JP2003024766A - 充填塔の液体分配器 - Google Patents

充填塔の液体分配器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流出システムにより邪魔されることのない主
通路を通して液体が流されて二次通路へ導かれ、平静な
流れとして二次通路の流出システムへ流入されるように
した「要素分配器」式の好ましく安価な液体分配器を提
供する。 【解決手段】 充填塔（６）の液体分配器（１）は、主
通路（２）、複数の二次通路（３）、および主通路の流
出システム（５）を有する。分配すべき液体（４）は、
この流出システムにより予め定められた比率で二次通路
３に給送されることができる。流出システム（５）は主
通路の側壁の開口（２０）と、この開口から流出する液
体（４１）のための二次通路に組み合わされたガイド部
材（５０）とを含む。液体の誘導については関連する二
次通路へ液体（４２）が導かれるようにガイド部材が設
計される。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、充填物（ｐａｃｋ
ｉｎｇ）上を流れるガス流と液体流との間で物質交換を
行うために備えられる請求項１の前文に記載された充填
塔若しくはカラム（ｃｏｌｕｍｎ）用の液体分配器、お
よびそのような液体分配器を有する充填塔に関する。
【０００２】
【従来の技術】液体の分配不良を全く生じることのない
充填塔の良好な効率を得るためには、充填塔（ｐａｃｋ
ｉｎｇ）の内面の隅々に亘って均等に分配されて液体が
流れ落ちることが必要である。分配不良が生じないよう
にするためには、液体は均等且つ十分微細に分配されて
充填物上に注ぎ込まれねばならない。これは、通路シス
テムを経て、また流出システムを使用して、液体を充填
物上に分配する適当に設計された液体分配器によって可
能となる。
【０００３】「要素分配器（ｅｌｅｍｅｎｔ ｄｉｓｔ
ｒｉｂｕｔｏｒ）」という名称を与えられている周知の
液体分配器では、通路システムは主通路および複数の二
次通路により構成され、二次通路は主通路の下側に配置
される。分配すべき液体は、主通路の流出システムによ
って予め定められている比率で二次通路へ給送される。
一般にこの比率は、二次通路と組み合わされた充填塔の
表面の部分面積の比率に等しく、液体はこの部分面積の
面積に比例して分配される。液体は、二次通路の流出シ
ステムを通して分配器から流出する。二次通路の流出シ
ステムは、例えば排出パイプや衝突プレートを備えた複
数の側部開口、または複数の底部開口として形成され
る。改良すべき分配器の主通路の流出システムは底部へ
向かって開かれたフード状のチャンバによって一般に構
成され、これらのフード状チャンバは二次通路に相当す
る四角い開口の上側に位置する主通路の底部に配列され
ており、チャンバの下縁は一般に溶接されるなどの方法
で開口の縁部にシールされた状態で連結される。これら
のチャンバの側壁の開口は、主通路から流出した液体を
組み合う二次通路へ流入させる。この流入時に、途切れ
たりむらのある流れの場が生じ、これが二次通路の流出
システムにおける著しく不安定な変動した流出流れを形
成することになる。主通路に関しては、フード状チャン
バが分配すべき液体の流れに利用できる通路断面積を制
限すること、および溶接作業のために構造が比較的高価
となるという欠点がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、流出
システムにより邪魔されることのない主通路を通して液
体が流されて、二次通路へ導かれ、平静な流れとして二
次通路の流出システムへ流入されるようになされた「要
素分配器」式の好ましく安価な液体分配器を提供するこ
とである。この目的は、請求項１に記載された液体分配
器によってかなえられる。
【０００５】
【課題を解決するための手段】この液体分配器は、主通
路と、複数の二次通路と、主通路の流出システムとを有
する。分配すべき液体は、この流出システムによって予
め定めた比率で二次通路へ給送されることができる。流
出システムは主通路の側壁の開口と、この開口から流出
する液体のための二次通路に組み合わされたガイド部材
とを含む。液体の誘導については、それぞれ関連する二
次通路へ液体が導かれるようにガイド部材は設計され
る。
【０００６】請求項２から請求項８までの従属項は、本
発明の液体分配器の有利な実施例に関する。請求項９は
本発明の液体分配器を有する充填塔に関する。
【０００７】本発明は以下に図面を参照して説明され
る。
【０００８】
【発明の実施の形態】図１に簡略化して示された液体分
配器１は周知の「要素分配器」であり、主通路２と、頂
部に向かって開かれている二次通路３とを含む。液体分
配器１を安定して設置するための構造部材は図示されて
いない。液体４を均等に分配して充填物７（図３参照）
上に注ぐための、また図示した液体分配器１では基部開
口によって構成されると想像できる二次通路３の流出シ
ステム３０も同様に図示されていない。
【０００９】破断して内部を示されている壁部は、上述
した主通路２の流出システムを明かにしている。これは
フード状チャンバ２１で構成されており、これらのチャ
ンバは開口の上方の主通路２の床面に配列されている。
チャンバの下縁は開口の縁部にシール状態で連結されて
いる。開口２２は、主通路２を流出した液体４をチャン
バ２１に組み合わされた二次通路３へ流入させる。
【００１０】図２に部分的に示された液体分配器１によ
れば、分配すべき液体が主通路２の流出システム５によ
って予め定められた比率で二次通路へ給送できることを
認識できる。流出システム５が主通路２の側壁の開口２
０と、この開口から流出する液体４１（図３）のための
二次通路３に組み合わされたガイド部材５０とを含むの
が本発明による液体分配器１である。図１に示した流出
システムとは対照的に、流出システム５は主通路２を流
れる液体４の障害物をもはや形成しない。
【００１１】開口２０は個数および寸法において、液体
４を二次通路へ分配すべき予め定められた比率と等し
い。
【００１２】各々のガイド部材５０の流れ方向に横断面
が狭くなっており、この形状によって損失なくジェット
４２の形状で液体４を組み合う二次通路３に流入させる
液体の誘導が行われる。基本的に主通路２を流出する液
体ジェット４１の水平方向の速度成分だけがガイド部材
５０における液体の誘導の影響を受ける。二次通路３へ
向かう速度成分は主に影響されないで保持される。液体
ジェット４１は、二次通路３内に平静な流れを形成する
ように、大きな水平方向の速度成分と小さな垂直方向の
速度成分を有して二次通路へ流入する。したがって僅か
な変動の影響しか受けない二次通路３の流出システム３
０を流出する液体４４の分配が達成される。すなわち、
液体の分配は変動が非常に僅かである。
【００１３】本発明の液体分配器１では、開口２０は主
通路の長手方向範囲の全体に亘って分布されて配置でき
る。これは、開口２０を比較的大きな間隔を隔てて位置
決めして、開口２０が互いに非常に接近して配置される
場合よりも隣接する開口２０の相互の影響を小さくする
ことができる。
【００１４】図３に示した充填塔６の上部を通る長手方
向の断面は、横断面とされた主通路２、長手方向の断面
とされた二次通路３、および定められた充填物７の上部
を示しており、充填物は、例えば、交差通路構造を形成
するように波形の材料面で構成される。処理すべき液体
４はパイプ１０を経て主通路２へ給送され（矢印４
０）、そこからガイド部材５０を経て二次通路３へ給送
される。そこにおいて液体４は、液体ジェット４２によ
って駆動される循環流４３を経て、主に均等な状態で流
出システム３０（図示せず）へ供給される。
【００１５】図４および図５には、本発明の液体分配器
の３つの実施例の詳細が示されており、これらは異なる
状態に形成されたガイド部材５０，５０’，５０’’に
よって相違する。一般に、図４とは対照的に一定した形
式の誘導機構が使用される。この構造をさらに良好に示
すために、各例においてガイド部材５０，５０’，５
０’’の前部５０ａならびに二次通路３の対応する部分
を切除した状態で示されている。切除部分５０ａの側縁
および前縁５００は一点鎖線で示されている。二次通路
３の上部側縁３１も同様に一点鎖線で示されている。
【００１６】一般に１つのガイド部材５０または５０’
が、主通路２の２つの長手方向の側面にて対称的に各々
の二次通路３と組み合わされる。しかしながら、例えば
唯一のガイド部材５０’’（図６を参照）のそれぞれ
が、偏倚して配置された状態で二次通路３に組み合わさ
れることも可能である。
【００１７】図４の第１のガイド部材５０は図２に示し
たガイド部材と同じである。このガイド部材５０および
第２のガイド部材５０’は、適当な形状のシート金属片
を成形することでそれぞれ作られる。これらのガイド部
材は二次通路３の長手方向に向けられた垂直面に対して
鏡像対称の状態に形成される。
【００１８】ガイド部材５０は頂部に向かって閉じられ
ている。すなわち、１つの傾斜したルーフ面５１と、２
つの垂直フランク５２と、２つの三角形の面積部分５２
と、二次通路３の側面部分３５の間に初期応力を与えて
挿入された２つのフランク５４とによって構成される。
開口２０を通して主通路から流出する液体４は、まず最
初に浅い角度のルーフ面５１により下方へ誘導され、ガ
イド部材５０の壁部５２，５３に沿って前縁５００へ導
かれ、二次通路３へ流入してその全幅に亘って分配され
る。
【００１９】ガイド部材５０’は頂部へ向かって開かれ
ており、次の面積部分を有する。すなわち、垂直側面５
２’と、傾斜した三角形面５３’と、二次通路３内に突
き出た垂直壁部分５４’と、水平連結面５５’とを有し
ている。開口２０を流出するパラボラ状の液体ジェット
４１は、水平連結面５５’に直接に衝突するか、壁部５
２’，５３’によって誘導され、水平連結面上を流れて
二次通路３の内部空間へ流入し続ける。
【００２０】図５は、２つの隣接する二次通路３の上を
延在する非対称に形成されたガイド部材５０’’を示し
ている。これは次の面積部分を有する。すなわち、上部
側面５１’’と、側部フランク５２’’，５２０’’
と、三角形面５３’’とを有する。ガイド部材５０’’
は図６の平面図に示されるように位置することが液体分
配器１にとって適当である。１つの二次通路につき２つ
の対称的なガイド部材５０が中央領域に備えられ、また
非対称のガイド部材５０’’が外側領域に備えられるこ
とができる。
【００２１】二次通路３の流出システム５は、そのガイ
ド部材５０が主通路２および二次通路３に対して形状の
固定された連結を形成するような本発明の液体分配器１
の作製に、連結技術を使用できるようにする。ガイド部
材５０，５０’，５０’’はそれらが組み合う二次通路
３に対して装着されるが、シール状態での連結、特に溶
接結合はもはや必要ない。これは、低費用での製造を可
能にする。使用する場所でガイド部材５０を装着するこ
とも利点である。それらは同様にそこで分解でき、これ
は液体分配器１の洗浄に対して良好なアクセス性を与え
る。
【００２２】二次通路３上に装着されたガイド部材５０
は、各例にて解除可能なスナップまたはプラグ連結によ
り二次通路３の側壁３５に好ましく固定される。そのよ
うなスナップ連結の半分の部分が図７に示されている。
図４に示されたガイド部材５０のフランク５４には、そ
のフランク５４の平面から弾性的に撓めることのできる
舌５４０が備えられている。舌５４０には開口５４１が
含まれており、前記開口５４１は真っ直ぐな下縁５４２
を有する。ガイド部材５０が二次通路３上に押さえつけ
られると（矢印５３０）、舌５４０は二次通路３の側壁
３５上を活動して、下縁５４２の２つの端部箇所は一点
鎖線で示す線３５０上を移動する。エンボス加工で形成
され、二次通路３の内部空間に突出する縁部３５２を有
する側壁３５の隆起部３５１は舌５４０の開口５４１内
にラッチ係合する。２つの縁部５４２，３５２はそれら
が舌５４０の最下可能位置にて互いにほぼ同一面内に位
置するように形成且つ配置され、したがってスナップ連
結を形成する。同じスナップ連結が図７に示されていな
い二次通路５の平行な側壁にも備えられている。隆起部
３５１が開口５４１内にラッチ係合した後、スナップ連
結を解除するために舌５４０は多少持ち上げることがで
きる。
【００２３】ガイド部材の位置はラッチ連結によって、
すなわち隆起部３５１の位置によって正確に初期設置さ
れる。液体分配器１が取り付けられると、測定するいか
なる作業も必要なく、二次通路の芯出しが得られる。さ
らに、二次通路３に対して固定的に押し付けられたガイ
ド部材５０により、二次通路３に対する主通路２の安定
した位置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】主通路および二次通路を有する周知の液体分配
器の簡略化した図。
【図２】本発明の液体分配器の部分図。
【図３】充填塔の上部を通る長手方向の断面図。
【図４】本発明の液体分配器の３つの実施例のうちの２
つの詳細図。
【図５】本発明の液体分配器の３つの実施例のうちの他
の１つの詳細図。
【図６】図５に示した形式に属する液体分配器の平面
図。
【図７】ガイド部材と二次通路とのスナップ連結の詳細
図。
【符号の説明】
１ 液体分配 ２ 主通路 ３ 二次通路 ４ 液体 ５ 流出システム ６ 充填塔 ７ 充填物 １０ パイプ ２０ 開口 ２１ チャンバ ２２ 開口 ３０ 流出システム ３１ 上部側縁 ３５ 側面部分 ４１ 液体ジェット ４２ 流体ジェット ４３ 循環流 ５０，５０’，５０’’ ガイド部材 ５０ａ 前部 ５１ ルーフ面 ５１’ ルーフ面 ５１’’ 上部側面 ５２ 三角形の面積部分 ５２’ 垂直側面 ５２’’ 三角形の面積部分 ５３’ 三角形面 ５４ フランク ５４’ 垂直壁部分 ５５’ 水平連結面 ３５１ 隆起部 ３５２ 縁部 ５００ 前縁 ５４０ 舌 ５４１ 開口 ５４２ 下縁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アドリアン ファオスト スイス国 バルタースヴィル、ローシュト ラーセ 32 (72)発明者 マルクス フィッシャー ドイツ連邦共和国 コンスタンツ、マイエ ンフィツュシュトラーセ 13 Ｆターム(参考） 4D076 BB04 CC24 4G068 AA03 AB11 AC07 AD03 AD08 AD42 AF19 4G075 AA02 BB10 BD03 BD13 DA02 EA01 EB09 EE03 EE34

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 主通路（２）、複数の二次通路（３）、
    および分配すべき液体を予め定めた比率にしたがって二
    次通路へ配給できる主通路の流出システム（５）を有す
    る充填塔の液体分配器であって、流出システム（５）が
    主通路の側壁の開口（２０）と、この開口から流出する
    液体（４１）のための二次通路に組み合わされたガイド
    部材（５０）とを含み、液体の誘導に関して関連する二
    次通路へ液体（４２）を導びくように前記ガイド部材が
    設計されていることを特徴とする液体分配器。
  2. 【請求項２】 各ガイド部材（５０）が液体をガイドす
    る流れ方向に狭くなる横断面を有すること、また液体の
    誘導が実質的に水平方向の速度成分にのみ影響を及ぼ
    し、二次通路（３）に向かう速度成分は主に影響を受け
    ないようにされることを特徴とする請求項１に記載され
    た液体分配器。
  3. 【請求項３】 ガイド部材（５０）が関連する二次通路
    （３）上に装着され、好ましくは解除可能なスナップ式
    連結具（３５２，５４２）によって二次通路の側壁（３
    ５）に固定されたことを特徴とする請求項１または請求
    項２に記載された液体分配器。
  4. 【請求項４】 ２つのガイド部材（５０，５０’）が対
    称的に各々の二次通路（３）に組み合わされるか、また
    はガイド部材が偏倚して配置された状態でそれぞれ唯一
    のガイド部材（５０’’）が二次通路に組み合わされた
    ことを特徴とする請求項１から請求項３までのいずれか
    一項に記載された液体分配器。
  5. 【請求項５】 二次通路（３）の長手方向に向けられた
    垂直面に対してガイド部材（５０，５０’）が鏡面対称
    および（または）非対称の状態で形成されたことを特徴
    とする請求項１から請求項４までのいずれか一項に記載
    された液体分配器。
  6. 【請求項６】 それぞれのガイド部材（５０，５０’，
    ５０’’）が適当な形状のシート金属片を成形して作ら
    れていることを特徴とする請求項１から請求項５までの
    いずれか一項に記載された液体分配器。
  7. 【請求項７】 ガイド部材（５０，５０’’）が頂部に
    向かって閉じられていることを特徴とする請求項６に記
    載された液体分配器。
  8. 【請求項８】 ガイド部材（５０’）が頂部へ向かって
    開かれていることを特徴とする請求項６に記載された液
    体分配器。
  9. 【請求項９】 請求項１から請求項８までのいずれか一
    項に記載された液体分配器（１）を有する充填塔。
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