JP2003015642A - 調律器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 純正律の調律が容易な調律器。 【解決手段】 平均律からのずれをcent目盛で表示する
表示部３２に、短３度における純正律のずれ＋１５．６
４centを示すマーク３４と、長３度における純正律のず
れ−１３．６９centを示すマーク３６を付する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、楽器の調律等に使
用する、基準音からの入力音の音程（interval）とその
音程におけるピッチ誤差を表示する調律器に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の調律器には、ピッチ誤差を表示
するメーター表示部として、機械式メーターを使用した
もの、ＬＥＤを使用したもの、ＬＣＤを使用したものな
どがあるが、いずれの場合でも、その目盛は平均律にお
けるセント（cent）を単位して表わされており、目盛の
中央が０centになっている。そして、メーターの表示が
０centになるように楽器のピッチを調節することによっ
て、平均律の音程に調律される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】平均律の音程で和音を
鳴らすと、オクターブ以外の和音はすべて響きがにごる
ため、合奏を行う場合和音をにごりなく純正に鳴らす為
には、ピッチを平均律からずらす必要がある。また、ず
らす量は和音の音程によって異なる。以下に協音程を純
正に鳴らすための平均律からのずれの量を示す。

【０００４】

【表１】

【０００５】演奏者はにごりの無い和音を鳴らすために
そのつど楽器のピッチを調節して合奏を行っているが、
従来の調律器のメーターはセンター０表示がある平均律
であり、純正な音程を示す表示はいっさい無く、演奏者
は和音を純正に奏するためのピッチ情報を調律器から得
ることは出来なかった。

【０００６】また、純正律が内蔵された調律器も存在す
るが、調律するたびに和音の調を指定する必要があり、
またその調のうちのすべての音程が純正と言うわけでは
ないので実用的ではなかった。

【０００７】したがって本発明の目的は、“ある音に対
する純正長３度の音を確認する”というように、純正律
の調律を容易に行なうことのできる調律器を提供するこ
とにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の調律器は、入力された音からその基本周期を抽出
する手段と、抽出された基本周期に基づき、入力された
音の、平均律における基準音からの音程を決定し、決定
された音程におけるピッチ誤差を検出する手段と、決定
された音程と検出されたピッチ誤差とを表示する表示器
とを具備し、該ピッチ誤差を表示するための表示器の目
盛は、入力音を純正律に調律したときの平均律からのピ
ッチ誤差を示すマークを有するものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は本発明の一実施例に係る調
律器の構成を示すブロック図である。

【００１０】図１において、マイクロホン１０により収
集された楽器の音は増幅器１２で矩形波になるまで増幅
された後マイクロコンピュータ１４へ入力される。マイ
クロコンピュータ１４においては入力された矩形波の０
クロスポイントの時間情報から基本周期を分析して抽出
する。或いはまた、マイクロホン１０により収集された
楽器の音を増幅器１２で増幅した後、図示しないＡ／Ｄ
コンバータでディジタル信号に変換した後、マイクロコ
ンピュータ１４へ入力する（或いはＡ／Ｄコンバータは
マイクロコンピュータ１４に内蔵される）。

【００１１】マイクロコンピュータ１４においては、ソ
フトフェアで実現される基本周期抽出部１６において、
入力された音の基本周期が分析され、抽出される。ピッ
チ誤差検出部１８において、抽出された基本周期と基本
音の周期が比較されて入力された音の音程が決定され、
決定された音程におけるピッチ誤差が検出される。入力
された音の音程とピッチ誤差は、ピッチ表示制御部２０
によりピッチ表示器２２に表示される。

【００１２】ピッチ表示器２２はＬＣＤ，ＬＥＤ、機械
式等のいずれでも良いが、ＬＣＤ式である場合の表示パ
ターンの一例を図２に示す。

【００１３】図２において、表示部３０には、基準音か
らの音程が表示される。表示部３２には、ピッチ誤差が
cent目盛で表示される。

【００１４】マーク３４は、平均律における短３度の音
程からの純正調における短３度のずれ＋１５．６４cent
の（表１参照）、上記cent目盛上の位置を示すものであ
る。また、マーク３６は、平均律における長３度の音程
からの純正調における長３度のずれ−１３．６９cent
の、上記cent目盛上の位置を示す。

【００１５】Ｃ−Ｅの長３度を調律する場合を例にとっ
て、上記の調律器の使用方法を説明する。まず、根音の
Ｃの音を出して、表示部３２に表示される指針が０cent
の位置を示すようにする。次に、Ｅの音を出し、指針が
−１３．６９centの位置、すなわち、マーク３６を指す
ように楽器を調律する。これによって純正調の長３度音
程の調律が完了する。

【００１６】図２には長短３度における純正調のずれを
示すマークを付する例を示したが、これらに代えて、ま
たはこれらに加えて、表１に示したような完全４度、完
全５度、長短６度における純正調のずれを示すマークを
付しても良い。

【００１７】以下の表２および表３に示す音程について
も、上記のＣ−Ｅの長３度を調律する例と同様にして、
ぞれぞれのマーク位置に指針が合うように調律すること
で純正な調律が可能となる。

【００１８】

【表２】

【００１９】

【表３】

【００２０】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、純正
律の調律を容易に行なうことのできる調律器が提供され
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】調律器の構成を示すブロック図である。

【図２】表示器ＬＣＤである場合の表示パターンを示す
図である。

【符号の説明】

３４…短３度における純正調のずれを示すマーク ３６…長３度における純正調のずれを示すマーク

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入力された音からその基本周期を抽出す
   る手段と、 抽出された基本周期に基づき、入力された音の、平均律
   における基準音からの音程を決定し、決定された音程に
   おけるピッチ誤差を検出する手段と、 決定された音程と検出されたピッチ誤差とを表示する表
   示器とを具備し、 該ピッチ誤差を表示するための表示器の目盛は、入力音
   を純正律に調律したときの平均律からのピッチ誤差を示
   すマークを有する調律器。
2. 【請求項２】 前記マークは、基準音からの音程が短３
   度および長３度であるときのピッチ誤差をそれぞれ示す
   マークを含む請求項１記載の調律器。