JP2003020316A - インデン系重合体の製造法並びにこの重合体を用いた成形材、フィルム、添加剤及び光学用部品 - Google Patents

インデン系重合体の製造法並びにこの重合体を用いた成形材、フィルム、添加剤及び光学用部品

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JP2003020316A
JP2003020316A JP2001210219A JP2001210219A JP2003020316A JP 2003020316 A JP2003020316 A JP 2003020316A JP 2001210219 A JP2001210219 A JP 2001210219A JP 2001210219 A JP2001210219 A JP 2001210219A JP 2003020316 A JP2003020316 A JP 2003020316A
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JP2001210219A
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Shuichi Iwata
修一 岩田
Yukihiko Yamashita
幸彦 山下
Tetsuo Yamanaka
哲郎 山中
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に重量平均分子量及び収率が向上される
インデン系重合体の製造法を提供する。 【解決手段】 単量体の全量を100重量部として、5
〜95重量部のインデン系単量体と95〜5重量部のこ
の単量体とカチオン共重合可能な5〜95重量部の単量
体を酸性触媒を用いて重合し、ついで固体吸着剤を用い
て反応溶液を脱色するインデン系重合体の製造法及びこ
の重合体を用いた光学部品等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な特性を有
し、特に非複屈折性、耐熱性、強靱性、低吸湿性に優れ
るインデン系樹脂の製造法並びにこれを用いた成形材、
フィルム、添加剤及び光学用部品に関する。
【0002】
【従来の技術】C9留分中に多量に含まれるインデン及
びインデン誘導単量体は、安価に入手できる化合物とし
て、主に薬品の原料(特開平7−258239号公報)
に使用されている。これらの単量体を導入したポリマー
は、耐熱性の向上及び低吸湿性等の特性を有することが
期待されているが、ラジカル重合反応性が低いためイン
デン誘導単量体と等モル以上のN置換マレイミドや無水
マレイン酸が必須成分となってしまう(特開平5−30
1930号公報)。しかし、この方法で得られる樹脂に
は、N置換マレイミドや無水マレイン酸に含まれる親水
性な置換基によって、吸水率が高くなってしまう傾向が
ある。一方、カチオン重合においても重合温度が−40
℃以下でしか高分子量体が得られないため、現状として
は工業化が困難である。
【0003】ところで、インデン誘導体と同じように、
環状構造の二重結合を持つポリマーの原料として、シク
ロオレフィンがある。このシクロオレフィンから、開環
重合により得られる脂環式ポリオレフィン樹脂は、高耐
熱性、透明性、低吸湿性等の非常に優れた特性を有して
おり、光学用部品、電子材料、医療器材等の素材とし
て、急速に利用されている。
【0004】しかしながら、この脂環式ポリオレフィン
を製造する際には、重合触媒にモリブデン、タングステ
ンの塩化物等のレアメタルを使用する必要があり、ま
た、大抵の場合に有機金属共触媒として、トリエチルア
ルミニウム等の禁水性の化合物を用いる等の制約があ
り、簡単に製造することはできない。
【0005】また、脂環式ポリオレフィンの主な用途で
あるレンズ等の光学用部品は、射出成形法により製造さ
れるが、この際に成形品内に非常に大きな複屈折が発生
するという、物性上に関してもいくつかの問題点を有し
ている。
【0006】この複屈折に関しては、特定のアクリル樹
脂において、正及び負の複屈折性を有するモノマーをラ
ンダム共重合することによって、射出成形を行っても成
形品全面においても複屈折がほとんど発生しないことが
明らかにされている(光学第20巻第2号、p80(3
0)、1991年)。このようなアクリル樹脂は、懸濁
重合法等により容易に製造することができる。しかし、
アクリル樹脂は、吸水性が高く、また耐熱性も低いの
で、優れた光学特性を有しているにも関わらず、光学用
部品等への利用範囲は制限されている。
【0007】アクリル樹脂の耐熱性は、N置換マレイミ
ドをモノマーに用いて、主鎖に環状構造を導入すること
によってなされるが(特開昭61−95011号公
報)、先に述べたように吸水性という点での大きな問題
が生じている。
【0008】そこで、安価に工業的に入手できることが
可能であり、また耐熱性や低吸湿性が期待されるモノマ
ーを鋭意探索した結果、インデン及びその誘導体が、ポ
リマー構造に環状構造を導入することが可能であり、
又、炭素及び水素原子のみで構成されているため、ポリ
マーの吸水率が極めて低い特性が得られるという結論に
達した。
【0009】先に述べたように、インデンはカチオン重
合により(共)重合体を得ることが可能である。しか
し、一般に知られているカチオン重合では、四塩化ス
ズ、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、濃硫酸−アルキル
アルミニウム等の活性の強い(空気中の水分との接触に
よって激しく発熱又は発火する)触媒を用いて行われ
る。
【0010】カチオン重合では、成長反応に比べて、連
鎖移動反応や停止反応の活性化エネルギーが大きいた
め、低温で重合が行われ、例えばイソブテンのカチオン
重合は、高分子量体を得るために、−100℃付近の温
度で行われる(高分子科学、講談社サイエンティフィッ
ク、P221)。
【0011】また、両末端官能性ポリマーを製造する方
法として、ハロゲン化金属とジハロゲン含有化合物を重
合開始剤として用い、このジハロゲン含有化合物の両端
にポリマー鎖を成長させる方法が知られているが、この
方法においても−78℃の低温で重合が行われており、
その分子量も8,000程度とそれ程大きくはない(特
開昭62−79203号公報)。さらに、ルイス酸のよ
うな重合開始剤の残査がポリマー中に残存すると反応溶
液が着色し、得られる樹脂の透明性が低下する。また、
加熱時にポリマーが着色しやすく、光学材料として不適
であるため、この開始剤の残査を系中から取り除く技術
が必要である。
【0012】工業的に行える温和な重合条件において、
透明性に優れた高分子量のインデン系重合体を得る方法
を見出す必要がある。
【0013】本発明は、インデン系単量体及びこれとカ
チオン共重合可能な単量体の重合に、酸性触媒をカチオ
ン重合開始剤として用い、容易に高分子量化を達成する
ものである。また、固体吸着剤を用いて反応溶液を脱色
することによって、熱安定性を向上させることができ、
得られる樹脂がインデンの高耐熱性を維持しつつ優れた
透明性を持つことができ、さらに成形性を向上すること
ができる。得られる樹脂は成形、フィルム材料、添加
剤、光学用部品に極めて有効である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解消したインデン系重合体の製造法及びこれを用いた
成形材等を提供するものである。本発明は、インデン誘
導単量体を必須成分とし、及びこれと共重合可能な単量
体とのカチオン重合において、容易に重量平均分子量、
収率、透過率及び熱安定性の向上に効果のある製造法を
提供するものである。また、本発明は、優れた低吸湿
性、耐熱性、機械強度、光学特性等を有する成形材、フ
ィルム、添加剤、光学用部品を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は単量体の全量を
100重量部として、一般式(1)
【0016】
【化2】
【0017】(式中、R1〜R5は水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基又は酸素原子を含む炭化水素基を示し、
nは1〜4の整数を示す。但し、nが複数のときはR5
は同一でも異なってもよい。)で表される5〜95重量
部のインデン系単量体及び該単量体とカチオン共重合可
能な95〜5重量部の単量体を酸性触媒を用いて重合
し、さらに固体吸着剤を用いて反応溶液を脱色するイン
デン系重合体の製造法に関する。
【0018】前記酸性触媒が、ルイス酸、プロトン酸、
活性白土、酸性白土、モレキュラーシーブス及び陽イオ
ン交換樹脂から選ばれる少なくとも1種の化合物であれ
ば、適切な重量平均分子量及び収率のインデン系の重合
体を得ることができる。
【0019】一般式(1)で表されるインデン系単量体
が、インデン、アルキルインデン類、ハロゲン化インデ
ン類、アリールインデン類、アルコキシインデン類、ア
ルコキシカルボニルインデン類、アシルオキシインデン
類、アルキルシリルインデン類及びアルキルスタンニル
インデン類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化
合物であれば優れた低吸水性、耐熱性、機械強度等を有
する重合体を得ることができる。
【0020】前記固体吸着剤が、酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシ
ウム、ハイドロタルサイト、シリカ、活性白土、酸性白
土、活性炭及びケイソウ土から選ばれる少なくとも1種
の化合物であれば、優れた透明性、熱安定性等を有する
インデン系重合体を得ることができる。
【0021】一般式(1)で表されるインデン系単量体
とカチオン共重合可能な単量体が、スチレン、アルキル
スチレン類、ハロゲン化スチレン類、ビニルビフェニル
類、ビニルフェニルナフタレン類、ビニルフェニルアン
トラセン類、ビニルフェニルフェナントレン類、ビニル
フェニルピレン類、ビニルターフェニル類、ビニルフェ
ニルターフェニル類、ビニルアルキルビフェニル類、ハ
ロゲン化ビニルビフェニル類、アルコキシビニルビフェ
ニル類、アルコキシカルボニルビニルビフェニル類、ア
ルコキシアルキルビニルビフェニル類、トリアルキルス
タンニルビニルビフェニル類、アルキルシリルメチルビ
ニルビフェニル類、トリアルキルスタンニルメチルビニ
ルビフェニル類、ハロゲン置換アルキルスチレン類、ア
ルコキシスチレン類、アシルオキシスチレン類、アルコ
キシカルボニルスチレン類、アルキルエーテルスチレン
類、アルキルシリルスチレン類、アルキルスタンニルス
チレン類、ビニルスチレン類、α−アルキルスチレン類
及びβ−アルキルスチレン類からなる群から選ばれる少
なくとも1種の化合物であれば、優れた低吸湿性、耐熱
性、機械強度、光学特性等を有する重合体を得ることが
できる。
【0022】重合温度が、−50〜40℃である場合に
は適切な重量平均分子量及び収率で重合体を得ることが
できる。
【0023】又は本発明は、上記の耐熱性、低吸湿性、
光学特性に優れるインデン系共重合体を用いた成形材、
フィルム、添加剤及び光学用部品に関する。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明における、一般式(1)で
表されるインデン系単量体の具体例としては、インデ
ン、メチルインデン、エチルインデン、プロピルインデ
ン、ブチルインデン、t−ブチルインデン、sec−ブ
チルインデン、n−ペンチルインデン、2−メチル−ブ
チルインデン、3−メチル−ブチルインデン、n−ヘキ
シルインデン、2−メチル−ペンチルインデン、3−メ
チル−ペンチルインデン、4−メチル−ペンチルインデ
ン等のアルキル置換インデン等を用いることができる。
また、メトキシインデン、エトキシインデン、プトキシ
インデン、ブトキシインデン、t−ブトキシインデン、
sec−ブトキシインデン、n−ペントキシインデン、
2−メチル−ブトキシインデン、3−メチル−ブトキシ
インデン、n−ヘキトシインデン、2−メチル−ペント
キシインデン、3−メチル−ペントキシインデン、4−
メチル−ペントキシインデン等のアルコキシインデン等
を用いることができる。ここに示した化合物は一例であ
り、これらに制限されるものではない。これらの単量体
は、単独で又は二種以上を組み合わせて用いられる。
又、前記のインデン単量体の中でも、耐熱性、低吸湿性
の点から、インデン及びアルキル置換インデンが好まし
く、インデン、メチルインデン、エチルインデンがより
好ましい。
【0025】インデン系単量体とカチオン共重合可能な
単量体としては、スチレン系単量体、ビニルエーテル系
単量体等が用いられる。スチレン系単量体としては、ス
チレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4
−プロピルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−t
−ブチルスチレン、4−sec−ブチルスチレン、4−
n−ペンチルスチレン、4−(2−メチル)ブチルスチ
レン、4−(3−メチル)ブチルスチレン、4−n−ヘ
キシルスチレン、4−(2−メチル)ペンチルスチレ
ン、4−(3−メチル)ペンチルスチレン、4−(4−
メチル)ペンチルスチレン等のパラ置換アルキルスチレ
ン、2−メチルスチレン、2−エチルスチレン、2−プ
ロピルスチレン、2−n−ブチルスチレン、2−t−ブ
チルスチレン、2−sec−ブチルスチレン、2−n−
ペンチルスチレン、2−(2−メチル)ブチルスチレ
ン、2−(3−メチル)ブチルスチレン、2−n−ヘキ
シルスチレン、2−(2−メチル)ペンチルスチレン、
2−(3−メチル)ペンチルスチレン、2−(4−メチ
ル)ペンチルスチレン等のオルト置換アルキルスチレン
及び2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジエチルスチ
レン、2−メチル−4−エチルスチレン、2−エチル−
4−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン
等の多置換アルキルスチレン等を用いることができる。
また、4−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン、
4−t−ブトキシスチレン、4−sec−ブトキシスチ
レン、4−n−ぺントキシスチレン、4−(2−メチ
ル)ブトキシスチレン、4−(3−メチル)ブトキシス
チレン、4−n−ヘキトシスチレン、4−(2−メチ
ル)ペントキシスチレン、4−(3−メチル)ペントキ
シスチレン、4−(4−メチル)ペントキシスチレン等
のパラ置換アルコキシスチレン、又はα−メチルスチレ
ン、4−メチルα−メチルスチレン、4−エチルα−メ
チルスチレン、4−プロピルα−メチルスチレン、4−
n−ブチルα−メチルスチレン、4−t−ブチルα−メ
チルスチレン、4−sec−ブチルα−メチルスチレ
ン、4−n−ペンチルα−メチルスチレン、4−(2−
メチル)ブチルα−メチルスチレン、4−(3−メチ
ル)ブチルα−メチルスチレン、4−n−ヘキシルα−
メチルスチレン、4−(2−メチル)ペンチルα−メチ
ルスチレン、4−(3−メチル)ペンチルα−メチルス
チレン、4−(4−メチル)ペンチルα−メチルスチレ
ン等のパラ置換アルキルα−メチルスチレンを用いるこ
とができる。また、4−メトキシα−メチルスチレン、
4−エトキシα−メチルスチレン、4−ブトキシα−メ
チルスチレン、4−プロトキシα−メチルスチレン、4
−t−ブトキシα−メチルスチレン、4−sec−ブト
キシα−メチルスチレン、4−n−ペントキシα−メチ
ルスチレン、4−(2−メチル)ブトキシα−メチルス
チレン、4−(3−メチル)ブトキシα−メチルスチレ
ン、4−n−ヘキトシα−メチルスチレン、4−(2−
メチル)ペントキシα−メチルスチレン、4−(3−メ
チル)ペントキシα−メチルスチレン、4−(4−メチ
ル)ペントキシα−メチルスチレン等のパラ置換アルコ
キシα−メチルスチレンを用いることができる。但し、
ここに示した化合物は一例であり、これらに制限される
ものではない。これらの単量体は、単独で又は2種以上
を組み合わせて用いられる。又、前記のスチレン系単量
体の中でも、インデン系単量体との反応性、耐熱性、低
吸湿性の点から、スチレン、アルキルスチレン、パラ置
換アルコキシスチレン及びパラ置換アルキルα−メチル
スチレンが好ましく、スチレン、4−メチルスチレン、
2−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−メ
トキシスチレン及びα−メチルスチレンがより好まし
い。
【0026】本発明における酸性触媒としては、塩化鉄
(III)、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化マグネシ
ウム、塩化アンチモン、塩化ストロンチウム、塩化マン
ガン、塩化スカンジウム、塩化ジルコニウム、塩化ス
ズ、塩化チタン、3フッ化ホウ素、3フッ化ホウ素ジエ
チルエーテル錯体等のルイス酸、硫酸、硝酸、塩酸、臭
化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、フルオロ酢酸、ジフ
ルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ
酢酸、トリクロロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等のプ
ロトン酸、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン及び活性白
土、酸性白土、カオリン、モレキュラーシーブス、ゼオ
ライト、陽イオン交換樹脂、リンタングステン酸、ポリ
リン酸、活性アルミナ等の一種又は二種以上の組み合わ
せが挙げられる。但し、ここに示した化合物は一例であ
り、これらに制限されるものではない。これらの中で
も、高い触媒活性、容易に触媒の除去が行えるという点
から固体ルイス酸及び固体酸性触媒が好ましい。
【0027】また、本発明における固体吸着剤として
は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化
物、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ハイド
ロタルサイト、シリカ、活性白土、酸性白土、活性炭、
ケイソウ土、ゼオライト等の一種又は二種以上の組み合
わせが挙げられる。但し、ここに示した化合物は一例で
あり、これらに制限されるものではない。これらの中で
も、高い吸着能、容易に吸着剤の除去が行えるという点
から金属酸化物、ケイ酸化合物、活性白土及びハイドロ
タルサイトが好ましい。
【0028】インデン系単量体の使用量は、樹脂に耐熱
性及び低複屈折性を付与するために、単量体の全体量を
100重量部として5〜95重量部の範囲内で適宜選択
することができる。この範囲外では耐熱性の低下及び複
屈折の増加の問題が発生する。好ましくは、25〜70
重量部の範囲であり、より好ましくは30〜60重量部
の範囲である。
【0029】本発明における固体吸着剤の使用量には、
特に制限はないが、樹脂100重量部に対して1〜10
0重量部が好ましい。この100重量部を越える範囲で
は、吸着剤の除去が困難になり、一方、1重量部未満の
範囲では、吸着の効果が小さくなるといった問題が発生
する。好ましくは、樹脂100重量部に対して3〜80
重量部の範囲であり、より好ましくは5〜50重量部の
範囲である。
【0030】重合温度は、通常−100℃〜50℃とさ
れ、重合温度が高すぎる場合には、連鎖移動反応が増加
し、分子量が低下する。また、重合温度が低すぎる場合
は、固体酸性触媒の触媒活性が著しく低下するため収量
が減少するといった問題がある。好ましくは、重合温度
の範囲は−50℃〜40℃であり、−10℃〜30℃が
より好ましい。
【0031】本発明におけるカチオン重合反応では、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素、クロロメタ
ン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロ
ロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水
素、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン等の
一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。但
し、ここに示した化合物は一例であり、これらに制限さ
れるものではない。
【0032】本発明によって得られるインデン系重合体
を用いた組成物には、必要に応じて適当な添加剤を用い
ることができ、特に制限はない。例えば、公知の酸化防
止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を挙げることができる。
混合方法は、例えば、これらを樹脂とともに加熱下で溶
融混練することにより均一に混合することができる。ま
たは、各々を溶媒に溶解した後、基板上に流延し、溶媒
を加熱乾燥することによっても均一な混合物を得ること
ができる。
【0033】本発明におけるインデン系重合体を用いた
組成物の加工方法には、特に制限はなく、公知の方法を
用いることができ、射出成型法、圧縮成型法等の溶融成
形方法、有機溶媒に溶解させたワニスの流延法、溶融押
し出し等によりフィルムに加工することもできる。
【0034】本発明のインデン系重合体を用いた組成物
は、例えば電気製品の匡体や自動車の外装部品に用いら
れるABS、AAS樹脂等の樹脂からなる成形品の強度
を高めるための添加剤、エポキシ樹脂可撓性付与剤等の
添加剤、光学用部品として、液晶プロジェクター用投射
レンズ、光ディスク用レーザーピックアップレンズ、光
磁気ディスク用レーザーピックアップレンズ、光ディス
ク、光磁気ディスク、DVD用ディスク、液晶セル基
板、光拡散シート、プロジェクター用スクリーン及びプ
リズム等の射出成形品等、半導体関連材料、塗料、感光
性材料、接着剤、汚水処理剤、重金属捕集剤、イオン交
換樹脂、帯電防止剤、酸化防止剤、防曇剤、防錆剤、防
染剤、殺菌剤、防虫剤、医用材料、凝集剤、界面活性
剤、潤滑剤、個体燃料用バインダー、導電処理剤等への
適用も可能である。
【0035】また、本発明の重合体を使用して得られる
上記のレンズやシート等は、MgF 2、SiO2等の無機
化合物を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法等によってコーティングすること、成形品表
面にシランカップリング剤等の有機シリコン化合物、ビ
ニルモノマー、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系
樹脂、シリコーン樹脂等をハードコートすること等によ
って、耐湿性、光学特性、耐薬品性、耐磨耗性、曇り止
め等を向上させることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 [測定方法] (1)重量平均分子量 作製サンプルの分子量は、GPC(日立製作所製 L−
4000 UV Detector)を用いて、スチレ
ン換算重量平均分子量を測定した。 (2)透過率 作製サンプルの透過率は、日本分光製V−570を用い
て、400nmにおける透過率を測定した。サンプルは
厚み2mmのものを選択し、圧縮成形により作製した。
【0037】(3)複屈折 島津製作所製エリプソメータAEP−100型を用い
て、25℃で測定した。レーザ光波長は632.8nm
で行った。サンプルは厚み2mmのものを選択し、圧縮
成形により作製し、これを1.5倍に延伸したシートを
試験片として評価した。 (4)ガラス転移温度(Tg) 粉末状のポリマーを、示差走査熱量計(リガク製 Th
ermo PlusDSC8230)を用いて、ガラス
転移温度(Tg)を測定した。 (5)飽和吸水率 試験片(10×10×3mm)をオーブン内で乾燥させ
(90℃、24h)、その重量を測定した後、70℃の
水中に放置し、飽和吸水させた後、重量を測定し、次式
により飽和吸水率を算出した。 飽和吸水率(%)=(飽和吸水後の重量−吸水前の重
量)/(吸水前の重量)×100
【0038】実施例1 撹拌機及び塩化カルシウム管付き環流冷却管を備えた5
0mリットルの3つ口フラスコに、インデン6g、4−
メチルスチレン4g、ジクロロメタン30gを加え、2
5℃の水浴中で均一になるまで撹拌した。次いで、塩化
アルミニウム0.05gを添加し、系内の温度を25℃
に保ちながら24時間反応させた。反応終了後、この反
応溶液に固体吸着剤ハイドロタルサイト(商品名キョー
ワード500PL 協和化学工業製)を2.5g加え、
室温で2hr撹拌した。この吸着剤を濾別した後に、4
00gのメタノール中に滴下し、生成したポリマーを単
離精製した。これを減圧下に乾燥し残存しているメタノ
ールを除去した。得られたポリマーを約250℃で溶融
し、圧縮成形して評価用サンプルとした。
【0039】実施例2 キョーワード500PLの代わりに酸化アルミニウム
(商品名キョーワード200 協和化学工業製)を用い
た以外は、実施例1と全く同様に行った。 実施例3 キョーワード500PLの代わりにケイ酸マグネシウム
(商品名キョーワード600 協和化学工業製)を用い
た以外は、実施例1と全く同様に行った。
【0040】実施例4 キョーワード500PLの代わりにケイ酸アルミニウム
(商品名キョーワード700 協和化学工業製)を用い
た以外は、実施例1と全く同様に行った。 実施例5 キョーワード500PLの代わりに活性白土(和光純薬
製)を用いた以外は、実施例1と全く同様に行った。
【0041】実施例6 ジクロロメタンの代わりにトルエンを用いた以外は、実
施例1と全く同様に行った。 比較例1 キョーワード500PLを用いなかった以外は、実施例
1と全く同様に行った。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明のインデン系重合体の製造法によ
れば、通常の方法と比べて、重合体の収率、重量平均分
子量及び熱安定性を向上させることができる。また、こ
の製造法により得られるインデン系重合体は、低吸水
性、耐熱性、機械強度、光特性に優れ、成形材、フィル
ム、添加剤、光学用部品等として、好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA21X AA22X AA76 BB03 BC01 4J002 AA001 BK002 BN121 BN151 CD001 4J100 AB00Q AB02Q AB03Q AB04Q AB07Q AB16Q AR10P BA02Q BA04Q BA05Q BA06Q BA71Q BB00Q CA04 FA12 FA28 GC35 JA32

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単量体の全量を100重量部として、一
    般式(1) 【化1】 (式中、R1〜R5は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素
    基又は酸素原子を含む炭化水素基を示し、nは1〜4の
    整数を示す。但し、nが複数のときはR5は同一でも異
    なってもよい。)で表される5〜95重量部のインデン
    系単量体及び該単量体とカチオン共重合可能な95〜5
    重量部の単量体を酸性触媒を用いて重合し、さらに固体
    吸着剤を用いて反応溶液を脱色することを特徴とするイ
    ンデン系重合体の製造法。
  2. 【請求項2】 酸性触媒が、ルイス酸、プロトン酸、活
    性白土、酸性白土、モレキュラーシーブス及び陽イオン
    交換樹脂から選ばれる少なくとも1種の化合物である請
    求項1記載のインデン系重合体の製造法。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表されるインデン単量体
    が、インデン、アルキルインデン類、ハロゲン化インデ
    ン類、アリールインデン類、アルコキシインデン類、ア
    ルコキシカルボニルインデン類、アシルオキシインデン
    類、アルキルシリルインデン類及びアルキルスタンニル
    インデン類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化
    合物である請求項1記載のインデン系重合体の製造法。
  4. 【請求項4】 固体吸着剤が、酸化アルミニウム、酸化
    マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウ
    ム、ハイドロタルサイト、シリカ、活性白土、酸性白
    土、活性炭及びケイソウ土から選ばれる少なくとも1種
    の化合物である請求項1記載のインデン系重合体の製造
    法。
  5. 【請求項5】 カチオン共重合可能な単量体が、スチレ
    ン、アルキルスチレン類、ハロゲン化スチレン類、ビニ
    ルビフェニル類、ビニルフェニルナフタレン類、ビニル
    フェニルアントラセン類、ビニルフェニルフェナントレ
    ン類、ビニルフェニルピレン類、ビニルターフェニル
    類、ビニルフェニルターフェニル類、ビニルアルキルビ
    フェニル類、ハロゲン化ビニルビフェニル類、アルコキ
    シビニルビフェニル類、アルコキシカルボニルビニルビ
    フェニル類、アルコキシアルキルビニルビフェニル類、
    トリアルキルスタンニルビニルビフェニル類、アルキル
    シリルメチルビニルビフェニル類、トリアルキルスタン
    ニルメチルビニルビフェニル類、ハロゲン置換アルキル
    スチレン類、アルコキシスチレン類、アシルオキシスチ
    レン類、アルコキシカルボニルスチレン類、アルキルエ
    ーテルスチレン類、アルキルシリルスチレン類、アルキ
    ルスタンニルスチレン類、ビニルスチレン類、α−アル
    キルスチレン類及びβ−アルキルスチレン類からなる群
    から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1記
    載のインデン系重合体の製造法。
  6. 【請求項6】 重合温度が、−50〜40℃である請求
    項1記載のインデン系重合体の製造法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のイ
    ンデン系重合体を用いた成形材。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のイ
    ンデン系重合体を用いたフィルム。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のイ
    ンデン系重合体を用いた添加剤。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9のいずれか1項に記載の
    成形材、フィルム又は添加剤を用いた光学用部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7416833B2 (en) * 2004-07-15 2008-08-26 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Photoresist undercoat-forming material and patterning process

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