JPH07167468A - 内融式氷蓄熱装置 - Google Patents

内融式氷蓄熱装置

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JPH07167468A
JPH07167468A JP31474593A JP31474593A JPH07167468A JP H07167468 A JPH07167468 A JP H07167468A JP 31474593 A JP31474593 A JP 31474593A JP 31474593 A JP31474593 A JP 31474593A JP H07167468 A JPH07167468 A JP H07167468A
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water
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治 薮本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 管路の支持構造を簡略化でき、かつ製氷率の
向上を可能とした内融式氷蓄熱装置を提供する。 【構成】 水槽8と、この水槽8内にてU字形の湾曲を
繰返し、蛇行形状をなす複数の蓄熱氷形成用管路9とを
備え、ヒートポンプ1の蒸発器7での熱交換により奪熱
され、温度降下した熱伝達媒体を蒸発器7と管路9との
間で循環させ、水槽8内の水との熱交換により、この管
路9の外周部に氷を形成する内融式氷蓄熱装置21であ
って、U字形の上記湾曲部を水槽8内の上下に位置さ
せ、各管路9を、隣接する管路9における熱伝達媒体の
流れの方向が互いに逆となる配置にして形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば深夜と昼間の消
費電力を平準化する空調装置に適用する内融式氷蓄熱装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空調装置において、ヒートポンプ(本明
細書では冷凍装置も含めてヒートポンプということとす
る)を利用した蓄熱装置は、深夜電力の有効利用による
省ランニングコストと消費電力の平準化のために用いら
れることが多い。そして、近年のビルの高層化、地価高
騰のあおりで、従来の水蓄熱から、高密度蓄熱が可能な
氷蓄熱を利用した氷蓄熱装置を備えた空調設備が普及拡
大しつつある。図4は、従来公知の空調装置の一つで、
ヒートポンプ1、および氷蓄熱装置2が設けてある。
【0003】ヒートポンプ1は、圧縮機3、凝縮器4、
受液器5、膨張弁6、および蒸発器7を含む冷媒の閉ル
ープを形成している。また氷蓄熱装置2は、水槽8と、
この水槽8内の横方向の両端にてU字形の湾曲を繰返
し、蛇行形状をなす、例えば銅管を用いた蓄熱氷形成用
管路9と、この管路を支持する支持部10とを備えてい
る。管路9は、紙面垂直方向に多数並設してあり、この
並設した各管路9は紙面垂直方向に延在する管路である
ヘッダー11、12に接続して、合流するとともに、各
ヘッダー11、12には蒸発器7に至る管路13、14
を接続して氷蓄熱用熱伝達媒体、例えばエチレングリコ
ール水溶液のようなブライン(0℃で凍結しないもの)
の閉ループを形成している。
【0004】また、各管路9は、同じ方向、即ち図4に
おいて上から蛇行しながら下に向かう方向に熱伝達媒体
を流すようになっており、水槽8内の水面よりも下方に
配置してある。さらに、管路13、14に設けた切換弁
X、Yにより、管路9と蒸発器7との間の循環に代え
て、管路9から管路13aを経て、図示しない熱交換器
を介して管路13aに接続した管路14aを通り、管路
9に戻る循環に切換え可能となっている。
【0005】一方、凝縮器4には、冷却水を凝縮器4の
内外に循環させるための冷却水用管路17が接続してあ
る。そして、冷媒を圧縮機3により圧縮して、高圧、高
温ガス状態で吐出し、これを凝縮器4にて管路17内の
水との間の熱交換により冷却して凝縮(液化)させる一
方、管路17内の水を昇温させている。さらに、この凝
縮した高圧の冷媒液を受液器5に溜めた後、膨張弁6で
の絞り膨張により降圧させ、低温ガス、液状態で蒸発器
7に至らせ、ここで管路13、14を循環する水との間
の熱交換により気化させ、低圧、低温ガス状態にして圧
縮機3に戻し、以後上記同様に冷媒を循環させるように
なっている。
【0006】また、蒸発器7での冷媒との間の熱交換に
より冷却した熱伝達媒体を管路14、ヘッダー12を経
て管路9に至らせ、ここで水槽8内の水15と間で熱交
換させ、即ちこの水15から奪熱させた後、ヘッダー1
1、管路13を経て蒸発器7に戻し、以後上記同様にし
て熱伝達媒体を蒸発器7と管路9との間で循環させて、
管路9の外周部に氷を形成させている。
【0007】さらに、切換弁X、Yを切換えることによ
って、この氷が融解する際に周囲から奪う大きな融解熱
を利用して管路9を流動するする熱伝達媒体を冷却し、
冷却された熱伝達媒体を管路13aから管路14aに流
動させることにより、上記熱交換器を介して装置外の所
望の空間の冷房が可能となっている。そして、電力消費
量の多い夏場において上記氷の形成を深夜に行い、即ち
深夜電力を使って氷の形成を行って、冷熱を蓄えてお
き、昼間はこの氷蓄熱を利用して冷房を行うことによ
り、従来夏場の昼間に集中していた電力消費量の昼夜間
での平準化が図れるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の氷蓄熱装置
2の管路9における熱伝達媒体は、管路9の入口側から
出口側に向かって温度勾配を有している。例えば、製氷
時には、熱伝達媒体は、入口側では温度が低く、出口側
では、温度が高くなる。また、各管路9共、熱伝達媒体
を同一方向に流すように形成してあり、各管路9の入口
側は、水槽8の一方の側、即ち上方部に集中し、出口側
は水槽8の他方の側に集中している。このため、製氷時
には、管路9の周囲にできる氷の厚みは、入口側で厚
く、出口側で薄くなり、氷蓄熱利用時(氷の融解時)に
は、入口側の氷が最後まで残り、次の製氷時には、入口
側の氷がさらに厚くなる。これを繰り返している内に、
入口側の隣り合う管路9の氷同志がつながってしまい、
製氷率の低下、及び氷の融解時の冷熱出力の低下が生じ
る。
【0009】また、管路9の直線部が横方向となる配置
にしてあるため、この直線部に自重による撓みが生じな
いように、図4中、二点鎖線で示すように幾つかの中間
サポートを必要とし、管路9の支持部が複雑になるとい
う問題がある。さらに、管路9の直線部が横方向になっ
ていると、図5に示すように、最初は管路9の周囲に一
様に氷18ができても(aの状態)、氷蓄熱利用時に管
路9の周囲から氷18が融解し始めると、外周部の氷1
8が水19からの浮力で浮き上がり、管路9の上方に氷
18が偏り(bの状態)、次の製氷時には、この偏った
状態から氷18ができ始め(cの状態)、管路9の回り
の氷18が益々いびつになり、製氷率が低下してゆくと
いう問題も生じる。本発明は、斯る従来の問題点を課題
としてなされたもので、管路の支持構造を簡略化でき、
かつ製氷率の向上を可能とした内融式氷蓄熱装置を提供
しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、水槽と、この水槽内にてU字形の湾曲を
繰返し、蛇行形状をなす複数の蓄熱氷形成用管路とを備
え、ヒートポンプの蒸発器での熱交換により奪熱され、
温度降下した熱伝達媒体を上記蒸発器と上記管路との間
で循環させ、上記水槽内の水との熱交換により、この管
路の外周部に氷を形成する内融式氷蓄熱装置において、
上記U字形の湾曲部を上記水槽内の上下に位置させ、上
記各管路を、隣接する管路における熱伝達媒体の流れの
方向が互いに逆となる配置にして形成した。
【0011】
【作用】本発明のように構成することにより、管路の直
線部の自重による撓みはなくなり、各管路の周囲にでき
る氷は、入口側は厚く、出口側は薄くなるが、隣り合う
管路の周囲できる氷の表面間の距離は、一様になる。
【0012】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面にしたがって
説明する。図1,2は、本発明に係る内融式氷蓄熱装置
21を備えた空調装置を示し、図4に示す空調装置とは
氷蓄熱装置2に代えて氷蓄熱装置21を採用した点を除
き、他は実質的に同一であり、互いに共通する箇所につ
いては同一番号を付して説明を省略する。本実施例で
は、管路9の下方に多数の吸込み孔を有する吸込み管2
2と、一端が上記水槽8の上部に開口した吐出管23
と、上記吸込み管22を介して水槽8内の水15を吸込
み、この吸込んだ水を上記吐出管23に吐出する水ポン
プ24とからなる水循環装置25が設けてある。
【0013】また、多数の管路用貫通孔32を複数列に
形成した、例えばステンレス材からなる上、下管板3
3、34を枠体35の上下部に取付け、この上、下管板
33、34をそれらの各貫通孔32の上下方向の位置が
一致するように、上下に間隔をあけて平行配置して、複
数の蓄熱氷形成用管路9を支持する支持部36が形成し
てある。管路9は、下管板34から上管板33に向け
て、両管板の貫通孔32に貫通させた多数の、例えば銅
製のU字形下部湾曲管37と、隣接するこの下部湾曲管
37の上方に開口した二つ端部に嵌合させ、嵌合部を、
例えば銀ろう付けにより接合して隣接するこの下部湾曲
管37同志を接続する多数の、例えば銅製のU字形上部
湾曲管38とからなっている。また、この上部湾曲管3
8は水槽8内の水面よりも下方に位置させられる。
【0014】さらに、本実施例では、各管路9を、隣接
する管路9における熱伝達媒体の流れの方向が互いに逆
となる配置にして形成してある。なお、図1では、一組
(2本)の隣り合う管路9のみを示してあるが、管路9
内の熱伝達媒体の流れ方向が逆になる管路9を、紙面垂
直方向に、3本以上設けてもよい。
【0015】そして、上述した水循環装置25を設ける
ことにより、水槽8内の水15の上下方向の対流を促進
して、上下の水温を均一にして、上下均一な製氷を可能
とし、製氷性能を向上させるようにしてある。即ち、管
路13a、14aを使用している解氷時、水循環装置2
5により水を循環させているため、管路9の回りの水の
流動により水と氷との間の熱交換が良好となり、水は解
氷温度である0℃近くになり、低温出力および解氷速度
が改善される。水槽8内は、水を循環させない場合で
も、自然対流により水温分布は0℃〜4℃という非常に
小さい範囲にあり、水ポンプ24は非常に小容量のもの
でも、それによる強制対流によって水槽8内の水温の上
下均一化ができ、上記改善が可能となる。例えば、水槽
8が15m3の場合、0.4KWの水ポンプ24で十分な
温度均一作用を生じることが確認された。
【0016】また、水槽8内の氷は、上、下管板33、
34、および管路9との接触部から先に融解して、この
接触部に流路が形成され、水の強制流動によってこの流
路内に水流が起こされ、管路9の周囲に水が滞留するこ
とがなくなる。そして、この結果管路9の周囲への冷却
された水の供給が保たれ、良好な低温出力および解氷速
度を得ることが可能となる。内融式の氷蓄熱装置におい
ては、水循環装置25を設けない場合、管路13a、1
4aによる冷房能力には限界があり、例えば急速冷房し
たい場合でもできないが、本実施例では、水ポンプ24
に、例えば可変容量式のモータを用いることにより、ポ
ンプ容量を大きくして、水槽8内の水流を大きくするこ
とにより、上記冷房能力を向上させることが出来るよう
になる。
【0017】なお、水循環装置25の吸込み管22は、
管路9の各列、或は各行の両側下方に、一様に設けるの
が好ましく、製氷時、水槽8内の上下部の水温が1℃以
下になると、温度均一化の必要がなくなるため、水ポン
プ24を停止させてもよい。また、上記実施例では、各
管路9を、隣接する管路9における熱伝達媒体の流れの
方向が互いに逆となる配置にして形成してあるので、図
3に示すように、各管路9の周囲にできる氷は、入口側
は厚く、出口側は薄くなるが、隣り合う管路9の周囲で
きる氷の表面間の距離は、図3中、二点鎖線で示すよう
に、一様になり、この氷同志が接触するタイミングは、
入口側から出口側まで同じとなり、100%に近い製氷
率が確保できる。また、管路9の直線部は縦方向に配置
してあるので、自重による撓みはなくなり、管路9の支
持部は、上管板33,下管板34だけで足り、中間サポ
ートは不要となり、支持部の構造が簡略化されている。
【0018】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、水槽と、この水槽内にてU字形の湾曲を繰返
し、蛇行形状をなす複数の蓄熱氷形成用管路とを備え、
ヒートポンプの蒸発器での熱交換により奪熱され、温度
降下した熱伝達媒体を上記蒸発器と上記管路との間で循
環させ、上記水槽内の水との熱交換により、この管路の
外周部に氷を形成する内融式氷蓄熱装置において、上記
U字形の湾曲部を上記水槽内の上下に位置させ、上記各
管路を、隣接する管路における熱伝達媒体の流れの方向
が互いに逆となる配置にして形成してある。
【0019】このため、管路の直線部の自重による撓み
はなくなり、管路の支持構造を簡略化できるとともに、
各管路の周囲にできる氷は、入口側は厚く、出口側は薄
くなるが、隣り合う管路の周囲できる氷の表面間の距離
は、一様になるので、製氷率の向上が可能になるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る氷蓄熱装置を適用した空調装置
の概略全体構成図である。
【図2】 図1に示す氷蓄熱装置の、紙面に平行で、か
つ管路の軸を含む平面で切った管路部の断面図である。
【図3】 製氷時における図1のIII−III線断面図であ
る。
【図4】 従来の内融式氷蓄熱槽を使用した空調装置の
概略全体構成図である。
【図5】 図4に示す氷蓄熱槽の管路の周囲の製氷,氷
の融解状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ヒートポンプ 7 蒸発器 8 水槽 9 管路 21 氷蓄熱槽 37 下部湾曲
管 38 上部湾曲管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水槽と、この水槽内にてU字形の湾曲を
    繰返し、蛇行形状をなす複数の蓄熱氷形成用管路とを備
    え、ヒートポンプの蒸発器での熱交換により奪熱され、
    温度降下した熱伝達媒体を上記蒸発器と上記管路との間
    で循環させ、上記水槽内の水との熱交換により、この管
    路の外周部に氷を形成する内融式氷蓄熱装置において、
    上記U字形の湾曲部を上記水槽内の上下に位置させ、上
    記各管路を、隣接する管路における熱伝達媒体の流れの
    方向が互いに逆となる配置にして形成したことを特徴と
    する内融式氷蓄熱装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003021366A (ja) * 2001-07-10 2003-01-24 Nkk Corp 水和物スラリ冷熱利用システム
CN100375876C (zh) * 2006-05-16 2008-03-19 宁波大学 一种热融脱落式制冰装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0178835U (ja) * 1987-11-12 1989-05-26
JPH05126369A (ja) * 1991-11-06 1993-05-21 K Ii Corp:Kk 氷蓄熱装置

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