JP2003021957A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2003021957A
JP2003021957A JP2001208009A JP2001208009A JP2003021957A JP 2003021957 A JP2003021957 A JP 2003021957A JP 2001208009 A JP2001208009 A JP 2001208009A JP 2001208009 A JP2001208009 A JP 2001208009A JP 2003021957 A JP2003021957 A JP 2003021957A
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徹 石原
Kenji Koido
健二 小井土
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着におけるホットオフセットを防止すると
ともに十分な透過性を得る画像形成装置を提供する。 【解決手段】 現像ローラ6にトナーを供給するトナー
供給ローラ8の硬度をアスカーFで40°〜60°の範
囲内にし、現像ローラ6に対するトナー供給ローラ8の
圧縮変形量を0.5〜2.0mmの範囲内にする。また
トナーの粘性を95℃においては1×10〜1×10
ポアズの範囲にし、105℃では1×10 〜1×10
ポアズにし、さらにトナー内に2.5〜30重量部の
ワックスを含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プリンタ
や電子写真複写機等における、トナーをトナー供給ロー
ラにより現像ローラへ供給し、現像ローラによりトナー
を静電潜像担持体へ付着させることにより現像を行う画
像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カラープリンタやカラー複写機等の電子
写真記録装置においては、従来、ホットオフセットを防
止するために定着器にオイルを補給していた。ホットオ
フセットというのは、ヒートローラでトナーの定着を行
う際に、溶融したトナーが印刷用紙に付着せずにヒート
ローラの表面に付着する現象であり、ヒートローラの温
度が低すぎる場合でも高すぎる場合でも発生する。定着
器のヒートローラにオイルを補給すると透過性(例え
ば、OHP用紙における透過性で測定する)が悪くな
る。このため補給するオイルとしては極めて粘性の低い
熱溶融特性になるオイルを使用することにより、透過性
を確保していた。
【0003】図2、図3にオイルの塗布量と透過性の関
係を示す。両図において横軸はオイル塗布量を示し、縦
軸は透過性を表す濁度値を示す。濁度値は数値が大きく
なれば透過性は悪くなる。両図からわかるように、オイ
ルの塗布量が増加すると透過性は悪化し、図3に示すよ
うに、オイル塗布量が0.05mg/cm以下であれ
ば透過性は良好であるといえる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ホットオフセットを防
止するために使用するオイルは定着条件下で実質的に粘
性を発現するものであれば特定のものである必要はない
が、一般的にはシリコーンオイルや鉱物オイルなどのう
ち比較的粘性の低いものが用いられる。またオイルの使
用量は印刷媒体1枚当たり0.5mg〜10mg以上と
かなり多くの量が用いられる。そのため多量のオイルを
使用する定着プロセスにおいては、印刷媒体上に多量の
オイルが残り、扱い者の手を汚すなどの問題がある。
【0005】モノクロ定着方式に広く用いられているオ
イルレス定着をカラー定着方式に用いることは勿論可能
である。これはオイルを使用しないので上記の問題は発
生しない。しかしながら、オイルレス定着を可能にする
トナーは、ゲル分を多く含んでおり、通常、熱溶融時に
印刷媒体の表面上に平滑に広がりにくい。したがってO
HP用紙に印刷を行った場合に十分な透過性が得られな
いという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、潤滑剤を含むトナーをトナー供給ローラに
より現像ローラへ供給し、現像ローラにより該トナーを
静電潜像担持体へ付着させることにより現像を行う画像
形成装置において、トナー供給ローラの硬度がアスカー
Fで40°〜60°の範囲内にあり、トナー供給ローラ
の現像ローラへの接触時の圧縮変形量が0.5〜2.0
mmの範囲内であることを特徴とするものである。
【0007】潤滑剤としてはワックスを使用し、結着樹
脂に対して2.5〜30.0重量部含まれるようにする
ことにより、オイルレス定着で、しかも十分な透過性が
得られる。またトナーは、95℃における粘性が1×1
〜1×10ポアズまたは105℃における粘性が
1×10〜1×10ポアズであるものを用いるとよ
い。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にしたがって説明する。図1は本発明の実施の形態の画
像形成装置を示す概略構成図である。本実施の形態では
画像形成装置として電子写真プリンタの画像形成装置を
用いて説明する。
【0009】図1において、画像形成装置1は、表面に
静電潜像が形成される感光体ドラム2、感光体ドラム2
の表面を所定の電圧、例えば−(マイナス)850Vに
帯電させる帯電ローラ3、感光体ドラム2の表面を露光
して静電潜像を形成する露光手段としてのLEDヘッド
4、感光体ドラム2上の静電潜像にトナーを付着させて
現像を行う現像部5を有する。現像部5には、感光体ド
ラム2にトナーを供給する現像ローラ6、現像ローラ6
に付着したトナーの層厚を規制する現像ブレード7およ
び現像ローラ6にトナーを供給するトナー供給ローラ8
が具備されている。現像部5の上方にはトナーを収容す
るトナーホッパー13が配置され、現像部5にトナーを
供給するようになっている。
【0010】現像ローラ6は導電性シャフトの周囲に半
導電性のシリコーンゴム、ウレタンゴムなどのゴム弾性
層を形成し、表面を良好な印刷濃度となるように適当な
表面粗さに研磨したもので、矢印方向に回転する。本実
施の形態では、Rz(+点平均粗さ)=6〜12μmに
研磨したものを用いている。トナー供給ローラ8は、現
像ローラに圧接して配置され、導電性シャフトの周囲に
シリコーンスポンジ、ウレタンスポンジなどの発泡性ゴ
ム弾性層を形成したものである。トナー供給ローラ8
は、現像ローラ6に圧接して配置され、矢印方向に回転
することによりトナーを現像ローラ6へ供給し、現像ロ
ーラ6との圧接部においてトナーを摩擦帯電するととも
に、現像に供されなかった現像ローラ6上の未使用トナ
ーを掻き取る働きもある。
【0011】使用する現像ローラ6の直径は30mmφ
で、またトナー供給ローラ8の直径は16mmφで、ト
ナー供給ローラ8の軸8aの直径は8mmφに設定して
ある。またトナー供給ローラ8は現像ローラ6に圧接し
ており、圧接している部分の圧縮変形量は0.5〜2.
0mmの範囲内に設定され、そのときのトナー供給ロー
ラ8と現像ローラ6とのニップ量(接触部の幅)をほぼ
1〜2mmに設定する。またトナー供給ローラ8の硬度
はアスカーFで40°〜60°の範囲に設定されてい
る。
【0012】感光体ドラム2の下部には、感光体ドラム
2表面上のトナー画像を印刷媒体に転写する転写ローラ
9が配設されている。印刷媒体は感光体ドラム2と転写
ローラ9の間を搬送される。画像形成装置1の左側、即
ち、印刷媒体搬送方向下流側には定着器10が設けられ
ている。定着器10は印刷媒体上に転写されたトナー画
像を印刷媒体に定着させるもので、ヒートローラ11と
ヒートローラ11に圧接するプレッシャローラ12から
構成される。なお定着器10は通常は画像形成装置1か
ら所定の距離をとって配設されるが、図では説明のため
にその距離を縮めて示してある。
【0013】本実施の形態で使用するトナーは次のよう
にして製造されたものである。以下、第1実施例として
説明する。成分として、ポリエステル樹脂(数平均分子
量Mn=3700、ガラス転移点Tg=62℃)を10
0重量部、カルナバワックスを2.5重量部、フタロシ
アニンブルーを4.5重量部、帯電制御剤を2.5重量
部の混合物を、ヘンシェルミキサー中で十分攪拌混合し
た後、ロールミルで120℃の温度で約3時間加熱溶融
し、室温まで冷却したのち、得られた混練物を粉砕、分
級し、平均粒径8μmのトナーを得る。得られたトナー
の95℃における粘性は、4×10ポアズであり、か
つ105℃における粘性は5×10ポアズであった。
【0014】次に、上記の方法で得られたトナーを上記
の構成を有する電子写真プリンタのトナーホッパーへ収
容して印刷を行い、その結果を調べた。定着器10への
オイル補給は行わなかった。トナー供給ローラ8の硬度
はアスカーFで40°で、現像ローラ6への圧接部の圧
縮変形量は0.5mmであった。印刷媒体としては、X
EROX(登録商標)4200用紙を用い、全面べた印
刷を行った。その結果、非オフセット領域を目視確認し
たところ、100℃〜200℃と極めて広い範囲であっ
た。また濁度値が1で十分な透過性が得られ、フィルミ
ングも発生しなかった。
【0015】また印刷媒体として3M社製、OHP C
G3300を用いて全面べた画像の印刷を行い、定着器
10の設定温度150℃における透過率を測定した。透
過率の測定は、日本電色製 SE2000を用い、測定
波長は470nmで行った。その結果、透過率は65%
であり、プロジェクターを用いた透過光での目視でも極
めて色鮮やかで良好な印刷結果が得られた。
【0016】さらに同じ条件で、連続3万枚の印刷試験
を行ったところ、初期と全く変わらない高品質の印刷結
果が得られ、トナーの供給不足により十分な濃度が発現
されないというような問題は生じなかった。また連続試
験を行った後、現像部5を分解して現像ローラ6表面を
詳細に観察した結果、トナーの現像ローラ6への固着は
見られなかった。
【0017】次に第2実施例として、条件を変えて調査
を行った。まずトナーの製造は次のように行った。即
ち、成分として、ポリエステル樹脂(数平均分子量Mn
=3700、ガラス転移点Tg=62℃)を100重量
部、カルナバワックスを30重量部、フタロシアニンブ
ルーを4.5重量部、帯電制御剤を2.5重量部の混合
物を、ヘンシェルミキサー中で十分攪拌混合した後、ロ
ールミルで120℃の温度で約3時間加熱溶融し、室温
まで冷却したのち、得られた混練物を粉砕、分級し、平
均粒径8μmのトナーを得る。得られたトナーの95℃
における粘性は2×10ポアズであり、かつ105℃
における粘性は2×10ポアズであった。
【0018】次に得られたトナーを上記の構成を有する
電子写真プリンタのトナーホッパーへ収容して印刷を行
い、その結果を調べた。定着器10へのオイル補給は行
わなかった。トナー供給ローラ8の硬度はアスカーFで
60°で、現像ローラ6への圧接部の圧縮変形量は2.
0mmとした。印刷媒体としては、XEROX(登録商
標)4200用紙を用い、全面べた印刷を行った。その
結果、非オフセット領域を目視確認したところ、100
℃〜200℃と極めて広い範囲であった。また濁度値が
1で十分な透過性が得られ、フィルミングも発生しなか
った。
【0019】また印刷媒体として3M社製、OHP C
G3300を用いて全面べた画像の印刷を行い、定着器
10の設定温度150℃における透過率を測定した。透
過率の測定は、日本電色製 SE2000を用い、測定
波長は470nmで行った。その結果、透過率は75%
であり、プロジェクターを用いた透過光での目視でも極
めて色鮮やかで良好な印刷結果が得られた。
【0020】さらに同じ条件で、連続3万枚の印刷試験
を行ったところ、初期と全く変わらない高品質の印刷結
果が得られ、トナーの供給不足により十分な濃度が発現
されないというような問題は生じなかった。また連続試
験を行った後、現像部5を分解して現像ローラ6表面を
詳細に観察した結果、トナーの現像ローラ6への固着は
見られなかった。
【0021】次に比較例1として、さらに条件を変えて
調査を行った。トナーの製造は第1実施例と同様であ
る。即ち、成分として、ポリエステル樹脂(数平均分子
量Mn=3700、ガラス転移点Tg=62℃)を10
0重量部、カルナバワックスを30重量部、フタロシア
ニンブルーを4.5重量部、帯電制御剤を2.5重量部
の混合物を、ヘンシェルミキサー中で十分攪拌混合した
後、ロールミルで120℃の温度で約3時間加熱溶融
し、室温まで冷却したのち、得られた混練物を粉砕、分
級し、平均粒径8μmのトナーを得る。得られたトナー
の95℃における粘性は4×10ポアズであり、かつ
105℃における粘性は5×10ポアズであった。
【0022】次に得られたトナーを上記の構成を有する
電子写真プリンタのトナーホッパーへ収容して印刷を行
い、その結果を調べた。定着器10へのオイル補給は行
わなかった。トナー搬送ローラ8の硬度はアスカーFで
60°で、現像ローラ6への圧接部の圧縮変形量は0.
3mmとした。印刷媒体としては、XEROX(登録商
標)4200用紙を用い、全面べた印刷を行った。その
結果、非オフセット領域を目視確認したところ、150
℃〜155℃と極めて狭い範囲であった。また濁度値も
12であり、十分な透過性は得られなかった。
【0023】また印刷媒体として3M社製、OHP C
G3300を用いて全面べた画像の印刷を行い、定着器
10の設定温度150℃における透過率を測定した。透
過率の測定は、日本電色製 SE2000を用い、測定
波長は470nmで行った。その結果、透過率は65%
であり、プロジェクターを用いた透過光での目視でも極
めて色鮮やかで良好な印刷結果が得られた。
【0024】さらに同じ条件で、連続の印刷試験を行っ
たところ、数十枚程度印刷したところで濃度の低下が生
じた。しかしながら同じ条件で、トナー搬送ローラ8の
現像ローラ6への圧縮変形量を0.5mmに変更したと
ころ、濃度の低下は解消され、0.3mmに戻すと再び
濃度が低下する現象が見られた。
【0025】本発明者らは比較例2として、さらに条件
を変えて調査を行った。トナーの製造は第1実施例と同
様である。即ち、成分として、ポリエステル樹脂(数平
均分子量Mn=3700、ガラス転移点Tg=62℃)
を100重量部、カルナバワックスを30重量部、フタ
ロシアニンブルーを4.5重量部、帯電制御剤を2.5
重量部の混合物を、ヘンシェルミキサー中で十分攪拌混
合した後、ロールミルで120℃の温度で約3時間加熱
溶融し、室温まで冷却したのち、得られた混練物を粉
砕、分級し、平均粒径8μmのトナーを得る。得られた
トナーの95℃における粘性は4×10ポアズであ
り、かつ105℃における粘性は4×10ポアズであ
った。
【0026】次に得られたトナーを上記の構成を有する
電子写真プリンタのトナーホッパーへ収容して印刷を行
い、その結果を調べた。定着器10へのオイル補給は行
わなかった。トナー搬送ローラ8の硬度はアスカーFで
40°で、現像ローラ6への圧接部の圧縮変形量は2.
5mmとした。印刷媒体としては、XEROX(登録商
標)4200用紙を用い、全面べた印刷を行った。その
結果、非オフセット領域を目視確認したところ、100
℃〜200℃と極めて広い範囲であり、また濁度値の良
好な値を示したが、フィルミングが発生した。
【0027】また印刷媒体として3M社製、OHP C
G3300を用いて全面べた画像の印刷を行い、定着器
10の設定温度150℃における透過率を測定した。透
過率の測定は、日本電色製 SE2000を用い、測定
波長は470nmで行った。その結果、透過率は65%
であり、プロジェクターを用いた透過光での目視でも極
めて色鮮やかで良好な印刷結果が得られた。
【0028】さらに同じ条件で、連続の印刷試験を行っ
たところ、1500枚を過ぎたところで印刷面にかぶり
とかすれが見え始めた。このとき、現像部を分解して現
像ローラ6の表面を観察したところ、現像ローラ6表面
にトナーが面状に広がって固着しているのが確認され
た。アルコールを含ませた脱脂綿で現像ローラ6の表面
を丁寧に拭くとトナーは完全に除去できた。その後現像
部5を組み立て直して再び印刷を行ったところ、かぶり
とかすれは解消され、初期と同様の高品質の印刷結果が
得られた。そこで連続印刷を再開したところ、今回も1
500枚を過ぎたあたりから印刷面にかぶりとかすれが
見え始めた。このとき現像部を分解して現像ローラ6の
表面を観察したところ、現像ローラ6表面にトナーが面
状に広がって固着しているのが確認された。
【0029】
【表1】
【0030】上記各実施例および各比較例の条件をまと
めると表1の通りである。また各例における印刷結果を
表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2には、95℃における粘性が1×10
ポアズで、105℃における粘性が1×10ポアズ
のトナーを使用した場合(上限粘度)の印刷結果と、9
5℃における粘性が1×10ポアズで、105℃にお
ける粘性が1×10ポアズのトナーを使用した場合
(下限粘度)の印刷結果をも示してある。表に示すよう
に両方の場合とも良好な結果が出ている。
【0033】なお表2において、マージンとは十分な非
オフセット温度範囲が得られるかどうかの評価であり、
比較例1の場合は十分な範囲が得られておらず、その他
の場合は十分は範囲が得られている。またフィルミング
は、トナーがトナー供給ローラから現像ローラへ供給さ
れる際に潰されて現像ローラ表面に付着する現象であ
る。
【0034】上記各例に示すように本発明者らは鋭意検
討した結果、トナーの95℃における粘性が1×10
〜1×10ポアズ、あるいは105℃における粘性が
1×10〜1×10ポアズを超えて高いと十分な透
過性を示さないことを確認した。また逆に、トナーの9
5℃における粘性が1×10〜1×10ポアズ、あ
るいは105℃における粘性が1×10〜1×10
ポアズの範囲を超えて低いと大量のオイル補給を定着器
に行っても、またトナー中に大量のワックスを含有させ
てもオフセットの発生を防止できないことが確認され
た。したがって本発明では、95℃における粘性が1×
10〜1×10ポアズで、かつ105℃における粘
性が1×10〜1×10ポアズのトナーを使用する
ことにより良好な透過性を実現することができる。
【0035】また本発明者らは、結着樹脂にワックスを
含有させてトナーを作製することによりオイルを補給し
ないで定着を行うオイルレス定着が可能であることを見
出した。即ち、ワックスの量が2.5重量部〜30重量
部の範囲内であれば定着器のヒートローラへのオイル補
給量が1枚当たり0〜0.05mgで、即ち、実質的な
オイルレスで定着が可能であることを見出した。
【0036】
【表3】
【0037】表3にワックスの含有量と非オフセット温
度領域との関係を示す。同表に示すように、ワックスの
量が2.5重量部〜30重量部の範囲内であれば100
℃〜200℃と極めて広い範囲の非オフセット温度領域
が得られる。
【0038】ワックスの量が2.5重量部以下であると
十分な非オフセット温度領域を確保するために実質的な
オイルレス定着が困難になり、30重量部以上であると
表面に存在するワックスのためかトナーの流動性が極端
に低下し、印刷品質が低下することを見出した。
【0039】また良好な印刷結果を得るためには、画像
形成装置1側の対応も必要である。本発明では、トナー
が大量のワックスを含有することから、現像ローラ6に
トナーが付着しやすくなる点を考慮し、これを防止する
ための改良を加えている。大量のワックスを含むトナー
は、必然的に粒子表面に大きい占有率でワックスが存在
しやすくなる。ワックスは溶融時の粘度が結着樹脂に比
較して小さいものであるから、長時間の印刷でトナーが
現像ローラに長時間こすりつけられると、摩擦熱で現像
ローラ表面に溶融し、これが固まって現像ローラ表面に
面状に被服してしまうことがある。このような状態で
は、正常なトナーが現像ローラの表面に固着したトナー
と摩擦帯電することになるので、トナー同士が帯電しあ
うことになり、かぶりの多い印刷になりやすいのであ
る。
【0040】本発明者らは、上記各実施例に示すよう
に、現像ローラにトナーを供給するトナー供給ローラの
硬度がアスカーFで40°〜60°の範囲内であるよう
な非常に柔らかいものを用いることにより、トナーへの
機械的ダメージを最小限に抑えることが可能であること
を見出した。上述のようにトナー供給ローラ8は、導電
性シャフトの周囲にシリコーンスポンジ、ウレタンスポ
ンジなどの発泡性ゴム弾性層を形成したもので、現像ロ
ーラ6に圧接している部分の圧縮変形量は0.5〜2.
0mmの範囲内に設定している。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】表4、表5、表6はワックスの量がそれぞ
れ2.5重量部、30重量部および35重量部の場合の
特性を示す。各表ではトナー供給ローラ8の硬度と現像
ローラへの圧縮変形量がそれぞれ異なる場合を示してあ
る。各表において、濃度はマクベス値であり、1.2〜
1.8が適正値である。また荷重は、トナー供給ローラ
8と現像ローラとの間の荷重であり、トナー供給ローラ
8の硬度と現像ローラへの圧縮変形量により変化する。
【0045】各表において、ワックス量が2.5重量部
の場合は、硬度が40°または60°の場合で、圧縮変
形量が0.5mm〜2.0mmの範囲のある場合に良好
な結果が出ている。またワックス量が30重量部の場合
も同様に、硬度が40°または60°の場合で、圧縮変
形量が0.5mm〜2.0mmの範囲のある場合に良好
な結果が出ている。ワックス量が35重量部の場合は、
硬度および圧縮変形量がいずれの場合も印刷かすれが発
生し、良好な印刷結果は得られていない。
【0046】
【表7】
【0047】表7はトナー供給ローラの硬度と圧縮変形
量の関係を示す。同表に示す評価結果は、ワックス量が
2.5重量部と30重量部の両方の場合の結果である。
硬度が40°と60°の場合は上述の表4と表5に示す
ものと同様である。表中に示す×は、濃度不足あるいは
印刷かすれが発生し、いずれにしても不良の印刷結果を
示す。表からわかるように、圧縮変形量が0.3mm以
下の場合は硬度に拘らず濃度不足が発生し、2.5mm
以上では硬度に拘らず印刷かすれが発生する。このよう
に、ワックスが2.5重量部〜30重量部含まれる場合
に、良好な印刷結果が得られた。
【0048】現像ローラへの圧縮変形量が0.5mm以
下であると現像ローラに対してトナーの安定供給および
回収ができなくなり、逆に圧縮変形量が2.0mmを超
えるとトナー供給ローラの硬度を小さく設定する効果が
損なわれ、最終的には現像ローラ表面へのトナーの固着
を招く。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、トナー供給ローラの硬度がアスカーFで40°〜6
0°の範囲内にあり、トナー供給ローラの現像ローラへ
の接触時の圧縮変形量が0.5〜2.0mmの範囲内と
することにより、オイルレス定着が可能で、しかも十分
な透過性が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の画像形成装置を示す概略
構成図である。
【図2】オイルの塗布量と透過性の関係を示す説明図で
ある。
【図3】オイルの塗布量と透過性の関係を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 画像形成装置 2 感光体ドラム 6 現像ローラ 8 トナー供給ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA06 CA14 EA03 EA07 2H077 AC04 AD02 AD06 FA22 3J103 AA02 AA32 AA85 BA41 EA03 FA16 GA57 GA58 HA03 HA12 HA20 HA53

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑剤を含むトナーをトナー供給ローラ
    により現像ローラへ供給し、現像ローラにより該トナー
    を静電潜像担持体へ付着させることにより現像を行う画
    像形成装置において、 トナー供給ローラの硬度がアスカーFで40°〜60°
    の範囲内にあり、トナー供給ローラの現像ローラへの接
    触時の圧縮変形量が0.5〜2.0mmの範囲内である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記潤滑剤はワックスであり、結着樹脂
    に対して2.5〜30.0重量部含まれる請求項1記載
    の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記トナーの粘性は、95℃における粘
    性が1×10〜1×10ポアズまたは105℃にお
    ける粘性が1×10〜1×10ポアズである請求項
    1または2記載の画像形成装置。
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