JP2003019187A - エンドトキシン活性の低減方法 - Google Patents
エンドトキシン活性の低減方法Info
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Abstract
状況を把握しつつ容易に低減させる。 【解決手段】 エンドトキシン活性の低減方法は、少な
くとも85℃に設定された、少なくとも0.01規定の
アルカリ水溶液を用いて被処理物を所定時間処理する工
程を含んでいる。ここで、所定時間は、少なくとも下記
の式(1)で規定される時間に設定する。式(1)中、
tは加熱処理時間(分)、Tは加熱処理時の絶対温度
(K)である。 【数1】
Description
性の低減方法、特に、加熱処理によるエンドトキシン活
性の低減方法に関する。
菌および緑膿菌などのグラム陰性菌の外膜の構成成分で
あり、化学的にはリポ多糖(LPS)であるエンドトキ
シンは、生体の1kg当りng(ナノグラム)単位の微
量が非経口投与されただけで、直ちに激しいふるえや頭
痛を伴った発熱症状を引き起こし、時には重篤なショッ
ク症状を引き起こして死をもたらす可能性のある発熱性
物質として認識されている。このため、医療分野におい
ては、安全性の観点から、エンドトキシン問題が提起さ
れるに至っている。
等は、通常、250℃で30分間の乾熱処理を実施し、
それによりエンドトキシン量を低減させている。ところ
が、エンドトキシンにより汚染される可能性のある人工
透析装置等の複雑な医療機器内の流通経路(配管)や薬
剤等の製造ラインにおける配管あるいは蒸気滅菌装置に
蒸気を供給するための配管に対し、上述のような乾熱処
理を実施するのは困難である。
ルカリ溶液により配管内の清浄化や消毒が行われてい
る。しかし、エンドトキシン活性の低減に関しては、そ
のエンドトキシン汚染量に対する減少状況の把握が明確
にされていない。また、被処理物のエンドトキシン汚染
量は、被処理物毎に異なるため、上述のようなアルカリ
溶液による処理を実施しても、被処理物のエンドトキシ
ン量が安全なレベルまで減少しているとは限らない。
ン活性を、その減少状況を把握しつつ容易に低減させる
ことにある。
シン活性の低減方法は、被処理物のエンドトキシン活性
を低減するための方法であり、少なくとも85℃に設定
された、少なくとも0.01規定のアルカリ水溶液を用
いて被処理物を所定時間処理する工程を含んでいる。こ
こで、所定時間は、少なくとも下記の式(1)で規定さ
れる時間に設定する。なお、式(1)中、tは加熱処理
時間(分)、Tは加熱処理時の絶対温度(K)である。
液は、例えば、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土
類金属水酸化物のうちの少なくとも一つの水溶液であ
る。また、上記処理工程は、例えば、2回以上繰返して
もよい。
ドトキシン活性を低減するための方法である。この方法
により低減可能なエンドトキシン活性は、リムルステス
ト反応を指標としたエンドトキシン量である。
をアルカリ水溶液を用いて処理する。ここで、被処理物
は、エンドトキシン汚染が忌避されるものであれば特に
限定されるものではないが、例えば各種の器具、具体的
には外科手術用具や注射器をはじめとする医療用具、化
学や生物学の実験器具、医療機器や蒸気滅菌装置などの
配管類および逆浸透膜や限外ろ過膜等の膜類などであ
る。
は、特に限定されるものではないが、通常、水酸化カリ
ウムや水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物お
よび水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物
のうちの少なくとも一つの水溶液である。
0.01規定に設定する必要がある。この濃度が0.0
1規定未満の場合は、エンドトキシン活性が低減しにく
くなる。また、アルカリ水溶液を用いた処理時間を後述
のように設定した場合であっても、エンドトキシン活性
が所定の減少傾向を示さない。但し、アルカリ水溶液の
濃度は、毒物及び劇物取締法に規定されている数値以下
に設定するのが好ましい。例えば、水酸化カリウムを用
いる場合は約0.89規定以下に設定するのが好まし
く、水酸化ナトリウムを用いる場合は約1.25規定以
下に設定するのが好ましい。この濃度がこのような規定
値を超えると、アルカリ水溶液が毒物及び劇物取締法上
の劇物扱いとなり、取扱いが困難になる。
温度は、少なくとも85℃に設定する必要がある。この
温度が85℃未満の場合は、アルカリ水溶液を用いた被
処理物の処理時間を後述のように設定した場合であって
も、エンドトキシン活性が所定の減少傾向を示さない。
なお、アルカリ水溶液の温度の上限は、通常、処理時に
おける雰囲気圧力により定まるアルカリ水溶液の沸点に
より規制される。
理物の処理方法は、アルカリ水溶液が被処理物に対して
直接触れるようにするのが好ましい。このような処理方
法としては、例えば、アルカリ水溶液中に被処理物を浸
漬する方法や被処理物へアルカリ水溶液を噴霧する方法
を採用することができる。或いは、被処理物が配管類で
あって、その内部のエンドトキシン活性を低減する必要
がある場合は、被処理物の内部に上述のようなアルカリ
水溶液を通過させる方法を採用することもできる。いず
れの処理方法も、被処理物に対して従来の乾熱処理のよ
うな熱処理を直接に適用するものではないので、従来の
方法に比べて容易に実施することができる。なお、処理
時において、アルカリ水溶液は加圧下に置かれてもよ
い。
は、少なくとも下記の式(1)で規定される時間(分)
以上に設定する。式(1)中、tは加熱処理時間
(分)、Tは加熱処理時の絶対温度(K)である。
も短い場合は、被処理物のエンドトキシン活性の減少状
況を把握しながらエンドトキシン活性を効果的に低減さ
せるのが困難になる。なお、アルカリ水溶液による被処
理物の処理は、上述の処理時間の間、連続的に実施され
てもよいし、断続的に実施されてもよい。
場合、被処理物のエンドトキシン活性(EU/L)は、
60分以内の短時間のうちに、少なくとも10-3(=1
/1,000)、すなわち、10-3またはそれ以上のレ
ベルまで減少する。このようなエンドトキシン活性の低
減効果は、被処理物に対し、公知のリムルステスト(例
えば、エンドポイント合成基質法を用いた測定法)を適
用すると確認することができる。例えば、被処理物を洗
浄し、その洗浄液に対して公知のリムルステストを適用
すると確認することができる。
処理は、被処理物に対して2回以上繰返し適用されても
よい。この場合、被処理物のエンドトキシン活性は、ア
ルカリ水溶液による処理を繰返す毎に、その前のエンド
トキシン活性の10-3(すなわち、1/1,000)ま
たはそれ以上に級数的に低減することになる。例えば、
上述のようなアルカリ水溶液による処理を被処理物に対
して2回繰返した場合、被処理物のエンドトキシン活性
は、当初のエンドトキシン活性の少なくとも10-6(す
なわち、1/1,000,000)に減少する。なお、
アルカリ水溶液による処理の繰返しは、当該処理を逐一
完了しながら順次実施されてもよいし、当該処理をその
まま継続して(すなわち、処理時間を延長して)連続的
に実施されてもよい。
上述の処理を施すと、被処理物のエンドトキシン活性が
少なくとも10-3まで減少するため、処理後の被処理物
のエンドトキシン活性を容易に把握することができる。
すなわち、被処理物に残存しているエンドトキシン量を
容易に予測することができる。例えば、被処理物の処理
前に、被処理物の当初のエンドトキシン活性を測定また
は予測しておく。そして、被処理物に対して本発明の方
法を適用すれば、処理後の被処理物のエンドトキシン活
性を測定しなくても、当該被処理物のエンドトキシン活
性は当初のエンドトキシン活性の少なくとも10-3まで
減少していることが把握できる。このため、被処理物の
エンドトキシン活性の低減目標値が設定されている場
合、本発明の方法によれば、必要以上に処理時間を長く
設定したり、上述のような繰返し処理を必要以上の回数
実施する必要がなく、当該低減目標値を効率的に達成す
ることができる。
℃で1時間加熱した200mMのNaCl水溶液100
μLとを混合し、この混合液のエンドトキシン活性をリ
ムスルテストで測定したところ、1EU/L未満であっ
た。なお、リムルステストは次のようにして実施した。
先ず、LAL試薬が注入されたバイアルに、緩衝液10
0μLを加え、LAL試薬を溶解した。なお、LAL試
薬、バイアルおよび緩衝液は、生化学工業株式会社の商
品名“エンドスペシーES−20Sセット”に付属のも
のを用いた。次に、上述の混合液100μLをバイアル
中に加え、試験管ミキサーを用いて1〜2秒間混合した
後、37℃に設定された恒温槽で30分間加温した。加
温終了後、亜硫酸ナトリウム/塩酸溶液、スルファミン
酸アンモニウムおよびN−(1−ナフチル)エチレンジ
アミン−ジヒドロクロリドの各試薬(いずれも、生化学
工業株式会社の商品名“エンドスペックESテストTE
ジアゾカップリング試薬セット”に付属のもの)を、こ
の順に500μLずつ加えて混合した。そして、水を対
照として、波長545nmの吸光度を2時間以内に測定
し、エンドトキシン活性(EU/L)を調べた。このリ
ムスルテスト方法は以下についても同様である。
品(E.coli 0111:B4由来のエンドトキシ
ン)100μLと、121℃で1時間加熱した200m
MのNaCl水溶液100μLとを混合し、この混合液
のエンドトキシン活性をリムスルテストで測定したとこ
ろ、45EU/Lであった。
る試料のNaCl濃度が100mMではエンドトキシン
回収率が約94%であり、100mM以下のNaCl水
溶液はリムルステストの反応干渉因子とならないことを
確認した。
mLと市販の蒸留水89mLとの混合液が入ったフラス
コを恒温槽内で89.5℃に保温した。そして、当該温
度を保ちながら、フラスコ内にLPS水溶液(10mg
/L)を1mL加え、LPS濃度が0.1mg/Lの
0.01規定の水酸化ナトリウム水溶液を調製した。続
いて、温度を保ちながら、一定時間が経過する毎に、フ
ラスコ内の水酸化ナトリウム水溶液を100μLずつ採
取した。そして、採取した水酸化ナトリウム水溶液を、
予め調製しておいた同量の0.01規定塩酸水溶液に加
えて中和し、5mMのNaCl水溶液を調製した。この
NaCl水溶液のエンドトキシン量が1〜100EU/
Lの範囲内になるよう、当該NaCl水溶液をエンドト
キシン試験用水で希釈し、そのエンドトキシン量をリム
ルステストで測定した。結果を表1および図1に示す。
キシンは、89.5℃に設定された0.01規定の水酸
化ナトリウム水溶液中で34分間処理すると、当初の1
0-3よりもさらに多く減少することが予想できる。
定された0.01規定の水酸化ナトリウム水溶液中で3
0分間処理されたエンドトキシンは、当初の112,0
00EU/Lから18.6EU/L(当初の約1
0-3.8)に減少しており、概ね式(1)に基づいて予想
した結果に従って減少していることがわかる。
方法では、所定のアルカリ水溶液を用い、少なくとも上
述の式(1)で規定される時間被処理物を処理している
ので、被処理物のエンドトキシン活性を、その減少状況
を把握しつつ容易に低減させることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】被処理物のエンドトキシン活性を低減する
ための方法であって、 少なくとも85℃に設定された、少なくとも0.01規
定のアルカリ水溶液を用いて前記被処理物を所定時間処
理する処理工程を含み、 前記所定時間を少なくとも下記の式(1)で規定される
時間に設定する、エンドトキシン活性の低減方法。 【数1】 (式中、tは加熱処理時間(分)、Tは加熱処理時の絶
対温度(K)である。) - 【請求項2】前記アルカリ水溶液がアルカリ金属水酸化
物およびアルカリ土類金属水酸化物のうちの少なくとも
一つの水溶液である、請求項1に記載のエンドトキシン
活性の低減方法。 - 【請求項3】前記処理工程を2回以上繰返す、請求項1
または2に記載のエンドトキシン活性の低減方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001209767A JP2003019187A (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | エンドトキシン活性の低減方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001209767A JP2003019187A (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | エンドトキシン活性の低減方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003019187A true JP2003019187A (ja) | 2003-01-21 |
Family
ID=19045377
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001209767A Pending JP2003019187A (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | エンドトキシン活性の低減方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003019187A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2019508074A (ja) * | 2015-10-02 | 2019-03-28 | エシコン・インコーポレイテッドEthicon, Inc. | 医療機器及び流体を処理するための方法及びシステム |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH04317653A (ja) * | 1991-04-17 | 1992-11-09 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | パイロジェンの除去方法 |
-
2001
- 2001-07-10 JP JP2001209767A patent/JP2003019187A/ja active Pending
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH04317653A (ja) * | 1991-04-17 | 1992-11-09 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | パイロジェンの除去方法 |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2019508074A (ja) * | 2015-10-02 | 2019-03-28 | エシコン・インコーポレイテッドEthicon, Inc. | 医療機器及び流体を処理するための方法及びシステム |
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Legal Events
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