を備えている。そして、第3保護外筒89の後端
89aは、外径寸法が円筒部分と同じ寸法に形成されて
おり、円筒形固定部材87の内側に挿通可能な大きさに
形成されている。なお、図4では、第3保護外筒89の
軸方向の中間部分を省略して表している。
【0109】さらに、シリンダヘッド51のプラグ配置
孔51aの第2壁面51dには、円筒形固定部材87の
ネジ溝87cに対応して螺合可能なネジ溝51hが形成
されている。そして、第3点火コイル9bおよび点火プ
ラグ11をシリンダヘッド51のプラグ配置孔51aに
挿入した後、円筒形固定部材87を後端89aから第3
保護外筒89に挿通し、ネジ溝87cとネジ溝51hと
の螺合により円筒形固定部材87をシリンダヘッド51
に固定する。このとき、円筒形固定部材87は、シリン
ダヘッド51に螺合により固定されると共に、自身の軸
方向の先端87bで小型フランジ部91に当接して、第
3保護外筒89をシリンダヘッド51の方向に押圧す
る。このように、第3保護外筒89が円筒形固定部材8
7により押圧されることで、主体金具19にネジ溝を有
さない点火プラグ11についてもシリンダヘッド51に
対して押圧されることになり、かつ、第3点火コイル9
bおよび点火プラグ11がシリンダヘッド51に固定さ
れる。
【0110】そして、このような円筒形固定部材87を
用いる場合、小型フランジ部91は、円筒形固定部材8
7の先端87bと当接可能な大きさに形成されていれ
ば、シリンダヘッド51に固定可能となる。このことか
ら、例えば、ボルトを用いる場合に比べて、フランジ部
の大きさ(詳細には、保護外筒の外側表面から径方向へ
延設される部分の大きさ)を縮小することができる。
【0111】よって、第3実施例の内燃機関用点火装置
によれば、フランジ部を小型化できるため、シリンダヘ
ッド51の上部における他の機器の設置スペースを広く
確保することができる。また、第3保護外筒89および
円筒形固定部材87による点火プラグ11の装着時にお
いて、接地電極21の燃焼室55内における配置位置を
点火プラグ11が最適な着火性をもたらす位置に設定す
ることができる。
【0112】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は、こうした実施例に限定されることなく、
種々の態様をとることができる。例えば、上記実施例で
は、フランジ部を備える保護外筒として、第2保護外筒
73および第3保護外筒89のように、外側全周にわた
りフランジ部が形成された保護外筒について説明した
が、図5に示すような2つの分割フランジ部93cが周
方向に断続的に設けられた第4保護外筒93を用いても
よい。そして、第4保護外筒93を用いて構成した第4
点火コイル9cが装着されたシリンダヘッド51の断面
図を図5(a)に示す。
【0113】図5(a)に示すように、第4保護外筒9
3は2つの分割フランジ部93cが設けられており、こ
の第4保護外筒93を用いて形成された第4点火コイル
9cは、係合部85を備えるシリンダヘッド51に対し
て固定される。なお、係合部85は、シリンダヘッド5
1の上面から上方向に延設されると共に、延設部分の上
側部分から内側へ向かう横方向に延設された当接部分を
備え、この当接部分が、分割フランジ部93cとの間に
配置される挿入固定部材83と当接するように形成され
ている。
【0114】ここで、第4点火コイル9cとシリンダヘ
ッド51の係合部85との間に挿入固定部材83を挿入
する状態を表す模式図を図5(b)に示す。なお、図5
(b)は、シリンダヘッド51を上方から見下ろした場
合における、第4点火コイル9c、シリンダヘッド51
の係合部85および挿入固定部材83を模式的に表して
いる。
【0115】そして、直接に接続させた第4点火コイル
9cおよび点火プラグ11をシリンダヘッド51に固定
するには、まず、接地電極21の燃焼室内における配置
位置を決定して、分割フランジ部93cが係合部85と
干渉しないように、プラグ配置孔51aに挿入する。こ
のとき、分割フランジ部93cと係合部85とが最も近
接するように一体に結合された第4点火コイル9cおよ
び点火プラグ11の位置を定めた状態で、挿入作業を行
う。そして、一体に結合された第4点火コイル9cおよ
び点火プラグ11がプラグ配置孔51aに挿入された
後、分割フランジ部93cと係合部85との間に挿入固
定部材83を挿入する。この結果、分割フランジ部93
cがプラグ配置孔51aから抜け出るのを、係合部85
および挿入固定部材83が阻止することになり、一体に
結合された第4点火コイル9cおよび点火プラグ11
を、シリンダヘッド51に固定することができる。
【0116】また、別の態様として、係合部85および
分割フランジ部93cを、挿入固定部材83が存在しな
い状態でも互いに当接可能な形状に構成してもよい。つ
まり、この場合、分割フランジ部93cと係合部85と
が干渉しない状態で、一体に結合された第4点火コイル
9cおよび点火プラグ11をプラグ配置孔51aに挿入
した後、一体に結合された第4点火コイル9cおよび点
火プラグ11を回転させることで、分割フランジ部93
cと係合部85とが互いに当接し、第4点火コイルおよ
び点火プラグ11がシリンダヘッド51に固定されるこ
とになる。
【0117】また、内燃機関用点火装置では、シリンダ
ヘッドカバーのみで点火コイルおよび点火プラグをシリ
ンダヘッドに固定してもよく、この場合には、保護外筒
をシリンダヘッドに固定するための固定部材を新規に追
加する必要がないことから、部品点数の増加を抑えるこ
とができ、製造コストの抑制を図ることができる。ま
た、点火プラグの交換が可能であることから、この内燃
機関用点火装置は、多くの種類の内燃機関に適用するこ
とができる。
【0118】更に、内燃機関用点火装置は、イオン電流
検出回路を備えて構成しても良い。ここで、イオン電流
検出回路(イオン電流検出部)を備えた内燃機関用点火
装置の電気回路図の一例を図7に示す。図7に示すよう
に、内燃機関用点火装置5は、一次巻線L1に電気エネ
ルギ(例えば電圧12V)を供給する直流電源装置(バ
ッテリ)111と、一次巻線L1と二次巻線L2とを備
えた点火コイル9と、一次巻線L1と直列接続されたイ
グナイタとしてのnpn型トランジスタからなる主制御
用トランジスタ115と、二次巻線L2とともに閉ルー
プを形成して中心電極17と接地電極21との間に火花
放電を発生する点火プラグ11と、二次巻線L2および
点火プラグ11からなる閉ループ上に設けられて、イオ
ン電流の大きさに比例した第1検出電圧Vioを出力す
るイオン電流検出回路129と、イオン電流検出回路1
29から出力される第1検出電圧Vioに基づきイオン
電流信号Sioを出力するイオン電流変換回路141
と、点火プラグ11に火花放電を発生させるために主制
御用トランジスタ115に対して点火指令信号IGを内
燃機関の運転状態に基づいて出力し、また、イオン電流
変換回路141からのイオン電流信号Sioが入力され
る内燃機関制御用の電子制御装置(以下、ECUと呼
ぶ)121と、を備えている。
【0119】そして、ECU121が、主制御用トラン
ジスタ115を駆動制御して、一次巻線L1への通電・
遮断を行うことで、二次巻線L2の両端に点火用高電圧
を発生させ、点火プラグ11の電極17−21間に火花
放電を発生させる。次に、イオン電流検出回路129
は、一端が接地されたイオン電流検出抵抗131と、こ
のイオン電流検出抵抗131の接地側とは反対側の端部
に直列接続されたコンデンサ135と、カソードが接地
されるとともにアノードがイオン電流検出抵抗131と
コンデンサ135との接続点に接続されて、イオン電流
検出抵抗131に並列接続されたダイオード133と、
カソードがコンデンサ135におけるイオン電流検出抵
抗131との接続側とは反対側の端部と接続され、アノ
ードが接地されたツェナーダイオード137とを備えて
構成されている。このように構成されたイオン電流検出
回路129は、コンデンサ135とツェナーダイオード
137との接続点が二次巻線L2に接続されており、イ
オン電流検出抵抗131とコンデンサ135との接続点
がイオン電流変換回路141に接続されている。
【0120】そして、イオン電流検出回路129では、
火花放電が発生した直後においては、二次巻線L2から
流れ込む二次電流i2(放電電流)は、コンデンサ13
5,ダイオード133を通過する経路を通って流れる。
そして、二次電流i2の通電によりコンデンサ135が
充電されて、コンデンサ135の両端電圧がツェナーダ
イオード137のツェナー電圧と等しくなると、ツェナ
ーダイオード137がツェナー降伏して、二次電流i2
はツェナーダイオード137を通じて流れることにな
る。この時、コンデンサ135は、充電状態を維持して
いる。
【0121】このあと、二次巻線L2における点火用高
電圧が低下して火花放電が終了し、点火用高電圧による
二次電流i2が流れなくなると、充電されたコンデンサ
135の放電により、コンデンサ135,二次巻線L
2,点火プラグ11,グランド、イオン電流検出抵抗1
31の順にイオン電流Iioが流れる。このとき、イオ
ン電流検出抵抗131の両端電圧は、イオン電流Iio
の大きさに比例することから、第1検出電圧Vioはイ
オン電流Iioに比例した値を示し、イオン電流変換回
路141は、第1検出電圧Vioに基づきイオン電流信
号SioをECU121に出力する。なお、ECU12
1は、イオン電流信号Sioの解析処理を行うことで、
例えば、失火判定やノック判定などを行っている。
【0122】そして、ECU121では、これらの判定
結果に基づき、内燃機関の点火時期や燃料供給量などを
総合的に制御する。このように、イオン電流を検出する
場合、二次巻線L2と点火プラグ11とを接続する通電
経路における抵抗値の変化が検出精度に大きく影響を与
えるが、本発明のように点火プラグと点火コイルとが直
接接続されることで、通電経路の抵抗値の変化を抑える
ことができ、イオン電流の検出精度を向上させることが
できる。
【0123】なお、イオン電流検出回路129は、特許
請求の範囲に記載のイオン電流検出手段に相当するもの
である。さらに、点火コイルを構成するプラグホールパ
イプとしての機能を併せ持つ保護外筒をシリンダヘッド
に固定しつつ、保護外筒により主体金具にネジ溝を有さ
ない点火プラグをシリンダヘッドに押圧する方法として
は、上述の実施例に限定されることはない。例えば、点
火コイルを構成する保護外筒の外周にネジ溝を設けると
共に、シリンダヘッドにも上記ネジ溝に対応するネジ溝
を設けて、プラグホールパイプとして構成される保護外
筒を螺合によりシリンダヘッドに固定する。そして、保
護外筒の一部を点火プラグに当接させて当該点火プラグ
の主体金具における鍔部のプラグ座面をシリンダヘッド
に対して押圧しつつ、直接に接続される点火コイルと点
火プラグとをシリンダヘッドに固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、点火コイルおよび点火プラグが、
シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間に装着さ
れる状態を表す説明図であり、(b)は、点火コイルお
よび点火プラグが装着された後のシリンダヘッドおよび
シリンダヘッドカバーの断面図である。
【図2】 点火コイルおよび点火プラグを分離した状態
を表す説明図である。
【図3】 一体に結合された第2点火コイルおよび点火
プラグが配置された状態のシリンダヘッドの断面図であ
る。
【図4】 一体に結合された第3点火コイルおよび点火
プラグが、円筒形固定部材により固定された状態のシリ
ンダヘッドの断面図である。
【図5】 (a)は、一体に結合された第4点火コイル
および点火プラグが装着された状態のシリンダヘッド5
1の断面図であり、(b)は、第4点火コイルとシリン
ダヘッドの係合部との間に挿入固定部材を挿入する状態
を表す模式図である。
【図6】 (a)は側方から見た第2点火プラグの外観
図であり、(b)は先端側から見た第2点火プラグの外
観図であり、(c)は側方から見た第3点火プラグの外
観図であり、(d)は先端側から見た第3点火プラグの
外観図であり、(e)は側方から見た第4点火プラグの
外観図であり、(f)は先端側から見た第4点火プラグ
の外観図である。
【図7】 イオン電流検出回路を備えた内燃機関用点火
装置の電気回路図である。
【図8】 (a)は、点火プラグをシリンダヘッドに取
り付ける際の状態を表す説明図であり、(b)は、
(a)に示すようにシリンダヘッドに取り付けた時の点
火プラグを燃焼室側から見たときの状態を表す説明図で
ある。
【符号の説明】
1…内燃機関用点火装置、9,9a,9b,9c…点火
コイル、11,11a,11b,11c…点火プラグ、
13…端子電極、15…絶縁体、17…中心電極、19
…主体金具、21…接地電極、23…鍔部、23a…プ
ラグ座面、31…保護外筒、41…高電圧出力端子、4
3…絶縁性部材、51…シリンダヘッド、51a…プラ
グ配置孔、53…シリンダヘッドカバー、63…オイル
シール、65…突条部、67…溝部、69…平面部、7
1…ガスケット、73…第2保護外筒、75…フランジ
部、87…円筒形固定部材、89…第3保護外筒、91
…小型フランジ部、93…第4保護外筒、93c…分割
フランジ部、129…イオン電流検出回路、CO…コ
ア、L1…一次巻線、L2…二次巻線。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02F 1/24 F02F 1/24 H F02P 15/00 303 F02P 15/00 303B (72)発明者 鈴木 隆博 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 3G019 CA01 KA12 KA14 KA18 KA23 KB01 KC07 KC10 LA05 3G024 AA04 AA72 BA18 BA21 DA01 GA29 GA31

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体の軸孔の先端側に挿設された中心
    電極と、前記絶縁体の外側に設けられた主体金具と、前
    記主体金具に結合されて前記中心電極との間で火花放電
    ギャップを形成する接地電極とを有すると共に、内燃機
    関のシリンダヘッドに形成されるプラグ配置孔に配置さ
    れる点火プラグと、 一次巻線、二次巻線およびコイルコアからなるコイル本
    体部を備えると共に、前記コイル本体部を内部に収容す
    る形態で該コイル本体部と一体化された筒状の保護外筒
    とを備える点火コイルと、 を直接に接続し、混合気への着火を行うための火花放電
    を前記点火プラグの前記火花放電ギャップに発生する内
    燃機関用点火装置であって、 前記点火プラグの前記主体金具は、前記シリンダヘッド
    と直接または他部材を介して間接的に接触するプラグ座
    面を先端側に有する鍔部と、該鍔部の前記プラグ座面か
    ら軸方向先端側に延設された外周にネジ溝が設けられて
    いない筒状の先端部とを備えている一方、 前記点火コイルの前記保護外筒が、前記主体金具のプラ
    グ座面より後端側に配置される形態で前記シリンダヘッ
    ドに固定される筒状のプラグホールパイプとして構成さ
    れ、 前記保護外筒によって、前記主体金具のプラグ座面が前
    記シリンダヘッドに対して押圧され、かつ前記点火プラ
    グが前記シリンダヘッドに固定されること、 を特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】 前記点火プラグは、前記絶縁体の軸孔の
    後端側に挿設されると共に前記中心電極に電気的に接続
    される端子電極を有する一方、 前記点火コイルは、前記コイル本体部の二次巻線にて発
    生した点火用高電圧を前記点火プラグの前記端子電極に
    印加するための高電圧出力端子を有しており、 前記高電圧出力端子と前記端子電極とが、着脱可能に接
    続されていること、 を特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装置。
  3. 【請求項3】 前記保護外筒は、圧入により前記シリン
    ダヘッドに固定されること、 を特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関
    用点火装置。
  4. 【請求項4】 前記保護外筒は、その外周表面から外向
    きに突出して形成されたフランジ部を備え、 該フランジ部を利用して、前記保護外筒が前記シリンダ
    ヘッドに固定されること、 を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関用
    点火装置。
  5. 【請求項5】 貫通孔を有し、外周表面にネジ溝が形成
    された筒状のナット部材を備えており、前記ナット部材
    が、前記貫通孔において前記保護外筒に対し後端側から
    外挿されて、螺合により前記シリンダヘッドに固定され
    ると共に、自身の一部を前記保護外筒に接触させること
    で、前記保護外筒を前記シリンダヘッドに固定するこ
    と、 を特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関
    用点火装置。
  6. 【請求項6】 前記保護外筒は、その外周表面にネジ溝
    が形成されて、前記シリンダヘッドに設けられたネジ溝
    との螺合により当該シリンダヘッドに固定されること、 を特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関
    用点火装置。
  7. 【請求項7】 前記シリンダヘッドの上部に設けられる
    シリンダヘッドカバーを備え、 前記保護外筒は、前記シリンダヘッドカバーと前記シリ
    ンダヘッドとの間で挟持されることで当該シリンダヘッ
    ドに固定されること、 を特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の
    内燃機関用点火装置。
  8. 【請求項8】 前記点火プラグは、前記シリンダヘッド
    への装着時であって前記プラグ配置孔の軸方向を中心に
    回転させたときに、前記シリンダヘッドと1または複数
    箇所にて嵌合し合う位置設定部を前記主体金具に備える
    一方、 前記シリンダヘッドは、前記位置設定部に対応する設定
    対応部を備えており、 前記点火プラグを前記プラグ配置孔に配置したときに、
    前記主体金具への前記接地電極の結合位置が前記プラグ
    配置孔の軸線を中心とした周方向の所定位置に設定され
    ること、 を特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の
    内燃機関用点火装置。
  9. 【請求項9】 前記点火プラグは、前記絶縁体の軸孔の
    後端側に挿設されると共に前記中心電極に電気的に接続
    される端子電極を有する一方、 前記点火コイルは、前記コイル本体部の二次巻線にて発
    生した点火用高電圧を前記点火プラグの前記端子電極に
    印加するための高電圧出力端子を有しており、 前記点火コイルの前記高電圧出力端子と前記点火プラグ
    の前記端子電極との接続部分の周囲を覆う絶縁部材を備
    えたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか
    に記載の内燃機関用点火装置。
  10. 【請求項10】 前記保護外筒と前記シリンダヘッドと
    の間にオイルシール部材を備えること、 を特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の
    内燃機関用点火装置。
  11. 【請求項11】 前記点火プラグの主体金具の外側に環
    状のガスケットが備えられ、前記ガスケットを介して前
    記点火プラグと前記シリンダヘッドとが接触しているこ
    と、 を特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載
    の内燃機関用点火装置。
  12. 【請求項12】 混合気の燃焼後において前記点火プラ
    グの前記中心電極と前記接地電極との間に流れるイオン
    電流を検出するためのイオン電流検出手段を備えたこ
    と、 を特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載
    の内燃機関用点火装置。
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