JP4367156B2 - 調律装置及びそのプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、調律装置に係り、特に、音程を異にする複数の楽音相互の純正律に従った調律を支援する調律装置に関する。
楽器の調律を行なう際は、基準となる音程の周波数(例えば、440Hz)を発音する音叉等の機器を用意し、この機器の発する音と楽器の発する音とのピッチのずれを使用者が聴取することで、楽器の音程を適宜調整していくというのが一般的である。そして、かかる調律作業を支援するための調律機器に関する発明もこれまでに提案されている。
例えば、特許文献1には、ギターの各開放弦を基本音高よりも半音乃至1音低く調律するフラットチューニングなる調律法に好適な調律装置が開示されている。同文献によると、この調律装置は、調律の基準音のピッチと、基準音の音高と調律したい音高との相対変化量(例えば「−半音」や「−1音」など)とを予め設定した後、開放弦の打弦により楽音信号が入力されると、以下に示すような処理を実行する。まず、入力された楽音信号からピッチを抽出し、そのピッチと対応する音高を特定する。その後、予め設定されていた相対変化量に応じ、その音高よりも低い音程の音名を、楽音信号と対応する音名として表示する。これにより、調律者は、開放弦の基本音高の音名を基準としつつフラットチューニングを行うことができる。
また、特許文献2には、和音を演奏する際の調律を支援する調律器が開示されている。同文献によると、この調律器は、調律対象となる楽音の音名、及びその楽音と和音を奏でたい標準楽音との音程差が共に設定された後に、調律対象となる楽音の楽音信号の入力を受け付ける。するとこの調律器は、設定された音名及び音程差を基に、標準楽音の平均律によるピッチを特定し、このピッチが示す音高で標準楽音を放音する。一方で、この標準楽音と調律対象となる楽音との音程差を純正律のピッチ差に換算して標準楽音のピッチに加算し、加算により得たピッチと調律対象となる楽音の楽音信号のピッチとの誤差を表示する。これにより、標準楽音のピッチに対し純正な和音の響きを奏でるような調律を行なうことができる。
特願平05−66766号公報 特開2002−132256号公報
ところで、複数の演奏者でアンサンブルを行なったり、又は和音を奏でるような曲の独奏を行なったりする際は、純正律に従った調律が好まれることが多い。純正律とは、全音階中の主要な完全5度や長3度が和音的に純正に響くように、それら各音間の音程を単純な整数比で定めた音律を意味する。
特許文献2に記載されているように、この純正律に従った調律を支援する調律機器も提案されてはいるものの、係る調律機器は、和音を構成する複数の楽音のうちから基準音をまず指定し、この基準音のピッチに所定の差分値を加算して得たピッチと、入力信号から抽出したピッチとのずれを単に提示するに過ぎないものであった。
しかしながら、純正律に従った調律を行なう場合、複数の楽音相互のピッチの関係が整数比に従ってさえいればそれら各楽音による純正な和音の響きが実現できるため、和音を構成する複数の楽音のうちいずれかを基準音としてそのピッチを固定し、固定したピッチに依存して他の楽音を微調整していくのではなく、楽音相互の響き具合のみを頼りに調律を行うケースも実際には多い。上記特許文献2に記載された調律機器は、かかる態様の調律作業には不向きであった。
本発明は、このような状況の下に案出されたものであり、純正律に従った調律作業をより好適に支援する調律装置を提供することを目的とする。
本発明の好適な態様である調律装置は、複数の楽音の組が所定の音律に従った和音を構成するための当該複数の楽音間のピッチ比率を、それら各楽音の音程差毎に記憶した比率記憶手段と、各楽音であるとみなすことができるピッチ範囲をそれら各楽音の音名と各々対応付けて記憶したピッチ範囲記憶手段と、複数の楽音間の音程差を、それら各楽音の音名の組み合わせ毎に記憶した音程差記憶手段と、楽音信号を入力する入力手段と、前記入力手段から入力された楽音信号から、同時に又は連続して発音された複数の楽音のピッチをそれぞれ抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された前記各ピッチが該当するピッチ範囲と対応付けられた音名を前記ピッチ範囲記憶手段からそれぞれ特定する音名特定手段と、前記音名特定手段により特定された前記各音名の組み合わせと対応付けられた音程差を前記音程差記憶手段から特定する音程差特定手段と、前記抽出手段により抽出された前記各ピッチのピッチ間のピッチ比率を算出する比率算出手段と、前記音程差特定手段により特定された前記音程差と対応付けられたピッチ比率を前記比率記憶手段から読出し、読み出したピッチ比率と前記比率算出手段によって算出されたピッチ比率とのずれを判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果を表示する表示手段とを備える。
上述した態様において、前記判断手段、前記読み出したピッチ比率と前記算出されたピッチ比率とのずれを定量的に示すずれ値を算出し、前記表示手段、前記判断手段により算出された前記ずれ値を表示するようにしてもよい。
また、本実施形態の別の好適な態様である調律プログラムは、複数の楽音の組が所定の音律に従った和音を構成するための当該複数の楽音間のピッチ比率を、それら各楽音の音程差毎に記憶した比率記憶手段と、各楽音であるとみなすことができるピッチ範囲をそれら各楽音の音名と各々対応付けて記憶したピッチ範囲記憶手段と、複数の楽音間の音程差を、それら各楽音の音名の組み合わせ毎に記憶した音程差記憶手段と、楽音信号を入力する入力手段と、情報の表示手段とを備えたコンピュータ装置に、前記入力手段から入力された楽音信号から、同時に又は連続して発音された複数の楽音のピッチをそれぞれ抽出する抽出処理と、前記抽出処理により抽出された前記各ピッチが該当するピッチ範囲と対応付けられた音名を前記ピッチ範囲記憶手段からそれぞれ特定する音名特定処理と、前記音名特定処理により特定された前記各音名の組み合わせと対応付けられた音程差を前記音程差記憶手段から特定する音程差特定処理と、前記抽出処理により抽出された前記各ピッチのピッチ間のピッチ比率を算出する比率算出処理と、前記音程差特定処理により特定された前記音程差と対応付けられたピッチ比率を前記比率記憶手段から読出し、読み出したピッチ比率と前記比率算出処理によって算出されたピッチ比率とのずれを判断する判断処理とを実行させる。
本発明によると、複数の楽音が和音を構成するために望ましいピッチ比率を予め記憶しておき、このピッチ比率と、楽音信号からそれぞれ抽出した複数の楽音のピッチ比率とのずれを表示するようになっているので、純正な和音を構成するような音程での調律をより効率的に行なうことができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る調律装置について説明する。本実施形態に係る調律装置は弦楽器の各弦の調律に好適なものであり、その特徴は、純正な和音を構成するための2音間の好適なピッチ比率を予め記憶しておき、この比率と、調律対象として入力された2種類の楽音信号からそれぞれ抽出したピッチ相互の比率とのずれを調律者に提示するようにした点である。
ここで、以下の説明において、「楽音」の語は、1つの音名で表すことができる音を意味するものとして使用する。また、「インターバル」の語は、複数の楽音の音程差を半音間隔で示す尺度を意味するものとして使用する。例えば、半音が4つ分離れた2音間の音程差をこの尺度によって表すと、「長3度」となり、また、半音が7つ分離れた2音間の音程差を表すと「完全5度」となる。
図1は、本実施形態にかかる調律装置のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示すように、この調律装置は、基準周波数比記憶部11と、和音情報設定部12と、楽音入力部13と、時間領域抽出部14と、周波数抽出部15と、周波数比算出部16と、表示部17とを備えている。
基準周波数比記憶部11は、例えば不揮発性記憶素子であり、2つの楽音が純正な和音となるためのピッチ比率をそれら2楽音の音程差毎に記述したテーブルを記憶している。図2は、基準周波数比記憶部11に記憶されたテーブルのデータ構造図である。このテーブルを構成するレコードの各々は、「インターバル」と、「ピッチ比率」の2つのフィールドを有している。「インターバル」のフィールドには、「完全5度」、「長3度」といったような2つの楽音間のインターバルが記録されている。「ピッチ比率」のフィールドには、各インターバルが示す音程差で演奏された2つの楽音のうち、音程の低い方のピッチ(基本周波数)を「1」とした場合における他方のピッチとの相対関係を示すピッチ比率を記録している。例えば、このテーブルの2段目のレコードには、「完全5度」というインターバルと、「1:3/2」というピッチ比率とが対応付けられている。このレコードは、A音とE音の組やC音とG音の組のように両楽音間のインターバルが5度になるときは、音程の低い方の楽音を基準としたピッチ比率が「1:3/2」となるような調律を行なうようにすると、純正な和音を奏でることができることを示している。
和音情報設定部12は、調律対象となる2つの楽音間のインターバルを設定するための入力素子などを備えている。
楽音入力部13は、マイクロホン、振動センサ、増幅回路、フィルタ回路などを備えており、調律者の演奏音から取得した楽音信号を波形整形した後に、時間領域抽出部14及び周波数抽出部15に出力する。
時間領域抽出部14は、楽音入力部13から入力される楽音信号の波形が示す振幅レベルが所定の閾値を上回っているか否かを検出し、この振幅レベルが閾値を上回っている間はピッチ安定区間にあることを示す信号を周波数抽出部15に供給する一方で、下回っている間はピッチ不安定区間にあることを示す信号を周波数抽出部15に供給する。
周波数抽出部15は、時間領域抽出部14からピッチ安定区間にあることを示す信号が供給されると、楽音信号の波形から楽音のピッチを抽出する。具体的には、楽音信号の波形が負から正に変化する際の各ゼロクロスを検出し、それらゼロクロスの時間間隔を測定することによって、ピッチを抽出する。なお、ピッチを抽出するのは、ピッチ安定区間であることを示す信号が供給されていることに加えて、検出したゼロクロスの時間間隔の変動が所定値より小さい場合としてもよい。この場合、ピッチを抽出しない間は、最後に抽出したピッチを保持して出力してもよい。
周波数比算出部16は、各種演算を行なうMPU(micro processor unit)や、データを一時的に記憶するメモリなどを備えており、周波数抽出部15によって各楽音毎に抽出されたピッチ相互のピッチ比率を算出すると共に、算出したピッチ比率と基準周波数比記憶部11に記憶したピッチ比率とのずれ値を算出する。
表示部17は、周波数比算出部16によって算出されたずれ値を小数点以下第2位まで表示可能なセグメント式LED(light emitting diode)である。
図3は、本実施形態にかかる調律装置の動作を示すフローチャートである。
本調律装置を動作させる前に、調律者はまず、調律対象となる2つの楽音のインターバルを和音情報設定部12に設定する。例えば、調律者が自らの弦楽器の「C(ド)」の音程の弦と「G(ソ)」の音程の弦とを調律したいのであれば、両音の音程差を示すインターバルである「完全5度」を和音情報設定部12に設定する。和音情報設定部12は、設定されたインターバルを周波数比算出部16に引き渡す(S110)。周波数比算出部16は、そのインターバルを自らのメモリに一時的に記憶する。
続いて、調律者は、調律対象となる2つの楽音を、自らの楽器を用いて順に演奏する。各楽音が演奏されると、その楽音信号が楽音入力部13から時間領域抽出部14及び周波数抽出部15に供給される。
周波数抽出部15は、供給される楽音信号のピッチ安定区間を時間領域抽出部14の支援を基に特定し、その区間の波形からピッチを抽出して、周波数比算出部16に引き渡す(S120)。周波数比算出部16は、各楽音毎に抽出されたピッチを自らのメモリに一時的に格納する。なお、上述したように、本実施形態にかかる周波数抽出部15は、ゼロクロスの時間間隔を検出することでピッチを抽出する構成となっており、音程を異にする2つの楽音のピッチを同時に抽出する機能は搭載していない。従って、調律者は、図示しないマイク駆動ボタンを押下した後に、調律対象となる2つの楽音のうち音程の低い方の楽音をまず演奏し、その後マイク駆動ボタンを再度押下した後に、高い方の楽音を演奏する。これにより、周波数比算出部16は、調律対象となる2つの楽音のピッチをそれぞれ抽出することができる。
周波数比率算出部16は、周波数抽出部15から取得した2つの楽音のピッチの比率を算出する(S130)。かかる比率の算出は、先に演奏された楽音、即ち、音程の低いほうの楽音のピッチを基準として行われる。
続いて、周波数比算出部16は、和音情報設定部12から取得したインターバルと対応付けて基準周波数比記憶部11に記憶されているピッチ比率を読み出す(S140)。
周波数比算出部16は、ステップ130で算出した比率とステップ140で読み出した比率とのずれ度合いを示すずれ値を算出し、そのずれ値を表示部17に出力する(S150)。表示部17は、周波数比算出部16から出力されたずれ値を表示する。例えば、「完全五度」のインターバルが設定された後、「C(ド)」の音程の弦と「G(ソ)」の音程の弦が演奏されたのであれば、最初に演奏された楽音「C(ド)」のピッチを基準として算出したピッチ比率と、設定されたインターバルと対応付けて基準周波数比記憶部11に記憶されている「3/2」というピッチ比率とのずれ度合いを示すずれ値が表示される。表示されたずれ値を参照することにより、調律者は、調律対象となる弦をどの程度微調整すれば純正な和音を奏でる調律になるかを把握することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。上記実施形態は、主に一台の楽器に張られた各弦の好適な調律を支援するものであったが、本実施形態に係る調律装置は、複数の楽器相互での好適な調律を支援するものである。
図4は、本実施形態に係る調律装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示したハードウェア構成との違いは、時間領域抽出部14を備えていない点と、周波数抽出部15の代わりにFFT(fast Fourier transform)部18を備えている点である。このFFT部18は、楽音入力部13から供給される楽音信号に高速フーリエ変換処理を施すことによりその周波数スペクトラムを取得し、同スペクトラムが示す各ピーク値を楽音のピッチとして抽出する。かかる機能を搭載するFFT部18は、複数の楽音が重畳された音声信号から各々のピッチを個別に抽出することができる。
次に、本実施形態の動作を説明する。
本実施形態の動作は、楽音信号からピッチを抽出する際の処理(図3のステップ120)を除いて第1実施形態と同様である。第1実施形態における周波数抽出部15は、調律対象となる2つの楽音のうち音程が低い方の楽音信号の供給を受けてそのピッチを抽出した後に、音程が高い方の楽音信号のピッチを抽出するといった動作を行なっていた。これに対し、本実施形態では、複数の調律者が、調律対象となる楽音を各々の楽器を用いて同時に演奏する。すると、複数の楽音が重畳された楽音信号が楽音入力部13からFFT部18に供給され、FFT部18は、供給された楽音信号から各々の楽音のピッチを個別に抽出して周波数比算出部16に引き渡す。
その後、図3に示したステップ130以降の処理が実行される。
以上説明した本実施形態によれば、同時に入力された2つの楽音のピッチをそれぞれ抽出し、抽出した各ピッチ間の比率と、純正な和音を構成するための好適なピッチ比率とのずれを調律者に提示する。従って、2つの楽器を用いてアンサンブルを行なう際、それらの楽器の奏でる楽音が純正な和音となるような調律を極めて容易に行なうことができる。
(第3実施形態)
上述した両実施形態に係る調律装置は、和音情報設定部12を備えており、調律者がこの設定部に設定したインターバルをキーとして、基準周波数比記憶部11から読み出されるべきピッチ比率を一意に特定するようになっていた。これに対し、本実施形態は、楽音信号から抽出したピッチから、演奏された各楽音の音名をそれぞれ特定し、それらの音名を基に、読み出されるべきピッチ比率を一意に特定するようになっている。
図5は、本実施形態にかかる調律装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示したハードウェア構成との違いは、和音情報設定部12の代わりに、インターバル特定部19を備えている点である。このインターバル特定部19は、MPUと、音名テーブル及びインターバルテーブルを予め記憶したメモリとを備えている。音名テーブルは、各楽音の音程であるとみなすことができるピッチの範囲とそれら各楽音の音名とを各々対応付けている。一方、インターバルテーブルは、対となる2つの楽音の音名の各組み合わせと、それら一対となる各楽音間のインターバルとを各々対応付けている。
次に、本実施形態の動作を説明する。
本実施形態の動作は、基準周波数比記憶部11からピッチ比率を読み出す際の処理(図3のステップ140)を除いて第1実施形態と同様である。第1実施形態においては、調律対象となる複数の楽音間のインターバルを予め和音情報設定部12に設定しておき、この設定されたインターバルと対応するピッチ比率を読み出すようになっていた。これに対し、本実施形態は、インターバル特定部19が、基準周波数比記憶部11からピッチ比率を読み出して周波数比算出部16に引き渡す処理を行う。
この処理を更に具体的に説明すると以下のようになる。まず、周波数抽出部15は、図3のステップ120にて読み出した各楽音のピッチをインターバル特定部19にも供給する。インターバル特定部19は、供給されたピッチを基に音名テーブルを参照し、これら各ピッチと対応する2つの楽音の音名を取得する。そして、取得した両音名を基に、今度はインターバルテーブルを参照し、これら2つの楽音間のインターバルを取得する。最後に、このインターバルと対応付けられたピッチ比率を基準周波数比記憶部11から読み出して、周波数比算出部16に引き渡す。
その後、図3に示したステップ150の処理が実行される。
以上説明した本実施形態によれば、調律者は、インターバルを予め設定することなく、調律対象となる2つの楽音を順番に演奏するだけで、それら2つの楽音のピッチ比率を把握することができるので、2つの楽音間の音程差を計算するといった煩わしい作業を行なわなくとも、調律を行なうことができる。
なお、この実施形態の構成及び動作を概念的に示すと、「複数の楽音の組が純正律に従った和音を構成するための当該複数の楽音間のピッチ比率を、それら各楽音の音程差毎に記憶した比率記憶手段と、各楽音であるとみなすことができるピッチ範囲をそれら各楽音の音名と各々対応付けて記憶したピッチ範囲記憶手段と、複数の楽音間の音程差を、それら各楽音の音名の組み合わせ毎に記憶した音程差記憶手段と、楽音信号を入力する入力手段と、前記入力された楽音信号から、同時に又は連続して発音された複数の楽音のピッチをそれぞれ抽出する抽出手段と、前記抽出した各ピッチが該当するピッチ範囲と対応付けられた音名を前記ピッチ範囲記憶手段からそれぞれ特定する楽音名特定手段と、前記それぞれ特定した音名の組み合わせと対応付けられた音程差を前記音程差記憶手段から特定する音程差特定手段と、前記抽出した各ピッチ間のピッチ比率を算出する比率算出手段と、前記特定した音程差と対応付けられたピッチ比率を前記比率記憶手段から読出し、読み出したピッチ比率と前記比率算出手段によって算出されたピッチ比率とのずれを判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果を表示する表示手段とを備える調律装置。」となる。
(他の実施形態)
本願発明は、種々の変形実施が可能である。以下、上述した以外の好適な実施形態を紹介する。
上記実施形態は、同時又は別々のタイミングで演奏された2つの楽音の調律を支援するものであったが、3つ以上の楽音の組が純正な和音を構成するような調律を支援するようにしてもよい。例えば、C(ド)、G(ミ)、E(ソ)といった長三和音は、ピッチ比率が4:5:6になるように調律すると純正な和音になるとされている。従って、このピッチ比率を「長3和音」というインターバルと対応付けて基準周波数比率記憶部に予め記憶しておけば、それら3つの楽音の調律を行なうことができる。
第2実施形態における調律装置はFFT部18を搭載し、このFFT部18が楽音信号に高速フーリエ変換処理を施すことで、複数の楽音のピッチを同時に抽出していたが、ピーク値を異にする複数のバンドパスフィルタにより算出した周波数アンプリチュードから各楽音毎のピッチを求めてもよい。また、このようなFFT部18で第1実施形態における周波数抽出部15を置き換えてもよい。
図2にも示したように、基準周波数比記憶部11には、純正な和音を構成する2つの楽音のピッチ比率を記憶していたが、和音としてあまり用いられない組み合わせの楽音間のピッチ比率を記憶し、係る組み合わせの楽音のピッチ比率との誤差を提示するようにしてもよい。例えば、「短2度」のインターバルと対応付けたピッチ比率を記憶しておき、このピッチ比率と演奏音とのずれを提示することによって、半音だけ高い楽音の演奏の練習に用いることができる。
上記実施形態において、表示部17には、演奏音から抽出したピッチ間のピッチ比率と、基準周波数比記憶部11から読み出したピッチ比率とのずれを示す数値をセグメント表示していた。これに対し、両ピッチ比率のずれをメータの針の振れ幅として定量化してもよい。また、演奏音から抽出したピッチの数値そのものをピッチ比率と併せて表示してもよいし、両ピッチのずれをセントで表示してもよい。更に、音程を調整すべき方向(例えば、「高く」とか「低く」など)を矢印で示すような図形を表示してもよい。また、比率のずれがあるのか、それともないのかを2者択一的に判断し、その判断結果のみを表示してもよい。
上記実施形態では、調律対象となる2つの楽音のうち、音程の低い方の楽音を基準としてピッチ比率を算出するようになっていたが、いずれの楽音を基準音とするかを調律者自身が選択可能な構成としてもよい。例えば、音高を3度高く設定する場合のピッチ比率と3度低くする場合のピッチ比率とは逆数の関係にあるため、このような変形例の導入は、基準周波数比記憶部11のデータ量を増加させることなしに実現可能である。
上述の実施形態は、主に弦楽器の調律に用いるものとして説明したが、これを管楽器の調律に用いてももちろんよい。
第2実施形態のFFT部18は、各楽音のピッチ、つまり、基本周波数を抽出するだけでなく、倍音周波数成分をも抽出し、その分布をピッチ比率と併せて表示するようにしてもよい。このような構成をとることで、複数の楽音相互の和音としての響きの良好さだけでなく、和音を構成する各楽音の単独での響きの良好さをも調律者に把握させることができる。
上記実施形態に示した各部の動作と和音の練習曲のシーケンスデータとを連動させることにより、アンサンブルの練習用システムとして利用してもよい。このシステムの概要を示すと以下のようになる。この練習用システムは、練習曲において和音として演奏されるべき2つの楽音の望ましいピッチ比率を、それらの楽音の演奏タイミングと対応付けて時系列順に記憶したシーケンスデータを記憶する。そして、この練習システムは、練習者が練習曲の譜面に従って演奏を行なうことによって順次入力されてくる楽音信号から各々のピッチを抽出すると、これらピッチ間の比率が譜面の内容とマッチして変遷しているかを判断し、譜面の内容とのずれをスコアとして提示する。例えば、はじめの1小節は長3度の和音を構成するような組み合わせの各音符が記述され、次の1小節は短3度の和音を構成するような組み合わせの各音符が記述された譜面が用意されていたのであれあれば、はじめの1小節における楽音相互のピッチ比率が「4:5」となっているかを判断し、次の1小節のピッチ比率が「5:6」となっているかを判断するといった処理を行う。そして、演奏の終了後、練習曲全体を通じてのピッチ比率のずれ幅をスコアとして表示する。このような処理を行う練習用システムの支援を受けて練習を行なうことにより、心地よい和音の響きを奏でるようなアンサンブルを実現できるようになる。
上記実施形態は、純正律に従った調律を支援するものであったが、基準周波数比記憶部11に記憶するピッチ比率の内容を、ピタゴラス律、ヴェルクマイスター律、キンベルガー律、ラミスの律といったような他の所定の音律に従った各楽音間のピッチ比率に変更することにより、これらの音律での調律を支援する機器として用いてもよい。
また、上記実施形態に示した各部と同様の動作を行わせるプログラムを公知のコンピュータ装置に実装させ、これを調律装置として用いてもよい。
第1実施形態のハードウェア構成を示すブロック図である。 基準周波数比記憶部に記憶されたテーブルのデータ構造図である。 実施形態の動作を示すフローチャートである。 第2実施形態のハードウェア構成を示すブロック図である。 第3実施形態のハードウェア構成を示すブロック図である。
符号の説明
11…基準周波数比記憶部、12…和音情報設定部、13…楽音入力部、14…時間領域抽出部、15…周波数抽出部、16…周波数比算出部、17…表示部、18…FFT部、19…インターバル特定部

Claims (3)

  1. 複数の楽音の組が所定の音律に従った和音を構成するための当該複数の楽音間のピッチ比率を、それら各楽音の音程差毎に記憶した比率記憶手段と、
    各楽音であるとみなすことができるピッチ範囲をそれら各楽音の音名と各々対応付けて記憶したピッチ範囲記憶手段と、
    複数の楽音間の音程差を、それら各楽音の音名の組み合わせ毎に記憶した音程差記憶手段と、
    楽音信号を入力する入力手段と、
    前記入力手段から入力された楽音信号から、同時に又は連続して発音された複数の楽音のピッチをそれぞれ抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出された前記各ピッチが該当するピッチ範囲と対応付けられた音名を前記ピッチ範囲記憶手段からそれぞれ特定する音名特定手段と、
    前記音名特定手段により特定された前記各音名の組み合わせと対応付けられた音程差を前記音程差記憶手段から特定する音程差特定手段と、
    前記抽出手段により抽出された前記各ピッチのピッチ間のピッチ比率を算出する比率算出手段と、
    前記音程差特定手段により特定された前記音程差と対応付けられたピッチ比率を前記比率記憶手段から読出し、読み出したピッチ比率と前記比率算出手段によって算出されたピッチ比率とのずれを判断する判断手段と、
    前記判断手段による判断結果を表示する表示手段と
    を備える調律装置。
  2. 記判断手段、前記読み出したピッチ比率と前記算出されたピッチ比率とのずれを定量的に示すずれ値を算出し、
    前記表示手段、前記判断手段により算出された前記ずれ値を表示する請求項1記載の調律装置。
  3. 複数の楽音の組が所定の音律に従った和音を構成するための当該複数の楽音間のピッチ比率を、それら各楽音の音程差毎に記憶した比率記憶手段と、各楽音であるとみなすことができるピッチ範囲をそれら各楽音の音名と各々対応付けて記憶したピッチ範囲記憶手段と、複数の楽音間の音程差を、それら各楽音の音名の組み合わせ毎に記憶した音程差記憶手段と、楽音信号を入力する入力手段と、情報の表示手段とを備えたコンピュータ装置に、
    前記入力手段から入力された楽音信号から、同時に又は連続して発音された複数の楽音のピッチをそれぞれ抽出する抽出処理と、
    前記抽出処理により抽出された前記各ピッチが該当するピッチ範囲と対応付けられた音名を前記ピッチ範囲記憶手段からそれぞれ特定する音名特定処理と、
    前記音名特定処理により特定された前記各音名の組み合わせと対応付けられた音程差を前記音程差記憶手段から特定する音程差特定処理と、
    前記抽出処理により抽出された前記各ピッチのピッチ間のピッチ比率を算出する比率算出処理と、
    前記音程差特定処理により特定された前記音程差と対応付けられたピッチ比率を前記比率記憶手段から読出し、読み出したピッチ比率と前記比率算出処理によって算出されたピッチ比率とのずれを判断する判断処理と、
    を実行させるプログラム。
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