JP2003023643A - 撮影装置、並びに色分解光学系 - Google Patents

撮影装置、並びに色分解光学系

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JP2003023643A JP2001206991A JP2001206991A JP2003023643A JP 2003023643 A JP2003023643 A JP 2003023643A JP 2001206991 A JP2001206991 A JP 2001206991A JP 2001206991 A JP2001206991 A JP 2001206991A JP 2003023643 A JP2003023643 A JP 2003023643A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被写体の分光情報を推定するに必要な
バンド数よりも少ない数の撮像素子で、必要なバンド数
のマルチバンド画像を同時に撮影すること。 【解決手段】 本発明は、撮像レンズから入力した光
をハーフミラーで2つの光路に分割し、一方の光から輝
度画像を生成し、他方の光を短波長成分と長波長成分に
分割し、短波長成分の光および長波長成分の光からそれ
ぞれ被写体の分光情報を推定し、推定した被写体の分光
情報から算出した測色値の明度情報を明度信号変換部の
変換した明度信号にセル単位で置換することで、高精細
性と高色忠実性を同時に実現した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被写体の分光情報を
正確に推定できる撮像装置、並びに色分解光学系に関す
る技術である。
【0002】
【従来の技術】ディジタル化と集積技術の進歩によっ
て、高精細画像を取得できるビデオカメラ、デジタルカ
メラ、スチルカメラ、スキャナなどの撮像装置の開発が
盛んである。カラーマネジメントの観点から見ると、撮
像装置は被写体の測色値、あるいは分光情報を正確に取
り込む必要があり、撮像素子の出力信号から被写体の測
色値、あるいは分光情報を推定する推定精度の向上が鍵
となる。円滑な色情報交換のために、近年のデジタルカ
メラではsRGB信号を標準信号として出力することが
主流となっている。
【0003】しかし、R、G、Bの3つの色フィルタを
持つ撮像素子の出力信号を線形変換して被写体の測色値
を正確に求めるには、色フィルタの分光透過率分布が等
色関数の線形結合で表現できる、いわゆるルーター条件
を満たす必要がある。ルーター条件が満たせない場合に
は、撮像素子の出力信号に非線形変換を施す必要があ
る。これは、正確な測色的推定が困難な場合が多く、s
RGB信号への変換誤差が生じやすい。仮に測色的推定
が正確に実現できても、条件等色の問題が残り、被写体
の分光反射率を正確に推定することが望まれる。
【0004】しかし、被写体の分光反射率を400nm
から700nmの可視域で10nmおきに離散的に推定
する場合、分光反射率ベクトルは31次元ベクトルとな
る。よって、分光反射率ベクトルの次元数(つまり3
1)と撮像素子のチャネル(つまり3)の違いから、3
バンドカメラでの分光反射率推定が容易でないことが理
解できる。
【0005】以上のように、R、G、Bの3つの色フィ
ルタを用いた3バンド撮像装置では、正確な色情報推定
が困難であるため、バンド数を増やしたマルチバンド撮
像装置が有効な手段となる。
【0006】たとえば杉浦らは、「分光画像の入力系シ
ステム(カラーフォーラムJAPAN‘99、P65−
P72)」で、5枚のバンドパスフィルタと1つの撮像
素子を用いて時分割方式でマルチバンド画像を撮影する
マルチバンドカメラの技術を開示している。このように
バンド数を増やせば、分光推定の精度は向上するが、子
の方法は時分割撮影方式のため、撮影回数が増加する問
題が発生する。
【0007】そこで、近年、バンド数と色推定精度のト
レードオフに関連した研究(たとえば、村上ら「正確な
色再現が可能なカラー画像システムの開発(カラーフォ
ーラムJAPAN‘99、P5−P8)」など)が盛ん
に行われ、5バンドから10バンド程度が適当とする研
究報告がなされている。
【0008】しかし、時分割方式はバンド数の分だけ撮
影時間が長くなり、動く被写体を撮影することが困難に
なる。そこで、特開平4−329322号公報には、バ
ンドパスフィルタごとに撮像素子を設け、マルチバンド
画像を同時撮影する技術が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の同時撮影方式マルチバンド撮像装置においては、以
下のような課題を残す。
【0010】近年の学会への研究報告では、上述したよ
うに、正確な被写体の分光反射率推定には少なくとも5
バンド以上は必要であるとしている。そこで、バンドパ
スフィルタごとに撮像素子を設ける方式では、最低でも
5つの撮像素子が必要である。さらに、撮像レンズから
入力した光を5つの光路に分ける色分解光学系が必要に
なり、装置サイズと重量の増大を招く。また、色分解光
学系のサイズが大きくなると、撮像レンズから撮像素子
までの距離が長くなり、その結果、撮像レンズの口径の
増大をも併発し、撮像装置のコストアップを引き起こ
す。
【0011】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、被写体の分光情報を推定するに必要なバンド数より
も少ない数の撮像素子で、必要なバンド数のマルチバン
ド画像を同時に撮影することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、撮像レンズから入力した光をハーフミラー
で2つの光路に分割し、一方の光から輝度画像を生成
し、他方の光を短波長成分と長波長成分に分割し、短波
長成分の光および長波長成分の光からそれぞれ被写体の
分光情報を推定し、推定した被写体の分光情報から算出
した測色値の明度情報を明度信号変換部の変換した明度
信号にセル単位で置換するようにした。
【0013】これにより、視覚系の解像力の高い輝度成
分情報を高精細に保ちつつ、分光推定に必要なバンド数
より少ない数の撮像素子で複数バンド画像を同時に撮影
でき、動きの速い被写体のスチル画像撮影や動画撮影が
可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の第1の態様にかかる撮像
装置は、撮像レンズからの光を2つの光路に分割するハ
ーフミラーと、前記ハーフミラーで分割された一方の光
を受光して前記被写体の輝度情報を取得する輝度撮像素
子と、前記輝度情報から輝度信号を生成し出力する輝度
信号生成部と、前記輝度信号を明度信号に変換する明度
信号変換部と、前記ハーフミラーで分割された他方の光
を短波長成分と長波長成分に分割するダイクロイックミ
ラーと、前記短波長成分の光を異なる複数の色フィルタ
を通して異なる複数の受光セルで受光し、受光した光に
対応する色信号を出力する短波長成分撮像素子と、前記
長波長成分の光を異なる複数の色フィルタを通して異な
る複数の受光セルで受光し、受光した光に対応する色信
号を出力する長波長成分撮像素子と、前記短波長成分撮
像素子と前記長波長成分撮像素子の出力する前記色信号
から被写体の分光情報を推定する被写体分光情報推定部
と、前記分光情報から算出した測色値の明度情報を前記
明度信号変換部の変換した明度信号に前記受光セル単位
で置換するセル単位明度信号置換部と、を具備する構成
を採る。
【0015】このように、視覚系の解像力の高い明度成
分情報を前記輝度撮像素子で高精細に取得し、同時に前
記短波長成分撮像素子と前記長波長成分撮像素子から取
得された測色値の明度成分のみを前記輝度撮像素子から
の明度成分情報で撮像素子の受光セル単位に置換するこ
とによって、前記短波長成分撮像素子と前記長波長成分
撮像素子の受光セルに具備された色フィルタの種類より
少ない2つの撮像素子でマルチバンド画像を同時に撮影
でき、動きの速い被写体のスチル画像撮影や動画撮影が
可能になる作用を有する。
【0016】本発明の第2の態様にかかる撮像装置は、
撮像レンズからの光を2つの光路に分割するハーフミラ
ーと、前記ハーフミラーで分割された一方の光を受光し
て前記被写体の輝度情報を取得する輝度撮像素子と、前
記輝度情報から輝度信号を生成し出力する輝度信号生成
部と、前記輝度信号を明度信号に変換する明度信号変換
部と、前記ハーフミラーで分割された他方の光を短波長
成分と長波長成分に分割するダイクロイックミラーと、
前記短波長成分の光を異なる複数の色フィルタを通して
異なる複数の受光セルで受光し、受光した光に対応する
色信号を出力する短波長成分撮像素子と、前記長波長成
分の光を異なる複数の色フィルタを通して異なる複数の
受光セルで受光し、受光した光に対応する色信号を出力
する長波長成分撮像素子と、前記短波長成分撮像素子と
前記長波長成分撮像素子の出力する前記色信号から被写
体の分光情報を推定する被写体分光情報推定部と、前記
分光情報から算出した測色値を前記輝度信号により前記
受光セル単位でスケーリングするセル単位測色値スケー
リング部と、を具備する構成を採る。
【0017】このように、視覚系の解像力の高い輝度成
分情報を前記輝度撮像素子で高精細に取得し、同時に前
記短波長成分撮像素子と前記長波長成分撮像素子から取
得された測色値を前記輝度撮像素子からの輝度成分情報
で撮像素子の受光セル単位にスケーリングすることによ
って、前記短波長成分撮像素子と前記長波長成分撮像素
子の受光セルに具備された色フィルタの種類より少ない
2つの撮像素子でマルチバンド画像を同時に撮影でき、
動きの速い被写体のスチル画像撮影や動画撮影が可能に
なる作用を有する。
【0018】本発明の第3の態様は、第1の態様または
第2に態様にかかる撮像装置において、前記短波長成分
撮像素子全体の前記色フィルタの配置は隣接する複数の
前記セルからなる単位ブロックの繰り返しパターンとな
っていて、前記短波長成分撮像素子の前記色フィルタは
前記単位ブロック内で互いに異なる分光透過率分布を持
ち、かつ前記単位ブロック内におけるすべての前記色フ
ィルタの分光透過率分布を組み合わせると前記短波長成
分の光の波長帯域をカバーする。
【0019】このように、ダイクロイックミラーが分割
した短波長成分の光を無駄なく受光し、視覚系の解像力
の低い色成分情報を単位ブロックごとで取得することに
より、1つに撮像素子で複数のマルチバンド画像を撮影
できる作用を有する。
【0020】本発明の第4の態様は、第1の態様または
第2の態様にかかる撮像装置において、前記長波長成分
撮像素子全体の前記色フィルタの配置は隣接する複数の
前記セルからなる単位ブロックの繰り返しパターンとな
っていて、前記長波長成分撮像素子の前記色フィルタは
前記単位ブロック内で互いに異なる分光透過率分布を持
ち、かつ前記単位ブロック内におけるすべての前記色フ
ィルタの分光透過率分布を組み合わせると前記長波長成
分の光の波長帯域をカバーする。
【0021】このように、ダイクロイックミラーが分割
した長波長成分の光を無駄なく受光し、視覚系の解像力
の低い色成分情報を単位ブロックごとで取得することに
より、1つに撮像素子で複数のマルチバンド画像を撮影
できる作用を有する。
【0022】本発明の第5の態様にかかる撮像装置は、
撮像レンズからの光を2つの光路に分割するハーフミラ
ーと、前記ハーフミラーで分割された一方の光を受光し
て前記被写体の輝度情報を取得する輝度撮像素子と、前
記輝度情報から輝度信号を生成し出力する輝度信号生成
部と、前記輝度信号を明度信号に変換する明度信号変換
部と、前記ハーフミラーで分割された他方の光を異なる
複数の色フィルタを通して異なる複数の受光セルで受光
し、受光した光に対応する色信号を出力する色撮像素子
と、前記色信号から被写体の分光情報を推定する被写体
分光情報推定部と、前記分光情報から算出した測色値の
うち、明度情報だけを前記明度信号変換部の変換した明
度情報に前記受光セル単位で置換するセル単位明度信号
置換部と、を具備する構成を採る。
【0023】このように、視覚系の解像力の高い明度成
分情報を前記輝度撮像素子で高精細に取得し、同時に前
記短波長成分撮像素子と前記長波長成分撮像素子から取
得された測色値の明度成分のみを前記輝度撮像素子から
の明度成分情報で撮像素子の受光セル単位に置換するこ
とによって、前記短波長成分撮像素子と前記長波長成分
撮像素子の受光セルに具備された色フィルタの種類より
少ない1つの撮像素子でマルチバンド画像を同時に撮影
でき、動きの速い被写体のスチル画像撮影や動画撮影が
可能になる作用を有する。
【0024】本発明の第6の態様にかかる撮像装置は、
撮像レンズからの光を2つの光路に分割するハーフミラ
ーと、前記ハーフミラーで分割された一方の光を受光し
て前記被写体の輝度情報を取得する輝度撮像素子と、前
記輝度情報から輝度信号を生成し出力する輝度信号生成
部と、前記輝度信号を明度信号に変換する明度信号変換
部と、前記ハーフミラーで分割された他方の光を異なる
複数の色フィルタを通して異なる複数の受光セルで受光
し、受光した光に対応する色信号を出力する色撮像素子
と、前記色信号から被写体の分光情報を推定する被写体
分光情報推定部と、前記分光情報から算出した測色値を
前記輝度信号により前記受光セル単位でスケーリングす
るセル単位測色値スケーリング部と、を具備する構成を
採る。
【0025】このように、視覚系の解像力の高い輝度成
分情報を前記輝度撮像素子で高精細に取得し、同時に前
記短波長成分撮像素子と前記長波長成分撮像素子から取
得された測色値を前記輝度撮像素子からの輝度成分情報
で撮像素子の受光セル単位にスケーリングすることによ
って、前記短波長成分撮像素子と前記長波長成分撮像素
子の受光セルに具備された色フィルタの種類より少ない
1つの撮像素子でマルチバンド画像を同時に撮影でき、
動きの速い被写体のスチル画像撮影や動画撮影が可能に
なる作用を有する。
【0026】本発明の第7の態様は、第5の態様または
第6の態様にかかる撮像装置において、前記色撮像素子
は、撮像素子の受光セルごとに色フィルタを通して光を
受光し、前記色フィルタは隣接する複数の受光セルを単
位ブロックとして、前記単位ブロック内で互いに異なる
分光透過率分布を持ち、かつ前記単位ブロック内のすべ
ての色フィルタを組み合わせると撮像レンズから入射し
た波長帯域をカバーする分光透過率分布を持ち、色撮像
素子全体の色フィルタの配置は、前記単位ブロックの繰
り返しパターンとなっている。
【0027】このように、ハーフミラーが分割した光を
無駄なく受光し、視覚系の解像力の低い色成分情報を単
位ブロック単位で取得することにより、1つに撮像素子
で複数のマルチバンド画像を撮影できる。
【0028】本発明の第8の態様は、第1の態様から第
7の態様のいずれかにかかる撮像装置において、前記単
位ブロックは、縦2セル、横2セルからなり、前記被写
体分光情報推定部は、前記単位ブロックごとに被写体の
分光情報を推定する。
【0029】これにより、1つの撮像素子で単位ブロッ
クごとに4つのマルチバンド画像が同時に撮影できる作
用を有する。
【0030】本発明の第9の態様は、第1の態様から第
7の態様のいずれかにかかる撮像装置において、前記単
位ブロックの縦方向の位置は、前記単位ブロックの1ラ
イン目が画像走査の走査ラインと一致するように決定さ
れる。
【0031】これにより、撮像装置の出力信号をライン
メモリへ一時的に保持することなくストリーム形式で出
力でき、かつ被写体の分光情報を走査ラインごとに緻密
の推定できる作用を有する。
【0032】本発明の第10の態様は、第1の態様から
第7の態様のいずれかにかかる撮像装置において、前記
単位ブロックは縦nセルから構成されており、前記単位
ブロック内の(n−1)ラインに相当する外部出力信号
をラインメモリに記憶し、前記単位ブロック内の第2ラ
イン以降の前記外部出力信号を前記ラインメモリから出
力する。
【0033】これにより、受光セル単位でnライン分同
時に生成されるマルチバンド画像のうち、第1ラインは
ラインメモリを介さず出力し、第2ライン以降の(n−
1)ラインは画像走査の同期に合わせてラインメモリか
ら出力して、様々な走査方式に対応できる作用を有す
る。
【0034】本発明の第11の態様は、第1の態様、第
2の態様、第5の態様または第6の態様のいずれかにか
かる撮像装置において、照明の分光情報を記憶した照明
分光情報記憶部と、前記照明分光情報記憶部に保持した
前記照明の分光情報を用いて被写体の測色値を算出する
測色値変換部と、を具備し、前記セル単位明度信号置換
部あるいは前記セル単位測色値スケーリング部は、前記
被写体分光情報推定部が推定した被写体の分光情報と、
前記測色値変換部から測色値情報を入手する。
【0035】これにより、撮像素子の受光セル単位で置
換される明度を持つ測色値、あるいはスケーリングされ
る測色値を被写体の分光情報と照明の分光情報から算出
できる作用を有する。
【0036】本発明の第12の態様は、第1の態様、第
2の態様、第5の態様または第6の態様のいずれかにか
かる撮像装置において、前記セル単位明度信号置換部あ
るいはセル単位測色値スケーリング部が前記受光セルご
とに算出した測色値を表示デバイスの輝度リニアドライ
ブレベルに変換する原色変換部と、前記原色変換部の出
力から前記表示デバイスのガンマ特性を補正するガンマ
補正部と、前記ガンマ補正部の出力から輝度・色差信号
を算出する輝度・色差信号変換部と、を具備した構成を
採る。
【0037】これにより、撮像素子の受光セル単位で明
度が置換された測色値、あるいはスケーリングされた測
色値を表示デバイスのガンマ補正処理を含んだ輝度・色
差信号に変換できる作用を有する。
【0038】本発明の第13の態様は、第1の態様、第
2の態様、第5の態様または第6の態様のいずれかにか
かる撮像装置において、前記セル単位明度信号置換部あ
るいはセル単位測色値スケーリング部が前記受光セルご
とに算出した測色値を表示デバイスの輝度リニアドライ
ブレベルに変換する原色変換部と、前記原色変換部の出
力から輝度・色差信号を算出する輝度・色差信号変換部
と、を具備した構成を採る。
【0039】これにより、撮像素子の受光セル単位で明
度が置換された測色値、あるいはスケーリングされた測
色値を、輝度・色差信号に輝度線形性を保ったまま変換
できる作用を有する。
【0040】本発明の第14の態様は、第1の態様、第
2の態様、第5の態様または第6の態様のいずれかにか
かる撮像装置において、セル単位明度信号置換部あるい
はセル単位測色値スケーリング部が前記受光セルごとに
算出した測色値を明度成分と色差成分に変換する明度・
色差信号変換部を具備した構成を採る。
【0041】これにより、撮像素子の受光セル単位で明
度が置換された測色値、あるいはスケーリングされた測
色値を明度・色差信号に明度線形性を保ったまま変換で
きる作用を有する。
【0042】本発明の第15の態様は、第12の態様ま
たは第13の態様にかかる撮像装置において、前記輝度
・色差信号変換部は、映像表示デバイスのガンマ特性を
相殺するデバイスドライブ信号あるいは輝度リニアデバ
イスドライブ信号の線形和で輝度信号を生成し、前記デ
バイスドライブ信号あるいは前記輝度リニアデバイスド
ライブ信号の構成要素のうち、前記線形和において輝度
信号生成への寄与率の最も大きい要素を除いた全ての要
素のそれぞれから前記輝度信号を差し引いた差分値を色
差信号とし、前記輝度信号と色差信号を出力する。
【0043】これにより、表示デバイスに特別な処理部
を設けることになくデバイスドライブ信号と発光色の輝
度の線形性を確保し、かつデバイスドライブ信号よりも
帯域の小さい輝度・色差信号での信号伝送を可能にする
作用を有する。
【0044】本発明の第16の態様は、第14の態様に
かかる撮像装置において、前記明度・色差信号変換部
は、映像表示デバイスのガンマ特性を相殺するデバイス
ドライブ信号あるいは輝度リニアデバイスドライブ信号
の線形和で輝度信号を生成し、前記デバイスドライブ信
号あるいは前記輝度リニアデバイスドライブ信号の構成
要素のうち、前記線形和において輝度信号生成への寄与
率の最も大きい要素を除いた全ての要素のそれぞれから
前記輝度信号を差し引いた差分値を色差信号とし、前記
輝度信号を指数関数によって明度信号に変換し、前記明
度信号と前記色差信号を出力する。
【0045】これにより、映像表示デバイスに特別な処
理部を設けることになくデバイスドライブ信号と発光色
の明度の線形性を確保し、かつデバイスドライブ信号よ
りも帯域の小さい明度・色差信号での信号伝送を可能に
する作用を有する。
【0046】本発明の第17の態様は、第15の態様ま
たは第16の態様にかかる撮像装置において、映像表示
デバイスのガンマ特性を相殺するデバイスドライブ信号
がR、G、Bの3バンドからなるか、あるいは輝度リニ
アデバイスドライブ信号がR、G、Bの3バンドからな
るとき、Rバンドの寄与率を0.30、Gバンドの寄与
率を0.59、Bバンドの寄与率を0.11とした線形
和で輝度信号を算出する。
【0047】これにより、EIA−RS 170A方式
のデコーダを有する映像表示デバイスで正確な色再現を
可能にする作用を有する。
【0048】本発明の第18の態様は、第15の態様ま
たは第16の態様にかかる撮像装置において、映像表示
デバイスのガンマ特性を相殺するデバイスドライブ信号
がR、G、Bの3バンドからなるか、あるいは輝度リニ
アデバイスドライブ信号がR、G、Bの3バンドからな
るとき、Rバンドの寄与率を0.299、Gバンドの寄
与率を0.587、Bバンドの寄与率を0.114とし
た線形和で輝度信号を算出する。
【0049】これにより、SMPTE 170M方式の
デコーダを有する映像表示デバイスで正確な色再現を可
能にする作用を有する。
【0050】本発明の第19の態様は、第15の態様ま
たは第16の態様にかかる撮像装置において、映像表示
デバイスのガンマ特性を相殺するデバイスドライブ信号
がR、G、Bの3バンドからなるか、あるいは輝度リニ
アデバイスドライブ信号がR、G、Bの3バンドからな
るとき、Rバンドの寄与率を0.2126、Gバンドの
寄与率を0.7152、Bバンドの寄与率を0.072
2とした線形和で輝度信号を算出する。
【0051】これにより、ITU−R Rec.BT.
709−3方式のデコーダを有する映像表示デバイスで
正確な色再現を可能にする作用を有する。
【0052】本発明の第20の態様にかかる色分解光学
系は、入射光を2つの光路に分割するハーフミラーを備
えた第一の光学プリズムと、前記第一の光学プリズムで
分割された一方の光を短波長成分のみ反射するダイクロ
イックミラーを備えた第二の光学プリズムと、前記第二
の光学プリズムで透過した長波長成分を透過する第三の
光学プリズムと、前記第一の光学プリズムと前記第二の
光学プリズムとの間にエアギャップと、を具備する構成
を採る。
【0053】この構成により、被写体からの光を輝度成
分と短波長、長波長の2つの色成分に分割する色分解光
学系を3つの光学プリズムの容積分だけに小型化できる
作用を有する。
【0054】本発明の第21の態様は、第20の態様に
かかる色分解光学系において、前記第三の光学プリズム
は、長波長成分がプリズム内部からプリズム外部へ出力
される境界面に赤外吸収フィルタを具備する構成を採
る。
【0055】この構成により、赤外光に感度を持つ撮像
素子からのノイズを簡単な構成で抑制できる作用を有す
る。
【0056】本発明の第22の態様にかかる色分解光学
系は、入射光を2つの光路に分割するハーフミラーを備
えた第一の光学プリズムと、前記第一の光学プリズムで
分割された一方の光を長波長成分のみ反射するダイクロ
イックミラーを備えた第二の光学プリズムと、前記第二
の光学プリズムで透過した短波長成分を透過する第三の
光学プリズムと、前記第一の光学プリズムと前記第二の
光学プリズムの間にエアギャップと、を具備する構成を
採る。
【0057】この構成により、被写体からの光を輝度成
分と色成分に分割する色分解光学系を2つの光学プリズ
ムの容積分だけに小型化できる作用を有する。
【0058】本発明の第23の態様は、第22の態様に
かかる色分解光学系において、前記第二の光学プリズム
は、反射された長波長成分がプリズム内部からプリズム
外部へ出力される境界面に赤外吸収フィルタを具備する
構成を採る。
【0059】この構成により、赤外光に感度を持つ撮像
素子からのノイズを簡単な構成で抑制できる作用を有す
る。
【0060】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態1にかかる撮像装置であるマルチバンドビデオカメラ
について説明する。まず、実施の形態1における3つの
撮像素子でマルチバンド画像を同時に撮影するマルチバ
ンドビデオカメラのシステムについて図1を用いて説明
する。図1は、本発明の実施の形態1における3つの撮
像素子でマルチバンド画像を同時に撮影するマルチバン
ドビデオカメラのシステム構成図である。
【0061】被写体からの光は、撮像レンズ101を通
して色分解光学系102に入る。そして、色分解光学系
102が、入射された光を第一の光路、第二の光路、お
よび第三の光路の、3光路に分割する。
【0062】第一の光路には、分光特性として撮像レン
ズ101を通過した光と同一の光が供給される。第一の
光路上には、輝度撮像素子103が配置されていて、第
一の光路の光は輝度撮像素子103に入射される。輝度
撮像素子103は、受光セルごとに入射された光に対応
する信号を明度信号変換部105に出力する。輝度撮像
素子103の受光セルごとに出力される信号値は、輝度
信号生成部104で輝度信号として調整されて、明度信
号変換部105に出力される。そして、明度信号変換部
105は、入力された輝度信号を、指数関数を用いて明
度信号に変換し、出力する。
【0063】第二の光路には、分光特性として撮像レン
ズ101を通過した光の短波長成分が供給される。そし
て、第二の光路上には、短波長成分撮像素子106が配
置されていて、第二の光路の光は短波長成分撮像素子1
06に入射される。第三の光路には、分光特性として撮
像レンズ101を通過した光の長波長成分が供給され
る。そして、第三の光路上には長波長成分撮像素子10
7が配置されていて、第三の光路の光は長波長成分撮像
素子107に入射される。ただし、第二の光路の光と第
三の光路の光は、色分解光学系102で撮像レンズ10
1を通過した光をもとに分光的に分割したもので、これ
ら2つの光の、波長帯域の和は、撮像レンズ101を通
過した光の波長帯域に一致する。
【0064】短波長成分撮像素子106は、受光セルに
密接した分光透過率分布の互いに異なる複数の色フィル
タを介して光を受光する。そして、短波長成分撮像素子
106は、受光セルごとに入射された光に対応する色信
号を短波長成分色信号処理部108に出力する。短波長
成分色信号処理部108は、入力された色信号値から色
フィルタの種類の数だけのマルチバンド画像を同時に生
成する。同様に長波長成分撮像素子107は受光セルに
密接した分光透過率分布の互いに異なる複数に色フィル
タを介して光を受光し、長波長成分色信号処理部109
で色フィルタの種類の数だけのマルチバンド画像を同時
に生成する。
【0065】短波長成分色信号処理部108と長波長成
分色信号処理部109で生成されたマルチバンド画像は
ともに被写体分光情報推定部110へ供給され、被写体
の分光情報が推定される。被写体の分光情報とは、被写
体が自発光体である場合は、発光スペクトルの推定であ
り、被写体が照明の光を反射する反射物体である場合は
分光反射率となる。また、被写体分光情報推定部110
による推定結果の分光情報は、分光情報出力端子111
を介してカメラ外部へ出力できる。被写体分光情報推定
部110が推定した被写体の分光情報は、測色値変換部
112に与えられる。
【0066】測色値変換部112は、入力された分光情
報を、CIEXYZ三刺激値を経てたとえばCIELA
B値のような明度成分(つまりL*)と色味成分(つま
りa*、b*)に分離された測色値に変換する。ただし、
測色値の算出に必要な照明の分光情報は予め、照明分光
情報記憶部113に格納されていて、照明分光情報記憶
部113から測色値変換部112へ与えられる。測色値
変換部112で算出された測色値は、セル単位明度信号
置換部114へ入力される。
【0067】セル単位明度信号置換部114は、測色値
変換部112から出力された測色値のうち、明度成分の
み、明度信号変換部105において受光セル単位で生成
された明度信号と置き換える。
【0068】また、撮像した被写体の色情報を測色値と
して取り出したい場合は、測色値出力端子115を介し
てカメラ外部へ出力できる。セル単位明度信号置換部1
14から出力された受光セル単位の測色値は、原色変換
部116で映像表示デバイスが持つ原色系の信号へ変換
される。また、原色変換部116の出力である輝度リニ
アデバイスドライブ信号はガンマ補正部117におい
て、映像表示デバイスのガンマ特性を相殺するような逆
ガンマ特性を施し、デバイスドライブ信号としてデバイ
スドライブ信号用ラインメモリ118と輝度・色差信号
変換部119へ供給される。輝度・色差信号変換部11
9はデバイスドライブ信号を輝度信号と色差信号に変換
して輝度・色差信号用ラインメモリ120に出力され
る。
【0069】デバイスドライブ信号用ラインメモリ11
8と輝度・色差信号用ラインメモリ120の2種類のラ
インメモリは、走査方式の違いに対応するために設けら
れており、短波長成分撮像素子106と、長波長成分撮
像素子107の持つ色フィルタの配列に応じて動作が決
まる。そこで、撮像素子の持つ色フィルタの説明の後、
詳細に説明を行う。さらに、デバイスドライブ信号用送
信機121と輝度・色差信号用送信機122は様々な通
信プロトコルに対応するために設けられていて、マルチ
バンドビデオカメラの撮影映像信号をディスプレイ等の
受信デバイスへ定められたプロトコルに則って出力す
る。
【0070】次に、色分解光学系102、輝度撮像素子
103、短波長成分撮像素子106、長波長成分撮像素
子107、被写体分光情報推定部110、測色値変換部
112、セル単位明度信号置換部114、原色変換部1
16、ガンマ補正部117、輝度・色差信号変換部11
9、デバイスドライブ信号用ラインメモリ118、輝度
・色差信号信号用ラインメモリ120について順を追っ
て詳細に説明する。
【0071】第一に、色分解光学系102について、図
2を用いて詳細に説明する。図2は、実施の形態1にか
かる色分解光学系の内部構造を説明する図である。
【0072】色分解光学系102は、被写体からの光を
3つの光学プリズムを用いて、輝度成分、短波長成分、
超波長成分の3つの成分に分解する。
【0073】色分解光学系102は、三角プリズムであ
る第1光学プリズム202と、三角プリズムである第2
光学プリズム209と、台形プリズムである第3光学プ
リズム216とから構成される。
【0074】第1光学プリズム202は、撮像レンズ1
01からの入射光201に垂直に配置され、入射光20
1が入射される入射面である第1面206と、第1面2
06の長波長成分撮像素子107側と接続され面の法線
が輝度撮像素子103側に所定の角度傾いた入射光20
1の半透過面(第2面)であるハーフミラー203と、
第1面206の輝度撮像素子103側と接続され、面法
線が輝度撮像素子103の方向に垂直な透過面である第
3面207と、から構成される。
【0075】ハーフミラー203は、入射光201を、
反射光である第1反射光204と、透過光である第1透
過光205の、2つの光に分割する。また、ハーフミラ
ー203には波長選択性はなく、分割された2つの光、
第1反射光204と第1透過光205は同じ分光分布を
持つ。
【0076】第1反射光204は、ハーフミラー203
の法線が輝度撮像素子103側に傾いているため、入射
光201に対して輝度撮像素子103側に傾いて進む。
そして、第1反射光204は、第1光学プリズム202
の第1面206に臨界角以上で入射し、すべての第1反
射光204が第1面206で反射されて、第3面207
の方向に進む。そして、第1反射光204は、第3面2
07を透過し輝度撮像素子103へ入射する。
【0077】一方、第1透過光205は、第1光学プリ
ズム202と、エアギャップ208を介して配置された
第2光学プリズム209へ入射される。
【0078】第2光学プリズム209は、第1透過光2
05の入射される透過面であり、エアギャップ208を
介して第1光学プリズム202のハーフミラー203と
平行に配置された第1面213と、第1面213の輝度
撮像素子103側と接続され面の法線が長波長成分撮像
素子107側に所定の角度傾いた第1透過光205の半
透過面(第2面)である長波長成分反射ダイクロイック
ミラー210と、第1面213の長波長成分撮像素子1
07側と接続され、面法線が長波長成分撮像素子107
側に垂直な透過面である第3面214と、から構成され
る。
【0079】長波長成分反射ダイクロイックミラー21
0は、第1透過光205を、光を短波長成分と長波長成
分の2つの光に分割し、長波長成分の光である第2反射
光211を反射し、短波長成分の光である第2透過光2
12を透過する。
【0080】第2反射光211は、第2光学プリズム2
09の第1面213に臨界角以上で入射する。第1面2
13と第1光学プリズム202との間にはエアギャップ
208があるので、第2反射光211のすべての光が第
1面213で反射されて、第3面214を介して長波長
成分撮像素子107へ入射する。また、第2面214に
は、赤外吸収フィルタ215が蒸着されており、赤外域
に感度を持つ撮像素子のノイズを抑制する。
【0081】また、第2透過光212は、第3光学プリ
ズム216に入射される。第3光学プリズム216は、
第2光学プリズム209の長波長成分反射ダイクロイッ
クミラー210と接触した透過面である第1面217
と、第1面217と所定間隔あけて、短波長成分撮像素
子106と水平に配置された第2面218と、第2面2
18と垂直にかつ第1面217と接触する第3面219
および第4面220と、から構成されている。
【0082】長波長成分反射ダイクロイックミラー21
0の反射と透過の境界の波長、いわゆるカットオフ波長
は、光の損失を最小限にするために、長波長成分撮像素
子107の受光セルが持つ色フィルタの透過域のみを反
射するように設定する。以上の構成により、被写体から
の光を3つの光学プリズムを用いて、輝度成分と短波
長、長波長の2つの色成分に分解でき、3つの光学プリ
ズムの容積分だけに小型化できる。
【0083】第2透過光212は、第3光学プリズム2
16の第1面から入射し、第3光学プリズム216によ
り結像し、第2面217を透過して短波長成分撮像素子
106へ入射する。
【0084】なお、ハーフミラー203で2つに分割さ
れる第1反射光204と第1透過光205の光量の割合
は、3つの撮像素子、輝度撮像素子103、短波長成分
撮像素子106、長波長成分撮像素子107の感度特性
に応じて最適化することが望ましい。また、長波長成分
反射ダイクロイックミラー210は長波長成分透過ダイ
クロイックミラーであっても構わない。ただし、この場
合、短波長成分撮像素子106と長波長成分撮像素子1
07の位置が入れ替わり、同時に赤外吸収フィルタも第
3光学プリズムに設置される。
【0085】第二に、輝度撮像素子103、短波長成分
撮像素子106、長波長成分撮像素子107について、
図3を用いて詳細に説明する。図3は、実施の形態1に
かかる、輝度撮像素子、短波長成分撮像素子、および長
波長成分撮像素子の受光セルと色フィルタの構造を説明
する概念図である。
【0086】図3(a)は、撮像素子を側面から見た模
式的構造図であり、輝度撮像素子103、短波長成分撮
像素子106、長波長成分撮像素子107に共通する図
である。基板301の上に、複数の受光セル302が並
んで配置されている。複数の受光セル302上には、そ
れぞれ分光透過率分布の互いに異なる複数の色フィルタ
303が密接して配置されている。
【0087】短波長成分撮像素子106、長波長成分撮
像素子107は、色フィルタ303を通して、受光セル
302で光を受ける。ただし、輝度撮像素子103は、
色フィルタ302を持たず、波長選択性なしに受光す
る。
【0088】図3(b)は、輝度撮像素子、短波長成分
撮像素子、および長波長成分撮像素子の色フィルタの配
列を示す概念図である。
【0089】輝度撮像素子103は、色フィルタを持た
ないため、仮にLと示した。短波長成分撮像素子106
はf1からf4で示される4種類の色フィルタを縦2セ
ル、横2セルのブロック単位で具備する。同様に、長波
長成分撮像素子107はf5からf8で示される4種類の
色フィルタを縦2セル、横2セルのブロック単位で具備
する。
【0090】短波長成分撮像素子106と長波長成分撮
像素子107を合わせた8種類の色フィルタf1からf8
は互いに異なる分光透過率分布を持ち、たとえば図4に
示すように8つで可視域(図4では380nmから78
0nm)をカバーする関係を持つ。つまり可視域全体の
光を8つの色フィルタで分担して受光する。
【0091】このように可視域全体の光を8つの色フィ
ルタで分担して受光することにより、従来の3バンド系
カメラに比べて各バンドが狭帯域であり、かつバンド数
が多くなる。このため、被写体の分光推定を行うに際
し、8バンドカメラは3バンドカメラより自由度が高
く、構造的に分光推定精度向上の可能性を持つ。
【0092】被写体分光情報推定部110は、色フィル
タf1からf8の8つの信号をもとに被写体の分光情報を
推定する。従って、被写体分光情報推定部110は、分
光情報を縦2セル、横2セルのブロック単位で推定し、
算出する。
【0093】図3(c)は、実施の形態1にかかる輝度
撮像素子、短波長成分撮像素子、および長波長成分撮像
素子の画素単位で見た色信号の配列と輝度変換部の動作
と被写体分光情報推定部の動作を説明する概念図であ
る。
【0094】輝度信号生成部104は、受光セルごとに
輝度信号Yij(i=1,2,…,m,j=1,2,…,
n)を生成する。一方、被写体分光情報推定部110
は、縦2セル、横2セルのブロック単位ごとに分光情報
信号Rkl((k=1,2,…,m/2,l=1,2,
…,n/2)を生成する。よって、色成分である分光情
報信号は、輝度信号に対し、縦1/2、横1/2の解像
度となる。
【0095】ところで、坂田らの「視覚系における色度
の空間周波数特性(色差弁別閾)、テレビジョン第31
巻第1号(1997年)」によると、視覚系は輝度変調
に対して感度が高く、逆に色味変調に対して感度が低
い。反対色対の空間的正弦波(輝度一定)を用いた弁別
能は0.3cycles/degに感度ピークを持つ。
一方、無彩色成分のみで作成した空間的正弦波(色度一
定)を用いた弁別能は3cycles/degでピーク
を持つ。
【0096】以上の結果に基づくと、カメラで取り込む
被写体の色情報は、視覚系の空間的解像能から見ると、
輝度成分を高精細に取り込むことが重要になる。言い換
えると、視覚系に対して同じ空間的解像性をカメラ取り
込み画像に持たせるには、色味成分は輝度成分の半分未
満のサンプリング間隔で構わないことになる。
【0097】本発明は、上記のような視覚系が持つ輝度
成分と色味成分への空間的弁別能の違いに着目し、積極
的に利用したものである。つまり、色味成分のサンプリ
ング間隔を広くすることで、マルチバンド画像を同時に
撮影でき、かつ分光推定精度を落とさない効果を有する
ようにしている。
【0098】なお、図3では、縦2セル、横2セルを単
位ブロックとしたが、単位ブロックを形成する受光セル
数は任意であり、本発明はこれらを限定しない。受光セ
ル数の増加は、分光推定精度の向上につながるが、反
面、解像度の低下を導く。このため、単位ブロックを構
成する受光セル数は、分光推定精度と空間解像度のバラ
ンスで決まり、各システムの色再現目標に応じて最適化
されるべきである。
【0099】また、図4に示した8つの色フィルタの分
光透過率は互いに同じ形状を持ち、ピーク波長が等間隔
で異なるが、本発明が言及するのは短波長成分撮像素子
106と長波長成分撮像素子107の色フィルタすべて
の組み合わせで可視域(たとえば380nmから780
nm)全体をカバーするところにあり、分光的形状やピ
ーク波長に関して制限を与えるものではない。ただし、
信号処理の複雑化を避けるために、短波長成分撮像素子
106と長波長成分撮像素子107の色フィルタの配列
は同一であることが望ましい。
【0100】第三に、被写体分光情報推定部110につ
いて詳細に説明する。ここでは、被写体の分光情報とし
て分光反射率を取り上げて説明する。マルチバンド信号
から被写体の分光反射率を推定する方法は様々提案され
ている。本発明は、分光推定方法を制限するものではな
いため、任意の方法を適応可能である。そこで、ここで
はウィナー推定による方法を説明する。短波長成分色信
号処理部108からの出力を列ベクトルVshort
[v1,v2,v3,v4t、長波長成分色信号処理部1
09からの出力を列ベクトルVlong=[v5,v6
7,v8t、カメラ特性を行列S、被写体の分光反射
率を列ベクトルR=[r1,r2,…,rqtとするとこ
れらは以下の関係を持つ。
【0101】
【数1】 ただしセンサー応答を表わす列ベクトルVは
【0102】
【数2】 で与えられる。またカメラ特性を表わす行列Sは
【0103】
【数3】 で与えられる。ここで、行列Fは受光セルに配置された
色フィルタの分光透過率を表わし、8つの色フィルタを
用いるとして8行q列からなる。たとえば380nmか
ら780nmを10nmおきに取った場合、q=41と
なる。また、行列Eは照明の分光分布を表わす対角行列
であり、対角成分にq個の成分が並ぶ。
【0104】さて、式(1)において、センサー応答V
の次元(ここでは8)と波長の次元qが同一であれば、
カメラ特性行列Sは正則であり、逆行列S-1によって
【0105】
【数4】 から被写体の分光反射率が求まる。
【0106】しかし、本実施の形態のように、8種類の
色フィルタを用いて380nmから780nmの帯域を
10nmおきに量子化するとq=41となり、行列Sは
正則とならない。このような場合はウィナー推定法が用
いられる。今、被写体の真の分光反射率を行列Rreal
推定された分光反射率を行列Rest、行列Sに対応する
擬似逆行列をGとすると、式(1)は
【0107】
【数5】 と表わされ、式(4)は
【0108】
【数6】 と表わされる。従って以下で与えられる行列Rrealと行
列Restの最小自乗誤差εを最小化する推定行列Gを求
めれば良い。
【0109】
【数7】 ここでtは転置、<>はアンサンブル平均を表わす。ε
を最小にする推定行列はウィナー推定から次式で与えら
れる。
【0110】
【数8】 ここで、行列ρは相関行列を表わす。行列Rsamples
行列Vsamplesは相関行列ρを算出するためのサンプル
データで、行列Rsamplesはサンプルの分光反射率行
列、VsamplesはRsamplesに対する信号値を表わし、短
波長成分色信号処理部108と長波長成分色信号処理部
109の出力信号に対応する。
【0111】第四に、測色値変換部112とセル単位明
度信号置換部114について、図5を用いて詳細に説明
する。図5は、実施の形態1にかかる、測色変換部、照
明分光情報記憶部、明度信号変換部、セル単位明度置換
部の動作を説明する図である。
【0112】図5に示すように、測色値変換部112
は、被写体分光情報推定部110が縦2セル、横2セル
のブロック単位で推定した被写体の分光情報と照明分光
情報記憶部113から供給される照明の分光情報から次
式に用いてブロック単位でCIEXYZ三刺激値を算出
する。
【0113】
【数9】 ここで、rhは波長h番目の被写体の分光反射率を表わ
す。測色値変換部112は、CIEXYZ三刺激値をさ
らに輝度成分と色味成分に分離された測色値、たとえ
ば、式(10)を用いてCIELAB値などに変換す
る。
【0114】
【数10】 ここで、Xn、Yn、Znは基準白色のCIEXYZ三刺
激値を表わす。ただし、輝度成分は式(10)にあるよ
うな視覚系の明るさ間隔に対して比例的な関係を持つ明
度信号に変換する。一般に、式(9)で与えられる輝度
値は視覚系の明るさ間隔に対して線形関係が成り立た
ず、式(10)に示すような1/3乗程度の指数関数で
輝度値を変換すると視覚系の明るさ間隔と線形関係が成
立すると言われている。
【0115】一方、明度信号変換部105は輝度信号生
成部104で受光セル単位に算出された輝度信号Yを式
(10)を用いて明度信号L*に変換する。測色値変換
部112が縦2セル、横2セルのブロック単位で測色値
を算出するのに対し、明度信号変換部105はセル単位
で明度信号L*を算出する。
【0116】そこで、セル単位明度信号置換部114
は、測色値変換部112から出力される測色値のうち、
明度成分L*のみ、明度信号変換部105からの出力に
置き換える。
【0117】前述したように、視覚系は輝度変調に対す
る解像力が高いため、縦2セル、横2セルのブロック単
位で算出されたCIELAB値の明度成分L*のみを色
成分a*とb*に対して縦方向、横方向それぞれで2倍の
解像度に変換する。
【0118】ところで、照明分光情報記憶部113に格
納する照明の分光分布を、被写体が撮影された環境の照
明と別の分光分布に入れ替えれば、照明変換が容易に行
える。
【0119】たとえば、再現画像はプリンタで紙に印刷
されるとして、被写体は色温度4000K程度のタング
ステンランプで照明されていて、再現画像は6500K
程度の昼光ランプで観察する場合を考える。被写体の撮
影の視環境下(つまり4000Kタングステンランプ)
で定義されるCIEXYZ三刺激値で出力したい場合
は、式(9)のehに4000Kタングステンランプの
分光分布を代入すればいい。プリントを観察する視環境
下(つまり6500K昼光ランプ)で定義されるCIE
XYZ三刺激値で出力したい場合は、式(9)のeh
6500K昼光ランプの分光分布を代入すればいい。上
記のような照明変換は、マルチバンドカメラ特有の機能
であり、マルチバンドカメラは被写体の分光反射率を算
出できるためである。測色値情報をCIEXYZ三刺激
値ベースで持ち、分光情報を持たない3バンドカメラと
大きく差別化される特徴である。
【0120】このように、測色値変換部112が照明分
光情報記憶部113に保持した照明の分光情報を用いて
被写体の測色値を算出することで、測色値を被写体の分
光情報と照明の分光情報から算出できる。
【0121】第五に、原色変換部116について詳細に
説明する。原色変換部116は測色値を映像表示デバイ
スに依存した信号に変換する。測色値とデバイス依存信
号の関係は、ディスプレイの原色点の測色値で決まる。
たとえばITU−R Rec.BT.709−3では測
色パラメータとして3原色の色度値を定めている。すな
わち、R原色は(x,y)=(0.64,0.33)、
G原色は(x,y)=(0.30,0.60)、B原色
は(x,y)=(0.15,0.06)であり、表示色
の輝度値と比例関係にある輝度リニアデバイスドライブ
信号R、G、BとCIEXYZ三刺激値との関係は以下
で与えられる。
【0122】
【数11】 ここで、XR、YR、ZRはR原色のCIEXYZ三刺激
値を表わし、同様にXG、YG、ZGはG原色のCIEX
YZ三刺激値を、XB、YB、ZBはB原色のCIEXY
Z三刺激値を表わす。CIEXYZ三刺激値とxy色度
座標の関係は
【0123】
【数12】 で与えられるために、式(11)はR原色の色度座標
(xR,yR)、G原色の色度座標(xG,yG)、B原色
の色度座標(xB,yB)を用いて以下のように書き換え
られる。
【0124】
【数13】 以上、原色変換部116は、式(13)によってCIE
XYZ三刺激値を輝度リニアデバイスドライブ信号R、
G、Bに変換する。
【0125】なお、本発明は映像表示デバイスの原色数
を限定するものではなく、式(11)と式(13)の3
原色は任意数に拡張可能である。
【0126】第六に、ガンマ補正部117について詳細
に説明する。現在、流通しているデバイス依存のRGB
信号は、NTSC方式の概念を周到するCRTディスプ
レイのガンマ補正処理が施されている。CRTディスプ
レイは、表示管や信号処理系などの総合的入出力特性と
して、デバイスドライブ信号と発光輝度の関係が2.2
乗の指数関数で表わされる。これがいわゆるガンマ特性
である。そこで、デバイスドライブ信号と発光輝度の関
係が線形になるように、予め送信側で1/2.2乗の指
数関数変換を施し、CRTディスプレイのガンマ特性を
相殺するように、いわゆるガンマ補正を施してR信号、
G信号、B信号を送出する。ガンマ補正部117は、式
(14)で輝度リニアデバイスドライブ信号R、G、B
をガンマ補正済のデバイスドライブ信号R'、G'、B'
に変換する。
【0127】
【数14】 なお、本発明は映像表示デバイスの原色数を限定するも
のではなく、式(14)の3原色は任意数に拡張可能で
ある。
【0128】このように、ガンマ補正部117を具備す
ることで、撮像素子の受光セル単位で明度が置換された
測色値を表示デバイスのガンマ補正処理を含んだ輝度・
色差信号に変換できる。
【0129】第七に、輝度・色差信号変換部119につ
いて詳細に説明する。デバイスドライブ信号R'、G'、
B'は、輝度・色差信号変換部119において様々な伝
送フォーマットに対応させるために輝度・色差信号に変
換される。たとえばITU−R Rec.BT.709
−3に従う場合は、式(15)によってデバイスドライ
ブ信号R'、G'、B'が輝度・色差信号に変換される。
【0130】
【数15】 このように、輝度・色差信号変換部119を具備するこ
とで、撮像素子の受光セル単位で明度が置換された測色
値の輝度線形性を保ったまま、輝度・色差信号に変換で
きる作用を有する。
【0131】なお、本発明は、デバイスドライブ信号
R'、G'、B'を輝度・色差信号へ変換する方式に対し
て制限を与えるものではなく、伝送フォーマットに応じ
て自由に設定できることを特筆しておく。
【0132】たとえば、Rバンドの寄与率を0.30、
Gバンドの寄与率を0.59、Bバンドの寄与率を0.
11とした線形和で輝度信号を算出することで、EIA
−RS 170A方式に従わせることができ、EIA−
RS 170A方式のデコーダを有する映像表示デバイ
スで正確な色再現を可能にする。
【0133】また、Rバンドの寄与率を0.299、G
バンドの寄与率を0.587、Bバンドの寄与率を0.
114とした線形和で輝度信号を算出することで、SM
PTE 170M方式のデコーダを有する映像表示デバ
イスで正確な色再現を可能にする。
【0134】最後に、走査方式の違いに対応する方法と
デバイスドライブ信号用ラインメモリ118、輝度・色
差信号用ラインメモリ120について詳細に説明する。
一般に映像方式には1走査ラインおきに飛び越し走査を
行うインタレース方式と飛び越しなしに走査ライン順に
走査を行うプログレッシブ方式がある。本発明では、短
波長成分色信号処理部108と長波長成分色信号処理部
109が受光セル単位で縦2セル、横2セルを単位ブロ
ックとしたブロック単位で測色値を算出する。従って、
走査ライン方向に見た場合、2ライン分の測色値が1回
の動作で求められる。そこで、プログレッシブ方式の場
合は、2ライン目の測色値データを保持しておいて、走
査タイミングに合わせて、保持しておいた2ライン目の
測色データを送出する必要がある。
【0135】図1におけるデバイスドライブ信号用ライ
ンメモリ118は、取り込んだ被写体の色情報をデバイ
スドライブ信号形式で保持し、デバイスドライブ信号用
送信機121からの走査タイミングに合わせた読み出し
指示に従って保持したデバイスドライブ信号を出力す
る。
【0136】同様に、輝度・色差信号用ラインメモリ1
20は、取り込んだ被写体の色情報を輝度・色差信号形
式で保持し、輝度・色差信号用送信機122からの走査
タイミングに合わせた読み出し指示に従って保持した輝
度・色差信号を出力する。
【0137】またインタレース方式の場合は、ラインメ
モリに保持することなく取得された被写体の分光情報を
そのまま出力すればいい。すなわち、図3に示すよう
に、被写体の分光反射率は縦2セルずつ取得される。そ
こで、インタレース走査が奇数ラインを走査中でも偶数
ラインを走査中でも、被写体分光情報推定部110は同
一の分光反射率を出力する。このため、測色値変換部1
12は奇数ラインでも偶数ラインでも同じ測色値を出力
し、ラインメモリにデータを保持しておく必要はない。
【0138】ただし、被写体の分光反射率を推定する単
位ブロックの縦方向のセル数が3以上の場合は、プログ
レッシブ方式とインタレース方式の両走査方式におい
て、データを保持しておく必要がある。プログレッシブ
方式の場合は、単位ブロックの縦方向のセル数をnとす
ると(n−1)ライン分のラインメモリを必要とする。
インタレース方式の場合は、(n−1)/2の商にあた
るライン分のラインメモリを必要とする。ラインメモリ
に保持された信号値は、送信機から指示された読み出し
タイミングに応じて出力される。
【0139】このように、単位ブロックが縦nセルから
構成されている際には、単位ブロック内の(n−1)ラ
インに相当する外部出力信号をラインメモリに記憶し、
単位ブロック内の第2ライン以降の出力はラインメモリ
から撮像装置の外部へ出力することで、受光セル単位で
nライン分同時に生成されるマルチバンド画像のうち、
第1ラインはラインメモリを介さず出力し、第2ライン
以降の(n−1)ラインは画像走査の同期に合わせてラ
インメモリから出力して、様々な走査方式に対応でき
る。
【0140】一方、被写体の分光情報を推定する単位ブ
ロックが走査ラインごとに移動する場合は最小限の構成
でプログレッシブ方式とインタレース方式に対応でき
る。図6は、実施の形態1にかかるデバイスドライブ信
号用ラインメモリと、輝度・色差信号用ラインメモリの
動作を説明する図である。図6は、図3と同様に縦2セ
ル、横2セルを単位ブロックとして被写体の分光情報を
推定するケースである。図6(a)は、実施の形態1に
かかるデバイスドライブ信号用ラインメモリと、輝度・
色差信号用ラインメモリの画像の第1走査ライン走査時
における動作を表わした図であり、図6(b)は、実施
の形態1にかかるデバイスドライブ信号用ラインメモリ
と、輝度・色差信号用ラインメモリ画像の、第2走査ラ
イン走査時の動作を表わした図である。
【0141】撮影装置が画像の第1走査ラインを走査し
ている場合、図6(a)に示すように、短波長成分撮像
素子106と長波長成分撮像素子107は、素子の第1
走査ラインと第2走査ラインがアクティブとなり、2ラ
イン分の信号が同時に被写体分光情報推定部110に出
力されて、被写体の分光情報を2ライン単位で推定す
る。そこで、撮影装置は、第2走査ラインの出力信号
を、画像の走査が第2走査ラインに入るまで保持する必
要があり、分光情報は測色値に変換された後、1ライン
分のラインメモリ601(図1中のデバイスドライブ信
号用ラインメモリ118および輝度・色差信号用ライン
メモリ120に相当)に第2走査ラインの測色値が保存
される。画像の走査が第2走査ラインに移ったら、図6
(b)に示すように、短波長成分撮像素子106、長波
長成分撮像素子107、被写体分光情報推定部110と
は関係なく、ラインメモリ602(実体はラインメモリ
601と同一。)から、すでに計算済の出力信号を外部
出力する。
【0142】図7は、被写体の分光情報推定における単
位ブロックの位置を画像の走査位置に合わせて、1ライ
ンずつ移動する場合である。図7(a)は、実施の形態
1にかかるデバイスドライブ信号用ラインメモリと、輝
度・色差信号用ラインメモリの画像の、第1走査ライン
走査時の動作を表わした図であり、図7(b)は、実施
の形態1にかかるデバイスドライブ信号用ラインメモリ
と、輝度・色差信号用ラインメモリ画像の、第2走査ラ
イン走査時の動作を表わした図である。
【0143】画像の第1走査ライン走査時は、図6
(a)と同様に、短波長成分撮像素子106と長波長成
分撮像素子107の第1走査ラインと第2走査ラインが
アクティブとなり、2ライン分の信号が同時に被写体分
光情報推定部110に出力されて、被写体の分光情報を
2ライン単位で推定する。分光情報は測色値に変換され
て、そのまま外部へ出力される。画像の走査が第2走査
ラインに移ると、図7(b)に示すように、短波長成分
撮像素子106と長波長成分撮像素子107は、素子の
第2走査ラインと第3走査ラインがアクティブとなり、
2ライン分の信号が同時に被写体分光情報推定部110
に出力されて、被写体の分光情報を2ライン単位で推定
する。引き続き、分光情報は測色値に変換されて、その
まま外部へ出力される。
【0144】図7に示すように、分光推定を行う撮像素
子上の単位ブロックの第1ラインが、画像走査の走査ラ
インと一致するように移動すれば、図6に示すようなラ
インメモリが必要なくなる。また、図7で推定される分
光情報は、撮像素子を1ラインずつ移動していくため、
2ラインごとに分光推定を行う図6より、推定精度が高
くなる利点がある。
【0145】つまり、図6の場合、奇数走査ライン、偶
数走査ラインの順で隣接する2ラインは同一の分光情報
を持ち、たとえば図6の隣接するセル603とセル60
4は同一の分光情報R11を持つ。
【0146】一方、図7の場合、セル604と同一位置
にあるセル701は、画像の第1走査ラインを走査時図
7(a)には、分光情報R11を持つが、画像の第2走査
ラインを走査時図7(b)には、分光情報R21に書き換
えられる。分光情報R21は撮像素子の第2ライン、第3
ラインで取得した被写体情報であり、撮像素子の第1ラ
イン、第2ラインから取得された被写体情報R11とは異
なる。
【0147】以上、分光推定を行う撮像素子上の単位ブ
ロックの第1ラインが、画像走査の走査ラインと一致す
るように移動することで、単位ブロック固定の場合より
も正確な分光推定が可能になるが、図5において、すで
に詳細に説明を行ったセル単位明度信号置換部114と
の組み合わせで、色推定精度がさらに向上することを追
記しておく。
【0148】なお、図6と図7では分光推定を行う単位
ブロックを縦2セル、横2セルを例にとって説明した
が、本発明は単位ブロックのセル数に制限されるもので
はなく、任意サイズの単位ブロックで実施可能であるこ
とを特筆しておく。
【0149】また、デバイスドライブ信号用送信機12
1と輝度・色差信号用送信機122は任意の伝送フォー
マットを適応可能であり、ITU−RやSMPTEのテ
レビジョン、VTR、ディスク記録フォーマット等の標
準規格や、多くのデジタルカメラで採用されているsR
GB信号など、任意に対応できる。
【0150】以上、実施の形態1によって、視覚系の解
像力の高い明度成分情報を前記輝度撮像素子で高精細に
取得し、同時に短波長成分撮像素子と長波長成分撮像素
子から取得された測色値の明度成分のみを輝度撮像素子
からの明度成分情報で撮像素子の受光セル単位に置換す
ることによって、短波長成分撮像素子と長波長成分撮像
素子の受光セルに具備された色フィルタの種類より少な
い2つの撮像素子でマルチバンド画像を同時に撮影で
き、動きの速い被写体のスチル画像撮影や動画撮影が可
能になる。
【0151】また、実施の形態1は、短波長成分撮像素
子106および長波長成分撮像素子107が、互いに異
なり、かつ単位ブロック内のすべての色フィルタを組み
合わせるとダイクロイックミラー210が分割した短波
長側および長波長側の光の波長帯域をカバーする分光透
過率分布を持つ受光セルからなる単位ブロックを持つの
で、ダイクロイックミラー210が分割した短波長成分
および長波長成分の光を無駄なく受光し、視覚系の解像
力の低い色成分情報を単位ブロックごとで取得すること
により、1つに撮像素子で複数のマルチバンド画像を撮
影できる。
【0152】さらに、実施の形態1は、単位ブロック
が、縦2セル、横2セルからなるので、縦2セル、横2
セルの単位ブロックごとに被写体の分光情報を推定でき
る。この結果、1つの撮像素子で単位ブロックごとに4
つのマルチバンド画像が同時に撮影できる作用を有す
る。よって、短波長成分撮像素子106および長波長成
分撮像素子107の2つの撮像素子を使用することで、
4×2の8バンドの画像が同じに撮影できる。
【0153】また、実施の形態1は、単位ブロックの縦
方向の位置が、単位ブロックの1ライン目が画像走査の
走査ラインと一致するように決定されているので、撮像
装置の出力信号をラインメモリへ一時的に保持すること
なくストリーム形式で出力でき、かつ被写体の分光情報
を走査ラインごとに緻密の推定できる。
【0154】また、実施の形態1は、色分解光学系10
2を、入射光を2つの光路に分割するハーフミラー20
3を備えた第1光学プリズム202と、第1光学プリズ
ム202で分割された一方の光の短波長成分のみ反射す
るダイクロイックミラー210を備えた第2光学プリズ
ム209と、第2光学プリズム209で透過した長波長
成分を透過する第3光学プリズム216と、エアギャッ
プ208と、から構成した。これにより、輝度成分と短
波長、長波長の2つの色成分に分割する色分解光学系1
02を3つの光学プリズムの容積分だけに小型化でき
る。また、ここで着目すべき点に、色分解光学系102
が、従来のRGBからなる色分解光学系等と同様に3つ
の光学プリズムから構成されている点がある。つまり、
本実施の形態の色分解光学系102は、従来の色分解光
学系を少し改良するだけで作成できる。よって、本実施
の形態の色分解光学系102は、既存の材料から作成で
きるので、既存の撮像装置に適用することが容易であ
る。
【0155】また、実施の形態1は、第2光学プリズム
209は、長波長成分がプリズム内部からプリズム外部
へ出力される境界面に赤外吸収フィルタ215を具備す
ることで、赤外光に感度を持つ撮像素子からのノイズを
簡単な構成で抑制できる。
【0156】(実施の形態2)以下、本発明の実施の形
態2にかかる撮像装置であるマルチバンドビデオカメラ
について説明する。まず、実施の形態2における3つの
撮像素子でマルチバンド画像を同時に撮影するマルチバ
ンドビデオカメラのシステムについて図8を用いて説明
する。図8は、実施の形態2における3つの撮像素子で
マルチバンド画像を同時に撮影するマルチバンドビデオ
カメラのシステム構成図である。図8と図1の相違点は
以下の2点で、その他は同一の構成を持ち、かつ同一の
動作、機能を有する。
【0157】第一の相違点は、図8には図1の明度信号
変換部105がない点である。第二の相違点は、図1の
セル単位明度信号置換部114がセル単位測色値スケー
リング部801に変更されている点である。
【0158】図1のセル単位明度信号置換部114は、
図5で詳細に説明したように、撮像素子の受光セル単位
で、測色値変換部112からの測色値の明度のみを明度
信号変換部105からの明度信号で置換した。一方、図
8のセル単位測色値スケーリング部801は、図8の測
色値変換部802から供給された測色値を、輝度信号生
成部803の輝度信号を用いてスケーリングする。
【0159】次に、図9を用いてセル単位測色値スケー
リング部801の動作を詳細に説明する。図9は図5と
同様に、被写体の分光推定の単位ブロックを、縦2セ
ル、横2セルとした場合である。測色値変換部802
は、図8の被写体分光情報推定部804が供給する被写
体の分光反射率rhと図8の照明分光情報記憶部805
が供給する照明の分光分布ehから式(9)を用いてC
IEXYZ三刺激値を算出する。測色値変換部802の
出力(X'Y'Z')は、セル単位測色値スケーリング部
801に与えられ、輝度生成部803で生成されたセル
単位の輝度信号Yを用いて式(16)のスケーリング処
理が施される。
【0160】
【数16】 従って、セル単位測色値スケーリング部801は、分光
情報推定の単位ブロックごとに算出された相対的な測色
値情報(X'Y'Z')を、セル単位のスケーリング処理
を用いて、セル単位で絶対的測色値情報(XYZ)に変
換する機能を有する。
【0161】図8の原色変換部806は、セル単位測色
値スケーリング部801の出力であるCIEXYZ三刺
激値を式(13)を用いて、輝度リニアデバイスドライ
ブ信号R、G、Bに変換する。
【0162】以上、実施の形態2によって、視覚系の解
像力の高い輝度成分情報を高精細に保ちつつ、短波長成
分撮像素子と長波長成分撮像素子の受光セルに具備され
た色フィルタの種類より少ない2つの撮像素子でマルチ
バンド画像を同時に撮影でき、動きの速い被写体のスチ
ル画像撮影や動画撮影が可能になる。
【0163】(実施の形態3)次に、本発明の実施の形
態3にかかる撮像装置であるマルチバンドビデオカメラ
について説明する。
【0164】図10は、本発明の実施の形態3における
3つの撮像素子でマルチバンド画像を同時に撮影するマ
ルチバンドビデオカメラのシステム構成を示し、図1と
比較しながら、以下に説明する。図1と図10の相違点
は以下の1点で、その他は同一の構成を持ち、かつ同一
の動作、機能を有する。図10と図1との相違点は、図
10には図1のガンマ補正部117がない点である。
【0165】ガンマ補正は、図1で詳細に説明したよう
に、表示デバイスが持つデバイスドライブ信号と表示色
の輝度との非線形特性を線形化するものである。表示デ
バイスに特別な処理回路を搭載することなく、送信側の
処理のみで対応できるため、受信側の端末機器の簡素
化、廉価化に有効である。
【0166】しかし、近年、半導体部品を中心とする電
子機器の高性能化とコストダウンが大幅に達成され、受
信端末機に様々な処理機能を持たせることが可能になっ
てきた。特に、計算機端末としての表示デバイスは、ビ
ジネスグラフィックスやコンピュータグラフィックスを
作成する映像表示装置として活用され、表示デバイス自
身で輝度リニア信号を発生する機能を有するものが増え
てきた。インターネットを中心とする放送と通信の融合
は、逆ガンマ特性を持った信号で映像を表示するテレビ
ジョンと輝度リニア信号で映像を表示する計算機ビジュ
アル端末の2つの機能を持つ映像表示装置の需要を作り
上げた。
【0167】このため、受信端末が自身でガンマ補正機
能を持っている場合、送信側はガンマ補正を施す必要が
なくなる。実施の形態3は、ガンマ補正を加えずに映像
信号を出力する撮像装置であり、表示デバイス自身でガ
ンマ補正を実行する計算機ビジュアル端末等に、正確な
色情報を供給できる。
【0168】以上、実施の形態3によって、視覚系の解
像力の高い輝度成分情報を高精細に保ちつつ、短波長成
分撮像素子と長波長成分撮像素子の受光セルに具備され
た色フィルタの種類より少ない2つの撮像素子でマルチ
バンド画像を同時に撮影でき、動きの速い被写体のスチ
ル画像撮影や動画撮影が可能になり、かつガンマ補正の
必要がない画像デバイスにガンマ補正なしの色信号を供
給できる。
【0169】(実施の形態4)以下、本発明の実施の形
態4にかかる撮像装置であるマルチバンドビデオカメラ
について説明する。図11は、本発明の実施の形態4に
おける2つの撮像素子でマルチバンド画像を同時に撮影
するマルチバンドビデオカメラのシステム構成を示し、
図1と比較しながら、以下に説明する。図1と図11の
相違点は以下の3点で、その他は同一の構成を持ち、か
つ同一の動作、機能を有する。
【0170】第一の相違点は、色分解光学系にあり、図
1の色分解光学系102は撮像レンズ101から入射し
た被写体からの光を3つの光路に分けるのに対し、図1
1の色分解光学系1101は撮像レンズ1102から入
射した被写体からの光を2つの光路に分け、輝度撮像素
子1103と後述する色成分撮像素子1104に光を分
配する点である。
【0171】第二の相違点は、被写体の分光情報を撮像
する撮像素子で、図1では短波長成分撮像素子106と
長波長成分撮像素子107の2つの撮像素子で被写体の
分光情報を推定するのに対し、図11では色成分撮像素
子1104の1つの撮像素子で被写体の分光情報を推定
する点である。
【0172】第三の相違点は、撮像素子が1つになった
ことに伴う信号処理部の違いで、色成分撮像素子110
4からの信号は色成分色信号処理部1105へ入力し、
被写体分光情報推定部1106での分光推定は、色成分
色信号処理部1105からの出力のみで実行される点で
ある。
【0173】次に、図12を用いて、色分解光学系11
01について詳細に説明する。色分解光学系1101内
部には、撮像レンズ1102からの入射光1203を2
つの光路に分割するハーフミラー1201が設けられて
いる。ハーフミラー1201により分割された第1の光
路の光は、ハーフミラー1201の反射光1205であ
る。ハーフミラー1201は、反射光1205が輝度撮
像素子1103に垂直に入射されるように配置されてい
る。ハーフミラー1201により分割された第2の光路
の光は、ハーフミラー1201の透過光1204であ
る。ハーフミラー1201は、透過光1204が色成分
撮像素子1104に垂直に入射されるように配置されて
いる。
【0174】このようにハーフミラー1201により、
入射光1203は、透過光1204と反射光1205に
分割され、透過光1204は色成分撮像素子1104に
入射し、反射光1205は輝度撮像素子1103に入射
する。
【0175】また、ハーフミラー1201には波長選択
性はなく、ハーフミラー1201によって分割された光
1204と光1205とは同一の分光分布を持つ。
【0176】また、色分解光学系1101の内部の、ハ
ーフミラー1204に対して色成分撮像素子1104
側、つまり、透過光1204の進む方向には、赤外吸収
フィルタ1202が色成分撮像素子1104と平行に設
けられている。これにより、透過光1204は、色成分
撮像素子1104に入射される前に、赤外吸収フィルタ
1202によりノイズを除去される。
【0177】次に色成分撮像素子1104と被写体分光
情報推定部1106について詳細に説明する。図13
(a)は色フィルタの配列を説明する図、図13(b)
は画素単位で見た色信号の配列を説明する図である。
【0178】色成分撮像素子1104はf1からf9で示
される9種類の色フィルタを縦3セル、横3セルのブロ
ック単位で具備する。9種類の色フィルタf1からf9
互いに異なる分光透過率分布を持ち、たとえば図14に
示すように9つで可視域(図14では380nmから7
80nm)をカバーする関係を持つ。つまり可視域全体
の光を9つの色フィルタで分担して受光する。
【0179】上述したように、被写体の分光推定には、
少なくとも5バンド分の情報が必要である。このため、
縦横同じ数の正方形の単位ブロックで、5バンド分以上
のバンドを形成するには、図13に示すような、縦3セ
ル、横3セルが最小構成となる。
【0180】そして、被写体分光情報推定部1106
は、色フィルタf1からf9の9つの信号をもとに被写体
の分光情報を推定する。従って、被写体分光推定部11
06は、分光情報を縦3セル、横3セルのブロック単位
で推定し、算出する。
【0181】図1の2つの撮像素子で分光推定を行う構
成に比べて、色成分の空間解像度は1/3に落ちるが、
撮像素子が1つであり、かつ図12に示したように、色
分解光学系の構成も簡素化されるため、サイズやコスト
面で大きな利点を持つ。 また、図7ですでに説明した
ように分光推定の単位ブロックを画像走査に合わせて移
動すれば、解像度低下の影響を抑えられる。
【0182】以上、実施の形態4によって、視覚系の解
像力の高い輝度成分情報を高精細に保ちつつ、色撮像素
子の受光セルに具備された色フィルタの種類より少ない
1つの撮像素子でマルチバンド画像を同時に撮影でき、
動きの速い被写体のスチル画像撮影や動画撮影が可能に
なる作用を有する。
【0183】なお、実施の形態4の明度信号変換部10
5を無くし、セル単位明度信号置換部114をセル単位
測色値スケーリング部801に置き換えた形態であって
も良い。この構成により、視覚系の解像力の高い輝度成
分情報を輝度撮像素子1103で高精細に取得し、同時
に色成分撮像素子1104から取得した測色値を輝度撮
像素子1103からの輝度成分情報で撮像素子の受光セ
ル単位にスケーリングできる。この結果、色成分撮像素
子1104の受光セルに具備された色フィルタの種類よ
り少ない1つの撮像素子でマルチバンド画像を同時に撮
影でき、動きの速い被写体のスチル画像撮影や動画撮影
が可能になる。
【0184】(実施の形態5)以下、本発明の実施の形
態5にかかる撮像装置であるマルチバンドビデオカメラ
について図15を用いて説明する。図15は、実施の形
態5における3つの撮像素子でマルチバンド画像を同時
に撮影するマルチバンドビデオカメラのシステム構成図
である。すでに、説明した部分と同一の部分について
は、同一の符番を付与し説明を省略する。
【0185】実施の形態5と実施の形態1との相違点
は、輝度・色差信号変換部119が明度・色差信号変換
部1501に、輝度・色差信号用ラインメモリ120が
明度・色差信号用ラインメモリ1502に、輝度・色差
信号用送信機122が明度・色差信号用送信機1503
になっている点である。
【0186】明度・色差信号変換部1501は、セル単
位明度信号置換部114が、撮像素子の受光セルごとに
算出した測色値を明度成分と色差成分に変換する。具体
的には、明度・色差信号変換部1501は、まず、映像
表示デバイスのガンマ特性を相殺するデバイスドライブ
信号あるいは輝度リニアデバイスドライブ信号の線形和
で輝度信号を生成する。次に、明度・色差信号変換部1
501は、デバイスドライブ信号あるいは輝度リニアデ
バイスドライブ信号の構成要素のうち、線形和において
輝度信号生成への寄与率の最も大きい要素を除いた全て
の要素のそれぞれから輝度信号を差し引いた差分値を色
差信号とし、輝度信号を指数関数によって明度信号に変
換し、明度信号と色差信号を出力する。
【0187】また、明度・色差信号用ラインメモリ15
02および明度・色差信号用送信機1503は、実施の
形態1の輝度・色差信号用ラインメモリ120および輝
度・色差信号用送信機122が輝度信号を扱うのに対
し、明度信号を扱うようにしたものであり、その他の動
作については同一である。
【0188】以上説明したように、実施の形態5によれ
ば、撮像素子の受光セル単位で明度が置換された測色値
を、明度線形性を保ったまま、明度・色差信号に変換で
きる作用を有する。また、映像表示デバイスに特別な処
理部を設けることになくデバイスドライブ信号と発光色
の明度の線形性を確保し、かつデバイスドライブ信号よ
りも帯域の小さい明度・色差信号での信号伝送を可能に
する作用を有する。
【0189】なお、実施の形態5では、実施の形態1を
変形した形態で説明したが、実施の形態2〜4の輝度・
色差信号変換部119を明度・色差信号変換部1501
に、輝度・色差信号用ラインメモリ120を明度・色差
信号用ラインメモリ1502に、輝度・色差信号用送信
機122を明度・色差信号用送信機1503に変形した
形態であっても良い。
【0190】
【発明の効果】以上のように本発明は、互いに分光透過
率の異なる複数の色フィルタを受光セル単位で並置させ
た1つ、あるいは2つの撮像素子から被写体の分光情報
を推定し、受光セル単位で取得した被写体の輝度情報
で、前記被写体の分光情報から得た測色値の輝度情報を
受光セル単位で置換して、あるいはスケーリングして高
精細でかつ高色忠実な映像を出力できる優れた撮像装置
を提供する。また、ハーフミラーとダイクロイックミラ
ーを組み合わせて、被写体からの光を光量の損失を抑え
て1つの輝度撮像素子と2つの色成分撮像素子へ入射さ
せることができ、かつ3つのプリズムの組み合わせで省
スペースを実現できる優れた色分解光学系を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるマルチバンドビ
デオカメラの構成を示す図
【図2】実施の形態1にかかる色分解光学系の内部構造
を説明する図
【図3】(a) 実施の形態1にかかる、輝度撮像素
子、短波長成分撮像素子、および長波長成分撮像素子を
側面から見た模式的構造図 (b) 実施の形態1にかかる、輝度撮像素子、短波長
成分撮像素子、および長波長成分撮像素子の色フィルタ
の配列を説明する概念図 (c) 実施の形態1にかかる、輝度撮像素子、短波長
成分撮像素子、および長波長成分撮像素子の画素単位で
見た色信号の配列と輝度変換部の動作と被写体分光情報
推定部の動作を説明する概念図
【図4】実施の形態1にかかる色フィルタの分光透過率
の一例を示す図
【図5】実施の形態1にかかる測色変換部、照明分光情
報記憶部、明度信号変換部、およびセル単位明度置換部
の動作を説明する図
【図6】(a) 実施の形態1にかかるデバイスドライ
ブ信号用ラインメモリと、輝度・色差信号用ラインメモ
リの画像の第1走査ライン走査時における動作を表わし
た図(単位ブロックが固定された場合) (b) 実施の形態1にかかるデバイスドライブ信号用
ラインメモリと、輝度・色差信号用ラインメモリ画像の
第2走査ライン走査時における動作を表わした図(単位
ブロックが固定された場合)
【図7】(a) 実施の形態1にかかるデバイスドライ
ブ信号用ラインメモリと、輝度・色差信号用ラインメモ
リの画像の第1走査ライン走査時における動作を表わし
た図(単位ブロックが画像走査に対応して移動する場
合) (b) 実施の形態1にかかるデバイスドライブ信号用
ラインメモリと、輝度・色差信号用ラインメモリ画像の
第2走査ライン走査時における動作を表わした図(単位
ブロックが画像走査に対応して移動する場合)
【図8】本発明の実施の形態2におけるマルチバンドビ
デオカメラの構成を示す図
【図9】実施の形態2にかかるセル単位測色値スケーリ
ング部の動作を説明する図
【図10】本発明の実施の形態3におけるマルチバンド
ビデオカメラの構成を示す図
【図11】本発明の実施の形態4におけるマルチバンド
ビデオカメラの構成を示す図
【図12】実施の形態4にかかる色分解光学系の内部構
成を示す図
【図13】(a) 実施の形態4にかかる色成分撮像素
子の色フィルタ配列を説明する図 (b) 実施の形態4にかかる画素単位の色信号の配列
と被写体分光情報推定部の動作を示す図
【図14】実施の形態4にかかる9種類の色フィルタf
1からf9の分光透過率の一例を示す図
【図15】本発明の実施の形態5におけるマルチバンド
ビデオカメラの構成を示す図
【符号の説明】
101、1102 撮像レンズ 102、1101 色分解光学系 103、1103 輝度撮像素子 104、803、1107 輝度信号生成部 105 明度信号変換部 106 短波長成分撮像素子 107 長波長成分撮像素子 108 短波長成分色信号処理部 109 長波長成分色信号処理部 110、804 被写体分光情報推定部 111 分光情報出力端子 112、802 測色値変換部 113、805 照明分光情報記憶部 114 セル単位明度信号置換部 115 測色値出力端子 116、806 原色変換部 117 ガンマ補正部 118 デバイスドライブ信号用ラインメモリ 119 輝度・色差信号変換部 120 輝度・色差信号用ラインメモリ 121 デバイスドライブ信号用送信機 122 輝度・色差信号用送信機 201、1203 撮像レンズからの入射光 202 第1光学プリズム 203、1201 ハーフミラー 204 第1反射光 205 第1透過光 206 第1光学プリズムの面 207 第1光学プリズムの面 208 エアギャップ 209 第2光学プリズム 210 長波長成分反射ダイクロイックミラー 211 第2反射光 212 第2透過光 213 第2光学プリズムの面 214 第2光学プリズムの面 215、1202 赤外吸収フィルタ 216 第3光学プリズム 301 基板 302 受光セル 303 色フィルタ 601、602 ラインメモリ 603、604、701 セル 801 セル単位測色値スケーリング部 1104 色成分撮像素子 1105 色成分信号処理部 1106 被写体分光情報推定部 1204 透過光 1205 反射光 1501 明度・色差信号変換部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C065 AA07 BB12 BB48 CC01 EE01 EE02 EE03 GG26 5C066 AA01 CA21 GA01 GA02 GA05 KE01 KE07 KM01 KM05

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮像レンズからの光を2つの光路に分割
    するハーフミラーと、前記ハーフミラーで分割された一
    方の光を受光して前記被写体の輝度情報を取得する輝度
    撮像素子と、前記輝度情報から輝度信号を生成し出力す
    る輝度信号生成部と、前記輝度信号を明度信号に変換す
    る明度信号変換部と、前記ハーフミラーで分割された他
    方の光を短波長成分と長波長成分に分割するダイクロイ
    ックミラーと、前記短波長成分の光を異なる複数の色フ
    ィルタを通して異なる複数の受光セルで受光し、受光し
    た光に対応する色信号を出力する短波長成分撮像素子
    と、前記長波長成分の光を異なる複数の色フィルタを通
    して異なる複数の受光セルで受光し、受光した光に対応
    する色信号を出力する長波長成分撮像素子と、前記短波
    長成分撮像素子と前記長波長成分撮像素子の出力する前
    記色信号から被写体の分光情報を推定する被写体分光情
    報推定部と、前記分光情報から算出した測色値の明度情
    報を前記明度信号変換部の変換した明度信号に前記受光
    セル単位で置換するセル単位明度信号置換部と、を具備
    することを特徴とする撮像装置。
  2. 【請求項2】 撮像レンズからの光を2つの光路に分割
    するハーフミラーと、前記ハーフミラーで分割された一
    方の光を受光して前記被写体の輝度情報を取得する輝度
    撮像素子と、前記輝度情報から輝度信号を生成し出力す
    る輝度信号生成部と、前記輝度信号を明度信号に変換す
    る明度信号変換部と、前記ハーフミラーで分割された他
    方の光を短波長成分と長波長成分に分割するダイクロイ
    ックミラーと、前記短波長成分の光を異なる複数の色フ
    ィルタを通して異なる複数の受光セルで受光し、受光し
    た光に対応する色信号を出力する短波長成分撮像素子
    と、前記長波長成分の光を異なる複数の色フィルタを通
    して異なる複数の受光セルで受光し、受光した光に対応
    する色信号を出力する長波長成分撮像素子と、前記短波
    長成分撮像素子と前記長波長成分撮像素子の出力する前
    記色信号から被写体の分光情報を推定する被写体分光情
    報推定部と、前記分光情報から算出した測色値を前記輝
    度信号により前記受光セル単位でスケーリングするセル
    単位測色値スケーリング部と、を具備することを特徴と
    する撮像装置。
  3. 【請求項3】 前記短波長成分撮像素子全体の前記色フ
    ィルタの配置は隣接する複数の前記セルからなる単位ブ
    ロックの繰り返しパターンとなっていて、前記短波長成
    分撮像素子の前記色フィルタは前記単位ブロック内で互
    いに異なる分光透過率分布を持ち、かつ前記単位ブロッ
    ク内におけるすべての前記色フィルタの分光透過率分布
    を組み合わせると前記短波長成分の光の波長帯域をカバ
    ーすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    撮像装置。
  4. 【請求項4】 前記長波長成分撮像素子全体の前記色フ
    ィルタの配置は隣接する複数の前記セルからなる単位ブ
    ロックの繰り返しパターンとなっていて、前記長波長成
    分撮像素子の前記色フィルタは前記単位ブロック内で互
    いに異なる分光透過率分布を持ち、かつ前記単位ブロッ
    ク内におけるすべての前記色フィルタの分光透過率分布
    を組み合わせると前記長波長成分の光の波長帯域をカバ
    ーすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    撮像装置。
  5. 【請求項5】 撮像レンズからの光を2つの光路に分割
    するハーフミラーと、前記ハーフミラーで分割された一
    方の光を受光して前記被写体の輝度情報を取得する輝度
    撮像素子と、前記輝度情報から輝度信号を生成し出力す
    る輝度信号生成部と、前記輝度信号を明度信号に変換す
    る明度信号変換部と、前記ハーフミラーで分割された他
    方の光を異なる複数の色フィルタを通して異なる複数の
    受光セルで受光し、受光した光に対応する色信号を出力
    する色撮像素子と、前記色信号から被写体の分光情報を
    推定する被写体分光情報推定部と、前記分光情報から算
    出した測色値のうち、明度情報だけを前記明度信号変換
    部の変換した明度情報に前記受光セル単位で置換するセ
    ル単位明度信号置換部と、を具備することを特徴とする
    撮像装置。
  6. 【請求項6】 撮像レンズからの光を2つの光路に分割
    するハーフミラーと、前記ハーフミラーで分割された一
    方の光を受光して前記被写体の輝度情報を取得する輝度
    撮像素子と、前記輝度情報から輝度信号を生成し出力す
    る輝度信号生成部と、前記輝度信号を明度信号に変換す
    る明度信号変換部と、前記ハーフミラーで分割された他
    方の光を異なる複数の色フィルタを通して異なる複数の
    受光セルで受光し、受光した光に対応する色信号を出力
    する色撮像素子と、前記色信号から被写体の分光情報を
    推定する被写体分光情報推定部と、前記分光情報から算
    出した測色値を前記輝度信号をもって前記受光セル単位
    でスケーリングするセル単位測色値スケーリング部と、
    を具備することを特徴とする撮像装置。
  7. 【請求項7】 前記色撮像素子は、撮像素子の受光セル
    ごとに色フィルタを通して光を受光し、前記色フィルタ
    は隣接する複数の受光セルを単位ブロックとして、前記
    単位ブロック内で互いに異なる分光透過率分布を持ち、
    かつ前記単位ブロック内のすべての色フィルタを組み合
    わせると撮像レンズから入射した波長帯域をカバーする
    分光透過率分布を持ち、色撮像素子全体の色フィルタの
    配置は、前記単位ブロックの繰り返しパターンとなって
    いることを特徴とする請求項5または請求項6記載の撮
    像装置。
  8. 【請求項8】 前記単位ブロックは、縦2セル、横2セ
    ルからなり、前記被写体分光情報推定部は、前記単位ブ
    ロックごとに被写体の分光情報を推定することを特徴と
    する請求項1から請求項7のいずれかに記載の撮像装
    置。
  9. 【請求項9】 前記単位ブロックの縦方向の位置は、前
    記単位ブロックの1ライン目が画像走査の走査ラインと
    一致するように決定されることを特徴とする請求項1か
    ら請求項7のいずれかに記載の撮像装置。
  10. 【請求項10】 前記単位ブロックは縦nセルから構成
    されており、前記単位ブロック内の(n−1)ラインに
    相当する外部出力信号をラインメモリに記憶し、前記単
    位ブロック内の第2ライン以降の前記外部出力信号を前
    記ラインメモリから出力することを特徴とする請求項1
    から請求項7のいずれかに記載の撮像装置。
  11. 【請求項11】 照明の分光情報を記憶した照明分光情
    報記憶部と、前記照明分光情報記憶部に保持した前記照
    明の分光情報を用いて被写体の測色値を算出する測色値
    変換部と、を具備し、前記セル単位明度信号置換部ある
    いは前記セル単位測色値スケーリング部は、前記被写体
    分光情報推定部が推定した被写体の分光情報と、前記測
    色値変換部から測色値情報を入手することを特徴とする
    請求項1、請求項2、請求項5および請求項6のいずれ
    かに記載の撮像装置。
  12. 【請求項12】 前記セル単位明度信号置換部あるいは
    セル単位測色値スケーリング部が前記受光セルごとに算
    出した測色値を表示デバイスの輝度リニアドライブレベ
    ルに変換する原色変換部と、前記原色変換部の出力から
    前記表示デバイスのガンマ特性を補正するガンマ補正部
    と、前記ガンマ補正部の出力から輝度・色差信号を算出
    する輝度・色差信号変換部と、を具備したことを特徴と
    する請求項1、請求項2、請求項5および請求項6のい
    ずれかに記載の撮像装置。
  13. 【請求項13】 前記セル単位明度信号置換部あるいは
    セル単位測色値スケーリング部が前記受光セルごとに算
    出した測色値を表示デバイスの輝度リニアドライブレベ
    ルに変換する原色変換部と、前記原色変換部の出力から
    輝度・色差信号を算出する輝度・色差信号変換部と、を
    具備したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項
    5および請求項6のいずれかに記載の撮像装置。
  14. 【請求項14】 セル単位明度信号置換部あるいはセル
    単位測色値スケーリング部が前記受光セルごとに算出し
    た測色値を明度成分と色差成分に変換する明度・色差信
    号変換部を具備したことを特徴とする請求項1、請求項
    2、請求項5および請求項6のいずれかに記載の撮像装
    置。
  15. 【請求項15】 前記輝度・色差信号変換部は、映像表
    示デバイスのガンマ特性を相殺するデバイスドライブ信
    号あるいは輝度リニアデバイスドライブ信号の線形和で
    輝度信号を生成し、前記デバイスドライブ信号あるいは
    前記輝度リニアデバイスドライブ信号の構成要素のう
    ち、前記線形和において輝度信号生成への寄与率の最も
    大きい要素を除いた全ての要素のそれぞれから前記輝度
    信号を差し引いた差分値を色差信号とし、前記輝度信号
    と色差信号を出力することを特徴とする請求項12また
    は請求項13に記載の撮像装置。
  16. 【請求項16】 前記明度・色差信号変換部は、映像表
    示デバイスのガンマ特性を相殺するデバイスドライブ信
    号あるいは輝度リニアデバイスドライブ信号の線形和で
    輝度信号を生成し、前記デバイスドライブ信号あるいは
    前記輝度リニアデバイスドライブ信号の構成要素のう
    ち、前記線形和において輝度信号生成への寄与率の最も
    大きい要素を除いた全ての要素のそれぞれから前記輝度
    信号を差し引いた差分値を色差信号とし、前記輝度信号
    を指数関数によって明度信号に変換し、前記明度信号と
    前記色差信号を出力することを特徴とする請求項14記
    載の撮像装置。
  17. 【請求項17】 映像表示デバイスのガンマ特性を相殺
    するデバイスドライブ信号がR、G、Bの3バンドから
    なるか、あるいは輝度リニアデバイスドライブ信号が
    R、G、Bの3バンドからなるとき、Rバンドの寄与率
    を0.30、Gバンドの寄与率を0.59、Bバンドの
    寄与率を0.11とした線形和で輝度信号を算出するこ
    とを特徴とする請求項15または請求項16記載の撮像
    装置。
  18. 【請求項18】 映像表示デバイスのガンマ特性を相殺
    するデバイスドライブ信号がR、G、Bの3バンドから
    なるか、あるいは輝度リニアデバイスドライブ信号が
    R、G、Bの3バンドからなるとき、Rバンドの寄与率
    を0.299、Gバンドの寄与率を0.587、Bバン
    ドの寄与率を0.114とした線形和で輝度信号を算出
    することを特徴とする請求項15または請求項16記載
    の撮像装置。
  19. 【請求項19】 映像表示デバイスのガンマ特性を相殺
    するデバイスドライブ信号がR、G、Bの3バンドから
    なるか、あるいは輝度リニアデバイスドライブ信号が
    R、G、Bの3バンドからなるとき、Rバンドの寄与率
    を0.2126、Gバンドの寄与率を0.7152、B
    バンドの寄与率を0.0722とした線形和で輝度信号
    を算出することを特徴とする請求項15または請求項1
    6記載の撮像装置。
  20. 【請求項20】 入射光を2つの光路に分割するハーフ
    ミラーを備えた第一の光学プリズムと、前記第一の光学
    プリズムで分割された一方の光を短波長成分のみ反射す
    るダイクロイックミラーを備えた第二の光学プリズム
    と、前記第二の光学プリズムで透過した長波長成分を透
    過する第三の光学プリズムと、前記第一の光学プリズム
    と前記第二の光学プリズムとの間にエアギャップと、を
    具備することを特徴とする色分解光学系。
  21. 【請求項21】 前記第三の光学プリズムは、長波長成
    分がプリズム内部からプリズム外部へ出力される境界面
    に赤外吸収フィルタを具備することを特徴とする請求項
    20記載の色分解光学系。
  22. 【請求項22】 入射光を2つの光路に分割するハーフ
    ミラーを備えた第一の光学プリズムと、前記第一の光学
    プリズムで分割された一方の光を長波長成分のみ反射す
    るダイクロイックミラーを備えた第二の光学プリズム
    と、前記第二の光学プリズムで透過した短波長成分を透
    過する第三の光学プリズムと、前記第一の光学プリズム
    と前記第二の光学プリズムの間にエアギャップと、を具
    備することを特徴とする色分解光学系。
  23. 【請求項23】 前記第二の光学プリズムは、反射され
    た長波長成分がプリズム内部からプリズム外部へ出力さ
    れる境界面に赤外吸収フィルタを具備することを特徴と
    する請求項22記載の色分解光学系。
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