JP2003021291A - 樹脂製パイプとタンクとの接続構造 - Google Patents

樹脂製パイプとタンクとの接続構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱交換器の金属製タンクに接続用カラーを介
して樹脂製パイプを取付けるものにおいて、簡単な構造
で樹脂製パイプの回り止め手段を設けると共に、樹脂製
パイプ成形時に金型のパーティングラインがOリング嵌
着部に生じないものの提供。 【解決手段】 樹脂製パイプ4の先端に欠切部等からな
る係止部13を形成し、接続用カップ2の先端に設けた第
1段付部6に爪部等からなる係合部7を設ける。そして
樹脂製パイプ4の先端部外周には環状溝を形成せず、樹
脂製パイプ4の外フランジ部3を接続用カップ2の第2
段付部8に着座させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として熱交換器
の金属製タンクに樹脂製パイプを接続する接続構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】金属製タンクと樹脂製パイプとの接続構
造は、樹脂製タンクとチューブプレートとの接続構造を
利用することができる。図8はその例で、タンク1のパ
イプ取付口1aに段付カラー状の接続用カップ2の先端部
を嵌入して、タンク1,接続用カップ2間を液密にろう
付け固定する。接続用カップ2の外周には予めスリット
を形成しておき、そのスリットより後端側にカシメ部10
を設けておく。次に、樹脂製パイプ4はその先端部外周
に外フランジ部3を有すると共に、その外フランジ部3
よりもさらに先端に環状溝19を形成しておく。そしてそ
の環状溝19にOリング14を嵌着し、樹脂製パイプ4の先
端部を接続用カップ2に嵌入する。そしてカシメ部10を
塑性変形することにより、樹脂製パイプ4を接続用カッ
プ2に固定するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように樹脂製パイ
プ4に多用されている環状溝19を形成するには、図9に
示す如く、その射出成形用の金型において樹脂製パイプ
4の先端部を半径方向に分割する第1金型20と第2金型
21を設ける必要がある。すると、その環状溝19内にパー
ティングライン22が形成される。そのため、そこにOリ
ング14を被嵌しても、パーティングライン22の僅かの凸
条によって気密性を失われるおそれがある。そこで本発
明は、係る問題点を解決することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、円形のパイプ取付口(1a)を有するタンク(1) と、そ
のパイプ取付口(1a)に液密に接続固定されるリング状の
接続用カップ(2) と、その接続用カップ(2) に先端部が
嵌入し、その先端部外周に突設された外フランジ部(3)
で、前記接続用カップ(2) にカシメ固定される樹脂製パ
イプ(4) と、を有する樹脂製パイプとタンクとの接続構
造において、前記接続用カップ(2) は、前記タンク(1)
のパイプ取付口(1a)に一端部外周が挿入される嵌着部
(5) を有すると共に、その嵌着部(5) の先端縁部に内フ
ランジ状の第1段付部(6) が形成され且つ、その第1段
付部(6) の縁に回り止め用の爪部または凹部あるいは欠
切部からなる係合部(7) が形成され、他端部に第2段付
部(8) を介して拡径された拡径部(9) を有し、その拡径
部(9) の縁部にカシメ部(10)が形成され、前記樹脂製パ
イプ(4) は、その先端部に前記接続用カップ(2) の第2
段付部(8) の内面および前記拡径部(9) の内面に整合す
る前記外フランジ部(3) が形成され且つ、その外フラン
ジ部(3) に隣接した先端部外周に前記接続用カップ(2)
の前記嵌着部(5) の内周に整合する嵌入部(5a)が形成さ
れ、さらにその先端側に第3段付部(11)を介して縮径す
る縮径部(12)が形成され、その縮径部(12)の先端に前記
接続用カップ(2) の前記係合部(7) に整合する欠切部ま
たは凸部からなる係止部(13)が形成され、その樹脂製パ
イプ(4) の前記第3段付部(11)と、前記接続用カップ
(2) の前記第1段付部(6) との間にシール用のOリング
(14)が保持されるOリング保持部(15)を有し、前記樹脂
製パイプ(4) が金型を用いた射出成形体よりなり、その
前記先端部外周には、Oリング嵌着用環状溝が存在しな
いようにしたことを特徴とする樹脂製パイプとタンクと
の接続構造。
【0005】請求項2に記載の本発明は、円形のパイプ
取付口(1a)を有するタンク(1) と、そのパイプ取付口(1
a)に液密に接続固定されるリング状の接続用カップ(2)
と、その接続用カップ(2) に先端部が嵌入し、その先端
部外周に突設された外フランジ部(3) で、前記接続用カ
ップ(2) にカシメ固定される樹脂製パイプ(4) と、を有
する樹脂製パイプとタンクとの接続構造において、前記
接続用カップ(2) は、前記タンク(1) のパイプ取付口(1
a)に一端部外周が挿入される嵌着部(5) を有すると共
に、その嵌着部(5) の先端縁部に内フランジ状の第1段
付部(6) が形成され且つ、その第1段付部(6) の縁に回
り止め用の爪部または欠切部あるいは凹部からなる係合
部(7) が突設され、他端部に第2段付部(8) を介して拡
径された拡径部(9) を有し、その拡開部(9) の縁部にカ
シメ部(10)が形成され、前記樹脂製パイプ(4) は、その
先端部に前記接続用カップ(2) の第2段付部(8) の内面
および前記拡開部(9) の内面に整合する前記外フランジ
部(3) が形成され且つ、その先端に前記接続用カップ
(2) の前記係合部(7) に整合する欠切部または凸部から
なる係止部(13)が形成され、その樹脂製パイプ(4) の先
端部外周と、前記接続用カップ(2) の前記第1段付部
(6) との間にシール用のOリング(14)が保持されるOリ
ング保持部(15)を有し、前記樹脂製パイプ(4) が金型を
用いた射出成形体よりなり、その前記先端部外周には、
Oリング嵌着用環状溝が存在しないようにしたことを特
徴とする樹脂製パイプとタンクとの接続構造である。
【0006】請求項3に記載の本発明は、請求項1また
は請求項2において、前記接続用カップ(2) の前記係合
部(7) および、前記樹脂製パイプ(4) の前記係止部(13)
が夫々周方向に離間して複数設けられた樹脂製パイプと
タンクとの接続構造である。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、図面に基づいて本発明の実
施の形態につき説明する。図1は本発明の接続構造の分
解斜視図であり、図2はその取付け状態を示す縦断面
図、図3はその樹脂製パイプ4の正面図である。この接
続構造は、円形のパイプ取付口1aを有するタンク1と、
カラー状の接続用カップ2と樹脂製パイプ4とを有す
る。接続用カップ2は、タンク1のパイプ取付口1aに整
合する嵌着部5が先端部に形成され、その嵌着部5の先
端縁部に内フランジ状の第1段付部6が形成されてい
る。そしてその第1段付部6の縁に回り止め用の爪部か
らなる係合部7が形成されている。嵌着部5の他端側に
は、第2段付部8を介して拡径された拡径部9を有し、
その拡径部9の中間部に逆T字状のスリット16を介し
て、その縁部にカシメ部10が設けられている。
【0008】次に、樹脂製パイプ4はその先端部に接続
用カップ2の拡径部9及び第2段付部8に整合する外フ
ランジ部3が突設されると共に、その外フランジ部3の
先端側に嵌着部5に整合する嵌入部5aが段付状に設けら
れ、さらにその先端側に第3段付部11を介して縮径部12
が突設されている。縮径部12の先端面には、接続用カッ
プ2の係合部7に整合する欠切部からなる係止部13が設
けられている。なお、接続用カップ2はその外面側にろ
う材が被覆されたものが用いられる。またろう材をタン
ク1の外面側に被覆し、接続用カップ2のろう材をなく
してもよい。このようにしてなる接続用カップ2は、タ
ンク1のパイプ取付口1aに嵌着される。
【0009】タンク1は細長い箱状に形成され、その一
端開口にチューブプレート17の環状溝部が嵌着する。な
お、チューブプレート17には多数のチューブ18が貫通
し、各チューブ18間には図示しないフィンが配置されて
いる。そして互いにろう付けされる少なくとも一方の部
品表面には、予めろう材が被覆されたものが用いられ
る。このように組立てられた熱交換器は、高温の炉内に
挿入され、被覆されたろう材を溶融して、それを冷却固
化することにより、各部品間を液密に一体にろう付け固
定するものである。
【0010】このようにタンク1のパイプ取付口1aにろ
う付けされた接続用カップ2には、樹脂製パイプ4の先
端部が嵌着される。その樹脂製パイプ4の縮径部12には
予めOリング14が嵌着される。そして、縮径部12の先端
に設けられた欠切部からなる係止部13が、接続用カップ
2の先端の爪部からなる係合部7に嵌着する。次いで、
カシメ部10を半径方向内側に折り曲げることにより、そ
の先端縁を樹脂製パイプ4の外フランジ部3に圧接す
る。なお、樹脂製パイプ4の縮径部12の外周には、Oリ
ング嵌着用の溝は形成されていない。従って、樹脂製パ
イプ4を射出成形するための金型は、その軸線方向に開
閉できる金型のみで足り、縮径部12の外周に金型のパー
ティングラインが形成されることはない。
【0011】次に、図1〜図3の例では樹脂製パイプ4
はその先端部が二段の段付に形成されていたが、図5の
如く段付部を一つ省略したものであってもよい。この場
合には、図4の如くOリング14は外フランジ部3の先端
側に直接嵌着される。なお、樹脂製パイプ4と接続用カ
ップ2との回り止め手段は、図6の如く接続用カップ2
の第1段付部6の縁部に欠切部7aを形成し、樹脂製パイ
プ4の先端に凸部13aを突設したものであってもよい。
さらには図7の如く、第1段付部6の先端縁に凹部7bを
形成し、そこに樹脂製パイプ4の先端の凸部13aを嵌入
する構造であってもよい。
【0012】
【発明の作用・効果】本発明の樹脂製パイプとタンクと
の接続構造は、樹脂製パイプ4の係止部13と接続用カッ
プ2の係合部7とが係合状態で、拡径部9のカシメ部10
が外フランジ部3にカシメられて固定されるから、樹脂
製パイプ4はその軸線回りに外力が加わっても移動する
ことがない。また、樹脂製パイプ4が金型を用いた射出
成形体よりなり、その先端部外周にはOリング嵌着用の
環状溝が存在しないものとしたから、その先端部外周を
半径方向に型割りする金型を用いる必要がなく、そこに
金型のパーティングラインが生じないので、水密性の高
い接続構造となり得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す樹脂製パイプ
とタンクとの接続構造の分解斜視図。
【図2】同接続構造の縦断面図。
【図3】同接続構造の樹脂製パイプ4の正面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す樹脂製パイプ
とタンクとの接続構造の縦断面図。
【図5】同接続構造の樹脂製パイプ4の正面図。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す樹脂製パイプ
とタンクとの接続構造の縦断面図。
【図7】本発明の第4の実施の形態を示す樹脂製パイプ
とタンクとの接続構造の縦断面図。
【図8】従来型接続構造の縦断面図。
【図9】同接続構造に用いられる樹脂製パイプ4の金型
説明図。
【符号の説明】
1 タンク 1a パイプ取付口 2 接続用カップ 3 外フランジ部 4 樹脂製パイプ 5 嵌着部 5a 嵌入部 6 第1段付部 7 係合部 7a 欠切部 7b 凹部 8 第2段付部 9 拡径部 10 カシメ部 11 第3段付部 12 縮径部 13 係止部 13a 凸部 14 Oリング 15 Oリング保持部 16 スリット 17 チューブプレート 18 チューブ 19 環状溝 20 第1金型 21 第2金型 22 パーティングライン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円形のパイプ取付口(1a)を有するタンク
    (1) と、 そのパイプ取付口(1a)に液密に接続固定されるリング状
    の接続用カップ(2) と、 その接続用カップ(2) に先端部が嵌入し、その先端部外
    周に突設された外フランジ部(3) で、前記接続用カップ
    (2) にカシメ固定される樹脂製パイプ(4) と、を有する
    樹脂製パイプとタンクとの接続構造において、 前記接続用カップ(2) は、前記タンク(1) のパイプ取付
    口(1a)に一端部外周が挿入される嵌着部(5) を有すると
    共に、その嵌着部(5) の先端縁部に内フランジ状の第1
    段付部(6) が形成され且つ、その第1段付部(6) の縁に
    回り止め用の爪部または凹部あるいは欠切部からなる係
    合部(7) が形成され、 他端部に第2段付部(8) を介して拡径された拡径部(9)
    を有し、その拡径部(9) の縁部にカシメ部(10)が形成さ
    れ、 前記樹脂製パイプ(4) は、その先端部に前記接続用カッ
    プ(2) の第2段付部(8) の内面および前記拡径部(9) の
    内面に整合する前記外フランジ部(3) が形成され且つ、
    その外フランジ部(3) に隣接した先端部外周に前記接続
    用カップ(2) の前記嵌着部(5) の内周に整合する嵌入部
    (5a)が形成され、さらにその先端側に第3段付部(11)を
    介して縮径する縮径部(12)が形成され、その縮径部(12)
    の先端に前記接続用カップ(2) の前記係合部(7) に整合
    する欠切部または凸部からなる係止部(13)が形成され、 その樹脂製パイプ(4) の前記第3段付部(11)と、前記接
    続用カップ(2) の前記第1段付部(6) との間にシール用
    のOリング(14)が保持されるOリング保持部(15)を有
    し、 前記樹脂製パイプ(4) が金型を用いた射出成形体よりな
    り、その前記先端部外周には、Oリング嵌着用環状溝が
    存在しないようにしたことを特徴とする樹脂製パイプと
    タンクとの接続構造。
  2. 【請求項2】 円形のパイプ取付口(1a)を有するタンク
    (1) と、 そのパイプ取付口(1a)に液密に接続固定されるリング状
    の接続用カップ(2) と、 その接続用カップ(2) に先端部が嵌入し、その先端部外
    周に突設された外フランジ部(3) で、前記接続用カップ
    (2) にカシメ固定される樹脂製パイプ(4) と、を有する
    樹脂製パイプとタンクとの接続構造において、 前記接続用カップ(2) は、前記タンク(1) のパイプ取付
    口(1a)に一端部外周が挿入される嵌着部(5) を有すると
    共に、その嵌着部(5) の先端縁部に内フランジ状の第1
    段付部(6) が形成され且つ、その第1段付部(6) の縁に
    回り止め用の爪部または欠切部あるいは凹部からなる係
    合部(7) が突設され、他端部に第2段付部(8) を介して
    拡径された拡径部(9) を有し、その拡開部(9) の縁部に
    カシメ部(10)が形成され、 前記樹脂製パイプ(4) は、その先端部に前記接続用カッ
    プ(2) の第2段付部(8) の内面および前記拡開部(9) の
    内面に整合する前記外フランジ部(3) が形成され且つ、
    その先端に前記接続用カップ(2) の前記係合部(7) に整
    合する欠切部または凸部からなる係止部(13)が形成さ
    れ、 その樹脂製パイプ(4) の先端部外周と、前記接続用カッ
    プ(2) の前記第1段付部(6) との間にシール用のOリン
    グ(14)が保持されるOリング保持部(15)を有し、 前記樹脂製パイプ(4) が金型を用いた射出成形体よりな
    り、その前記先端部外周には、Oリング嵌着用環状溝が
    存在しないようにしたことを特徴とする樹脂製パイプと
    タンクとの接続構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2のにおいて、 前記接続用カップ(2) の前記係合部(7) および、前記樹
    脂製パイプ(4) の前記係止部(13)が夫々周方向に離間し
    て複数設けられた樹脂製パイプとタンクとの接続構造。
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