JP2003021366A - 水和物スラリ冷熱利用システム - Google Patents

水和物スラリ冷熱利用システム

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JP2003021366A
JP2003021366A JP2001209696A JP2001209696A JP2003021366A JP 2003021366 A JP2003021366 A JP 2003021366A JP 2001209696 A JP2001209696 A JP 2001209696A JP 2001209696 A JP2001209696 A JP 2001209696A JP 2003021366 A JP2003021366 A JP 2003021366A
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Japan
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ice
hydrate slurry
storage tank
cold
heat
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JP2001209696A
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English (en)
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Shingo Takao
信吾 高雄
Shigenori Matsumoto
繁則 松本
Hidemasa Ogose
英雅 生越
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄熱槽の容積を増大させることなく、安価な
夜間電力の使用量を増やして十分な蓄熱量を確保するこ
とができる水和物スラリ冷熱利用システムを提供する。 【解決手段】 冷凍機(3)と、氷蓄熱槽(1)と、冷
凍機と氷蓄熱槽との間で冷媒を循環させる機構を含む氷
製造系と、水和物スラリ製造熱交換器(11)と、負荷
側機器(13)と、水和物スラリ製造熱交換器と負荷側
機器との間で水和物スラリおよび水和物スラリの冷熱利
用により生成した水和剤を含む水溶液を循環させる機構
を含む冷熱利用系と、氷蓄熱槽(1)と水和物スラリ製
造熱交換器(11)との間で冷水を循環させる機構を含
む水和物スラリ製造系とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、氷蓄熱槽を併用し
た水和物スラリ冷熱利用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】事務所ビルは、OA機器の普及およびビ
ル構造の高気密化・高断熱化により、昼間の冷房負荷が
増大している。昼間の冷房負荷が増えると、冷凍機の動
力を増大させなければならないため、電力契約料金が増
し、経済的負担が増大する。
【0003】そこで、夜間に低コストの夜間電力を使っ
て冷熱を蓄熱し、冷熱製造の負荷を平準化することで電
力契約料金を下げることが行われている。このことは、
電力供給側から見ても、電源設備の昼夜間負荷の平準化
とともに電源設備の熱効率の向上につながるため好まし
い。
【0004】これまでに、例えば氷蓄熱式または氷スラ
リ蓄熱式のシステムが開発されているが、最近では冷熱
媒体として水和物スラリが注目されている。すなわち、
水和剤であるゲスト化合物(テトラn−ブチルアンモニ
ウム塩、テトラiso−アミルアンモニウム塩、テトラ
iso−ブチルホスホニウム塩、トリiso−アミルス
ルホニウム塩などの各種塩類)を含む水溶液を冷却する
と、水和物(液系包接水和物)が生成される。この水和
物は0℃以上の温度で生成でき、しかも潜熱が大きく冷
水に比較して数倍の熱密度(単位重量または単位体積当
たりの熱量)を有する。また、この水和物は微細な粒子
となって水溶液中に浮遊して比較的流動性の高い水和物
スラリを形成する。この水和物スラリは、空調設備など
の冷熱の搬送媒体として好ましい特性を有している。
【0005】上記のような水和物スラリの冷熱を利用す
る従来のスラリ製造・空調システムについて説明する。
スラリ製造運転(蓄熱運転)時には夜間電力を使用し、
蓄熱槽に収容された例えばテトラn−ブチルアンモニウ
ムブロマイド(TBAB)を含む水溶液を水溶液ポンプ
によりスラリ製造熱交換器(たとえば冷凍機の冷媒蒸発
器)へ送って冷却することにより水和物スラリを製造
し、この水和物スラリを水和物スラリタンクに戻して貯
蔵する。昼間の負荷運転時には、蓄熱槽内の水和物スラ
リをスラリポンプにより負荷側の空調器に送り、その冷
熱を利用する。この結果、水和物スラリは加温されて水
溶液となり、この水溶液は蓄熱槽へ戻される。
【0006】ところで、ビルなどでは蓄熱槽の設置場所
や大きさに制約があることが多いため、限られた蓄熱容
積に多くの冷熱を蓄熱することが望まれている。しか
し、水和物の潜熱は氷の潜熱に比べておよそ1/2なの
で、蓄熱槽が同じ容積ならば水和物の蓄熱量は氷の蓄熱
量に比べて半減する。このため、安価な夜間電力を使用
して蓄熱運転しても、昼間の冷熱需要を満たすことがで
きず、昼間の負荷運転時にも電力を用いて冷凍機を運転
し、蓄熱量の不足分に対応して冷熱を製造する必要が生
じるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、蓄熱
槽の容積を増大させることなく、安価な夜間電力の使用
量を増やして十分な蓄熱量を確保することができる水和
物スラリ冷熱利用システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の一態様に係る水
和物スラリ冷熱利用システムは、冷凍機と、氷蓄熱槽
と、前記冷凍機と前記氷蓄熱槽との間で冷媒を循環させ
る機構を含む氷製造系と、水和物スラリ製造熱交換器
と、負荷側機器と、前記水和物スラリ製造熱交換器と前
記負荷側機器との間で水和物スラリおよび水和物スラリ
の冷熱利用により生成した水和剤を含む水溶液を循環さ
せる機構を含む冷熱利用系と、前記氷蓄熱槽と前記水和
物スラリ製造熱交換器との間で冷水を循環させる機構を
含む水和物スラリ製造系とを具備したことを特徴とす
る。
【0009】この水和物スラリ冷熱利用システムでは、
夜間電力を使用する氷製造熱交換時に0℃以下の冷媒を
前記氷蓄熱槽へ供給して氷を製造し、昼間の水和物スラ
リ製造時(負荷運転時)に前記氷蓄熱槽の氷を融解しな
がら前記水和物スラリ製造熱交換器へ1℃以上の冷水を
供給して水和物スラリを製造する。
【0010】本発明の他の態様に係る水和物スラリ冷熱
利用システムは、冷凍機と、過冷却水製造熱交換器と、
氷蓄熱槽と、前記冷凍機と前記過冷却水製造熱交換器と
の間で冷媒を循環させる機構と、前記過冷却水製造熱交
換器から前記氷蓄熱槽へ過冷却水を供給する機構を含む
氷製造系と、水和物スラリ製造熱交換器と、負荷側機器
と、前記水和物スラリ製造熱交換器と前記負荷側機器と
の間で水和物スラリおよび水和物スラリの冷熱利用によ
り生成した水和剤を含む水溶液を循環させる機構を含む
冷熱利用系と、前記氷蓄熱槽と前記水和物スラリ製造熱
交換器との間で冷水を循環させる機構を含む水和物スラ
リ製造系とを具備したことを特徴とする。
【0011】この水和物スラリ冷熱利用システムでは、
夜間電力を使用する氷製造熱交換時に0℃以下の冷媒を
前記過冷却水製造熱交換器へ供給して過冷却水を製造
し、前記過冷却水製造熱交換器から前記氷蓄熱槽へ過冷
却水を供給して過冷却を解除することにより氷を製造
し、または過冷却水製造熱交換器から氷蓄熱槽へ過冷却
水を供給する配管において過冷却を解除することにより
氷を製造し、昼間の水和物スラリ製造時(負荷運転時)
に前記氷蓄熱槽の氷を融解しながら前記水和物スラリ製
造熱交換器へ1℃以上の冷水を供給して水和物スラリを
製造する。
【0012】本発明のさらに他の態様に係る水和物スラ
リ冷熱利用システムは、冷凍機と、氷蓄熱槽と、前記冷
凍機と前記氷蓄熱槽との間で冷媒を循環させる機構を含
む氷製造系と、水和物スラリ製造熱交換器と、負荷側機
器と、前記水和物スラリ製造熱交換器と前記負荷側機器
との間で水和物スラリおよび水和物スラリの冷熱利用に
より生成した水和剤を含む水溶液を循環させる機構を含
む冷熱利用系と、前記氷蓄熱槽と前記水和物スラリ製造
熱交換器との間で冷媒を循環させる機構を含む水和物ス
ラリ製造系とを具備したことを特徴とする。
【0013】この水和物スラリ冷熱利用システムでは、
例えば前記氷蓄熱槽内に水が収容され、前記氷蓄熱槽内
の水中に内部を冷媒が流通し外表面に氷が付着するコイ
ルが配置されている。この場合、前記氷蓄熱槽に配置さ
れた前記コイルの外表面に付着した氷が融解しはじめた
ときに氷蓄熱槽内の冷水を循環させることが好ましい。
このようにすれば、コイル内部の冷媒からコイルの外表
面に付着した氷およびその周囲の水への熱伝達が、自然
対流によるものではなく、強制対流によるものになるの
で、伝熱効率が向上する。
【0014】また、水和物スラリ冷熱利用システムで
は、例えば前記氷蓄熱槽内を冷媒が流通し、冷媒中に水
封入カプセルが収容されていてもよい。
【0015】この水和物スラリ冷熱利用システムでは、
夜間電力を使用する氷製造熱交換時に0℃以下の冷媒を
前記氷蓄熱槽へ供給して氷を製造し、昼間の水和物スラ
リ製造時(負荷運転時)に前記氷蓄熱槽の氷を融解しな
がら前記水和物スラリ製造熱交換器へ1℃以上の冷媒を
供給して水和物スラリを製造する。
【0016】本発明に係る水和物スラリ冷熱利用システ
ムは、水和物スラリによる冷熱利用系とともに、氷蓄熱
槽を併用して氷の大きな潜熱を利用しているので、蓄熱
槽の容積を増大させることなく、安価な夜間電力の使用
量を増やして十分な蓄熱量を確保することができる。ま
た、従来の氷蓄熱式冷熱利用システムと比較して、冷水
よりも熱密度の高い水和物スラリを負荷側機器との間で
循環させるため、同一熱量を搬送するための動力を軽減
できる。一方、従来の水和物スラリ冷熱利用システムと
比較して、水和物を生成させるための水和剤の量は負荷
側機器を循環させる量だけですむので、初期コストを低
減できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいてより詳細に説明する。
【0018】実施形態1 図1に本発明に係る水和物スラリ冷熱利用システムの一
例を示す。氷蓄熱槽1には水が収容されており、この氷
蓄熱槽1内の水中に内部を冷媒(ブライン)が流通する
コイル2が配置されている。冷凍機3とコイル2との間
でブラインポンプ4により冷媒が循環される。これらの
装置により氷製造系が構成されている。
【0019】氷製造系では、安価な夜間電力を使用して
冷凍機3を作動させ、ブラインポンプ4により0℃以下
(例えば−5℃)の冷媒を氷蓄熱槽1内のコイル2に供
給し、コイル2周囲の水を冷却することによりコイル2
外表面に氷を付着させる。
【0020】一方、水和物製造熱交換器11、水和物ス
ラリポンプ12、負荷側の空気熱交換器(AHU)13
a〜13d、および補助用水和物製造熱交換器14によ
り冷熱利用系が構成されている。なお、補助用水和物製
造熱交換器14は必ずしも設ける必要はない。
【0021】氷蓄熱槽1と水和物製造熱交換器11との
間では、冷水ポンプ21により氷蓄熱槽1の冷水が循環
するようになっている。水和物製造熱交換器11で熱交
換により温度が上昇した水は氷蓄熱槽1へ戻り、コイル
2外表面の氷により再度冷却される。なお、弁22を開
くことにより、冷凍機3と補助用水和物製造熱交換器1
4との間でブラインポンプ4により冷媒を循環させるこ
とができる。これらの装置により水和物スラリ製造系が
構成されている。
【0022】昼間の負荷運転時には、夜間に製造された
氷蓄熱槽1内のコイル2外表面の氷を融解しながら冷水
を冷却し、水和物スラリ製造熱交換器11へ1℃以上
(例えば3℃)の冷水を供給して水和剤を含む水溶液を
冷却して水和物スラリ(3℃以上)を製造する。この水
和物スラリを水和物スラリ製造熱交換器11から水和物
スラリポンプ12により空気熱交換器(AHU)13a
〜13dへ供給して冷房を行い、冷熱利用により水和物
スラリから変化した水溶液を水和物スラリ製造熱交換器
11へ戻す。なお、夏季の昼間のように冷熱負荷が大き
い場合には、冷凍機3からブラインポンプ4により弁2
2を通して補助用水和物スラリ製造熱交換器14へ冷媒
を供給し、補助的に水和物スラリを製造することによ
り、水和物スラリの製造能力を高める。このとき、冷凍
機3の運転温度は氷を製造する場合に比べて高い温度で
あるため、冷凍機3の消費電力が少なくてすむ。
【0023】この水和物スラリ冷熱利用システムは、水
和物スラリによる冷熱利用系とともに、氷蓄熱槽1を併
用して氷の大きな潜熱を利用しているので、蓄熱槽の容
積を増大させることなく、安価な夜間電力の使用量を増
やして十分な蓄熱量を確保することができる。また、従
来の氷蓄熱式冷熱利用システムと比較して、冷水よりも
熱密度の高い水和物スラリを負荷側機器との間で循環さ
せるため、同一熱量を搬送するための動力を軽減でき
る。一方、従来の水和物スラリ冷熱利用システムと比較
して、水和物を生成させるための水和剤の量は負荷側機
器を循環させる量だけですむので、初期コストを低減で
きる。
【0024】実施形態2 図2に本発明に係る水和物スラリ冷熱利用システムの他
の例を示す。氷蓄熱槽1には水が収容されており、この
氷蓄熱槽1内の水中に内部を冷媒(ブライン)が流通す
るコイル2が配置されている。冷凍機3とコイル2との
間でブラインポンプ4により冷媒が循環される。これら
の装置により氷製造系が構成されている。
【0025】氷製造系では、安価な夜間電力を使用して
冷凍機3を作動させ、ブラインポンプ4により0℃以下
(例えば−5℃)の冷媒を氷蓄熱槽1内のコイル2に供
給し、コイル2周囲の水を冷却することによりコイル2
外表面に氷を付着させる。
【0026】一方、水和物製造熱交換器11、水和物ス
ラリポンプ12、および負荷側の空気熱交換器(AH
U)13a〜13dにより冷熱利用系が構成されてい
る。
【0027】氷蓄熱槽1と水和物製造熱交換器11との
間では、弁23および弁24を通して、ブラインポンプ
4により氷蓄熱槽1内に配置されたコイル2中を流通す
る冷媒が冷凍機3をバイパスして循環するようになって
いる。水和物製造熱交換器11で熱交換により温度が上
昇した冷媒は氷蓄熱槽1へ戻り、コイル2内を流通して
コイル2外表面の氷により再度冷却される。逆に、コイ
ル2外表面の氷はコイル2内を流通する冷媒により融解
されるので、この氷蓄熱槽1は内融型と呼ばれる。な
お、弁23および弁25を通して、冷凍機3と氷蓄熱槽
1と水和物製造熱交換器11との間でブラインポンプ4
により冷媒を循環させることができる。これらの装置に
より水和物スラリ製造系が構成されている。
【0028】昼間の負荷運転時には、夜間に製造された
氷蓄熱槽1内のコイル2外表面の氷を融解しながら冷媒
を冷却し、水和物スラリ製造熱交換器11へ1℃以上
(例えば3℃)の冷媒を供給して水和剤を含む水溶液を
冷却して水和物スラリを製造する。この水和物スラリを
水和物スラリ製造熱交換器11から水和物スラリポンプ
12により空気熱交換器(AHU)13a〜13dへ供
給して冷房を行い、冷熱利用により水和物スラリから変
化した水溶液を水和物スラリ製造熱交換器11へ戻す。
なお、夏季の昼間のように冷熱負荷が大きい場合には、
冷凍機3を作動させ、ブラインポンプ4により氷蓄熱槽
1、弁23、水和物スラリ製造熱交換器11、弁25の
間で冷媒を循環させて水和物スラリを製造する。このと
き、冷凍機3の運転温度は氷を製造する場合に比べて高
い温度であるため、冷凍機3の消費電力が少なくてす
む。この水和物スラリ冷熱利用システムでも実施形態1
と同様な効果が得られる。
【0029】なお、上述したように、図2の水和物スラ
リ冷熱利用システムにおいては、負荷運転時にコイル2
外表面に付着した氷はコイル2内部を流通する冷媒によ
って融解される。このとき、氷蓄熱槽1内の氷または水
は静止状態であるため、コイル壁を通して行われる熱伝
達は、主に水の温度差に起因する密度の相違によって生
じる自然対流に基づくものである。負荷が小さい間は自
然対流で冷熱を取り出すことができるが、負荷が大きく
なると大量の冷熱を取り出す必要が生じる。このために
は、氷蓄熱槽1内に配置されたコイル2外表面に付着し
た氷が融解しはじめたときにポンプにより氷蓄熱槽1内
の冷水を循環させることが好ましい。このようにすると
機械的に強制対流を起こして熱伝達させることができる
ので伝熱性能が高まる。この結果、自然対流により熱伝
達させる場合と比較して、コイル2内を流通する冷媒を
冷却するために要するコイルの外表面積を低減させるこ
とができ、コイルに関する初期コストを低減できる。
【0030】実施形態3 図3に本発明に係る水和物スラリ冷熱利用システムの他
の例を示す。氷蓄熱槽1内を冷媒が流通するようになっ
ており、冷媒中に水封入カプセル5が収容されている。
この氷蓄熱槽1はカプセル型と呼ばれる。冷凍機3と氷
蓄熱槽1との間でブラインポンプ4により冷媒が循環さ
れる。これらの装置により氷製造系が構成されている。
【0031】氷製造系では、安価な夜間電力を使用して
冷凍機3を作動させ、ブラインポンプ4により0℃以下
(例えば−5℃)の冷媒を氷蓄熱槽1内に供給し、カプ
セル5に封入された水を冷却して氷を製造する。なお、
カプセル5内には水以外の相変化材を封入してもよい。
【0032】一方、水和物製造熱交換器11、水和物ス
ラリポンプ12、および負荷側の空気熱交換器(AH
U)13a〜13dにより冷熱利用系が構成されてい
る。
【0033】氷蓄熱槽1と水和物製造熱交換器11との
間では、弁23および弁24を通して、ブラインポンプ
4により氷蓄熱槽1内を流通する冷媒が冷凍機3をバイ
パスして循環するようになっている。水和物製造熱交換
器11で熱交換により温度が上昇した冷媒は氷蓄熱槽1
へ戻り、カプセル5内に封入されている氷により再度冷
却される。なお、弁23および弁25を通して、冷凍機
3と氷蓄熱槽1と水和物製造熱交換器11との間でブラ
インポンプ4により冷媒を循環させることができる。こ
れらの装置により水和物スラリ製造系が構成されてい
る。
【0034】昼間の負荷運転時には、夜間に製造された
氷蓄熱槽1内のカプセル5内に封入されている氷を融解
しながら氷の潜熱によって冷媒を冷却し、水和物スラリ
製造熱交換器11へ1℃以上(例えば3℃)の冷媒を供
給して水和剤を含む水溶液を冷却して水和物スラリを製
造する。この水和物スラリを水和物スラリ製造熱交換器
11から水和物スラリポンプ12により空気熱交換器
(AHU)13a〜13dへ供給して冷房を行い、冷熱
利用により水和物スラリから変化した水溶液を水和物ス
ラリ製造熱交換器11へ戻す。なお、夏季の昼間のよう
に冷熱負荷が大きい場合には、冷凍機3を作動させ、ブ
ラインポンプ4により氷蓄熱槽1、弁23、水和物スラ
リ製造熱交換器11、弁25の間で冷媒を循環させて水
和物スラリを製造する。このとき、冷凍機3の運転温度
は氷を製造する場合に比べて高い温度であるため、冷凍
機3の消費電力が少なくてすむ。この水和物スラリ冷熱
利用システムでも実施形態1と同様な効果が得られる。
【0035】実施形態4 図4に本発明に係る水和物スラリ冷熱利用システムの他
の例を示す。氷蓄熱槽1には水が収容されており、氷蓄
熱槽1と過冷却水製造熱交換器6との間で冷水ポンプ2
1により水が循環される。また、冷凍機3と過冷却水製
造熱交換器6(図示しないコイル)との間でブラインポ
ンプ4により冷媒が循環される。これらの装置により氷
製造系が構成されている。
【0036】氷製造系では、氷蓄熱槽1から過冷却水製
造熱交換器6へ水を供給するとともに、安価な夜間電力
を使用して冷凍機3を作動させ、ブラインポンプ4によ
り0℃以下(例えば−5℃)の冷媒を過冷却水製造熱交
換器6のコイルへ供給することにより過冷却水を製造
し、製造した過冷却水を氷蓄熱槽1へ戻して過冷却を解
除することにより、または過冷却水製造熱交換器6から
氷蓄熱槽1へ過冷却水を供給する配管において過冷却を
解除することにより氷を製造する。
【0037】一方、水和物製造熱交換器11、水和物ス
ラリポンプ12、および負荷側の空気熱交換器(AH
U)13a〜13dにより冷熱利用系が構成されてい
る。
【0038】氷蓄熱槽1と水和物製造熱交換器11との
間では、弁23および弁24を通して、冷水ポンプ21
により氷蓄熱槽1内の氷スラリから分離された冷水が循
環するようになっている。水和物製造熱交換器11で熱
交換により温度が上昇した水は氷蓄熱槽1へ戻る。な
お、冷凍機3を作動させながら、弁23および弁25を
通して、過冷却水製造熱交換器6と氷蓄熱槽1と水和物
製造熱交換器11との間で冷水ポンプ21により冷水を
循環させることができる。これらの装置により水和物ス
ラリ製造系が構成されている。
【0039】昼間の負荷運転時には、氷蓄熱槽1から冷
水を取り出し、水和物スラリ製造熱交換器11へ1℃以
上(例えば3℃)の冷水を供給して水和剤を含む水溶液
を冷却して水和物スラリを製造する。この水和物スラリ
を水和物スラリ製造熱交換器11から水和物スラリポン
プ12により空気熱交換器(AHU)13a〜13dへ
供給して冷房を行い、冷熱利用により水和物スラリから
変化した水溶液を水和物スラリ製造熱交換器11へ戻
す。なお、夏季の昼間のように冷熱負荷が大きい場合に
は、冷凍機3を作動させながら、弁23および弁25を
通して、過冷却水製造熱交換器6と氷蓄熱槽1と水和物
製造熱交換器11との間で冷水ポンプ21により冷水を
循環させて冷却し、氷蓄熱槽1に戻す。この水和物スラ
リ冷熱利用システムでも実施形態1と同様な効果が得ら
れる。なお、氷スラリは、過冷却方式以外の方法で製造
してもよい。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、水
和物スラリによる冷熱利用系とともに、氷蓄熱槽を併用
して氷の大きな潜熱を利用しているので、蓄熱槽の容積
を増大させることなく、安価な夜間電力の使用量を増や
して十分な蓄熱量を確保することができる。また、従来
の氷蓄熱式冷熱利用システムと比較して、冷水よりも熱
密度の高い水和物スラリを負荷側機器との間で循環させ
るため、同一熱量を搬送するための動力を軽減できる。
また、氷蓄熱槽から低温層(例えば3℃)の冷水を直接
負荷側の空気熱交換器(AHU)に搬送する場合に比べ
て、水和物スラリの方が大気温度に近いために冷熱搬送
時の熱の侵入量を少なくできるので、配管断熱材コスト
ならびに配管工事費を低減できる。一方、従来の水和物
スラリ冷熱利用システムと比較して、水和物を生成させ
るための水和剤の量は負荷側機器を循環させる量だけで
すむので、初期コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水和物スラリ冷熱利用システムの
一例を示す構成図。
【図2】本発明に係る水和物スラリ冷熱利用システムの
他の例を示す構成図。
【図3】本発明に係る水和物スラリ冷熱利用システムの
他の例を示す構成図。
【図4】本発明に係る水和物スラリ冷熱利用システムの
他の例を示す構成図。
【符号の説明】
1…氷蓄熱槽 2…コイル 3…冷凍機 4…ブラインポンプ 5…カプセル 6…過冷却水製造熱交換器 11…水和物製造熱交換器 12…水和物スラリポンプ 13a〜13d…負荷側の空気熱交換器(AHU) 14…補助用水和物製造熱交換器 21…冷水ポンプ 22、23、24、25…弁
フロントページの続き (72)発明者 生越 英雅 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷凍機と、氷蓄熱槽と、前記冷凍機と前記
    氷蓄熱槽との間で冷媒を循環させる機構を含む氷製造系
    と、水和物スラリ製造熱交換器と、負荷側機器と、前記
    水和物スラリ製造熱交換器と前記負荷側機器との間で水
    和物スラリおよび水和物スラリの冷熱利用により生成し
    た水和剤を含む水溶液を循環させる機構を含む冷熱利用
    系と、前記氷蓄熱槽と前記水和物スラリ製造熱交換器と
    の間で冷水を循環させる機構を含む水和物スラリ製造系
    とを具備したことを特徴とする水和物スラリ冷熱利用シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 氷製造熱交換時に0℃以下の冷媒を前記
    氷蓄熱槽へ供給して氷を製造し、水和物スラリ製造時に
    前記氷蓄熱槽の氷を融解しながら前記水和物スラリ製造
    熱交換器へ1℃以上の冷水を供給して水和物スラリを製
    造することを特徴とする請求項1に記載の水和物スラリ
    冷熱利用システム。
  3. 【請求項3】冷凍機と、過冷却水製造熱交換器と、氷蓄
    熱槽と、前記冷凍機と前記過冷却水製造熱交換器との間
    で冷媒を循環させる機構と、前記過冷却水製造熱交換器
    から前記氷蓄熱槽へ過冷却水を供給する機構を含む氷製
    造系と、水和物スラリ製造熱交換器と、負荷側機器と、
    前記水和物スラリ製造熱交換器と前記負荷側機器との間
    で水和物スラリおよび水和物スラリの冷熱利用により生
    成した水和剤を含む水溶液を循環させる機構を含む冷熱
    利用系と、前記氷蓄熱槽と前記水和物スラリ製造熱交換
    器との間で冷水を循環させる機構を含む水和物スラリ製
    造系とを具備したことを特徴とする水和物スラリ冷熱利
    用システム。
  4. 【請求項4】 氷製造熱交換時に0℃以下の冷媒を前記
    過冷却水製造熱交換器へ供給して過冷却水を製造し、前
    記過冷却水製造熱交換器から前記氷蓄熱槽へ過冷却水を
    供給して過冷却を解除することにより氷を製造し、また
    は過冷却水製造熱交換器から氷蓄熱槽へ過冷却水を供給
    する配管において過冷却を解除することにより氷を製造
    し、水和物スラリ製造時に前記氷蓄熱槽の氷を融解しな
    がら前記水和物スラリ製造熱交換器へ1℃以上の冷水を
    供給して水和物スラリを製造することを特徴とする請求
    項3に記載の水和物スラリ冷熱利用システム。
  5. 【請求項5】冷凍機と、氷蓄熱槽と、前記冷凍機と前記
    氷蓄熱槽との間で冷媒を循環させる機構を含む氷製造系
    と、水和物スラリ製造熱交換器と、負荷側機器と、前記
    水和物スラリ製造熱交換器と前記負荷側機器との間で水
    和物スラリおよび水和物スラリの冷熱利用により生成し
    た水和剤を含む水溶液を循環させる機構を含む冷熱利用
    系と、前記氷蓄熱槽と前記水和物スラリ製造熱交換器と
    の間で冷媒を循環させる機構を含む水和物スラリ製造系
    とを具備したことを特徴とする水和物スラリ冷熱利用シ
    ステム。
  6. 【請求項6】 前記氷蓄熱槽内に水が収容され、前記氷
    蓄熱槽内の水中に内部を冷媒が流通し外表面に氷が付着
    するコイルが配置されていることを特徴とする請求項5
    に記載の水和物スラリ冷熱利用システム。
  7. 【請求項7】 前記氷蓄熱槽に配置された前記コイルの
    外表面に付着した氷が融解しはじめたときに氷蓄熱槽内
    の冷水を循環させることを特徴とする請求項6に記載の
    水和物スラリ冷熱利用システム。
  8. 【請求項8】 前記氷蓄熱槽内を冷媒が流通し、冷媒中
    に水封入カプセルが収容されていることを特徴とする請
    求項5に記載の水和物スラリ冷熱利用システム。
  9. 【請求項9】 氷製造熱交換時に0℃以下の冷媒を前記
    氷蓄熱槽へ供給して氷を製造し、水和物スラリ製造時に
    前記氷蓄熱槽の氷を融解しながら前記水和物スラリ製造
    熱交換器へ1℃以上の冷媒を供給して水和物スラリを製
    造することを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに
    記載の水和物スラリ冷熱利用システム。
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