JP2003026734A - 活性エネルギー線硬化型組成物およびそれを用いた多層フィルム - Google Patents

活性エネルギー線硬化型組成物およびそれを用いた多層フィルム

Info

Publication number
JP2003026734A
JP2003026734A JP2001215125A JP2001215125A JP2003026734A JP 2003026734 A JP2003026734 A JP 2003026734A JP 2001215125 A JP2001215125 A JP 2001215125A JP 2001215125 A JP2001215125 A JP 2001215125A JP 2003026734 A JP2003026734 A JP 2003026734A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
acrylate
active energy
fluorine
energy ray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001215125A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Kinoshita
宏司 木下
Satoshi Takano
聖史 高野
Hirobumi Yamaguchi
博文 山口
Kenji Nagao
憲治 長尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2001215125A priority Critical patent/JP2003026734A/ja
Publication of JP2003026734A publication Critical patent/JP2003026734A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低屈折率性を有するフッ素系活性エネルギー
線硬化性組成物を提供し、さらにそれを用いた各種光学
用途として使用できる透明性に優れた多層フィルムを提
供することにある。 【解決手段】含フッ素アクリル系化合物及び/又はその
重合体(A)と官能基を有する(メタ)アクリレート
(B)とを必須成分とし、且つ硬化後の屈折率が1.5
0以下である活性エネルギー線硬化型組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低屈折率性を有するフ
ッ素系活性エネルギー線硬化性組成物およびそれを用い
た多層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、IT技術の発達と共に、携帯電
話、ノート型パソコン、ビデオカメラ、プロジェクタ等
のマルチメディア製品、或いは各種端末機器、プリンタ
ー、ファクシミリ等の各種OA機器の普及、さらにはこ
れらを機能的に利用するための光ファイバ及びそれを含
むシステムを構築するための各種接続部品の開発が著し
い。これらの殆どの製品・部品は、そのいずれかの部分
には光源或いは可視光を利用する光学システムを適用し
たり、本来の性能を可視光によって損なわれないような
処置が施されている。従って、このような製品・部品中
の材料としては光学的特性が要求される場合が少なくな
い。
【0003】その中で、低屈折率性は、光ファイバクラ
ッド材、各種レンズ材、光学フィルム等の設計において
必要不可欠である。一般に屈折率は、以下のLorentz−L
orenzの式で定義付けられる。 (n −1)/(n +2)= R/V 〔式中、nは屈折率、Rは分子屈折、Vは分子容であ
る。〕 ここで、低屈折率性を実現するためには、分子屈折Rが
小さく、分子容Vが大きいことが好ましく、この点から
フッ素原子が最も低屈折率性を実現できる。事実、W.Gr
oh and A.Zimmermann,Macromolecules, 24, 6660(199
1)には、計算によって求められた低屈折率ポリマーが紹
介されておりフッ素系が最も低い屈折率を示す。
【0004】このような背景より、フッ素系樹脂を用い
た各種低屈折率光学材料が提案されている。低屈折率性
を向上するためには、フッ素含有量を高くする必要性が
あるが、耐久性等の機械的強度を満足させることができ
ない。そこで、機械的特性が要求される最外層に用い
ず、機械的強度が低いフッ素系樹脂を機械特性に優れる
層でサンドイッチ構造にすることで、機械的特性を補う
ことも考えられるが、フッ素系樹脂は外層との密着性が
低く、界面剥離が起こるため、機械的強度が充分に満足
されるものが得られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記に示した状況の中
で本発明の目的は、低屈折率性を有するフッ素系活性エ
ネルギー線硬化性組成物を提供し、さらにそれを用いた
各種光学用途として使用できる透明性に優れた多層フィ
ルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、上
記課題を解決するため鋭意検討した結果、低屈折率性を
有するフッ素系活性エネルギー線硬化性組成物及びそれ
を用いた多層フィルムを見いだした。即ち、本発明は、
含フッ素アクリル系化合物及び/又はその重合体(A)
と官能基を有する(メタ)アクリレート、好ましくは水
酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミ
ノ基を有する(メタ)アクリレートから選択される少な
くとも1種の(メタ)アクリレート(B)とを必須成分
とし、且つ硬化後の屈折率が1.50以下である活性エ
ネルギー線硬化型組成物及び該活性エネルギー線硬化型
組成物を内部層とする多層フィルムに関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明での含フッ素アクリル系化
合物及びその重合体(A)とは、フッ素を含有する(メ
タ)アクリル化合物、該化合物の単独重合体及び他のビ
ニル単量体との共重合体である。かかるフッ素を含有す
る(メタ)アクリル化合物としては、フッ素含有アルキ
ル基を有する(メタ)アクリル化合物が好ましく、特に
下記一般式(1) XCF-C2m-(CH)-OOCC(R)=CH ・・・・・ (1) [式中、XはHまたはF、mは0または1〜20の整
数、nは0または1〜6の整数であり、RはH、CH
、FまたはClを表わす。]で表わされる含フッ素
(メタ)アクリレートが好ましい。
【0008】一般式(1)にて表わされる化合物として
は特に制限はないが、例示化合物として以下の如き化合
物が挙げられる。 A-1- 1 : CH=CHCOOCHCHCF17 A-1- 2 : CH=C(CH)COOCHCHCF17 A-1- 3 : CH=CHCOOCHCHC12F25 A-1- 4 : CH=C(CH)COOCHCHC12F25 A-1- 5 : CH=CHCOOCHCHC10F21 A-1- 6 : CH=C(CH)COOCHCHC10F21 A-1- 7 : CH=CHCOOCHCHCF13 A-1- 8 : CH=C(CH)COOCHCHCF13 A-1- 9 : CH=CHCOOCHCHCF A-1-10 : CH=CFCOOCHCHCF13 A-1-11 : CH=C(CH)COOCHCHC20F41 A-1-12 : CH=C(CH)COOCHCHCF A-1-13 : CH=C(CF)COO (CH) C10F21 A-1-14 : CH=C(CH)COOCHCF A-1-15 : CH=CHCOOCHCF A-1-16 : CH=CHCOOCHCF17 A-1-17 : CH=C(CH)COOCHCF17 A-1-18 : CH=C(CH)COOCHC20F41 A-1-19 : CH=CHCOOCHC20F41 A-1-20 : CH=C(CH)COOCHCF(CF) A-1-21 : CH=C(CH)COOCHCFHCF A-1-22 : CH=CFCOOCHCF A-1-23 : CH=CHCOOCH(CH)CF(CF) A-1-24 : CH=C(CH)COOCHCFCFHCF A-1-25 : CH=C(CH)COOCH(CH)C10F21 A-1-26 : CH=CHCOOCH(CF)H A-1-27 : CH=C(CH)COOCH(CF)H A-1-28 : CH=CHCOOCH(CF)H A-1-29 : CH=CHCOOCHCF A-1-30 : CH=C(CH)COO(CF)H A-1-31 : CH=CHCOOCH(CF)H A-1-32 : CH=C(CH)COOCH(CF)H A-1-33 : CH=CHCOOCH(CF)H A-1-34 : CH=C(CH)COOCH(CF)H A-1-35 : CH=CHCOOCH(CF)10H A-1-36 : CH=CHCOOCH(CF)12H A-1-37 : CH=CHCOOCH(CF)14H A-1-38 : CH=CHCOOCH(CF)18H A-1-39 : CH=CHCOOC(CH)(CF)H A-1-40 : CH=CHCOOCHCH(CF)H A-1-41 : CH=C(CH)COOCHCH(CF)H A-1-42 : CH=C(CH)COOC(CH)(CF)H A-1-43 : CH=CHCOOCH(CF)CF17 A-1-44 : CH=CHCOOCHCF A-1-43 : CH=CHCOO(CH)(CF)CF(CF) 尚、本発明が上記具体例によって、何等限定されるもの
でないことは勿論である。一般式(1)で表わされる含
フッ素(メタ)アクリレートを用いれば、有効に該組成
物の屈折率を低下させることが可能であるとともに、後
述するフッ素系重合体を導入した場合に、光学材料の透
光性を低下させることなく該組成物を目的とする塗布、
成形作業性に合致した粘度に調整することが可能とな
る。本発明者等の知見によれば、一般式(1)中のmが
9以上のものは、フッ素含有量が高く低屈折率化に対し
ては有利であるが、一方では結晶性が高く硬化物の透光
性を低下させる。またmが3以下のものは他の組成物と
の相溶性が良好且つ硬化物の透光性も高いが、フッ素含
有量が低いため低屈折率化の実現には不利である。この
ような観点から、目的とする屈折率、透光性、光学材料
の種類によっても最適な化合物は異なるが、低屈折率性
と透光性を両立させるためには、一般式(1)中のmが
4〜8のものを用いることが好ましい。また、一般式
(1)で示される化合物は、1種類だけを用いても2種
類以上の化合物を同時に用いても構わないし、上述した
低屈折率性と透光性の両立という観点から、場合によっ
ては、C2m部分の鎖長が異なる2種類以上の化合
物を同時に用いても構わない。尚、一般式の構造からも
明らかなように、C2m部分は直鎖状であっても分
岐状であっても構わない。また、該組成物を目的とする
塗工、賦型方法及び目的とするサイズを実現できる最適
な粘度に調整するためには、該組成物中にフッ素系重合
体が導入されていることが好ましい。
【0009】本発明者らの知見によれば、低屈折率性、
他の組成物との相溶性と硬化物の透光性を維持したまま
該組成物を最適な粘度に調整するためには、一般式
(1)で表わされる含フッ素(メタ)アクリレートの単
独重合体、或いは一般式(1)で表わされる含フッ素
(メタ)アクリレートと1種類または2種類以上の非フ
ッ素(メタ)アクリレートとから成る共重合体を導入す
ることが好ましい。
【0010】本発明で使用される含フッ素アクリル系化
合物の重合体(A)としては、上記フッ素を含有する
(メタ)アクリル化合物を重合したものが好ましく、特
に一般式(1)にて表わされる含フッ素(メタ)アクリ
レートの単独重合体、一般式(1)にて表わされる含フ
ッ素(メタ)アクリレートと他のビニル単量体の1種類
または2種類以上との共重合体である。
【0011】該含フッ素アクリル系化合物の重合体
(A)としては、上記一般式(1)にて表わされる含フ
ッ素(メタ)アクリレートと他のビニル単量体との共重
合体が好ましく、特に一般式(1) XCF-C2m-(CH)-OOCC(R)=CH ・・・・・( 1) [式中、XはHまたはF、mは0または1〜20の整
数、nは0または1〜6の整数であり、RはH、CH
、FまたはClを表わす。] で表わされる含フッ素
(メタ)アクリレートと水酸基、カルボキシル基、スル
ホン酸基、リン酸基、アミノ基を有する(メタ)アクリ
レートから選択される少なくとも1種の(メタ)アクリ
レートとを必須成分とする共重合体が好ましい。
【0012】上述する他のビニル単量体としては、非フ
ッ素ビニル単量体であり、例えば非フッ素(メタ)アク
リレート、酢酸ビニル、スチレン、エチレンなどをあげ
ることができ、特に非フッ素(メタ)アクリレートが好
ましい。
【0013】非フッ素(メタ)アクリレートとしては、
分子中にフッ素原子を含まずに、アクリロイル基及び/
またはメタクリロイル基を含む化合物であれば、公知公
用の化合物を制限なく用いることができる。このような
化合物としては例えば、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アク
リレート、i-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチ
ル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレ
ート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリ
レート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ス
テアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メ
タ)アクリレート等の脂肪族基エステル(メタ)アクリ
レート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メ
タ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジ
プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフ
ェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メ
タ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレ
ート、フェノキシジプロピレングルコール(メタ)アク
リレート、フェノキシポリプロピレングルコール(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニ
ル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)
アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メ
トキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート、フ
ェニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキ
シエチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.1.
2.02,6]デカニル(メタ)アクリレートが挙げら
れる。これらの化合物のうち、好ましくは、水酸基、カ
ルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基を有
する(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1
種の(メタ)アクリレートである。
【0014】これらの化合物の中で、少量の導入により
含フッ素共重合体の透明性、他の成分との相溶性ひいて
は硬化物の透光性を向上させる効果のあるものとして、
エステル部置換基が環状構造を有するものがより好まし
い。次にそれを例示するが、例示したもののみ限定され
ない。 A-2-1 : ベンジル(メタ)アクリレート A-2-2 : シクロヘキシル(メタ)アクリレート A-2-3 : ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート A-2-4 : ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート A-2-5 : イソボルニル(メタ)アクリレート A-2-6 : メトキシ化シクロデカリン(メタ)アクリ
レート A-2-7 : フェニル(メタ)アクリレート A-2-8 : ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)
アクリレート A-2-9 : トリシクロ[5.1.2.02,6]デカニ
ル(メタ)アクリレート A-2-10 : アダマンチル(メタ)アクリレート A-2-11 : ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレー
【0015】更にこの中で硬化物の透明性に関する温度
安定性の観点から、ジシクロペンタニル(メタ)アクリ
レート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジ
シクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、
トリシクロ[5.1.2.0 2,6]デカニル(メタ)
アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートが
特に好ましい。
【0016】このような非フッ素(メタ)アクリレート
は1種類だけを用いても良いし、2種類以上をどのよう
な組み合わせで用いても構わない。
【0017】次に、本発明の組成物は、含フッ素アクリ
ル系化合物及び/又はその重合体(A)のほかに必須成
分として官能基を有する(メタ)アクリレート(B)が
添加される。かかる(メタ)アクリレート(B)として
は、基材に対して付着性を向上せしめる官能基を有する
ものが好ましく、例えば水酸基、カルボキシル基、スル
ホン酸基、リン酸基、アミノ基を有する(メタ)アクリ
レートから選択される少なくとも1種の(メタ)アクリ
レートをあげることができ、特に水酸基を有するものが
好ましい。
【0018】上記(メタ)アクリレート(B)のうちの
水酸基を有する(メタ)アクリレートの代表例を挙げれ
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレー
ト、モノ−2−ヒドロキシエチルモノブチルフマレート
または、ポリプロピレングリコールあるいは、ポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、プラクセル
FM、FAモノマー[ダイセル化学(株)製、カプロラ
クトン付加モノマー]のごときα、β−エチレン性不飽
和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類あるいは
これらとε−カプロラクトンとの付加物、アロニックス
M−5700(東亞合成工業株式会社製)等のグリシ
ジル(メタ)アクリレートとモノカルボン酸化合物を付
加物等である。
【0019】カルボキシル基を有する(メタ)アクリレ
ートの代表例を挙げれば、(メタ)アクリル酸、クロト
ン酸、マイレン酸、フマル酸、イタコン酸もしくはシト
ラコン酸の如き不飽和モノ−もしくはジカルボン酸をは
じめ、これらのジカルボン酸と1価アルコールとのモノ
エステル類などのα、β−エチレン性不飽和カルボン酸
類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレー
ト、モノ−2−ヒドロキシエチル−モノブチルフマレー
トまたはポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ートの如き水酸基含有(メタ)アクリレートとマイレン
酸、こはく酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テト
ラヒドロフタル酸、ベンゼントリカルボン酸、ベンゼン
テトラカルボン酸、「ハイミック酸」〔日立化成工業
(株)製品〕、テトラクロルフタル酸もしくはドデシニ
ルこはく酸の如きポリカルボン酸の無水物との付加物な
どがある。
【0020】スルホン酸基を有する(メタ)アクリレー
トの代表例を挙げれば、(メタ)アクリル酸エチルスル
ホン酸等である。
【0021】リン酸基を有する(メタ)アクリレートの
代表例を挙げるにとどめれば、ジアルキル〔(メタ)ア
クリロイロキシアルキル〕ホスフェート類もしくは(メ
タ)アクリロイロキシアルキルアシッドホスフェート
類、ジアルキル〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕
ホスファイト類もしくは(メタ)アクリロイロキシアル
キルアシッドホスファイト類などが挙げられ、さらには
上記(メタ)アクリロイロキシアルキルアシッドホスフ
ェート類、叉はアシッドホスファイト類のアルキレンオ
キシド付加物、グリシジル(メタ)アクリレートやメチ
ルグリシジル(メタ)アクリレートなどエポキシ基含有
ビニル系モノマーとリン酸または亜リン酸あるいはこれ
らの酸性エステル類とのエステル化合物、3−クロロ−
2−アシッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレート
等である。尚、本発明が上記具体例によって、何等限定
されるものでないことは勿論である。
【0022】アミノ基を有する(メタ)アクリレートの
代表例を挙げるにとどめれば、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)
アクリレート類がある。
【0023】ここで、本発明の水酸基、カルボキシル
基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基を有する(メ
タ)アクリレートから選択される少なくとも1種の(メ
タ)アクリレート(B)は、光学材料として、目標とす
る透明性レベルを低下させない量で使用される。目標と
する透明性を低下させない量であれば、使用量に特に制
限はないが、基材との密着性が満足されるレベルででき
るだけ少ない量を使用することが低屈折率性の面から好
ましい。
【0024】本発明で使用される好ましい含フッ素アク
リル系化合物の重合体としては、硬化後屈折率が1.5
0以下であり、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸
基、リン酸基、アミノ基から選択される少なくとも1種
の官能基を有するものであり、前述の一般式(1)で表
される化合物と前述の水酸基、カルボキシル基、スルホ
ン酸基、リン酸基、アミノ基を有する(メタ)アクリレ
ートを必須成分とする共重合体である。
【0025】これらの共重合成分として、前述の非フッ
素(メタ)アクリレートを用いても良いのは勿論であ
り、前述の非フッ素(メタ)アクリレートの中で、少量
の導入により含フッ素共重合体の透明性、他の成分との
相溶性ひいては硬化物の透光性を向上させる効果のある
ものとして、前述のエステル部置換基が環状構造を有す
るA-2-1からA-2-11の如き化合物が挙げられる。その中
で硬化物の透明性に関する温度安定性の観点から、ジシ
クロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテ
ニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ
エチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.1.
2.02,6]デカニル(メタ)アクリレート及びイソ
ボルニル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0026】含フッ素アクリル系化合物の重合体を用い
る場合、重合体の製造方法には何ら制限はなく、公知の
方法、即ちラジカル重合法、カチオン重合法、アニオン
重合法等の重合機構に基づき、溶液重合法、塊状重合
法、更にエマルジョン重合法等によって、熱、光、電子
線、放射線等を重合開始エネルギーとして製造できる
が、工業的には、熱及び/または光を開始エネルギーと
するラジカル重合法が好ましい。
【0027】重合開始エネルギーとしては、熱を利用す
る場合は、無触媒または当業界公知公用の熱重合開始剤
を制限なく使用することができ、例えば、過酸化ベンゾ
イル、過酸化ジアシル等の過酸化物、アゾビスイソブチ
ロニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン等のアゾ
化合物、Mn(acac)3 等の金属キレート化合物等が挙げら
れる。また、紫外線のような光を利用する場合にも当業
界公知公用の光重合開始剤(例えば後述のD−1〜D−
11に示す化合物)を用いることができる。また、必要
に応じてアミン化合物、リン化合物等の公知公用の光増
感剤を添加することにより、重合を迅速化することも可
能である。電子線または放射線よって重合体を得る場合
には、重合開始剤の添加は必要としない。
【0028】更に、ラジカル重合を行う場合には、必要
に応じて公知公用の連鎖移動剤を併用することにより、
分子量を調整することも可能である。連鎖移動剤として
は、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノ−
ル、エチルチオグリコ−ル酸、オクチルチオグリコ−ル
酸、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の化
合物を挙げることができる。尚、本発明が上記具体例に
よって、何等限定されるものでないことは勿論である。
【0029】溶液重合を行う場合、溶剤の種類にも特に
制限はなく、例えば、エタノ−ル、イソプロピルアルコ
−ル、n−ブタノ−ル、iso−ブタノ−ル、tert
−ブタノ−ル等のアルコ−ル類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケト
ン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル
類、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピ
オン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−
オキシプロピオン酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸
メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキ
シプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブ
チル等のモノカルボン酸エステル類、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等
の極性溶剤、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセ
ロソルブ、ブチルカルビトール、エチルセロソルブアセ
テート等のエーテル類、プロピレングリコ−ル、プロピ
レングリコ−ルモノメチルエ−テル、プロピレングリコ
−ルモノメチルエ−テルアセテ−ト、プロピレングリコ
−ルモノエチルエ−テルアセテ−ト、プロピレングリコ
−ルモノブチルエ−テルアセテ−ト等のプロピレングリ
コ−ル類及びそのエステル類、1,1,1−トリクロルエタ
ン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族類、更にパ−フロロオクタン、
パ−フロロトリ−n−ブチルアミン等のフッ素化イナ−
トリキッド類のいずれも使用できる。尚、本発明が上記
具体例によって、何等限定されるものでないことは勿論
である。
【0030】また、含フッ素アクリル系化合物の重合体
として共重合体を製造する場合、モノマーの組み合わせ
により決定されるブロック、交互、ランダムのシークエ
ンスの他に、重合機構、開始剤、連鎖移動剤等の選択に
よりこれらのシークエンスを自由に制御することが可能
である。本発明に関わる重合体は、公知公用の方法にて
製造された重合体であれば、如何なるシークエンスを有
する重合体であっても用いることができる。更に、単独
重合体、共重合体何れの重合体も1種類のみを用いるこ
とも、2種類以上を同時に用いることもできる。
【0031】本発明に係わる含フッ素アクリル系化合物
の重合体の分子量、分子量分布にも特に制限はない。重
合体の分子量は、光学材料を作製する際の該組成物の加
工条件ひいては該組成物の粘度、要求される光学材料の
機械的強度等により変化するが、好ましくは2,000〜3,0
00,000、より好ましくは、5,000〜2,000,000である。さ
らに、粘度、光学材料を作製する際の作業性、光学材料
の力学特性発現等の観点から、分子量の異なる2種類以
上の重合体を該組成物中に導入することも可能である。
【0032】本発明に係わる含フッ素アクリル系化合物
の重合体の該組成物中に於ける含有量は、該組成物を光
学材料を作製する際に要求される最適な粘度、加工方
法、他の組成物との相溶性及びその結果として現れる透
光性により変化するが、該組成物中0.01〜80重量
%、好ましくは0.05〜50重量%、更に好ましくは
0.1〜20重量%である。さらに、本発明者等の知見
によれば、主に屈折率制御の観点から本発明の組成物に
主成分である前記(メタ)アクリレート(B)のほかに
下記一般式(II)にて表わされる単量体(C−1)を
併用することも可能である。 XCF(C2m)-(CH)-OOCC(R)=CH ・・・・・・ (II) (式中、XはFまたはH、mは0〜20の整数、nは0
または1〜6の整数であり、Rは前記と同義を表わ
す。)
【0033】単量体(C−1)は、一般式(II)にて
表わされる化合物であれば公知公用の化合物を制限なく
用いることができる。単量体(C−1)の具体的化合物
としては、以下の如き化合物が挙げられる。
【0034】C-1- 1 : CH=CHCOOCHCHCF17 C-1- 2 : CH=C(CH)COOCHCHCF17 C-1- 3 : CH=CHCOOCHCHC12F25 C-1- 4 : CH=C(CH)COOCHCHC12F25 C-1- 5 : CH=CHCOOCHCHC10F21 C-1- 6 : CH=C(CH)COOCHCHC10F21 C-1- 7 : CH=CHCOOCHCHCF13 C-1- 8 : CH=C(CH)COOCHCHCF13 C-1- 9 : CH=CHCOOCHCHCF C-1-10 : CH=CFCOOCHCHCF13 C-1-11 : CH=C(CH)COOCHCHC20F41 C-1-12 : CH=C(CH)COOCHCHCF C-1-13 : CH=C(CF)COO (CH) C10F21 C-1-14 : CH=C(CH)COOCHCF C-1-15 : CH=CHCOOCHCF C-1-16 : CH=CHCOOCHCF17 C-1-17 : CH=C(CH)COOCHCF17 C-1-18 : CH=C(CH)COOCHC20F41 C-1-19 : CH=CHCOOCHC20F41 C-1-20 : CH=C(CH)COOCHCF(CF) C-1-21 : CH=C(CH)COOCHCFHCF C-1-22 : CH=CFCOOCHCF C-1-23 : CH=CHCOOCH(CH)CF(CF) C-1-24 : CH=C(CH)COOCHCFCFHCF C-1-25 : CH=C(CH)COOCH(CH)C10F21 C-1-26 : CH=CHCOOCH(CF)H C-1-27 : CH=C(CH)COOCH(CF)H C-1-28 : CH=CHCOOCH(CF)H C-1-29 : CH=CHCOOCHCF C-1-30 : CH=C(CH)COO(CF)H C-1-31 : CH=CHCOOCH(CF)H C-1-32 : CH=C(CH)COOCH(CF)H C-1-33 : CH=CHCOOCH(CF)H C-1-34 : CH=C(CH)COOCH(CF)H C-1-35 : CH=CHCOOCH(CF)10H C-1-36 : CH=CHCOOCH(CF)12H C-1-37 : CH=CHCOOCH(CF)14H C-1-38 : CH=CHCOOCH(CF)18H C-1-39 : CH=CHCOOC(CH)(CF)H C-1-40 : CH=CHCOOCHCH(CF)H C-1-41 : CH=C(CH)COOCHCH(CF)H C-1-42 : CH=C(CH)COOC(CH)(CF)H C-1-43 : CH=CHCOOCH(CF)CF17 C-1-44 : CH=CHCOOCHCF C-1-43 : CH=CHCOO(CH)(CF)CF(CF) 尚、本発明が上記具体例によって、何等限定されるもの
でないことは勿論である。
【0035】また、本発明者等の知見によれば、一般式
(II)中のmが9以上のものは、フッ素含有量が高く
低屈折率化に対しては有利であるが、一方では結晶性が
高く硬化物の透明性を低下させる。また、mが0のもの
は他の組成物との相溶性が良好且つ硬化物の透明性も高
いが、フッ素含有量が低いため低屈折率化の実現には不
利である。このような観点から、目的とする屈折率、透
明性、他の組成物との相溶性によっても最適な化合物は
異なるが、低屈折率性と透明性を両立させるためには、
一般式(II)中のmが1〜8のものが好ましく、mが
3〜7のものがより好ましい。
【0036】上記単量体(C−1)は、1種類だけを用
いても2種類以上の化合物を同時に用いても構わない。
尚、一般式の構造からも明らかなように、CF2m部分
は直鎖状であっても分岐状であっても構わない。
【0037】単量体(C−1)を併用する場合、その使
用量には特に制限はないが、目的とする屈折率、単量体
(A)及び単量体(C−1)中のCF鎖長、透明性、
機械的物性等によって異なり、該組成物中5〜80重量
%、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは2
0〜70重量%である。
【0038】さらに、特に後述する一分子中に二つ以上
の(メタ)アクリロイル基を有する多官能単量体(C−
2)も併用することができる。その相溶性向上、硬化物
の透明性、機械的特性向上の観点から、前記(メタ)ア
クリレート(B)としてはそのうちの一般式(II)の
XがHのものを用いることが好ましい。一般に、一般式
(II)中のXがHである単量体(A)の末端構造−C
Hは、一般式(II)中のXがFである単量体
(A)の末端構造−CFと比較し、その表面自由エネ
ルギーが高いことが知られている。従って、−CF
は−CFと比較して組成物中での界面張力を低下させ
易いこと、或いはSP値が変化することにより相溶性が
向上するものと推定できる。このように、含フッ素化合
物と非フッ素化合物との相溶性が向上すれば、目的とす
る特性に対する材料設計の許容範囲が広がり、従来見出
されていなかった新たな組成物を見出すことが可能とな
る。このような点から、一般式(II)中のXがHであ
る化合物は系によっては、非常に重要な役割を果たすこ
とになる。
【0039】本発明では、主に機械的物性、各種耐久性
向上のため、一分子中に二つ以上の(メタ)アクリロイ
ル基を有する多官能単量体(C−2)を導入することが
有効である。多官能単量体(C−2)は、一分子中に二
つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれ
ば公知公用の化合物を制限なく用いることができる。単
量体(C−2)の具体的化合物としては、以下の如き化
合物が挙げられる。
【0040】C-2- 1 : エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート C-2- 2 : ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート C-2- 3 : トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート C-2- 4 : ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート(数平均分子量:150〜1000) C-2- 5 : プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート C-2- 6 : ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート C-2- 7 : トリプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート C-2- 8 : ポリプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート(数平均分子量:150〜1000) C-2- 9 : ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート C-2-10 : 1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリ
レート C-2-11 : 1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリ
レート C-2-12 : 1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート C-2-13 : ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチ
ルグリコールジ(メタ)アクリレート
【0041】
【化1】
【0042】 C-2-16 : ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート C-2-17 : トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート C-2-18 : ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリ
レート C-2-19 : ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)ア
クリレート C-2-20 : ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アク
リレート C-2-21 : トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリ
レート C-2-22 : ジペンタエリスルトールモノヒドロキシペ
ンタ(メタ)アクリレート C-2-23 : ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート
【0043】上記以外の具体例として、ネオマー NA
−305、ネオマー BA−601、ネオマー TA−
505、ネオマー TA−401、ネオマー PHA−
405X、ネオマー TA705X、ネオマー EA4
00X、ネオマー EE401X、ネオマー EP40
5X、ネオマー HB601X、ネオマー HB605
X(以上、三洋化成工業株式会社製)、KAYARAD HY
−220、KAYARAD HX−620、KAYARAD D−31
0、KAYARAD D−320、KAYARAD D−330、KAYA
RAD DPHA、KAYARAD DPCA−20、KAYARAD
DPCA−30、KAYARAD DPCA−60、KAYARAD
DPCA−120(以上、日本化薬株式会社製)等も挙
げられる。尚、本発明が上記具体例によって、何等限定
されるものでないことは勿論である。
【0044】本発明に関わる活性エネルギー線硬化性組
成物を硬化させるためのエネルギー源としては、1種類
以上の光、電子線、放射線等の活性エネルギー線を用い
ることができる。場合によっては、これら活性エネルギ
ー線とともに熱をエネルギー源として併用することも可
能である。活性エネルギー線として紫外線等の光を利用
する場合には、公知公用の光開始剤を触媒として用いる
ことが好ましい。光開始剤の具体例としては、以下の如
き化合物が挙げられる。
【0045】D- 1 : ベンゾフェノン D- 2 : アセトフェノン D- 3 : ベンゾイン D- 4 : ベンゾインエチルエーテル D- 5 : ベンゾインイソブチルエーテル D- 6 : ベンジルメチルケタール D- 7 : アゾビスイソブチロニトリル D- 8 : 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン D- 9 : 2−ヒドロキシ−2−メチルー1−フェニル
−1−オン D-10 : 1−(4’−イソプロピルフェニル)−2−
ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン D-11 : 1−(4’−ドデシルフェニル)−2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロパン−1−オン D-12 : 3,3'4,4'-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボ
ニル)ベンゾフェノン D-13 : 4,4''-ジエチルイソフタロフェン D-14 : 2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オ
ン D-15 : ベンゾインイソプロピルエーテル D-16 : チオキサンソン D-17 : 2−クロロチオキサンソン D-18 : 2−メチルチオキサンソン D-19 : 2−イソプロピルチオキサンソン D-20 : 2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モ
ルフォリノプロパン-1-オン D-21 : 2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフ
ォリノフェニル)-ブタノン-1 D-22 : ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-ト
リメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド D-23 : ビス(2,4,6,-トリメチルベンゾイル)-フェニ
ルフォスフィンオキサイド D-24 : 2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホス
フィンオキサイド 尚、本発明が上記具体例によって、何等限定されるもの
でないことは勿論である。光開始剤は1種類のみを用い
ても、2種類以上を同時に併用しても構わない。これら
の中で、組成物中の単量体との相溶性の観点から、D−
9が特に好まい。
【0046】また、必要に応じてアミン化合物またはリ
ン化合物等の光増感剤を添加し、重合を迅速化すること
もできる。本発明に係わる活性エネルギー線硬化性組成
物中に占める光開始剤の使用量は、0.01〜15重量
%、より好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましく
は0.3〜7重量%である。電子線又は放射線にて重合
硬化させる場合には、特に重合開始剤等の添加は必要と
しない。
【0047】また、本発明に関わる活性エネルギー線硬
化性組成物には、必要に応じて公知公用の各種添加剤を
添加することも可能である。添加剤としては、粘度調整
のための溶剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、
消泡剤、難燃剤、レベリング剤、離型剤、着色剤、表面
改質剤、更にはガラス等の基材との密着性を向上させる
ためのカップリング剤が挙げられる。カップリング剤と
しては、例えば、シラン系、チタン系、ジルコ−アルミ
ネート系が挙げられ、これらの中でジメチルジメトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキ
シシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、フェニルト
リメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチル
トリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン等のシラン系が特に好ましい。尚、本発明が上
記具体例によって、何等限定されるものでないことは勿
論である。
【0048】さらに、該組成物の塗工方法、成形方法等
の加工方法に応じて、主に該組成物の粘度調整を目的
に、公知公用のオリゴマー或いはポリマーを適宜導入す
ることも可能である。
【0049】而して、本発明の活性エネルギー線硬化型
組成物は、硬化後の屈折率が1.50以下、好ましくは
1.43以下となるように調整されるものである。ま
た、本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、特に制
限されるものではないが、硬化後の透過率が好ましくは
80%以上のものが各種用途に適用できることから望ま
しい。更に、屈折率の調整を考慮すると、本発明の活性
エネルギー線硬化型組成物はフッ素原子の含有量が30
%以上のものが好ましい。
【0050】この様にして得られた活性エネルギー線硬
化型組成物は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポ
リエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン類、ポリアミド類、ポリカーボネート類、ポ
リアリレート類、ポリスチレン類、ポリメタクリル酸メ
チル等のアクリル系(共)重合体類等のプラスチック基
材、ガラス、石英ガラス、ネオセラム(日本電気硝子社
製)、バイコール(コーニング社製)およびCLEAR
CERAM(株式会社オハラ製)等の無機基材に塗布し
硬化して使用する。
【0051】本発明に関わる活性エネルギー線硬化性組
成物の塗布方法に特に制限はなく、グラビアコーター、
ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター、カ
ーテンコーター、シャワーコーター、スピンコーター、
ディッピング、スクリーン印刷、スプレー、アプリケー
ター、バーコーター等を用いた方法が挙げられる。
【0052】塗布後、活性エネルギー線を照射すること
により硬化を行い、硬化した活性エネルギー線硬化型組
成物に、透明の両面粘着フィルムを添付あるいは粘着剤
を塗布した後、前述のプラスチック基材あるいは無機基
材を張り合わせることで多層フィルムを製造できる。な
お、活性エネルギー線硬化型組成物の外層に使用される
基材は同じ基材であっても、異なる基材であっても良
い。
【0053】また、塗布後、前述のプラスチック基材あ
るいは無機基材でサンドイッチ構造にした後、活性エネ
ルギー線を照射による硬化を行うことでも、多層フィル
ムを製造できる。その際、活性エネルギー線硬化型組成
物の外層に使用される基材の片面あるいは両面に、凹凸
等の立体模様が施すことにより、光学的な意匠性を有す
る多層フィルムとすることも可能である。
【0054】本発明に関わる活性エネルギー線硬化性組
成物を硬化させるためのエネルギー源としては、公知公
用の装置,エネルギー源を用いることができ、例えば殺
菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンラン
プ、複写用高圧水銀灯、中圧または高圧水銀灯、超高圧
水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光
等を光源とする紫外線、または走査型、カーテン型電子
線加速器による電子線等を使用することができ、厚みが
5μm以下の紫外線硬化の場合、重合効率化の点で窒素
ガス等の不活性ガス雰囲気下で照射することが好まし
い。また、必要に応じて熱をエネルギー源として併用す
ること、活性エネルギー線にて硬化した後熱処理を行う
ことも可能である。
【0055】この様に製造された多層フィルムは、光透
過、屈折、反射、散乱、干渉、偏光等の光機能を有する
材料として、レンズフィルム、拡散フィルム、光反射フ
ィルム、防眩フィルム、プリズムフィルム、位相差フィ
ルム、導光板、導電フィルム、画質向上フィルム、偏光
フィルム等に使用することができる。
【0056】また、本発明に関わる活性エネルギー線硬
化型組成物は、光ファイバクラッド材、光学レンズ、導
波路、液晶封止材、各種光学用シール材、各種保護膜、
光学用接着剤、各種光学部品として幅広く利用すること
も可能である。
【0057】尚、本発明の活性エネルギー線硬化型組成
物からなる層とその前後に積層される他の素材の透明な
層の屈折率を適宜選択することにより、少なくとも3層
からなる各種用途用多層フィルムとすることができる。
【0058】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
するが、これらの説明によって本発明が何等限定される
ものでないことは勿論である。なお、実施例に示した化
合物において、略号の後ろの(A)はアクリレート、
(M)はメタクリレートを表す。
【0059】(製造例1)攪拌機及び温度計を備えた5
00mlのガラス製円筒フラスコに、前記したモノマーを
使用して、A−1−1の91.8g、A−2−4(A)
の1.0g、A−2−5(A)の7.0gおよび光開始
剤として、D−9の0.2gを採取し、窒素置換しなが
ら、側面から80W/cmの高圧水銀灯を1灯照射する
ことにより、室温から発熱により8℃昇温する迄反応を
行った。得られたものは無色透明で粘ちゅうな共重合体
と単量体の混合液体であった。この混合液体をP−1と
する。
【0060】(製造例2)製造例1と同様の反応装置
に、前記したモノマーを使用して、A−1−26の6
2.0g、A−2−4(A)の1.0g、2−ヒドロキ
シエチルアクリレートの7.0gおよび光開始剤とし
て、D−9の0.2gを採取し、窒素置換しながら、側
面から80W/cmの高圧水銀灯を1灯照射することに
より、室温から発熱により8℃昇温する迄反応を行った
後、A−1−26の29.8gにより希釈した。得られ
たものは無色透明で粘ちゅうな共重合体と単量体の混合
液体であった。この混合液体をP−2とする。
【0061】(製造例3)製造例1と同様の反応装置
に、前記したモノマーを使用して、A−1−30の6
5.0g、A−2−4(A)の1.0g、2−ヒドロキ
シエチルアクリレートの6.0gおよび光開始剤とし
て、D−9の0.2gを採取し、窒素置換しながら、側
面から80W/cmの高圧水銀灯を1灯照射することに
より、室温から発熱により8℃昇温する迄反応を行った
後、A−1−26の27.8gにより希釈した。得られ
たものは無色透明で粘ちゅうな共重合体と単量体の混合
液体であった。この混合液体をP−3とする。
【0062】(製造例4)製造例1と同様の反応装置
に、前記したモノマーを使用して、A−1−1の65.
0g、A−2−4(A)の1.0g、A−2−5(A)
の4.0g、アクリル酸の2.5gおよび光開始剤とし
て、D−9の0.2gを採取し、窒素置換しながら、側
面から80W/cmの高圧水銀灯を1灯照射することに
より、室温から発熱により8℃昇温する迄反応を行った
後、A−1−1の27.3gにより希釈した。得られた
ものは無色透明で粘ちゅうな共重合体と単量体の混合液
体であった。この混合液体をP−4とする。
【0063】(製造例5)製造例1と同様の反応装置
に、前記したモノマーを使用して、A−1−1の64.
0g、A−2−4(A)の1.0g、4−ヒドロキシブ
チルアクリレートの6.5gおよび光開始剤として、D
−9の0.2gを採取し、窒素置換しながら、側面から
80W/cmの高圧水銀灯を1灯照射することにより、
室温から発熱により8℃昇温する迄反応を行った後、A
−1−1の28.3gにより希釈した。得られたものは
無色透明で粘ちゅうな共重合体と単量体の混合液体であ
った。この混合液体をP−5とする。
【0064】(製造例6)製造例1と同様の反応装置
に、前記したモノマーを使用して、A−1−1の30.
0g、A−2−4(A)の1.0g、A−1−30の3
5.0g、4−ヒドロキシブチルアクリレートの6.5
gおよび光開始剤として、D−9の0.2gを採取し、
窒素置換しながら、側面から80W/cmの高圧水銀灯
を1灯照射することにより、室温から発熱により8℃昇
温する迄反応を行った後、A−1−1の28.3gによ
り希釈した。得られたものは無色透明で粘ちゅうな共重
合体と単量体の混合液体であった。この混合液体をP−
6とする。
【0065】(製造例7)製造例1と同様の反応装置
に、前記したモノマーを使用して、A−1−30の6
5.0g、A−2−4(A)の1.0g、A−2−5
(A)の6.0gおよび光開始剤として、D−9の0.
2gを採取し、窒素置換しながら、側面から80W/c
mの高圧水銀灯を1灯照射することにより、室温から発
熱により8℃昇温する迄反応を行った後、A−1−30
の27.8gにより希釈した。得られたものは無色透明
で粘ちゅうな共重合体と単量体の混合液体であった。こ
の混合液体をP−7とする。
【0066】(実施例1)製造例1で製造したP−1の
100gと、前記したモノマーを使用して、C−1−1
の2.5g、A−2−4の0.5g、A−2−5の0.
2g、C−2−9(A)の2g、2−ヒドロキシエチル
アクリレートの2.5gおよびD−9の0.5gを遮光
した三角フラスコ中に秤取り、室温にてスターラーチッ
プを用いて攪拌し無色透明な均一液体を得た。得られた
溶液を、アスピレーターを用いて減圧脱泡後1μmフィ
ルター濾過することにより活性エネルギー線硬化性組成
物を得た。計算により求められるフッ素含有量は54%
であった。次に、得られた活性エネルギー線硬化性組成
物を屈折率および透過率測定用として、10mm×40mm
×1mmの硬化試験片が取れるようなガラス製注型枠中に
注入し、ガラス板で覆った。その後に出力120W/c
mの高圧水銀灯にて2000mJ/cmの照射エネルギー
にて完全硬化させることにより該試験片を得た。アッベ
屈折率計で25℃で測定した屈折率は1.39であり、
450nmにおける透過率は、93%であった。さら
に、ポリカーボネート基材にアプリケーターにて得られ
た活性エネルギー線硬化性組成物を塗装後、窒素気流
中、出力120W/cmの高圧水銀灯にて2000mJ/c
mの照射エネルギーにて完全硬化させることにより試
験片を得た。硬化した活性エネルギー線硬化性組成物
に、カッターナイフで、2mm角で25個のクロスカッ
トを行い、セロハンテープによる剥離試験を行った結
果、25で全く剥離しなかった。剥離試験結果は、剥離
なしは25、全部剥離は0で表した。
【0067】(実施例2〜11)用いた単量体及び光開
始剤を以外は実施例1と同様により、活性エネルギー線
硬化性組成物を得、実施例1と同様の評価を行った。表
1〜3に、これらの結果をまとめて示した。なお、表中
の基材は以下の略号で表示した。 PC:ポリカーボネート樹脂、PEN:ポリエチレンナ
フタレート樹脂、 PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂、AC:アク
リル樹脂、 G:ガラス板
【0068】(比較例1&2)前記のP−1及びP−7
をそれぞれ用い、表3に示すように(メタ)アクリレー
ト(B)を使用しないものについて実施例1と同様に評
価した。その結果を表3に示す。
【0069】
【表1】 (注)P−1〜6:A−2−4(A)を使用し、A−2
−5(A)については使用しているものあり。
【0070】
【表2】 (注)P−1〜6:A−2−4(A)を使用し、A−2
−5(A)については使用しているものあり。
【0071】
【表3】 (注)P−1&7:A−2−4(A)及びA−2−5
(A)を使用。
【0072】(実施例12) (多層フィルムの製造例)表面に凹凸模様を施したポリ
カーボネートフィルムに実施例1で得られた活性エネル
ギー線硬化性組成物をバーコーターにて塗装後、出力1
20W/cmの高圧水銀灯にて照射エネルギー量200
0mJ/cmにて窒素雰囲気化で硬化させた。次に、
透明のアクリル両面粘着テープを片面のセパレーターを
剥がし、硬化させた活性エネルギー線硬化性組成物面に
付着させた。さらに片面のセパレーターを剥がした後、
アクリル板を貼り付けることにより、ポリカーボネート
/活性エネルギー線硬化性組成物/アクリル粘着剤/ア
クリル板からなる多層フィルムを得た。ポリカーボネー
トと活性エネルギー線硬化性組成物の屈折率差は、0.
5以上であり、得られた多層フィルムは、レンズシート
として有用であった。
【0073】(実施例13) (多層フィルムの製造例)表面に凹凸模様を施したポリ
エチレンナフタレートに実施例5で得られた活性エネル
ギー線硬化性組成物をバーコーターにて塗装後、出力1
20W/cmの高圧水銀灯にて照射エネルギー量200
0mJ/cmにて窒素雰囲気化で硬化させた。次に、
透明のアクリル両面粘着テープを片面のセパレーターを
剥がし、活性エネルギー線硬化性組成物側に付着させ
た。さらに片面のセパレーターを剥がした後、アクリル
板を貼り付けることにより、ポリエチレンナフタレート
/活性エネルギー線硬化性組成物/アクリル粘着剤/ア
クリル板からなる多層フィルムを得た。ポリエチレンナ
フタレートと活性エネルギー線硬化性組成物の屈折率差
は、0.5以上であり、得られた多層フィルムは、拡散
防止シートとして有用であった。
【0074】(実施例14) (多層フィルムの製造例)表面に凹凸模様を施したポリ
エチレンナフタレートフィルムに実施例10で得られた
活性エネルギー線硬化性組成物をバーコーターにて塗装
後、出力120W/cmの高圧水銀灯にて照射エネルギ
ー量2000mJ/cmにて窒素雰囲気化で硬化させ
た。次に、透明のアクリル両面粘着テープを片面のセパ
レーターを剥がし、活性エネルギー線硬化性組成物側に
付着させた。さらに片面のセパレーターを剥がした後、
アクリル板を貼り付けることにより、ポリエチレンナフ
タレート/活性エネルギー線硬化性組成物/アクリル粘
着剤/アクリル板からなる多層フィルムを得た。ポリエ
チレンナフタレートと活性エネルギー線硬化性組成物の
屈折率差は0.5以上であり、得られた多層フィルム
は、レンズシートとして有用であった。
【0075】(実施例15) (多層フィルムの製造例)表面に凹凸模様を施したポリ
カーボネートフィルムに実施例11で得られた活性エネ
ルギー線硬化性組成物をバーコーターにて塗装後、出力
120W/cmの高圧水銀灯にて照射エネルギー量20
00mJ/cmにて窒素雰囲気化で硬化させた。次
に、透明のアクリル両面粘着テープを片面のセパレータ
ーを剥がし、硬化させた活性エネルギー線硬化性組成物
面に付着させた。さらに片面のセパレーターを剥がした
後、アクリル板を貼り付けることにより、ポリカーボネ
ート/活性エネルギー線硬化性組成物/アクリル粘着剤
/アクリル板からなる多層フィルムを得た。ポリカーボ
ネートと活性エネルギー線硬化性組成物の屈折率差は、
0.5以上であり、得られた多層フィルムは、防眩シー
トとして有用であった。
【0076】(比較例) (多層フィルムの製造例)表面に凹凸模様を施したポリ
カーボネートフィルムに比較例1で得られた活性エネル
ギー線硬化性組成物をバーコーターにて塗装後、出力1
20W/cmの高圧水銀灯にて照射エネルギー量200
0mJ/cmにて窒素雰囲気化で硬化させた。次に、
透明のアクリル両面粘着テープを片面のセパレーターを
剥がし、活性エネルギー線硬化性組成物側に付着させ
た。アクリル板を貼り付けるために、さらに片面のセパ
レーターを剥がす操作を行ったところ、ポリカーボネー
トと活性エネルギー線硬化性組成物の界面で剥離が起こ
り、多層フィルムを製造することができなかった。
【0077】
【発明の効果】本発明のフッ素系活性エネルギー線硬化
性組成物およびそれを用いた多層フィルムは、低屈折率
性及び透明性に優れ、各種光学用途に有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 265/06 C08F 265/06 C09D 133/04 C09D 133/04 133/16 133/16 G02B 6/00 391 G02B 6/00 391 // C09D 4/02 C09D 4/02 5/00 5/00 Z (72)発明者 長尾 憲治 奈良県奈良市二条町2−8−9 Fターム(参考) 2H050 AB44Y AB48Y 4F100 AK25B AK41 AK45 AT00A AT00C BA03 BA04 BA05 BA10A BA10B BA10C BA26 GB90 JB14B JN01 JN18 JN18A JN18C YY00B 4J026 AA45 AC25 BA25 BA27 BA28 BA30 BA34 DA05 DB02 DB05 DB06 DB36 GA07 GA08 GA10 4J038 CG142 CH232 FA112 FA151 FA161 GA03 GA06 GA09 GA12 GA13 GA14 NA17 PA17 PB08 PC02 PC03 PC08 4J100 AJ01Q AJ02Q AJ08Q AJ09Q AL08P AL08R AL09Q AL11R AL26P AL36Q BA02R BA05R BA08Q BA31Q BA56Q BA64Q BA66Q BB17P BB18P BC01R BC03R BC04R BC07R BC09R BC26R BC28R BC43R CA04 CA05 CA06 DA63 JA32

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含フッ素アクリル系化合物及び/又はその
    重合体(A)と官能基を有する(メタ)アクリレート
    (B)とを必須成分とし、且つ硬化後の屈折率が1.5
    0以下である活性エネルギー線硬化型組成物。
  2. 【請求項2】官能基を有する(メタ)アクリレート
    (B)が水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン
    酸基を有する(メタ)アクリレートから選択される少な
    くとも1種の(メタ)アクリレートを必須成分とする請
    求項1記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  3. 【請求項3】含フッ素アクリル系化合物の重合体(A)
    が水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、
    アミノ基から選択される少なくとも1種の官能基を有す
    るものである請求項1または2記載の活性エネルギー線
    硬化型組成物。
  4. 【請求項4】含フッ素アクリル系化合物及び/又はその
    重合体(A)が一般式(1) XCF-C2m-(CH)-OOCC(R)=CH ・・・・・ (1) [式中、XはHまたはF、mは0または1〜20の整
    数、nは0または1〜6の整数であり、RはH、CH
    、FまたはCLを表わす。]で表わされる含フッ素(メ
    タ)アクリレート、一般式(1)にて表わされる含フッ
    素(メタ)アクリレートの単独重合体、一般式(1)に
    て表わされる含フッ素(メタ)アクリレートと1種類ま
    たは2種類以上の非フッ素(メタ)アクリレートとから
    成る共重合体の群から選ばれる少なくとも1種である請
    求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型
    組成物。
  5. 【請求項5】含フッ素アクリル系化合物の重合体(A)
    が一般式(1) XCF-C2m-(CH)-OOCC(R)=CH ・・・・・ (1) [式中、XはHまたはF、mは0または1〜20の整
    数、nは0または1〜6の整数であり、RはH、CH
    、FまたはClを表わす。]で表わされる含フッ素
    (メタ)アクリレートと水酸基、カルボキシル基、スル
    ホン酸基、リン酸基、アミノ基から選択される少なくと
    も1種の官能基を有する(メタ)アクリレートから選択
    される少なくとも1種の(メタ)アクリレート(B)を
    必須成分とする共重合体である請求項1〜4のいずれか
    に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
  6. 【請求項6】組成物中のフッ素含有量が30重量%以上
    である請求項1〜5のいずれかに記載の活性エネルギー
    線硬化型組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかの活性エネルギー
    線硬化型組成物から得られる層が内部層を形成し、少な
    くとも3層以上の多層構造を有する多層フィルム。
  8. 【請求項8】活性エネルギー線硬化型組成物のフッ素含
    有量が30重量%以上である請求項7に記載の多層フィ
    ルム。
  9. 【請求項9】内部層を形成する活性エネルギー線硬化型
    組成物の屈折率と接する少なくともひとつの層の屈折率
    の差が0.5以上である請求項7又は8に記載の多層フ
    ィルム。
  10. 【請求項10】活性エネルギー線硬化型組成物により形
    成される層と接する少なくともひとつの層の表面に立体
    模様が施されている請求項7〜9のいずれかに記載の多
    層フィルム。
  11. 【請求項11】活性エネルギー線硬化型組成物により形
    成される層と接する少なくともひとつの層が熱可塑性樹
    脂である請求項7〜9のいずれかに記載の多層フィル
    ム。
JP2001215125A 2001-07-16 2001-07-16 活性エネルギー線硬化型組成物およびそれを用いた多層フィルム Pending JP2003026734A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001215125A JP2003026734A (ja) 2001-07-16 2001-07-16 活性エネルギー線硬化型組成物およびそれを用いた多層フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001215125A JP2003026734A (ja) 2001-07-16 2001-07-16 活性エネルギー線硬化型組成物およびそれを用いた多層フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003026734A true JP2003026734A (ja) 2003-01-29

Family

ID=19049825

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001215125A Pending JP2003026734A (ja) 2001-07-16 2001-07-16 活性エネルギー線硬化型組成物およびそれを用いた多層フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003026734A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008115213A (ja) * 2006-11-01 2008-05-22 Okura Ind Co Ltd 塗工剤及びそれを用いた反射防止フィルム
JP2008280537A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Lg Chem Ltd ロールプリンティング用インク組成物
US7645502B2 (en) 2003-10-06 2010-01-12 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Anti-dazzling film
WO2011161812A1 (ja) * 2010-06-25 2011-12-29 リケンテクノス株式会社 塗料および積層体
JP2012187934A (ja) * 2008-06-10 2012-10-04 Kaneka Corp フッ素樹脂積層アクリル系樹脂フィルム及びそれを含む成形品
US10167356B2 (en) 2014-12-18 2019-01-01 3M Innovative Properties Company Fluorinated polymers comprising phosphonic moieties
JPWO2019156076A1 (ja) * 2018-02-08 2021-02-12 Agc株式会社 防眩膜付き透明基体

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7645502B2 (en) 2003-10-06 2010-01-12 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Anti-dazzling film
JP2008115213A (ja) * 2006-11-01 2008-05-22 Okura Ind Co Ltd 塗工剤及びそれを用いた反射防止フィルム
JP2008280537A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Lg Chem Ltd ロールプリンティング用インク組成物
JP2012187934A (ja) * 2008-06-10 2012-10-04 Kaneka Corp フッ素樹脂積層アクリル系樹脂フィルム及びそれを含む成形品
US9074058B2 (en) 2008-06-10 2015-07-07 Kaneka Corporation Fluororesin film and fluororesin-laminated acrylic resin film
US10253143B2 (en) 2008-06-10 2019-04-09 Kaneka Corporation Fluororesin film and fluororesin-laminated acrylic resin film
WO2011161812A1 (ja) * 2010-06-25 2011-12-29 リケンテクノス株式会社 塗料および積層体
US10167356B2 (en) 2014-12-18 2019-01-01 3M Innovative Properties Company Fluorinated polymers comprising phosphonic moieties
JPWO2019156076A1 (ja) * 2018-02-08 2021-02-12 Agc株式会社 防眩膜付き透明基体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2045629B1 (en) Resin composition for optical waveguide, resin film for optical waveguide, and optical waveguide
US9056935B2 (en) Photocurable resin composition, method of fabricating optical film using the same, and optical film including the same
JP5359889B2 (ja) クラッド層形成用樹脂組成物およびこれを用いたクラッド層形成用樹脂フィルム、これらを用いた光導波路ならびに光モジュール
JP5321899B2 (ja) クラッド層形成用樹脂組成物、光導波路及び光モジュール
JP6063228B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物
KR101900742B1 (ko) 수지제품
WO2015181984A1 (ja) 光硬化性樹脂組成物
JP6561103B2 (ja) 光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物、硬化物及びその硬化物を用いた光学レンズ、光学レンズ用シートまたはフィルム
JP2003026734A (ja) 活性エネルギー線硬化型組成物およびそれを用いた多層フィルム
JP5347529B2 (ja) クラッド層形成用樹脂組成物およびこれを用いたクラッド層形成用樹脂フィルム、これらを用いた光導波路ならびに光モジュール
JP2000102933A (ja) レンズシート用光硬化性樹脂組成物、レンズシートおよびレンズシートの製法
JP2010091733A (ja) コア部形成用樹脂組成物及びこれを用いたコア部形成用樹脂フィルム、ならびにこれらを用いた光導波路
JP2019019245A (ja) 光硬化性高屈折率樹脂組成物
JP2010091734A (ja) コア部形成用樹脂組成物及びこれを用いたコア部形成用樹脂フィルム、ならびにこれらを用いた光導波路
JP2011037941A (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプラスチックレンズ
US20080015280A1 (en) Photosensitive Composition for Forming Optical Waveguide and Optical Waveguide
JP4029531B2 (ja) 微小立体成形用活性エネルギー線硬化性組成物
JP6894835B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物及び硬化物
JP5466461B2 (ja) 積層体
JP2917709B2 (ja) 樹脂組成物およびそれを用いたプラスチッククラッド光ファイバー
JP2002206010A (ja) 硬化性組成物
JP7058561B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物
JP2012008221A (ja) 光導波路クラッド用樹脂組成物、光導波路クラッド用樹脂フィルム、及びそれを使用した光導波路
JP2009175456A (ja) クラッド層形成用樹脂組成物およびこれを用いたクラッド層形成用樹脂フィルム、これらを用いた光導波路ならびに光モジュール
JP2001074912A (ja) 光学レンズ

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050812