JP2003018586A - カメラ旋回時の映像圧縮配信による映像解像度の調整方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 カメラ旋回時に映像圧縮配信を行うに際し、
カメラの旋回速度等に関する旋回情報に基づいて、映像
解像度のパラメータの設定を可変調整する。 【解決手段】 旋回機能を有するカメラ１０に映像圧縮
配信装置１４を設けると共に、映像伸張受信装置１６を
備えたモニタ装置１８を設け、前記映像圧縮配信装置１
４と映像伸張受信装置１６とを通信ネットワーク２２に
より接続してなるカメラ監視システムにおいて、モニタ
装置１８側にカメラ操作器２０を設けると共にカメラ１
０側にカメラ旋回制御装置１２を設けて、前記カメラ操
作器２０とカメラ旋回制御装置１２とを通信ネットワー
ク２２を介して接続し、前記カメラ１０の旋回制御動作
に伴う旋回情報に基づいて、適正な映像を得るための映
像解像度のパラメータの設定を、その都度更新するよう
に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ監視システ
ムに係り、特にカメラ旋回時に映像圧縮配信する場合、
カメラ旋回速度に応じて画像フレームのデータサイズの
縮小度を段階的に設定することにより、カメラ旋回時で
もカメラ静止時でも視覚的に同等な映像となるよう調整
するすることができるカメラ旋回時の映像圧縮配信によ
る映像解像度の調整方式に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来におけるカメラ監視システムにおい
て、所要の監視映像を配信する場合、映像圧縮配信装置
に伝達して、例えば１画面毎にＪＰＥＧ（Ｊoint Ｐho
tographic Ｅxperts Ｇroup）フォーマットの映像信号
に変換することによって、効率的な映像配信を行うこと
ができることが知られている。

【０００３】この種の映像圧縮配信において、カメラ静
止時の映像と比較して、カメラ旋回時の映像において
は、監視者の視覚は映像解像度に鈍感であるため、カメ
ラ旋回時に精細すなわち映像解像度の高い映像を配信す
ることは無駄が多い。

【０００４】そこで、従来の映像圧縮配信においては、
映像解像度を設定するパラメータは、対象となる映像が
変化しても一定である。従って、カメラ旋回時において
も、またカメラ静止時においても、視覚的に同等な映像
が得られる。

【０００５】また、前記ＪＰＥＧは静止画を対象とした
方式であるが、動画も毎秒数十枚並んだ静止画とみなせ
ば、ＪＰＥＧで符号化することができる。これを一般
に、モーションＪＰＥＧと称し、標準規格ではなくアプ
リケーションで独自に機能拡張して使用されている。こ
のモーションＪＰＥＧ方式は、ＭＰＥＧ（Ｍoving Ｐic
ture Ｅxperts Ｇroup）のようにフレーム間の予測処
理を行わないので、比較的簡単なハードやソフトで実現
できる利点があり、今日パソコン用として普及してい
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の映像
圧縮配信において、カメラ旋回時における映像圧縮配信
を行うに際し、例えば図３の（ａ）、（ｂ）に示すよう
に、予め設定された映像解像度に基づいて、一定時間当
りの画像のフレーム数（ＩＭ1 〜ＩＭ6 ）と、画像フレ
ーム当りのデータサイズとが決定されている場合、Ａ点
からＢ点へ標準的な速度でカメラを旋回させた際に、例
えばＰ時点（ＩＭ2 ）における対象物Ｍの画像が抜け落
ちてしまう惧れがある。特に、カメラ旋回速度を高めれ
ば〔図３の（ｂ）の高速の場合を参照〕、なおさら対象
物の画像の抜け落ちる確率は高くなり、カメラ監視シス
テムとして精度が低下する難点がある。

【０００７】そこで、本発明者は、鋭意研究並びに検討
を重ねた結果、カメラが旋回する場合の旋回速度等に関
する旋回情報を、映像圧縮配信を行う映像圧縮配信装置
および映像伸張受信装置に伝達して、映像解像度のパラ
メータの設定を、カメラの旋回速度等に対応して適宜行
うと共に、それぞれカメラの旋回時にその都度更新する
ことにより、冗長な映像配信による帯域の無駄な使用を
省くことができるばかりでなく、効率的かつ有効な映像
解像度による映像の配信を行うことができることを突き
止めた。

【０００８】すなわち、本発明においては、旋回機能を
有するカメラに映像圧縮配信装置を設けると共に、映像
伸張受信装置を備えたモニタ装置を設け、前記映像圧縮
配信装置と映像伸張受信装置とを通信ネットワークによ
り接続してなるカメラ監視システムにおいて、モニタ装
置側にカメラ操作器を設けると共にカメラ側にカメラ旋
回制御装置を設けて、前記カメラ操作器とカメラ旋回制
御装置とを通信ネットワークを介して接続し、カメラの
旋回制御操作を行うよう構成し、前記カメラの旋回制御
動作に伴う旋回情報に基づいて、適正な映像を得るため
の映像解像度のパラメータの設定を、前記映像圧縮配信
装置および映像伸張受信装置においてそれぞれカメラの
旋回時に対応してその都度更新するように構成すること
により、カメラ旋回時においてもカメラ静止時と同様に
常に適正な映像解像度を有する映像の配信を行うことが
可能となる。

【０００９】なお、本発明において、カメラの旋回速度
等に対応して適正な映像を得るための映像解像度のパラ
メータとしては、一定時間当りの画像のフレーム数と、
画像フレーム当りのデータサイズとを決定することによ
り、カメラ旋回時における対象物の画像の抜け落ちを防
止することが可能となる。例えば、高速で旋回させる場
合には、画像フレーム当りのデータサイズを漸次小さく
設定して、一定時間当りの画像のフレーム数を漸次増大
させると共に、低速で旋回させる場合には、画像フレー
ム当りのデータサイズを漸次大きく設定して、一定時間
当りの画像のフレーム数を漸次減少させる量子化テーブ
ルを設定して、映像解像度に関するパラメータの選択設
定を適正に行うことができる。

【００１０】従って、本発明の目的は、カメラ旋回時に
映像圧縮配信を行うに際し、カメラの旋回速度等に関す
る旋回情報に基づいて、映像解像度のパラメータの設定
を可変調整して、常に適正かつ有効な映像解像度からな
る映像の配信を行うことができるカメラ旋回時の映像圧
縮配信による映像解像度の調整方式を提供することにあ
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る映像圧縮配信におけるカメラ旋回時の
映像解像度の調整方式は、旋回機能を有するカメラに映
像圧縮配信装置を設けると共に、映像伸張受信装置を備
えたモニタ装置を設け、前記映像圧縮配信装置と映像伸
張受信装置とを通信ネットワークにより接続してなるカ
メラ監視システムにおいて、モニタ装置側にカメラ操作
器を設けると共にカメラ側にカメラ旋回制御装置を設け
て、前記カメラ操作器とカメラ旋回制御装置とを通信ネ
ットワークを介して接続し、カメラの旋回制御操作を行
うよう構成し、前記カメラの旋回制御動作に伴う旋回情
報に基づいて、適正な映像を得るための映像解像度のパ
ラメータの設定を、前記映像圧縮配信装置および映像伸
張受信装置においてそれぞれカメラの旋回時に対応して
その都度更新するように構成したことを特徴とする。

【００１２】この場合、前記カメラ旋回時における映像
解像度に関するパラメータの設定に際し、前記カメラを
高速で旋回させる場合には、画像フレーム当りのデータ
サイズを漸次小さく設定して、一定時間当りの画像のフ
レーム数を漸次増大させると共に、前記カメラを低速で
旋回させる場合には、画像フレーム当りのデータサイズ
を漸次大きく設定して、一定時間当りの画像のフレーム
数を漸次減少させる量子化テーブルを設けて、この量子
化テーブルから適宜の数値を選択設定するように構成す
ることができる。

【００１３】また、前記映像解像度に関するパラメータ
の設定に際し、一定時間当りの画像のフレーム数および
画像フレーム当りのデータサイズは、それぞれ漸次段階
的に増大ないし減少させるように設定することができ
る。

【００１４】

【発明の実施の形態】次に、本発明に係るカメラ旋回時
の映像圧縮配信による映像解像度の調整方式の調整方式
の実施例につき、添付図面を参照しながら、以下詳細に
説明する。

【００１５】図１は、本発明に係るカメラ旋回時の映像
圧縮配信による映像解像度の調整方式の一実施例を示す
ものであって、カメラ旋回時において映像解像度の調整
を行うカメラ監視装置のシステム構成図である。

【００１６】図１において、参照符号１０は旋回機能を
有するカメラ、１２はカメラ旋回制御装置、１４は映像
圧縮配信装置、１６は映像伸張受信装置、１８はモニタ
装置、２０はカメラ操作器、２２は通信ネットワークを
それぞれ示す。なお、前記通信ネットワーク２２は、前
記カメラ旋回制御装置１２とカメラ操作器２０を接続す
ると共に、前記映像圧縮配信装置１４と映像伸張受信装
置１６を接続するものである。また、本実施例におい
て、前記通信ネットワーク２２には、ＩＰ（Ｉnternet
Ｐrotocol ）ネットワークを使用すると共に、映像圧縮
方式にはモーションＪＰＥＧを適用する場合について説
明する。

【００１７】まず、カメラ１０により撮影された映像
は、アナログ映像信号として映像圧縮配信装置１４に送
信される。映像圧縮配信装置１４では、受信された映像
信号をデジタル化し、ＪＰＥＧにより圧縮・符号化が行
われ、通信ネットワーク２２を介して映像伸張受信装置
１６においてＪＰＥＧ画像が連続して伝送受信される。
そして、映像伸張受信装置１６では、受信されたＪＰＥ
Ｇ画像を伸張・復号化が行われ、アナログ映像信号に変
換されてモニタ装置１８に画像表示される。

【００１８】一方、モニタ装置１８側において、オペレ
ータは、カメラ操作器２０を操作することにより、カメ
ラ１０の旋回操作を行うことができる。この場合、カメ
ラ操作器２０による操作信号は、通信ネットワーク２２
を介してカメラ旋回制御装置１２に所要の旋回速度によ
る旋回指令を送信して、カメラ１０を旋回制御すること
ができる。また、この場合、前記カメラ操作器２０およ
び前記カメラ旋回制御装置１２は、前記旋回指令および
これに基づくカメラ１０の旋回制御動作に伴う旋回情報
を、それぞれ対応する映像伸張受信装置１６および映像
圧縮配信装置１４に伝達するように構成される。

【００１９】そこで、本実施例においては、前記カメラ
操作器２０の操作によってカメラ１０の旋回操作を行う
場合、カメラ１０の旋回制御動作に伴う旋回情報が、カ
メラ旋回制御装置１２より映像圧縮配信装置１４に、ま
たカメラ操作器２０より映像伸張受信装置１６に伝達さ
れ、その旋回情報に基づいて所要の映像解像度のパラメ
ータが選択設定されて、適正な映像解像度による映像の
配信を行うように構成される。なお、前記映像解像度の
パラメータの選択設定は、カメラ１０の旋回操作を行う
場合、その都度新たに設定するように構成される。

【００２０】しかるに、ＪＰＥＧによる映像圧縮方式の
場合、映像解像度に影響を与えるパルメータとして、量
子化テーブルを設定することができる。この量子化テー
ブルとしては、図２の（ａ）に示すように、一定時間当
りの画像のフレーム数と、この場合の画像フレーム当り
のデータサイズとを、それぞれ数値設定することができ
る。例えば、量子化テーブルの数値を小さく設定する場
合には、画像フレーム当りのデータサイズを大きくし
て、一定時間当りの画像のフレーム数を減少させる〔図
２の（ｂ）の低速ＩＭ1 〜ＩＭ6 参照〕。反対に、量子
化テーブルの数値を大きく設定する場合には、画像フレ
ーム当りのデータサイズを小さくして、一定時間当りの
画像のフレーム数を増大させる〔図２の（ｂ）の高速Ｉ
Ｍ1 〜ＩＭ6 参照〕。

【００２１】従って、本実施例において、カメラ１０の
旋回操作を行う場合、カメラ１０の旋回中は前記量子化
テーブルの数値を大きく設定することにより、カメラ１
０の静止時と視覚的に同様な映像を配信することができ
る〔図２の（ｂ）参照〕。このため、前記量子化テーブ
ルを前記カメラ１０の旋回速度に対応して、それぞれ段
階的に異なる多数の数値からなる量子化テーブルを選択
可能に設定しておくことにより、適正な映像解像度によ
る映像を得るための効率化が可能とする。

【００２２】すなわち、カメラ１０を高速で旋回させる
場合には、映像解像度を低くしても視覚的には影響が少
ないことから、量子化テーブルの数値の大きいものを選
択すれば、画像フレーム当りのデータサイズを小さく設
定して、一定時間当りの画像のフレーム数を多くするこ
とにより、適正な映像解像度による映像を得ることがで
きる。これに対し、カメラ１０を低速で旋回させる場合
には、映像解像度を比較的高くする必要があり、このた
め量子化テーブルの数値の小さいものを選択することに
より、画像フレーム当りのデータサイズを大きく設定し
て、一定時間当りの画像のフレーム数を少なくすること
により、前記と同様に適正な映像解像度による映像を得
ることができる〔図２の（ｂ）参照〕。さらに、カメラ
１０が静止している時は、映像解像度を最も高くする必
要があり、量子化テーブルの数値の最小のものを選択す
ることにより、前記と同様に適正な映像解像度による映
像を得ることができる。

【００２３】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、例
えばカメラ旋回制御装置と映像圧縮配信装置とを、旋回
機能を有するカメラに対して一体化した構成とすること
ができる等、本発明の精神を逸脱しない範囲内におい
て、種々の設計変更を行うことができることは勿論であ
る。

【００２４】

【発明の効果】前述した実施例から明らかな通り、本発
明に係るカメラ旋回時の映像圧縮配信による映像解像度
の調整方式によれば、旋回機能を有するカメラに映像圧
縮配信装置を設けると共に、映像伸張受信装置を備えた
モニタ装置を設け、前記映像圧縮配信装置と映像伸張受
信装置とを通信ネットワークにより接続してなるカメラ
監視システムにおいて、モニタ装置側にカメラ操作器を
設けると共にカメラ側にカメラ旋回制御装置を設けて、
前記カメラ操作器とカメラ旋回制御装置とを通信ネット
ワークを介して接続し、カメラの旋回制御操作を行うよ
う構成し、前記カメラの旋回制御動作に伴う旋回情報に
基づいて、適正な映像を得るための映像解像度のパラメ
ータの設定を、前記映像圧縮配信装置および映像伸張受
信装置においてそれぞれカメラの旋回時に対応してその
都度更新するように構成することにより、カメラ旋回時
に映像圧縮配信を行うに際し、カメラの旋回速度等に関
する旋回情報に基づいて、映像解像度を設定するパラメ
ータを可変調整して、常に適正かつ有効な映像解像度か
らなる映像の配信を行うことができる。

【００２５】また、前記のカメラ旋回時の映像圧縮配信
による映像解像度の調整方式において、前記カメラ旋回
時における映像解像度のパラメータを設定するに際し
て、前記カメラを低速で旋回させる場合には、画像フレ
ーム当りのデータサイズを漸次大きく設定して、一定時
間当りの画像のフレーム数を漸次減少させると共に、前
記カメラを高速で旋回させる場合には、画像フレーム当
りのデータサイズを漸次小さく設定して、一定時間当り
の画像のフレーム数を漸次増大させる量子化デーブルを
設けて、この量子化テーブルから適宜の数値を選択設定
して映像解像度に関するパラメータ設定を行うことによ
り、常に適正かつ有効な映像解像度からなる映像の配信
を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るカメラ旋回時の映像圧縮配信によ
る映像解像度の調整方式の一実施例を示すカメラ監視装
置のシステム構成図である。

【図２】（ａ）および（ｂ）は本発明に係るカメラ旋回
時の映像圧縮配信において設定される映像解像度のパラ
メータとしての量子化テーブルの設定例と映像圧縮配信
状態とをそれぞれ示す説明図である。

【図３】（ａ）および（ｂ）は従来のカメラ旋回時の映
像圧縮配信における映像解像度を固定的に設定した場合
の映像圧縮配信状態をそれぞれ示す説明図である。

【符号の説明】

１０ カメラ １２ カメラ旋回制御装置 １４ 映像圧縮配信装置 １６ 映像伸張受信装置 １８ モニタ装置 ２０ カメラ操作器 ２２ 通信ネットワーク

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｈ０４Ｎ 5/225 Ｈ０４Ｎ 5/225 Ｃ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 旋回機能を有するカメラに映像圧縮配信
   装置を設けると共に、映像伸張受信装置を備えたモニタ
   装置を設け、前記映像圧縮配信装置と映像伸張受信装置
   とを通信ネットワークにより接続してなるカメラ監視シ
   ステムにおいて、 モニタ装置側にカメラ操作器を設けると共にカメラ側に
   カメラ旋回制御装置を設けて、前記カメラ操作器とカメ
   ラ旋回制御装置とを通信ネットワークを介して接続し、
   カメラの旋回制御操作を行うよう構成し、前記カメラの
   旋回制御動作に伴う旋回情報に基づいて、適正な映像を
   得るための映像解像度のパラメータの設定を、前記映像
   圧縮配信装置および映像伸張受信装置においてそれぞれ
   カメラの旋回時に対応してその都度更新するように構成
   したことを特徴とするカメラ旋回時の映像圧縮配信によ
   る映像解像度の調整方式。
2. 【請求項２】 前記カメラ旋回時における映像解像度の
   パラメータを設定するに際し、前記カメラを高速で旋回
   させる場合には、画像フレーム当りのデータサイズを漸
   次小さく設定して、一定時間当りの画像のフレーム数を
   漸次増大させると共に、前記カメラを低速で旋回させる
   場合には、画像フレーム当りのデータサイズを漸次大き
   く設定して、一定時間当りの画像のフレーム数を漸次減
   少させる量子化テーブルを設けて、この量子化テーブル
   から適宜の数値を選択設定するように構成することを特
   徴とする請求項１記載のカメラ旋回時の映像圧縮配信に
   よる映像解像度の調整方式。
3. 【請求項３】 前記映像解像度に関するパラメータの設
   定に際し、一定時間当りの画像のフレーム数および画像
   フレーム当りのデータサイズは、それぞれ漸次段階的に
   増大ないし減少させることを特徴とする請求項２記載の
   カメラ旋回時の映像圧縮配信による映像解像度の調整方
   式。