JP2003017792A - 窒化物半導体レーザ素子およびその共振面の作製方法 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子およびその共振面の作製方法

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JP2003017792A JP2002170643A JP2002170643A JP2003017792A JP 2003017792 A JP2003017792 A JP 2003017792A JP 2002170643 A JP2002170643 A JP 2002170643A JP 2002170643 A JP2002170643 A JP 2002170643A JP 2003017792 A JP2003017792 A JP 2003017792A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 凹凸が非常に少なく、鏡面に近いような共振
面を有する窒化物半導体よりなるレーザ素子と、そのレ
ーザ素子の共振面の作製方法を提供する。 【構成】 窒化物半導体の 【外1】 【外2】 【外3】 【外4】 【外5】 【外6】 の内のいずれか一種類の面方位の劈開面が、少なくとも
一方の共振面とされていることにより、鏡面に近い共振
面を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化物半導体(In
XAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりな
るレーザ素子とそのレーザ素子の共振面の作製方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】紫外〜青色の領域に発光するレーザ素子
の材料として窒化物半導体が知られており、本出願人
は、最近この材料を用いてパルス電流において、室温で
のレーザ発振を発表した(例えば、Jpn.J.Appl.Phys. V
ol35 (1996) pp.L74-76)。発表したレーザ素子はいわ
ゆる電極ストライプ型のレーザ素子であり、レーザの共
振面はエッチングにより形成されている。エッチングで
共振面を作製する方法は、簡単に共振面ができるという
利点があるが、エッチング手段によりエッチングされた
面に凹凸が発生しやすく、互いに平行な面が得られにく
いという欠点がある。レーザの共振面は赤外、赤色半導
体レーザで多用されているように、劈開して形成するこ
とが最も望ましい。例えばGaAs基板を用いた赤外半
導体レーザであれば、その共振面は基板の劈開性が利用
された劈開面が利用される。
【0003】窒化物半導体はサファイア基板の上に成長
されることが多く、サファイアは六方晶系(正確には菱
面体であるが、六方晶系で近似される。)であるため劈
開性がほとんどない。このためサファイア基板の上に成
長された窒化物半導体層を、基板の劈開性を用いて劈開
することは非常に困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】半導体レーザの共振面
は凹凸が非常に少ない、いわば鏡面に近い平坦面にする
必要がある。従って、本発明の目的とするところは、劈
開により鏡面に近い共振面が得られた窒化物半導体レー
ザ素子と、そのレーザ素子の共振面の作製方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】従来、サファイアの上に
成長されていた窒化物半導体は、サファイアが劈開性が
ないため、同様に六方晶系である窒化物半導体層も劈開
性がないと信じられていたが、本発明者らは、基板に関
わらず、特定の面方位で窒化物半導体層を割れば窒化物
半導体層に劈開性があることを新規に見出し、本発明を
成すに至った。即ち、本発明の窒化物半導体レーザ素子
は、窒化物半導体の
【外1】、
【外2】、
【外3】、
【外4】、
【外5】、
【外6】の内のいずれか一種類の面方位に沿った劈開面
が、少なくとも一方の共振面とされていることを特徴と
する。
【0006】また本発明のレーザ素子の共振面は、基板
の上に複数の窒化物半導体層を成長させた後、最上層の
窒化物半導体の
【外1】乃至
【外6】面の内のいずれか一種類に相当する面に溝を設
け、その溝より窒化物半導体を劈開し、劈開された窒化
物半導体層の劈開面をレーザ素子の少なくとも一方の共
振面とする方法により作製できる。
【0007】さらに本発明のレーザ素子は、窒化物半導
体を成長させる基板が窒化物半導体単結晶である場合、
その窒化物半導体単結晶よりなる基板の上に、複数の窒
化物半導体層を成長させた後、窒化物半導体層を成長さ
せた面と対向する基板の
【外1】乃至
【外6】面の内のいずれか一種類に相当する面に溝を設
け、その溝より窒化物半導体を劈開し、劈開された窒化
物半導体層の劈開面をレーザ素子の少なくとも一方の共
振面とする方法により作製できる。
【0008】
【作用】図1に窒化物半導体単結晶の面方位を示すユニ
ットセル図を示す。窒化物半導体は正確には菱面体構造
を有しているが、この図に示すように六方晶系で近似で
きる。本発明のレーザ素子はこのユニットセル図に示す
【外1】〜
【外6】の内のいずれか一種類の面方位に沿った劈開面
が少なくとも一方の共振面とされている。この面方位は
六角柱で示す側面に相当し、これらの面で劈開された窒
化物半導体層面は鏡面に近い面が得られる。例えばこの
図で示す斜線部は
【外3】面と
【外6】面とを示しており、このように対向する共振面
を劈開で形成することが最も好ましいが、必ずしも両方
とも劈開で形成する必要はなく、片方を劈開により形成
して、もう片方を他の手段、例えばエッチングで形成し
ても良い。
【0009】図2は、基板の上に成長された窒化物半導
体の結晶構造を拡大して示す模式的な平面図である。窒
化物半導体はこのように六角柱の単位結晶が集まった亀
甲状に成長される。本発明の共振面の作製方法では、最
上層の窒化物半導体の
【外1】〜
【外6】面の内のいずれか一種類に相当する面、例えば
この図に示すII−IIの延長線上にある窒化物半導体層の
表面に溝を設け、その溝よりII−IIに示す線で窒化物半
導体を劈開し、劈開された窒化物半導体層の劈開面をレ
ーザ素子の共振面とすると、鏡面に近い共振面が得られ
る。溝とは言い換えると劈開するための傷であり、例え
ばダイヤモンドを刃先に有する罫書針で形成できる他、
エッチングにより形成することもできる。なお、レーザ
素子を作製する場合、最上層の窒化物半導体層には、通
常、電極層が形成されるが、電極層を貫通して最上層の
窒化物半導体層に劈開のための溝を設けることも、本発
明の範囲内である。
【0010】さらに、基板が窒化物半導体単結晶である
場合は、基板そのものの劈開性が利用できるため、基板
の上に成長させた窒化物半導体層側に傷を設ける必要は
なく、窒化物半導体層を成長させた基板と反対側の面に
ある
【外1】〜
【外6】面の内のいずれか一種類に相当する面に傷を付
けて、その傷から劈開すればよい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のレーザ素子の構造は劈開
面を共振面とするレーザ素子であればどのようなもので
も良く、素子構造は限定されない。例えば利得導波型ス
トライプ型レーザとして、電極ストライプ型、メサスト
ライプ型、ヘテロアイソレーション型等を挙げることが
できる。またその他、作りつけ導波機構をもつストライ
プ型レーザとして、埋め込みヘテロ型、CSP型、リブ
ガイド型等を挙げることができる。これらの構造のレー
ザ素子は、活性層中に導波路が作製され、導波路端面に
相当する位置に共振面が作製されて、その共振面同士で
活性層の発光が共振されて、導波路に沿って発振する。
また、共振面に光の閉じ込めを図るために、通常行われ
ているような誘電体多層膜を形成してもよい。
【0012】[実施例1]図3は本発明の一態様に係る
レーザ素子の構造を示す模式的な断面図であり、共振面
と平行な方向で切断した際の図を示している。以下、こ
の図を元に実施例1について説明する。
【0013】C軸配向した厚さ500μmのGaNより
なる基板10をMOVPE装置の反応容器内に設置した
後、原料ガスにTMG(トリメチルガリウム)と、アン
モニア、ドナー不純物としてSiH4(シラン)ガスを
用いて、SiドープGaNよりなるn型コンタクト層1
1を4μmの膜厚で成長させた。
【0014】本発明のレーザ素子では基板は特に限定さ
れるものではなく、窒化物半導体を成長させるために、
従来使用され、また提案されている全ての基板について
適用可能である。例えば、GaNの他に、サファイア、
スピネル、酸化亜鉛等の酸化物基板、Si、SiC等の
半導体基板等が知られており、本発明ではいずれにも適
用可能である。特に好ましくは、GaN、AlGaN等
の窒化物半導体よりなる単結晶の基板を用いる。その理
由は、前記したように窒化物半導体単結晶の基板を用い
ることにより、基板の劈開性を用いて共振面を形成する
ことができるので、半導体層側に溝を設けずに、基板側
に溝を設けて、その溝から
【外1】〜
【外6】面に従って劈開することができるからである。
また基板が窒化物半導体と格子整合しているため、非常
に膜質のよい結晶を成長できる。
【0015】n型コンタクト層11はInXAlYGa1-
X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することがで
き、特にGaN、InGaN、その中でもSiをドープ
したGaNで構成することにより、キャリア濃度の高い
n型層が得られ、また負電極と好ましいオーミック接触
が得られるので、レーザ素子のしきい値電流を低下させ
ることができる。
【0016】温度を1050℃に保持して、原料ガスに
TMG、アンモニア、不純物ガスにCp2Mgを用い、
Mgドープp型GaNよりなる電流阻止層20を0.5
μmの膜厚で成長させた。この電流阻止層は後に、活性
層に電流を集中させて導波路を作製する作用がある。
【0017】電流阻止層20を成長後、ウェーハを反応
容器から取り出し、電流阻止層20を図3に示すよう
に、n型コンタクト層11に達する深さでV溝状にメサ
エッチした。V溝の幅は5μmとして、電流阻止層20
の表面にストライプ状に深さ2.5μmで形成した。V
溝状のストライプは、その溝の中にn型光閉じ込め層1
2、n型光ガイド層13、活性層14、p型光ガイド層
15、及びp型光閉じ込め層16がV溝中に入りやすく
なる。活性層から発するレーザ光は、縦方向が活性層の
上下にある光閉じ込め層により制御される。V溝を形成
すると、活性層15を挟む横方向の光閉じ込め層が溝中
に入り込むことにより、レーザ光の横方向が制御でき、
溝中に光閉じ込めが可能となるのでレーザのしきい値電
流を下げることができる。つまり、V溝により横方向の
活性層が屈折率の異なるクラッド層で挟まれたいわば屈
折率導波のレーザ素子ができる。さらにV溝はメサ形状
を有しているため、V溝の上に成長させる窒化物半導体
層が均一な膜厚で結晶成長可能となる。
【0018】次に、再度ウェーハを反応容器に移送し、
温度を750℃にして、原料ガスにTMG、TMI(ト
リメチルインジウム)、アンモニア、不純物ガスにシラ
ンガスを用い、SiドープIn0.1Ga0.9Nよりなるク
ラック防止層を300オングストロームの膜厚で成長さ
せた。このクラック防止層は特に図示していないが、I
nを含むn型の窒化物半導体、好ましくはInGaNで
成長させることにより、次に成長させるAlを含む窒化
物半導体よりなるn型光閉じこめ層12を厚膜で成長さ
せることが可能となる。LDの場合は、光閉じ込め層、
光ガイド層となる層を、例えば0.1μm以上の膜厚で
成長させる必要がある。従来ではGaN、AlGaN層
の上に直接厚膜のAlGaNを成長させると、後から成
長させたAlGaNにクラックが入るので素子作製が困
難であったが、このクラック防止層が次に成長させる光
閉じこめ層にクラックが入るのを防止することができ
る。しかも次に成長させる光閉じこめ層3を厚膜で成長
させても膜質良く成長できる。なおこのクラック防止層
は100オングストローム以上、0.5μm以下の膜厚
で成長させることが好ましい。100オングストローム
よりも薄いと前記のようにクラック防止として作用しに
くく、0.5μmよりも厚いと、結晶自体が黒変する傾
向にある。なお、このクラック防止層は成長方法、成長
装置によっては省略することもできる。
【0019】次に、原料ガスにTEG、TMA(トリメ
チルアルミニウム)、アンモニア、不純物ガスにシラン
ガスを用いて、Siドープn型Al0.3Ga0.7Nよりな
るn型光閉じこめ層12を0.5μmの膜厚で成長させ
た。n型光閉じこめ層12はAlを含むn型の窒化物半
導体で構成し、好ましくは二元混晶あるいは三元混晶の
AlYGa1-YN(0<Y≦1)とすることにより、結晶
性の良いものが得られ、また活性層との屈折率差を大き
くしてレーザ光の縦方向の閉じ込めに有効である。この
層は通常0.1μm〜1μmの膜厚で成長させることが
望ましい。0.1μmよりも薄いと光閉じ込め層として
作用しにくく、1μmよりも厚いと、結晶中にクラック
が入りやすくなり素子作成が困難となる傾向にある。
【0020】続いて、原料ガスにTMG、アンモニア、
不純物ガスにシランガスを用い、Siドープn型GaN
よりなるn型光ガイド層13を500オングストローム
の膜厚で成長させた。n型光ガイド層13は、Inを含
むn型の窒化物半導体若しくはn型GaNで構成し、好
ましくは三元混晶若しくは二元混晶のInXGa1-XN
(0≦X<1)とする。この層は通常100オングスト
ローム〜1μmの膜厚で成長させることが望ましく、特
にInGaN、GaNとすることにより次の活性層を量
子井戸構造とすることが容易に可能になる。
【0021】次に原料ガスにTMG、TMI、アンモニ
アを用いて活性層14を成長させた。活性層は温度を7
50℃に保持して、まずノンドープIn0.2Ga0.8Nよ
りなる井戸層を25オングストロームの膜厚で成長させ
る。次にTMIのモル比を変化させるのみで同一温度
で、ノンドープIn0.01Ga0.95Nよりなる障壁層を5
0オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を1
3回繰り返し、最後に井戸層を成長させ総膜厚0.1μ
mの膜厚の多重量子井戸構造よりなる活性層14を成長
させた。
【0022】活性層14成長後、温度を1050℃にし
てTMG、TMA、アンモニア、アクセプター不純物源
としてCp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウ
ム)を用い、Mgドープp型Al0.2Ga0.8Nよりなる
p型キャップ層を100オングストロームの膜厚で成長
させた。このp型キャップ層も特に図示していないが、
AlYGa1-YN(0<Y<1)で形成することが好まし
く、1μm以下、さらに好ましくは10オングストロー
ム以上、0.1μm以下の膜厚で成長させることによ
り、InGaNよりなる活性層が分解するのを防止する
キャップ層としての作用があり、また活性層の上にAl
を含むp型窒化物半導体よりなるp型キャップ層を成長
させることにより、発光出力が格段に向上する。逆に活
性層に接するp層をGaNとすると素子の出力が約1/
3に低下してしまう。これはAlGaNがGaNに比べ
てp型になりやすく、またp型キャップ層成長時に、I
nGaNが分解するのを抑える作用があるためと推察さ
れるが、詳しいことは不明である。このp型キャップ層
の膜厚は1μmよりも厚いと、層自体にクラックが入り
やすくなり素子作製が困難となる傾向にある。なおこの
p型キャップ層も省略可能である。
【0023】次に温度を1050℃に保持しながら、T
MG、アンモニア、Cp2Mgを用いMgドープp型G
aNよりなるp型光ガイド層15を500オングストロ
ームの膜厚で成長させた。このp型光ガイド層15は、
Inを含む窒化物半導体若しくはGaNで構成し、好ま
しくは二元混晶または三元混晶のInYGa1-YN(0<
Y≦1)を成長させる。光ガイド層は、通常100オン
グストローム〜1μmの膜厚で成長させることが望まし
く、特にInGaN、GaNとすることにより、次のp
型光閉じこめ層16を結晶性良く成長できる。
【0024】続いて、TMG、TMA、アンモニア、C
p2Mgを用いてMgドープAl0.3Ga0.7Nよりなる
p型光閉じこめ層16を0.5μmの膜厚で成長させ
た。このp型光閉じ込め層16は、Alを含むp型の窒
化物半導体で構成し、好ましくは二元混晶または三元混
晶のAlYGa1-YN(0<Y≦1)とすることにより結
晶性の良いものが得られる。p型光閉じこめ層16はn
型光閉じこめ層12と同じく、0.1μm〜1μmの膜
厚で成長させることが望ましく、AlGaNのようなA
lを含むp型窒化物半導体とすることにより、活性層と
の屈折率差を大きくして光閉じ込め層として有効に作用
する。
【0025】続いて、TMG、アンモニア、Cp2Mg
を用い、Mgドープp型GaNよりなるp型コンタクト
層17を0.5μmの膜厚で成長させた。p型コンタク
ト層17はp型InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦
Y、X+Y≦1)で構成することができ、特にInGa
N、GaN、その中でもMgをドープしたp型GaNと
すると、最もキャリア濃度の高いp型層が得られて、正
電極と良好なオーミック接触が得られ、しきい値電流を
低下させることができる。なお以上説明したn型層の一
般式AlXGa1-XN、p型層のAlXGa1-XN等の組成
比X値は単に一般式を示しているに過ぎず、n型層のXと
p型層のXとが同一の値を示すものではない。また同様
に他の一般式において使用するY値も同一の一般式が同
一の値を示すものではない。
【0026】次に最上層のp型コンタクト層17のほぼ
全面に正電極を形成し、窒化物半導体を成長させていな
い基板10の表面に、対向する負電極を形成した。
【0027】電極形成後、基板側の負電極の上から、窒
化物半導体単結晶基板の
【外1】に相当するウェーハの端部に、スクライバーの
ダイヤモンドポイントカッターを用いて5mm程度の長
さの傷をつけ、その傷に沿って外力によりウェーハを劈
開した。劈開方向は、当然上記したV溝に垂直な方向と
する。このように窒化物半導体層を有するウェーハを劈
開することにより、
【外1】面と
【外4】面に相当する活性層の劈開面が露出した半導体
バーを作製した。この操作により、互いに対向する共振
面が窒化物半導体の劈開性により形成された。なおこの
例は、基板側に傷を付けてウェーハを劈開したが、正電
極側にある窒化物半導体層に傷を付けてウェーハを劈開
してもよいことは云うまでもない。
【0028】以上のようにして得られた半導体バーの劈
開面に誘電体多層膜よりなる反射鏡をスパッタリング装
置を用いて形成した後、ダイシングにより劈開面に垂直
な方向でバーを切断して0.8mm×0.5mm角のレ
ーザ素子とした。このレーザ素子の共振器長は0.8m
mである。さらに、このレーザ素子をヒートシンクに設
置し、常温でパルス発振させたところ、しきい値電流密
度1kA/cm2で410nmのレーザ発振を示した。
【0029】[実施例2]図4は本発明の他の態様に係
るレーザ素子の構造を示す模式的な断面図であり、この
図も共振面と平行な方向で切断した際の図を示してお
り、図3と同一符号は同一部材を示している。このよう
な構造は絶縁体よりなる基板を用いたレーザ素子に多
い。
【0030】実施例1において、基板30に結晶成長面
を(111面)とする1インチφ、厚さ500μmのス
ピネル(MgAl2O4)を用い、原料ガスにTMG、ア
ンモニアを用いて、基板30の表面にGaNよりなるバ
ッファ層を500℃にて、200オングストロームの膜
厚で成長させた。この、バッファ層は基板と窒化物半導
体との格子不整合を緩和する作用があり、他にAlN、
AlGaN等を成長させることも可能であるが、実施例
1のように基板の種類によっては成長されないこともあ
るので、このバッファ層は特に図示していない。
【0031】後は実施例1と同様にしてn型コンタクト
層11〜p型コンタクト層17までを順に積層した後、
窒化物半導体を積層したウェーハを反応容器から取り出
し、反応性イオンエッチング(RIE)装置にて、最上
層のp型コンタクト層17から選択エッチを行い、負電
極を形成すべきn型コンタクト層11の平面を露出させ
た。
【0032】次に、最上層のp型コンタクト層17のほ
ぼ全面に正電極を形成し、エッチングにより露出された
n型コンタクト層11の表面にストライプ状の負電極を
形成した。電極形成後、ウェーハを研磨装置に移送し、
スピネル基板を50μmの厚さになるまで研磨して薄く
した後、電極の上から、窒化物半導体層の
【外1】に相当する窒化物半導体層のウェーハの端にダ
イヤモンドポイントカッターを用いて、実施例1と同様
にして5mm程度の長さの傷をつけ、その傷に沿って外
力によりウェーハを劈開した。劈開方向は、上記したV
溝に垂直な方向、つまり、ストライプ状の負電極に垂直
な方向である。なお、スピネル基板のように、基板に窒
化物半導体と異なる材料を用いる場合、劈開する前に、
基板の厚さを100μm以下、さらに好ましくは80μ
m以下の厚さに研磨することが望ましい。基板の厚さが
100μmよりも厚いと、劈開時に窒化物半導体層は、
基板の割れる方向につられてしまい、窒化物半導体独自
の劈開性で割れにくくなる傾向にあるからである。
【0033】後は実施例1と同様にして、半導体バーの
劈開面に誘電体多層膜よりなる反射鏡をスパッタリング
装置を用いて形成した後、劈開面に垂直方向で、ダイシ
ングによりバーを切断して0.8mm×0.5mm角の
レーザ素子としたところ、しきい値電流密度2kA/cm
2で410nmのパルス発振を示した。なおこのレーザ
素子の共振器長も0.8mmである。
【0034】[実施例3]基板30にサファイア(C
面、0001)を用い、基板研磨時に基板が20μmに
なるまで研磨する他は、実施例2と同様にしてレーザ素
子を作製したところ、実施例2とほぼ同等の特性を示す
レーザ素子が作製できた。
【0035】[実施例4]基板30にSiC(111
面)を用い、基板研磨時に基板が80μmになるまで研
磨する他は、実施例2と同様にしてレーザ素子を作製し
たところ、実施例2とほぼ同等の特性を示すレーザ素子
が作製できた。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、窒
化物半導体の劈開性を用いて共振面が形成できるので、
非常に平滑な鏡面に近い共振面が作製できる。このため
はレーザ素子のしきい値電流を低下させることもできる
ので、窒化物半導体レーザ素子を実用化する上で非常に
有意義である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 窒化物半導体単結晶の面方位を示すユニット
セル図。
【図2】 基板の上に成長された窒化物半導体の結晶構
造を拡大して示す模式的な平面図。
【図3】 本発明の一態様に係るレーザ素子の構造を示
す模式的断面図。
【図4】 本発明の他の態様に係るレーザ素子の構造を
示す模式的な断面図。
【符号の説明】
10、30・・・・基板 11・・・・n型コンタクト層 20・・・・p型電流阻止層 12・・・・n型光閉じ込め層 13・・・・n型光ガイド層 14・・・・活性層 15・・・・p型光ガイド層 16・・・・p型光閉じ込め層 17・・・・p型コンタクト層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化物半導体の 【外1】 【外2】 【外3】 【外4】 【外5】 【外6】 の内のいずれか一種類の面方位に沿った劈開面が、少な
    くとも一方の共振面とされていることを特徴とする窒化
    物半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 基板の上に複数の窒化物半導体層を成長
    させた後、最上層の窒化物半導体層の 【外1】乃至 【外6】面の内のいずれか一種類に相当する面に溝を設
    け、その溝より窒化物半導体を劈開し、劈開された窒化
    物半導体層の劈開面をレーザ素子の少なくとも一方の共
    振面とすることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子の
    共振面の作製方法。
  3. 【請求項3】 窒化物半導体単結晶よりなる基板の上
    に、複数の窒化物半導体層を成長させた後、窒化物半導
    体層を成長させた面と対向する基板の 【外1】乃至 【外6】面の内のいずれか一種類に相当する面に溝を設
    け、その溝より窒化物半導体を劈開し、劈開された窒化
    物半導体層の劈開面をレーザ素子の少なくとも一方の共
    振面とすることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子の
    共振面の作製方法。
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