JP2003021570A - 漏れ計測方法 - Google Patents

漏れ計測方法

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JP2003021570A
JP2003021570A JP2001206881A JP2001206881A JP2003021570A JP 2003021570 A JP2003021570 A JP 2003021570A JP 2001206881 A JP2001206881 A JP 2001206881A JP 2001206881 A JP2001206881 A JP 2001206881A JP 2003021570 A JP2003021570 A JP 2003021570A
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Akio Furuse
昭男 古瀬
Kazutoshi Hamaide
和敏 濱出
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Cosmo Instruments Co Ltd
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Cosmo Instruments Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳造品、その他の成形物の生産ラインにて、
リークテスタを用いて製品の漏れ検査を行う際に、内部
漏れの影響による誤判定を防いで、製品の外部漏れの有
無判定を高い精度で効率的に行う。 【解決手段】 基準となるマスタリングデータを求める
第1工程と、被検査ワーク2とマスタ3への加圧気体の
導入又は減圧を行った後、平衡時の差圧a1と検出時の
差圧b1を計測する第2工程と、この計測値とマスタリ
ングデータとの差圧変化特性を比較して、内部漏れの有
無を判定した後、被検査ワークの外部漏れの有無を判定
する第3工程から成る。この第3工程にて、内部漏れに
よるノイズが大きい被検査ワーク2は、このノイズを除
去する第4工程を行った後に外部漏れの有無判定を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は型枠成形した鋳造品等の
漏れを被検査ワークとマスタとの差圧の計測により検査
するための漏れ計測方法に係るもので、差圧の計測時
に、被検査ワークの内部漏れによるノイズを除去し、被
検査ワークの外部漏れの有無判定を行う際の精度を高め
るとともに、漏れ検査を効率的に行うためのものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、鋳造品の生産ラインにて、鋳造品
(被検査ワーク)の漏れの有無を調べて不良品を除外する
作業を行う場合、被検査ワークおよびマスタに加圧気体
を導入したり、内部の減圧を行い、一定時間経過後に、
この被検査ワークとマスタとの間に発生する差圧を差圧
センサによって複数回計測し、この差圧の変化に基づい
て、被検査ワークに外部への漏れを生じているか否かを
判別する差圧式のリークテスタが存在した。
【0003】このリークテスタでは、加圧工程にて例え
ば被検査ワークとマスタに加圧気体を導入して加圧する
と、加圧直後は内部温度の急激な上昇があり、被検査ワ
ークとマスタとの差圧の変動が不安定であるが、一定時
間経過後は、差圧変化は緩やかな減衰カーブを描いて収
束する。この変化は漏れがなくても生じる断熱変化によ
るもので、十分長い安定時間経過後は断熱変化による圧
力変化がなくなり、外部への漏れのない被検査ワークで
は、差圧が変動しなくなるが、外部漏れのある被検査ワ
ークでは差圧が直線状に変化する。この際の差圧変化量
が漏れ量に比例する。この現象を利用することによっ
て、被検査ワークの差圧変化量を検出し、これが零に近
い場合は外部漏れがないと判別でき、零より離れている
場合は外部漏れがあると判別できるものであった。
【0004】しかし、全ての被検査ワークについて、十
分な安定時間経過後に、差圧の変化量を測定するので
は、検査に時間が掛かって非効率的であり、生産性も低
下する。そのため、通常は、一個のサンプルワークを用
い、基準となる差圧の変化特性、つまり漏れがなくても
発生するドリフト差圧を求めるマスタリング工程を行っ
ている。このマスタリング工程では、サンプルワークと
マスタに加圧気体を導入した後、一定の平衡時間経過後
のサンプルワークとマスタとの差圧を計測し、検出時の
差圧を得る。そして、基準となる差圧変化量を算出す
る。
【0005】この差圧変化量は、漏れがなくても発生す
る断熱変化等に起因するドリフト量である。しかし、サ
ンプルワークに外部への漏れが存在する場合、前記検出
時の差圧には、外部漏れによる差圧も含まれる。この外
部漏れによる差圧は、検出時間よりも十分長い安定時間
経過後に、差圧を計測する事により得る事ができる。そ
して、基準差圧変化量から外部漏れによる差圧を差分す
る事により、外部漏れを含まないドリフト量を求める事
ができる。尚、外部漏れのないサンプルワークの場合
は、この外部漏れによる差圧は零となる。
【0006】そして、実際に被検査ワークの漏れの有無
を検査する際には、この被検査ワークとマスタとを加圧
し、一定の平衡時間での差圧を計測するとともに、この
平衡時の差圧計測から一定の検出時間経過後に、検出時
の差圧を計測し、その差圧変化量を得る。この差圧変化
量から前記ドリフト量を差分して、ドリフト補正値を求
める。そして、このドリフト補正値が、所定の範囲内
(OKゾーン)に入っているか否かで、被検査ワークの漏
れの有無を判断するものである。このような方法によ
り、一つのサンプルワークについてのみ、長い安定時間
を置いて計測を行い、他の全ての被検査ワークについて
は、短い時間で外部漏れの有無を判定し、処理の効率化
を図ろうとしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記被
検査ワークに生じる漏れには、外部への漏れだけでな
く、内部漏れと呼ばれるものも含まれる。この内部漏れ
とは即ち、鋳造品等の製造時には、被検査ワークには内
部引け巣(内巣)と呼ばれる空孔が生じる場合がある。そ
して、被検査ワークの加圧時に、この内部引け巣と被検
査ワークの内部とが繋がって、外部漏れに類似した内部
圧力の低下が発生し、差圧の変化に大きな影響を及ぼす
ものである。この内部漏れが存在しても、製品の品質に
何ら問題はないし、長い安定時間が経過すると、この内
部漏れが収束し、差圧への影響はなくなるものである。
しかし、従来の検査方法では、短時間で外部漏れと内部
漏れを明確に判別する事ができない。そのため、内部漏
れは存在するが外部漏れの存在しない合格品の被検査ワ
ークであっても、ドリフト補正値がOKゾーンから外
れ、不合格品と誤判定される事があった。
【0008】本発明は、上述の如き課題を解決しようと
するものであって、被検査ワークの外部漏れの有無を判
定する際に、内部漏れに影響される事なく、高精度かつ
迅速に外部漏れの有無判定を行おうとするものである。
また、この被検査ワークの内部漏れの有無を予め判断
し、内部漏れのない被検査ワークについて、外部漏れの
有無の判定を迅速に行う事を可能とする。また、内部漏
れありと判定された被検査ワークでも、この内部漏れに
よるノイズを除去して、被検査ワークの外部漏れの有無
判定を、より高精度に行う事が可能な漏れ計測方法を提
供する。そして、鋳造品等の生産ラインでの漏れ測定処
理に要する時間を短縮して、生産効率を高める。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課
題を解決するため、第1の発明は、漏れのないマスタと
漏れの有無が不明な被検査ワークとに加圧気体を導入す
るか又は双方を減圧し、該マスタと被検査ワークとの間
に発生する差圧を差圧センサによって計測し、この計測
値から求めた差圧変化特性に基づいて被検査ワークの漏
れの有無を判別するリークテスタに於いて、内部漏れが
認められないサンプルワークとマスタへの加圧気体の導
入又は減圧を行い、差圧検出時の検出時間に等しい平衡
時間内に発生するサンプルワークとマスタとの差圧変化
量を計測して平衡時の基準差圧aとし、この基準差圧a
の計測後、一定の検出時間内に発生する差圧変化量を計
測して検出時の基準差圧bとするとともに検出時間より
も長い安定時間経過後に、検出時間に等しい漏れ計測時
間内に発生する差圧変化量を計測して外部漏れによる漏
れ差圧b0とし、検出時の基準差圧bから漏れ差圧b0
差し引いたドリフト差圧dを求める第1工程(マスタリ
ング工程)と、複数の被検査ワークについて一個ずつ、
被検査ワークとマスタに加圧気体を導入するか又は双方
を減圧し、差圧検出時の検出時間に等しい平衡時間内に
発生する被検査ワークとマスタとの差圧変化量を計測し
て平衡時の差圧a1とし、この平衡時の差圧a1の計測
後、一定の検出時間内に発生する差圧変化量を計測して
検出時の差圧b1とする第2工程(差圧計測工程)と、こ
の第2工程での被検査ワークとマスタとの平衡時の差圧
1と検出時の差圧b1から求めた被検査ワークの差圧変
化特性(a1−b1)と、前記第1工程でのサンプルワーク
とマスタとの平衡時の基準差圧aと検出時の基準差圧b
から求めた差圧変化特性(a−b)とを比較し、内部漏れ
の有無を判定するとともに、第1工程で得たドリフト差
圧dを基礎として、被検査ワークの外部漏れの有無を判
定する第3工程(漏れ判定工程)から成るとともに、この
第3工程にて内部漏れありと判定された被検査ワーク
を、検出時間よりも長い安定時間経過後に安定差圧b2
を計測する事により内部漏れによるノイズを除去する第
4工程(ノイズリダクション工程)を行った後、外部漏れ
の有無判定を行う方法である。
【0010】また、第2の発明は、漏れのないマスタと
漏れの有無が不明な被検査ワークとに加圧気体を導入す
るか又は双方を減圧し、該マスタと被検査ワークとの間
に発生する差圧を差圧センサによって計測し、この計測
値から求めた差圧変化特性に基づいて被検査ワークの漏
れの有無を判別するリークテスタに於いて、内部漏れが
認められないサンプルワークとマスタへの加圧気体の導
入又は減圧を行い、一定の検出時間内に発生するサンプ
ルワークとマスタとの差圧変化量を計測して、第1回目
検出時の基準差圧aとし、この第1回目検出時の基準差
圧aの計測後、一定の検出時間内に発生する差圧変化量
を計測して、第2回目検出時の基準差圧bとするととも
に検出時間よりも長い安定時間経過後に、検出時間に等
しい漏れ計測時間内に発生する差圧変化量を計測して、
漏れによる差圧b0とし、各検出時の基準差圧a、bか
ら漏れ差圧b0を差し引いたドリフト差圧d1、d2を求
める第1工程(マスタリング工程)と、複数の被検査ワー
クについて一個ずつ、被検査ワークとマスタに加圧気体
を導入するか又は双方を減圧し、一定の検出時間内に発
生する被検査ワークとマスタとの差圧変化量を計測して
第1回目検出時の差圧a1とする第2工程(差圧計測工
程)と、この第2工程での被検査ワークとマスタとの第
1回目検出時の差圧a1と、第1工程で得たドリフト差
圧d1を基礎として、被検査ワークの内部漏れ及び外部
漏れの有無を判定する第3工程(第1回漏れ判定工程)
と、この第3工程にて外部漏れ及び/又は内部漏れの可
能性ありと判定された被検査ワークについて、一定の検
出時間内に発生する差圧変化量を計測して第2回目検出
時の差圧b1とし、第1回目検出時の差圧a1と第2回目
検出時の差圧b1から求めた被検査ワークの差圧変化特
性(a1−b1)と、前記第1工程でのサンプルワークとマ
スタとの第1回目検出時の基準差圧aと第2回目検出時
の基準差圧bから求めた差圧変化特性(a−b)とを比較
し、内部漏れの有無を判定するとともに、第1工程で得
たドリフト差圧d2を基礎として、被検査ワークの外部
漏れの有無を判定する第4工程(第2回漏れ判定工程)か
ら成るとともに、この第4工程にて内部漏れありと判定
された被検査ワークを、検出時間よりも長い安定時間経
過後に安定差圧b2を計測する事により内部漏れによる
ノイズを除去する第5工程(ノイズリダクション工程)を
行った後、外部漏れの有無判定を行う方法である。
【0011】また、第2の発明では、サンプルワークと
マスタの第1回目検出時及び/又は第2回目検出時の差
圧変化量の計測と、被検査ワークとマスタの第1回目検
出時及び/又は第2回目検出時の差圧変化量の計測は、
時間的間隔を置かずに連続して行っても良い。
【0012】また、第2発明では、サンプルワークとマ
スタの第1回目検出時及び/又は第2回目検出時の差圧
変化量の計測と、被検査ワークとマスタの第1回目検出
時及び/又は第2回目検出時の差圧変化量の計測は、一
定の平衡時間を経過させた後に行っても良い。
【0013】
【作用】本発明は、上述の如く構成したものであり、第
1の発明の漏れ計測方法で被検査ワークの漏れ検査を行
うには、まず第1工程のマスタリング処理を行う。この
マスタリング処理では、内部漏れがないサンプルワーク
とマスタに加圧気体を導入するか又は双方を減圧する。
そして、差圧検出時の検出時間に等しい一定の平衡時間
内に発生する、サンプルワークとマスタとの差圧変化量
を差圧センサにより計測し、平衡時の基準差圧aとす
る。この基準差圧aの計測後、一定の検出時間内に発生
する差圧変化量を計測し、基準差圧bとする。次に、検
出時間よりも十分に長い安定時間を置き、検出時間に等
しい漏れ計測時間内に発生する差圧変化量を計測して、
漏れ差圧b0を得る。この漏れ差圧b0は、内部漏れや断
熱変化による影響が除去されたもので、外部漏れのみに
起因する漏れ差圧である。尚、外部漏れの存在しないサ
ンプルワークを使用した場合は、この漏れ差圧b0は零
を示すものとなる。そして、検出時の基準差圧bから漏
れによる差圧b0を差し引いて、ドリフト差圧dを求め
る。
【0014】また、安定時間経過後の漏れ差圧b0の計
測は、一定の検出時間ごとに、差圧変化量の計測を繰り
返し、これらの差圧変化量を比較して、安定が確認され
た時点から、検出時間に等しい漏れ計測時間内に発生す
る差圧変化量を計測し、漏れ差圧b0とするものであっ
ても良い。又は、作業者の経験等から、予め安定時間を
任意に設定し、この任意の安定時間を経過した時点から
漏れ計測時間内に発生する差圧変化量を計測し、漏れ差
圧b0とするものであっても良い。
【0015】マスタリング工程が終了したら、第2工程
〜第4工程にて、複数の被検査ワークについて一個ずつ
外部漏れの検査を行う。まず、第2工程の差圧計測工程
では、一つの被検査ワークとマスタに加圧気体を導入す
るか又は双方を減圧した後、検出時間に等しい一定の平
衡時間内に発生する、被検査ワークとマスタとの差圧変
化量を差圧センサにて計測し、平衡時の差圧a1とす
る。次に、この平衡時の差圧a1の測定後、一定の検出
時間内に発生する差圧変化量を計測し、検出時の差圧b
1とする。
【0016】そして、第3工程の漏れ判定工程では、前
記第2工程で計測した被検査ワークとマスタとの平衡時
の差圧a1と検出時の差圧b1から求めた被検査ワークの
差圧変化特性(a1−b1)と、前記第1工程でのサンプル
ワークとマスタとの平衡時の基準差圧aと検出時の基準
差圧bから求めた差圧変化特性(a−b)とを比較し、内
部漏れの有無を判定する。このように、a1からb1を差
分する事により、外部漏れを除いた、内部漏れ及び断熱
変化に起因する差圧変化量を求める事ができる。また、
マスタリングデータには、内部漏れは存在しないので、
a−bは断熱変化のみに起因する差圧変化量となる。従
って、双方を比較する事により、被検査ワークの内部漏
れの有無を判定できる。そして、内部漏れの判定基準及
びその判定に従った外部漏れの判定方法を、各々後述す
る。
【0017】まず、a1−b1≒a−b、即ちサンプルワ
ークと被検査ワークの差圧変化特性が略等しい場合、被
検査ワークには内部漏れがない。そして、検出時の差圧
1からドリフト差圧dを差分した純粋の漏れ量の絶対
値が、閾値よりも小さい場合、即ち|b1−d|<閾値
であれば、外部漏れがない。尚、|b1−d|と絶対値
で表すのは、b1−d<0となる事もあるからである。
従って、この被検査ワークは、内部漏れ及び外部漏れの
存在しない、合格品と判定される。しかし、|b 1−d
|<閾値でない場合には、外部漏れが存在するから、こ
の被検査ワークは、内部漏れは存在しないが外部漏れの
存在する不合格品であると判定される。
【0018】次に、a1−b1>a−b、即ちサンプルワ
ークと比較して被検査ワークの差圧変化特性が大きい場
合は、内部漏れが存在する可能性が高い。そして、内部
漏れの存在する被検査ワークであっても、|b1−d|
<閾値であれば外部漏れは存在しないから、合格品と判
定される。しかし、|b1−d|<閾値でない場合は、
内部漏れの影響が大きい可能性が高く、このままでは外
部漏れの有無判断を行いにくい。そのため、このような
被検査ワークについてのみ、第4工程のノイズリダクシ
ョン工程を行い、内部漏れによるノイズを除去した後
に、外部漏れの判定を行う。
【0019】この第4工程のノイズリダクション工程で
は、検出時間よりも長い安定時間を経過させ、内部漏れ
が収束した後に、外部漏れのみに起因する安定差圧b2
を計測する。そして、この安定差圧b2<閾値であれ
ば、当該被検査ワークには外部漏れは存在せず、合格品
と判定される。また、外部漏れを有する被検査ワークで
は、この長い安定時間を経過しても、外部漏れによる差
圧変化が発生し、安定差圧b2<閾値とはならないの
で、当該被検査ワークは、外部漏れ及び内部漏れの存在
する不合格品であると判定される。
【0020】そして、漏れ検査が終了したら、被検査ワ
ークとマスタ内の加圧気体を大気中に排出するか又は外
気を導入し、被検査ワークとマスタの内部圧力を大気圧
に戻し、検査を終了する。そして、次の被検査ワークを
リークテスタに設置し、第2〜第4工程を繰り返して、
当該被検査ワークの外部漏れの有無判定を行う。
【0021】このように、第1発明では、マスタリング
処理で得た基準となる差圧変化特性と、被検査ワークの
差圧変化特性とを比較して、内部漏れの有無を容易に判
別する事ができるので、内部漏れに影響される事なく、
被検査ワークの外部漏れの有無判定を高い精度で効率的
に行う事ができる。また、内部漏れの有無を予め判定す
る事により、時間の掛かるノイズリダクション工程を、
内部漏れによる影響の大きい被検査ワークのみに対して
行うので、生産ラインに於ける漏れ計測処理の全体的な
処理時間を短縮する事ができる。
【0022】また、上記第1発明は、全ての被検査ワー
クで、平衡時の差圧a1と検出時の差圧b1を測定し、こ
の2つの計測値から得た差圧変化特性を基に内部漏れの
有無を判定してから、外部漏れの有無を判定している。
そのため、成形時に内巣が形成され易く、内部漏れを生
じ易い製品の検査に適している。
【0023】しかし、内巣の形成率が低く、内部漏れの
存在しない製品が多い場合には、全ての被検査ワークに
対して内部漏れの判定を行ったのでは、処理の無駄を生
じる。従って、第2発明は、被検査ワークの差圧を一回
のみ計測し、明らかに内部漏れも外部漏れもない製品を
少ない工程と時間で早く見つけ出す事を可能としてい
る。そして、この一回目の判定でNGとされたものにつ
いてのみ、2回目の差圧の測定を行い、差圧変化特性の
比較により内部漏れの有無を判定した後、その結果に基
づいて外部漏れの有無の判定を行うものである。
【0024】上記第2発明の漏れ計測方法の手順は、ま
ず第1工程のマスタリング処理では、内部漏れが認めら
れないサンプルワークとマスタへの加圧気体の導入又は
減圧を行い、一定の検出時間内に発生するサンプルワー
クとマスタとの差圧変化量を、差圧センサにより計測
し、第1回目検出時の基準差圧aとする。この第1回目
検出時の基準差圧aの計測後、一定の検出時間内に発生
する差圧変化量を計測し、第2回目検出時の基準差圧b
とする。次に、検出時間よりも長い安定時間経過後に、
検出時間に等しい漏れ計測時間内に発生する差圧変化量
を計測し、漏れ差圧b0を得る。そして、前記第1回
目、第2回目検出時の基準差圧a、bから漏れ差圧b0
を差し引いて、ドリフト差圧d1、d2を求めておく。
【0025】次に、複数の被検査ワークについて一個ず
つ、第2〜第5工程に従って漏れ検査を行う。まず、第
2工程の差圧計測工程では、被検査ワークとマスタに加
圧気体を導入するか又は双方を減圧し、一定の検出時間
内に発生する、被検査ワークとマスタとの差圧変化量を
差圧センサにて計測し、第1回目検出時の差圧a1を得
る。そして、第3工程では、明らかに内部漏れも外部漏
れもない被検査ワークを迅速に見つけ出すために、第1
回漏れ判定工程を行う。この工程では、第2工程で得た
第1回目検出時の差圧a1から、第1工程で得たドリフ
ト差圧d1を差分した漏れ量の絶対値が閾値よりも少い
場合、即ち|a1−d1|<閾値であれば、内部漏れ及び
外部漏れの存在しない、合格品と判定する事ができる。
この第1回漏れ判定工程で被検査ワークが合格品とされ
たら、以降の処理は行わず、次の被検査ワークの検査に
進む事ができ、効率的な検査が可能となる。
【0026】そして、第3工程でNGとなった被検査ワ
ーク、即ち外部漏れが存在しない事を明確に判別できな
かったものについて、第4工程にて第2回漏れ判定工程
を行う。それには、第1回目検出時の差圧a1計測後、
一定の検出時間内に発生する差圧変化量を計測し、第2
回目検出時の差圧b1を得る。次に、第1発明と同様
に、第1回目検出時の差圧a1と第2回目検出時の差圧
1から求めた被検査ワークの差圧変化特性(a1−b1)
と、前記第1工程でのサンプルワークとマスタとの基準
差圧aと基準差圧bから求めた差圧変化特性(a−b)と
を比較し、内部漏れの有無を判定するとともに、第1工
程で得たドリフト差圧d2を基礎として、被検査ワーク
の外部漏れの有無を判定する。
【0027】まず、内部漏れの判定方法は、a1−b1
a−b、即ちサンプルワークと被検査ワークの差圧変化
特性が略等しい場合は、被検査ワークには内部漏れが存
在しない。この内部漏れの存在しない被検査ワークのう
ち、第2回目検出時の差圧b 1から第2回目ドリフト差
圧d2を差分した漏れ量の絶対値が、閾値よりも小さい
場合、即ち|b1−d2|<閾値であれば、内部漏れだけ
でなく、外部漏れも存在しない合格品と判定できる。一
方、|b1−d2|<閾値とはならない場合は、内部漏れ
は存在しないが、外部漏れの存在する不合格品と判定さ
れる。
【0028】また、a1−b1>a−b、即ちサンプルワ
ークと比較して被検査ワークの差圧変化特性が大きい場
合は、被検査ワークには内部漏れが存在する。この場合
も|b1−d2|<閾値であれば、被検査ワークに外部漏
れは存在しないから、合格品と判定される。また、|b
1−d2|<閾値とはならない場合は、内部漏れによる影
響である可能性が高く、第5工程のノイズリダクション
工程を行い、内部漏れによるノイズを除去した後に、外
部漏れの判定を行う。
【0029】この第5工程のノイズリダクション工程で
は、第1発明と同様に、検出時の検出時間よりも長い安
定時間を経過させて、内部漏れが収束した後に、外部漏
れのみに起因する安定差圧b2を計測する。そして、こ
の安定差圧b2<閾値であれば、当該被検査ワークには
外部漏れはなく、合格品と判定される。また、長い安定
時間が経過しても、安定差圧b2<閾値とならない場合
は、当該被検査ワークは、外部漏れ及び内部漏れの存在
する不合格品と判定される。
【0030】このように、第2発明の漏れ判定方法で
は、成形時に内巣の発生率が低く、内部漏れの存在しな
い製品が多い場合は、殆どの被検査ワークで一回の差圧
計測を行うだけで漏れの有無判定が可能で、迅速な処理
が可能となる。また、第1回目の漏れ判定で外部漏れが
判定できない被検査ワークについても、再度差圧測定と
判定を行っているので、内部漏れに影響された誤判定率
を小さくして、リークテスタの性能を向上させる事がで
きる。
【0031】また、第2発明のマスタリング工程と被検
査ワークの差圧計測に於いて、第1回目の検出差圧及び
/又は第2回目の検出差圧を計測する際は、時間的間隔
を置かずに連続して行っても良いし、一定の平衡時間を
経過させた後、差圧変化量の計測を行っても良い。特
に、被検査ワークの差圧計測に於いて、第1回目と第2
回目の差圧計測の間に平衡時間を介在する事により、第
2回目の差圧測定の開始時間を遅らせる事ができるの
で、被検査ワークとマスタの内部圧力が安定し、内部漏
れの有無を、より正確に判定する事ができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を図面に於いて詳細に説明すれ
ば、図1は本発明を実施するためのリークテスタの概略
構成図を示している。また、図2〜図5は、第1発明の
漏れ判定処理に係る第1実施例の各工程のフローチャー
トを示し、図6〜図9は、第2発明の漏れ判定処理に係
る第2実施例の各工程のフローチャートを示す。また、
図10、図11は、各々第1実施例、第2実施例で差圧
を計測した際の、差圧の時間的変化の概略をグラフに示
したものである。
【0033】そして、図1に示すリークテスタの概略構
成図を説明すると、(1)はリークテスタ本体で、被検査
ワーク(2)とマスタ(3)に加圧気体を導入して、漏れの
有無を判定するものである。この被検査ワーク(2)とマ
スタ(3)への加圧気体の導入及び排出は、気体出入口
(4)により行われ、この気体出入口(4)と被検査ワーク
(2)及びマスタ(3)との連通及び閉止は、メインバルブ
(5)により行われる。このメインバルブ(5)と被検査ワ
ーク(2)間には、ワークバルブ(6)を介在させるととも
に、メインバルブ(5)とマスタ(3)間には、マスタバル
ブ(7)を介在させている。そして、各バルブ(5)(6)
(7)の開閉を、従来公知の適宜の開閉手段にて制御して
いる。
【0034】また、被検査ワーク(2)とマスタ(3)との
間には、差圧センサ(8)を並列的に接続している。そし
て、漏れ計測を行う際は、全てのバルブ(5)(6)(7)を
開放し、気体出入口(4)から被検査ワーク(2)とマスタ
(3)に加圧気体を導入する。そして、メインバルブ(5)
のみを閉止し、ワークバルブ(6)とマスタバルブ(7)を
介して、被検査ワーク(2)とマスタ(3)の内部圧力が安
定するようにする。
【0035】次に、ワークバルブ(6)とマスタバルブ
(7)を閉止し、後述の如く、一定の検出時間内に於いて
発生する、被検査ワーク(2)とマスタ(3)との差圧変化
量を差圧センサ(8)にて計測する平衡工程や検出工程を
行う。この計測結果は、コンピュータの主記憶装置(1
0)に記憶され、プログラムにより演算処理や漏れ判定
が行われる。そして、その判定結果や装置の稼働状態等
が、ランプ、LED、その他の表示装置(11)に表示さ
れる。
【0036】そして、鋳造品の生産ラインに於いて、上
述の如きリークテスタを用いて漏れの有無を判定する第
1発明を実施した第1実施例を、図2〜図5に示したフ
ローチャート及び図10のグラフに基づいて説明する。
まず、図2は、漏れ計測処理の全体の流れを示し、マス
タリング工程、差圧計測工程、漏れ判定工程の3つの主
な工程から構成されている。
【0037】そして、生産ラインをスタートして、リー
クテスタの電源を投入すると、メインの漏れ計測処理で
は、図2に示す如く、初期化処理(ステップ10、以下S
TP10と言う)として、主記憶装置(10)のメモリのクリ
アや初期値の設定等の準備処理を行う。次に、STP20で
は、漏れ判定の基準となるマスタリングデータ取得のた
めのマスタリング工程(第1工程)を行う。
【0038】このマスタリング工程の詳細を、図3のフ
ローチャートに示す。まず、STP21の加圧・安定工程に
て、外部漏れも内部漏れもないマスタ(3)を備えた装置
に、検査対象の鋳造品のうちの何れか一つをサンプルワ
ークとして設置する。このサンプルワークは、外部漏れ
及び内部漏れの存在しない製品が好ましいが、これから
検査を行う被検査ワーク(2)から選出するのは困難であ
る。しかし、後述の如く、マスタリングデータの補正や
適合性のチェックを行うので、外部漏れや内部漏れが存
在の有無にかかわらず、被検査ワーク(2)の中からラン
ダムに選出する事ができる。
【0039】このサンプルワークの設置が完了したら、
各バルブ(5)(6)(7)を開放して、気体出入口(4)から
サンプルワーク及びマスタ(3)の内部に加圧気体を導入
し、一定時間加圧する。そして、メインバルブ(5)のみ
を閉止して、サンプルワークとマスタ(3)との内部圧力
を安定させる。すると、加圧気体導入直後は、内部温度
の急激な上昇により、不安定であったサンプルワークと
マスタ(3)との差圧の変動が安定状態となり、一定傾向
の差圧の計測が可能となる。
【0040】この加圧・安定工程が終了したら、ワーク
バルブ(6)、マスタバルブ(7)を閉止し、次のSTP22の
平衡工程、STP23の検出工程にて差圧変化を計測する。
まず、平衡工程では、差圧検出時の検出時間に等しい一
定の平衡時間内に発生する、サンプルワークとマスタ
(3)との差圧変化量を差圧センサ(8)にて計測し、平衡
時の基準差圧aを得る。
【0041】そして、STP23の検出工程では、STP22での
平衡時の基準差圧aの計測後、一定の検出時間内に発生
する差圧変化量を計測し、基準差圧bを計測する。この
ように得た基準差圧a及びbを、断熱変化等による差圧
変化特性の基準値としている。尚、サンプルワークに外
部漏れを生じている場合は、差圧変化量には、外部漏れ
による影響も含まれている。この外部漏れによる影響を
補正するため、次のSTP24の漏れ差圧検出工程及びSTP25
のドリフト差圧算出工程を行っている。
【0042】まず、STP24では、検出時の検出時間より
も十分長い安定時間を経過させ、断熱変化による差圧の
変化を収束させている。この時点から検出時間に等しい
漏れ計測時間内に発生する差圧変化量を計測する事によ
り、外部漏れのみに起因する漏れ差圧b0を得ている。
この漏れ差圧b0は、外部漏れのないサンプルワークを
使用した場合には、零又は零に近い値となる。そして、
STP25のドリフト差圧算出工程では、STP23の検出工程で
得た基準差圧bから、STP24で得た漏れ差圧b0を差分す
る事により、外部漏れの影響を除いたドリフト差圧dを
求めている。
【0043】d(ドリフト差圧)=b−b0
【0044】上述の如くa、b、dの基準値(マスタリ
ングデータ)の計測及び算出を行ったら、STP26の加圧解
除工程にて、各バルブ(5)(6)(7)を開放し、サンプル
ワークとマスタ(3)内の加圧気体を気体出入口(4)から
大気中に排出して、内部圧力を大気圧に戻した後、リー
クテスタ本体(1)からサンプルワークを取り外す。
【0045】このように、STP20のマスタリング工程で
求めたa、b、dの基準値(マスタリングデータ)を基
に、漏れ計測処理では、複数の被検査ワーク(2)につい
て一個ずつ、STP30〜STP70の処理を実行し、外部漏れの
ない合格品か否かの判定を行う。まず、STP30の差圧計
測工程(第2工程)では、一個の被検査ワーク(2)をリー
クテスタに設置し、図4に示す如く、STP31の加圧・安
定工程にて、この被検査ワーク(2)とマスタ(3)に加圧
気体を導入し、一定時間加圧するとともに、メインバル
ブ(5)のみを閉止して、内部圧力を安定させる。
【0046】次に、ワークバルブ(6)、マスタバルブ
(7)を閉止し、STP32の平衡工程に於いて、被検査ワー
ク(2)とマスタ(3)との差圧を計測する。各工程に於け
る差圧の計測値を時間の推移で表したグラフの一例を、
図10に示す。尚、このグラフは、平衡工程開始時の差
圧を原点として表示するとともに、内部漏れ・断熱変化
及び外部漏れを全て含んだ場合の差圧の変化を表示して
いる。従って、内部漏れ及び/又は外部漏れの存在しな
い被検査ワーク(2)では、必ずしも図10に示すグラフ
のような差圧変化の傾向を示すものではない。また、図
10のグラフには、外部漏れに起因する差圧変化のグラ
フも表示している。この外部漏れに起因する差圧は直線
的に変化し、一定時間内での差圧変化量x1、x2は等し
くなる。
【0047】このSTP32の平衡工程では、加圧・安定工
程終了後、検出時間に等しい一定の平衡時間内に発生す
る、被検査ワーク(2)とマスタ(3)との差圧変化量を差
圧センサ(8)にて計測し、図10に示す平衡時の差圧a
1を得ている。この差圧a1の計測後、STP33の検出工程
では、一定の検出時間内に発生する差圧変化量を計測
し、図10に示す検出時の差圧b1を得ている。
【0048】次に、図2に示すSTP40では、マスタリン
グ工程で得た基準値(マスタリングデータ)の適合性を判
定している。即ち、STP20のマスタリング工程で使用す
るサンプルワークは、内部漏れがない事が条件である
が、サンプルワークのみの計測では、内部漏れが存在す
るか否かの判定ができず、他のワークと比較する必要が
ある。そのため、STP30で計測した別個の被検査ワーク
(2)の差圧変化特性と、該サンプルワークの差圧変化特
性とを比較する事により、マスタリング工程で得た差圧
a、b、dが基準値として適合するか否かの判断を行う
ものである。
【0049】そして、a1−b1>a−b又はa1−b1
a−bの場合は、マスタリング工程での基準値は適合性
があると判断され、次工程のSTP50の漏れ判定工程(第3
工程)に進む事ができる。しかし、a1−b1<a−b、
即ち、サンプルワークの差圧変化特性が大きい場合は、
サンプルワークに内部漏れが存在する可能性が高いた
め、基準値としての使用には不適である。従って、図2
に矢印で示す如く、STP20のマスタリング工程に戻っ
て、基準値の計測を再び行う。尚、このマスタリング工
程で新たに使用するサンプルワークは、STP40でa1−b
1<a−bと判定された被検査ワーク(2)を使用しても
良いし、別個の被検査ワーク(2)を使用しても良い。
【0050】上記STP40で、マスタリングデータの適合
性が確認されたら、STP50の漏れ判定工程(第3工程)を
実行する。ここではまず、図5に示す如く、STP51で被
検査ワーク(2)に内部漏れが存在するか否かの判定を行
う。この判定は、差圧a1から差圧b1を差分した数値を
基に行う。即ち、被検査ワーク(2)に外部漏れが存在し
た場合、図10に示す如く、a1及びb1には外部漏れに
起因する差圧x1、x2が含まれている。しかし、x1
2であるから、a1−b1とする事により、外部漏れの
影響は消え、内部漏れ及び断熱変化のみに起因する差圧
変化特性を求める事ができる。マスタリングデータも同
様に、サンプルワークに外部漏れが存在しても、a−b
とする事により、外部漏れの影響を除去する事ができ
る。但し、サンプルワークには、内部漏れが存在しない
事を前提としているので、a−bは、断熱変化のみに起
因する差圧変化特性となる。
【0051】そして、a1−b1≒a−bの場合は、サン
プルワークと被検査ワーク(2)の差圧変化特性が略等し
いから、被検査ワーク(2)は内部漏れなしと判定され
る。尚、サンプルワークと被検査ワーク(2)の双方に外
部漏れがなく、差圧変化特性が同じでも、この差圧セン
サ(8)による差圧の計測値は、必ずしもa1−b1=a−
bとはならず、計測時の気温、バルブ閉止時の刺激等の
外的要因により、多少の計測誤差を生じるものである。
そのため、内部漏れ無しの判断基準をa1−b1≒a−b
としている。
【0052】このようにSTP51で内部漏れ無しと判断さ
れた被検査ワーク(2)は、STP52に進み、外部漏れの有
無判定を行う。このSTP52にて、検出時の差圧b1からド
リフト差圧dを差分した純粋の漏れ量の絶対値が、閾値
よりも小さい場合、即ち|b1−d|<閾値であれば、
当該被検査ワーク(2)には外部漏れがない。従って、こ
の被検査ワーク(2)は、内部漏れ及び外部漏れの存在し
ない、合格品(OK)と判定される(STP53)。ところが、
外部漏れが存在する場合は、|b1−d|<閾値となら
ず、この被検査ワーク(2)は、内部漏れは存在しないが
外部漏れの存在する不合格品(NG)であると判定される
(STP54)。
【0053】一方、STP51の判定がno、即ちa1−b1
>a−bの場合は、サンプルワークと比較して被検査ワ
ーク(2)の差圧変化特性が大きいので、内部漏れが存在
する可能性が高いと判断される。ここではまず、内部漏
れが存在するが外部漏れは存在しない被検査ワーク(2)
を早く見つけ出すために、STP55にて|b1−d|をチェ
ックする。そして、|b1−d|<閾値であれば外部漏
れは存在しないから、当該被検査ワーク(2)は、内部漏
れは存在するが外部漏れの存在しない合格品(OK)と判
定される(STP56)。一方、|b1−d|<閾値とならない
場合であっても、必ずしも外部漏れが存在するとは限ら
ず、内部漏れの影響が大きい可能性がある。このような
被検査ワーク(2)では、STP60のノイズリダクション工
程(第4工程)を実行し、内部漏れによるノイズを除去す
る。
【0054】このSTP60のノイズリダクション工程で
は、検出時間よりも長い安定時間、被検査ワーク(2)と
マスタ(3)とを放置し、内部漏れによる圧力変化が収束
した時点で、安定差圧b2を計測し、外部漏れの有無判
定を行う。本実施例では、STP60にて検出時間に等しい
計測時間内に発生する差圧変化量を計測して、安定差圧
2を得た後、STP61にて、この安定差圧b2が安定し内
部漏れのノイズが除去されたか否かを判断している。そ
して、内部漏れのノイズが完全には除去されず、安定し
ていないと判断されたら、再び計測時間内での安定差圧
2の計測(STP60)と、その安定差圧b2が安定したか否
かの判断(STP61)を、安定が確認されるまで繰り返す。
【0055】このように一定の計測時間ごとに安定差圧
の計測と判定を繰り返す事により、結果的に長い安定時
間経過後の安定差圧b2を得る事ができる。尚、この安
定差圧b2差が安定したか否かの判断は、検出差圧b1
は前回計測した安定差圧b2と、今回計測した安定差圧
2とを比較して、その差圧変化特性が同じでなけれ
ば、内部漏れによる影響が未だ存在し、安定していない
と判断される。一方、内部漏れが収束して、外部漏れに
よる差圧変化のみとなった場合は、差圧変化特性が同じ
となるし、外部漏れが存在しない場合は、差圧の変化を
生じない。従って、安定差圧が安定したか否かの判断を
容易に行う事ができる。
【0056】そして、STP60、STP61で安定差圧b2が安
定したら、STP57にて外部漏れの有無判断を行う。即
ち、安定差圧b2<閾値であれば、外部漏れは存在せ
ず、合格品(OK)と判断される(STP56)。しかし、長い
安定時間経過後でもb2<閾値とならなければ、外部漏
れの存在する不合格品(NG)と判断される(STP58)。
【0057】このSTP50にて得られた被検査ワーク(2)
のOK又はNG判定は、リークテスタにて、液晶やラン
プ等の表示装置(11)に表示される。この表示を基に、
生産ラインでは、不合格となった被検査ワーク(2)を除
去する事ができる。このように一個の被検査ワーク(2)
についての漏れ検査が終了したら、図2のSTP70に示す
如く、各バルブ(5)(6)(7)を開放し、気体出入口(4)
を介して被検査ワーク(2)及びマスタ(3)の加圧気体を
大気中に排出し、双方の内部圧力を大気圧に戻すととも
に、被検査ワーク(2)をリークテスタ本体(1)から取り
外す。そして、図2のSTP80にて、次の被検査ワーク
(2)が存在するか否か判断し、存在するなら差圧計測工
程(STP30)に戻り、次の被検査ワーク(2)についての一
連の漏れ判定を繰り返す。そして、全ての被検査ワーク
(2)の処理が終了して、次の被検査ワーク(2)が存在し
ないなら、漏れ計測処理を全て終了する。
【0058】このように、上記第1実施例では、被検査
ワーク(2)の差圧を、平衡時(差圧a1)と検出時(差圧b
1)の2回測定し、この2つの計測値から得た差圧変化特
性を基に、内部漏れの有無を判定してから外部漏れの判
定を行っているので、内部漏れを外部漏れと誤判定する
のを良好に防止可能である。従って、成形時に内巣が形
成され易く、差圧計測時に内部漏れによる影響を受け易
い製品の検査に適している。そして、内部漏れによるノ
イズが大きいものだけについてノイズリダクション工程
を行えば良く、内部漏れによる影響が少ない被検査ワー
ク(2)は、無駄な処理を省く事ができる。更に、内部漏
れのない被検査ワーク(2)も明確に判別できるし、その
後の外部漏れの有無判定も迅速に行う事ができ、生産ラ
インにて、被検査ワーク(2)の漏れ測定処理を効率的に
行う事ができる。
【0059】一方、成形時の内巣の形成率が低く、内部
漏れのない被検査ワーク(2)が多い場合は、内部漏れを
考慮しなくても外部漏れの有無を容易に判別できる。そ
のため、第1実施例の如く、全ての被検査ワーク(2)に
於いて差圧変化特性を比較し内部漏れの判定を行ってか
ら外部漏れの判定を行うのでは、無駄な手数や時間を生
じる事がある。
【0060】そこで、第2発明を実施した第2実施例で
は、1回の差圧測定結果を基に外部漏れの有無を判定
し、内部漏れと外部漏れの無い被検査ワーク(2)を迅速
に選別する。そして、この判定にてNGとなった被検査
ワーク(2)についてのみ、再度差圧を計測し、この2回
目の計測値と1回目の計測値から、差圧変化特性を算出
して、内部漏れの有無判定を行っている。
【0061】この第2実施例の漏れ計測処理の詳細フロ
ーチャートを図6〜図9に示す。また、各工程で計測し
た差圧の変化量を表すグラフを図11に示す。このグラ
フは、後述する第1回目検出工程の開始時の差圧を原点
として表示している。また、第1実施例と同様に、内部
漏れ・断熱変化及び外部漏れを全て含んだ場合の差圧の
変化を表示しているので、全ての被検査ワーク(2)でこ
のような差圧変化の傾向を示す訳ではない。そして、第
2実施例の方法を説明すると、図6は漏れ計測処理の全
体の流れを示したもので、第1実施例と同様に、スター
ト時には、主記憶装置(10)内のメモリのクリア等の初
期化処理(STP10)を行っている。
【0062】次に、STP20のマスタリング工程(第1工
程)を実行する。ここでは、図7に示す如く、STP21の加
圧・安定工程にて、第1実施例と同様に、各バルブ(5)
(6)(7)を開放し、外部漏れも内部漏れもないマスタ
(3)と、被検査ワーク(2)の中から任意に選出しリーク
テスタ本体(1)に設置したサンプルワークに加圧気体を
導入して、一定時間加圧する。そして、メインバルブ
(5)のみを閉止して、加圧直後の急激な温度上昇によ
り、不安定となったサンプルワークとマスタ(3)との内
部圧力を安定させる。次に、STP22の平衡工程では、ワ
ークバルブ(6)、マスタバルブ(7)を閉止した状態で一
定の平衡時間放置し、サンプルワークとマスタ(3)の内
部圧力を平衡させる。この平衡時間は、本実施例では、
検出時間よりも短く設定しているが、検査環境や製品の
性質等を鑑みて、使用者が任意に設定できる。
【0063】そして、STP23の第1回目検出工程では、
平衡工程後、一定の検出時間内に発生する差圧変化量を
計測し、第1回目検出時の基準差圧aとしている。そし
て、STP24で再び平衡工程を行って内部圧力を平衡させ
た後、次のSTP25の第2回目検出工程で、一定の検出時
間内に発生する差圧変化量を計測し、第2回目検出時の
基準差圧bを得ている。このように、第1回目検出工程
と第2回目検出工程の間に、平衡工程を介在する事によ
り、内部圧力が更に安定した状態での差圧変化量を計測
する事ができる。
【0064】次に、STP26の漏れ差圧検出工程では、検
出時の検出時間よりも十分長い安定時間を経過後、検出
時間に等しい漏れ計測時間内に発生する差圧変化量を計
測し、漏れ差圧b0としている。本実施例に於いても、
外部漏れのないサンプルワークを使用した場合には、b
0は零又は零に近い値となる。そして、STP27のドリフト
差圧算出工程では、第1回目及び第2回目の基準差圧か
ら、各々漏れ差圧を差分して、下記の如く外部漏れの影
響を除いたドリフト差圧を求めている。
【0065】d1(第1回目ドリフト差圧)=a−b0
【0066】d2(第2回目ドリフト差圧)=b−b0
【0067】上記基準値の計測又は算出が終了したら、
STP28の加圧解除工程にて、サンプルワークとマスタ
(3)内の加圧気体を気体出入口(4)を介して大気中に排
出し、双方の内部圧力を大気圧に戻す。そして、サンプ
ルワークをリークテスタ本体(1)から取り外す。
【0068】そして、STP20のマスタリング工程から復
帰すると、メインの漏れ計測処理では、図6に示す如
く、複数の被検査ワーク(2)について一個ずつ、STP30
〜STP80の工程を行って、外部漏れの有無を判定する。
まず、第1回目の差圧計測工程(第2工程、STP30)を行
うが、第1実施例とは異なり、差圧を一回のみ計測す
る。即ち、図8のフローチャートに示す如く、STP31に
第1回目の計測か否かの判定があり、第1回目であるの
で、次のSTP32の加圧・安定工程を行う。この加圧・安
定工程にて被検査ワーク(2)とマスタ(3)に加圧気体を
導入し、一定時間加圧する。その後、メインバルブ(5)
のみを閉止して、被検査ワーク(2)とマスタ(3)との内
部圧力を安定させる。
【0069】この加圧・安定工程の後、ワークバルブ
(6)、マスタバルブ(7)を閉止し、STP33の平衡工程に
て、一定の平衡時間を経過させ、被検査ワーク(2)とマ
スタ(3)の内部圧力を平衡させている。次に、STP34の
検出工程では、一定の検出時間内に発生する差圧変化量
を計測し、図11に示す第1回目検出時の被検査ワーク
(2)とマスタ(3)の差圧a1を得ている。そして、この
第1回目検出時の差圧a1の計測後、図6に示すSTP40の
第1回漏れ判定工程(第3工程)を実行する。この工程で
は、検出差圧a1からドリフト差圧を差分した純粋の漏
れ量の絶対値が閾値よりも小さい場合、即ち|a1−d
|<閾値であれば、該被検査ワーク(2)には、内部漏れ
も外部漏れも存在しない、合格品であると判定される(S
TP41)。
【0070】従って、本実施例では、内部漏れ及び外部
漏れの存在しない合格品を、一回の差圧の計測のみで、
迅速に判定する事ができる。この1回目の判定で合格と
判定された場合にはSTP80の加圧解除工程に進み、被検
査ワーク(2)とマスタ(3)の加圧気体を排出し、大気圧
に戻した後、被検査ワーク(2)を装置から取り外す。次
に、STP90にて、次の被検査ワーク(2)が存在するか否
かの判断を行い、存在するなら当該被検査ワーク(2)に
ついてSTP30〜STP80の工程を繰り返す。そして、全ての
被検査ワーク(2)の処理が終わり、次の被検査ワーク
(2)が存在しないなら、漏れ計測処理を終了する。
【0071】また、上記STP40の判定で、合格品と判定
されなかった被検査ワーク(2)については、外部漏れな
のか内部漏れによる影響なのかが明確に判断できない。
そのため、第1実施例と同様に、被検査ワーク(2)の差
圧変化特性を求めて、内部漏れの有無を判断した後、外
部漏れの有無を判定する。それには、まず図6に示す如
く、STP30'の差圧計測工程(第2回目)を再度実行する。
このSTP30'では、図8に示す如く、今回は第2回目なの
で、STP31の判定によりSTP32の加圧・安定工程をスキッ
プする。そして、STP33の平衡工程で、一定の平衡時間
を経過させて被検査ワーク(2)とマスタ(3)との内部圧
力を平衡させた後、次のSTP34の検出工程にて、図11
に示す如く、平衡工程完了の時点から一定の検出時間内
に発生する差圧変化量を計測し、第2回目検出時の差圧
のb1を得ている。このように第1回目の差圧計測と第
2回目の差圧計測の間に、平衡工程を介在する事によ
り、第2回目の差圧計測の開始時間を遅らせる事がで
き、被検査ワーク(2)とマスタ(3)との内部圧力が更に
安定するので、内部漏れの有無を、より正確に判定する
事ができる。
【0072】上述の如く第2回目の差圧計測工程が終了
したら、図6に示す如く、STP50で差圧変化特性の比較
を行い、第1実施例と同様に、サンプルワークの内部漏
れの有無を調べ、マスタリング工程で得た基準値が適切
であるか否かを判定している。この段階でマスタリング
データの適合性を判定する理由として、差圧変化特性を
得るには、複数の差圧の計測値が必要である。従って、
本実施例では、この第2回目の差圧測定を行ったタイミ
ングで、マスタリングデータの適合性の判定を行ってい
る。
【0073】このSTP50では、a1−b1>a−b又はa1
−b1≒a−bの場合は、マスタリング工程での基準値
は適合性があると判断され、STP60の第2回漏れ判定工
程(第4工程)に進む。しかし、a1−b1<a−b、即
ち、サンプルワークの差圧変化特性が大きい場合は、サ
ンプルワークに内部漏れが存在する可能性が高いため、
基準値としての使用には不適である。従って、図2に矢
印で示す如く、STP20のマスタリング工程から処理をや
り直す。この場合も、a1−b1<a−bとなった被検査
ワーク(2)をサンプルワークとして使用しても良いし、
別個の被検査ワーク(2)を選出して、サンプルワークと
しても良い。
【0074】上記にて、STP60の第2回漏れ判定工程に
入ると、図9に示す如く、STP61で被検査ワーク(2)に
内部漏れが存在するか否かの判定を行う。まず、a1
1≒a−bの場合は、サンプルワークと被検査ワーク
(2)の差圧変化特性が略等しいから、被検査ワーク(2)
に内部漏れが存在しないと判定される。
【0075】そして、STP62では、STP61で内部漏れ無し
と判断された被検査ワーク(2)について、外部漏れの有
無判定を行う。即ち、|b1−d2|<閾値であれば、当
該被検査ワーク(2)には外部漏れが存在せず、この被検
査ワーク(2)は、内部漏れ及び外部漏れの存在しない合
格品(OK)と判定される(STP63)。しかし、|b1−d 2
|<閾値とならない場合は、外部漏れが存在するので、
この被検査ワーク(2)は、内部漏れは存在しないが外部
漏れが存在する不合格品(NG)であると判定される(STP
64)。
【0076】一方、STP61の判定がno、即ちa1−b1
>a−bの場合は、被検査ワーク(2)には内部漏れが存
在する。しかし、STP65にて|b1−d2|<閾値であれ
ば外部漏れが存在しない事が明確であるから、当該被検
査ワーク(2)は、内部漏れは存在するが外部漏れの存在
しない合格品(OK)と判定される(STP66)。一方、|b1
−d2|<閾値とならない場合は、内部漏れの影響が大
きい可能性があるので、STP70、71のノイズリダクショ
ン工程(第5工程)を実行し、内部漏れによるノイズを除
去してから外部漏れの判定を行う。
【0077】このノイズリダクション工程では、STP70
にて検出時間に等しい計測時間内に発生する差圧変化量
を計測して安定差圧b2を求め、STP71にて安定差圧b2
が安定したか否か判定する。この判定で安定していない
と判定されたら、STP70に戻り、一定の計測時間内での
安定差圧b2の計測及びSTP71の安定したか否かの判断を
繰り返す。そして、第1実施例と同様に、安定差圧b2
が安定したら、STP67にて外部漏れの有無判定を行う。
即ち、安定差圧b2<閾値であれば、外部漏れはなく、
合格品(OK)と判定できる(STP66)。しかし、長い安定
時間を経過しても、安定差圧b2<閾値とならない場合
は、外部漏れを有する不合格品(NG)と判定できる(STP
68)。
【0078】この被検査ワーク(2)のOK又はNG判定
が終了したら、図6に示す如く、STP80の加圧解除工程
にて、被検査ワーク(2)及びマスタ(3)の加圧気体を大
気中に排出し、双方の内部圧力を大気圧に戻すととも
に、被検査ワーク(2)をリークテスタ本体(1)から取り
外す。そして、STP90にて、次の被検査ワーク(2)が存
在するか否か判断し、存在するなら次の被検査ワーク
(2)についての一連の漏れ判定を繰り返す。また、全て
の被検査ワーク(2)の処理が完了しているなら、漏れ計
測処理を終了する。このように、第2発明では、内部漏
れと外部漏れの存在しない被検査ワーク(2)を、一回の
差圧の計測で迅速に判定できる。また、この第1回目の
判定で、外部漏れの有無が不明であった場合でも、第2
回の差圧を計測して、差圧変化特性を知る事により、内
部漏れによる誤判定を防止して、被検査ワーク(2)の外
部漏れの有無を、高精度に判定する事ができる。
【0079】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成したもので、鋳
造品、その他の成形物の生産ラインにて、リークテスタ
を用いて製品の漏れ検査を行う際に、内部漏れの影響に
よる誤判定を防いで、製品の外部漏れの有無判定を高精
度に行う事が可能な漏れ計測方法を得る事ができる。そ
して、製造時に内巣が形成され、内部漏れを生じた製品
の漏れ計測を行う際に、差圧変化特性を比較する事によ
り、予め内部漏れの存在を判別する事ができ、外部漏れ
の有無の判定を効率的に行う事ができる。また、内部漏
れによるノイズが大きい製品のみを、長い時間放置して
内部漏れを解消した後、外部漏れの判定を行っている
が、内部漏れのない製品や内部漏れの影響の少ない製品
については、短時間で外部漏れの判定を行う事ができ、
生産ラインでの漏れ測定処理に掛かる時間を短縮する事
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例で使用するリークテスタの概
略構成図。
【図2】第1発明を実施した第1実施例の漏れ計測処理
を示すフローチャート。
【図3】図2のマスタリング工程を詳細に示したフロー
チャート。
【図4】図2の差圧計測工程を詳細に示したフローチャ
ート。
【図5】図2の漏れ判定工程を詳細に示したフローチャ
ート。
【図6】第2発明を実施した第2実施例の漏れ計測処理
を示すフローチャート。
【図7】図6のマスタリング工程を詳細に示したフロー
チャート。
【図8】図6の差圧計測工程を詳細に示したフローチャ
ート。
【図9】図6の第2回漏れ判定工程を詳細に示したフロ
ーチャート。
【図10】第1実施例の平衡工程と検出工程に於ける内
部漏れ・断熱変化及び外部漏れによる差圧変化特性の概
略を示すグラフ。
【図11】第2実施例の第1回目検出工程と第2回目検
出工程に於ける内部漏れ・断熱変化及び外部漏れによる
差圧変化特性の概略を示すグラフ。
【符号の説明】
2 被検査ワーク 3 マスタ 8 差圧センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 漏れのないマスタと漏れの有無が不明な
    被検査ワークとに加圧気体を導入するか又は双方を減圧
    し、該マスタと被検査ワークとの間に発生する差圧を差
    圧センサによって計測し、この計測値から求めた差圧変
    化特性に基づいて被検査ワークの漏れの有無を判別する
    リークテスタに於いて、内部漏れが認められないサンプ
    ルワークとマスタへの加圧気体の導入又は減圧を行い、
    差圧検出時の検出時間に等しい平衡時間内に発生するサ
    ンプルワークとマスタとの差圧変化量を計測して平衡時
    の基準差圧aとし、この基準差圧aの計測後、一定の検
    出時間内に発生する差圧変化量を計測して検出時の基準
    差圧bとするとともに検出時間よりも長い安定時間経過
    後に、検出時間に等しい漏れ計測時間内に発生する差圧
    変化量を計測して外部漏れによる漏れ差圧b0とし、検
    出時の基準差圧bから漏れ差圧b0を差し引いたドリフ
    ト差圧dを求める第1工程(マスタリング工程)と、複数
    の被検査ワークについて一個ずつ、被検査ワークとマス
    タに加圧気体を導入するか又は双方を減圧し、差圧検出
    時の検出時間に等しい平衡時間内に発生する被検査ワー
    クとマスタとの差圧変化量を計測して平衡時の差圧a1
    とし、この平衡時の差圧a1の計測後、一定の検出時間
    内に発生する差圧変化量を計測して検出時の差圧b1
    する第2工程(差圧計測工程)と、この第2工程での被検
    査ワークとマスタとの平衡時の差圧a1と検出時の差圧
    1から求めた被検査ワークの差圧変化特性(a1−b1)
    と、前記第1工程でのサンプルワークとマスタとの平衡
    時の基準差圧aと検出時の基準差圧bから求めた差圧変
    化特性(a−b)とを比較し、内部漏れの有無を判定する
    とともに、第1工程で得たドリフト差圧dを基礎とし
    て、被検査ワークの外部漏れの有無を判定する第3工程
    (漏れ判定工程)から成るとともに、この第3工程にて内
    部漏れありと判定された被検査ワークを、検出時間より
    も長い安定時間経過後に安定差圧b2を計測する事によ
    り内部漏れによるノイズを除去する第4工程(ノイズリ
    ダクション工程)を行った後、外部漏れの有無判定を行
    う事を特徴とする漏れ計測方法。
  2. 【請求項2】 漏れのないマスタと漏れの有無が不明な
    被検査ワークとに加圧気体を導入するか又は双方を減圧
    し、該マスタと被検査ワークとの間に発生する差圧を差
    圧センサによって計測し、この計測値から求めた差圧変
    化特性に基づいて被検査ワークの漏れの有無を判別する
    リークテスタに於いて、内部漏れが認められないサンプ
    ルワークとマスタへの加圧気体の導入又は減圧を行い、
    一定の検出時間内に発生するサンプルワークとマスタと
    の差圧変化量を計測して、第1回目検出時の基準差圧a
    とし、この第1回目検出時の基準差圧aの計測後、一定
    の検出時間内に発生する差圧変化量を計測して、第2回
    目検出時の基準差圧bとするとともに検出時間よりも長
    い安定時間経過後に、検出時間に等しい漏れ計測時間内
    に発生する差圧変化量を計測して、漏れによる差圧b0
    とし、各検出時の基準差圧a、bから漏れ差圧b0を差
    し引いたドリフト差圧d1、d2を求める第1工程(マス
    タリング工程)と、複数の被検査ワークについて一個ず
    つ、被検査ワークとマスタに加圧気体を導入するか又は
    双方を減圧し、一定の検出時間内に発生する被検査ワー
    クとマスタとの差圧変化量を計測して第1回目検出時の
    差圧a 1とする第2工程(差圧計測工程)と、この第2工
    程での被検査ワークとマスタとの第1回目検出時の差圧
    1と、第1工程で得たドリフト差圧d1を基礎として、
    被検査ワークの内部漏れ及び外部漏れの有無を判定する
    第3工程(第1回漏れ判定工程)と、この第3工程にて外
    部漏れ及び/又は内部漏れの可能性ありと判定された被
    検査ワークについて、一定の検出時間内に発生する差圧
    変化量を計測して第2回目検出時の差圧b1とし、第1
    回目検出時の差圧a1と第2回目検出時の差圧b1から求
    めた被検査ワークの差圧変化特性(a1−b1)と、前記第
    1工程でのサンプルワークとマスタとの第1回目検出時
    の基準差圧aと第2回目検出時の基準差圧bから求めた
    差圧変化特性(a−b)とを比較し、内部漏れの有無を判
    定するとともに、第1工程で得たドリフト差圧d2を基
    礎として、被検査ワークの外部漏れの有無を判定する第
    4工程(第2回漏れ判定工程)から成るとともに、この第
    4工程にて内部漏れありと判定された被検査ワークを、
    検出時間よりも長い安定時間経過後に安定差圧b2を計
    測する事により内部漏れによるノイズを除去する第5工
    程(ノイズリダクション工程)を行った後、外部漏れの有
    無判定を行う事を特徴とする漏れ計測方法。
  3. 【請求項3】 サンプルワークとマスタの第1回目検出
    時及び/又は第2回目検出時の差圧変化量の計測と、被
    検査ワークとマスタの第1回目検出時及び/又は第2回
    目検出時の差圧変化量の計測は、時間的間隔を置かずに
    連続して行う事を特徴とする請求項2の漏れ計測方法。
  4. 【請求項4】 サンプルワークとマスタの第1回目検出
    時及び/又は第2回目検出時の差圧変化量の計測と、被
    検査ワークとマスタの第1回目検出時及び/又は第2回
    目検出時の差圧変化量の計測は、一定の平衡時間を経過
    させた後に行う事を特徴とする請求項2の漏れ計測方
    法。
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