JP2003016987A - ショットキー電子銃及び電子線装置 - Google Patents

ショットキー電子銃及び電子線装置

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JP2003016987A
JP2003016987A JP2001193115A JP2001193115A JP2003016987A JP 2003016987 A JP2003016987 A JP 2003016987A JP 2001193115 A JP2001193115 A JP 2001193115A JP 2001193115 A JP2001193115 A JP 2001193115A JP 2003016987 A JP2003016987 A JP 2003016987A
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福原  悟
Kenichi Myochin
健一 明珍
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/06Sources
    • H01J2237/063Electron sources
    • H01J2237/06308Thermionic sources
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SE電子銃を搭載する電子線装置に用いられ
る高圧ケーブルの製作を容易にする。 【解決手段】 電子を放出する単結晶チップ1、チップ
1を加熱するフィラメント2、チップ1から電子を引出
す電界を与える引出電極7、及びフィラメント2から発
生する電子を抑制するサプレッサ電極6を備えているシ
ョットキー電子銃本体に、サプレッサ電極6に負の電圧
を印加する電池15を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ショットキー電子
銃及びショットキー電子銃が搭載される電子顕微鏡や電
子線描画装置等の電子線装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来のショットキー電子銃の構
成図である。同図において、1はタングステン(10
0)等の耐高温金属材料からなる単結晶チップ、2はタ
ングステン等の多結晶線からなるヘアピン型のフィラメ
ントで、単結晶チップ1はフィラメント2に接合されて
いる。4はフィラメント2がスポット溶接されているス
テンレス等の端子、5はセラミック碍子である。3は酸
化物補給源で、単結晶チップ1の中央部、単結晶チップ
1の付け根、又はフィラメント2に付着され、単結晶チ
ップ1よりも仕事関数の低いジルコニウム等の金属酸化
物によって構成される。
【0003】このジルコニウム等の金属酸化物3を15
00°Kから1900°K程度に加熱することで、金属
酸化物3は単結晶チップ1の軸方向に沿って拡散し、単
結晶チップ1の先端で酸素とジルコニウム等金属の単原
子層を形成する。このときジルコニウム等金属の単原子
層は表面拡散及び活性化エネルギーの高い特定の結晶面
に選択的に吸着、形成される。ここで、この特定な結晶
面が単結晶チップ1の先端となるような単結晶線を用い
ることで、単結晶チップ1の軸先端1のみを仕事関数の
低い状態に保つことができる。これにより、その部分か
ら高い放出電子電流密度が得られる。
【0004】6はサプレッサ電極で、1500°Kから
1900°Kに熱せれたタングステンヘアピンフィラメ
ント2からの熱電子を抑制すると同時に、放出する電子
線量の制御も行う。7は引出電極で、単結晶チップ1先
端に電界を印加して、ショットキーエミッション(以
下、SEと略す)を引出す働きをする。8は制御電極
で、引出電極7との間に静電レンズを形成し、引出され
た電子ビームの軌道を制御する。これら単結晶チップ
1、ヘアピンフィラメント2、サプレッサ電極6、引出
電極7、制御電極8等によってショットキー電子銃(以
下、SE電子銃と略す、図6では電子銃本体として示
す)が構成される。
【0005】そして、このSE電子銃の単結晶チップ1
には、数100Vから数100kVの負の加速電圧(V
0)が、加速電源9より印加される。また、ヘアピンフ
ィラメント2には、フィラメント電流源10から加熱電
流(If)が流され、単結晶チップ1の温度を1500
°Kから1900°Kまでの任意の一定温度に通電加熱
する。サプレッサ電極6には、単結晶チップ1に対し負
の電圧(Vs)がサプレッサ電源11より印加される。
また、引出電極7には、チップ1に対し正の引出電圧
(V1)が引出電源12より印加され、制御電極8に
は、制御電圧(V2)が制御電源13より印加される。
そのため、上記各電源を備えた電源装置とSE電子銃と
は、高圧ケーブル14により接続されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記、SE電
子銃の電源装置には、加速電源9,フィラメント電流源
10,サプレッサ電源11,引出電源12,及び制御電
源13の5種類の電源が独立に必要であり、この結果、
電源装置とSE電子銃とを接続する高圧ケーブル14に
は5芯のケーブルが必要となる。
【0007】ところが、従来からある4芯の高圧ケーブ
ルを用いる場合に比べて、この5芯の高圧ケーブル14
を新たに製作するには、数100kVといった高い加速
電圧(V0)で使用する時には高い絶縁耐圧が必要とな
るので、その製作は困難を極め、コストは大幅に上昇す
る。
【0008】一方、加速電圧(V0)が数100kVと
高くなった時、SE電子銃外側(大気中)で放電が発生
する。この放電を防止するために、一般には電子銃自体
をハウジングで覆い、ハウジング内の雰囲気を一旦真空
排気した後、数気圧の絶縁ガスで置換するという方法が
用いられている。特に高加速電圧の電子銃では、ハウジ
ングと高圧ケーブル14とは一体となっているため,5
芯のものを製作する場合には前述のとおりコストが高く
なる。
【0009】また一方で、従来の電界放出型電子銃(以
下、CFE電子銃と略す)で使用されている4芯の高圧
ケーブル、及びこの4芯の高圧ケーブルと一体化される
ハウジングを、SE電子銃に使用する場合は、ハウジン
グ内部に新たに電源を設ける必要がある。しかし、前述
のとおり、SE電子銃のハウジング内は真空排気または
数気圧の絶縁ガスを充填させるために、電源に破損,腐
食等の悪影響を及ぼす可能性がある。
【0010】そのため、SE電子銃で使用される高圧ケ
ーブルと、CFE電子銃で使用される高圧ケーブルとは
共用できないという問題点もあった。本発明は上記の問
題を解決し得るSE電子銃及び電子線装置を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明のショットキー電子銃は、電子を放出する
単結晶チップ、該単結晶チップを加熱するフィラメン
ト、該フィラメントから発生する電子を抑制するサプレ
ッサ電極、前記単結晶チップから電子を引出す電界を与
える引出電極、及び引出された電子の軌道を制御する制
御電極を備えているショットキー電子銃本体に、前記サ
プレッサ電極に負の電圧を印加する電池が設けられてい
ることを特徴とする。そして、前記電池は、気密容器内
に収容され、又は気密にモールドされて、該ショットキ
ー電子銃本体に設けられていることを特徴とする。
【0012】また、本発明のショットキー電子銃は、電
子を放出する単結晶チップと、該単結晶チップを加熱す
るフィラメントと、該フィラメントから発生する電子を
抑制するサプレッサ電極と、前記単結晶チップから電子
を引出す電界を与える引出電極、引出された電子の軌道
を制御する制御電極、及び該制御電極を挟んで前記引出
電極と反対側に配置された複数の電極を有し、引出され
た電子を加速する多段加速管と、該多段加速管を収容
し、多段加速管外周との間に絶縁ガス封入空間を形成す
るハウジングと、該ハウジング内の絶縁ガス封入空間に
設けられ、前記サプレッサ電極に負の電圧を印加する電
池とを備えていることを特徴とする。そして、前記電池
は、気密容器内に収容され、又は気密にモールドされ
て、前記絶縁ガス封入空間に設けられていることを特徴
とする。
【0013】また、本発明の電子装置は、電子を放出す
る単結晶チップ、該単結晶チップを加熱するフィラメン
ト、該フィラメントから発生する電子を抑制するサプレ
ッサ電極、及び前記単結晶チップから電子を引出す電界
を与える引出電極を収容するショットキー電子銃本体
と、前記単結晶チップに負の加速電圧を印加する加速電
源、前記フィラメントに加熱電流を供給するフィラメン
ト電流源、前記単結晶チップに対して負の電圧をサプレ
ッサ電極に印加するサプレッサ電源、及び前記単結晶チ
ップに対して正の電圧を引出電極に印加する引出電源か
らなる電源装置とを備えている電子線装置であって、前
記電源装置は、前記ショットキー電子銃本体と離間して
多芯ケーブルを介して接続された前記加速電源、フィラ
メント電流源、及び引出電源からなる第1の電源部と、
前記ショットキー電子銃本体に設けられた電池によって
構成されるサプレッサ電源からなる第2の電源部とから
なることを特徴とする。
【0014】そして、前記第2電源部を構成するサプレ
ッサ電源としての電池は、陰極側が前記サプレッサ電極
に接続され、陽極側が前記多芯ケーブルよりも前記単結
晶チップ側の位置で前記加速電源からの負の加速電圧に
接続されていることを特徴とする。これにより、本発明
のショットキー電子銃及び電子線装置は、サプレッサ電
源として電池を用い、これを電子銃本体に設けることに
より、高圧ケーブルを介して接続される電源装置の電源
の数を4つに減らし,高圧ケーブルの芯数を4芯にする
ことができ、従来の4芯の高圧ケーブルをそのまま利用
できる。また,電池を電池ホルダに気密に内蔵し、又は
電池をその外部雰囲気、すなわちその設置場所の雰囲気
に対し気密にモールドしてショットキー電子銃本体に設
けることにより、ショットキー電子銃本体の雰囲気(気
圧等)の影響を受けない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。図1
は、本発明の一実施の形態としてのSE電子銃の構成図
である。単結晶チップ1及びフィラメント2には、負の
電位をもった加速電圧(V0)が加速電源9より印加さ
れる。フィラメント2にはフィラメント電流(If)が
フィラメント電流源10から供給され、単結晶チップ1
の温度を1500°Kから1900°Kに加熱する。
【0016】サプレッサ電極6には単結晶チップ1に対
し、数10V〜1kVの負の電圧(Vs)がサプレッサ
電源としての電池15により印加される。更に、引出電
極7及び制御電極8には引出電圧(V1),制御電圧
(V2)がそれぞれ引出電源12,制御電源13より印
加される。
【0017】ここで、上述した加速電源9、フィラメン
ト電流源10、サプレッサ電源としての電池15、引出
電源12、及び制御電源13からなる電源装置は、加速
電源9、フィラメント電流源10、引出電源12、及び
制御電源13を備える第1の電源部と、サプレッサ電源
としての電池15からなる第2の電源部とに分かれてい
る。ここに単結晶チップ1、フィラメント2、サプレッ
サ電極6、引出電極7、制御電極8によりSE電子銃が
構成され、これに電池15を加えたものがSE電子銃本
体を構成する。
【0018】そして、第1の電源部を構成する各電源
9,10,12,13は、SE電子銃本体とは別体に離
間して配置され、SE電子銃本体に設けられた単結晶チ
ップ1,フィラメント2,引出電極7,制御電極8と
は、4芯の高圧ケーブル14を介して接続される。
【0019】これに対し、第2の電源部としてサプレッ
サ電源を構成する電池15は電子銃本体に直接取付けら
れている。そして、この電池15の陽極側は、加速電源
9から単結晶チップ1に加速電圧(V0)を印加するた
めの加速電源ラインに、その高圧ケーブル14よりも単
結晶チップ1側の回路位置(ライン位置)で接続され、
その陰極側は電子銃本体のサプレッサ電極6に接続され
ている。
【0020】以上、本実施の形態のSE電子銃及び電子
線装置によれば、サプレッサ電源として電池15を用
い、これを電子銃本体に設けることにより、高圧ケーブ
ル14を介して接続される電源装置の電源の数を4つに
減らし,高圧ケーブル14の芯数を4芯にすることがで
きる。なお、SE電子銃本体をハウジングで覆い、ハウ
ジング内を真空にして使用することも可能である。
【0021】図2は、本発明の他の実施の形態としての
SE電子銃の構成図である。本実施の形態のSE電子銃
は、数100kVと高い加速電圧(V0)で使用される
SE電子銃であり、多段加速管16が使用されている。
図2は、6段の加速管16を用いた場合のSE電子銃の
例である。
【0022】SE電子銃本体は、SE電子銃本体外側
(大気中)で放電が発生するのを防止するため、ハウジ
ング24で覆われている。その上で、数100kVの高
加速電圧(V0)で使用する場合は、後述するように、
ハウジング24の内部を一旦真空排気した後、数気圧の
絶縁ガスで充填することで大気中の放電を防止する。
【0023】単結晶チップ1及びフィラメント2には、
負の電位をもった加速電圧(V0)が加速電源9より印
加される。フィラメント2には、フィラメント電流(I
f)がフィラメント電流源10から供給され、単結晶チ
ップ1の温度を1500°Kから1900°Kに通電加
熱する。サプレッサ電極6には、単結晶チップ1に対し
数10V〜1kVの負の電圧(Vs)が、サプレッサ電
源としての電池15より印加される。
【0024】電池15は気密容器である電池ホルダ17
内に収納され、本実施の形態では、さらにこの電池ホル
ダ17は電子銃本体のハウジング24内に収納されて固
定される。一方、引出電極7には、単結晶チップ1に対
し正の引出電圧(V1)が、引出電源12より印加され
ている。また、制御電極8には、単結晶チップ1に対し
正の制御電圧(V2)が、制御電源13より印加され
る。
【0025】そして、本実施の形態のSE電子銃では、
この制御電極8を挟んで引出電極7と反対側には、5個
の電極18,19,20,21,22が配置され、制御
電極8以下の電極18,19,20,21,22の各段
間は数GΩの抵抗23で接続され、最終段の電極22は
グランドに接続される。したがって、制御電極8から最
終段の電極22の間の各段間には、グランドに対する制
御電極8の電圧(V0−V2)を5等分した電圧がかか
ることになる。
【0026】これにより、引出電極7、制御電極8、及
びこれら電極18,19,20,21,22は、多段加
速管16を構成する。これら多段加速管16を構成する
各電極7,8,18,19,20,21,22は、ハウ
ジング24に設けられた筒状の電極支持体33によっ
て、その長手方向(軸方向)に同軸に並んで配置されて
いる。
【0027】単結晶チップ1及びサプレッサ電極6は、
この筒状の電極支持体33内の長手方向(軸方向)一側
(マイナス側)に、多段加速管16を構成する引出電極7
と電極支持体33の軸方向に対向するように収容されて
いる。そして、この筒状の電極支持体33内の雰囲気
は、超高真空に保たれている。
【0028】また、本実施の形態のSE電子銃は数10
0kVと高い加速電圧(V0)で使用されるため、ハウ
ジング24内の雰囲気、すなわち電極支持体33の周囲
の雰囲気は、一旦真空排気された後、数気圧の絶縁ガス
で充填することで、大気中の放電を防止するようになっ
ている。したがって、サプレッサ電源としての電池15
を収納した電池ホルダ17は、このハウジング24内の
絶縁ガスで充填される絶縁ガス封入空間に配置されるこ
とになる。
【0029】図3は、数気圧の絶縁ガスで充填されるハ
ウジング24内に設けられ、サプレッサ電源としての電
池15を収納する電池ホルダの構成図である。本実施の
形態の電池ホルダ17は、電池15を収容する筒状の胴
体部17aと、胴体部両端に取付けられ、胴体部両端の
電池装着口をそれぞれ閉塞する蓋体部17bとからなる
筐体構成になっている。そして、胴体部17a端面と蓋
体部17bの対向接合面には、Oリング等のパッキン2
5が配設され、電池ホルダ17の内部はホルダ外部と隔
離される。よって、電池ホルダ17外側の雰囲気、すな
わちハウジング24内の雰囲気の気圧が、前述した数気
圧の不活性ガスの充填によって変化しても、電池ホルダ
17内部は、空気、不活性ガス等により所定圧(大気
圧)に保持される。この際も、この不活性ガスの圧力が
電池ホルダ17の蓋体部17bを胴体部17aの端面に
押し付けるように作用してパッキン25のシール性が増
すことになる。
【0030】また、電池ホルダ17の2つの蓋体部17
bにそれぞれ構成されているコネクタ端子26,27
は、組立中の感電を防止するために凹型の形状をしてい
る。図3ではマイナス(−)側のコネクタ端子26は、
凸型のコネクタ端子28が取付けられたケーブルにより
サプレッサ電極6に接続される。プラス(+)側のコネ
クタ端子27は、同じく凸型のコネクタ端子28によっ
て、1MΩ程度の抵抗29又はヒューズ30を介して、
加速電圧V0に接続される。この抵抗29又はヒューズ
30は、短絡等により電池15に過電流が流れ込むのを
防ぐために設けられている。
【0031】さらに、電池15を気密に収納した電池ホ
ルダ17を、抵抗29又はヒューズ30等と一体にモー
ルドしてハウジング24内に収容すると、作業者が高圧
部分に直接触ることなく,安全にSE電子銃に着脱する
ことが可能となる。なお、電池ホルダ17全体をモール
ドするものにあっては、電池ホルダ17自体は、前述し
たようにパッキン25でホルダ外部に対する気密性を保
持したものでなくともよく、電池15を保持するだけの
構造でもよい。
【0032】図4は電池ホルダ17の変形例を示す図で
ある。同図に示すように、電池ホルダ17にスイッチ3
1を取付け、カバー32で電池ホルダ17及びスイッチ
31を一体的に覆う。スイッチ31は、その操作端がハ
ウジング24の装着方向に進退可能自在に突出してお
り、ハウジング24の装着状態では、操作端はスイッチ
連通状態に保持される一方、ハウジング24の非装着状
態では、操作端はスイッチ不通状態に保持される構成と
なっている。これにより、ハウジング24が前述した筒
状の電極支持体33を覆った状態でのみスイッチ31が
オンとなることによって、更に安全に作業ができるよう
になる。
【0033】図5は、本発明の電子装置の一の実施の態
様であるSE電子銃50を搭載した電子顕微鏡の構成図
である。図において、SE電子銃50より出射された一
次電子5aは、数段の集束レンズ51及び対物レンズ5
2により、試料上53に収束される。収束された一次電
子5aは、試料内で回折や散乱等によりエネルギーが失
われ、試料53を透過する。試料53を透過した電子5
bは、投影レンズ54を用いて再び収束され、検出器5
5に入射する。検出器55に入射する電子5bの量は、
試料53の構造,組成等によって変化する。よって、走
査コイル56を用い一次電子5aを試料53上で走査す
ることにより、試料53の組成や構造をディスプレイ5
7上に画像化することができる。電子顕微鏡を測長顕微
鏡等で使用する場合は、試料53に入射する一次電子5
aの量(プローブ電流:Ip)の制御はサプレッサ電圧
(Vs)を変化させて行っていた。本電子銃ではサプレ
ッサ電源に電池15で使用するため電圧(Vs)を変化
させることが不可能である。しかし、図5に示すような
汎用の電子顕微鏡は測長機能を必要としないため、サプ
レッサ電圧(Vs)が一定でも、引出電圧(V1)およ
び集束レンズ51の励磁電流を変化させることによりプ
ローブ電流を制御することができる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、SE電
子銃のサプレッサ電源をSE電子銃に設けた電池に変更
することにより、高圧ケーブルを介して接続された電源
の数を4つに減らせるだけでなく,高圧ケーブル自体も
5芯から4芯にすることができる。よって、SE電子銃
を搭載する電子線装置に用いられる高圧ケーブルの製作
が容易になり、コストも大幅に削減できる。
【0035】一方、SE電子銃を数100kVの高電圧
で使用する場合、ハウジングの内部の雰囲気が不活性ガ
スの充填によって変化しても、電池ホルダ17内部は所
定圧(大気圧)のまま保持されるので、電池の破損,腐
食等は起こらない。よって、不活性ガスの充填による雰
囲気の変化に耐え得る専用の電池を開発する必要もなく
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態としてのSE電子銃の構
成図である。
【図2】本発明の他の実施の形態としてのSE電子銃の
構成図である。
【図3】サプレッサ電源としての電池を収納する電池ホ
ルダの構成図である。
【図4】電池ホルダの変形例を示す図である。
【図5】本発明の電子装置の一の実施の態様であるSE
電子銃を搭載した電子顕微鏡の構成図である。
【図6】従来のショットキー電子銃の構造図である。
【符号の説明】
1 単結晶チップ 2 フィラメント 3 補給源 6 サプレッサ電極 7 引出電極 8 制御電極 9 加速電源 10 フィラメント電流源 11 サプレッサ電源 12 引出電源 13 制御電源 14 高圧ケーブル 15 電池 16 多段加速管 17 電池ホルダ 24 ハウジング 50 SE電子銃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明珍 健一 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器グループ内 Fターム(参考) 2H097 BA10 CA01 CA16 5C030 BC03 CC07 5F056 CB01 EA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子を放出する単結晶チップ、該単結晶
    チップを加熱するフィラメント、該フィラメントから発
    生する電子を抑制するサプレッサ電極、前記単結晶チッ
    プから電子を引出す電界を与える引出電極、及び引出さ
    れた電子の軌道を制御する制御電極を備えているショッ
    トキー電子銃本体に、前記サプレッサ電極に負の電圧を
    印加する電池が設けられていることを特徴とするショッ
    トキー電子銃。
  2. 【請求項2】 前記電池は、気密容器内に収容されて前
    記ショットキー電子銃本体に設けられていることを特徴
    とする請求項1記載のショットキー電子銃。
  3. 【請求項3】 前記電池は、気密にモールドされて該シ
    ョットキー電子銃本体に設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載のショットキー電子銃。
  4. 【請求項4】 電子を放出する単結晶チップと、 該単結晶チップを加熱するフィラメントと、 該フィラメントから発生する電子を抑制するサプレッサ
    電極と、 前記単結晶チップから電子を引出す電界を与える引出電
    極、引出された電子の軌道を制御する制御電極、及び該
    制御電極を挟んで前記引出電極と反対側に配置された複
    数の電極を有し、引出された電子を加速する多段加速管
    と、 該多段加速管を収容し、多段加速管外周との間に絶縁ガ
    ス封入空間を形成するハウジングと、 該ハウジング内の絶縁ガス封入空間に設けられ、前記サ
    プレッサ電極に負の電圧を印加する電池とを備えている
    ことを特徴とするショットキー電子銃。
  5. 【請求項5】 前記電池は、気密容器内に収容されて前
    記絶縁ガス封入空間に設けられていることを特徴とする
    請求項4記載のショットキー電子銃。
  6. 【請求項6】 前記電池は、前記絶縁ガス封入空間に充
    填される絶縁ガスに対し気密にモールドされて前記絶縁
    ガス封入空間に設けられていることを特徴とする請求項
    4記載のショットキー電子銃。
  7. 【請求項7】 電子を放出する単結晶チップ、該単結晶
    チップを加熱するフィラメント、該フィラメントから発
    生する電子を抑制するサプレッサ電極、及び前記単結晶
    チップから電子を引出す電界を与える引出電極を収容す
    るショットキー電子銃本体と、 前記単結晶チップに負の加速電圧を印加する加速電源、
    前記フィラメントに加熱電流を供給するフィラメント電
    流源、前記単結晶チップに対して負の電圧をサプレッサ
    電極に印加するサプレッサ電源、及び前記単結晶チップ
    に対して正の電圧を引出電極に印加する引出電源からな
    る電源装置とを備えている電子線装置であって、 前記電源装置は、前記ショットキー電子銃本体と離間し
    て多芯ケーブルを介して接続された前記加速電源、フィ
    ラメント電流源、及び引出電源からなる第1の電源部
    と、 前記ショットキー電子銃本体に設けられた電池によって
    構成されるサプレッサ電源からなる第2の電源部とから
    なることを特徴とする電子線装置。
  8. 【請求項8】 前記第2電源部を構成するサプレッサ電
    源としての電池は、陰極側が前記サプレッサ電極に接続
    され、陽極側が前記多芯ケーブルよりも前記単結晶チッ
    プ側の位置で前記加速電源からの負の加速電圧に接続さ
    れていることを特徴とする請求項7記載の電子線装置。
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