JP2003027281A - アルミニウム材の化成処理方法および化成皮膜を有するアルミニウム材、ならびに電子写真用感光体の製造方法および電子材料の製造方法 - Google Patents

アルミニウム材の化成処理方法および化成皮膜を有するアルミニウム材、ならびに電子写真用感光体の製造方法および電子材料の製造方法

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Koji Shiraki
浩司 白木
Kiyoshi Tada
清志 多田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム材の非Cr系化成処理におい
て、皮膜の厚膜化を図る。 【解決手段】 アルミニウム材を化成処理して表面に皮
膜を形成する化成処理方法において、化成処理液とし
て、フィチン酸−Ti系化成処理液にTiO2粒子を分
散させた複合処理液を用いるとともに、前記化成処理中
にカソード電解処理を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミニウム材
の表面に非Cr系のフィチン酸−Ti系化成皮膜を形成
する化成処理方法および化成皮膜を有するアルミニウム
材、前記フィチン酸−Ti系化成皮膜を下地層とする電
子写真用感光体の製造方法、および前記フィチン酸−T
i系化成皮膜を絶縁層とする電子材料の製造方法に関す
る。
【0002】なお、この明細書において、アルミニウム
の語はアルミニウムおよびその合金を含む意味で用い
る。
【0003】
【従来の技術】クロメート皮膜やベーマイト皮膜等の化
成処理皮膜は、建材や熱交換器等のアルミニウム製品の
耐食性や塗装密着性を向上させるための下地層、電子写
真用感光体の感光層の下地層、プリント基板等の電子材
料の絶縁層として利用されている。特にクロメート皮膜
は、優れた耐食性および塗装密着性を付与する下地皮膜
として広く用いられている。
【0004】しかし、クロメート処理は、人体や環境に
有害なCrを使用し安全上の問題があるため、Cr以外
の皮膜形成金属による非Cr系化成処理が注目されてい
る。ところが、非Cr系化成皮膜は、クロメート皮膜よ
りも耐食性が劣るため、さほど耐食性が必要とされない
用途に限られていた。
【0005】また、耐食性の不足については化成皮膜を
厚膜化することで対処することが考えられるが、次の理
由で厚膜化に限界があった。
【0006】即ち、化成皮膜の生成メカニズムは、素地
金属であるアルミニウムの溶解反応(局部アノード)と
水素発生反応(局部カソード)により局部電池を形成
し、水素発生に伴うアルミニウム界面のpH上昇により
不溶性の金属塩がアルミニウム上に沈殿・析出すること
で皮膜が成長する。つまり、素地金属であるアルミニウ
ムと化成処理液との反応で皮膜が成長するため、アルミ
ニウム表面が皮膜で覆われると必然的に皮膜の成長が止
まり、化成皮膜の厚膜化には限界がある。また、化成処
理時間の延長や液組成の調整により多少の厚膜化は可能
であるが、上述の理由により厚膜化には限界がある。む
しろ、化成処理時間の延長によって化成皮膜に割れや剥
がれが生じ、多少の厚膜化によって却って耐食性や塗装
密着性が低下することがある。
【0007】上述の化成皮膜は、電子写真用感光体にお
ける感光層の下地層としても用いられている。アルミニ
ウム基体表面に凹凸等の機械的欠陥や化学的不純物が存
在すると、感光層に乱れが生じて画像欠陥が生じる。こ
のため、感光層の下地層として化成皮膜を形成して前記
欠陥や不純物を隠蔽するのであるが、化成皮膜の厚さが
不足すると画像欠陥が解消されない。また、感光体は繰
り返し使用や連続使用等過酷な条件で使用されるため、
耐久性の点でも厚膜であることが要求される。さらに、
下地層に割れや剥がれがあると、感光層との密着性が低
下するとともに新たな画像欠陥の原因となる。従って、
電子写真用感光体の下地層として、十分な膜厚があり、
かつ割れや剥がれがない化成皮膜が要求される。
【0008】また、上述の化成皮膜は、プリント基板等
の電子材料の絶縁層としても用いられている。この場
合、厚膜化が困難であると、膜厚制御による絶縁性の制
御が困難となる。また化成皮膜に割れや剥がれがあると
絶縁性を保てなくなるため、割れや剥がれのないことが
必要である。
【0009】化成皮膜の厚膜化に関しては、特開平5−
306497号公報において、リン酸塩化成処理液中で
電解処理を行って電気化学反応を促進し、皮膜を成長さ
せる技術が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、非Cr
系化成皮膜の場合、化成処理だけでは厚膜化が不十分で
あり、耐食性および塗装密着性の点で満足できる厚さの
皮膜を得ることが困難であった。また、電子写真用感光
体の下地層や電子材料の絶縁層としても膜厚が不十分で
あった。
【0011】この発明は、このような技術背景に鑑み、
表面に非Cr系であるフィチン酸−Ti系の厚膜を形成
できるアルミニウム材の化成処理方法および該皮膜が形
成されたアルミニウム材、ならびに該皮膜を下地層とす
る電子写真用感光体の製造方法および該皮膜を絶縁層と
する電子材料の製造方法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述したように、非Cr
系化成処理において化成処理だけでは十分に厚い皮膜を
形成することが困難である。
【0013】このような従来技術に対し、本発明では、
化成処理における電解処理に加えて、化成皮膜の生成過
程で膜内に金属酸化物粒子を取り込ませることによって
複合皮膜を形成し、さらなる厚膜化を図り得たものであ
る。
【0014】即ち、この発明のアルミニウム材の化成処
理方法は、アルミニウム材を化成処理して表面に皮膜を
形成する化成処理方法において、化成処理液として、フ
ィチン酸−Ti系化成処理液にTiO2粒子を分散させ
た複合処理液を用いるとともに、前記化成処理中にカソ
ード電解処理を実施することを基本要旨とする。
【0015】また、この発明の化成皮膜を有するアルミ
ニウム材は、表面にフィチン酸−Ti系化成皮膜にTi
2粒子が分散された複合皮膜が形成されてなることを
基本要旨とする。
【0016】また、この発明の電子写真用感光体の製造
方法は、上述の複合皮膜を感光層の下地層として用いる
ものであって、アルミニウム基体上に感光層を有する電
子写真用感光体の製造方法において、前記アルミニウム
基体を、フィチン酸−Ti系系化成処理液にTiO2
子を分散させた複合処理液で化成処理するとともに、前
記化成処理中にカソード電解処理を実施することによ
り、前記アルミニウム基体表面に、フィチン酸−Ti系
化成皮膜にTiO2粒子が分散された複合皮膜を付着さ
せて下地層を形成し、その後に前記感光層を形成するこ
とを要旨とする。
【0017】さらに、この発明の電子材料の製造方法
は、上述の複合皮膜を絶縁層として用いるものであっ
て、アルミニウム基材の所要部分に絶縁層を有する電子
材料の製造方法において、前記アルミニウム基材の所要
部分を、フィチン酸−Ti系化成処理液にTiO2粒子
を分散させた複合処理液に接触させて化成処理するとと
もに、前記化成処理中にカソード電解処理を実施するこ
とにより、前記アルミニウム基材の所要部分に、フィチ
ン酸−Ti系化成皮膜にTiO2粒子が分散された複合
皮膜を付着させて絶縁層を形成することを要旨とする。
【0018】この発明のアルミニウム材の化成処理方法
において、TiO2粒子は、水に接すると表面に必ずO
H基を持ち、媒質のpHによって表面電荷が変化し、酸
性域では正に帯電する。このような性質のTiO2粒子
を化成処理液に分散させ、媒質を所要pHに調整すると
ともに、被処理材であるアルミニウム材をカソードとす
る電解処理を行えば、正電荷をもったTiO2粒子を該
アルミニウム材に電着させることができる。この間に、
化成処理液の組成に基づく皮膜が成長しているので、ア
ルミニウム材の表面には、化成処理膜にTiO2粒子が
取り込まれた複合皮膜が形成される。
【0019】即ち、この発明では、カソード電解処理に
よる化成皮膜の成長と、この化成皮膜中へのTiO2
子の取り込みとによって、厚い複合皮膜を形成すること
ができる。そして、厚膜であることで、非Cr系であっ
ても優れた耐食性および塗装密着性が確保されるととも
に、耐久性や素地に対する隠蔽力も優れた皮膜となし得
る。このため、前記皮膜を建材や熱交換器等のアルミニ
ウム製品の下地層、電子写真用感光体の感光層の下地層
として利用できる。さらに、TiO2粒子の種類や大き
さ、複合皮膜中の含有量によって電気抵抗値を制御で
き、前記複合皮膜を電気的物性の制御が必要な電子材料
の表面処理膜として利用できる。
【0020】以下に、この発明のアルミニウム材の化成
処理方法について詳述する。
【0021】被処理材であるアルミニウム材の種類は特
に限定されることはなく、JISA3003をはじめ、
各種のものを用いればよい。
【0022】複合処理液を構成するフィチン酸−Ti系
化成処理液は、有機リン酸であるフィチン酸とTiまた
はTi化合物の混合液であり、電解処理時にカソードで
起こる水素発生反応によりアルミニウム材近傍の処理液
pHが上昇したとき、不溶性のフィチン酸−Ti系化合
物を生成する。Ti化合物としては、チタンフッ化水素
酸、チタンフッ化アンモニウム等のチタンフッ化物を例
示できる。
【0023】前記複合処理液中のTiO2粒子の分散量
は0.001〜100g/lが好ましい。0.001g
/l未満では電着される粒子量が少なく厚膜化効果に乏
しい。一方、100g/lを越えると厚膜化効果が飽和
する。TiO2粒子の分散量の特に好ましい下限値は
0.01g/lであり、特に好ましい上限値は10g/
lである。
【0024】前記TiO2粒子の粒径は、処理の作業性
を良好とする上で0.01〜10μmが好ましい。0.
01μm以下の超微細粒子は、安定した粒径に製造する
こと自体が困難である。また、10μmを超えると、複
合処理液中で沈降しやすく均一分散が困難となる。Ti
2粒子の粒径の特に好ましい下限値は0.02μmで
あり、特に好ましい上限値は5μmである。
【0025】前記フィチン酸−Ti系化成処理液は、前
記TiO2粒子を正に帯電させうる酸性域であれば良
く、pH1〜7の範囲が好ましい。フィチン酸−Ti系
化成処理液のpHの好ましい下限値は2であり、好まし
い上限値は6である。
【0026】前記化成処理は、液温20〜60℃で行う
ことが好ましい。20℃未満では、電解処理に伴う発熱
により温度維持に冷却設備が必要となるため、設備や工
程管理が複雑となり生産上好ましくない。また、60℃
を越えると化成反応が激しくなりすぎるため、反応制御
が困難となる。液温の特に好ましい下限値は30℃で
り、特に好ましい上限値は50℃である。
【0027】前記カソード電解処理は、複合処理液中に
おいてアルミニウム材を陰極として行う電解処理であ
る。このカソード電解処理により、化成処理液中の水素
イオンの還元反応が起こって水素発生が促進され、アル
ミニウム材近傍のpHが上昇して不溶性の金属塩である
フィチン酸−Ti系化合物の沈殿析出が生じ、皮膜付着
量を大きくして厚膜化することができる。
【0028】前記カソード電解処理は、定電圧電解、定
電流電解のいずれでも良い。定電圧電解の場合は、電解
電圧は1〜100Vに設定するのがよい。1V未満では
水素イオンの還元反応に乏しいものとなり、皮膜付着量
を大きくすることが困難になる。また、100Vを越え
ると電解に伴う水素ガス発生が激しくなりすぎ、化成皮
膜成分の沈殿析出およびTiO2粒子の電着が阻害され
るおそれがある。電解電圧の特に好ましい下限値は2V
であり、特に好ましい上限値は80Vである。
【0029】なお、前記カソード電解処理において、陽
極材料はカーボン、ステンレス、チタン、白金、鉛等任
意のものを使用できる。
【0030】この発明のアルミニウム材の化成処理方法
において、複合皮膜の膜厚およびTiO2粒子の含有量
の制御は、上述した各処理条件および電解時間の調節に
よって行う。
【0031】この発明の化成皮膜を有するアルミニウム
材において、フィチン酸−Ti系の複合皮膜は、例えば
この発明の化成処理方法によって形成される。アルミニ
ウム材の種類、フィチン酸−Ti系化成皮膜の組成、T
iO2粒子の種類や粒径は、上述した化成処理方法にお
ける各条件に準ずる。
【0032】また、この発明の電子写真用感光体の製造
方法は、上述の複合皮膜を感光層の下地層として用いる
ものであって、下地層の形成方法は上述した化成処理方
法にに準ずる。前記下地層は十分な膜厚に形成されるた
め、基体の欠陥や不純物を隠蔽して優れた画像品質を得
ることができるとともに、優れた耐久性を得ることがで
きる。また、アルミニウム基体との密着性が優れている
ことはもとより、感光層あるいは感光層との間に任意に
形成される中間層との密着性にも優れている。
【0033】前記下地層の上に形成される感光層および
その形成方法は特に限定されないが、電荷発生層(CG
L)と電荷移動層(CTL)とに機能分離した積層型の
ものを推奨できる。これらの層はいずれも樹脂に電荷発
生物質または電荷移動物質を分散させたものである。樹
脂として、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹
脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリロニトリル
樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹
脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、
ポリエステル樹脂を推奨できる。また、電荷発生物質と
して、アゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントアント
ロン顔料、ジベンズピレン顔料、ピラントロン顔料、イ
ンジゴ顔料、キナクリドン系顔料等の各種顔料、シアニ
ン系染料、スクヴァリリウム系染料、アズレニウム塩化
物等の各種染料、セレン、セレンテルル、硫化カドミウ
ム、アモルファスシリコンを推奨できる。また、電荷移
動物質として、ハロゲン化アニル、テトラシアノエチレ
ン、ピレン系化合物、ヒドラゾン系化合物、ピラゾリン
類、オキサゾール系化合物、トリアリールメタン系化合
物、ポリアリールアルカン類、スチリル系化合物等を推
奨できる。前記電荷発生層(CGL)の厚さは0.05
〜1μmが好ましく、電荷移動層(CTL)の厚さは1
0〜30μmが好ましい。
【0034】また、この発明の電子材料の製造方法は、
上述の複合皮膜を絶縁層として用いるものであって、絶
縁層の形成方法は上述した化成処理方法に準ずる。絶縁
性の制御は膜厚を制御することにより行い、具体的には
化成処理および電解処理におけるTiO2粒子の分散
量、電解電圧、電解時間を適宜調整することによって行
う。また、TiO2粒子の粒径、分散量によって電気的
特性を制御することができる。
【0035】
【実施例】試験用アルミニウム材として、JIS A3
003からなるアルミニウム円筒管を用い、種々異なる
処理条件で化成処理を行った。前記アルミニウム円筒管
は、電子写真用感光体の基体として用いられるものであ
り、いずれの例においても常法により脱脂洗浄したのち
エッチング処理を施して表面状態を整えた。 〔実験例1〕フィチン酸−Ti系化成処理液として、パ
ーカーライジング社製CT3753液の6%希釈水溶液
に、アンモニアを添加してpH3.8に調節したものを
使用した。この化成処理液中のフィチン酸濃度は0.3
%、チタンフッ化水素酸(H 2TiF6)濃度は0.4%
となっている。また、液温は42℃とした。 (比較例1〜3)前記フィチン酸−Ti系化成処理液に
前記アルミニウム円筒管を、それぞれ60秒間、120
秒間、180秒間浸漬して化成処理した。 (実施例1〜8)前記フィチン酸−Ti系化成処理液
に、平均粒径0.2μmのTiO2粒子を表1に示す量
を分散させて複合処理液とした。これらの複合処理液に
前記アルミニウム円筒管を浸漬し、カーボンをアノード
電極として表1に示す電解電圧でカソード電解処理し
た。電解処理時間はいずれも180秒間とした。
【0036】
【表1】
【0037】各比較例および実施例の皮膜について、膜
厚を測定するとともに、皮膜の割れおよび剥がれ状態を
観察した。これらの結果を表1に併せて示す。状態を観
察した。これらの結果を表4に併せて示す。
【0038】表1の結果より、実施例で形成された皮膜
はいずれも厚く、特に比較例3と実施例1とを比較する
と、化成処理液にTiO2粒子を分散し、カソード電解
処理することによって皮膜を厚膜化できることが明白で
ある。またこのように厚膜化しても割れや剥がれが発生
しないことも確認できた。また、皮膜は、複合処理液中
のTiO2粒子の分散量、電解電圧をこの発明の範囲内
で増加させるに従って厚膜化されることも確認できた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のアルミ
ニウム材の化成処理方法は、化成処理液として、フィチ
ン酸−Ti系化成処理液にTiO2粒子を分散させた複
合処理液を用いるとともに、前記化成処理中にカソード
電解処理を実施するものであるから、カソード電解処理
による化成皮膜の成長と、正電荷をもつTiO2粒子が
カソードに電着されて化成皮膜中に取り込まれることと
によって、厚い複合皮膜を形成することができる。この
厚膜化によって、非Cr系であっても優れた耐食性およ
び塗装密着性が確保されるとともに、耐久性や素地に対
する隠蔽力も優れた皮膜となし得る。このため、この化
成処理方法を、建材や熱交換器等のアルミニウム製品の
耐食性や塗装密着性を向上させるための下地処理、電子
写真用感光体の感光層の下地処理に適用できる。また、
TiO2粒子の種類や大きさ、複合皮膜中の含有量によ
って電気抵抗値を制御でき、前記複合皮膜を電気的物性
の制御が必要な電子材料の表面処理膜として利用でき
る。
【0040】また、前記複合処理液中のTiO2粒子の
分散量が、0.001〜100g/lである場合は、T
iO2粒子による厚膜化が効率良く行われる。
【0041】また、前記TiO2粒子の粒径が0.01
〜10μmである場合は、化成処理の作業性が良い。
【0042】また、前記フィチン酸−Ti系化成処理液
はpH1〜7である場合は、TiO 2粒子の正への帯電
状態が適正であって、複合皮膜の形成が効率良く行われ
る。
【0043】また、前記化成処理を液温20〜60℃で
行う場合は、発生する反応熱を冷却する必要もなく、化
成皮膜の生成速度が適正であって、複合皮膜の形成が効
率良く行われる。
【0044】また、前記カソード電解処理における電圧
が1〜100Vである場合は、十分に水素イオンの還元
がなされて厚い複合皮膜を形成することができる。
【0045】この発明の化成皮膜を有するアルミニウム
材は、表面に、フィチン酸−Ti系系化成皮膜にTiO
2物粒子が分散されて厚い複合皮膜が形成されているか
ら、非Cr系であっても優れた耐食性および塗装密着性
を有するとともに、耐久性や素地に対する隠蔽力も優れ
ている。このため、前記皮膜を建材や熱交換器等のアル
ミニウム製品の耐食性や塗装密着性を向上させるための
下地層、電子写真用感光体の感光層の下地層として利用
できる。また、TiO2粒子の種類や大きさ、複合皮膜
中の含有量によって電気抵抗値を制御できるから、前記
複合皮膜を電気的物性の制御が必要な電子材料の表面処
理膜として利用できる。
【0046】この発明の電子写真用感光体の製造方法
は、上述の複合皮膜を感光層の下地層として用いるもの
であるから、前記下地層は十分な膜厚に形成されて、基
体の欠陥や不純物を隠蔽して優れた画像品質を得ること
ができ、優れた耐久性を得ることができる。また、アル
ミニウム基体との密着性が優れていることはもとより、
感光層あるいは感光層との間に任意に形成される中間層
との密着性にも優れているため、この点でも優れた耐久
性を得ることができる。
【0047】この発明の電子材料の製造方法は、アルミ
ニウム基材の所要部分に上述の複合皮膜を形成しこれを
絶縁層として用いるものであるから、十分な厚さに形成
可能な膜厚を制御することで絶縁性を制御でき、かつ皮
膜に割れや剥がれがないことで絶縁性を確実に保つこと
ができる。また、TiO2の粒径、分散量によって電気
的特性を制御することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム材を化成処理して表面に皮
    膜を形成する化成処理方法において、 化成処理液として、フィチン酸−Ti系化成処理液にT
    iO2粒子を分散させた複合処理液を用いるとともに、
    前記化成処理中にカソード電解処理を実施することを特
    徴とするアルミニウム材の化成処理方法。
  2. 【請求項2】 前記複合処理液中のTiO2粒子の分散
    量は、0.001〜100g/lである請求項1に記載
    のアルミニウム材の化成処理方法。
  3. 【請求項3】 前記TiO2粒子の粒径は0.01〜1
    0μmである請求項1または2に記載のアルミニウム材
    の化成処理方法。
  4. 【請求項4】 前記フィチン酸−Ti系化成処理液はp
    H1〜7である請求項1〜3のいずれかに記載のアルミ
    ニウム材の化成処理方法。
  5. 【請求項5】 前記化成処理は、液温20〜60℃で行
    う請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム材の化
    成処理方法。
  6. 【請求項6】 前記カソード電解処理における電圧が1
    〜100Vである請求項1〜5のいずれかに記載のアル
    ミニウム材の化成処理方法。
  7. 【請求項7】 表面に、フィチン酸−Ti系化成皮膜に
    TiO2粒子が分散された複合皮膜が形成されてなるこ
    とを特徴とする化成皮膜を有するアルミニウム材。
  8. 【請求項8】 アルミニウム基体上に感光層を有する電
    子写真用感光体の製造方法において、 前記アルミニウム基体を、フィチン酸−Ti系化成処理
    液にTiO2粒子を分散させた複合処理液で化成処理す
    るとともに、前記化成処理中にカソード電解処理を実施
    することにより、前記アルミニウム基体表面に、フィチ
    ン酸−Ti系化成皮膜にTiO2粒子が分散された複合
    皮膜を付着させて下地層を形成し、その後に前記感光層
    を形成することを特徴とする電子写真用感光体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 アルミニウム基材の所要部分に絶縁層を
    有する電子材料の製造方法において、 前記アルミニウム基材の所要部分を、フィチン酸−Ti
    系化成処理液にTiO 2粒子を分散させた複合処理液に
    接触させて化成処理するとともに、前記化成処理中にカ
    ソード電解処理を実施することにより、前記アルミニウ
    ム基材の所要部分に、フィチン酸−Ti系化成皮膜にT
    iO2粒子が分散された複合皮膜を付着させて絶縁層を
    形成することを特徴とする電子材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006146227A (ja) * 2004-11-23 2006-06-08 Xerox Corp フォトレセプタ、方法及び電子写真システム
JP2010159964A (ja) * 2010-03-29 2010-07-22 Denso Corp 熱交換器の製造方法およびそれによって製造される熱交換器

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