JP2003020186A - 安全装置及びエスカレータ - Google Patents

安全装置及びエスカレータ

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JP2003020186A JP2001206842A JP2001206842A JP2003020186A JP 2003020186 A JP2003020186 A JP 2003020186A JP 2001206842 A JP2001206842 A JP 2001206842A JP 2001206842 A JP2001206842 A JP 2001206842A JP 2003020186 A JP2003020186 A JP 2003020186A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エスカレータの利用者が筒状部材を強引に捩
った場合に懸念される保護板の破損を有効に抑制する。 【解決手段】 保護板11の前端側に加えて、この保護
板11に接合された補強板12の前端側も、筒状部材1
5に形成されたスリット16を介して筒状部材15の内
部に挿入する。これにより、筒状部材15に加わる捩り
方向の力に対する強度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エスカレータと建
屋の上階床開口部周縁とが交差する部分、或いは、エス
カレータとこれに並設された他のエスカレータとが交差
する部分である三角部に配設され、エスカレータの利用
者の安全性を確保するための安全装置及びこの安全装置
を備えたエスカレータに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高齢化社会の到来を背景に、エス
カレータの設置が急ピッチで進められている。このよう
なエスカレータを運用するにあたっては、利用者の安全
性の確保が最も重要な課題となっており、エスカレータ
安全対策標準(昭和52年建設省住指発第25号により
通達)に則った安全対策を施すことが求められている。
【0003】このようなエスカレータ安全対策標準に則
った安全対策の一つとして、エスカレータとこのエスカ
レータが設置された建屋の上階床開口部周縁とが交差す
る部分、或いは、エスカレータとこれに隣接して設置さ
れた他のエスカレータとが交差する部分である三角部に
は、三角部ガード板と呼ばれる安全装置を設けることが
義務付けられている。
【0004】この三角部ガード板と呼ばれる安全装置
は、例えば図10及び図11に示すように、アクリル樹
脂等が三角部に対応した略三角形状に成形されてなる保
護板101を有し、この保護板101の前端側、すなわ
ちエスカレータの踏段及びハンドレールが走行する方向
の始端側に、アクリル樹脂等が円筒状に成形されてなる
筒状部材102が固着された構造となっている。この筒
状部材102には、その長さ方向に沿ってスリット10
2aが形成されており、このスリット102aから保護
板101の前端側が内部に挿入されて、境界部分が接着
剤等によって接合されることで、この保護板101の前
端側に固着されるようになっている。
【0005】また、保護板101の上端側には吊り具取
付孔101aが形成されており、この吊り具取付孔10
1aに吊り具103が取り付けられている。そして、前
端側に筒状部材102が固着された保護板101は、こ
の吊り具103によって、建屋の上階床の下部、或い
は、他のエスカレータの下部に揺動自在に取り付けられ
るようになっている。
【0006】また、吊り具103が取り付けられる保護
板101の上端側には、この保護板101の上端側をそ
の厚み方向に挟み込むかたちで一対の補強板104が接
合されて強度の向上が図られており、この部分が破損す
ることで保護板101が吊り具103から外れて落下す
るといった不都合が未然に抑制されるようになってい
る。
【0007】以上のような安全装置が三角部に設けられ
ることによって、エスカレータの利用者が欄干から身を
乗り出した状態で三角部に近づいた場合、この利用者
は、保護板101の前端側に固着された筒状部材102
に接触することになる。これにより、欄干から身を乗り
出した利用者に危険を認識させて、この利用者が三角部
に挟み込まれるといった事故を未然に防止することがで
きる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
な三角部に設けられる安全装置は、エスカレータの利用
者が簡単に手で触れることができるので、いたずら等の
対象となることも想定される。そして、エスカレータの
利用者によるいたずらで、例えば筒状部材102が強引
に捩られると、この筒状部材102と補強板104が接
合された保護板101の上端側との接合部分(図11中
D部)に強い応力が加わって、この部分から亀裂が生じ
て保護板101の破損を招いてしまうことも考えられ
る。また、エスカレータの利用者によるいたずらに起因
して保護板101が破損して、この保護板101と筒状
部材102とが分離すると、筒状部材102が落下する
不都合が生じることも考えられる。
【0009】筒状部材102の落下を防止する方法とし
ては、例えば実公平2−45271号公報において、筒
状部材と吊り具とを索状体を介して連結する方法が提案
されているが、この方法では保護板の破損を防止するこ
とはできず、根本的な解決には至っていない。
【0010】本発明は、以上のような従来の実情に鑑み
て創案されたものであって、エスカレータの利用者が筒
状部材を強引に捩っても保護板が破損しにくい構造と
し、保護板の破損に起因する筒状部材の落下等の不都合
を未然に防止できる安全装置、及び、この安全装置を備
えるエスカレータを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る安全装置
は、建屋の上下階にまたがって設置されたエスカレータ
と前記建屋の上階床開口部周縁とにより形成される三角
部、或いは、前記エスカレータとこれに並設された他の
エスカレータとによって形成される三角部に配設される
ものであり、前記三角部に対応した略三角形状の保護板
と、この保護板を前記建屋の上階床の下部、或いは、前
記他のエスカレータの下部に揺動自在に取り付ける吊り
具と、前記保護板の前記吊り具が取り付けられる上端側
に接合され、この保護板の上端側の強度を向上させる補
強板と、長さ方向に沿って形成されたスリットを有し、
このスリットから前記保護板の前端側が内部に挿入され
て、前記保護板の前端側に固着された筒状部材とを備え
ている。そして、この安全装置は、前記筒状部材のスリ
ットの上端側が幅広に形成され、この幅広に形成された
スリットから前記保護板の前端側に加えて前記補強板の
前端側が前記筒状部材の内部に挿入されていることを特
徴としている。
【0012】この本発明に係る安全装置では、筒状部材
に形成されたスリットから、保護板の前端側に加えて補
強板の前端側が筒状部材の内部に挿入されていることに
よって、筒状部材の捩りに対する強度が高められてい
る。すなわち、筒状部材が強引に捩られた場合には、そ
の応力が筒状部材に形成されたスリット端面を起点とし
てこのスリット端面と接触する部分に集中することにな
るが、本発明に係る安全装置では、この応力が集中する
部分の強度が補強板によって高められるので、筒状部材
が強引に捩られた場合でも、その応力が集中する部分を
起点として保護板に亀裂等が生じるといった不都合が有
効に抑制される。
【0013】また、本発明に係るエスカレータは、無端
状に連結されて往路と復路とを循環移動する複数の踏段
と、これら複数の踏段の左右両側面に沿って立設された
一対の欄干と、これら一対の欄干の上部にそれぞれ配設
されて前記踏段と同期して走行するハンドレールとを有
するエスカレータ本体と、このエスカレータ本体とこの
エスカレータ本体が上下階にまたがって設置された建屋
の上階床開口部周縁とによって形成される三角部、或い
は、前記エスカレータ本体とこれに並設された他のエス
カレータ本体とによって形成される三角部に配設される
安全装置とを備えている。そして、このエスカレータ
は、前記三角部に配設された安全装置が、三角部に対応
した略三角形状の保護板と、この保護板を前記建屋の上
階床の下部、或いは、前記他のエスカレータの下部に揺
動自在に取り付ける吊り具と、前記保護板の前記吊り具
が取り付けられる上端側に接合され、この保護板の上端
側の強度を向上させる補強板と、長さ方向に沿って形成
されたスリットを有し、このスリットから前記保護板の
前端側が内部に挿入されて、前記保護板の前端側に固着
された筒状部材とを備え、この筒状部材のスリットの上
端側が幅広に形成され、この幅広に形成されたスリット
から前記保護板の前端側に加えて前記補強板の前端側が
前記筒状部材の内部に挿入されていることを特徴として
いる。
【0014】この本発明に係るエスカレータでは、三角
部に配設された安全装置が、筒状部材の捩りに対する強
度が高められた構造となっているので、安全装置の筒状
部材が強引に捩られた場合でも、その応力が集中する部
分を起点として安全装置の保護板に亀裂等が生じるとい
った不都合が有効に抑制されて、この安全装置が利用者
の安全性を向上させる機能を十分に発揮することにな
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0016】本発明を適用した安全装置を備えるエスカ
レータは、図1に示すように、上下階を有する建屋に設
置され、チェーン等によって無端状に連結された複数の
踏段1が、上階と下階とに亘って斜めに循環移動するよ
うになっている。
【0017】無端状に連結された複数の踏段1の左右両
側には、一対の欄干2が立設されている。そして、これ
ら一対の欄干2の上部には、踏段1と同期して走行する
ハンドレール3がそれぞれ配設されている。
【0018】また、踏段1の下方には、図示を省略する
が、自重及び利用者の荷重を支えるトラスと呼ばれる躯
体部分が設けられており、この躯体部分の内部に、踏段
1やハンドレール3を駆動する駆動機や、踏段1の移動
を案内する踏段レール、制御盤等が配設されている。
【0019】以上のように構成されるエスカレータは、
無端状に連結された複数の踏段1及び一対のハンドレー
ル3が、駆動機による駆動力を受けて上階と下階との間
を移動することにより、利用者を下階から上階へ、或い
は上階から下階へと搬送するようになっている。
【0020】このエスカレータは、その一端側が建屋の
上階床(下階天井)に設けられた開口部を通して上階の
床面上に設置されており、その中途部において上階床に
設けられた開口部の周縁と交差するようになっている。
このエスカレータと開口部周縁とが交差する部分は三角
部と呼ばれている。また、図1に示したように、建屋内
にこのエスカレータと隣接して他のエスカレータが設置
されている場合には、これらのエスカレータは互いの中
途部において交差することになる。これら、隣接するエ
スカレータ同士が交差する部分も三角部と呼ばれてい
る。そして、これらの三角部に、本発明を適用した安全
装置10が設置されている。すなわち、本発明を適用し
た安全装置10は、エスカレータと建屋の上階床開口部
周縁とのが交差する部分、或いは、エスカレータとこれ
に隣接して設置された他のエスカレータとが交差する部
分である三角部に設置されて、エスカレータの欄干2か
ら身を乗り出した利用者が、この三角部に挟み込まれる
事故を未然に防止するものである。
【0021】本発明を適用した安全装置10の具体的な
一例を図2及び図3に示す。この図2及び図3に示す安
全装置10は、アクリル樹脂等が上記三角部に対応した
略三角形状に成形されてなる保護板11を有している。
【0022】この保護板11の上端側には、この保護板
11を厚み方向に挟み込むようにして、保護板11と同
質のアクリル樹脂等よりなる一対の補強板12が接着剤
等によって接合されている。そして、これら一対の補強
板12が接合された保護板11の上端側には、その厚み
方向に貫通する複数の貫通孔13が形成されており、こ
えら複数の貫通孔13に吊り具14がそれぞれ取り付け
られている。
【0023】保護板11は、これらの吊り具14によっ
て、エレベータが設置された建屋の上階床の下部、或い
は、隣接する他のエスカレータの下部に、揺動自在に取
り付けられるようになっている。
【0024】また、安全装置10は、保護板11の前端
側、すなわち、エスカレータの踏段1及びハンドレール
3が走行する方向の始端側に固着される筒状部材15を
有している。
【0025】この筒状部材15は、保護板11や補強板
12と同質のアクリル樹脂等が円筒状に成形されてなる
ものである。そして、この筒状部材15には、その長さ
方向に沿って、内部に保護板11の前端側を挿入するた
めのスリット16が形成されている。このスリット16
は、その下端側から中途部までの範囲は、保護板11の
厚みに相当する幅で形成されている。一方、その上端側
は、保護板11の厚みと一対の補強板12の厚みとの総
厚に相当する幅広に形成されている。そして、筒状部材
15は、以上のように形成されたスリット16から保護
板11の前端側及びこの保護板11に接合された一対の
補強板12の前端側が内部に挿入された状態で、スリッ
ト16の周縁から接着剤が注入されること等によってこ
れらと接合され、上端側に補強板12が接合された保護
板11の前端側に固着されるようになっている。
【0026】また、筒状部材15の上端部は、蓋体17
によって閉塞されるようになっている。この蓋体17の
筒状部材15内部と対向する一方の主面部には、保護板
11の厚みと一対の補強板12の厚みとの総厚に相当す
る幅の溝部18が形成されている。蓋体17は、筒状部
材15の内部に挿入された保護板11及び一対の補強板
12の上端部が、この溝部18内に収容されるようにし
て、筒状部材15の上端部に嵌合される。これにより、
筒状部材15の内部に挿入された保護板11及び一対の
補強板12の位置が蓋体17の溝部18によって規制さ
れて、筒状部材15の内部における保護板11及び一対
の補強板12の変位が抑制されることになる。
【0027】以上のように構成される安全装置10が上
記三角部に設置されることによって、エスカレータの利
用者が欄干2から身を乗り出した状態で三角部に近づい
た場合に、この利用者は、安全装置10の筒状部材15
に接触することになる。これにより、欄干から身を乗り
出した利用者は危険を認識して安全な位置に退避するこ
とができ、この利用者が三角部に挟み込まれるといった
事故を未然に防止することができる。
【0028】また、この安全装置10では、エスカレー
タの利用者によるいたずらで筒状部材15が強引に捩ら
れた場合であっても、これに起因して保護板11に亀裂
が生じるといった不都合が有効に抑制されることにな
る。
【0029】すなわち、筒状部材15に図3中矢印Aで
示す捩り方向の力が加わった場合、その捩り方向の力は
筒状部材15に形成されたスリット16の端面からこの
スリット16の端面に接触する部分に伝わり、特に、ス
リット16の上端側の端面と接触する部分(図3中B
部)にその応力が集中することになる。しかしながら、
本発明を適用した安全装置10では、保護板11の前端
側に加えて一対の補強板12の前端側も、このスリット
16を介して筒状部材15の内部に挿入されており、ス
リット16の上端側の端面と接触する部分、すなわち、
筒状部材15が強引に捩られたときに応力が集中する部
分の強度が高められているので、この部分を起点として
保護板11に亀裂が生じる不都合が有効に抑制される。
【0030】また、保護板12の前端側に加えて一対の
補強板12の前端側も筒状部材15の内部に挿入した構
造では、筒状部材15の内部において保護板11及び一
対の補強板12の変位が抑制されていないと、筒状部材
15に捩り方向の力が加わったときに、図3中C部に応
力が集中して、ここを起点として保護板11に亀裂が生
じる場合がある。すなわち、筒状部材15の内部に挿入
された一対の補強板12は、その面積が保護板11に比
べて小さいために、筒状部材15に捩り方向の力が加わ
った場合に筒状部材15の内部における変位が抑制され
ていないと、筒状部材15に形成されたスリット16の
端面を支点として筒状部材15の内部で大きく変位する
ことになる。一方、筒状部材15の内部に挿入された保
護板11の補強板12が接合されていない部分は、筒状
部材15に捩り方向の力が加わったときに保護板11全
体として変位することになるため、筒状部材15の内部
における変位量は、補強板12に比べて小さくなる。
【0031】このため、筒状部材15の内部における保
護板11及び一対の補強板12の変位が抑制されていな
いと、以上のような保護板11と補強板12との変位量
の差に起因して、保護板11と補強板12との境界部分
であるC部に応力が集中し、この部分を起点として保護
板11に亀裂が生じてしまう場合がある。
【0032】しかしながら、本発明を適用した安全装置
10では、上述したように、筒状部材15の内部に挿入
された保護板11及び一対の補強板12の上端部が、筒
状部材15の上端部を閉塞する蓋体17に形成された溝
部18内に収容されてその位置が規制されることで、筒
状部材15の内部における保護板11及び一対の補強板
12の変位が抑制されるようになっているので、筒状部
材15に捩り方向の力が加わった場合の保護板11の破
損が、更に有効に抑制されることになる。
【0033】なお、以上は筒状部材15の上端部を閉塞
する蓋体17に溝部18を形成し、この溝部18内に筒
状部材15の内部に挿入された保護板11及び一対の補
強板12の上端部を収容することで、これら保護板11
及び一対の補強板12の筒状部材15内部における変位
を抑制するようにしているが、この溝部18が形成され
た蓋体17に代えて、図4に示すように、保護板11の
厚みと一対の補強板12の厚みとの総厚に相当する幅で
2つの部材19a,19bに分断された蓋体19を用
い、この蓋体19の2つの部材19a,19bで保護板
11及び一対の補強板12の上端部を挟み込むようにし
て、これらの部材19a,19bを筒状部材15の上端
部に嵌合させるようにしても、上述した例と同様の効果
を得ることができる。
【0034】また、この蓋体19と同等の部材を筒状部
材15の内部に複数設けるようにした場合、または、蓋
体19の2つの部材19a,19bを厚み方向に大きく
した柱状の部材を筒状部材15の内部に設けるようにし
た場合には、筒状部材15の内部における保護板11及
び一対の補強板12の変位が更に抑制されて、筒状部材
15に捩り方向の力が加わった場合の保護板11の破損
が、より効果的に抑制されることになる。
【0035】ところで、本発明を適用した安全装置10
は、上述したように、筒状部材15に加わる捩り方向の
力に対する強度が高められているが、筒状部材15が極
めて大きな力で捩られた場合には、保護板11に亀裂が
生じてしまうことも考えられる。このように、筒状部材
15が極めて大きな力で捩られて保護板11に亀裂が生
じた場合、保護板11と筒状部材15が分離して、筒状
部材15がその自重によって落下してしまうことも想定
される。
【0036】このような不都合を回避するために、本発
明を適用した安全装置10では、例えば図5及び図6に
示すように、筒状部材15の上端部を閉塞する蓋体17
に立ち上げ片20を立設し、この立ち上げ片20に貫通
孔21を形成してこの貫通孔21に吊り具14を取り付
け、この吊り具14によって、筒状部材15を建屋の上
階床の下部、或いは、隣接する他のエスカレータの下部
に、揺動自在に取り付けることが望ましい。
【0037】安全装置10を以上のような構造とすれ
ば、筒状部材15が保護板11とは独立して建屋の上階
床の下部、或いは、隣接する他のエスカレータの下部に
取り付けられることになるので、筒状部材15に極めて
大きな捩り方向の力が加わり、仮に保護板11に亀裂が
生じて保護板11と筒状部材15とが分離した場合であ
っても、筒状部材15が落下するといった不都合を有効
に抑制することができる。
【0038】また、筒状部材15が極めて大きな力で捩
られて保護板11に亀裂が生じた場合に筒状部材15が
落下するといった不都合を回避する方法としては、例え
ば図7に示すように、保護板11と筒状部材15とを連
結部材22によって相互に連結することも非常に有効で
ある。この場合には、仮に保護板11に亀裂が生じて
も、保護板11と筒状部材15とが連結部材22によっ
て連結されているので、筒状部材15が落下するといっ
た不都合を有効に抑制することができる。
【0039】また、この場合、連結部材22として剛性
の高い締結金具を用い、この締結金具によって補強板1
2が接合された保護板11の上端側と筒状部材15とを
締結するようにすれば、筒状部材15に加わる捩り方向
の力に対する強度が更に高められ、保護板11の破損を
より効果的に抑制することも可能となる。
【0040】また、筒状部材15が極めて大きな力で捩
られて保護板11に亀裂が生じた場合に筒状部材15が
落下するといった不都合を回避する方法としては、例え
ば図8に示すように、保護板11の主面部に粘着フィル
ム23を貼着することも有効である。この場合には、仮
に保護板11に亀裂が生じた場合であっても、この亀裂
によって分離される保護板11の破片同士が粘着フィル
ム23によって繋ぎ止められることになり、結果的に筒
状部材15が落下する不都合を有効に抑制することがで
きる。
【0041】なお、以上は、保護板11の前端側に加え
て一対の補強板12の前端側も筒状部材15の内部に挿
入することで、筒状部材15に加わる捩り方向の力に対
する強度を高めて、保護板11の破損を有効に抑制する
ようにした本発明の安全装置10について説明したが、
筒状部材15に加わる捩り方向の力を保護板11に伝え
ないことで、保護板11の破損を抑制することも効果的
である。
【0042】具体的には、例えば図9に示すように、筒
状部材15を保護板11に固着することなく、これらを
リングやヒンジ等の連結部材24によって相対的に変位
可能に連結するようにすれば、筒状部材15に捩り方向
の力が加わった場合でも、この力は保護板11に伝達さ
れない。したがって、安全装置をこのような構造とする
ことで、保護板11の破損が有効に抑制されることにな
る。
【0043】
【発明の効果】本発明に係る安全装置は、筒状部材に形
成されたスリットから保護板の前端側に加えて補強板の
前端側も筒状部材の内部に挿入されることによって、筒
状部材の捩りに対する強度が高められているので、筒状
部材が強引に捩られた場合でも、保護板の破損が有効に
抑制されると共に、この保護板の破損に起因して筒状部
材が落下するといった不都合が有効に抑制される。
【0044】また、本発明に係るエスカレータは、三角
部に配設された安全装置が、筒状部材の捩りに対する強
度が高められた構造となっており、保護板の破損や筒状
部材の落下が有効に抑制されるようになっているので、
この安全装置に利用者の安全性を向上させる機能を十分
に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した安全装置を備えるエスカレー
タの全体構成を示す模式図。
【図2】本発明を適用した安全装置の一例を示す側面
図。
【図3】図2に示す安全装置の要部を拡大して示す斜視
図。
【図4】本発明を適用した他の安全装置の要部を拡大し
て示す斜視図。
【図5】本発明を適用した更に他の安全装置を示す側面
図。
【図6】図5に示した安全装置の要部を拡大して示す斜
視図。
【図7】本発明を適用した更に他の安全装置の要部を拡
大して示す斜視図。
【図8】本発明を適用した更に他の安全装置を示す側面
図。
【図9】筒状部材と保護板とが相対的に変異可能に連結
された安全装置の側面図。
【図10】従来の安全装置を示す側面図。
【図11】図10に示した従来の安全装置の要部を拡大
して示す斜視図。
【符号の説明】
1 踏段 2 欄干 3 ハンドレール 10 安全装置 11 保護板 12 補強板 14 吊り具 15 筒状部材 16 スリット 17 蓋体 18 溝部 19 蓋体 20 立ち上げ片 22 連結部材 23 粘着フィルム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建屋の上下階にまたがって設置されたエ
    スカレータと前記建屋の上階床開口部周縁とによって形
    成される三角部、或いは、前記エスカレータとこれに並
    設された他のエスカレータとによって形成される三角部
    に配設される安全装置において、 前記三角部に対応した略三角形状の保護板と、 前記保護板を前記建屋の上階床の下部、或いは、前記他
    のエスカレータの下部に揺動自在に取り付ける吊り具
    と、 前記保護板の前記吊り具が取り付けられる上端側に接合
    され、この保護板の上端側の強度を向上させる補強板
    と、 長さ方向に沿って形成されたスリットを有し、このスリ
    ットから前記保護板の前端側が内部に挿入されて、前記
    保護板の前端側に固着された筒状部材とを備え、 前記筒状部材のスリットの上端側が幅広に形成され、こ
    の幅広に形成されたスリットから前記保護板の前端側に
    加えて前記補強板の前端側が前記筒状部材の内部に挿入
    されていることを特徴とする安全装置。
  2. 【請求項2】 前記筒状部材の上端部を閉塞する蓋体を
    有し、この蓋体に、前記保護板の前端側及び前記補強板
    の前端側の前記筒状部材内部における位置を規制する位
    置規制手段が設けられていることを特徴とする請求項1
    に記載の安全装置。
  3. 【請求項3】 前記筒状部材の蓋体に前記吊り具が取り
    付けられ、この吊り具を介して前記筒状部材が前記保護
    板を前記建屋の上階床の下部、或いは、前記他のエスカ
    レータの下部に揺動自在に取り付けられていることを特
    徴とする請求項2に記載の安全装置。
  4. 【請求項4】 前記保護板と前記筒状部材とが連結部材
    により相互に連結されていることを特徴とする請求項1
    乃至3の何れかに記載の安全装置。
  5. 【請求項5】 前記保護板の主面部に粘着フィルムが貼
    着されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか
    に記載の安全装置。
  6. 【請求項6】 無端状に連結されて往路と復路とを循環
    移動する複数の踏段と、これら複数の踏段の左右両側面
    に沿って立設された一対の欄干と、これら一対の欄干の
    上部にそれぞれ配設されて前記踏段と同期して走行する
    ハンドレールとを有するエスカレータ本体と、 前記エスカレータ本体とこのエスカレータ本体が上下階
    にまたがって設置された建屋の上階床開口部周縁とによ
    って形成される三角部、或いは、前記エスカレータ本体
    とこれに並設された他のエスカレータ本体とによって形
    成される三角部に配設される安全装置とを備え、 前記安全装置が、 前記三角部に対応した略三角形状の保護板と、 前記保護板を前記建屋の上階床の下部、或いは、前記他
    のエスカレータの下部に揺動自在に取り付ける吊り具
    と、 前記保護板の前記吊り具が取り付けられる上端側に接合
    され、この保護板の上端側の強度を向上させる補強板
    と、 長さ方向に沿って形成されたスリットを有し、このスリ
    ットから前記保護板の前端側が内部に挿入されて、前記
    保護板の前端側に固着された筒状部材とを備え、 前記筒状部材のスリットの上端側が幅広に形成され、こ
    の幅広に形成されたスリットから前記保護板の前端側に
    加えて前記補強板の前端側が前記筒状部材の内部に挿入
    されていることを特徴とするエスカレータ。
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