JP2003017771A - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

Info

Publication number
JP2003017771A
JP2003017771A JP2001195910A JP2001195910A JP2003017771A JP 2003017771 A JP2003017771 A JP 2003017771A JP 2001195910 A JP2001195910 A JP 2001195910A JP 2001195910 A JP2001195910 A JP 2001195910A JP 2003017771 A JP2003017771 A JP 2003017771A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
internal electrode
pair
electrode
piezoelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001195910A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4084549B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Fuda
良明 布田
Toshiyuki Tachikawa
敏之 立川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Tokin Hyogo Ltd
Original Assignee
NEC Tokin Ceramics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Tokin Ceramics Corp filed Critical NEC Tokin Ceramics Corp
Priority to JP2001195910A priority Critical patent/JP4084549B2/ja
Publication of JP2003017771A publication Critical patent/JP2003017771A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4084549B2 publication Critical patent/JP4084549B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力側の負荷整合を適性良く設定してエネル
ギー変換効率を改善し得る圧電トランスを提供すること
にある。 【解決手段】 このローゼンタイプのλモード圧電トラ
ンス用の圧電振動子は、圧電セラミクス矩形板11にお
ける長さ方向の一方の片半分部の表裏主面に対向する一
対の入力用表面電極12,12′を配設して駆動入力部
と成し、他方の片半分部には駆動入力部(中央部)側寄
りの表裏主面に幅方向に帯状に延びた対向する一対の出
力用グランド表面電極13,13′を配設すると共に、
端面側寄りの表裏主面に幅方向に帯状に延びた対向する
一対の出力用表面電極14,14′を配設し、更に、圧
電セラミクス矩形板11の一側面における出力用グラン
ド表面電極13,13′の間と出力用表面電極14,1
4′の間とをそれぞれ厚さ方向で出力用側面電極15,
16により接続して高電圧出力部と成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として圧電性セ
ラミックス矩形板を用いた圧電トランスに関し、詳しく
は圧電トランスの負荷である冷陰極管とのインピーダン
ス整合機能を改良した圧電トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯薄型テレビやノート型パーソ
ナルコンピュータ等の液晶ディスプレイを備えた携帯機
器の普及に伴い、液晶バックライト点灯用に用いられる
インバータにおいては小型化や高効率化が急速に進んで
いる。こうした用途で適用されるインバータには、電磁
誘導の原理に基づく電磁式トランスが用いられている。
ところが、電磁式トランスの場合、小型化や高効率化に
限界がある上、薄型化のために細線を千ターン以上回巻
した構造であるため、使用時に細線の絶縁被覆が破壊し
て発煙や発火の危険性を有するものとなっている。
【0003】そこで、最近では電磁式トランスに代わっ
て機械振動を利用して電圧変換を行うタイプの圧電トラ
ンスが研究開発されて注目されており、一部のインバー
タでの実用化が進んでいる。この圧電トランスは、小型
化や高効率化を簡単に具現できる他、発煙や発火の危険
性が無く、携帯機器へ適用した場合に電磁ノイズの発生
を低減した上、機器自体の小型低背化を容易に図り得る
等の優れた利点があるため、今後広範囲な分野で普及す
るものと考えられている。既に、圧電トランスは、様々
な構造のタイプのものが研究開発されている。
【0004】図4は、従来のローゼンタイプのλモード
圧電トランスに用いられる圧電振動子の基本構成を示し
た外観斜視図である。この圧電振動子は、一方向を長さ
方向とする圧電セラミックス矩形板41における長さ方
向の一方の片半分部の表裏主面に厚さ方向で対向する一
対の入力用表面電極42,42′を配設すると共に、一
方の片半分部とは反対側の長さ方向における他方の片半
分部の厚さ方向と平行な端面に出力用表面電極43を配
設して構成されている。又、この圧電振動子は、圧電セ
ラミックス矩形板41における対向する一対の入力用表
面電極42,42′の間を矢印で示されるように厚さ方
向に分極して一方の片半分部を駆動入力部とすると共
に、出力用表面電極43から入力用表面電極42,4
2′の対向する部分までの間を矢印で示されるように長
さ方向に分極して他方の片半分部を高電圧出力部とした
構造となっている。
【0005】このような圧電振動子を用いて作製した圧
電トランスでは、駆動入力部における入力用表面電極4
2,42′に圧電セラミックス矩形板41の長さ方向の
λ共振モードの共振周波数にほぼ等しい周波数の入力電
圧を印加すると、入力用表面電極42,42′と出力用
表面電極43の間には圧電縦効果により電圧が発生す
る。ここで、入力用表面電極42,42′に印加した入
力電圧、並びに入力用表面電極42,42′と出力用表
面電極43との間に発生した出力電圧の関係について説
明すると、入力用表面電極42,42′が対向する間隔
は入力用表面電極42,42′と出力用表面電極43と
の間隔に比べ十分に小さく、しかも入力用表面電極4
2,42′の面積は出力用表面電極43の面積より十分
に大きいため、入力側の静電容量は出力側の静電容量に
比べて十分大きな値となる。従って、圧電トランスで
は、入力側の駆動入力部において低い入力電圧を印加し
て圧電振動子を振動させた場合、出力側の高電圧出力部
において入力側の電極間隔と入力側電極及び出力側電極
間の間隔との比、及び入出力側の静電容量の比に反比例
した大きな出力電圧が発生する。
【0006】図5は、従来のローゼンタイプの圧電トラ
ンスを長さ方向に駆動したときの定在波の振動応力分布
を示したもので、同図(a)はλ/2モードの圧電トラ
ンスに関するもの,同図(b)はλモードの圧電トラン
スに関するものである。尚、図5(a),(b)中では
圧電振動子の長さ方向である横軸(X軸)方向に対して
定在波振動の応力の大きさを縦軸(Y軸)方向に表わし
ている。
【0007】図5(a)を参照すれば、λ/2モードの
圧電トランスでは、圧電振動子の長さ方向の中央部が応
力最大で、両端部が応力ゼロの1/2波長の正弦波分布
を示していることが判る。
【0008】これに対し、図5(b)を参照すれば、λ
モードの圧電トランスでは圧電振動子の長さ方向に両端
部から1/4の箇所が応力最大の1波長の正弦波分布を
示していることが判る。
【0009】これらの応力分布が示す応力による圧電効
果が圧電トランスの出力電圧となり、高電圧出力部の応
力分布の積分値が出力電圧となる。従って、図5(a)
に示すλ/2モードの圧電トランスでは圧電振動子の中
央部付近での応力が出力電圧に大きく寄与し、図5
(b)に示すλモードの圧電トランスでは圧電振動子の
高電圧出力部の中央部付近での応力が出力電圧に大きく
寄与することになる。
【0010】ところで、液晶バックライトに使用されて
いる冷陰極管の安定点灯時の電気抵抗値は、その太さ,
長さ,封入ガスの種類等に依存するが、通常数10k〜
百数10kΩ程度である。圧電トランスの出力側に冷陰
極管が接続された場合、圧電トランスと冷陰極管との負
荷整合が良いときにエネルギー伝達効率が良くなり、エ
ネルギー伝達効率が改善されることは良く知られてい
る。
【0011】具体的に言えば、圧電トランスの出力側の
制動容量をCd2、冷陰極管の抵抗をRL、駆動周波数
をf、角周波数をω(=2πf)としたとき、RL=1
/ωCd2なる関係式1が成立するときに負荷整合が最
も良くなり、エネルギー伝達効率が最大となる。
【0012】図4に示したローゼンタイプの圧電トラン
スの場合、高電圧出力部の制動容量Cd2は、高電圧出
力部の端面に形成された出力用表面電極43と駆動入力
部の入力用表面電極42,42′との間の静電容量にほ
ぼ一致するので、εを圧電振動子材料の誘電率、ε0
圧電振動子材料の真空中における誘電率、Sを対向電極
面積、tを対向電極間の距離としたとき、Cd2=εε
0 S/tなる関係式2で表わすことができる。
【0013】実用的な寸法として、長さ42mm,幅5
mm,厚さ1.5mmの圧電振動子を用いて駆動周波数
を約80kHzとした場合のローゼンタイプの圧電トラ
ンスにおける制動容量とインピーダンス整合の負荷抵抗
値とを関係式2と関係式1とからそれぞれ計算すると、
制動容量は3.8pF、インピーダンス整合の負荷抵抗
値は520kΩとして求められる。
【0014】ところが、この負荷抵抗値520kΩは、
実際の冷陰極管の抵抗値百数十kΩより数倍大きな値と
なり、圧電トランスと冷陰極管との負荷整合が悪くな
り、結果的にエネルギー伝達効率が低下してしまうとい
う問題を発生する。
【0015】そこで、このような圧電トランスにおける
エネルギー伝達効率を改善するため、特開平9−321
362号公報や特開平11−330579号公報等には
圧電セラミック矩形板の電極構造を改良した技術が開示
されている。前者の場合、圧電セラミック矩形板の表裏
主面と長さ方向の一端面とに電極を形成したローゼンタ
イプの圧電トランスであり、負荷抵抗値の変動に対して
駆動入力部の表裏主面の電極を高電圧出力部まで延長
し、出力電圧の周波数特性を急峻にしてエネルギー伝達
効率を改善したもので、後者の場合、前者の構造を内部
電極層構造のものへと変更して構成したもので、前者の
場合と同等な効果を得ている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述したエネルギー伝
達効率を改善したローゼンタイプの圧電トランスの場
合、何れのものにおいても、振動モードがλ/2のとき
には応力分布が図5(a)に示したものと同じ方向とな
るために或る程度の効果を期待できるが、振動モードが
λモードのときには表裏主面電極や内部電極層を高電圧
出力部に延長した構造であれば、応力分布が図5(b)
に示したものと逆符号になって出力電圧をキャンセルす
る作用が働くため、圧電トランスの出力電圧が低下して
しまうことにより、エネルギー伝達効率の改善効果を期
待できないという問題がある。
【0017】本発明は、このような問題点を解決すべく
なされたもので、その技術的課題は、出力側の負荷整合
を適性良く設定してエネルギー変換効率を改善し得る圧
電トランスを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、圧電セ
ラミック矩形板の長さ方向の一方の片半分部における厚
さ方向に対向する入力用表面電極又は厚さ方向に複数の
内部電極層を積層して成る入力用内部電極を有する駆動
入力部と、圧電セラミック矩形板の長さ方向の他方の片
半分部における厚さ方向に対向する出力用表面電極又は
厚さ方向に複数の内部電極層を積層して成る出力用内部
電極を有する高電圧出力部とを有する圧電トランスにお
いて、出力用表面電極は、他方の片半分部における表裏
主面の駆動入力部側寄りに幅方向に帯状に延びて配設さ
れた対向する一対の出力用グランド表面電極と、他方の
片半分部における表裏主面の端面側寄りに幅方向に帯状
に延びて対向する一対の出力用グランド表面電極と所定
の距離を隔てて配設された対向する一対の出力用表面電
極とを含み、出力用内部電極は、他方の片半分部内で駆
動入力部側寄りに幅方向に帯状に延びて厚さ方向に積層
された出力用グランド内部電極と、他方の片半分部内で
端面側寄りに幅方向に帯状に延びて出力用グランド内部
電極と所定の距離を隔てて厚さ方向に積層された出力用
内部電極とを含み、他方の片半分部の側面における対向
する一対の出力用グランド表面電極の間と対向する一対
の出力用表面電極の間とはそれぞれ厚さ方向で出力用側
面電極により接続され、他方の片半分部の側面に露呈す
る出力用グランド内部電極の端部と出力用グランド内部
電極の端部とはそれぞれ厚さ方向で出力用側面外部電極
により接続されて成る圧電トランスが得られる。
【0019】又、本発明によれば、上記圧電トランスに
おいて、高電圧出力部の長さをLとし、且つ対向する一
対の出力用グランド表面電極及び対向する一対の出力用
表面電極の長さ方向での幅寸法又は出力用グランド内部
電極及び出力用内部電極の長さ方向での幅寸法をL1と
した場合、L1/Lの値が0.05〜0.25の範囲に
ある圧電トランスが得られる。
【0020】更に、本発明によれば、上記圧電トランス
において、高電圧出力部の長さをLとし、且つ対向する
一対の出力用グランド表面電極と対向する一対の出力用
表面電極との間の長さ方向での距離又は出力用グランド
内部電極と出力用内部電極との間の長さ方向での距離を
L2とした場合、L2/Lの値が0.5〜0.8の範囲
にある圧電トランスが得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に幾つかの実施例を挙げ、本
発明の圧電トランスについて、図面を参照して詳細に説
明する。
【0022】[実施例1]図1は、本発明の実施例1に
係るローゼンタイプのλモード圧電トランスに用いられ
る圧電振動子の基本構成を示したもので、同図(a)は
圧電振動子の外観斜視図に関するもの,同図(b)は高
電圧出力部における電極幅寸法を示した圧電振動子の平
面図に関するものである。
【0023】ここでは、先ず図1(a),(b)に示す
圧電振動子を作製するため、チタン酸−ジルコン酸鉛系
圧電セラミクス(PZT)仮焼粉末を用いて乾式プレス
成形,焼成,研削加工をこの順で経ることにより、寸法
として長さが42mm、幅が5mm、厚さが1.5mm
の圧電セラミクス矩形板11を得た後、この圧電セラミ
クス矩形板11の長さ方向の一方の片半分部における表
裏主面に電極ペーストを印刷して焼き付けることによ
り、対向する一対の入力用表面電極12,12′を配設
して駆動入力部と成し、他方の片半分部には同じ電極ペ
ーストを使用して駆動入力部(中央部)側寄りの表裏主
面に長さ方向での幅寸法がL1で幅方向に帯状に延びた
対向する一対の出力用グランド表面電極13,13′を
配設すると共に、端面側寄りの表裏主面に長さ方向での
幅寸法がL1で幅方向に帯状に延びた対向する一対の出
力用表面電極14,14′を配設し、更に接続端子数を
減少させて分極時の電界の集中を緩和するため、圧電セ
ラミクス矩形板11の一側面における対向する一対の出
力用グランド表面電極13,13′の間と対向する一対
の出力用表面電極14,14′の間とをそれぞれ厚さ方
向で出力用側面電極15,16により接続して長さLの
高電圧出力部と成すことにより、ローゼンタイプのλモ
ード圧電トランス用の圧電振動子を試作した。
【0024】ここで、圧電振動子の高電圧出力部におけ
る出力用グランド表面電極13,13′及び出力用表面
電極14,14′の幅寸法L1を可変することにより、
幅寸法L1/長さLの値が異なる4種類の圧電トランス
を試作し、これらの各圧電トランス(実施例1とする)
と図4に示した従来構造の圧電セラミクス矩形板41に
よる圧電振動子を用いた同じ寸法の圧電トランス(比較
例とする)とにおける高電圧出力部の実効的な電気機械
結合係数である出力部結合係数(%)、出力部制動容量
(pF)、上述した関係式1で計算される整合負荷値
(kΩ)、及び高電圧出力部の圧電活性比率を示す出力
活性部(%)を測定し、更に各圧電トランスに対して負
荷として抵抗150kΩの冷陰極管を接続すると共に、
点灯出力電流を5mA、駆動周波数(kHz)を82k
Hzとして入力電圧(VRMS )を変えた条件下における
各種特性、即ち、入力電力(W)、出力電圧
(VRMS )、出力電力(W)、効率(%)、昇圧比、発
熱(deg.)、及び効果を調べたところ、表1に示す
ような結果となった。
【0025】
【表1】 表1からは、高電圧出力部における出力用表面グランド
電極13,13′及び出力用表面電極14,14′の幅
寸法L1を大きくすると、L1/Lの値と出力部制動容
量(pF)の値とが大きくなり、整合負荷値(kΩ)の
計算値が小さくなることが判る。この整合負荷値(k
Ω)は、冷陰極管の実負荷抵抗値が150kΩであるの
に対し、比較例の場合には約4倍程度高くなっている
が、実施例1の場合には1.5〜3.3倍になってお
り、圧電トランスとして効率や発熱が改善されているこ
とを示している。但し、L1/Lの値を0.3まで大き
くすると、出力活性部(%)が58%に減少し、出力部
結合係数(%)も37%まで低下してしまうため、その
結果として効率(%)が69%に低下すると共に、発熱
(deg.)も大きくなってしまうので、良い効果が得
られなくなってしまう。従って、L1/Lの値は0.2
5程度が上限である。このL1/Lの値は、より詳細に
吟味したところ、0.05〜0.25の範囲にあること
が好ましいことが判った。この他、表1からは、出力部
制動容量(pF)を大きくし、出力インピーダンスの負
荷整合である整合負荷値(kΩ)を改善した場合には、
圧電トランスの効率(%)が3%程度向上していること
が判る。
【0026】因みに、図1(a),(b)に示した外観
の電極パターンを有する圧電トランスは、対向する一対
の入力用表面電極12,12′を一方の片半分部内で厚
さ方向に積層された入力用内部電極とすると共に、対向
する一対の出力用グランド表面電極13,13′を他方
の片半分部内で駆動入力部側寄りに幅方向に帯状に延び
て厚さ方向に積層された出力用グランド内部電極とし、
且つ対向する一対の出力用表面電極14,14′を他方
の片半分部内で端面側寄りに幅方向に帯状に延びて出力
用グランド内部電極と所定の距離を隔てて厚さ方向に積
層された出力用内部電極とし、更に、出力用側面電極1
5,16を出力用側面外部電極として置き換えることに
より、内部電極構造へと変更した構成にすることもでき
る。この場合においても、高電圧出力部の長さをLと
し、且つ出力用グランド内部電極及び出力用内部電極の
長さ方向における幅寸法をL1とした場合、同様にL1
/Lの値を0.05〜0.25の範囲にすることが望ま
しい。
【0027】[実施例2]図2は、本発明の実施例2に
係るローゼンタイプのλ/2モード圧電トランスに用い
られる圧電振動子を作製するために用いられる圧電セラ
ミックグリーンシートの基本構成を示したもので、同図
(a)は異なる電極パターンが配設された一対の圧電セ
ラミックグリーンシート21a,21bの平面図に関す
るもの,同図(b)は高電圧出力部における電極パター
ン幅寸法を示す圧電セラミックグリーンシートの平面図
に関するものである。図3は、図2(a),(b)に示
した圧電セラミックグリーンシート21a,21bを積
層して成る圧電振動子の基本構成を示した外観斜視図で
ある。
【0028】ここでは、先ず図2(a),(b)に示す
圧電セラミックグリーンシート21a,21bを作製す
るため、出発原料としてチタン酸−ジルコン酸鉛系圧電
セラミクス(PZT)仮焼粉末を用いてグリーンシート
法により厚さ115ミクロンの圧電セラミックグリーン
シートを得た後、銀/パラジウム電極ペーストを用いて
スクリーン印刷により圧電セラミックグリーンシート上
における長さ方向の一方の片半分部に図2(a)に示さ
れるような異なる入力用内部電極パターン22,22′
を配設して駆動入力部と成し、他方の片半分部には駆動
入力部(中央部)側寄りに幅方向に帯状に延びた出力用
グランド内部電極パターン23を配設すると共に、端面
側寄りに幅方向に帯状に延びた出力用内部電極パターン
24を出力用グランド内部電極パターン23に対して距
離L2となるように配設して長さLの高電圧出力部と成
した異なる電極パターンを持つ2種の圧電セラミックグ
リーンシート21a,21bのパターンが並設された母
材シートを作製した。
【0029】次に、この母材シートを所定の寸法に切断
して2種の圧電セラミックグリーンシート21a,21
bを多数得てから、これらを交互に15層積層圧着して
一体化した後、大気中1100℃で2時間焼結すること
により長さが29mm、幅が7mm、厚さが1.5mm
の焼結体を得た。
【0030】この焼結体は、一方の片半分部の駆動入力
部において入力用内部電極パターン22,22′が交互
に積層されて対向する側面に露呈された構造の入力用内
部電極を有すると共に、他方の片半分部の高電圧出力部
において出力用グランド内部電極パターン23,出力用
内部電極パターン24が積層されてそれぞれ対向する側
面に露呈された構造の出力用内部電極を有する図3に示
される圧電セラミック矩形板31として構成される。
【0031】更に、図3に示されるように、圧電セラミ
ック矩形板31の駆動入力部において対向する側面に露
呈された入力用内部電極に対してそれぞれ厚さ方向に入
力用側面外部電極32,32′を接続すると共に、高電
圧出力部において対向する側面に露呈された出力用グラ
ンド内部電極パターン23の端部と出力用内部電極パタ
ーン24の端部とに対して一側面でそれぞれ厚さ方向に
出力用側面外部電極33,34を接続することにより、
ローゼンタイプのλ/2モード圧電トランス用の圧電振
動子を試作した。
【0032】ここで、圧電振動子の高電圧出力部におけ
る帯状の出力用グランド内部電極パターン23(出力用
グランド内部電極)及び出力用内部電極パターン24
(出力用内部電極)の幅を0.8mmとし、出力用グラ
ンド内部電極パターン23と出力用内部電極パターン2
4との間の距離L2を可変することにより、距離L2/
長さLの値が異なる4種類の圧電トランスを試作し、こ
れらの各圧電トランス(実施例2とする)と従来の内部
電極構造の圧電セラミクス矩形板による圧電振動子を用
いた同じ寸法の圧電トランス(比較例とする)とにおけ
る高電圧出力部の実効的な電気機械結合係数である出力
部結合係数(%)、出力部制動容量(pF)、上述した
関係式1で計算される整合負荷値(kΩ)、及び高電圧
出力部の圧電活性比率を示す出力活性部(%)を測定
し、更に各圧電トランスに対して負荷として抵抗120
kΩの冷陰極管を接続すると共に、点灯出力電流を3.
5mA、駆動周波数(kHz)を60kHzとして入力
電圧(VRMS )を変えた条件下における各種特性、即
ち、入力電力(W)、出力電圧(VRMS )、出力電力
(W)、効率(%)、昇圧比、発熱(deg.)、及び
効果を調べたところ、表2に示すような結果となった。
【0033】
【表2】 表2からは、高電圧出力部における出力用グランド内部
電極パターン23と出力用内部電極パターン24との間
の距離L2を小さくすると、出力部制動容量(pF)の
値が大きくなり、整合負荷値(kΩ)の計算値が小さく
なることが判る。この整合負荷値(kΩ)は、冷陰極管
の実負荷抵抗値が120kΩであるのに対し、比較例の
場合には約3倍程度高くなっているが、実施例2の場合
には1.5〜2.6倍になっており、圧電トランスとし
て効率や発熱が改善されていることを示している。但
し、L2/Lの値を0.47まで小さくすると、出力活
性部(%)が47%に減少し、出力部結合係数(%)も
36%まで低下してしまうため、その結果として効率
(%)が71%に低下すると共に、発熱(deg.)も
大きくなってしまうので、良い効果が得られなくなって
しまう。従って、L2/Lの値は0.5程度が下限であ
る。即ち、L2/Lの値は、0.5〜0.8の範囲とす
ることが好ましい。この他、表2からは、出力部制動容
量(pF)を大きくし、出力インピーダンスの負荷整合
である整合負荷値(kΩ)を改善した場合には、圧電ト
ランスの効率(%)が6%程度向上していることが判
る。
【0034】因みに、実施例2に係る内部電極構造の圧
電トランスは、実施例1に係る圧電トランスと基本構造
が異なるが、ここでも駆動入力部における表裏主面に露
呈した入力用内部電極パターン22,22´を実施例1
の場合と同様に対向する一対の入力用表面電極とすると
共に、高電圧出力部における表裏主面に露呈した出力用
グランド内部電極パターン23,出力用内部電極パター
ン24をそれぞれ対向する一対の出力用グランド表面電
極,対向する一対の出力用表面電極とし、更に、出力用
側面外部電極33,34を出力用側面電極として置き換
えることにより、表面電極構造へと変更した構成にする
こともできる。この場合も、高電圧出力部の長さをLと
し、対向する一対の出力用グランド表面電極と対向する
一対の出力用表面電極との間の長さ方向での距離をL2
とした場合、同様にL2/Lの値を0.5〜0.8の範
囲とすることが望ましい。
【0035】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明の圧電トラ
ンスによれば、表面電極構造並びに内部電極構造の圧電
セラミクス矩形板による圧電振動子における高電圧出力
部に用いる電極のパターンを工夫して改良すると共に、
電極間の距離を適性な値の範囲に選定することにより、
高電圧出力部における制動容量を変化させて負荷抵抗と
の整合を適性良く設定できるようにしているので、結果
としてエネルギー変換効率が改善されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るローゼンタイプのλモ
ード圧電トランスに用いられる圧電振動子の基本構成を
示したもので、(a)は圧電振動子の外観斜視図に関す
るもの,(b)は高電圧出力部における電極幅寸法を示
した圧電振動子の平面図に関するものである。
【図2】本発明の実施例2に係るローゼンタイプのλ/
2モード圧電トランスに用いられる圧電振動子を作製す
るために用いられる圧電セラミックグリーンシートの基
本構成を示したもので、(a)は異なる電極パターンが
配設された一対の圧電セラミックグリーンシートの平面
図に関するもの,(b)は高電圧出力部における電極パ
ターン幅寸法を示した圧電セラミックグリーンシートの
平面図に関するものである。
【図3】図2(a),(b)に示した圧電セラミックグ
リーンシートを積層して成る圧電振動子の基本構成を示
した外観斜視図である。
【図4】従来のローゼンタイプのλモード圧電トランス
に用いられる圧電振動子の基本構成を示した外観斜視図
である。
【図5】従来のローゼンタイプの圧電トランスを長さ方
向に駆動したときの定在波の振動応力分布を示したもの
で、(a)はλ/2モードの圧電トランスに関するも
の,(b)はλモードの圧電トランスに関するものであ
る。
【符号の説明】
11,31,41 圧電セラミクス矩形板 12,12′,42,42′ 入力用表面電極 13,13′ 出力用グランド表面電極 14,14′,43 出力用表面電極 15,16 出力用側面電極 21a,21b 圧電セラミクスグリーンシート 22,22′ 入力用内部電極パターン 23 出力用グランド内部電極パターン 24 出力用内部電極パターン 32,32′ 入力用側面外部電極 33,34 出力用側面外部電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミック矩形板の長さ方向の一方
    の片半分部における厚さ方向に対向する入力用表面電極
    又は厚さ方向に複数の内部電極層を積層して成る入力用
    内部電極を有する駆動入力部と、前記圧電セラミック矩
    形板の長さ方向の他方の片半分部における厚さ方向に対
    向する出力用表面電極又は厚さ方向に複数の内部電極層
    を積層して成る出力用内部電極を有する高電圧出力部と
    を有する圧電トランスにおいて、前記出力用表面電極
    は、前記他方の片半分部における表裏主面の前記駆動入
    力部側寄りに幅方向に帯状に延びて配設された対向する
    一対の出力用グランド表面電極と、前記他方の片半分部
    における表裏主面の端面側寄りに幅方向に帯状に延びて
    前記対向する一対の出力用グランド表面電極と所定の距
    離を隔てて配設された対向する一対の出力用表面電極と
    を含み、前記出力用内部電極は、前記他方の片半分部内
    で前記駆動入力部側寄りに幅方向に帯状に延びて厚さ方
    向に積層された出力用グランド内部電極と、前記他方の
    片半分部内で端面側寄りに幅方向に帯状に延びて前記出
    力用グランド内部電極と所定の距離を隔てて厚さ方向に
    積層された出力用内部電極とを含み、前記他方の片半分
    部の側面における前記対向する一対の出力用グランド表
    面電極の間と前記対向する一対の出力用表面電極の間と
    はそれぞれ厚さ方向で出力用側面電極により接続され、
    前記他方の片半分部の側面に露呈する前記出力用グラン
    ド内部電極の端部と前記出力用グランド内部電極の端部
    とはそれぞれ厚さ方向で出力用側面外部電極により接続
    されて成ることを特徴とする圧電トランス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧電トランスにおいて、
    前記高電圧出力部の長さをLとし、且つ前記対向する一
    対の出力用グランド表面電極及び前記対向する一対の出
    力用表面電極の長さ方向での幅寸法又は前記出力用グラ
    ンド内部電極及び前記出力用内部電極の長さ方向での幅
    寸法をL1とした場合、L1/Lの値が0.05〜0.
    25の範囲にあることを特徴とする圧電トランス。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の圧電トランスにおいて、
    前記高電圧出力部の長さをLとし、且つ前記対向する一
    対の出力用グランド表面電極と前記対向する一対の出力
    用表面電極との間の長さ方向での距離又は前記出力用グ
    ランド内部電極と前記出力用内部電極との間の長さ方向
    での距離をL2とした場合、L2/Lの値が0.5〜
    0.8の範囲にあることを特徴とする圧電トランス。
JP2001195910A 2001-06-28 2001-06-28 圧電トランス Expired - Lifetime JP4084549B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001195910A JP4084549B2 (ja) 2001-06-28 2001-06-28 圧電トランス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001195910A JP4084549B2 (ja) 2001-06-28 2001-06-28 圧電トランス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003017771A true JP2003017771A (ja) 2003-01-17
JP4084549B2 JP4084549B2 (ja) 2008-04-30

Family

ID=19033811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001195910A Expired - Lifetime JP4084549B2 (ja) 2001-06-28 2001-06-28 圧電トランス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4084549B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011512778A (ja) * 2008-02-15 2011-04-21 ノリアック エイ/エス 共振コンバータにおける整合負荷のエミュレーション

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011512778A (ja) * 2008-02-15 2011-04-21 ノリアック エイ/エス 共振コンバータにおける整合負荷のエミュレーション

Also Published As

Publication number Publication date
JP4084549B2 (ja) 2008-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100436637B1 (ko) 압전트랜스포머
JP3553028B2 (ja) 蛍光灯用圧電トランス
JP3170642B1 (ja) 圧電セラミック変圧器及びこれを利用した冷陰極線蛍光管を駆動するための回路
US20040201328A1 (en) Laminated piezoelectric transformer
KR100485399B1 (ko) 압전 트랜스포머
JP3706509B2 (ja) 圧電トランス
JP4084549B2 (ja) 圧電トランス
WO2004086525A1 (fr) Transformateur d'attaque en piezoceramique non symetrique
JPH10241993A (ja) 積層セラミック電子部品
JP3060666B2 (ja) 厚み縦振動圧電磁器トランスとその駆動方法
JP2003017772A (ja) 圧電セラミックトランス回路
JP4743936B2 (ja) 圧電トランス及びコンバータ
JP4721540B2 (ja) 圧電トランス及び電源装置
JP3673433B2 (ja) 圧電トランス
JP2000244033A (ja) 積層型圧電トランス
JP3659309B2 (ja) 圧電トランス
JP3186046B2 (ja) 圧電セラミックトランス及びその駆動方法
JP2003142747A (ja) 積層圧電トランス
JP2001210889A (ja) 圧電トランス
JP3709114B2 (ja) 圧電トランス
JP2003008098A (ja) 積層型圧電トランス
JP2002009363A (ja) 圧電トランス
JP4831859B2 (ja) 圧電トランス
JP2004335939A (ja) ローゼン型圧電トランス
JP2004319865A (ja) 圧電トランス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040809

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050614

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071017

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4084549

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term