JP2009047715A - 画像形成装置 - Google Patents

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直樹 大西
Masanobu Ninomiya
正伸 二宮
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雅史 池田
Toyofumi Inoue
豊文 井上
Yoshinari Ueno
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Abstract

【課題】異物の塊を充分に除去でき、クリーニング性の高い良好な画像形成を行う画像形成装置を提供する。
【解決手段】回転しながら表面に画像を保持する、所定方向と所定方向とは逆方向とに回転方向が切り換わる像保持体61と、像を所定の転写位置で像保持体から記録媒体上に転写し、転写した像を記録媒体上に定着する転写定着部と、転写位置よりも所定方向について下流側で像保持体の表面に対して当接して、像保持体上に残留したトナーを像保持体から除去するクリーニングブレード621と、クリーニングブレード621が像保持体表面に当接する位置よりも所定方向について上流側、かつ、転写位置よりも下流側の当接位置において像保持体表面に当接する、当接位置と、像担持体とは離間した離間位置との間で移動可能な、像保持体が所定方向とは逆方向に回転する際には離間位置から当接位置に移動する可動ブレード622とを備えた。
【選択図】図3

Description

本発明は、像保持体上にトナーの像を形成して、その像を記録媒体上に転写および定着する画像形成装置に関する。
従来、プリンタやコピー機を中心とする画像形成装置が広く普及しており、このような画像形成装置を構成する様々な要素に関する技術も広く普及している。画像形成装置の中でも電子写真方式を採用している画像形成装置では、回転する像保持体の上に、静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させて現像像を形成することが行われている。このようにして形成された像保持体上の現像像は、直接、記録媒体上に転写されるか、あるいは、転写ベルトなどを介して、記録媒体上に転写され、転写後、定着器において加圧・加熱されて記録媒体上に定着する。転写後の像保持体の表面には、転写されずに残った残留トナーや紙粉等が付着していることがあり、電子写真方式の画像形成装置では、次の画像形成プロセスに備えてこうした残留トナーなどを除去するためのクリーニング装置が備えられていることが多い。クリーニングの方式には種々のものが知られているが、クリーニング方式の中でも、クリーニングブレードと呼ばれるゴム製の板状部材を、回転する像保持体に当接して残留トナーを擦り落とすブレードクリーニング方式は、クリーニングの機構が簡単であるため、クリーニング装置のコスト削減や小型化が実現され、望ましい性質を備えている。
ブレードクリーニング方式では、クリーニングブレードが、一方方向に回転する像保持体と常時当接した状態でクリーニングが行われるので、像保持体と当接する、クリーニングブレードの先端部付近において、紙粉や残留トナーがクリーニングブレードによって像保持体に強く押しつけられているうちに塊の状態になることがある。こうした紙粉や残留トナーの塊は、像保持体が一方向にのみ回転する状態では除去されにくく、クリーニングブレードの先端部付近にとどまり続けることが多い。クリーニングブレードの先端部付近に、紙粉や残留トナーの塊が存在すると、クリーニングブレードと像保持体との間に入り込んでクリーニングブレードと擦り合うことでクリーニングブレードに欠けを生じやすく、この結果、クリーニング性が低下して画質欠陥が発生することがある。また、紙粉や残留トナーの塊と像保持体との間の摩擦により、像保持体表面が摩耗してしまうこともある。
最近では、こうしたブレードクリーニング方式の欠点を改善するため、像保持体が上記の一方方向とは逆の方向にも回転できる機構を備え、逆方向に像保持体を回転させる際に、ブラシローラを当接させることで、上述の紙粉や残留トナーの塊の除去を図った画像形成装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−15471号公報
しかしながら、残留トナーの塊の中には、像保持体に強く付着しているものも多く、特許文献1記載の方法では、ブラシローラによるクリーニング力が小さいために、紙粉については除去できても、このように像保持体に強く付着した残留トナーの塊を除去するだけの充分な効果を上げることができない。
特に、最近の画像形成装置の分野では、消費電力の低減と定着速度の向上を主な目的として、低温度で融解して記録媒体に定着するトナーが用いられることが多く、こうしたトナーは強度が小さくかつ変形しやすいため、ブレードクリーニング方式が採用された場合には、像保持体に強固に付着した塊となりやすい。
本発明は、上記事情に鑑み、異物の塊を充分に除去でき、クリーニング性の高い良好な画像形成を行う画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の画像形成装置は、
回転しながら表面に画像を保持する、所定方向と該所定方向とは逆方向とに回転方向が切り換わる像保持体と、
上記像保持体上にトナーの像を形成する像形成部と、
上記像を所定の転写位置で上記像保持体から記録媒体上に転写し、転写した上記像を該記録媒体上に定着する転写定着部と、
上記転写位置よりも上記所定方向について下流側で上記像保持体の表面に対して当接して、上記記録媒体に転写されずに該像保持体上に残留したトナーを上記像保持体から除去するクリーニングブレードと、
上記クリーニングブレードが上記像保持体表面に当接する位置よりも上記所定方向について上流側、かつ、上記転写位置よりも該所定方向について下流側の当接位置において上記像保持体表面に当接する、該当接位置と、上記像担持体とは離間した離間位置との間で移動可能な、上記像保持体が上記所定方向とは逆方向に回転する際には該離間位置から該当接位置に移動する可動ブレードとを備えたことを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、像保持体が上記の所定方向とは逆方向に回転する際に、可動ブレードを像保持体に当接させることで、クリーニングブレードが像保持体と当接する付近にできたトナーの塊を崩して、除去しやすいばらばらの状態にすることができる。このように可動ブレードを像保持体に当接させることで大きな摺擦力が生み出され、本発明の画像形成装置は、像保持体に強く付着した塊や固い塊であっても容易に崩すことができる。この結果、本発明の画像形成装置では、高いクリーニング性が発揮される。
また、「上記像形成部は、上記トナーとして、40℃における貯蔵弾性率が1×10Pa以上6×10Pa以下のトナーを用いて上記像を形成するものである」という形態は好ましい形態である。
一般に、40℃における貯蔵弾性率が小さいトナーほど融点が低く、トナー像が低温度で定着する。そこで、40℃における貯蔵弾性率が1×10[Pa]以上6×10[Pa]以下という、貯蔵弾性率が小さいトナーを採用した形態によれば、定着処理の際にかかる消費電力の低減と、定着処理の際の加熱時間の短縮化との両方の実現が図られることとなる。
貯蔵弾性率が小さいトナーには、このように、定着処理の際にかかる消費電力の低減と、定着処理の際の加熱時間の短縮化との両方が実現するという長所があるものの、その一方で、該トナーは強度が小さくかつ変形しやすい性質があるため、ブレードクリーニング方式が採用された場合には、像保持体に強固に付着したトナー同士が塊となりやすいという欠点がある。
しかし、本発明の画像形成装置は、上述したように、像保持体に可動ブレードを当接させる機構を備えており、こうしたトナー同士の塊であっても充分に崩してばらばらにすることで、簡単に除去することができ、貯蔵弾性率が小さいトナーの長所を生かすことができる。
ここで、トナーの貯蔵弾性率が1×10[Pa]未満であると、トナーの貯蔵弾性率が1×10[Pa]未満であると、トナーの強度が極端に低いため、像保持体表面上に残留したトナーの中には塊状にならずに像保持体表面に薄膜状にこびりついてフィルミング化するものが現れ、こうしたフィルミングにより画質欠陥が発生する場合がある。一方、トナーの貯蔵弾性率が6×10[Pa]より大きいと、低温度でのトナーの定着性が低く、定着処理の際にかかる消費電力の低減と、定着処理の際の加熱時間の短縮化の実現が困難になる場合がある。
そこで、上記の形態では、40℃における貯蔵弾性率が、1×10[Pa]以上6×10[Pa]以下の範囲内に属しているトナーを採用することで、低温定着性を維持しつつ、高いクリーニング性が発揮される。
本発明によれば、異物の塊を充分に除去でき、クリーニング性の高い良好な画像形成を行うことができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す全体構成図である。
この画像形成装置1000は、電子写真方式を採用したモノクロの片面出力プリンタである。この画像形成装置1000は、電子写真方式用の積層型の像保持体であって、画像形成時には不図示の駆動機構から回転駆動力を受けて図の矢印A方向に回転する像保持体61と、不図示の電源から電力の供給を受けて、像保持体61に接触しながら回転することで像保持体を帯電する帯電部材65とを備えている。また、この画像形成装置1000には、像保持体61に向けてレーザ光を発し、像保持体61上に、周囲と電位が異なる静電潜像を形成する露光部7、静電潜像にトナーを付着させて現像像を形成する現像器64、転写用のバイアス電圧の印加を受けて像保持体61上の現像像を、搬送されてくる用紙へ転写させる転写ロール50、用紙上に転写された転写像に対し熱および圧力を加えることで転写像の用紙への定着を行う定着器10、現像像の転写後に像保持体61に付着したまま残留したトナー(残留トナー)や転写の際に用紙から像保持体61に付着した紙粉を除去するクリーニング装置62、各部を制御するCPU4も備えられている。ここで、この画像形成装置1000では、40℃における貯蔵弾性率が1×10[Pa]以上6×10[Pa]以下という、貯蔵弾性率が小さいトナーが採用されている。一般に、40℃における貯蔵弾性率が小さいトナーほど融点が低く、転写像が低温度で定着する。こうした融点の低いトナーを採用することにより、この画像形成装置1000では、定着処理の際にかかる消費電力の低減と、定着処理の際の加熱時間の短縮化との両方が実現されている。
以下、この画像形成装置1000における画像形成の動作について説明する。
この画像形成装置1000には、トナーが蓄えられた不図示のトナーカートリッジが備えられており、このトナーカートリッジにより現像器64にトナーの補給が行われる。また、現像像が転写されるために用いられる用紙は、トレイ1の中に蓄えられており、ユーザから画像形成が指示されるとトレイ1から搬送されて、転写ロール50において現像像の転写が行われた後、図の左方向に向かって搬送されていく。図1においては、この時の用紙搬送路が、左向きの矢印で示す経路として示されており、用紙はこの用紙搬送路を通って定着器10において、用紙上に転写された転写像の定着が行われた後、左方向に排出される。
次に、図1に示すクリーニング装置62について説明する。このクリーニング装置62は、クリーニングブレードと呼ばれるゴム製の板状部材を、回転する像保持体に当接して残留トナーを擦り落とすブレードクリーニング方式を採用したクリーニング装置である。
図2は、図1に示すクリーニング装置を模式的に表した断面図である。
クリーニング装置62は、クリーニング装置62の筐体620に取り付けられた第1クリーニングブレード621を備えており、画像形成時に図の矢印A方向に回転する像保持体61に対して、図に示すように、第1クリーニングブレード621の先端が常時当接することで、残留トナーや紙粉の多くは除去される。
一般に、一方方向に回転する像保持体にクリーニングブレードが常時当接するクリーニング方式では、紙粉や残留トナーがクリーニングブレードによって像保持体に強く押しつけられているうちに塊の状態になることがある。こうした紙粉や残留トナーの塊は、像保持体が一方方向にのみ回転する状態では除去されにくく、クリーニングブレードの先端部付近にとどまり続けることが多い。クリーニングブレードの先端部付近に紙粉や残留トナーの塊が存在すると、クリーニングブレードと像保持体との間に入り込んでクリーニングブレードと擦り合うことでクリーニングブレードに欠けを生じやすく、この結果、クリーニング性が低下して画質欠陥が発生することがある。
図2のクリーニング装置62には、塊状態となった紙粉や残留トナーを崩して除去しやすい状態にするために、さらに第2クリーニングブレード622が備えられている。第2クリーニングブレード622は、画像形成時には像保持体61から離間しており、図2では、第2クリーニングブレード622が離間した位置(離間位置)にある状態が示されている。電源投入直後および、ユーザから指示される一連の画像形成(ジョブ)の終了直後には、CPU4の指示に基づき、第2クリーニングブレード622は、図の右方向に移動して像保持体61に当接する。以下、この第2クリーニングブレード622が像保持体61と当接する位置を当接位置と呼ぶ。
この画像形成装置1000には、このような第2クリーニングブレード622の移動を実現するため、第2クリーニングブレード622を支持する支持部材623に対し、バネ5aとベルト5bそれぞれ一端が接続されており、ベルト5bのもう一方の端は、ベルト張架ロール5cを経由してモータ5と接続され、バネ5aのもう一方の端は、筐体620の一部に固定されている。第2クリーニングブレードが離間位置に位置しているときには、バネ5aは自然長にある。ジョブが終了すると、CPU4の指示に基づき、モータ5が駆動してベルト5bが図の矢印C方向に巻き取られ、このベルト5bの巻き取りによって、支持部材623および第2クリーニングブレード622が、バネ5aを伸張させながら矢印Dで示す方向に移動して像保持体61と当接する。
像保持体61の回転駆動源となる駆動機構(不図示)は、CPU4によって制御されており、画像形成装置1000の電源投入直後、および、ジョブ終了直後には、CPU4は、上述のように第2クリーニングブレード622を像保持体61に当接させるとともに、像保持体61を、図2の矢印A方向とは反対方向に回転(逆回転)させる。この逆回転により、第1クリーニングブレード621の先端付近に発生したトナーの塊61aは図の下方へ搬送されていく。
図3は、図2に示す第2クリーニングブレードが、当接位置に移動したときの状態を表す図である。
当接位置においては、図3に示すように、図の矢印B方向に回転する像保持体61に対して第2クリーニングブレード622の先端が当接し、搬送されてきたトナーの塊61aは、第2クリーニングブレード622により崩されてばらばらの状態のトナーとなる。同様にして、紙粉の塊についても第2クリーニングブレード622により崩される。第2クリーニングブレード622が像保持体61に当接した状態で像保持体61は、CPU4の指示に基づき図3のB方向に所定回数回転する。この結果、ほとんどすべての残留トナーや紙粉の塊は、崩されてばらばらの状態となる。なお、このように崩されて除去されやすい状態となった残留トナーや紙粉は、次の画像形成の際に、図2のA方向に回転する像保持体61から第1クリーニングブレード621によって除去される。
上述した、像保持体61によるB方向への所定回数の回転が終了すると、CPU4の指示に基づきモータ5の駆動が停止され、バネ5aの伸縮力によりベルト5bが繰り出されることで第2クリーニングブレード622が図3の左方向に移動して再び図2の離間位置に戻る。トナーや紙粉の塊を崩す作業は、上述したように電源投入直後、およびジョブ終了直後に1度行われ、その後の画像形成のために、トナーや紙粉の塊のない良好な状態が準備される。
このように、この画像形成装置1000では、像保持体61を画像形成時の回転方向とは反対方向に回転させるとともに第2クリーニングブレード622を像保持体61に当接させることで、第1クリーニングブレード621の先端付近にできた残留トナーや紙粉の塊を崩して、除去しやすいばらばらの状態にすることができる。クリーニングブレードの当接力は、ブラシローラなどの他のクリーニング部材と比べてきわめて大きいので、像保持体61に強く付着した塊や固い塊であっても容易に崩すことができ、この画像形成装置1000では、高いクリーニング性が発揮される。
また、この画像形成装置1000で採用されているトナーは、上述したように、40℃における貯蔵弾性率が、1×10[Pa]以上6×10[Pa]以下のトナーである。
一般に、低融点トナーには、定着処理の際にかかる消費電力の低減と、定着処理の際の加熱時間の短縮化との両方が実現するという長所があるものの、低融点トナーは強度が小さくかつ変形しやすい性質があるため、ブレードクリーニング方式が採用された場合には、像保持体に強固に付着したトナー同士が塊となりやすいという欠点がある。
この画像形成装置1000では、上述したように、画像形成時とは反対方向に回転する像保持体61に第2クリーニングブレード622を当接させる機構を採用することで、こうした低融点トナー同士の塊であっても充分に除去することができ、低融点トナーの長所を最大限に生かすことができる。
ここで、トナーの貯蔵弾性率が1×10[Pa]未満であると、トナーの強度が極端に低いため、像保持体表面上に残留したトナーの中には塊状にならずに像保持体表面に薄膜状にこびりついてフィルミング化するものが現れ、こうしたフィルミングにより画質欠陥が発生する。一方、トナーの貯蔵弾性率が6×10[Pa]より大きいと、低温度でのトナーの定着性が低く、定着処理の際にかかる消費電力の低減と、定着処理の際の加熱時間の短縮化の実現が困難になる。
そこで、この画像形成装置1000では、40℃における貯蔵弾性率が、1×10[Pa]以上6×10[Pa]以下の範囲内に属しているトナーを採用することで、低温定着性を維持しつつ、高いクリーニング性が発揮される。
以下では、この画像形成装置1000で採用されているトナーの製造方法、およびそのトナーを有する二成分現像剤の製造方法について説明する。ここでは、一例として40℃における貯蔵弾性率が約4×10[Pa]のトナーを製造する場合について説明する。
(結晶性樹脂の作製)
三口フラスコに、セバシン酸ジメチル100質量部と、ヘキサンジオール67.8質量部と、ジブチルすずオキサイド0.10質量部とを収容し、窒素雰囲気下で、反応中に生成された水は系外へ除去しながら、180℃で6時間反応させた後、徐々に減圧しながら210℃まで温度をあげて、6時間反応させた後、冷却して得た、重量平均分子量が32500の結晶性樹脂を用意した。
(非結晶性樹脂(1)の作製)
また、三口フラスコに、テレフタル酸ジメチル49質量部、フマル酸ジメチル72質量部、ドデセニルコハク酸無水物55質量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物157質量部と、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物171質量部と、ジブチルすずオキサイド0.25質量部とを収容し、窒素雰囲気下で、反応により生成された水は系外へ除去しながら、180℃で3時間反応させた後、徐々に減圧しながら240℃まで温度をあげて、2時間反応させた後、冷却して得た、重量平均分子量が18200の非結晶性樹脂(1)を用意した。
(着色分散液の作製)
カーボンブラック(R330:キャボット社製)50質量部と、非イオン性界面活性剤ノニポール400(花王社製)5質量部と、イオン交換水200質量部とを混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて約1時間分散し、水分量を調整して着色分散液を用意した。
(離型剤分散液の作製)
パラフィンワックス(日本精蝋(株)製:HNP9,融点77℃)60質量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)4質量部と、イオン交換水200質量部とを混合した溶液を120℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社)で120℃、350kg/cm、1時間の条件にて分散処理して得られた、体積平均粒径が250nmの離型剤が分散した、分散液中の離型剤濃度が20質量%となるように水分量が調整された離型剤分散液を用意した。
(非結晶性樹脂(2)の作製)
また、三口フラスコに、テレフタル酸ジメチル39質量部、フマル酸ジメチル80質量部、ドデセニルコハク酸無水物66質量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物250質量部と、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物80質量部と、ジブチルすずオキサイド0.23質量部とを収容し、窒素雰囲気下で、反応によって生成された水は系外へ除去しながら180℃で3時間反応させた後、徐々に減圧しながら240℃まで温度をあげて2時間反応させた後、冷却して得た、重量平均分子量が16500の非結晶性樹脂(2)を用意した。
(非結晶性樹脂分散液(C2)の作製)
上述の非結晶性樹脂(2)100質量部と、メチルエチルケトン55質量部と、n−プロピルアルコール23質量部とを三口フラスコに収容し、攪拌しながら樹脂を溶解させた後、10%アンモニア水溶液15質量部を加え、さらにイオン交換水350質量部を徐々に加えて転相乳化を行った後、脱溶媒を行って得られた、体積平均径が185nmの非結晶性樹脂粒子が分散した、固形分濃度が25%の非結晶性樹脂分散液(C2)を作製した。
(結晶性/非結晶性混合樹脂分散液(A1)の作製)
上述の結晶性樹脂10質量部と、非結晶性樹脂(1)90質量部と、メチルエチルケトン50質量部と、イソプロピルアルコール15質量部とを三口フラスコに収容し、攪拌しながら60℃に加熱して樹脂を溶解させた後、10%アンモニア水溶液25質量部を加え、さらにイオン交換水400質量部を徐々に加えて転相乳化を行い、その後減圧し、脱溶媒することで、体積平均粒径が158nmの結晶性/非結晶性混合樹脂粒子が分散された、固形分濃度が25%の結晶性/非結晶性混合樹脂分散液(A1)を作製した。
(トナーの作製)
この結晶性/非結晶性混合樹脂分散液(A1)720質量部と、上述の着色剤分散液50質量部および離型剤分散液70質量部と、カチオン界面活性剤(花王(株)製:サニゾールB50)1.5質量部とを丸型ステンレス製フラスコに収容し、0.1規定の硫酸を添加してpHを3.8に調整した後、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの濃度が10重量%の硝酸水溶液30質量部を添加し、その後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した。加熱用オイルバス中で1℃/分で40℃まで加熱し、40℃で30分間保持した後、この分散液中に、非結晶性樹脂分散液(C2)を緩やかに160質量部追加して、さらに1時間保持した。
その後、0.1規定の水酸化ナトリウムを添加してpHを7.0に調整した後、攪拌を継続しながら1℃/分で95℃まで加熱して5時間保持した後、20℃/minの速度で20℃まで冷却し、これをろ過し、イオン交換水で洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させた、体積平均粒径が6.1μmで3μm以下の粒子の個数割合が3.34%の、40℃における貯蔵弾性率が4×10のトナーを得た。
なお、体積平均粒径の測定は、コールターマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製)を用いると共に、電解液はISOTON‐II(ベックマンーコールター社製)を使用し、分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5重量%水溶液2ml中に測定試料を10mg加え、これを上記電解液100ml中に添加したサンプルを調整し、測定試料を懸濁した電解液を超音波分散器で1分間分散処理を行い、上記コールターマルチサイザーII型により、アパーチャー径50μmのアパーチャーを用いて1.0μm以上30μm以下の粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求め、測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し体積基準で小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径(D50v)を測定試料の体積平均粒径とした。また個数基準で小径側から累積分布を描き、測定粒子数の総個数に対する3μm以下の粒子の個数の割合を3μm以下の粒子の個数割合とした。なおこの体積平均粒径、3μm以下の粒子の個数割合は、通常前述のコールターマルチサイザーII型に内蔵されたソフトウェアにより求めることができる。
(二成分現像剤の作製)
上述の製造方法で作製されたトナー100質量部に対して、外添剤として市販の粒径65nmのヒュームドシリカRX50(日本アエロジル製)1.2質量部を、ヘンシェルミキサー(三井三池製作所製)を使用して周速30m/s、5分の条件で添加し、さらに、外添剤が添加されたトナー8質量部と、キャリア100質量部とを混合して二成分現像剤を作製した。ここで、キャリアは、フェライト粒子(体積平均粒径:50μm)100質量部と、トルエン14質量部と、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比:スチレン/メチルメタクリレート=90/10、重量平均分子量Mw=80000)2質量部と、カーボンブラック(R330:キャボット社製)0.2質量部とを、まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダー(井上製作所製)に入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させ、その後105μmで篩分して得たものである。
なお、以上の製造方法の説明において、「結晶性樹脂」とは、示差走査結量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。ここで、トナーに用いられる『結晶性』とは、示差走査熱量測定(DSC)において、DSC曲線が明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークが発生し、その後上記DSC曲線のベースラインに戻ることを意味する。
以下では、上述した、第2クリーニングブレードと像保持体の逆回転により、高いクリーニング性が発揮されることや、40℃における貯蔵弾性率が上述した範囲に属するトナーの効果を実験結果に基づいて説明する。
(実施例1)
実施例1の画像形成装置は、図1の画像形成装置1000と同じ構成を持つ画像形成装置である。この画像形成装置では、上述の製造方法の「結晶性樹脂の作製」において210℃まで温度をあげて6時間反応させるところを、210℃3時間にすることで重量平均分子量が21000の結晶性樹脂が用意される点を除けば、同じ製造方法を用いて作製された二成分現像剤が採用されており、この二成分現像剤に含まれるトナーの、40℃における貯蔵弾性率は、0.9×10[Pa]である。この画像形成装置を用いて下記の実験を行った。
ハーフトーン画像を、温度28℃、湿度(RH)85%の高温高湿度下で用紙(富士ゼロックス製C2用紙)2000枚に出力するジョブを10回繰り返し、さらに温度10℃、湿度(RH)15%の低温低湿度下で用紙(富士ゼロックス製C2用紙)2000枚に出力するジョブを10回繰り返すという出力テストを行った。ここで、上記のハーフトーン画像とは、1インチ平方当り150個の網点で形成された画像を意味する。そして、出力テストの最終ジョブ(20回目のジョブ)の最後に出力されたハーフトーン画像に、筋状の画質欠陥がどの程度発生しているかをチェックした。筋状の画質欠陥は、クリーニングブレードに欠けが生じたためにクリーニング性が低下したときによくみられる現象であり、この出力テストによりクリーニング性がチェックできる。画質欠陥についてのチェック結果は、以下のカテゴリーに分けて評価した。
○ : 筋状の画質欠陥は発生していない
△ : 筋状の画質欠陥が少量発生しているが、画質上、問題にならない程度である
× : 筋状の画質欠陥が多量に発生しており、画質上、問題になる
さらに、上記の出力テスト後、一晩の間、電源を切った状態でこの画像形成装置を、温度28℃、湿度(RH)85%の高温高湿度下で放置した後、翌朝、電源を投入して最初に上記のハーフトーン画像について用紙(富士ゼロックス製C2用紙)上に画像形成を行った時の画質(いわゆる朝一画質)をチェックした。具体的には、このチェックでは、画像がぼやける画質欠陥(いわゆる像流れ)の有無を調べた。一般に、高温高湿度下で長時間放置された画像形成装置では、放置前の画像形成の際に発生した放電生成物が像保持体表面に付着して次回の画像形成時に画像がぼやける画質欠陥が発生しやすく、このチェックにより、放電生成物の付着による画質欠陥の有無が調べられる。上述の、電源を投入して最初の画像形成時における画質欠陥のチェック結果は、以下のカテゴリーに分けて評価した。
○ : 画像がぼやける画質欠陥は発生していない
△ : 画像がぼやける画質欠陥が少量発生しているが、問題にならない程度である
× : 画像がぼやける画質欠陥が多量に発生しており、画質上、問題になる
次に、画質安定化のために所定枚数分の画像の出力を行った後、次に、定着温度150℃という、定着温度としては低い温度に設定して、上述のハーフトーン画像を用紙(富士ゼロックス製C2用紙)上に出力し、低温定着性をチェックした。一般に、定着温度が低いとトナーの融解が遅れて画像に濃度ムラが発生しやすく、上記の低温定着性のチェックでは、具体的には、濃度ムラの発生の有無を調べ、以下のカテゴリーに分けて評価した。
○ : 濃度ムラの画質欠陥は発生していない
× : 濃度ムラの画質欠陥が発生している
以上説明した、実施例1の画像形成装置の、連続出力後のクリーニング性のチェック結果、最初の画像形成時における画質のチェック結果、および低温定着性のチェック結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例2の画像形成装置は、図1の画像形成装置1000と同じ構成を持つ画像形成装置である。実施例2の画像形成装置では、上述の製造方法の「結晶性樹脂の作製」において210℃まで温度をあげて6時間反応させるところを、210℃4時間にすることで重量平均分子量が24500の結晶性樹脂が用意される点を除けば、同じ製造方法を用いて作製された二成分現像剤が採用されており、この二成分現像剤に含まれるトナーの、40℃における貯蔵弾性率は、1.0×10[Pa]である。実施例2の画像形成装置を用いて実施例1と同じ実験を行い、連続出力後のクリーニング性のチェック、最初の画像形成時における画質のチェック、低温定着性のチェックを行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例3の画像形成装置は、図1の画像形成装置1000と同じ構成を持つ画像形成装置であり、実施例3の画像形成装置では、上述の製造方法で製造された、40℃における貯蔵弾性率が、4.0×10[Pa]のトナーを含む二成分現像剤が採用されている。実施例3の画像形成装置を用いて実施例1と同じ実験を行い、連続出力後のクリーニング性のチェック、最初の画像形成時における画質のチェック、低温定着性のチェックを行った。その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例4の画像形成装置は、図1の画像形成装置1000と同じ構成を持つ画像形成装置である。実施例4の画像形成装置では、上述の製造方法の「結晶性樹脂の作製」において210℃まで温度をあげて6時間反応させるところを、230℃3時間にすることで重量平均分子量が35100の結晶性樹脂が用意される点を除けば、同じ製造方法を用いて作製された二成分現像剤が採用されており、この二成分現像剤に含まれるトナーの、40℃における貯蔵弾性率は、6.0×10[Pa]である。実施例4の画像形成装置を用いて実施例1と同じ実験を行い、連続出力後のクリーニング性のチェック、最初の画像形成時における画質のチェック、低温定着性のチェックを行った。その結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例5の画像形成装置は、図1の画像形成装置1000と同じ構成を持つ画像形成装置である。実施例5の画像形成装置では、上述の製造方法の「結晶性樹脂の作製」において210℃まで温度をあげて6時間反応させるところを、230℃4時間にすることで重量平均分子量が37700の結晶性樹脂が用意される点を除けば、同じ製造方法を用いて作製された二成分現像剤が採用されており、この二成分現像剤に含まれるトナーの、40℃における貯蔵弾性率は、7.0×10[Pa]である。実施例5の画像形成装置を用いて実施例1と同じ実験を行い、連続出力後のクリーニング性のチェック、最初の画像形成時における画質のチェック、低温定着性のチェックを行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
比較例1の画像形成装置は、第2クリーニングブレードおよび像保持体の逆回転機構が存在しない点を除けば、図1の画像形成装置1000と同じ構成を持つ画像形成装置である。比較例1の画像形成装置では、上述の製造方法の「結晶性樹脂の作製」において210℃まで温度をあげて6時間反応させるところを、210℃3時間にすることで重量平均分子量が21000の結晶性樹脂が用意される点を除けば、同じ製造方法を用いて作製された二成分現像剤が採用されており、この二成分現像剤に含まれるトナーの、40℃における貯蔵弾性率は、0.9×10[Pa]である。比較例1の画像形成装置を用いて実施例1と同じ実験を行い、連続出力後のクリーニング性のチェック、最初の画像形成時における画質のチェック、低温定着性のチェックを行った。その結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例2の画像形成装置は、第2クリーニングブレードおよび像保持体の逆回転機構が存在しない点を除けば、図1の画像形成装置1000と同じ構成を持つ画像形成装置である。比較例2の画像形成装置では、上述の製造方法で製造された、40℃における貯蔵弾性率が、4.0×10[Pa]のトナーを含む二成分現像剤が採用されている。比較例2の画像形成装置を用いて実施例1と同じ実験を行い、連続出力後のクリーニング性のチェック、最初の画像形成時における画質のチェック、低温定着性のチェックを行った。その結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例3の画像形成装置は、第2クリーニングブレードが存在しない点を除けば、図1の画像形成装置1000と同じ構成を持つ画像形成装置である。この比較例3の画像形成装置では、像保持体の逆回転機構は備えており、図1の画像形成装置1000と同じように、電源投入直後およびジョブ終了直後に像保持体の逆回転が行われる。比較例3の画像形成装置では、上述の製造方法で製造された、40℃における貯蔵弾性率が、4.0×10[Pa]のトナーを含む二成分現像剤が採用されている。比較例3の画像形成装置を用いて実施例1と同じ実験を行い、連続出力後のクリーニング性のチェック、最初の画像形成時における画質のチェック、低温定着性のチェックを行った。その結果を表1に示す。
Figure 2009047715
第2クリーニングブレードおよび像保持体の逆回転機構を持たない比較例1,比較例2と、第2クリーニングブレードおよび像保持体の逆回転機構を備えた実施例1,実施例2,実施例3,実施例4,実施例5とを比較すると、比較例1,比較例2では、出力テスト終了時のクリーニング性のチェック結果において、筋状の画質欠陥が多量に発生している(評価は×)のに対し、5つの実施例では、評価の一番悪い実施例1でも、筋状の画質欠陥が少量発生している程度にとどまっている(評価は△)。電源を投入して最初の画像形成時の画質のチェック結果についても、比較例1,比較例2では、画像がぼやける画質欠陥が多量に発生している(評価は×)のに対し、5つの実施例では、評価の一番悪い実施例1でも、画像がぼやける画質欠陥が少量発生している程度にとどまっている(評価は△)。以上のクリーニング性のチェック結果および最初の画像形成時の画質のチェック結果についての比較から、上記の5つの実施例のように第2クリーニングブレードおよび像保持体の逆回転機構を備えて電源投入直後およびジョブ終了直後に像保持体の逆回転を行って第2クリーニングブレードを当接させることで、多量の用紙に出力を行ってもクリーニング性が維持され、高温高湿度下に長時間放置されても放電生成物は充分に除去されるということがわかる。
また、像保持体の逆回転機構は備えているが、第2クリーニングブレードを持たない比較例3でも、比較例1や比較例2と同様に、クリーニング性のチェック結果において筋状の画質欠陥が多量に発生しており(評価は×)、最初の画像形成時の画質のチェック結果においても画像がぼやける画質欠陥が多量に発生している(評価は×)。この比較例3の結果と、上記の上記の5つの実施例の結果との比較から、像保持体の逆回転機構だけではクリーニング性の維持や放電生成物の除去は充分ではなく、像保持体の逆回転の際に第2クリーニングブレードを当接させることが、クリーニング性の維持や放電生成物の除去の上で重要であるということがわかる。
また、40℃におけるトナーの貯蔵弾性率が互いに異なる、実施例1,実施例2,実施例3,実施例4,実施例5の間で比較を行うと、40℃におけるトナーの貯蔵弾性率が1.0×10[Pa]未満の実施例1では、上述したように、クリーニング性のチェック結果、および最初の画像形成時の画質のチェック結果において、いずれも画質欠陥が少量発生している(評価は△)が、40℃におけるトナーの貯蔵弾性率が1.0×10[Pa]以上の実施例2,実施例3,実施例4,実施例5では、クリーニング性のチェックについては、筋状の画質欠陥は発生しておらず(評価は○)、また、最初の画像形成時の画質のチェックについても画像がぼやける画質欠陥は発生していない。なお、実験後、実施例1の画像形成装置内の像保持体表面を調べてみると少量のトナーフィルミングが観察され、上記の実施例1の結果には、このトナーフィルミングの影響があることも考えられる。実施例1と、残りの4つの実施例との比較から、クリーニング性および最初の画像形成時の画質の観点からは、40℃におけるトナーの貯蔵弾性率が1.0×10[Pa]以上であることが望ましいということがわかる。
次に、低温定着性のチェック結果について、5つの実施例の間で比較を行ってみると、40℃におけるトナーの貯蔵弾性率が6.0×10[Pa]より大きい実施例5では、濃度ムラの画質欠陥が発生している(評価は×)という結果が得られているのに対し、40℃におけるトナーの貯蔵弾性率が6.0×10[Pa]以下の実施例1,実施例2,実施例3,実施例4では、濃度ムラの画質欠陥は発生していない(評価は○)という結果が得られている。この低温定着性のチェック結果についての比較から、40℃におけるトナーの貯蔵弾性率が6.0×10[Pa]以下であると、低い定着温度でも充分にトナーが融解し、低温定着性が良好であるということがわかる。
5つの実施例の間での、クリーニング性のチェック結果、最初の画像形成時の画質のチェック結果、および低温定着性のチェック結果の比較から、40℃におけるトナーの貯蔵弾性率としては、実施例2,実施例3,実施例4のように、1.0×10[Pa]以上6.0×10[Pa]以下の範囲に属していることが望ましいということがわかる。
以上の考察をまとめると、電源投入直後およびジョブ終了直後に像保持体の逆回転を行って第2クリーニングブレードを当接させることで、クリーニング性の維持や放電生成物の除去が充分に行われるということが結論される。さらに、トナーの貯蔵弾性率が1.0×10[Pa]以上6.0×10[Pa]以下の範囲に属していると、クリーニング性の維持や放電生成物の除去がさらに向上するとともに、トナーの低温定着性も確保できるということがわかる。
なお、以上説明してきた画像形成装置はモノクロの片面出力プリンタであったが、本発明の画像形成装置は、モノクロの両面出力プリンタや、フルカラーの片面/両面出力プリンタに応用されてもよい。また、FAXなど他の画像形成装置に応用されてもよい。
本発明の画像形成装置の一実施形態を示す全体構成図である。 図1に示すクリーニング装置を模式的に表した断面図である。 図2に示す第2クリーニングブレードが、当接位置に移動したときの状態を表す図である。
符号の説明
1000…画像形成装置、
1…トレイ、
4…CPU、
5…モータ、
5a…バネ、
5b…ベルト、
5c…ベルト張架ロール、
50…転写ロール、
61…像保持体、
62…クリーニング装置、
620…筐体、
621…第1クリーニングブレード、
622…第2クリーニングブレード、
623…支持部材、
64…現像器、
65…帯電部材、
7…露光部、
10…定着器

Claims (2)

  1. 回転しながら表面に画像を保持する、所定方向と該所定方向とは逆方向とに回転方向が切り換わる像保持体と、
    前記像保持体上にトナーの像を形成する像形成部と、
    前記像を所定の転写位置で前記像保持体から記録媒体上に転写し、転写した前記像を該記録媒体上に定着する転写定着部と、
    前記転写位置よりも前記所定方向について下流側で前記像保持体の表面に対して当接して、前記記録媒体に転写されずに該像保持体上に残留したトナーを前記像保持体から除去するクリーニングブレードと、
    前記クリーニングブレードが前記像保持体表面に当接する位置よりも前記所定方向について上流側、かつ、前記転写位置よりも該所定方向について下流側の当接位置において前記像保持体表面に当接する、該当接位置と、前記像担持体とは離間した離間位置との間で移動可能な、前記像保持体が前記所定方向とは逆方向に回転する際には該離間位置から該当接位置に移動する可動ブレードとを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記像形成部は、前記トナーとして、40℃における貯蔵弾性率が1×10Pa以上6×10Pa以下のトナーを用いて前記像を形成するものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015075725A (ja) * 2013-10-11 2015-04-20 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置
JP2019152845A (ja) * 2018-03-06 2019-09-12 株式会社リコー クリーニング装置、及び、画像形成装置

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