JP2003021030A - エンジンの始動装置 - Google Patents

エンジンの始動装置

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JP2003021030A JP2001207717A JP2001207717A JP2003021030A JP 2003021030 A JP2003021030 A JP 2003021030A JP 2001207717 A JP2001207717 A JP 2001207717A JP 2001207717 A JP2001207717 A JP 2001207717A JP 2003021030 A JP2003021030 A JP 2003021030A
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cranking
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福郎 北川
Seiji Yaosachi
誠二 八百幸
Katsutoshi Tanei
克敏 種井
Masae Ohori
正衛 大堀
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クランク軸と接続された始動用のモータを大
出力化することなく、エンジンの始動性を向上すること
である。 【解決手段】 エンジンが停止した時に、クランク角
を、エンジンの吸気弁が閉弁するクランク角よりも遅角
側となる角度範囲に設定して、圧縮された筒内空気を次
の始動時までにリークせしめて、筒内圧のピーク値を下
げる。または、クランキング開始後にモータの回転負荷
が最初にピーク値をとるクランク角におけるクランク軸
の回転速度が、前記ピーク値に対するモータの出力トル
クの不足分をクランク軸を含む回転部の慣性により補い
得る回転速度となるように、クランク軸を加速可能な角
度範囲に設定して、回転負荷がピークをとるまでにクラ
ンク軸が十分に加速されるようにする(ステップS10
1〜S103)。これにより、低トルクのモータでも確
実に始動できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車等に搭載され
るエンジンの始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンは始動装置を備えており、クラ
ンク軸に接続された電動のモータによりクランキングが
行われて始動する。モータには、吸気弁が閉弁する圧縮
工程において筒内圧に抗し得るだけの、また、機械的な
回転抵抗に抗し得るだけのトルクが必要になる。このた
め、モータが大型化したり、これに通電するためのバッ
テリーやインバータ等に、大容量で大きな瞬時電流を流
し得るものが必要になる。また、当然に配線も太いもの
が必要になる。
【0003】十分なトルクを確保すべく始動装置が大規
模化すると、自動車重量が増加する上に、エンジンの始
動装置はエンジンが通常運転中には休止状態にあること
から、徒に燃費を悪化する。また、近年、環境に対する
配慮から、停車時に一定の条件下で自動的にエンジンを
切るアイドリングストップ機構やハイブリッド車が実用
化されている。これにともなってエンジンの始動回数が
増える傾向にある。このため、低トルクでエンジンを始
動し得る小規模の始動装置が望まれている。
【0004】特開平5−149221号公報には、クラ
ンク角によってモータに対する回転負荷が異なることに
着目し、キースイッチがオフし、燃料噴射および点火が
オフした状態で、クランク角が所定の角度になると、モ
ータに逆起電力を印加して当該クランク角にてクランク
軸の回転を停止し、次回の始動時にはクランク角が所定
角度の状態からクランキングされるようにしたものがあ
る。所定角度を、回転負荷の小さくなる角度とすること
で、始動性の向上を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
5−149221号公報の技術のように回転負荷が小さ
なクランク角からクランキングを開始しても、クランク
軸の回転が加速する途上で前記筒内圧の上昇等でトルク
が不足するおそれがあり、必ずしも十分に低トルク化が
実現できるとは限らない。このため、特開平5−149
221号公報の技術では、構成が複雑になるモータ駆動
電流制御を行っている。
【0006】本発明は前記実情に鑑みなされたもので、
構成が簡単で始動性がよく、しかもモータの低トルク化
を図ることのできるエンジンの始動装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、エンジンのクランク軸に接続されたモータによりク
ランキングを行うエンジンの始動装置において、エンジ
ン停止状態においてクランク角を検出するクランク角検
出手段と、検出されたクランク角が予め設定した所定範
囲内にあるか否かを判断し、否定判断されると、モータ
を回転駆動せしめて、クランキング開始時のクランク角
を予め設定した所定範囲内に入るように調整するモータ
制御手段とを具備せしめ、かつ、前記所定範囲を、エン
ジンの吸気弁が閉弁するクランク角よりも遅角側で、筒
内の圧縮された空気がクランキング開始までに筒内から
リークすることによりクランキング開始後のモータの回
転負荷のピーク値をモータの出力トルクよりも下げ得る
角度範囲、または、クランキング開始後にモータの回転
負荷が最初にピーク値をとるクランク角におけるクラン
ク軸の回転速度が、前記ピーク値に対するモータの出力
トルクの不足分をクランク軸を含む回転部の慣性により
補い得る回転速度となるように、前記クランク軸を加速
可能な角度範囲に設定する。
【0008】クランキング開始時のクランク角が、エン
ジンの吸気弁が閉弁するクランク角よりも遅角側となる
角度範囲に設定される場合には、設定された直後におい
ては、吸気弁が閉弁するクランク角よりも遅角側である
分、筒内の空気は圧縮して筒内圧は上昇している。とこ
ろが、通常エンジン停止からクランキング開始時までに
は比較的長い時間が経過しているので、筒内の空気が自
然リークして、クランキング開始時には常圧となってい
る。これにより、クランキングにおいてピストンのスト
ロークが短い分、モータの回転負荷のピーク値は低下
し、モータの出力トルクに対する要求は緩和され、始動
装置を小規模化できるとともに、消費電力を抑制するこ
とができる。
【0009】クランキング開始時のクランク角が、クラ
ンキング開始後にモータの回転負荷が最初にピーク値を
とるクランク角におけるクランク軸の回転速度が、前記
ピーク値に対するモータの出力トルクの不足分をクラン
ク軸を含む回転部の慣性により補い得る回転速度となる
ように、前記クランク軸を加速可能な角度範囲に設定さ
れる場合には、十分な加速期間を確保したことにより、
モータが出力するトルクが回転負荷よりも劣っていて
も、クランク軸がロックすることなく始動が可能であ
る。これにより、モータの出力トルクに対する要求は緩
和され、始動装置を小規模化できるとともに、消費電力
を抑制することができる。
【0010】請求項2記載の発明では、請求項1の発明
の構成において、前記所定範囲には、クランキング開始
後のモータの回転負荷のピーク値をモータの出力トルク
よりも下げ得る角度範囲として、エンジンの吸気弁が閉
弁するクランク角+20°CAから圧縮上死点までの角
度範囲を含めることができる。
【0011】請求項3記載の発明では、請求項1または
2の発明の構成において、前記所定範囲には、モータの
出力トルクの不足分を補い得る回転速度となるように前
記クランク軸を加速可能な角度範囲として、圧縮上死点
−150°CAよりも進角側の角度範囲を含めることが
できる。
【0012】請求項4記載の発明では、エンジンのクラ
ンク軸に接続されたモータによりクランキングを行うエ
ンジンの始動装置において、クランク軸がロックしたか
否かを検出するロック検出手段と、クランク軸のロック
時に、再度のクランキングに先立って、モータを逆方向
に回転駆動せしめて、クランク角を予め設定した所定範
囲内に入るように調整するモータ制御手段とを具備せし
め、かつ、前記所定範囲を、クランキング開始後にモー
タの回転負荷が最初にピーク値をとるクランク角におけ
るクランク軸の回転速度が、前記ピーク値に対するモー
タの出力トルクの不足分をクランク軸を含む回転部の慣
性により補い得る回転速度となるように、前記クランク
軸を加速可能な角度範囲に設定する。
【0013】クランク軸がロックしても、再度のクラン
キング開始時のクランク角が、クランキング開始後にモ
ータの回転負荷が最初にピーク値をとるクランク角にお
けるクランク軸の回転速度が、前記ピーク値に対するモ
ータの出力トルクの不足分をクランク軸を含む回転部の
慣性により補い得る回転速度となるように、前記クラン
ク軸を加速可能な角度範囲に設定されるので、十分な加
速期間が確保される。これにより、モータの出力トルク
に対する要求は緩和され、始動装置を小規模化できると
ともに、消費電力を抑制することができる。
【0014】請求項5記載の発明では、請求項4の発明
の構成において、前記所定範囲には、圧縮上死点−15
0°CAよりも進角側の角度範囲を含めることができ
る。
【0015】請求項6記載の発明では、エンジンのクラ
ンク軸に接続されたモータによりクランキングを行うエ
ンジンの始動装置において、クランキング開始後にクラ
ンク軸がロックしたか否かを検出するロック検出手段
と、クランク軸のロック時には、クランキングを繰り返
すように、かつ、再度のクランキングに先立って、モー
タを逆方向に回転駆動せしめて、クランク角を予め設定
した所定範囲内に入るように調整するモータ制御手段と
を具備せしめ、かつ、前記所定範囲を、エンジンの吸気
弁が閉弁するクランク角よりも遅角側となる角度範囲と
する。
【0016】回転負荷は筒内圧の上昇が大きく寄与する
ので、ピーク値をとるクランク角は、圧縮上死点よりも
進角側である。したがって、クランキング開始時のクラ
ンク角を、吸気弁が閉弁するクランク角よりも遅角側と
なる角度範囲とすることで、始動成功までは、吸気弁が
閉弁した状態で、モータの正転と逆転とが繰り返される
ことになる。ここで、モータが逆転しピストンリングの
当たり面が変化する時に、ピストンによって閉鎖された
筒内の空気がリークし筒内の空気量が減少する。これに
より、モータが受ける回転負荷のピーク値が低下し、モ
ータの出力トルクに対する要求は緩和され、始動装置を
小規模化できるとともに、消費電力を抑制することがで
きる。
【0017】請求項7記載の発明では、請求項6の発明
の構成において、前記所定範囲を、ロック時に圧縮工程
にある気筒の吸気弁が閉弁するクランク角+5°CAか
ら+20°CAとすることができる。
【0018】請求項8記載の発明では、クランク軸のロ
ックを検出すべく、請求項4ないし7の発明の構成にお
いて、クランク角を検出するクランク角検出手段を具備
せしめ、前記モータ制御手段を、検出されたクランク角
が前記所定範囲に入るようにモータを回転駆動してクラ
ンク角を調整するように設定する。
【0019】クランク角を検出することでクランク角が
正確に所定範囲に入るようにすることができるので、ク
ランク角を十分に進角側としてクランク軸の加速期間を
十分にとることができる。
【0020】請求項9記載の発明では、クランク軸のロ
ックを検出すべく、請求項4ないし7の発明の構成にお
いて、前記モータ制御手段を、予め設定したモータへの
通電内容にてモータを回転駆動するように設定し、か
つ、前記通電内容を、予め求めたクランク軸のロックが
頻出するクランク角から前記所定範囲内のクランク角ま
でクランク軸を回転せしめ得る通電内容とする。
【0021】クランク角を検出する必要がないので、構
成が簡単である。
【0022】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1に本発明を
適用したエンジンを示す。エンジンは、例えば複数気筒
のレシプロ型エンジンであり、エンジン本体1に、始動
装置2や図示しない燃料供給系等の付設機器が設けられ
てなる。始動装置2は、エンジン本体1から突出するク
ランク軸11の軸端にモータ21が接続され、クランク
軸11を含むエンジン本体1の回転部を回転する。モー
タ21はいわゆるスタータであり、また、ハイブリッド
車の場合にはモータージェネレータにより構成される場
合もある。
【0023】エンジン本体1には、クランク軸11の回
転角度(以下、適宜、クランク角という)を検出するク
ランク角検出手段であるクランク角センサ23が取り付
けられており、その検出信号は制御部22に入力してい
る。制御部22はマイクロコンピュータ内蔵の構成で、
検出されたクランク角に基づきモータ21の給電を制御
する。制御部22には、キースイッチの操作等に応じて
エンジンの始動指令や停止指令が入力するようになって
いる。
【0024】図2はモータ制御手段としての制御部22
のマイクロコンピュータで実行される制御プログラムを
示すもので、エンジンの停止指令が入力すると、起動す
る。先ず、ステップS101では、クランク角を読み込
む。これはエンジンが停止状態のクランク角(図中およ
び以下の説明において適宜停止クランク角という)であ
る。
【0025】ステップS102では停止クランク角が目
標クランク角の範囲に入っているか否かを判断する。目
標クランク角の範囲については後述する。ステップS1
02が肯定判断されると、本フローは終了する。そし
て、エンジンの始動指令が入力すると、従来の始動装置
と同様に、モータ21に通電がなされてクランキングが
開始される。
【0026】一方、ステップS102が否定判断される
と、ステップS103で、モータ21を正転または逆転
する。停止クランク角が目標クランク角の範囲に対して
進角側にあれば正転し、停止クランク角が目標クランク
角の範囲に対して遅角側にあれば逆転する。そして、再
びステップS101に戻り、ステップS101以降の手
順を実行する。
【0027】モータ21の作動(ステップS103)に
より、停止クランク角が目標クランク角範囲に入れば
(ステップS102)、本フローは終了する。
【0028】このように、本始動装置2によれば、クラ
ンキングが目標クランク角範囲のクランク角にて開始さ
れることになる。
【0029】目標クランク角範囲は次のように設定して
ある。クランキング時には、圧縮工程にある気筒におい
て、ピストンの上昇変位に応じて筒内の空気が圧縮され
て筒内圧が上昇する。ピストンはこの筒内圧に抗して上
昇変位しなければならないから、モータ21が受ける回
転負荷は上昇し、圧縮TDC−30°CA〜−10°C
Aでピーク値をとり、クランク軸11のロックも生じや
すい。したがって、モータ21が受ける回転負荷がピー
ク値をとるクランク角を越えてクランク軸11の回転を
持続せしめようとすれば、このピーク値の低減という観
点と、回転負荷がピーク値をとるクランク角における、
クランク軸11を含むエンジン本体1の回転部の慣性の
大きさの向上という観点とから考えることができる。
【0030】先ず、回転負荷のピーク値の低減という観
点から説明する。モータ21が受ける回転負荷を構成す
るものには、前記のごとく、ピストンの上昇変位に応じ
て上昇する筒内圧があり、また、エンジンオイルの粘性
等に基因した回転抵抗があるが、筒内圧について発明者
らは次のことを見いだした。
【0031】すなわち、一般的に、エンジンの通常運転
時には、筒内圧は、吸気弁が閉弁したタイミングにおけ
る大気圧に近い圧力を初期値として、ピストンの上昇変
位に応じて上昇する。しかし、クランク角が、吸気弁が
閉弁するクランク角よりも遅角側でかつ圧縮上死点(以
下、適宜、圧縮TDCという)よりも進角側の角度の時
に、エンジンが停止したとすれば、その時には、吸気弁
閉弁クランク角から当該遅角側クランク角までのピスト
ンの上昇分に応じて、ある程度圧縮された空気が筒内に
存在していても、エンジンが次に始動するまでには通
常、十分な時間が経過するから、その間にピストンとシ
リンダライナとの摺動部等から空気がリークして、筒内
圧が略大気圧まで低下している。すると、吸気弁の閉弁
時期において既にクランキングが開始されている場合と
比べれば、最終的に到達する筒内圧を、回転負荷がピー
ク値をとるクランク角に到るまでのピストンの変位量が
短くなる分、低い圧力とすることができる。
【0032】したがって、本始動装置2において、目標
クランク角範囲に、吸気弁が閉弁するクランク角よりも
遅角側のクランク角を含めることで、モータ21が受け
る回転負荷のピーク値を低減することができる。なお、
目標クランク角範囲が圧縮TDCよも進角側であるのは
勿論である。
【0033】図3は、発明者らが得た実験の結果を示す
もので、クランキング開始時のクランク角(図中および
以下の説明において始動クランク角という)と駆動トル
クピーク値との関係である。駆動トルクは、前記回転負
荷とバランスし得るモータ21の出力トルクであり、駆
動トルクピーク値は回転負荷ピーク値に対応している。
なお、実験では、クランキング開始前に十分な時間をと
っている。始動クランク角が吸気弁閉弁時期よりも進角
側にあれば、筒内の空気量が吸気弁閉弁時期における筒
内の空気量により規定され、駆動トルクピーク値は始動
クランク角によらず同じ値をとるのに対して、始動クラ
ンク角が吸気弁閉弁クランク角よりも遅角側にあれば、
クランキング開始前に十分な時間をおくことにより筒内
から空気がリークして筒内圧が低下するとともに、駆動
トルクピーク値をとるクランク角に到るまでのピストン
の変位量が短くなって、駆動トルクピーク値は、始動ク
ランク角が遅角側の値をとるほど小さくなる。
【0034】図より知られるように、駆動トルクピーク
値の最大値、すなわち、始動クランク角が吸気弁閉弁ク
ランク角よりも進角側のときの駆動トルクピーク値に対
して80%まで駆動トルクを低減しようとすれば、吸気
弁閉弁クランク角+20°CAよりも遅角側にすればよ
いことになる。そこで、目標クランク角範囲は、具体的
には吸気弁閉弁クランク角+20°CAよりも遅角側と
設定することにより、駆動トルクピーク値を20%削減
することができ、その分、始動装置2の小規模化を図る
ことができる。
【0035】次に、駆動トルクがピーク値をとるクラン
ク角における、クランク軸11を含むエンジン本体1の
回転部の慣性の大きさの向上という観点から説明する。
回転部の慣性、すなわち、該回転部を構成する回転体の
角運動量が大きければ、モータ21が発生するトルクが
ピーク時の回転負荷に対して劣勢であっても、クランク
軸11は回転を持続する。したがって、回転負荷がピー
ク値をとるクランク角に到るまでにクランク軸11を加
速しておけば、回転負荷に基因したクランク軸11に対
する制動作用に対する耐性が高まる。
【0036】したがって、本始動装置2において、目標
クランク角範囲に、クランキング開始時に回転負荷が最
初にピーク値をとるクランク角において、前記ピーク値
に対するモータ21の出力トルクの不足分をクランク軸
11を含む回転部の慣性により補い得る回転速度となる
ように前記回転部を加速可能なクランク角を含めること
で、モータ21の出力トルクを低減することができる。
【0037】図4は、発明者らが得た実験の結果を示す
もので、始動クランク角と、前記駆動トルクがピーク値
をとるクランク角(適宜、トルクピーク位置という)に
おけるクランク軸11の回転速度との関係である。モー
タ21に、駆動トルクピーク値の最大値(図3参照)の
80%のトルクを出力するものを用いている。始動クラ
ンク角が進角側にあるほど、加速期間が長く、駆動トル
クがピークをとるクランク角におけるクランク軸11の
回転速度は速くなる。ここで、初爆に到り始動が成功す
る回転速度である200rpmまで加速しようとすれ
ば、始動クランク角が圧縮TDC−150°CAよりも
進角側であればよいことになる。そこで、目標クランク
角範囲は、具体的には圧縮TDC−150°CAよりも
進角側と設定することにより、前記駆動トルクピーク値
の最大値の80%の出力トルクしか得られないモータを
使用していても、駆動トルクがピーク値をとるクランク
角において200rpm以上の回転速度を得ることがで
き、その分、始動装置2の小規模化を図ることができ
る。
【0038】したがって、前記2つの観点から始動装置
の小規模化を図り得る始動クランク角は、具体的には、
(1)吸気弁閉弁クランク角+20°CAよりも遅角側
でかつ圧縮TDCよりも進角側、または(2)圧縮TD
C−150°CAよりも進角側ということになる。通
常、エンジンの吸気弁閉弁クランク角は圧縮TDC−1
50°CA〜−120°CA程度であることと、多気筒
エンジンではクランキング開始後最初に圧縮TDCがく
る気筒の次に圧縮TDCがくる気筒について(2)の条
件を満たす必要があることを考慮すれば、始動クランク
角は表1のようになる。なお、表中の数値は、簡単のた
め各気筒の圧縮TDCが等間隔となるものとして算出し
ている。例えば、4気筒であれば180°CA間隔であ
り、次に圧縮TDCがくる気筒について(2)の条件を
満たすことは、最初に圧縮TDCがくる気筒の圧縮TD
Cを使って表現すれば、圧縮TDC+30°CAよりも
進角側ということになる。
【0039】
【表1】
【0040】なお、使用するモータの出力トルクが駆動
トルクピーク値の最大値の80%よりも低い場合につい
ても、同様の手順で目標クランク角の範囲を導出するこ
とができる。この場合、使用するモータの出力トルクが
低いほど、図3では条件を満たす始動クランク角が遅角
側にシフトし、図4では回転速度の計測値が低速となっ
て、条件を満たす始動クランク角が進角側にシフトする
から、目標クランク角の範囲は狭くなる。
【0041】なお、停止クランク角の設定は、エンジン
が停止状態にある時においてモータ21を作動させて行
っているが、エンジン停止指令に対してエンジン本体1
が運転状態から停止する過渡期において、目標クランク
角になった時点でモータに逆方向の電圧を印加する等に
より制動せしめて目標クランク角に設定するのもよい。
【0042】(第2実施形態)本発明の第3実施形態に
なるエンジンの始動装置を付設したエンジンを図5に示
す。図中、第1実施形態と実質的に同じ作動をする部分
には同じ番号を付して、第1実施形態との相違点を中心
に説明する。
【0043】始動装置2Aは、制御部22Aにおいて実
行される制御プログラムの内容を第1実施形態とは別の
内容としたものである。図6に制御部22Aにおいて実
行される制御プログラムの内容で示す。本実施形態で
は、エンジン停止指令に対してクランク角を調整するこ
とは行わない。エンジンの始動指令が入力することによ
り、ステップS201以降の手順が実行される。ステッ
プS201では、モータ21を正転しクランキングを開
始する。
【0044】続くステップS202、ステップS203
は、クランク角センサ23とともに構成されるロック検
出手段としての手順で、ステップS202でクランク角
を読み込み、ステップS203で、読み込んだクランク
角の変化の有無に基づいてクランク軸11がロックして
いるか否かを判断する。
【0045】ステップS203が否定判断されると、ス
テップS204で、始動が完了したか否かを判断する。
これは、エンジンの回転数が所定のしきい値を越えたか
等に基づいて判断することができる。ステップS204
が肯定判断されれば、本フローを終了する。始動完了に
到っていなければステップS204が否定判断されて、
ステップS202に戻る。
【0046】一方、クランク軸11がロックしておりス
テップS203が肯定判断されれば、ステップS205
に進む。ステップS205,S206,S207はモー
タ制御手段としての手順で、ステップS205ではモー
タ21を逆転せしめる。続くステップS206では、モ
ータ21逆転後のクランク角を読み込み、ステップS2
07で、読み込まれたクランク角が目標クランク角の範
囲に入っているか否か。判定する。このときの、目標ク
ランク角の範囲は第1実施形態における(2)の条件を
採用することができる。すなわち、圧縮TDC−150
°CAよりも進角側とする。
【0047】ステップS207が肯定判断されると、ス
テップS201に戻り、クランキングが再開されること
になる。
【0048】ステップS207が否定判断されると、ス
テップS205に戻り、モータ21の逆転が続けられ
る。モータ21の逆転は、クランク角が目標クランク角
範囲に入る(ステップS207)まで続けられて、クラ
ンキングが再開される(ステップS201)。
【0049】クランク軸11のロックは、第1実施形態
で説明したごとく、筒内圧が上昇する過程で生じやす
い。本実施形態によれば、ロックが生じればモータ21
を逆転させて前記のごとく始動クランク角を設定する。
これにより、クランキング再開時に回転負荷が最初にピ
ーク値をとるクランク角において、前記ピーク値に対す
るモータ21の出力トルクの不足分をクランク軸11を
含む回転部の慣性により補い得る回転速度とする加速期
間が確保されるので、低トルクのモータ21を使って小
規模な始動装置2Aを実現することができる。
【0050】なお、目標クランク角範囲に、第1実施形
態の(1)の条件を含めていないが、その理由は、本実
施形態ではモータ21を逆転して(ステップS20
5)、目標クランク角範囲に入れば、即座にクランキン
グを再開する(モータ正転、ステップS201)ので、
クランキングを再開した時点では未だ筒内から十分に空
気がリークし切っておらず、回転負荷のピーク値を低減
する効果はあまり期待できないからである。
【0051】また、目標クランク角範囲には次のクラン
ク角を含めることができる。モータ21が正転から逆転
に切り替わる際には、ピストンリングの当たり面が変化
する。この時、筒内の空気である、ピストンリングより
もシリンダヘッド側の空気がリークする。このリーク量
は筒内の全体の空気量の20%程度である。したがっ
て、この、筒内空気が減った状態のままでクランキング
を行えば、回転負荷のピーク値が下がることになる。し
たがって、モータ21の逆転により設定される目標クラ
ンク角範囲を、吸気弁閉弁クランク角よりも遅角側のク
ランク角とすることで、筒内空気の排気作用により、回
転負荷のピーク値が下がり、一度クランク軸11がロッ
クしても、次にクランキングを行う際には、始動に成功
する確率が高くなる。
【0052】目標クランク角を、前記のごとく吸気弁閉
弁クランク角よりも遅角側のクランク角とすることで、
ステップS201,S205〜S207は、吸気弁が閉
弁状態のままモータ21の正転(ステップS201)と
始動クランク角の設定(モータの逆転、ステップS20
5)とを繰り返すモータ制御手段としての手順となる。
この吸気弁が閉弁状態のままピストンの往復動を繰り返
すうちに、段階的に筒内の空気がリークして、遂には始
動に到る。このため、モータ21の出力トルクが回転負
荷のピーク値の40%程度と低くとも、始動が可能とな
るメリットがある。
【0053】なお、目標クランク角範囲は、筒内空気が
減った状態を保持した状態においてできるだけ進角側に
設定するのがよい。回転負荷がピーク値をとるクランク
角までに十分な加速期間を設けることができ、当該クラ
ンク角のときの回転部の慣性を高めることができるから
である。例えば、目標クランク角範囲は、具体的には吸
気弁閉弁クランク角+5°CA〜20°CAとする。実
際のクランク角をみながら目標クランク角範囲に入るよ
うにすることで(ステップS205〜S207)、正確
にクランク角を調整することができるので、相当程度、
目標クランク角範囲を進角側にして十分な加速期間をと
ることができる。
【0054】また、目標クランク角の範囲を、クランキ
ング開始時に回転負荷が最初にピーク値をとるクランク
角において、前記ピーク値に対するモータ21の出力ト
ルクの不足分をクランク軸11を含む回転部の慣性によ
り補い得る回転速度となるように前記回転部を加速可能
なクランク角とした場合には、吸気弁が開弁した状態か
らクランキングが開始されることになるので、モータ2
1の正転と逆転とを繰り返すことによる効果はない。し
かし、一度モータ21を逆転して始動に失敗したら、再
度モータ21を逆転するときの目標クランク角の範囲を
一度目よりも進角した値として加速期間を長くとること
により、始動性を高くすることができる。
【0055】(第3実施形態)本発明の第3実施形態に
なるエンジンの始動装置を付設したエンジンを図7に示
す。図中、第1実施形態と実質的に同じ作動をする部分
には同じ番号を付して、第1、第2実施形態との相違点
を中心に説明する。始動装置2Bは、モータ21にロッ
ク検出器24が取り付けられている。
【0056】ロック検出器24には、クランク軸11が
接続されるモータ回転軸に同軸に磁性材料で構成された
円板を取り付け、該円板の側面に凹凸を形成しておくと
ともに、該凹凸に近接して磁気ピックを設けて円板の回
転を検出可能としたものや、モータ回転軸に同軸に取り
付けられた円板に周方向に多数のスリットを形成してこ
れを光センサにより検出するもの等、一般的な回転検出
機構が用いられ得る。また、モータ21が直流機、誘導
機、交流整流子機であれば、ロック時には過電流が流れ
るので、モータ21の電流を検出する機構でもよい。モ
ータ21のロック、したがってクランク軸11のロック
を判定するための回転信号が取り出せるものであればよ
い。したがって、第2実施形態のクランク角センサを用
いてもよいし、逆に本実施形態のロック検出器を第2実
施形態に用いてもよいことになる。
【0057】ロック検出器24の出力は制御部22Aに
入力せしめてある。
【0058】図8は制御部22Aのマイクコンピュータ
で実行される制御プログラムを示すもので、第2実施形
態と同様に、エンジンの始動指令が入力すると起動す
る。
【0059】エンジンの始動指令が入力すると、ステッ
プS301では、モータ21を正転しクランキングを開
始する。続くステップS302,S303はロック検出
器24とともに構成されるロック検出手段としての手順
で、ステップS302でロック検出器24の出力を読み
込み、ステップS303で、読み込んだロック検出器2
4の出力に基づいてモータ21がロックしているか否か
を判断する。
【0060】ステップS303が否定判断されると、ス
テップS304で、始動が完了したか否かを判断する。
これは、エンジンの回転数が所定のしきい値を越えたか
等に基づいて判断することができる。ステップS304
が肯定判断されれば、本フローを終了する。始動完了に
到っていなければステップS304が否定判断されて、
ステップS302に戻る。
【0061】一方、モータがロックしておりステップS
303が肯定判断されれば、ステップS305に進む。
前記ステップ301およびステップ305はモータ制御
手段としての手順で、ステップ305ではモータ21を
所定の条件で通電し逆転せしめる。この条件は例えば駆
動時間により規定される通電内容であり、予め実験等
で、通電内容と、ロックが頻出するクランク角からモー
タ21に通電したときに戻るクランク角との対応関係を
求めておき、目標とするクランク角まで逆転可能な条件
が予め設定される。
【0062】ここで、目標とするクランク角は、第2実
施形態で示した、エンジン1の吸気弁が閉弁するクラン
ク角よりも遅角側となる角度範囲とすれば、モータ21
がロックした状態でモータ21を逆転したときに、クラ
ンク角を検出することなく、所期の目標クランク角にす
ることができることになる。そして、モータ21がロッ
クした状態でモータ21を逆転した後、モータ21が正
転されるようになっているので、第2実施形態と同様
に、筒内の空気が、モータ21の回転方向が切り替わっ
た時にリークし、筒内空気が減少した状態でモータ21
を正転させれば回転負荷のピークを値を減じる効果を奏
する。
【0063】したがって、正転開始時のクランク角が吸
気弁閉弁クランク角よりも遅角側となるように前記条件
を設定することで、数回、モータ21の正転と逆転とを
繰り返すことで、トルクがさほど十分ではないモータで
あっても、始動が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のエンジンの始動装置を付設した
エンジンの構成図である。
【図2】前記始動装置を構成する制御部に内蔵のマイク
ロコンピュータの制御プログラムの内容を示すフローチ
ャートである。
【図3】前記始動装置の作動を説明する第1のグラフで
ある。
【図4】前記始動装置の作動を説明する第2のグラフで
ある。
【図5】本発明の第2のエンジンの始動装置を付設した
エンジンの構成図である。
【図6】前記始動装置を構成する制御部に内蔵のマイク
ロコンピュータの制御プログラムの内容を示すフローチ
ャートである。
【図7】本発明の第3のエンジンの始動装置を付設した
エンジンの構成図である。
【図8】前記始動装置を構成する制御部に内蔵のマイク
ロコンピュータの制御プログラムの内容を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1 エンジン本体 11 クランク軸 2,2A,2B 始動装置 21 モータ 22 制御部(モータ制御手段) 22A,22B 制御部(ロック検出手段,モータ制御
手段)) 23 クランク角センサ(クランク角検出手段,ロック
検出手段) 24 ロック検出器(ロック検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北川 福郎 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 八百幸 誠二 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 種井 克敏 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大堀 正衛 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G084 BA28 BA29 CA01 EA11 FA38

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのクランク軸に接続されたモー
    タによりクランキングを行うエンジンの始動装置におい
    て、 エンジン停止状態においてクランク角を検出するクラン
    ク角検出手段と、検出されたクランク角が予め設定した
    所定範囲内にあるか否かを判断し、否定判断されると、
    モータを回転駆動せしめて、クランキング開始時のクラ
    ンク角を予め設定した所定範囲内に入るように調整する
    モータ制御手段とを具備せしめ、 かつ、前記所定範囲を、エンジンの吸気弁が閉弁するク
    ランク角よりも遅角側で、筒内の圧縮された空気がクラ
    ンキング開始までに筒内からリークすることによりクラ
    ンキング開始後のモータの回転負荷のピーク値をモータ
    の出力トルクよりも下げ得る角度範囲、または、クラン
    キング開始後にモータの回転負荷が最初にピーク値をと
    るクランク角におけるクランク軸の回転速度が、前記ピ
    ーク値に対するモータの出力トルクの不足分をクランク
    軸を含む回転部の慣性により補い得る回転速度となるよ
    うに、前記クランク軸を加速可能な角度範囲に設定した
    ことを特徴とするエンジンの始動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジンの始動装置にお
    いて、前記所定範囲には、エンジンの吸気弁が閉弁する
    クランク角+20°CAから圧縮上死点までの角度範囲
    を含めたエンジンの始動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2いずれか記載のエンジ
    ンの始動装置において、前記所定範囲には、圧縮上死点
    −150°CAよりも進角側の角度範囲を含めたエンジ
    ンの始動装置。
  4. 【請求項4】 エンジンのクランク軸に接続されたモー
    タによりクランキングを行うエンジンの始動装置におい
    て、 クランク軸がロックしたか否かを検出するロック検出手
    段と、 クランク軸のロック時に、再度のクランキングに先立っ
    て、モータを逆方向に回転駆動せしめて、クランク角を
    予め設定した所定範囲内に入るように調整するモータ制
    御手段とを具備せしめ、 かつ、前記所定範囲を、クランキング開始後にモータの
    回転負荷が最初にピーク値をとるクランク角におけるク
    ランク軸の回転速度が、前記ピーク値に対するモータの
    出力トルクの不足分をクランク軸を含む回転部の慣性に
    より補い得る回転速度となるように、前記クランク軸を
    加速可能な角度範囲に設定したことを特徴とするエンジ
    ンの始動装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のエンジンの始動装置にお
    いて、前記所定範囲には、圧縮上死点−150°CAよ
    りも進角側の角度範囲を含めたエンジンの始動装置。
  6. 【請求項6】 エンジンのクランク軸に接続されたモー
    タによりクランキングを行うエンジンの始動装置におい
    て、 クランキング開始後にクランク軸がロックしたか否かを
    検出するロック検出手段と、 クランク軸のロック時には、クランキングを繰り返すよ
    うに、かつ、再度のクランキングに先立って、モータを
    逆方向に回転駆動せしめて、クランク角を予め設定した
    所定範囲内に入るように調整するモータ制御手段とを具
    備せしめ、 かつ、前記所定範囲を、エンジンの吸気弁が閉弁するク
    ランク角よりも遅角側となる角度範囲としたことを特徴
    とするエンジンの始動装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のエンジンの始動装置にお
    いて、前記所定範囲を、ロック時に圧縮工程にある気筒
    の吸気弁が閉弁するクランク角+5°CAから+20°
    CAとしたエンジンの始動装置。
  8. 【請求項8】 請求項4ないし7いずれか記載のエンジ
    ンの始動装置において、クランク角を検出するクランク
    角検出手段を具備せしめ、 前記モータ制御手段を、検出されたクランク角が前記所
    定範囲に入るようにモータを回転駆動してクランク角を
    調整するように設定したエンジンの始動装置。
  9. 【請求項9】 請求項4ないし7いずれか記載のエンジ
    ンの始動装置において、前記モータ制御手段を、予め設
    定したモータへの通電内容にてモータを回転駆動するよ
    うに設定し、 かつ、前記通電内容を、予め求めたクランク軸のロック
    が頻出するクランク角から前記所定範囲内のクランク角
    までクランク軸を回転せしめ得る通電内容としたエンジ
    ンの始動装置。
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