JP4268348B2 - ショットキー電子銃及び電子線装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ショットキー電子銃及びショットキー電子銃が搭載される電子顕微鏡や電子線描画装置等の電子線装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来のショットキー電子銃の構成図である。
同図において、1はタングステン(100)等の耐高温金属材料からなる単結晶チップ、2はタングステン等の多結晶線からなるヘアピン型のフィラメントで、単結晶チップ1はフィラメント2に接合されている。4はフィラメント2がスポット溶接されているステンレス等の端子、5はセラミック碍子である。3は酸化物補給源で、単結晶チップ1の中央部、単結晶チップ1の付け根、又はフィラメント2に付着され、単結晶チップ1よりも仕事関数の低いジルコニウム等の金属酸化物によって構成される。
【0003】
このジルコニウム等の金属酸化物3を1500°Kから1900°K程度に加熱することで、金属酸化物3は単結晶チップ1の軸方向に沿って拡散し、単結晶チップ1の先端で酸素とジルコニウム等金属の単原子層を形成する。このときジルコニウム等金属の単原子層は表面拡散及び活性化エネルギーの高い特定の結晶面に選択的に吸着、形成される。ここで、この特定な結晶面が単結晶チップ1の先端となるような単結晶線を用いることで、単結晶チップ1の軸先端1のみを仕事関数の低い状態に保つことができる。これにより、その部分から高い放出電子電流密度が得られる。
【0004】
6はサプレッサ電極で、1500°Kから1900°Kに熱せれたタングステンヘアピンフィラメント2からの熱電子を抑制すると同時に、放出する電子線量の制御も行う。7は引出電極で、単結晶チップ1先端に電界を印加して、ショットキーエミッション(以下、SEと略す)を引出す働きをする。8は制御電極で、引出電極7との間に静電レンズを形成し、引出された電子ビームの軌道を制御する。
これら単結晶チップ1、ヘアピンフィラメント2、サプレッサ電極6、引出電極7、制御電極8等によってショットキー電子銃(以下、SE電子銃と略す、図6では電子銃本体として示す)が構成される。
【0005】
そして、このSE電子銃の単結晶チップ1には、数100Vから数100kVの負の加速電圧(V0)が、加速電源9より印加される。また、ヘアピンフィラメント2には、フィラメント電流源10から加熱電流(If)が流され、単結晶チップ1の温度を1500°Kから1900°Kまでの任意の一定温度に通電加熱する。サプレッサ電極6には、単結晶チップ1に対し負の電圧(Vs)がサプレッサ電源11より印加される。また、引出電極7には、チップ1に対し正の引出電圧(V1)が引出電源12より印加され、制御電極8には、制御電圧(V2)が制御電源13より印加される。
そのため、上記各電源を備えた電源装置とSE電子銃とは、高圧ケーブル14により接続されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記、SE電子銃の電源装置には、加速電源9,フィラメント電流源10,サプレッサ電源11,引出電源12,及び制御電源13の5種類の電源が独立に必要であり、この結果、電源装置とSE電子銃とを接続する高圧ケーブル14には5芯のケーブルが必要となる。
【0007】
ところが、従来からある4芯の高圧ケーブルを用いる場合に比べて、この5芯の高圧ケーブル14を新たに製作するには、数100kVといった高い加速電圧(V0)で使用する時には高い絶縁耐圧が必要となるので、その製作は困難を極め、コストは大幅に上昇する。
【0008】
一方、加速電圧(V0)が数100kVと高くなった時、SE電子銃外側(大気中)で放電が発生する。この放電を防止するために、一般には電子銃自体をハウジングで覆い、ハウジング内の雰囲気を一旦真空排気した後、数気圧の絶縁ガスで置換するという方法が用いられている。特に高加速電圧の電子銃では、ハウジングと高圧ケーブル14とは一体となっているため,5芯のものを製作する場合には前述のとおりコストが高くなる。
【0009】
また一方で、従来の電界放出型電子銃(以下、CFE電子銃と略す)で使用されている4芯の高圧ケーブル、及びこの4芯の高圧ケーブルと一体化されるハウジングを、SE電子銃に使用する場合は、ハウジング内部に新たに電源を設ける必要がある。しかし、前述のとおり、SE電子銃のハウジング内は真空排気または数気圧の絶縁ガスを充填させるために、電源に破損,腐食等の悪影響を及ぼす可能性がある。
【0010】
そのため、SE電子銃で使用される高圧ケーブルと、CFE電子銃で使用される高圧ケーブルとは共用できないという問題点もあった。
本発明は上記の問題を解決し得るSE電子銃及び電子線装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明のショットキー電子銃は、電子を放出する単結晶チップ、該単結晶チップを加熱するフィラメント、該フィラメントから発生する電子を抑制するサプレッサ電極、前記単結晶チップから電子を引出す電界を与える引出電極、及び引出された電子の軌道を制御する制御電極を備え、前記フィラメント、引出電極、及び制御電極に電圧を印加するためのケーブルに接続されるショットキー電子銃本体に、前記サプレッサ電極に負の電圧を印加する電池が固定され、当該電池は、その正側が前記フィラメントに導通するように接続され、負側が前記サプレッサ電極に接続されることを特徴とする。
そして、前記電池は、気密容器内に収容され、又は気密にモールドされて、該ショットキー電子銃本体に設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のショットキー電子銃は、電子を放出する単結晶チップと、該単結晶チップを加熱するフィラメントと、該フィラメントから発生する電子を抑制するサプレッサ電極と、前記単結晶チップから電子を引出す電界を与える引出電極、引出された電子の軌道を制御する制御電極、及び該制御電極を挟んで前記引出電極と反対側に配置された複数の電極を有し、引出された電子を加速する多段加速管と、該多段加速管を収容し、多段加速管外周との間に絶縁ガス封入空間を形成するとともに、前記フィラメント、引出電極、制御電極、及び複数の電極に電圧を印加するためのケーブルに接続されるハウジングと、該ハウジング内の絶縁ガス封入空間に固定され、前記サプレッサ電極に負の電圧を印加するための、その正側が前記フィラメントに導通するように接続され、負側が前記サプレッサ電極に接続される電池とを備えていることを特徴とする。
そして、前記電池は、気密容器内に収容され、又は気密にモールドされて、前記絶縁ガス封入空間に設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の電子装置は、電子を放出する単結晶チップ、該単結晶チップを加熱するフィラメント、該フィラメントから発生する電子を抑制するサプレッサ電極、及び前記単結晶チップから電子を引出す電界を与える引出電極を収容するショットキー電子銃本体と、前記単結晶チップに負の加速電圧を印加する加速電源、前記フィラメントに加熱電流を供給するフィラメント電流源、前記単結晶チップに対して負の電圧をサプレッサ電極に印加するサプレッサ電源、及び前記単結晶チップに対して正の電圧を引出電極に印加する引出電源からなる電源装置とを備えている電子線装置であって、前記電源装置は、前記加速電源、フィラメント電流源、及び引出電源を備え、前記ショットキー電子銃本体と離間して設けられて前記ショットキー電子銃本体に多芯ケーブルを介して接続される第1の電源部と、前記ショットキー電子銃本体に一体的に固定されたサプレッサ電源としての、正側が前記フィラメントに導通するように接続され、負側が前記サプレッサ電極に接続される電池からなる第2の電源部とからなることを特徴とする。
【0014】
そして、前記第2電源部を構成するサプレッサ電源としての電池は、負側が前記サプレッサ電極に接続され、正側が前記多芯ケーブルよりも前記単結晶チップ側の位置で前記加速電源からの前記単結晶チップに印加する負の加速電圧に接続されていることを特徴とする。
これにより、本発明のショットキー電子銃及び電子線装置は、サプレッサ電源として電池を用い、これを電子銃本体に設けることにより、高圧ケーブルを介して接続される電源装置の電源の数を4つに減らし,高圧ケーブルの芯数を4芯にすることができ、従来の4芯の高圧ケーブルをそのまま利用できる。
また、電池を電池ホルダに気密に内蔵し、又は電池をその外部雰囲気、すなわちその設置場所の雰囲気に対し気密にモールドしてショットキー電子銃本体に設けることにより、ショットキー電子銃本体の雰囲気(気圧等)の影響を受けない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態としてのSE電子銃の構成図である。
単結晶チップ1及びフィラメント2には、負の電位をもった加速電圧(V0)が加速電源9より印加される。フィラメント2にはフィラメント電流(If)がフィラメント電流源10から供給され、単結晶チップ1の温度を1500°Kから1900°Kに加熱する。
【0016】
サプレッサ電極6には単結晶チップ1に対し、数10V〜1kVの負の電圧(Vs)がサプレッサ電源としての電池15により印加される。更に、引出電極7及び制御電極8には引出電圧(V1),制御電圧(V2)がそれぞれ引出電源12,制御電源13より印加される。
【0017】
ここで、上述した加速電源9、フィラメント電流源10、サプレッサ電源としての電池15、引出電源12、及び制御電源13からなる電源装置は、加速電源9、フィラメント電流源10、引出電源12、及び制御電源13を備える第1の電源部と、サプレッサ電源としての電池15からなる第2の電源部とに分かれている。ここに単結晶チップ1、フィラメント2、サプレッサ電極6、引出電極7、制御電極8によりSE電子銃が構成され、これに電池15を加えたものがSE電子銃本体を構成する。
【0018】
そして、第1の電源部を構成する各電源9,10,12,13は、SE電子銃本体とは別体に離間して配置され、SE電子銃本体に設けられた単結晶チップ1,フィラメント2,引出電極7,制御電極8とは、4芯の高圧ケーブル14を介して接続される。
【0019】
これに対し、第2の電源部としてサプレッサ電源を構成する電池15は電子銃本体に直接取付けられている。そして、この電池15の陽極側は、加速電源9から単結晶チップ1に加速電圧(V0)を印加するための加速電源ラインに、その高圧ケーブル14よりも単結晶チップ1側の回路位置(ライン位置)で接続され、その陰極側は電子銃本体のサプレッサ電極6に接続されている。
【0020】
以上、本実施の形態のSE電子銃及び電子線装置によれば、サプレッサ電源として電池15を用い、これを電子銃本体に設けることにより、高圧ケーブル14を介して接続される電源装置の電源の数を4つに減らし,高圧ケーブル14の芯数を4芯にすることができる。なお、SE電子銃本体をハウジングで覆い、ハウジング内を真空にして使用することも可能である。
【0021】
図2は、本発明の他の実施の形態としてのSE電子銃の構成図である。
本実施の形態のSE電子銃は、数100kVと高い加速電圧(V0)で使用されるSE電子銃であり、多段加速管16が使用されている。
図2は、6段の加速管16を用いた場合のSE電子銃の例である。
【0022】
SE電子銃本体は、SE電子銃本体外側(大気中)で放電が発生するのを防止するため、ハウジング24で覆われている。その上で、数100kVの高加速電圧(V0)で使用する場合は、後述するように、ハウジング24の内部を一旦真空排気した後、数気圧の絶縁ガスで充填することで大気中の放電を防止する。
【0023】
単結晶チップ1及びフィラメント2には、負の電位をもった加速電圧(V0)が加速電源9より印加される。フィラメント2には、フィラメント電流(If)がフィラメント電流源10から供給され、単結晶チップ1の温度を1500°Kから1900°Kに通電加熱する。
サプレッサ電極6には、単結晶チップ1に対し数10V〜1kVの負の電圧(Vs)が、サプレッサ電源としての電池15より印加される。
【0024】
電池15は気密容器である電池ホルダ17内に収納され、本実施の形態では、さらにこの電池ホルダ17は電子銃本体のハウジング24内に収納されて固定される。
一方、引出電極7には、単結晶チップ1に対し正の引出電圧(V1)が、引出電源12より印加されている。また、制御電極8には、単結晶チップ1に対し正の制御電圧(V2)が、制御電源13より印加される。
【0025】
そして、本実施の形態のSE電子銃では、この制御電極8を挟んで引出電極7と反対側には、5個の電極18,19,20,21,22が配置され、制御電極8以下の電極18,19,20,21,22の各段間は数GΩの抵抗23で接続され、最終段の電極22はグランドに接続される。したがって、制御電極8から最終段の電極22の間の各段間には、グランドに対する制御電極8の電圧(V0−V2)を5等分した電圧がかかることになる。
【0026】
これにより、引出電極7、制御電極8、及びこれら電極18,19,20,21,22は、多段加速管16を構成する。
これら多段加速管16を構成する各電極7,8,18,19,20,21,22は、ハウジング24に設けられた筒状の電極支持体33によって、その長手方向(軸方向)に同軸に並んで配置されている。
【0027】
単結晶チップ1及びサプレッサ電極6は、この筒状の電極支持体33内の長手方向(軸方向)一側(マイナス側)に、多段加速管16を構成する引出電極7と電極支持体33の軸方向に対向するように収容されている。そして、この筒状の電極支持体33内の雰囲気は、超高真空に保たれている。
【0028】
また、本実施の形態のSE電子銃は数100kVと高い加速電圧(V0)で使用されるため、ハウジング24内の雰囲気、すなわち電極支持体33の周囲の雰囲気は、一旦真空排気された後、数気圧の絶縁ガスで充填することで、大気中の放電を防止するようになっている。
したがって、サプレッサ電源としての電池15を収納した電池ホルダ17は、このハウジング24内の絶縁ガスで充填される絶縁ガス封入空間に配置されることになる。
【0029】
図3は、数気圧の絶縁ガスで充填されるハウジング24内に設けられ、サプレッサ電源としての電池15を収納する電池ホルダの構成図である。
本実施の形態の電池ホルダ17は、電池15を収容する筒状の胴体部17aと、胴体部両端に取付けられ、胴体部両端の電池装着口をそれぞれ閉塞する蓋体部17bとからなる筐体構成になっている。そして、胴体部17a端面と蓋体部17bの対向接合面には、Oリング等のパッキン25が配設され、電池ホルダ17の内部はホルダ外部と隔離される。よって、電池ホルダ17外側の雰囲気、すなわちハウジング24内の雰囲気の気圧が、前述した数気圧の不活性ガスの充填によって変化しても、電池ホルダ17内部は、空気、不活性ガス等により所定圧(大気圧)に保持される。この際も、この不活性ガスの圧力が電池ホルダ17の蓋体部17bを胴体部17aの端面に押し付けるように作用してパッキン25のシール性が増すことになる。
【0030】
また、電池ホルダ17の2つの蓋体部17bにそれぞれ構成されているコネクタ端子26,27は、組立中の感電を防止するために凹型の形状をしている。図3ではマイナス(−)側のコネクタ端子26は、凸型のコネクタ端子28が取付けられたケーブルによりサプレッサ電極6に接続される。プラス(+)側のコネクタ端子27は、同じく凸型のコネクタ端子28によって、1MΩ程度の抵抗29又はヒューズ30を介して、加速電圧V0に接続される。この抵抗29又はヒューズ30は、短絡等により電池15に過電流が流れ込むのを防ぐために設けられている。
【0031】
さらに、電池15を気密に収納した電池ホルダ17を、抵抗29又はヒューズ30等と一体にモールドしてハウジング24内に収容すると、作業者が高圧部分に直接触ることなく,安全にSE電子銃に着脱することが可能となる。
なお、電池ホルダ17全体をモールドするものにあっては、電池ホルダ17自体は、前述したようにパッキン25でホルダ外部に対する気密性を保持したものでなくともよく、電池15を保持するだけの構造でもよい。
【0032】
図4は電池ホルダ17の変形例を示す図である。
同図に示すように、電池ホルダ17にスイッチ31を取付け、カバー32で電池ホルダ17及びスイッチ31を一体的に覆う。
スイッチ31は、その操作端がハウジング24の装着方向に進退可能自在に突出しており、ハウジング24の装着状態では、操作端はスイッチ連通状態に保持される一方、ハウジング24の非装着状態では、操作端はスイッチ不通状態に保持される構成となっている。
これにより、ハウジング24が前述した筒状の電極支持体33を覆った状態でのみスイッチ31がオンとなることによって、更に安全に作業ができるようになる。
【0033】
図5は、本発明の電子装置の一の実施の態様であるSE電子銃50を搭載した電子顕微鏡の構成図である。
図において、SE電子銃50より出射された一次電子5aは、数段の集束レンズ51及び対物レンズ52により、試料上53に収束される。収束された一次電子5aは、試料内で回折や散乱等によりエネルギーが失われ、試料53を透過する。試料53を透過した電子5bは、投影レンズ54を用いて再び収束され、検出器55に入射する。検出器55に入射する電子5bの量は、試料53の構造,組成等によって変化する。よって、走査コイル56を用い一次電子5aを試料53上で走査することにより、試料53の組成や構造をディスプレイ57上に画像化することができる。電子顕微鏡を測長顕微鏡等で使用する場合は、試料53に入射する一次電子5aの量(プローブ電流:Ip)の制御はサプレッサ電圧(Vs)を変化させて行っていた。本電子銃ではサプレッサ電源に電池15で使用するため電圧(Vs)を変化させることが不可能である。しかし、図5に示すような汎用の電子顕微鏡は測長機能を必要としないため、サプレッサ電圧(Vs)が一定でも、引出電圧(V1)および集束レンズ51の励磁電流を変化させることによりプローブ電流を制御することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、SE電子銃のサプレッサ電源をSE電子銃に設けた電池に変更することにより、高圧ケーブルを介して接続された電源の数を4つに減らせるだけでなく,高圧ケーブル自体も5芯から4芯にすることができる。
よって、SE電子銃を搭載する電子線装置に用いられる高圧ケーブルの製作が容易になり、コストも大幅に削減できる。
【0035】
一方、SE電子銃を数100kVの高電圧で使用する場合、ハウジングの内部の雰囲気が不活性ガスの充填によって変化しても、電池ホルダ17内部は所定圧(大気圧)のまま保持されるので、電池の破損,腐食等は起こらない。
よって、不活性ガスの充填による雰囲気の変化に耐え得る専用の電池を開発する必要もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態としてのSE電子銃の構成図である。
【図2】本発明の他の実施の形態としてのSE電子銃の構成図である。
【図3】サプレッサ電源としての電池を収納する電池ホルダの構成図である。
【図4】電池ホルダの変形例を示す図である。
【図5】本発明の電子装置の一の実施の態様であるSE電子銃を搭載した電子顕微鏡の構成図である。
【図6】従来のショットキー電子銃の構造図である。
【符号の説明】
1 単結晶チップ
2 フィラメント
3 補給源
6 サプレッサ電極
7 引出電極
8 制御電極
9 加速電源
10 フィラメント電流源
11 サプレッサ電源
12 引出電源
13 制御電源
14 高圧ケーブル
15 電池
16 多段加速管
17 電池ホルダ
24 ハウジング
50 SE電子銃

Claims (8)

  1. 電子を放出する単結晶チップ、該単結晶チップを加熱するフィラメント、該フィラメントから発生する電子を抑制するサプレッサ電極、前記単結晶チップから電子を引出す電界を与える引出電極、及び引出された電子の軌道を制御する制御電極を備え、前記フィラメント、引出電極、及び制御電極に電圧を印加するためのケーブルに接続されるショットキー電子銃本体に、前記サプレッサ電極に負の電圧を印加する電池が固定され、当該電池は、その正側が前記フィラメントに導通するように接続され、負側が前記サプレッサ電極に接続される
    ことを特徴とするショットキー電子銃。
  2. 前記電池は、気密容器内に収容されて前記ショットキー電子銃本体に固定されていることを特徴とする請求項1記載のショットキー電子銃。
  3. 前記電池は、気密にモールドされて前記ショットキー電子銃本体に固定されていることを特徴とする請求項1記載のショットキー電子銃。
  4. 電子を放出する単結晶チップと、
    該単結晶チップを加熱するフィラメントと、
    該フィラメントから発生する電子を抑制するサプレッサ電極と、
    前記単結晶チップから電子を引出す電界を与える引出電極、引出された電子の軌道を制御する制御電極、及び該制御電極を挟んで前記引出電極と反対側に配置された複数の電極を有し、引出された電子を加速する多段加速管と、
    該多段加速管を収容し、多段加速管外周との間に絶縁ガス封入空間を形成するとともに、前記フィラメント、引出電極、制御電極、及び複数の電極に電圧を印加するためのケーブルに接続されるハウジングと、
    該ハウジング内の絶縁ガス封入空間に固定され、前記サプレッサ電極に負の電圧を印加するための、その正側が前記フィラメントに導通するように接続され、負側が前記サプレッサ電極に接続される電池と
    を備えていることを特徴とするショットキー電子銃。
  5. 前記電池は、気密容器内に収容されて前記絶縁ガス封入空間に固定されていることを特徴とする請求項4記載のショットキー電子銃。
  6. 前記電池は、前記絶縁ガス封入空間に充填される絶縁ガスに対し気密にモールドされて前記絶縁ガス封入空間に固定されていることを特徴とする請求項4記載のショットキー電子銃。
  7. 電子を放出する単結晶チップ、該単結晶チップを加熱するフィラメント、該フィラメントから発生する電子を抑制するサプレッサ電極、及び前記単結晶チップから電子を引出す電界を与える引出電極を収容するショットキー電子銃本体と、
    前記単結晶チップに負の加速電圧を印加する加速電源、前記フィラメントに加熱電流を供給するフィラメント電流源、前記単結晶チップに対して負の電圧をサプレッサ電極に印加するサプレッサ電源、及び前記単結晶チップに対して正の電圧を引出電極に印加する引出電源からなる電源装置と
    を備えている電子線装置であって、
    前記電源装置は、前記加速電源、フィラメント電流源、及び引出電源を備え、前記ショットキー電子銃本体と離間して設けられて前記ショットキー電子銃本体に多芯ケーブルを介して接続される第1の電源部と、
    前記ショットキー電子銃本体に一体的に固定されたサプレッサ電源としての、正側が前 記フィラメントに導通するように接続され、負側が前記サプレッサ電極に接続される電池からなる第2の電源部と
    からなることを特徴とする電子線装置。
  8. 前記第2電源部を構成するサプレッサ電源としての電池は、負側が前記サプレッサ電極に接続され、正側が前記多芯ケーブルよりも前記単結晶チップ側の位置で前記加速電源からの前記単結晶チップに印加する負の加速電圧に接続されていることを特徴とする請求項7記載の電子線装置。
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