JP2003017382A - 露光装置およびデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置およびデバイス製造方法

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JP2003017382A
JP2003017382A JP2001196006A JP2001196006A JP2003017382A JP 2003017382 A JP2003017382 A JP 2003017382A JP 2001196006 A JP2001196006 A JP 2001196006A JP 2001196006 A JP2001196006 A JP 2001196006A JP 2003017382 A JP2003017382 A JP 2003017382A
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projection optical
exposure
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Hiroshi Inada
博志 稲田
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スループットを低下させることなく、ベース
ライン量の変化を常時把握できるようにする。 【解決手段】 基板の位置を制御するための基板ステー
ジ14と、原板Rのパターンを基板ステージ上の基板に
投影して露光を行うための投影光学系13と、基板ステ
ージ上の基準マークFMまたは基板のアライメントマー
クの位置を検出する第1の位置検出装置30と、投影光
学系を介して基準マークFMの位置を検出する第2の位
置検出装置60a,60bとを備え、第1および第2位
置検出装置による基準マークFMの位置検出結果および
第1位置検出装置による前記アライメントマークの位置
検出結果に基づいて基板の位置合せを行い、露光を行う
露光装置において、第1位置検出装置による位置検出の
基準となる部材39上に、第2位置検出装置により投影
光学系を介して検出可能な指標マークを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフ・アクシス方
式の基板アライメント系を備え、原板と感光性基板とを
同期させてそれぞれ所定の方向に走査移動することによ
り、原板上のパターンを逐次感光性基板上に露光する走
査型露光装置等の露光装置およびこれを用い得るデバイ
ス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体素子、液晶表示素子、薄
膜磁気ヘッド等をフォトリソグラフィ工程を経て製造す
る際には、フォトマスクまたはレチクル(以下、「レチ
クル」という)のパターンを感光性の基板ウェハやガラ
スプレート(以下、「ウェハ」という)上に転写する投
影露光装置が用いられている。近年、半導体素子等は益
々パターンが微細化している。これを実現するために
は、投影光学系の解像力を高める必要がある。解像力を
高めるには、露光光の波長を短波長化する、投影光学系
の開口数を増大する等の手法がある。一方、半導体素子
1個のチップパターンについてみると、大型化する傾向
にある。このため、より大面積のパターンを露光できる
装置が必要とされている。パターンの微細化および大型
化を同時に満足するためには、露光領域が大きくかつ解
像力の高い投影光学系が必要となる。しかしながら露光
領域を大きくすればするほど、解像力を高めれば高める
ほど、露光領域全域でのディストーション等の結像性能
を所定の精度に維持することが困難となる。
【0003】そこで現在注目されているのが走査型露光
装置である。走査型露光装置においては、矩形状、円弧
状等のスリット状の照明領域に対して相対的に、レチク
ルおよびウェハを同期させて走査移動しながら、レチク
ルのパターンをウェハに転写する。この方式では、レチ
クルをスリット状に照明するので、投影光学系の一部し
か使用しない。このため、ディストーション等の結像性
能を所定の精度に維持し易いという利点がある。また、
レチクルをスリット状に照明することによって投影光学
系の有効露光領域の最大直径を使用することができると
ともに、走査することにより、走査方向には光学系の制
限を受けることなく露光領域を拡大することができると
いう利点がある。
【0004】走査型露光装置、特にウェハ上の各ショッ
ト領域をステッピング方式で走査開始位置に移動した
後、それらショット領域に走査露光方式でレチクルパタ
ーンを露光するステップアンドスキャン方式の投影式走
査型露光装置が、特開平8−78341号公報において
提案されている。本提案は、レチクルステージ上および
ウェハレベリングテーブル上の所定位置にそれぞれ基準
プレートを設け、それぞれの基準プレート上に左右で対
となっている基本マークを設け、これらを投影光学系を
介し重ね合わせて観察してそれぞれのX方向のズレを計
測し、その計測値より投影倍率の変動を算出するという
ものである。他の投影式走査型露光装置として特開平7
−176468号公報において提案されているものがあ
る。本提案は、レチクルステージ上およびウェハステー
ジ上の所定位置にそれぞれ基準プレートを設け、それぞ
れの基準プレート上に走査方向に2列の基準マークを設
け、これらを投影光学系を介し重ね合わせて観察し、そ
れぞれの誤差を計測し、計測結果より座標計測系の計測
誤差の補正を行い、そしてレチクル座標系とウェハ座標
系との間の変換パラメータを求めるというものである。
【0005】露光装置におけるウェハとレチクルのアラ
イメントについては、投影光学系を介してウェハのア
ライメントマークの位置を測定するTTL方式、投影
光学系を介することなく直接ウェハのアライメントマー
クの位置を計測するオフ・アクシス方式、投影光学系
を介してウェハとレチクルを同時に観察して両者の相対
位置関係を検出するTTR方式等がある。これらに用い
られるアライメントセンサを使用して、レチクルとウェ
ハとのアライメントを行う場合、予めアライメントセン
サの計測中心とレチクルのパターンの投影像の中心(露
光中心)との間隔であるベースライン量が求められる。
そして、アライメントセンサによってアライメントマー
クの計測中心からのずれ量が検出され、このずれ量をベ
ースライン量で補正した距離だけウェハを移動すること
によって当該ショット領域の中心が露光中心に正確に位
置合せされる。
【0006】ところが、露光装置を維持して使用する過
程で、次第にベースライン量が変動することがある。こ
のベースライン変動が生じると、アライメント精度(重
ね合せ精度)が低下する。したがって従来、例えば定期
的にアライメントセンサの計測中心と露光中心との間隔
を正確に計測するためのベースラインチェックが行われ
ている。
【0007】図7は、従来の投影露光装置におけるベー
スライン計測の原理を模式的に示す図である。同図に示
すように、レチクルRには中心Cを挟んで対称な位置に
マークRMaとマークRMbが設けられている。レチク
ルRはレチクルステージ9上に保持され、レチクルステ
ージ9はレチクルRの中心Cが投影光学系13の光軸A
Xに合致するようにレチクルRを移動する。ウェハステ
ージ14上には、感光基板の表面に形成されたアライメ
ントマークと同等の基準マークFMを有する基準部材F
Pが感光基板と干渉しない位置に付設され、この基準マ
ークFMが投影光学系13の投影視野内の所定位置にく
るようにウェハステージ14を位置決めすると、レチク
ルRの上方に設けられたTTL(スルー・ザ・レンズ)
方式のマスクアライメント系60aによって、レチクル
RのマークRMaと基準マークFMとが同時に検出され
る。また、ウェハステージ14を別の位置に移動する
と、マスクアライメント系60bによってレチクルRの
マークRMbと基準マークFMを同時に検出することが
できる。
【0008】投影光学系13の外側(投影視野外)に
は、オフ・アクシス方式のアライメントセンサ30が固
設されている。アライメントセンサ30の光軸は、投影
像側面では投影光学系13の光軸AXと平行である。そ
してアライメントセンサ30の内部には、感光基板上の
マークまたは基準マークFMをアライメントする際の基
準となる視準マークがガラス板に設けられ、投影像面
(感光基板表面または基準マークFMの面)とほぼ共役
に配置されている。
【0009】この構成においてベースライン量を計測す
るには、図7に示すように、まず、マスクアライメント
系60aを用いてレチクルRのマークRMaと基準部材
FP上の基準マークFMとがアライメントされたときの
ウェハステージ14の位置X1をレーザ干渉計で計測す
る。次に、同様に、マスクアライメント系60bを用い
てレチクルRのマークRMbと基準マークFMとがアラ
イメントされたときのウェハステージ14の位置X2お
よびアライメントセンサ30の指標マークと基準マーク
FMとがアライメントされたときのウェハステージ14
の位置X4をレーザ干渉計等でそれぞれ計測する。位置
X1とX2の中心位置をX3とすると、位置X3は投影
光学系13の光軸AX上にあり、レチクル中心Cと共役
な位置である。
【0010】ベースライン量BLは、差(X3−X4)
を計算することにより求められる。このベースライン量
BLは、後で感光基板上のアライメントマークをアライ
メントセンサ30でアライメントして投影光学系13の
直下に送り込むときの基準量となるものである。すなわ
ち、感光基板上の1ショット(被露光領域)の中心と感
光基板上のアライメントマークとの間隔をXP、感光基
板上のアライメントマークがアライメントセンサ30の
指標マークと合致したときのウェハステージ14の位置
をX5とすると、ショット中心とレチクル中心Cとを合
致させるためには、ウェハステージ14を、(X5−B
L−XP)または(X5−BL+XP)の位置に移動さ
せればよい。
【0011】このように、オフ・アクシス方式のアライ
メントセンサ30を用いて感光基板上のアライメントマ
ーク位置を検出した後、ベースライン量BLに関連する
一定量だけウェハステージ14を送り込むだけで、直ち
にレチクルRのパターンを感光基板上のショット領域に
正確に重ね合わせて露光することができる。なお、ここ
では1次元方向についてのみ考えたが、実際には2次元
で考える必要がある。
【0012】ここで重要なのは、ベースライン量BLで
あり、このベースライン量BLが正確に計測されている
ことが高精度にアライメントを行うための前提となる。
そのため、ベースライン量BLの計測は、1ロットの先
頭ウェハの露光前等において必要に応じて実施されてい
る。したがって、計測されたベースライン量BLは、次
の計測まではできるだけ変化しないことが望ましい。し
かしながら、ベースライン量BLは露光中において、環
境条件の変化、露光光の照射熱、機械的条件の変化等に
伴って変化することがある。このようなベースライン量
BLの経時変化を抑えるため、従来、以下のような提案
がなされ、実施されている。
【0013】オフ・アクシス方式の従来例として、たと
えば特開平9−219354号公報に記載されたものに
おいては、特に短期的なアライメントセンサの計測中心
の変動に着目し、アライメントセンサの対物レンズ部に
指標マークを設け、指標マークの検出系とウェハ側マー
クの検出系を極力共通な系で構成することにより、検出
系に対する熱あるいは機械的振動によるドリフトの影響
を低減し、検出精度の向上を図っている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、半導体
素子等の集積度が益々高まるにつれて、必要な重ね合せ
精度も一層高まっているため、露光中の経時変化のよう
な僅かなベースライン量の変動も必要な重ね合せ精度を
得る上での障害となりつつある。これを解消するための
1つの手法として、ベースラインチェックを頻繁に行っ
て、そのベースライン量の変化を常に把握しておく方法
もあるが、ベースラインチェックには所定の時間を要す
るため、ベースラインチェックを頻繁に行えば、露光工
程におけるスループット(生産性)が低下するという不
都合がある。
【0015】本発明の目的は、かかる従来技術の課題に
鑑み、露光装置およびデバイス製造方法において、スル
ープットを低下させることなく、ベースライン量の変化
を常時把握できるようにし、これにより、精確なベース
ライン量に基づく高い重ね合せ精度による露光転写を行
うことができるようにすることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明の第1の露光装置は、基板の位置を制御するため
の基板ステージと、原板のパターンを前記基板ステージ
上の基板に投影して露光を行うための投影光学系と、前
記基板ステージ上の所定の基準マークまたは前記基板の
アライメントマークの位置を検出する第1の位置検出装
置と、前記投影光学系を介して前記基準マークの位置を
検出する第2の位置検出装置とを備え、前記第1および
第2位置検出装置による前記基準マークの位置検出結果
および前記第1位置検出装置による前記アライメントマ
ークの位置検出結果に基づいて前記基板の位置合せを行
い、前記露光を行う露光装置において、前記第1位置検
出装置による位置検出の基準となる部材上に、前記第2
位置検出装置により前記投影光学系を介して検出可能な
指標マークを具備することを特徴とする。
【0017】第2の露光装置は、第1の露光装置におい
て、前記指標マークは、前記第2位置検出装置にとっ
て、前記基板ステージ上の基準マークの面と共役な位置
に設けられていることを特徴とする。
【0018】第3の露光装置は、第1または第2の露光
装置において、前記露光のためにスリット形状の照明光
で前記原板を照明する照明光学系と、前記原板を走査移
動するための原板ステージとを備え、前記原板ステージ
および基板ステージにより前記原板および基板を前記投
影光学系および照明光に対して前記スリット形状とほぼ
直交する方向に移動させながら露光を行う走査型の露光
装置であることを特徴とする。
【0019】第4の露光装置は、第3の露光装置におい
て、前記第1位置検出装置は、前記スリット形状と直交
し、かつ前記投影光学系の光軸を通る走査方向のライン
上に配置され、前記位置検出の基準となる部材は、前記
投影光学系の照明領域からは外れているが、前記指標マ
ークは前記投影光学系の投影視野内に在ることを特徴と
する。
【0020】そして、第5の露光装置は、第1〜第4の
いずれかの露光装置において、前記投影光学系を介して
前記指標マークの位置検出が可能な位置に前記第2位置
検出装置を移動させる手段を有することを特徴とする。
【0021】また、本発明のデバイス製造方法は、本発
明の第1〜第5のいずれかの露光装置を用い、その第1
および第2位置検出装置により、その基板ステージ上の
基準マークの位置検出を行う工程と、この後、必要に応
じて前記第1位置検出装置による位置検出の基準となる
部材上の指標マークを前記第2位置検出装置によって検
出する工程と、前記基板ステージ上に搬入された基板の
アライメントマークの位置を前記第1位置検出装置によ
り検出する工程と、前記第1および第2位置検出装置に
よる基準マークの位置検出結果、前記指標マークの位置
検出結果および前記アライメントマークの位置検出結果
に基づいて前記基板の位置合せを行い、前記基板に対す
る露光を行う工程とを具備することを特徴とする。
【0022】これら本発明の構成において、露光を行う
際には、あらかじめ第1および第2位置検出装置により
基板ステージ上の基準マークの位置検出を行うことによ
りベースライン量が計測される。そしてこの後、必要に
応じて第1位置検出装置による位置検出の基準となる部
材上の指標マークを第2位置検出装置によって検出する
ことによりベースライン量の変動量が計測される。そし
て、基板ステージ上に搬入された基板の露光を行うとき
には、基板のアライメントマークの位置を第1位置検出
装置により検出し、この検出結果と、前記ベースライン
量およびその変動量とに基づいて基板の位置合せを行
い、露光を行う。このとき、ベースライン量の変動量の
計測は、第1位置検出装置による位置検出の基準となる
部材上の指標マークを第2位置検出装置によって検出す
ることによって行われるため、基板ステージを移動させ
る必要がない。このため、露光処理のスループットを落
とすことなく、他の処理と並行して、ベースライン量の
変動量の計測が行われる。
【0023】
【実施例】本発明の一実施例について、図1〜図5を用
いて説明する。本実施例はオフ・アクシス方式のアライ
メントセンサとマスクアライメント系を備えた走査型露
光装置についてのものである。
【0024】図1は、本実施例に係る走査型露光装置の
概略を示す。同図に示すように、この露光装置では、レ
チクルRは、光源1と、照明系整形光学系2ないしリレ
ーレンズ8からなる照明光学系により、長方形のスリッ
ト状の照明領域21において均一な照度で照明され、こ
れにより、スリット状の照明領域21内におけるレチク
ルRの回路パターン像が投影光学系13を介してウェハ
W上に転写される。光源1としてはArFエキシマレー
ザ、KrFエキシマレーザ等のエキシマレーザ光源、金
属蒸気レーザ光源、YAGレーザの高周波発生装置等の
パルス光源、水銀ランプと楕円反射鏡とを組み合わせた
構成等の連続光源等が使用できる。
【0025】露光のオン・オフは、パルス光源の場合は
パルス光源用の電源装置からの供給電力の制御により切
り換えられ、連続光源の場合は照明光整形光学系2内の
シャッタにより切り換えられる。但し、本実施例では後
述のように可動ブラインド(可変視野絞り)7が設けら
れているため、可動ブラインド7の開閉によって露光の
オン・オフを切り換えてもよい。
【0026】光源1からの照明光は、照明光整形光学系
2により光束径が所定の大きさに設定されてフライアイ
レンズ3に達する。フライアイレンズ3の射出面には多
数の2次光源が形成され、これら2次光源からの照明光
は、コンデンサレンズ4によって集光され、固定の視野
絞り5を経て可動ブラインド(可変視野絞り)7に達す
る。図1では視野絞り5は可動ブラインド7よりもコン
デンサレンズ4側に配置されているが、その逆に、リレ
ーレンズ系8側へ配置しても構わない。視野絞り5に
は、長方形のスリット状の開口部が形成されており、視
野絞り5を通過した光束は、長方形のスリット状の断面
を有する光束となり、リレーレンズ系8に入射する。ス
リットの長手方向は図の紙面に対して垂直な方向であ
る。リレーレンズ系8は可動ブラインド7とレチクルR
のパターン形成面とを共役にするレンズ系である。
【0027】可動ブラインド7は後述の走査方向(Y方
向)の幅を規定する2枚の羽根(遮光板)7Aおよび7
Bならびに走査方向に垂直な非走査方向の幅を規定する
2枚の羽根(不図示)より構成されている。走査方向の
幅を規定する羽根7Aおよび7Bはそれぞれ駆動部6A
および6Bにより独立に走査方向に移動できるように支
持され、不図示の非走査方向の幅を規定する2枚の羽根
もそれぞれ独立に移動できるように支持されている。本
実施例では、固定の視野絞り5により設定されるレチク
ルR上のスリット状の照明領域21内において、さらに
可動ブラインド7により設定される所望の露光領域内に
のみ照明光が照射される。リレーレンズ系8は両側テレ
セントリックな光学系であり、レチクルR上のスリット
状の照明領域21ではテレセントリック性が維持されて
いる。
【0028】レチクルRはレチクルステージ9上に載置
されており、レチクルR上のスリット状の照明領域21
内でかつ可動ブラインド7により規定された回路パター
ンの像が、投影光学系13を介してウェハW上に投影露
光される。投影光学系13の光軸に垂直な2次元平面内
で、スリット状の照明領域21に対するレチクルRの走
査方向を+Y方向(または−Y方向)とし、投影光学系
13の光軸に平行な方向をZ方向とする。この場合、レ
チクルステージ9はレチクルステージ駆動部10によっ
て駆動され、レチクルRを走査方向(+Y方向または−
Y方向)に走査移動し、可動ブラインド7の駆動部6A
および6Bならびに非走査方向の駆動部の動作は可動ブ
ラインド制御部11により制御される。レチクルステー
ジ駆動部10および可動ブラインド制御部11の動作を
制御するのが装置全体の動作を制御する主制御系12で
ある。
【0029】ウェハWは不図示のウェハ搬送装置により
ウェハステージ14に載置される。ウェハステージ14
は、投影光学系13の光軸に垂直な面内でウェハWの位
置決めを行うと共にウェハWを±Y方向に走査するXY
ステージ、Z方向にウェハWの位置決めを行うZステー
ジ等により構成されている。ウェハW上方には、オフ・
アクシス方式のアライメントセンサ30が構成されてい
る。
【0030】アライメントセンサ30の配置について図
2を用いて説明する。図2(a)では図の紙面の左右方
向を走査方向とし、図2(b)では図の紙面に垂直な方
向を走査方向としている。図2(c)および(d)はウ
ェハWを上方から見た様子を示しており、それぞれの図
における走査方向は図の紙面の左右方向および上下方向
となっている。図中の22はウェハW上に投影される長
方形のスリット状の照明領域である。アライメントセン
サ30は、照明領域22の長手方向に直交する方向から
投影光学系13の下に潜り込むように配置されている。
この方向に配置することによって、アライメントセンサ
30を照明領域22の露光光束13aに干渉しない範囲
で投影光学系13の光軸に近付けることができ、アライ
メントセンサ30の計測中心と投影光学系13の中心ま
での距離であるベースラインBLを最短にすることがで
きる。
【0031】次に、図3を用いてアライメントセンサ3
0について詳細に説明する。アライメントセンサ30
は、ウェハW上のアライメントマークを照明するための
光源となるランプハウス部51を、熱的影響を避けるた
めに外部に備える。ランプハウス部51では、そこに設
置されたハロゲンランプ等からなる第1の光源52から
出射された広帯域波長の照明光が、波長制限フィルタ5
3の作用により適当な波長幅を有する可視照明光とされ
る。その照明光AL1は、次に集光レンズ54により、
光ファイバ等からなるライトガイド56の入射端面に集
光される。集光レンズ54とライトガイド56の入射端
面との間にはシャッタ55が設けられ、シャッタ55の
開閉により照明光AL1のオン・オフを切り換えるよう
になっている。シャッタ55は不図示のシャッタ駆動部
により駆動され、シャッタ駆動部による照明光AL1の
オン・オフの切換え駆動は主制御系12により制御され
ている。
【0032】ライトガイド56の他端はランプハウス部
51の外部に取り出され、アライメントセンサ30に接
続されている。ライトガイド56の出射端面から出射さ
れる照明光AL1は、コンデンサレンズ31で集光さ
れ、ダイクロイックプリズム32に入射する。ダイクロ
イックプリズム32は、可視光を反射し、赤外光を透過
する波長選択性を有する。このため、可視光である照明
光AL1はダイクロイックプリズム32で殆ど減光され
ることなく反射し、視野絞り33を均一に照射する。な
お、後述するように、ダイクロイックプリズム32に
は、アライメントセンサ30内に設置された第2の光源
34から射出される赤外光からなる照明光AL2が、照
明光AL1と直交する方向から入射している。
【0033】視野絞り33を通過した照明光AL1は、
リレーレンズ35で集光され、ハーフプリズム36に入
射する。ハーフプリズム36で反射された照明光AL1
は第1対物レンズ38の入射瞳面37にライトガイド5
6の出射端面の投影像を形成した後、第1対物レンズ3
8を透過して、落射プリズム39に入射する。落射プリ
ズム39には、第1対物レンズ38に対向する表面に、
アライメントセンサ30の計測基準となる指標マーク3
9Aが形成され、そして投影光学系13に対向する表面
に、後述するマスクアライメント系60aおよび60b
で計測される指標マーク39Bが形成されている。ま
た、落射プリズム39のウェハWに対向する表面には、
可視光と赤外光は透過するが、後述のマスクアライメン
ト系60aおよび60bによる計測で使用される露光波
長の紫外光は反射する膜39Cが蒸着されており、落射
プリズム39の45°の反射面の膜39Dには、露光波
長の紫外光は透過し、可視光および赤外光は反射する膜
39Dが蒸着されている。落射プリズム39に入射した
可視光である照明光AL1は、下方に反射し、膜39C
を殆ど減光されることなく透過し、透明なガラス板から
なるコールドミラー40に入射する。コールドミラー4
0の表面には、可視光は透過するが、赤外光を反射する
膜40Aが蒸着されている。可視光である照明光AL1
は、殆ど減光されることなくコールドミラー40を透過
し、第1対物レンズ38の焦点面に相当するウェハW上
のアライメントマークをほぼ垂直に照射する。
【0034】ウェハW上のアライメントマークを照射し
た照明光AL1は、アライメントマークで反射回折し、
アライメントマーク検出光BL1としてウェハW上から
上方に戻っていく。アライメントマーク検出光BL1
は、再びコールドミラー40に入射し、膜40Aで殆ど
減光されることなくコールドミラー40を透過し、落射
プリズム39の膜39Dで反射し、そして第1対物レン
ズ38に入射する。第1対物レンズ38の入射瞳面37
から射出されたアライメントマーク検出光BL1はハー
フプリズム36を通過し、第2対物レンズ41に入射す
る。第2対物レンズ41によって集光されたアライメン
トマーク検出光BL1は撮像素子42の撮像面上にアラ
イメントマークの像を形成する。
【0035】一方、アライメントセンサ30内の第2の
光源34より射出される赤外光からなる照明光AL2
は、光源34の電源(不図示)からの光源34への電流
値を主制御系12により制御することにより、オン・オ
フが切り換えられる。照明光AL2はコンデンサレンズ
43で集光され、ダイクロイックプリズム32を殆ど減
光されることなく透過し、視野絞り33を通過し、そし
てリレーレンズ35により集光されてハーフプリズム3
6に入射する。ハーフプリズム36に入射した照明光A
L2は、ハーフプリズム36で反射され、第1対物レン
ズ38の入射瞳面37に光源34の投影像を形成する。
第1対物レンズ38から射出された照明光AL2は、落
射プリズム39に入射する。照明光AL2は、落射プリ
ズム39の第1対物レンズ38に対向する表面に形成さ
れているアライメントセンサ30の計測の基準となる指
標マーク39Aにより回折され、検出回折光BL2とな
る。検出回折光BL2は落射プリズム39の45°の反
射面の膜39Dで下方に反射されてコールドミラー40
に入射し、赤外光を反射する膜40Aによって殆ど減光
することなく反射され、落射プリズム39に戻される。
【0036】このとき、ウェハWの表面が照明光AL1
による第1対物レンズ38の像面に合焦している状態
で、コールドミラー40の反射面(本例では上面)に関
して、検出回折光BL2における落射プリズム39の指
標マーク39Aが形成されている面と、照明光AL1に
おけるウェハWの表面とが共役となるように、コールド
ミラー40が配置されている。すなわち、検出回折光B
L2の波長におけるコールドミラー40の反射面から落
射プリズム39の45°反射面を経て指標マーク39A
が形成されている面までの光路長と、照明光AL1の波
長におけるコールドミラー40の反射面からウェハWの
表面までの光路長は等しくなっている。そのため、本例
では指標マーク39Aは、実質的にウェハWの表面にあ
るのとほぼ等価となっている。
【0037】コールドミラー40で反射された検出回折
光BL2は、落射プリズム39の45°の反射面の膜3
9Dで反射されて指標マーク39Aの周囲を通過した
後、第1対物レンズ38に入射する。第1対物レンズ3
8の入射瞳面37から射出された検出回折光BL2はハ
ーフプリズム36を通過し、第2対物レンズ41に入射
する。第2対物レンズ41によって集光された検出回折
光BL2は撮像素子42の撮像面上に指標マーク39A
の指標マーク像を形成する。
【0038】したがって、ランプハウス部51のシャッ
タ55の開閉により照明光AL1のオン・オフを切換
え、また、光源34の電源(不図示)からの電流値を主
制御系12により制御して赤外光からなる照明光AL2
のオン・オフを切り換えることによって、撮像素子42
の撮像面上でのアライメントマークの像と指標マーク3
9Aの像とを時間的に分離し、指標マーク39Aの像を
基準として、アライメントマークの像の位置を検出する
ことができる。このようにしてアライメントセンサ30
によりウェハW上のアライメントマークが検出される
と、この検出結果に基づいて制御部16により処理が行
われ、処理結果が主制御系12に送られる。主制御系1
2は、処理結果に基づき、ウェハステージ駆動部15を
介してウェハステージ14の位置決め動作および走査動
作を制御する。
【0039】レチクルR上のパターン像をスキャン露光
方式で投影光学系13を介してウェハW上の各ショット
領域に露光する際には、視野絞り5によって設定される
スリット状の照明領域21に対して−Y方向(または+
Y方向)に、レチクルRを速度VRで走査する。また、
投影光学系13の投影倍率をβとすると、レチクルRの
走査と同期して、+Y方向(または−Y方向)に、ウェ
ハWを速度VW(=β・VR)で走査する。これによ
り、ウェハW上のショット領域にレチクルRのパターン
像が逐次転写される。
【0040】次に、オフ・アクシス方式のアライメント
センサ30におけるベースライン量BLのチェック時の
動作について説明する。図4は、投影露光装置のベース
ライン計測の原理を模式的に示す図である。図4(a)
は図の紙面の左右方向が走査方向になるように、また、
図4(b)は図の紙面が走査方向と直交するように描い
てある。図4(c)はレチクルRを上方から見た図であ
り、走査方向は図の左右方向となっている。レチクルR
には、図4(a)および(c)に略示するように、中心
Cを挟んで対称な位置にマークRM1aとマークRM1
bが設けられている。レチクルRはレチクルステージ9
上に保持され、レチクルステージ9はレチクルRの中心
Cが投影光学系13の光軸AXと合致するように移動さ
れる。ウェハステージ14上には、感光基板の表面に形
成されたアライメントマークと同等の基準マークFMを
有する基準部材FPが感光基板と干渉しない位置に付設
され、この基準マークFMが投影光学系13の投影視野
内の所定位置にくるようにウェハステージ14を位置決
めすると、レチクルRの上方に設けられたTTL(スル
ー・ザ・レンズ)方式のマスクアライメント系60aに
よって、レチクルRのマークRM1aと基準マークFM
とが同時に検出される。また、ウェハステージ14を別
の位置に移動すると、マスクアライメント系60bによ
ってレチクルRのマークRM1bと基準マークFMを同
時に検出することができる。
【0041】アライメントセンサ30は、図2に示すよ
うに、ウェハW上の長方形のスリット状の照明領域22
の長手方向に直交する方向に、投影光学系13の下に潜
り込むように配置されている。この方向に配置すること
によって、アライメントセンサ30を照明領域22の露
光光束13aに干渉しない範囲で投影光学系の光軸に近
付けることができる。
【0042】図4に戻り、説明を進める。アライメント
センサ30の光軸は、投影像側面では投影光学系13の
光軸AXと平行である。そしてアライメントセンサ30
の内部には、感光基板上のマークまたは基準マークFM
をアライメントする際の基準となる指標マーク39Aが
落射プリズム39に設けられ、投影像面(感光基板表面
または基準マークFMの面)とほぼ共役に配置されてい
る。
【0043】この構成においてベースライン量を求める
には、図4(a)および図4(b)に示すように、マス
クアライメント系60aを用いてレチクルRのマークR
M1aと基準部材FP上の基準マークFMとがアライメ
ントされたときのウェハステージ14の位置(X1,Y
1)をレーザ干渉計で計測する。同様に、マスクアライ
メント系60bを用いてレチクルRのマークRM1bと
基準マークFMとがアライメントされたときのウェハス
テージ14の位置(X2,Y2)および、アライメント
センサ30の指標マーク39Aと基準マークFMとがア
ライメントされたときのウェハステージ14の位置(X
4,Y4)をレーザ干渉計等でそれぞれ計測する。位置
(X1,Y1)と(X2,Y2)の中心位置を(X3,
Y3)とすると、位置(X3,Y3)は投影光学系13
の光軸AX上にあり、レチクル中心Cと共役な位置であ
る。
【0044】ベースライン量BLは、差(X3−X4,
Y3−Y4)を計算することで求められる。X方向のベ
ースライン量をBLX、Y方向のベースライン量をBL
Yとすると、BLX=X3−X4、BLY=Y3−Y4
となる。このベースライン量BLXおよびBLYは、後
で感光基板上のアライメントマークをアライメントセン
サ30でアライメントして投影光学系13の直下に送り
込むときの基準量となるものである。すなわち、感光基
板上の1ショット(被露光領域)の中心と感光基板上の
アライメントマークとの間隔を(XP,YP)、感光基
板上のアライメントマークがアライメントセンサ30の
指標マーク39Aと合致したときのウェハステージ14
の位置を(X5,Y5)とすると、ショット中心とレチ
クル中心Cとを合致させるためには、ウェハステージ1
4を(X5−BLX−XP,Y5−BLY−YP)また
は(X5−BLX+XP,Y5−BLY+YP)の位置
に移動させればよい。図8にベースライン量の計測のフ
ローを示す。
【0045】このように、オフ・アクシス方式のアライ
メントセンサ30を用いて感光基板上のアライメントマ
ーク位置を検出した後、ベースライン量BLXおよびB
LYに関連する一定量だけウェハステージ14を送り込
むだけで、直ちにレチクルRのパターンを感光基板上の
ショット領域に正確に重ね合わせて露光することができ
る。しかしながら、アライメントセンサ30のベースラ
イン量BLXおよびBLYは種々の要因により変動する
恐れがある。すなわち、外部の機械的な振動等の影響に
よってアライメントセンサ30の落射プリズム39(指
標マーク39A)と投影光学系13との間隔が変動する
恐れや、露光光の照射熱や各種センサの発熱等の影響に
よって落射プリズム39(指標マーク39A)の変位や
アライメントセンサ30の回転等が生じる恐れがある。
【0046】これらの影響を回避する方法として、前記
のベースラインのチェック動作を頻繁に行い、常に変動
を把握してベースライン量BLXおよびBLYを補正す
る方法もあるが、ベースラインのチェック動作は所定の
時間を要するため、ベースラインのチェック動作を頻繁
に行えば、露光工程におけるスループットを低下させて
しまう。そこで本実施例では、アライメントセンサ30
の落射プリズム39に設けられた指標マーク39Bを、
投影光学系13を介してマスクアライメント系60aお
よび60bで計測することにより、露光工程におけるス
ループットを低下させることなく、常時ベースライン量
BLの変動を把握するようにしている。
【0047】以下、図5および図6を用いて、このベー
スライン量BLのチェック動作について説明する。図5
(a)は図の紙面の左右方向を走査方向として、図5
(b)は図の紙面が走査方向に直交するように描いてい
る。図5(c)はレチクルRを上方から見た図であり、
図の紙面の左右方向を走査方向としている。図6はアラ
イメントセンサ30の落射プリズム39の詳細を示して
いる。
【0048】本実施例の走査型露光装置の特徴として、
図2に示したように、アライメントセンサ30は、ウェ
ハW上の長方形のスリット状の照明領域22の長手方向
に直交する方向に、投影光学系13の下に潜り込むよう
に配置されている。この方向に配置することによって、
アライメントセンサ30をウェハW上の長方形のスリッ
ト状の照明領域22の露光光束13aに干渉しない範囲
で投影光学系13の光軸に近付けることができるととも
に、投影光学系13の下に潜り込ませたアライメントセ
ンサ30の落射プリズム39を、スリット状の照明領域
22の露光光束13aからは外れているが、投影光学系
13の視野内に入るように配置することができる。そし
て、投影光学系13の視野内にあるアライメントセンサ
30の落射プリズム39の指標マーク39Bを観察可能
なように、マスクアライメント系60aおよび60bに
は、これらを走査方向へ駆動させる駆動部が設けられて
いる。
【0049】前述のようにしてウェハステージ14上の
基準部材FP上の基準マークFMを用いたベースライン
チェックが行われた後、マスクアライメント系60aお
よび60bは、図5に示すように、レチクルRのマーク
RM2aとRM2bが観察可能なように走査方向に駆動
される。このときマスクアライメント系60aによる露
光波長の照明光AL3aには、レチクルRのマークRM
2aにより反射され、マスクアライメント系60aの撮
像手段(不図示)に向かい、RM2aの像を撮像手段上
に結像するものと、レチクルRを透過し、図6に示すよ
うに、投影光学系13を介して、アライメントセンサ3
0の落射プリズム39の投影光学系13に対向する面に
達するものとがある。落射プリズム39に達した照明光
AL3aは、落射プリズム39の投影光学系13に対向
する面の指標マーク39Bの、レチクルRのマークRM
2aに対応するマークにより回折され、検出回折光BL
3aとなる。検出回折光BL3aは、落射プリズム39
の45°の反射面の、露光波長である紫外光は透過する
膜39Dを透過し、落射プリズム39のウェハWに対向
する面の、露光波長である紫外光は反射する膜39Cに
よって殆ど減光することなく反射される。
【0050】このとき、ウェハWの表面が照明光AL3
aによるマスクアライメント系60aの像面に合焦して
いる状態で、落射プリズム39の反射面39Cに関し
て、検出回折光BL3aにおける落射プリズム39の指
標マーク39Bが形成されている面と、照明光AL3a
におけるウェハWの表面とが共役となるように、落射プ
リズム39が配置されている。すなわち、検出回折光B
L3aの波長(露光波長)における落射プリズム39の
反射面39Cから落射プリズム39の指標マーク39B
が形成されている面までの光路長と、照明光AL3aの
波長(露光波長)における落射プリズム39の反射面3
9CからウェハWの表面までの光路長(コールドミラー
40は含まない)は等しくなっている。そのため、本例
では指標マーク39Bは、実質的にウェハWの表面にあ
るのとほぼ等価となっている。
【0051】落射プリズム39の反射面39Cで反射さ
れた検出回折光BL3aは、指標マーク39Bの周囲を
通過した後、投影光学系13を経て、再びレチクルRを
透過し、マスクアライメント系60aの撮像手段(不図
示)に向かい、指標マーク39Bの像を撮像手段上に結
像する。そして、マスクアライメント系60aの撮像手
段上の、レチクルRのマークRM2aの像に対する、ア
ライメントセンサ30の落射プリズム39の指標マーク
39Bの像の位置(X6a,Y6a)を計測することが
できる。
【0052】一方、マスクアライメント系60bにおい
ても同様にして、マスクアライメント系60bの撮像手
段(不図示)にレチクルRのマークRM2bの像と、ア
ライメントセンサ30の落射プリズム39の指標マーク
39Bの像が形成され、マークRM2bの像に対する指
標マーク39Bの像の位置(X6b,Y6b)を計測す
ることができる。レチクルRに対する指標マーク39B
の位置(X6,Y6)は、X6=(X6a+X6b)/
2、Y6=(Y6a+Y6b)/2で表すことができ
る。ただしこの場合、マスクアライメント系60aおよ
び60bによる位置検出を、マスクアライメント系60
aおよび60bを走査方向に駆動して行っているため、
検出位置は、レチクルRの中心Cまたは投影光学系13
の光軸からは、レチクルR上で、走査方向に、中心Cと
マークRM2aおよびRM2bとの間の距離(像高RM
spn)分ずれている。このため、投影光学系13に気
圧の変動や露光エネルギーの影響等による倍率変化が生
じた場合には、像高RMspn×倍率変化分だけ、レチ
クルRに対する指標マーク39Bの位置がずれてしま
う。そのため、投影光学系13の倍率補正機構(不図
示)や、露光波長制御等による投影光学系13の倍率補
正が必要である。
【0053】ウェハステージ14上の基準部材FP上の
基準マークFMを用いたベースラインチェック後のベー
スライン量BLの変動は、このようにして、マスクアラ
イメント系60aおよび60bにより、レチクルRに対
する指標マーク39Bの位置(X6,Y6)の変動とし
て計測される。このようなベースライン量BLの変動の
計測は、ウェハの交換時、ウェハのステップ動作時等に
おいて、走査型露光装置の他の動作と並列して高速に行
うことができる。図9にベースライン変動量の計測のフ
ローを示す。
【0054】以上のように、本実施例の走査型露光装置
によれば、感光基板上の照明領域22が長方形のスリッ
ト状であることを利用して、投影光学系13の下に潜り
込むようにして配置した、感光基板上に形成されたアラ
イメントマークの位置を光学的に検出するオフ・アクシ
ス方式のアライメントセンサ30と、レチクルR面およ
び感光基板W面と同一面を同時に観察可能で走査方向に
移動可能なマスクアライメント系60aおよび60b
と、アライメントセンサ30の基準位置となる指標マー
ク39Aが形成されている部材に設けられた、マスクア
ライメント系60aおよび60bで検出可能な指標マー
ク60Bとを備え、マスクアライメント系60aおよび
60bによって指標マーク60Bを計測することにより
指標マーク39Aが形成されている部材の位置変動を計
測するようにしたため、レチクルRに対するアライメン
トセンサ30の変動(ベースライン変動)を、他の動作
と並行して検出することができる。
【0055】なお、本実施例では、マスクアライメント
系60aおよび60bによる計測を行う際にレチクルR
を直接用いて計測しているが、特開平8−78341号
公報に記載されているように、レチクルRの代わりに、
レチクルRに対して相対位置が保証されているレチクル
スキャンステージ9上の基準プレートを用いて計測を行
ってもよい。
【0056】<デバイス製造方法の実施例>次に上記説
明した露光装置を利用したデバイス製造方法の実施例を
説明する。図10は微小デバイス(ICやLSI等の半
導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マ
イクロマシン等)の製造のフローを示す。ステップ1
(回路設計)ではデバイスのパターン設計を行う。ステ
ップ2(マスク製作)では設計したパターンを形成した
マスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)で
はシリコンやガラス等の材料を用いてウエハを製造す
る。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、
上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技
術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステ
ップ5(組立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4におい
て作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程で
あり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディン
グ)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含
む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半
導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査
を行う。こうした工程を経て、半導体デバイスが完成
し、これが出荷(ステップ7)される。
【0057】図11は上記ウエハプロセス(ステップ
4)の詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)では
ウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)で
はウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極
形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ス
テップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち
込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハにレジ
ストを塗布する。ステップ16(露光)では上記説明し
た露光装置によってマスクの回路パターンをウエハの複
数のショット領域に並べて焼付露光する。ステップ17
(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18
(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削
り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチング
が済んで不要となったレジストを取り除く。これらのス
テップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に
回路パターンが形成される。
【0058】本実施例の製造方法を用いれば、従来は製
造が難しかった大型のデバイスを高い精度で製造するこ
とができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1位置検出装置による位置検出の基準となる部材上
に、第2位置検出装置により投影光学系を介して検出可
能な指標マークを設けるようにしたため、第1位置検出
装置による位置検出の基準となる部材の二次元的な変位
を、投影光学系を介して第2位置検出装置により、他の
動作と並行して常時検出することができる。このため、
第2位置検出装置により基板ステージ上の基準マークを
介して検出される原板のパターン像の位置と第1位置検
出装置の位置検出の基準となる部材との関係(ベースラ
イン量等)を、スループットを低下させずに適宜補正す
ることができる。したがって、露光工程におけるスルー
プットを低下させることなく、精確なベースライン量に
基づいて原板のパターンを感光基板上に高い重ね合せ精
度で転写することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る走査型露光装置の概
略図である。
【図2】 図1の装置におけるアライメントセンサの配
置を示す説明図である。
【図3】 図1の装置におけるアライメントセンサの構
成を示す概略図である。
【図4】 図1の装置におけるベースライン計測の説明
図である。
【図5】 図1の装置におけるベースライン量のチェッ
ク動作の説明図である。
【図6】 図1の装置におけるアライメントセンサの落
射プリズムの詳細を示す図である。
【図7】 従来例に係るベースライン計測の説明図であ
る。
【図8】 図1の装置におけるベースライン量の計測方
法を示すフローチャートである。
【図9】 図1の装置におけるベースライン変動量の計
測方法を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の露光装置を利用できるデバイス製
造方法を示すフローチャートである。
【図11】 図10中のウエハプロセスの詳細なフロー
チャートである。
【符号の説明】
1:光源、2:照明光整形光学系、3:フライアイレン
ズ、4:コンデンサレンズ、5:視野絞り、6A,6
B:ブラインド可動部、7:可動ブラインド、8:リレ
ーレンズ、9:レチクルステージ、10:レチクルステ
ージ駆動部、11:ブラインド可動部制御部、12:主
制御部、13:投影光学系、13a,13b:露光光、
14:ウェハステージ、15:ウェハステージ駆動部、
16:アライメントセンサ処理部、21:照明領域、2
2:ウェハ上照明領域、30:アライメントセンサ、3
1:コンデンサレンズ、32:ダイクロイックプリズ
ム、33:視野絞り、34:第2の光源、35:リレー
レンズ、36:ハーフプリズム、37:入射瞳面、3
8:第1対物レンズ、39:落射プリズム、39A:指
標マーク、39B:指標マーク、39C:反射面、39
D:膜、40:コールドミラー、41:第2対物レン
ズ、42:撮像素子、51:ランプハウス部、52:光
源、53:波長制限フィルタ、54:集光レンズ、5
5:シャッタ、56:ライトガイド、60a,60b:
マスクアライメント系、AX:光軸、AL3a:照明
光、BL:ベースライン、BL3a:検出回折光、F
M:基準マーク、FP:基準部材、R:レチクル、RM
1a,RM1b:レチクルマーク、RM2a,RM2
b:マーク、W:ウェハ。
フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA04 BB27 CC20 DD03 FF04 GG03 GG07 GG23 GG24 HH13 JJ26 LL01 LL20 LL30 LL47 LL59 MM03 PP12 QQ31 UU09 5F046 DB05 DB10 EB01 EB02 EB03 ED02 ED03 FC07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の位置を制御するための基板ステー
    ジと、原板のパターンを前記基板ステージ上の基板に投
    影して露光を行うための投影光学系と、前記基板ステー
    ジ上の所定の基準マークまたは前記基板のアライメント
    マークの位置を検出する第1の位置検出装置と、前記投
    影光学系を介して前記基準マークの位置を検出する第2
    の位置検出装置とを備え、前記第1および第2位置検出
    装置による前記基準マークの位置検出結果および前記第
    1位置検出装置による前記アライメントマークの位置検
    出結果に基づいて前記基板の位置合せを行い、前記露光
    を行う露光装置において、前記第1位置検出装置による
    位置検出の基準となる部材上に、前記第2位置検出装置
    により前記投影光学系を介して検出可能な指標マークを
    具備することを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】 前記指標マークは、前記第2位置検出装
    置にとって、前記基板ステージ上の基準マークの面と共
    役な位置に設けられていることを特徴とする請求項1に
    記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記露光のためにスリット形状の照明光
    で前記原板を照明する照明光学系と、前記原板を走査移
    動するための原板ステージとを備え、前記原板ステージ
    および基板ステージにより前記原板および基板を前記投
    影光学系および照明光に対して前記スリット形状とほぼ
    直交する方向に移動させながら露光を行う走査型の露光
    装置であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    露光装置。
  4. 【請求項4】 前記第1位置検出装置は、前記スリット
    形状と直交し、かつ前記投影光学系の光軸を通る走査方
    向のライン上に配置され、前記位置検出の基準となる部
    材は、前記投影光学系の照明領域からは外れているが、
    前記指標マークは前記投影光学系の投影視野内に在るこ
    とを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
  5. 【請求項5】 前記投影光学系を介して前記指標マーク
    の位置検出が可能な位置に前記第2位置検出装置を移動
    させる手段を有することを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の露光装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかの露光装置を用
    い、その第1および第2位置検出装置により、その基板
    ステージ上の基準マークの位置検出を行う工程と、この
    後、必要に応じて前記第1位置検出装置による位置検出
    の基準となる部材上の指標マークを前記第2位置検出装
    置によって検出する工程と、前記基板ステージ上に搬入
    された基板のアライメントマークの位置を前記第1位置
    検出装置により検出する工程と、前記第1および第2位
    置検出装置による基準マークの位置検出結果、前記指標
    マークの位置検出結果および前記アライメントマークの
    位置検出結果に基づいて前記基板の位置合せを行い、前
    記基板に対する露光を行う工程とを具備することを特徴
    とするデバイス製造方法。
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