JP2003026061A - ガラス取外し方法およびその装置 - Google Patents

ガラス取外し方法およびその装置

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JP2003026061A
JP2003026061A JP2001209761A JP2001209761A JP2003026061A JP 2003026061 A JP2003026061 A JP 2003026061A JP 2001209761 A JP2001209761 A JP 2001209761A JP 2001209761 A JP2001209761 A JP 2001209761A JP 2003026061 A JP2003026061 A JP 2003026061A
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glass
mounting frame
heating
adhesive layer
coil
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JP2001209761A
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Hirotoshi Fujiwara
弘俊 藤原
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/56Reuse, recycling or recovery technologies of vehicles

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  • Automobile Manufacture Line, Endless Track Vehicle, Trailer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ガラス取外し作業を効率的に行うことができる
ガラス取外し方法を提供することを目的とする。 【解決手段】導電性の取付枠(50)に接着層(40)
を介して接着されたガラス(30)を取外すガラス取外
し方法において、取付枠を高周波誘導加熱して少なくと
も取付枠から接着層を剥離させ得る加熱工程と、この加
熱工程後にガラスを取付枠から取外すガラス取外工程
と、からなることを特徴とするガラス取外し方法。高周
波誘導加熱によって接着層の剥離を可能としたため、予
め樹脂モール等を取り外しておかなくても加熱工程を行
え、ガラス取外し作業がし易い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、取付枠からガラス
を取外すガラス取外し方法とその装置とに関するもので
ある。特に、自動車用ガラスを非破壊状態で取外す際に
有効な、方法と装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車、鉄道用車両、飛行機等は、窓枠
(取付枠)等に種々のガラスが取付けられている。この
ようなガラスは、機械的に固定される場合もあるが、接
着層を介して取付枠に接着固定される場合も多い。後者
の場合、その接着層は、ガラスと取付枠とに強固に固着
しており、ガラスを取付枠から容易に取外すことはでき
ない。しかし、車両のリサイクル、解体、修理、修復、
さらには、ガラス自体の取替え等のために、既に取付け
られているガラスを取付枠から取外す必要が生じ得る。
このような場合、取付枠の内側でガラスを切断した後、
残った接着層やガラスの一部等は別途除去する方法も従
来行われてきた。しかし、この方法では、ガラスを取外
す際にガラス破片が飛散し、ガラスの取外しの作業性も
悪い。また、こうして取外したガラスは原形をとどめな
いために、そのままでは再生できない。つまり、別に粉
砕処理等を行って他用途に再利用するしかなく、リサイ
クル性も悪かった。
【0003】このような状況を踏まえて、特開平11−
267627号公報や特開平11−320138号公報
等には、ガラスを非破壊状態で取外す方法およびその装
置が開示されている。これらの方法は、ガラス側からレ
ーザ光を接着層に向けて照射し、ガラスと接着層との間
の接着界面を熱的に破壊して、ガラスから接着層を剥離
させ、ガラスの取外しを行うものである。特に、自動車
用ガラスの場合、ガラス側に設けられた黒色セラミック
ス層の部分でレーザ光による発熱が効率的になされるこ
とを利用している。この方法によれば、ガラスを破壊す
ることなく、そのまま取外して回収することが可能とな
る。つまり、ほぼ100%に近いリサイクル性を確保し
得る。そして、安全ガラス(合わせガラスや強化ガラ
ス)等の特殊ガラスであっても、低コストで再生でき、
製品単価の低減にも役立つこととなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】それらの公報に開示さ
れた方法の場合、レーザ光を使用するため、レーザ光が
接着界面付近に到達して、その部分を直接的に加熱でき
ることが前提となる。しかし、ガラスの取付部(例え
ば、外周部)付近に、レーザ光を遮蔽する障害物(樹脂
製モール等)が存在すると、先ず、その障害物を取除く
作業が必要となる。また、レーザ光を照射する場合、ガ
ラス側から照射することが必須となる。何故なら、取付
枠は通常金属製等からなり、不透明であるため、取付枠
が障害物となるからである。従って、ガラスの取外し作
業を行う場合、自ずとその作業方向性が決定されてしま
うことになる。本発明は、このような事情に鑑みて為さ
れたものである。つまり、ガラスの取外し作業を効率的
に行えるガラス取外し方法およびその装置を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はこの
課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、
導電性の取付枠を高周波誘導加熱し、少なくとも接着層
を取付枠側から剥離可能としてガラスを取外すことを思
い付き、本発明を完成させるに至ったものである。 (ガラス取外し方法)すなわち、本発明のガラス取外し
方法は、導電性の取付枠に接着層を介して接着されたガ
ラスを取外すガラス取外し方法において、前記取付枠を
高周波誘導加熱して少なくとも該取付枠から前記接着層
を剥離させ得る加熱工程と、該加熱工程後に前記ガラス
を該取付枠から取外すガラス取外工程と、からなること
を特徴とする。加熱工程で、導電性の取付枠を高周波誘
導加熱すると、取付枠の表面温度を急激に上昇させるこ
とができる。そして、取付枠に接着された接着層は、高
温の取付枠から受熱して、その接着力または固着力を無
くし、取付枠から剥離可能となる。その結果、ガラス取
外工程で、容易にガラスを取付枠から取外すことが可能
となる。
【0006】(ガラス取外し装置)本発明者は、上記の
ガラス取外し方法のみならず、それを実現するガラス取
外し装置も開発した。すなわち、本発明のガラス取外し
装置は、高周波の電力を供給する高周波電源と、該高周
波電源から電力供給を受けて交番磁界を発生させる加熱
コイルとからなり、ガラスが接着層を介して接着されて
いる導電性の取付枠に該加熱コイルを近づけて該取付枠
を高周波誘導加熱することにより少なくとも該取付枠か
ら該接着層を剥離可能として該取付枠から該ガラスを取
外しできることを特徴とする。このガラス取外し装置
は、接着層の存在する取付枠の近傍に加熱コイルを近づ
けて、取付枠を高周波誘導加熱するものである。もっと
も、その加熱コイルの近づけ方や移動方法等は問題では
なく、例えば、作業者が手動で加熱コイルを取付枠に近
づけたり、取付枠に沿って加熱コイルを移動させたりし
ても良い。勿論、それらを自動制御化しても良い。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、実施形態を挙げ、本発明を
より詳細に説明する。 (1)高周波誘導加熱 前述した高周波誘導加熱は、高周波損失の内の渦電流損
失(ジュール熱)を主に利用したものである。この渦電
流は、被加熱物(取付枠)の表面を主に流れるため(表
皮効果)、取付枠の表面部分のみ、つまり、接着層を剥
離可能とするために必要な部分のみを効率的に素早く加
熱することができる。ところで、このような加熱を行う
ためには、少なくとも取付枠の表面部分が導電性を有す
ることが必要である。そして、取付枠が、鉄系、アルミ
ニウム系、マグネシウム系、チタン系材料等の金属製か
らなると、自ずと導電性を有するため、好適である。但
し、ここでいう表面部分とは、最表面部を必ずしも意味
しない。例えば、取付枠の表面に塗装が施されていて、
塗膜が介在するような場合でも良い。また、その導電性
も、接着層が剥離可能となるように、取付枠が高周波誘
導加熱され得る程度であれば良い。この高周波誘導加熱
は、交番磁界が取付枠中を透過することにより為される
ものである。その交番磁界が透過する限り、ガラス側か
らも、取付枠側からも高周波誘導加熱を行える。従っ
て、高周波誘導加熱は、レーザ光による加熱等と比較し
て、その作業自由度が非常に大きく、作業性に優れる。
【0008】(2)接着層 接着層は、加熱によりその接着力を低下させ剥離可能と
なるものであれば良い。従って、熱可塑性樹脂等のよう
に、加熱より流動性を示すものでも良い。もっとも、前
記加熱工程で、接着層と取付枠との間の接着界面が加熱
によって界面破壊されるようなものであると、より好適
である。例えば、接着層がウレタン系接着剤からなるも
のであると、好適である。ウレタン系接着剤は、尿素結
合等により取付枠に強固に接着されるが、その接着界面
は所定温度以上の加熱で、容易に界面破壊を起す。そし
て、一旦、界面破壊が生じると、温度が低下してもその
接着力は回復しないため、加熱工程、ガラス取外工程が
容易となる。
【0009】この場合、高周波誘導加熱の出力や加熱時
間等の調整により、接着層と取付枠との接着界面のみを
破壊することも容易である。こうすれば、ガラスを取外
す際に、ガラスと接着層とを一緒に取外すことが可能と
なり、より作業性が向上する。なお、「接着層」は、ウ
レタン系接着剤単体のみならず、取付枠側に塗布される
プライマー(反応剤)等をも含み得る。また、高周波誘
導加熱の程度は、上記目的を達成できる範囲であれば良
いが、必要以上に高温とすることは好ましくない。なぜ
なら、取付枠に施されている塗装を傷める原因となる
し、作業時間や作業コスト等の増大に繋がるからであ
る。そこで、例えば、取付枠の表面温度(接着界面の温
度)が200〜300℃程度になるように、高周波誘導
加熱の程度を調整することが好ましい。
【0010】(3)加熱コイルとその移動手段 加熱コイルは、高周波電源から高周波の電力供給を受け
て、交番磁界を発生させるものである。その巻数、磁気
コアの有無、形状等は適宜選択すれば良い。例えば、巻
数を多くし、磁気コアを設けることで、磁束密度を高め
られる。また、加熱コイルの形状を工夫することで、汎
用性が拡大し、また、奥まった部分の加熱も容易とな
る。例えば、加熱コイルが、取付枠に対向するコイル部
と該コイル部の一端側から屈曲し該コイル部を保持する
保持部とからなると、好適である(図3参照)。
【0011】前述したように、この加熱コイルは、手動
操作されるものでも良いし、自動操作されるものでも良
い。例えば、手動操作される場合なら、加熱コイルをハ
ンディータイプとして操作が容易なようにすると良い。
また、自動操作される場合なら、取付枠に沿って加熱コ
イルを自動的に移動させる移動手段を備えると良い。こ
の移動手段として、例えば、汎用の産業ロボットや自動
制御可能な専用機械等がある。ロボットを使用する場合
なら、加熱コイルを産業ロボットのアーム先端部に取付
け、取付枠の形状に応じて加熱コイルが移動するよう
に、その軌道を予めプログラミングしておくと良い。そ
して、そのプログラムを、取付枠やガラスの種類ごとに
修正、変更または選択すれば、汎用性に優れたガラス取
外し装置が得られる。また、専用機械を使用すれば、さ
らなる作業性の向上や作業時間の短縮を図れる。
【0012】さらに、加熱コイルが取付枠に対向するコ
イル部と該コイル部の一端側から屈曲し該コイル部を保
持する保持部とからなり、前記移動手段が該コイル部を
ガラスの外向きに配向させて移動させる手段であると、
好適である。ガラスを取付枠に接着する接着層は、通
常、ガラスの外周囲に存在する。そして、その外周囲に
は、加熱コイルを移動させる際に障害となり易い物が種
々存在する。そこで、コイル部を外向きに配向させ、よ
り内側にある屈曲した保持部でそのコイル部を保持して
加熱コイルを移動させると、障害物を回避しつつコイル
部が接着層の存在する取付枠の部分をスムーズに加熱で
きる。加熱コイルの形状は、前述した形状に限らず、例
えば、取付枠の全体形状に応じた専用形状であっても良
い。こうすると、加熱コイルの汎用性は低下するもの
の、取付枠に沿って加熱コイルを逐一移動させる必要が
なく、作業時間の短縮を一層図れる。この場合、取付枠
に沿った軌跡を描く移動手段も、必要でなくなる。
【0013】(4)ガラス取外工程とガラス取外手段 取付枠を高周波誘導加熱して接着層を剥離可能とした
後、取付枠に固定されていたガラスを取外すガラス取外
工程を行う。この工程は、手作業で個別に行うこともで
きるし、機械により自動的に取外しを行うこともでき
る。例えば、加熱工程後に、汎用ロボットのアーム先端
に取付けた吸盤をガラスに吸着させて、ガラスの取外
し、搬送を行うこともできる。勿論、汎用ロボットに限
らず、専用機械でも同様の取外しが可能である。なお、
吸盤は、空気の吸引管(または吐出管)の開口を内部に
備え、吸盤内部の気圧制御により、ガラスの吸着と離着
とを切替えできるようにしておくと、より好ましい。い
ずれにしても、本発明のガラス取外し装置が、加熱コイ
ルによる取付枠の加熱後にガラスを取外すガラス取外手
段を備えると好適である。さらに、本発明のようなガラ
ス取外工程を行えば、ガラスを非破壊状態で取外すこと
ができる。つまり、ガラス取外工程を、ガラスを非破壊
状態で取外す工程とすることができる。
【0014】取外すガラスの代表例として、自動車用ガ
ラスを挙げることができる。自動車用ガラスのように、
数多くの種類や形状を有するもの程、非破壊状態で取外
し、回収すことにより、そのリサイクルを著しく高める
ことができる。自動車用ガラスには、フロントウインド
等に使用される合せガラス、クォータウインド等に使用
される強化ガラス、サンルーフ等に使用される熱線吸収
ガラス、リアウインドなどに使用される導電性ガラスな
ど種々のものがある。いずれのガラスにも本発明を利用
できる。そして、これらのガラスの取外しは、自動車を
解体し各部品をリサイクルする場合のみならず、自動車
を修理する場合等にも有効である。また、自動車解体工
場のような大型専用設備の下で行う場合や、自動車修理
工場のような小規模で行う場合等、いずれの状況下で
も、本発明は有効である。勿論、自動車ガラスに限ら
す、鉄道用車両や飛行機などに使用されるガラスを取外
す際にも、本発明は有効である。さらに、移動体の窓ガ
ラス等に限らず、建築物等の固定式窓ガラス等を取外す
際にも本発明は有効である。
【0015】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明する。本発明に係るガラス取外し方法およびその
装置の基本的な構成を図1に示す(第1実施例)。この
ガラス取外し装置1は、高周波電源10と、高周波電源
10から高周波の電力供給を受けて交番磁界を発生させ
る高周波誘導加熱コイル20とからなる。高周波誘導加
熱コイル20は、銅製パイプからなり、環状に一巻され
たコイル部21と、このコイル部21に連なってコイル
部21を保持する保持部22とからなる。なお、高周波
誘導加熱コイル20の銅製パイプ内は、給水ポンプ(図
略)から冷却水が圧送されており、高周波誘導加熱コイ
ル20の溶損等が防止されている。また、高周波誘導加
熱コイル20は、保持部22の端部にある取付部23で
ロボットや専用機械のアームに取付けされるようになっ
ている。
【0016】図1には、自動車用ウインドガラス30を
取外す場合を例示した。この自動車用ウインドガラス3
0は、塗装された鋼板製の窓枠50(取付枠)上に、接
着層40を介して接着固定されている。接着層は、自動
車用ウインドガラス30側のプライマー41と、窓枠5
0側のプライマー42と、それらの間に介在するウレタ
ン接着剤43(ウレタン系接着剤)とからなる。プライ
マー41、42の成分は、ウレタン接着剤43の成分に
応じて適切なものが選択される。例えば、ウレタン接着
剤43はウレタンプレポリマーとイソラマネートとカー
ボンとからなるものであり、プライマー41はシランカ
ップリング剤とMEKと酢酸エチルとカーボンとからな
るものであり、プライマー42はイソシアネート化合物
と酢酸エチルとカーボンとからなるものである。
【0017】次に、ガラス取外し装置1を用いたガラス
取外し方法を説明する。先ず、コイル部21を自動車用
ウインドガラス30に近づける。ここでは、両者の隙間
tを2〜3mm程度に設定した。そして、高周波電源1
0から高周波誘導加熱コイル20に、30kW×10〜
50kHzの高周波電力を供給した。すると、鋼板製の
窓枠50は、その表面温度が急激に上昇した。具体的に
は、数秒間(例えば、5秒程度)の加熱後、窓枠50の
表面温度は200〜250℃に到達した(加熱工程)。
これは、コイル部21から生じた交番磁界が窓枠50を
貫き、窓枠50で高周波損失(主に、渦電流損)による
発熱が生じたためである。ところで、接着層40の自動
車用ウインドガラス30側の接着界面Aおよび接着層4
0の窓枠50側の接着界面Bにおける、接着強度と温度
との関係を図2に示した。接着界面Aは200℃程度で
接着強度が実質的に無くなり、接着界面Bは250℃程
度で接着強度が実質的に無くなることが解った。
【0018】ところで、本実施例によると、接着界面B
の温度をその接着強度が無くなる温度(例えば、250
℃)にまで、高周波誘導加熱によって短時間で昇温で
き、接着層40を窓枠50から剥離可能とできる。接着
層40がウレタン接着剤43からなるとき、接着界面B
で一旦、加熱による界面破壊が生じると、その後に温度
が低下しても、その部分の接着力が回復することはな
い。一方、接着界面Aは、接着強度の低下する温度が接
着界面Bよりも低いが、本実施例による短時間加熱によ
って、その接着強度が急激に低下することはない。なぜ
なら、熱伝導率の低い接着層40が、発熱体である窓枠
50との間に介在しているからである。従って、上述の
ような短時間の高周波誘導加熱を行った場合、接着層4
0は、窓枠50から剥離状態になるとしても、自動車用
ウインドガラス30からは剥離状態とはならない。
【0019】このような高周波誘導加熱を、ロボット
(移動手段)等を使用して、接着層40の存在する全周
に対して順次行っていけば、自動車用ウインドガラス3
0を窓枠50から取外し可能となる。そして、この加熱
工程後にガラス取外工程を行う。ガラス取外工程は、作
業者が吸盤等の工具を用いて手作業で取外しても良い
し、後述の図5、図6に示すガラス取外手段を用いてお
こなっても良い。このガラス取外工程で、自動車用ウイ
ンドガラス30を窓枠50から取外すと、接着層40も
一緒に取外せる。従って、窓枠50から接着層40を別
途除去するといった、作業を削減できる。
【0020】なお、上述の加熱工程で、高周波電源の周
波数、出力、隙間t、加熱時間等は、作業対象や作業目
的により適宜選択されるものである。例えば、ガラスの
取付枠が鋼板製ではなく、アルミニウム合金製、マグネ
シウム合金製等の場合もある。そのような場合、抵抗率
や透磁率が種々異なり、最適な周波数、加熱時間等も異
なる。また、上述の実施例では、接着界面Aを破壊しな
い場合を示したが、加熱時間等を調整して、接着界面B
と共に接着界面Aをも破壊し、ガラスの取外しと併せて
接着層の取外しを行っても良い。
【0021】(第2実施例)本発明に係る第2実施例を
図3に示す。基本的な構成は、前述の第1実施例と同様
であるが、高周波誘導加熱コイル120の形状が前述の
ものと異なる。また、自動車用ウインドガラス130
は、その周囲が樹脂モール132を介して、段付状のウ
インドピラー150(取付枠)にはめ込まれている。ウ
インドピラー150は、自動車ボディと同じ鋼板(導電
性)からなり、表面は塗装されている。そして、自動車
用ウインドガラス130は、前述の接着層40と同様の
接着層140によってウインドピラー150へ接着され
ている。さらに、自動車用ウインドガラス130には、
接着層140を覆い隠すように、黒色セラミック層13
1が貼着されている。
【0022】ところで、本実施例では、高周波誘導加熱
を行うため、黒色セラミック層131や樹脂モール13
2が存在しても、ウインドピラー150の表面(特に、
接着界面C)を素早く効率的に加熱でき、接着層140
の接着界面を破壊できる。さらに、高周波誘導加熱コイ
ル120は、ウインドピラー150に対向するコイル部
121と、そこから連なり略直角に屈曲した保持部12
2とからなる。言換えると、コイル部121は保持部1
22から突出している。そして、コイル部121は自動
車用ウインドガラス130の内側から外側(接着固定さ
れている側)へ配向して配設されている。このため、例
えば、図3に示したような被覆部材160が接着層14
0の上部を覆っているような場合でも、コイル部121
は被覆部材160と自動車用ウインドガラス130との
間に侵入可能である。
【0023】図3に示す状態で高周波誘導加熱コイル1
20が自動車用ウインドガラス130の外周を周回する
と、ウインドピラー150の全周表面が加熱される。こ
の結果、接着界面Cが破壊されて接着層140がウイン
ドピラー150から剥離可能となる。なお、このような
被覆部材160の一例として、自動車のフロントガラス
の下部を覆うボンネットの後端部を挙げることができ
る。
【0024】(第3実施例)本発明に係る第3実施例で
あるガラス取外し装置200を図4に示す。ガラス取外
し装置200は、自動車用ウインドガラス230をボデ
ィ251のウインドフレーム250から取外すための専
用装置である。ガラス取外し装置200は、台車261
に載置された鋼板製のボディ251が挿通可能な鉄骨製
の架台260を有する。また、台座212上にベースが
固定された多軸関節型のロボット210(移動手段)が
架台260の側方に配設されている。このロボット21
0のアーム先端部211には、高周波誘導加熱コイル2
20が取付けられている。また、その高周波誘導加熱コ
イル220を覆うように可撓性の排気ダクト223が設
けられている。排気ダクト223は、架台260のレー
ル上を滑走するスライダー224とロボット210のア
ームとに固定されている。この排気ダクト223によ
り、高周波誘導加熱時に発生するガスや煙が外部に導か
れ処理される。
【0025】また、高周波誘導加熱コイル220には、
可撓性のパイプ222が接続されており、スライダー2
24で保持されている。このパイプ222内には、架台
260の上部に取付けられた高周波電源225に接続さ
れた電気ケーブルと、架台260の上部に取付けられた
給水ポンプ226に配管された冷却水ホースとが内挿さ
れている。なお、給水ポンプ226には、工場を流れる
工業用水(冷却水)が水配管227を介して供給されて
いる。このガラス取外し装置200によれば、本発明で
いう加熱工程を自動的に効率よく行うことができる。ま
た、複数車種の各種データをロボット210の制御装置
等に記憶させておくと、高周波誘導加熱コイル220の
軌跡を車種に応じて自動的に変更することが可能とな
り、好都合である。
【0026】次に、その加熱工程後のガラス取外工程
は、例えば、図5に示すようなガラス取外手段を用いて
行うことができる。これは、ロボット210(ガラス取
外手段)のアーム先端部211に吸盤213を取付け
て、自動車用ウインドガラス230の取外し、搬送を行
えるようにしたものである。吸盤213は、負圧発生装
置(図示せず)に接続された吸入管の開口をその内部に
備える。そして、その内部の気圧制御により、自動車用
ウインドガラス230の吸着と離着とを切替えられるよ
うになっている。その他、ガラス取外手段として、図6
に示すような装置を用いても良い。これは、架台260
を横断するレール265上を移動可能なスライダー26
6に、4つの吸盤267を取付けたものである。この場
合も、自動車用ウインドガラス230の吸着と離着は、
吸盤267内部の気圧制御で行うと良い。
【0027】
【発明の効果】本発明のガラス取外し方法およびその装
置によれば、高周波誘導加熱によりガラス取外し作業が
し易くなり、その作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラス取外し装置の基本構成図で
ある。
【図2】自動車用ウインドガラスの接着に使用される接
着層の接着強度と温度との関係を示した図である。
【図3】本発明に係るガラス取外し装置の第2実施例を
示す主要断面図である。
【図4】本発明に係るガラス取外し装置の第3実施例を
示す全体構成図である。
【図5】本発明に係るガラス取外し装置のガラス取外手
段の一例を示す図である。
【図6】そのガラス取外手段の別例を示す図である。
【符号の説明】
10 高周波電源 20 高周波誘導加熱コイル(加熱コイル) 21 コイル部 22 保持部 30 自動車用ウインドガラス(ガラス) 40 接着層 50 窓枠(取付枠)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性の取付枠に接着層を介して接着され
    たガラスを取外すガラス取外し方法において、 前記取付枠を高周波誘導加熱して少なくとも該取付枠か
    ら前記接着層を剥離させ得る加熱工程と、 該加熱工程後に前記ガラスを該取付枠から取外すガラス
    取外工程と、 からなることを特徴とするガラス取外し方法。
  2. 【請求項2】前記加熱工程は、前記接着層と前記取付枠
    との間の接着界面を加熱によって界面破壊する工程であ
    る請求項1記載のガラス取外し方法。
  3. 【請求項3】前記接着層は、ウレタン系接着剤からなる
    請求項2記載のガラス取外し方法。
  4. 【請求項4】前記ガラス取外工程は、前記ガラスを非破
    壊状態で取外す工程である請求項1記載のガラス取外し
    方法。
  5. 【請求項5】前記ガラスは、自動車用ガラスである請求
    項1または4記載のガラス取外し方法。
  6. 【請求項6】高周波の電力を供給する高周波電源と、 該高周波電源から電力供給を受けて交番磁界を発生させ
    る加熱コイルとからなり、 ガラスが接着層を介して接着されている導電性の取付枠
    に該加熱コイルを近づけて該取付枠を高周波誘導加熱す
    ることにより少なくとも該取付枠から該接着層を剥離可
    能として該取付枠から該ガラスを取外しできることを特
    徴とするガラス取外し装置。
  7. 【請求項7】さらに、前記取付枠に沿って前記加熱コイ
    ルを自動的に移動させる移動手段を備える請求項6記載
    のガラス取外し装置。
  8. 【請求項8】さらに、前記加熱コイルによる前記取付枠
    の加熱後に前記ガラスを取外すガラス取外手段を備える
    請求項6または7記載のガラス取外し装置
  9. 【請求項9】前記加熱コイルは、前記取付枠に対向する
    コイル部と該コイル部の一端側から屈曲し該コイル部を
    保持する保持部とからなる請求項6に記載のガラス取外
    し装置。
  10. 【請求項10】前記加熱コイルは、前記取付枠に対向す
    るコイル部と該コイル部の一端側から屈曲し該コイル部
    を保持する保持部とからなり、 前記移動手段は、該コイル部を前記ガラスの外向きに配
    向させて移動させる手段である請求項7記載のガラス取
    外し装置。
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