JP2003026865A - スチレン系エラストマーシート - Google Patents

スチレン系エラストマーシート

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JP2003026865A
JP2003026865A JP2001218480A JP2001218480A JP2003026865A JP 2003026865 A JP2003026865 A JP 2003026865A JP 2001218480 A JP2001218480 A JP 2001218480A JP 2001218480 A JP2001218480 A JP 2001218480A JP 2003026865 A JP2003026865 A JP 2003026865A
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styrene
ethylene
elastomer sheet
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thermoplastic elastomer
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JP2001218480A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Tsuchida
浩之 土田
Atsushi Jinno
敦司 神野
Yoshiichi Kodera
宣一 小寺
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Maxell Kureha Co Ltd
Original Assignee
Kureha Elastomer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い硬度特性を維持しつつ、オイル等の可塑
剤のブリードや、別部材への移行汚染が回避されると共
に、テープ等の接着力が十分に発揮され得る、新規な軟
質部材を実現せしめ得るスチレン系エラストマーシート
を提供すること。 【解決手段】 スチレン含量15重量%以下の水添スチ
レン系熱可塑性エラストマーの20〜80重量%に対し
て、ポリエチレン又はエチレン−αオレフィン共重合体
とポリプロピレン又はプロピレン−エチレン共重合体と
の少なくとも一方を80〜20重量%でブレンドした熱
可塑性エラストマ材料からなり、JIS−A硬度が80
以下であるスチレン系エラストマーシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、他部材に対して直接に重ね合わ
せられて或いは接着層を介して固着されることにより装
着される軟質部材用のエラストマーシートに係り、例え
ば、緩衝材やカバー(シート)材,グリップ材等の形成
材として好適に採用され得る、オイル等が添加されてい
ない軟質の新規なスチレン系エラストマーシートに関す
るものである。
【0002】
【背景技術】従来から、他部材に対して直接に重ね合わ
せられて或いは接着層を介して固着されることにより装
着される軟質部材として、ワープロやコンピュータ等の
電気製品の足ゴム材や、キーボード等の防塵用操作カバ
ー材、シート状クッション材、ガスケットやパッキン等
のシート状シール材などが、広い範囲で実用に供されて
いる。そして、これらの軟質部材は、一般に、予め成形
されたエラストマーシートを適当な形状に切断すること
によって形成されている。
【0003】ところで、このようなエラストマーシート
においては、目的とする軟質部材に要求される特性を満
足し得るように、基本的に硬度が小さく軟質であること
に加えて、軟質部材の他部材への装着を容易とするため
にテープ(接着層)の接着強度が大きいことが要求され
る場合が多く、また、軟質部材の装着状態下で接触せし
められる他部材に悪影響を及ぼさないように接触面での
移行汚染が小さいことも要求される。
【0004】ところが、従来から一般にエラストマーシ
ートとして採用されているEPDM(エチレンプロピレ
ンジエンゴム)等の軟質ゴム弾性体や、軟質のポリ塩化
ビニル(PVC)、動的架橋された熱可塑性エラストマ
(TPV)においては、要求される低硬度を実現するた
めに可塑剤としてのオイル成分を多量に含有しており、
そのために、可塑剤のブリードによって表面がべたつい
てテープの接着性が十分に得られ難く、また、接触せし
められた他部材に可塑剤が移行することによって他部材
が汚染され易いという問題があった。
【0005】なお、可塑剤のブリードを回避するため
に、軟質のポリエチレンやポリプロピレンの単体、或い
はシリコーンゴムを採用することも考えられるが、これ
らは何れも素材的に乃至は極性が低いことにより、テー
プの接着性が悪いという問題があり、上述の如きエラス
トマーシートに要求される物性を十分に満足し得るもの
ではなかったのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、十分に低硬度な物性を確保した上で、優れ
たテープの接着性を発揮すると共に、他部材に対する可
塑剤等の移行汚染が防止される軟質部材を有利に実現せ
しめ得る、新規なエラストマーシートを提供することに
ある。
【0007】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、他部材に対して直接に重ね
合わせられて或いは接着層を介して固着されることによ
り装着される軟質部材用のエラストマーシートであっ
て、スチレン含量15重量%以下の水添スチレン系熱可
塑性エラストマーの20〜80重量%に対して、ポリエ
チレン又はエチレン−αオレフィン共重合体と、ポリプ
ロピレン又はプロピレン−エチレン共重合体との、少な
くとも一方を80〜20重量%でブレンドした熱可塑性
エラストマ材料からなり、JIS硬度80A以下である
スチレン系エラストマーシートにある。
【0008】このような本発明に係るスチレン系エラス
トマーシートにおいては、スチレン含量を15重量%以
下としたことによって実現された水添スチレン系熱可塑
性エラストマーにおける優れた軟質特性を確保しつつ、
ポリエチレン系樹脂乃至はポリプロピレン系樹脂を配合
したことによって、オイル等の大量の可塑剤の配合を必
要とすることなく、表面のベタツキを抑えて成形性や触
感を向上させることが出来たのであり、以て、優れたテ
ープ接着性が発揮されると共に、他部材への移行汚染が
防止され得る、軟質部材の製造に好適なエラストマーシ
ートが実現され得たのである。
【0009】なお、水添スチレン系熱可塑性エラストマ
ー自身におけるスチレン含量が15重量%を越えると目
的とする軟質特性を得ることが難しくなる。また、スチ
レン含量の下限は特に限定されないが、成形性等を考慮
して5重量%以上とすることが望ましい。更に、熱可塑
性エラストマ材料における水添スチレン系熱可塑性エラ
ストマーの配合量は、20重量%より少ないと目的とす
る軟質特性を得ることが難しくなる一方、80重量%よ
り多いと表面のベタツキが大きくなり、シートの成形時
における成形ロールや成形型等からの離型性が悪くなる
等といった問題が発生し易い。
【0010】また、本発明において採用され得るエチレ
ン−αオレフィン共重合体は、エチレンを主体としたエ
チレンリッチの材料であって、ブロック共重合体とラン
ダム共重合体の何れもが単独で或いは両方合わせて採用
され得るが、特に、入手の容易性等を考慮した工業上の
理由から、エチレンに共重合されるαオレフィン共重合
体の炭素数が、C=3,4,6,8のものが好適に採用
される。更にまた、本発明において採用され得るプロピ
レン−エチレン共重合体としては、プロピレンを主体と
したプロピレンリッチのプロピレン−エチレン共重合体
であって、ブロック共重合体とランダム共重合体の何れ
もが単独で或いは両方合わせて採用され得る。
【0011】更にまた、本発明においては、特定の熱可
塑性エラストマ材料を用いて成形されたスチレン系エラ
ストマーシートが、JIS硬度80A以下であることを
要件とし、それによって、前述の如く、ワープロやコン
ピュータ等の電気製品の足ゴム材や、キーボード等の防
塵用操作カバー材、シート状クッション材、ガスケット
やパッキン等のシート状シール材など、他部材に対して
直接に重ね合わせられて或いは接着層を介して固着され
ることにより装着される軟質部材において、良好なる緩
衝性や触感等が有利に実現され得る。なお、より優れた
緩衝性能や滑り防止性能を満足するためには、JIS硬
度70A以下とすることが望ましい。
【0012】さらに、本発明において、ポリエチレン又
はエチレン−αオレフィン共重合体やポリプロピレン又
はプロピレン−エチレン共重合体は、何れも、水添スチ
レン系熱可塑性エラストマーに対する増量材としての意
義もあるが、そこにおいて、一般に、ポリエチレン又は
エチレン−αオレフィン共重合体は、目的とするスチレ
ン系エラストマーシートの軟質性を有利に保ちつつテー
プ接着性等を向上させることが可能である一方、ポリプ
ロピレン又はプロピレン−エチレン共重合体は、スチレ
ン系エラストマーシートの耐熱性の向上効果が大きい。
【0013】
【発明の実施形態】ところで、本発明においては、前記
水添スチレン系熱可塑性エラストマーの20〜80重量
%に対して、前記ポリエチレン又はエチレン−αオレフ
ィン共重合体であって比重が0.90以下のものと、前
記ポリプロピレン又はプロピレン−エチレン共重合体と
の、少なくとも一方を80〜20重量%の割合でブレン
ドした熱可塑性エラストマ材料を用いて成形すること
が、望ましく、それによって、スチレン系エラストマー
シートにおける可視光線の透過性(透明性)を有利に確
保することができる。なお、光透過性が問題とならない
場合には、比重が0.90より大きなポリエチレン又は
エチレン−αオレフィン共重合体も、本発明において採
用可能であることは、勿論である。
【0014】また、本発明において、スチレン系エラス
トマーシートにおける耐熱性を有利に確保しつつ、JI
S−A硬度を80以下に抑えるためには、ブレンドする
ポリプロピレン又はプロピレン−エチレン共重合体を4
0〜20重量%の割合でブレンドすることが、特に有効
である。
【0015】さらに、本発明に従って調製された上述の
如き特定の熱可塑性エラストマ材料は、例えば、予め各
配合成分を溶融混練したものをペレット状にしたものを
採用したり、或いは、各配合成分毎に単独のペレット状
にしたものを適当な割合で混ぜ合わせたものを採用し、
押出成形機等によって加熱溶融させて成分を均一に混練
することによって、有利に提供され得る。また、かかる
熱可塑性エラストマ材料には、必要に応じて、離型材や
難燃剤,酸化防止剤,防かび剤やその他の加工助剤等が
適宜に配合される。
【0016】そこにおいて、本発明においては、上述の
如く調製された熱可塑性エラストマ材料に対して、滑剤
を0.05〜1重量%ブレンドすることが望ましく、そ
れによって、シートの成形に際しての成形ロールや成形
型に対する離型性の更なる向上が図られ得る。なお、滑
剤としては、例えば脂肪酸アミドや脂肪酸エステル等、
一般にゴム弾性体や合成樹脂の成形に際して使用される
各種の公知の滑剤、具体的にはエルシル・アミドやステ
アリン酸モノグリセリド等が採用可能である。また、滑
剤の添加量が、0.05重量%に満たなければ、滑剤に
よる効果が得られ難く、1重量%を越えるとテープの接
着性が低下するおそれがあることに加えて、成形品であ
るスチレン系エラストマーシートの表面が白く粉をふい
た状態となって外観が損なわれる場合がある。
【0017】そして、このようにして得られた熱可塑性
エラストマ材料は、適当な任意の成形方法によって成形
されることとなり、例えば、加熱溶融された状態でTダ
イによる押出成形機等でシート状に押し出し、適数個の
成形ロールで目的とする形状や寸法に仕上げたり、加熱
溶融された熱可塑性エラストマ材料をカレンダ加工によ
って目的とする形状や寸法に仕上げる他、加熱して可塑
化せしめた熱可塑性エラストマ材料をプレス加工によっ
て目的とする形状や寸法に仕上げること等も可能であ
る。それによって、目的とするスチレン系エラストマー
シートが各種のサイズや形状で適宜に製造され得るので
ある。
【0018】また、本発明に従って構成されたスチレン
系エラストマーシートにおいては、前記他部材に対する
装着面に接着層を設けても良い。接着層を設けることに
より、例えば、かかるスチレン系エラストマーシートを
適当な形状にカッティングして、電気製品の底面や履物
底に対して直接に張り付けることの出来る軟質部材など
を、容易に製作することが可能となる。なお、接着層と
しては、例えばアクリル系の粘着材が、透明であると共
に、層厚さを小さくすることが出来ることから、好適に
採用され得る。また、薄肉シート状の基材の両面に接着
剤を設けた両面テープをスチレン系エラストマーシート
に貼り付けることによって、上述の接着層を形成するこ
とも可能である。
【0019】更にまた、本発明に係るスチレン系エラス
トマーシートによって製作される軟質部材の具体的な種
類は特に限定されるものでなく、また、それらの用途に
応じて、硬度や形状、物性等が、適宜に調節されること
は、言うまでもない。
【0020】具体的には、例えば、軟質部材として、家
電製品やOA機器等の底面に取り付ける滑り止め用の足
ゴムを製作するに際しては、JIS−A硬度を70程度
に設定した本発明に従うスチレン系エラストマーシート
を採用することが望ましく、該スチレン系エラストマー
シートの一方の面にシボや枡目等の小さな凹凸を付する
と共に、他方の面に両面テープを貼り付け、それを適当
な大きさに打ち抜くことによって、目的とする足ゴムを
得ることが可能である。このようにして得られた足ゴム
においては、柔軟で優れたグリップ性と、テープによる
優れた接着性が発揮されると共に、机やテーブル、印刷
物等の機器の載置面への移行汚染の防止が、有利に達成
され得る。
【0021】また、軟質部材として、フルート等の管楽
器の調節弁のパッドを製作するに際しては、JIS−A
硬度を50程度に設定した本発明に従うスチレン系エラ
ストマーシートを採用することが望ましく、該スチレン
系エラストマーシートの一方の面にシボや枡目等の小さ
な凹凸を付すると共に、他方の面にフェルト等の他のシ
ート材を両面テープを貼り付け、それを適当な大きさに
打ち抜くことによって、目的とするパッドを得ることが
可能である。このようにして得られたパッドにおいて
は、テープ接着性に優れていることから、適当な他のシ
ート材を貼り合わせて特性等を調節することが容易であ
ると共に、低硬度で柔軟なことから当接部位に対して優
れた形状追従性が発揮され得る。
【0022】更にまた、軟質部材として、パソコンやキ
ャッシャー(キャッシュレジスタ)などに用いられるキ
ーボードの防塵用のカバー材を製作するに際しては、J
IS−A硬度を50程度に設定した本発明に従うスチレ
ン系エラストマーシートを採用することが望ましく、例
えば、該スチレン系エラストマーシートをキーの形に加
熱型成形すると共に、キーボード本体の表面に接する外
周部分を鏡面状の平滑面とすることによって、目的とす
るキーボード用カバー材を得ることが可能である。この
ようにして得られたカバー材においては、柔軟で軽快な
キーの打鍵操作が実現され得て、周辺キーの誤操作も防
止され得ると共に、高い透明性を設定することによって
キー文字の視認性を向上させることも可能であり、ま
た、キーボード本体の表面との接触部位において、鏡面
状の平滑面による良好な吸着性が発揮されて、所定の装
着位置に安定して保持され得ることとなる。
【0023】さらに、軟質部材として、女性用サンダル
やハイヒール等の爪先部分の表面に貼着する滑り止め用
シート材を製作するに際しては、JIS−A硬度を65
程度に設定した本発明に従うスチレン系エラストマーシ
ートを採用することが望ましく、該スチレン系エラスト
マーシートの一方の面にシボや枡目等の小さな凹凸を付
すと共に、他方の面に接着層としての薄肉の粘着層を形
成し、それを適当な大きさに打ち抜くことによって、目
的とする滑り止め用シート材を得ることが可能である。
このようにして得られた滑り止め用シート材において
は、柔軟で優れたグリップ性と、接着層によって優れた
接着性が容易に発揮されると共に、貼着されるサンダル
やハイヒール等への移行汚染の防止が、有利に達成され
得る。しかも、接着層を含めて高い透明性を確保した
り、適当な色に着色することが可能であることから、貼
着されるサンダルやハイヒール等に対して優れた意匠を
提供することも出来る。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
がそのような実施例の記載によって何等の制約をも受け
るものでないことは、言うまでもない。また、本発明に
は、以下に記載の実施例の他にも、更には上記の実施態
様の記載以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにお
いて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改
良等を加え得るものであることが、理解されるべきであ
る。
【0025】先ず、水添スチレン系熱可塑性エラストマ
ー,ポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂と
して、以下に記載の如き各種の配合用材料を準備し、表
1〜2に示されるように、これらを適宜の割合で配合せ
しめた後、一軸押出機または二軸押出機によって加熱溶
融および混練させて混合押出成形することによって、本
発明に従う配合割合を有する熱可塑性エラストマ材料の
ペレットを得た。そして、それらのペレットを用いて、
各別に加熱溶融させてシート状に押し出し、直ちに成形
ロールで目的とする形状および寸法に成形することによ
って、厚さ:略1〜2mmの試験片を作成した。そして、
それら個々の試験片の物性について、以下に記載する試
験を行って評価した。その評価結果を「表1」,「表
2」に示す。なお、表1は、物性として、Hs硬度(J
IS−A),テープ接着強度,移行汚染性,可塑剤のブ
リード性に加えて、摩擦係数と、ブロッキング性(耐熱
性)を評価した結果であり、また、表2は、Hs硬度
(JIS−A),テープ接着強度,移行汚染性,可塑剤
のブリード性に加えて、光透過性を評価した結果であ
る。また、表1には、比較例として、それぞれ単体とし
てのシリコンゴム,エチレンプロピレンジエンゴム(E
PDM),軟質ポリ塩化ビニル(S−PVC)および動
的架橋された熱可塑性エラストマ(TPV)について、
それぞれ、同様な物性試験による評価を実施した結果
を、併せ示す。
【0026】〔配合用材料〕 1.水添スチレン系熱可塑性エラストマーとして次の
(A)〜(B)を準備した。 (A)JSR株式会社製 「DR1320P」(商品
名) 水添スチレンブタジエン共重合体 : スチレン含量1
0重量% (B)クラレ株式会社製 「セプトン2063」(商品
名) 水添スチレンイソプレン共重合体 : スチレン含量1
3重量% 2.エチレン−αオレフィン共重合体として次の(C)
〜(H)を準備した。 (C)デュポン・ダウ社製「EG8180」(商品名) エチレン−オクテン共重合体 : 密度0.86 (D)デュポン・ダウ社製「EG8200」(商品名) エチレン−オクテン共重合体 : 密度0.87 (E)デュポン・ダウ社製「EG8411」(商品名) エチレン−オクテン共重合体 : 密度0.88 (F)デュポン・ダウ社製「EG8540」(商品名) エチレン−オクテン共重合体 : 密度0.91 (G)住友化学株式会社製「HiαFW201」(商品
名) エチレン−ヘキセン共重合体 : 密度0.91 (H)住友化学株式会社製「SPO N0394」(商
品名) エチレン−ブテン共重合体 : 密度0.88 3.プロピレン−エチレン共重合体として次の(I)〜
(J)を準備した。 (I)グランドポリマー株式会社製「F327D」(商
品名) プロピレン−エチレン共重合体 (J)住友化学株式会社製「KS37G−1」(商品
名) プロピレン−エチレン共重合体
【0027】〔物性評価試験〕上記(A)〜(J)の配
合用材料を用いて成形した実施例1〜13および比較例
1〜5における物性評価試験として、以下(a)〜
(g)の試験を行った。 (a)硬度試験 Hs(JIS−A):JIS K−7311に準拠して
測定した。 (b)テープ接着強度試験 試験片に対して両面テープ(日東電工株式会社製)を貼
り合わせて24時間放置した後に、試験片と両面テープ
を以下の条件で強制的に剥離させた際の剥離強度を測定
した。 ・試験片および両面テープの幅(全面貼着):25mm ・剥離角度:180度 ・剥離速度:50mm/分 (c)移行汚染試験 厚さ:1mmで20mm四方の矩形シート状の試験片を着色
紙に重ねあわせて、静的荷重:0.01MPaを作用せ
しめた状態で7日間放置することにより、可塑剤の紙へ
の移行の有無を目視比較した。 (d)ブリード試験 厚さ:1mmのシート状試験片を温度:40℃,湿度:8
0%の雰囲気中に3日間放置することにより、試験片の
表面におけるブリードの有無を目視比較した。 (e)摩擦係数試験 静摩擦係数測定機(新東科学株式会社製「HEIDO
N」TYPE:HEIDON−10(商品名)を用い、
被摩擦体として表面マット加工を施したポリエチレンテ
レフタレート(PET)製のフィルムを採用して測定し
た。 (f)ブロッキング試験 厚さ:2mm×幅:20mm×長さ:50mmの短冊状の試験
片の同一材質のもの同志の2枚を密着状態に重ね合わせ
て、温度:80℃で4時間放置した後に、2枚の試験片
の剥離を試みることによって、両試験片のブロッキング
の有無を確認した。即ち、試験片の耐熱性が低い場合に
は、試験片が軟化乃至は溶融してブロッキングする(く
っつく)ことにより剥離できなくなることを利用して耐
熱性の試験評価を行った。 (g)透過率試験 可視光線の透過率を実測することによって評価した。
【0028】なお、表1〜2中、移行汚染の評価欄にお
ける「1」は移行汚染が認められなかったことを表し、
「2」は移行汚染が僅かに認められたことを表し、
「3」は著しい移行汚染が認められたことを表す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】因みに、従来の事例に基づくと、テープ接
着強度については3.9N/cm以上、摩擦係数について
は0.50以上であれば、軟質部材に要求される一般的
なグリップ性やテープ接着性に関して満足した結果が得
られるものと考えられる。そして、表1に示された結果
から明らかなように、本発明に従うスチレン系エラスト
マーシートにおいては、何れも、低硬度で、テープ接着
性が良く、しかも、移行汚染やブリードは認められない
という、優れた物性を有している。また、実施例1〜7
についての摩擦係数の評価結果から、本発明に従うスチ
レン系エラストマーシートにおいては、良好な摩擦係数
が発揮されて、不必要な滑りも防止され得ることが認め
られる。更にまた、実施例1〜7についてのブロッキン
グの評価結果から、プロピレン−エチレン共重合体を配
合することによって、耐熱性(ブロッキング)の向上が
効果的に図られ得ることが認められる。更に、表2に示
された結果から、本発明に従うスチレン系エラストマー
シートにおいては、エチレン−αオレフィン共重合体を
配合する場合に、比重が0.90以下のものを採用する
ことによって可視光線の透過性(透明性)が有利に確保
され得ることが認められる。
【0032】これに対して、比較例1〜5のものは、何
れも、低硬度であるものの、テープ接着強度と移行汚染
およびブリードの全ての評価に関して、満足した結果を
得られたものがない。
【0033】
【発明の効果】上述の説明からも明らかなように、本発
明に従うスチレン系エラストマーシートにおいては、特
定の水添スチレン系熱可塑性エラストマーに対して、ポ
リエチレン又はエチレン−αオレフィン共重合体と、ポ
リプロピレン又はプロピレン−エチレン共重合体との、
少なくとも一方を、特定の割合でブレンドした熱可塑性
エラストマ材料を用いたことによって、低硬度でありな
がら、可塑剤のブリードや移行汚染がなく、しかもテー
プ等の接着剤の固着強度が高度に発揮され得るのであ
り、それ故、例えば家電機器の足ゴムや、キーボードカ
バー、サンダルの底敷などに対して、極めて有利に適用
され得るのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 7/02 C09J 7/02 Z (72)発明者 小寺 宣一 三重県津市観音寺町255番地 クレハエラ ストマー株式会社津工場内 Fターム(参考) 4F071 AA13 AA15 AA15X AA20X AC12 AE11 AF25Y AF30 BA01 BB06 BC01 4J002 AC08W AC11W BB03X BB05X BB12X BB14X 4J004 AB01 CA03 CC02 FA05 FA08 FA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 他部材に対して直接に重ね合わせられて
    或いは接着層を介して固着されることにより装着される
    軟質部材用のエラストマーシートであって、 スチレン含量15重量%以下の水添スチレン系熱可塑性
    エラストマーの20〜80重量%に対して、ポリエチレ
    ン又はエチレン−αオレフィン共重合体と、ポリプロピ
    レン又はプロピレン−エチレン共重合体との、少なくと
    も一方を80〜20重量%でブレンドした熱可塑性エラ
    ストマ材料からなり、JIS硬度80A以下であること
    を特徴とするスチレン系エラストマーシート。
  2. 【請求項2】 前記水添スチレン系熱可塑性エラストマ
    ーの20〜80重量%に対して、前記ポリエチレン又は
    エチレン−αオレフィン共重合体であって比重が0.9
    0以下のものと、前記ポリプロピレン又はプロピレン−
    エチレン共重合体との、少なくとも一方を80〜20重
    量%の割合でブレンドした熱可塑性エラストマ材料から
    なる、可視光線透過性を有する請求項1に記載のスチレ
    ン系エラストマーシート。
  3. 【請求項3】 前記プロピレン−エチレン共重合体を4
    0〜20重量%の割合でブレンドした熱可塑性エラスト
    マ材料からなる請求項1又は2に記載のスチレン系エラ
    ストマーシート。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性エラストマ材料に対して滑
    剤を0.05〜1重量%ブレンドした請求項1乃至3の
    何れかに記載のスチレン系エラストマーシート。
  5. 【請求項5】 前記他部材に対する装着面に接着層を設
    けた請求項1乃至4の何れかに記載のスチレン系エラス
    トマーシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100909099B1 (ko) 2008-02-15 2009-07-23 현대이피 주식회사 강성 및 내스크래치성이 향상된 폴리프로필렌-폴리스티렌블렌드 조성물
US9757491B2 (en) 2011-06-30 2017-09-12 The Procter & Gamble Company Absorbent structure comprising an oil-scavenger component
JP7279252B1 (ja) * 2022-12-23 2023-05-22 日本プラスチック工業株式会社 多層シート

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