JPWO2019026325A1 - 差分提示装置、差分提示方法および差分提示プログラム - Google Patents
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Abstract
参照音高決定部は、ユーザにより発生されるべき音名を対象音名として取得するとともに、調律情報に基づいて、取得した対象音名に対応する音高を参照音高として決定する。調律情報は、所定の音律における音名と音高との対応関係を表す。所定の音律は、例えば不等分律である。取得部は、ユーザにより発生された音高をユーザ音高として取得する。提示部は、決定された参照音高と取得されたユーザ音高との差分を表す差分情報を提示する。
Description
本発明は、ユーザにより発生される音の音高と参照音高との差分を提示する差分提示装置、差分提示方法および差分提示プログラムに関する。
アンサンブル演奏において、奏者は伴奏音に合わせて調律された音高で演奏したい場合がある。適切に調律を行うことにより、所望の音律における響きを実現することができる。そこで、所望の音高で演奏する技術を高めるための教習装置が提案されている。
特許文献1には、チューナモード時およびサウンドモード時にそれぞれ音程調律および重音のうなり現象を視覚的に提示するメータを備えたハーモニートレーナが記載されている。このハーモニートレーナによれば、奏者は、サウンドモードにおいて、美しい和音を作成して和音を聴覚および視覚的に認識し、チューナモードにおいて、自己の楽器による発音の音高を確認することができる。
特開昭60−50594号公報
管楽器等の楽器の演奏の際には、ユーザは種々の音律の音を発生させることができる。その場合、高い演奏技量が必要となるため、ユーザは所望の音律の音高を発生する練習を行う必要がある。また、ユーザが歌唱を行う際にも、所望の音律の歌唱音を発生するためには、当該音律の音高を発生する練習を行う必要がある。このような練習では、ユーザにより発生された演奏音または歌唱音の音高と所望の音律の音高との差分を容易に認識可能であることが望ましい。
本発明の目的は、ユーザにより発生された音の音高と所望の音高との差分を容易に認識可能な差分提示装置、差分提示方法および差分提示プログラムを提供することである。
本発明の一局面に従う差分提示装置は、ユーザにより発生されるべき音名を対象音名として取得し、所定の音律における音名と音高との対応関係を表す調律情報に基づいて、取得した対象音名に対応する音高を参照音高として決定する参照音高決定部と、ユーザにより発生された音高をユーザ音高として取得する取得部と、決定された参照音高と取得されたユーザ音高との差分を表す差分情報を提示する提示部とを備える。
所定の音律は、不等分律であってもよい。不等分律は、純正律、ピタゴラス音律または中全音律を含んでもよい。提示部は、決定された参照音高に対応する参照指標と、ユーザ音高に対応するユーザ音高指標とを含む差分提示画像を差分情報として表示し、差分が大きいほど参照指標とユーザ音高指標との間の距離が大きくなるように、差分提示画像上における参照指標とユーザ音高指標との位置関係を調整してもよい。
参照音高決定部は、曲中でユーザにより発生されるべき音名列を含む曲データから曲中の現在位置における音名を対象音名として取得してもよい。調律情報は、各音名に対応する音高を基準となる音高である基準音高に対して不等分律の関係を有する音高として表してもよい。差分提示装置は、基準音高を決定する基準音高決定部をさらに備え、調律情報は、各音名に対応する音高を基準音高に対する相対的な音高として表し、参照音高決定部は、決定された基準音高と調律情報とに基づいて参照音高を決定してもよい。基準音高決定部は、曲の調性における主音の平均律の音高を基準音高に決定してもよい。曲データは、曲中の音名列に対応するコード列をさらに含み、基準音高決定部は、曲データから曲中の現在位置におけるコードを取得し、取得したコードにおける根音の平均律の音高を基準音高に決定してもよい。
差分提示装置は、複数の音高を含むコード音高群を表すコード波形を取得するコード波形取得部と、取得されたコード波形に基づいて、コード音高群に対応するコードを特定するコード特定部とをさらに備え、参照音高決定部は、特定されたコードを構成する複数の音名のうち一の音名を対象音名として取得してもよい。参照音高決定部は、取得されたユーザ音高に基づいて対象音名を取得してもよい。
調律情報は、各音名に対応する音高を基準となる音高である基準音高に対して不等分律の関係を有する音高として表してもよい。差分提示装置は、基準音高を決定する基準音高決定部をさらに備え、調律情報は、各音名に対応する音高を基準音高に対する相対的な音高として表し、参照音高決定部は、決定された基準音高と調律情報とに基づいて参照音高を決定してもよい。基準音高決定部は、取得されたコード波形に基づいて基準音高を決定してもよい。
差分提示装置は、ユーザによるコード波形の取得指示を受け付ける指示受付部をさらに備え、コード波形取得部は、取得指示が受け付けられた時点での入力音を表す波形をコード波形として取得してもよい。参照音高決定部は、時系列に並ぶ複数の音高を取得し、取得された複数の音高に基づいて調性を特定し、特定された調性に基づいて参照音高を決定してもよい。
本発明の他の局面に従う差分提示方法は、ユーザにより発生されるべき音名を対象音名として取得し、所定の音律における音名と音高との対応関係を表す調律情報に基づいて、取得した対象音名に対応する音高を参照音高として決定するステップと、ユーザにより発生される音の音高をユーザ音高として取得するステップと、決定された参照音高と取得されたユーザ音高との差分を表す差分情報を提示するステップとを含む。
本発明のさらに他の局面に従う差分提示プログラムは、ユーザにより発生されるべき音名を対象音名として取得し、所定の音律における音名と音高との対応関係を表す調律情報に基づいて、取得した対象音名に対応する音高を参照音高として決定するステップと、ユーザにより発生される音の音高をユーザ音高として取得するステップと、決定された参照音高と取得されたユーザ音高との差分を表す差分情報を提示するステップとを、コンピュータに実行させるためのものである。
本発明によれば、ユーザは、発生された音の音高と所望の音高との差分を容易に認識することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る差分提示装置、差分提示方法および差分提示プログラムについて図面を用いて詳細に説明する。
<A>第1の実施の形態
[1]差分提示装置の構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る差分提示装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、差分提示装置100は、音入力部1、操作部4および表示部6を備える。音入力部1、操作部4および表示部6は、バス19に接続される。音入力部1は、マイクロフォン、増幅器およびアナログデジタル(A/D)変換回路等を含み、ユーザにより発生される音(以下、ユーザ発生音と呼ぶ。)をオーディオデータとして後述のCPU(中央演算処理装置)11に入力する。ユーザ発生音は、ユーザの歌唱音およびユーザによる楽器の演奏音を含む。楽器の種類は、例えば管楽器または弦楽器を含むが、これらの楽器に限定されず、本実施の形態に係る差分提示装置100は種々の楽器の演奏に適用可能である。
[1]差分提示装置の構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る差分提示装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、差分提示装置100は、音入力部1、操作部4および表示部6を備える。音入力部1、操作部4および表示部6は、バス19に接続される。音入力部1は、マイクロフォン、増幅器およびアナログデジタル(A/D)変換回路等を含み、ユーザにより発生される音(以下、ユーザ発生音と呼ぶ。)をオーディオデータとして後述のCPU(中央演算処理装置)11に入力する。ユーザ発生音は、ユーザの歌唱音およびユーザによる楽器の演奏音を含む。楽器の種類は、例えば管楽器または弦楽器を含むが、これらの楽器に限定されず、本実施の形態に係る差分提示装置100は種々の楽器の演奏に適用可能である。
操作部4は、オンオフ操作されるスイッチ、回転操作されるロータリエンコーダ、またはスライド操作されるリニアエンコーダ等を含み、曲の再生開始、曲の再生停止、音量の調整、電源のオンオフおよび各種設定を行うために用いられる。表示部6は、例えば液晶ディスプレイを含み、演奏または設定等に関する各種情報を表示する。操作部4および表示部6の少なくとも一部がタッチパネルディスプレイにより構成されてもよい。
差分提示装置100は、RAM(ランダムアクセスメモリ)9、ROM(リードオンリメモリ)10、CPU11、タイマ12および記憶装置13をさらに備える。RAM9、ROM10、CPU11および記憶装置13はバス19に接続され、タイマ12はCPU11に接続される。外部記憶装置15等の外部機器が通信I/F(インタフェース)14を介してバス19に接続されてもよい。RAM9、ROM10、CPU11およびタイマ12がコンピュータPCを構成する。
RAM9は、例えば揮発性メモリからなり、CPU11の作業領域として用いられるとともに、各種データを一時的に記憶する。ROM10は、例えば不揮発性メモリからなり、制御プログラムおよび差分提示プログラム等のコンピュータプログラムを記憶する。CPU11は、ROM10に記憶された差分提示プログラムをRAM9上で実行することにより後述する差分提示処理を行う。タイマ12は、現在時刻等の時間情報をCPU11に与える。
記憶装置13は、ハードディスク、光学ディスク、磁気ディスクまたはメモリカード等の記憶媒体を含み、1または複数の曲データを記憶する。曲データは、例えば、歌唱または演奏の際に用いられるマイナスワン楽曲データであり、参照音データ、伴奏音データおよび楽譜データを含む。
以下、曲中でユーザにより発生されるべき音を参照音と呼ぶ。参照音データは、曲中で参照音の音名列を指定するデータであり、例えばMIDI(Musical Instrument Digital Interface)データである。音名列における音名は、“C”、“D”、“E”、“ハ”、“ニ”または“ホ”等の文字により表されてよいし、記号または数値等により表されてもよい。伴奏音データは、伴奏音を表すデータであり、参照音データにより指定される音名列に対応するコード列を含む。伴奏音データは、オーディオデータであってもよく、またはMIDIデータであってもよい。
また、コード列におけるコードは、2以上の音の組み合わせを表し、互いに異なる音高を有する2以上の音の組み合わせ(多声体)、または同じ音高もしくはnオクターブ(1+7×n度(nは、正の整数))異なる音高を有する2以上の音の組み合わせ(ユニゾン)を含む。
記憶装置13は、上記の差分提示プログラムをROM10の代わりに記憶してもよい。また、記憶装置13は、所定の音律における音名と音高との対応関係を表す調律情報を記憶する。具体的には、調律情報は、各音名に対応する音高を基準音高に対する相対的な音高として表す。所定の音律は、平均律および不等分律がある。本実施の形態では、所定の音律は不等分律である。したがって、調律情報は、各音名に対応する音高を基準音高に対して不等分律の関係を有する音高として表す。
不等分律としては、例えば、純正律、ピタゴラス音律または中全音律がある。純正律は、複数の音の周波数の比が単純な整数比で表される音律である。ピタゴラス音律は、3対2の周波数比の関係にある音高を基に作られる音律である。中全音律は、三度音高の純正度を確保するために、完全五度音高が純正音高よりも僅かに狭められた音律である。
外部記憶装置15は、記憶装置13と同様に、ハードディスク、光学ディスク、磁気ディスクまたはメモリカード等の記憶媒体を含み、曲データ、調律情報または差分提示プログラムのうち少なくとも1つを記憶してもよい。
本実施の形態における差分提示プログラムは、コンピュータPCが読み取り可能な記録媒体に格納された形態で提供され、ROM10または記憶装置13にインストールされてもよい。また、通信I/F14が通信網に接続されている場合、通信網に接続されたサーバから配信された差分提示プログラムがROM10または記憶装置13にインストールされてもよい。同様に、曲データまたは調律情報が、記憶媒体から取得されてもよく、通信網に接続されたサーバから取得されてもよい。また、曲データは、記憶装置13または外部記憶装置15等の記憶媒体に予め記憶されていなくてもよく、使用者によるMIDI鍵盤等の演奏動作に基づいて曲データが逐次取得されてもよい。
差分提示装置100は、音出力部8をさらに備える。音出力部8は、音源16およびサウンドシステム18を含む。音源16はバス19に接続され、サウンドシステム18は音源16に接続される。音源16は、伴奏音データから伴奏を表す楽音信号を生成する。サウンドシステム18は、デジタルアナログ(D/A)変換回路、増幅器およびスピーカを含む。サウンドシステム18は、音源16から与えられる楽音信号をアナログ音信号に変換し、アナログ音信号に基づく伴奏音を発生する。
[2]差分提示装置の機能的な構成
図2は、図1の差分提示装置100の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、差分提示装置100は、曲データ取得部51、再生部52、基準音高決定部53、参照音高決定部54、調律部55、音高取得部56および提示部57を含む。曲データ取得部51、再生部52、基準音高決定部53、参照音高決定部54、調律部55、音高取得部56および提示部57の機能は、CPU11が差分提示プログラムを実行することにより実現される。
図2は、図1の差分提示装置100の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、差分提示装置100は、曲データ取得部51、再生部52、基準音高決定部53、参照音高決定部54、調律部55、音高取得部56および提示部57を含む。曲データ取得部51、再生部52、基準音高決定部53、参照音高決定部54、調律部55、音高取得部56および提示部57の機能は、CPU11が差分提示プログラムを実行することにより実現される。
曲データ取得部51は、操作部4の操作に基づいて、記憶装置13から曲データを取得する。再生部52は、曲データ取得部51により取得された曲データを基準音高決定部53および参照音高決定部54に順次与える。それにより、曲の再生が行われる。ここで、再生部52から基準音高決定部53および参照音高決定部54に現時点で与えられている曲データの位置を曲中の現在位置と呼ぶ。
基準音高決定部53は、コード取得部53aおよび基準決定部53bを含む。コード取得部53aは、曲データ取得部51により取得された曲データから曲中の現在位置におけるコードを取得する。基準決定部53bは、コード取得部53aにより取得されたコードにおける根音の平均律の音高を基準音高に決定する。
参照音高決定部54は、音名取得部54aおよび参照決定部54bを含む。音名取得部54aは、曲データ取得部51により取得された曲データ中の参照音データから曲中の現在位置における音名を参照音の現在音名として取得する。現在音名は、対象音名の例である。また、音名取得部54aは、曲データ取得部51により取得された曲データ中の伴奏音データから、曲中の現在位置における音名を伴奏音の現在音名として取得する。ここで、ユーザは、操作部4を操作することにより調律情報における不等分律の種類を選択することができる。不等分律の種類がユーザにより選択された場合には、音名取得部54aは、不等分律を選択された種類に決定する。不等分律の種類がユーザにより選択されない場合には、音名取得部54aは、不等分律を純正律に決定する。以下の説明では、不等分律が純正律に決定される。
参照決定部54bは、音名取得部54aにより決定された不等分律、記憶装置13に記憶された調律情報、および基準決定部53bにより決定された基準音高に基づいて、音名取得部54aにより取得された参照音の現在音名に対応する音高を参照音高として順次決定する。また、参照決定部54bは、音名取得部54aにより決定された不等分律、記憶装置13に記憶された調律情報、および基準決定部53bにより決定された基準音高に基づいて、音名取得部54aにより取得された伴奏音の現在音名に対応する音高を伴奏音高として順次決定する。
調律部55は、参照決定部54bにより決定された伴奏音高に基づいて再生部52からの伴奏音データにおける伴奏音を調律し、調律後の伴奏音を示す伴奏音データを音出力部8に出力する。これにより、調律された伴奏音が音出力部8から発生される。音出力部8から発生される伴奏音がユーザ発生音に付与されることによりハーモニーが実現される。ユーザは、音出力部8から発生される伴奏音を聞きながらユーザ発生音を音入力部1に入力することができる。
音高取得部56は、取得部の例であり、音入力部1から入力されるオーディオデータに基づいてユーザ発生音の音高をユーザ音高として順次取得する。提示部57は、参照決定部54bにより決定された参照音高と音高取得部56により取得されたユーザ音高との差分を表す差分情報を提示する。差分情報の提示は、例えば表示部6の画面上に画像(以下、差分提示画像と呼ぶ。)を表示させることにより行われる。
図3は、差分提示画像の一例を示す図である。図3の差分提示画像DIは、楽器のチューニングを行うためのアナログ式のチューナを模した画像であり、針部71、複数の目盛りSCおよび基準目盛りSCaを含む。複数の目盛りSCの中央に配置される基準目盛りSCaが参照音高決定部54により決定された参照音高に対応し、針部71の先端部の位置が音高取得部56により取得されたユーザ音高に対応する。すなわち、基準目盛りSCaが参照指標の例であり、針部71がユーザ音高指標の例である。
参照音高とユーザ音高との差分が大きいほど基準目盛りSCaと針部71の先端部との間の距離が大きくなるように、差分提示画像DI上における基準目盛りSCaと針部71の先端部との位置関係が調整される。例えば、図3の例のように、針部71の先端部の位置が基準目盛りSCaよりも左である場合、ユーザ音高が参照音高よりも低い。一方、針部71の先端部の位置が基準目盛りSCaよりも右である場合、ユーザ音高が参照音高よりも高い。針部71の先端部が基準目盛りSCaと一致する場合、ユーザ音高が参照音高と一致する。
ユーザは、差分提示画像DIを見て、現時点でのユーザ音高と参照音高との差を視覚的に認識することができる。したがって、ユーザは、伴奏音と協和するようにユーザ発生音を容易に調整することができる。差分情報は、差分提示画像DIに代えて、光または音等の他の情報により提示されてもよい。例えば、光の点滅により差分情報を表す差分提示ランプが設けられてもよい。あるいは、図1の音出力部8が差分情報を表す差分提示音を出力してもよい。
[3]調律情報
本例では、各音名に対応する音高は、調律情報に基づいて、平均律の音高である基準音高に対して純正律の関係を有するように決定される。以下、基準音高に対して純正律の関係を有する音高を純正律の音高と呼ぶ。
本例では、各音名に対応する音高は、調律情報に基づいて、平均律の音高である基準音高に対して純正律の関係を有するように決定される。以下、基準音高に対して純正律の関係を有する音高を純正律の音高と呼ぶ。
図4は、調律情報の一例を示す図である。図4の調律情報は、各音名の平均律の音高と純正律の音高との差分値(以下、音高差分値と呼ぶ。)を示す。図4の調律情報の各行(横の並び)は、1オクターブ内の一の音名に対応する各音名の音高差分値を示す。音高差分値はセント(cent)で表される。例えば、一の音名が“C”である場合、これに対応する音名“C♯”および“B♭”の音高差分値はそれぞれ“11.7”および“17.9”である。なお、基準音に対してnオクターブの関係にある音の音高差分値は“0”である。このような調律情報を用いることにより、純正律の音高を容易に決定することができる。
図5は、音階の音度と音高差分値との関係を表す図である。図5には、長調の音階を構成するI度、II度、・・・、VII度の7つの音名について、平均律の音高および純正律の音高がそれぞれ模式的に示される。図5の例では、音階の主音であるI度の音名が、基準音に定められる。この場合、I度、II度、III度、・・・、VII度の音名の音高差分値は、0、3.9、−13.7、・・・、−11.7である。純正律の音高の特徴として、長調の音階では、III度の音名に関して、純正律の音高が平均律の音高よりも低く(図5参照)、短調の音階では、III度の音名に関して、純正律の音高が平均律の音高よりも高い。
図6は、調律情報に基づく参照音高の決定方法の具体例について説明するための図である。図6には、コード「C」およびコード「FonC」が示される。コード「C」は、構成音として“C”、“E”および“G”を含む3声体である。コード「FonC」は、コード「F」の転回形であり、構成音として“C”、“F”および“A”を含む3声体である。ここで、コード「○」(○は、コード名(和音名))は、コード(和音)を表し、“△”(△は、音名)は、単一の音名を表す。
コードは、参照音および伴奏音を含む。参照音および伴奏音は、曲データの参照音データおよび伴奏音データにより特定されてもよく、あるいは予め定められた条件に基づいて特定されてもよい。例えば、コードの構成音のうち、曲のメロディを構成するメロディ音が参照音に特定され、他の音が伴奏音に特定されてもよい。図6の例では、コード「C」の“E”が参照音であり、コード「C」の“C”および“G”が伴奏音である。また、コード「FonC」の“F”が参照音であり、コード「FonC」の“C”および“A”が伴奏音である。
図6のコード「C」の例においては、根音“C”の音高が平均律の音高に決定される。また、図4の調律情報におけるハッチングパターンが付された欄を参照すると、“C”が根音である場合の参照音“E”の音高差分値は−13.7セントである。そこで、その音高差分値に基づいて、参照音“E”の参照音高が決定され、参照音“E”が純正律の音高に調律される。この例においては、参照音高は純正律の音高を有する。なお、他の音“G”についても参照音“E”と同様の方法で音高が決定され、音“G”が純正律の音高に調律される。
図6のコード「FonC」の例において、根音“F”の音高が平均律の音高に決定される。また、図4の調律情報におけるドットパターンが付された欄を参照すると、“F”が根音である場合の参照音“F”の音高差分値は0セントである。そこで、その音高差分値に基づいて、参照音“F”の参照音高が決定される。この例においては、参照音高は平均律の音高を有する。なお、他の音“C”および“A”についても参照音“F”と同様の方法で音高が決定され、音“C”および“A”が純正律の音高に調律される。
これらの例においては、コードの根音が平均律の音高であるので、曲の進行に伴って複数のコードが連続的に用いられる場合でも、コードの流れが自然になる。コードは、2音からなる和音であってもよい。また、コードの複数の構成音の開始時点または終了時点が、互いに一致していなくてもよい。参照音および伴奏音の開始時点および終了時点は、例えば曲データにより特定される。
図7は、図6のコード「C」における参照音の参照音高および調律後の伴奏音の音高を示す図である。図7の例では、伴奏音“C”、伴奏音“G”および参照音“E”の開始時点はそれぞれt1,t2,t3である。図7において、二点鎖線P1,P2,P3は、”C”、“E”および“G”の平均律の音高をそれぞれ表す。
図2の参照決定部54bは、“C”が平均律の音高であり、“E”および“G”が“C”に対して純正律の関係を有するように、“C”、“E”および“G”の音高を決定する。なお、参照音“E”の音高が参照音高である。伴奏音は図2の調律部55により決定された音高に調律され、調律後の伴奏音が図2の音出力部8から出力される。
図7の例では、時点t1,t2でそれぞれ“C”および“G”の音高を有する調律後の伴奏音の出力が開始される。ユーザは、これらの伴奏音を聞きながら、時点t3で例えば楽器を用いて図2の音入力部1へのユーザ発生音の入力を開始する。ここで、ユーザは、差分提示画像DIを視認することにより、ユーザ音高と参照音高(図7の太い一点鎖線で表される音高)との差分を容易に認識することができる。ユーザ音高が参照音高と一致していると、ユーザ発生音“E”、伴奏音“C”および伴奏音“G”が純正律の関係となり、互いに協和する。
[4]差分提示処理
次に、本実施の形態に係る差分提示方法による差分提示処理について説明する。図8および図9は、図2の各機能部による差分提示処理の一例を示すフローチャートである。図8および図9の差分提示処理は、図1のCPU11がROM10または記憶装置13に記憶された差分提示プログラムを実行することにより行われる。
次に、本実施の形態に係る差分提示方法による差分提示処理について説明する。図8および図9は、図2の各機能部による差分提示処理の一例を示すフローチャートである。図8および図9の差分提示処理は、図1のCPU11がROM10または記憶装置13に記憶された差分提示プログラムを実行することにより行われる。
まず、曲データ取得部51は、ユーザによる操作部4の操作に基づいて曲データが指定されたか否かを判定する(ステップS1)。曲データが指定されない場合、曲データ取得部51は、曲データが指定されるまで待機する。曲データが指定された場合、曲データ取得部51は、指定された曲データを記憶装置13から取得する(ステップS2)。
次に、音名取得部54aは、ユーザによる操作部4の操作に基づいて不等分律の種類が選択されたか否かを判定する(ステップS3)。不等分律の種類が選択された場合、音名取得部54aは、不等分律を選択された種類に決定し(ステップS4)、ステップS6に進む。不等分律の種類が選択されない場合、音名取得部54aは、不等分律を純正律に決定し(ステップS5)、ステップS6に進む。
ステップS6で、再生部52は、ユーザによる操作部4の操作に基づいて曲の再生が指示されたか否かを判定する(ステップS6)。曲の再生が指示されない場合、再生部52は、曲の再生が指示されるまでステップS3〜S5を繰り返す。曲の再生が指示された場合、再生部52は、ステップS2で取得された曲データを基準音高決定部53および参照音高決定部54に順次与えることにより曲の再生を行う(ステップS7)。
続いて、コード取得部53aは、ステップS2で取得された曲データから、曲中の現在位置におけるコードを取得する(ステップS8)。基準決定部53bは、ステップS8で取得されたコードにおける根音の平均律の音高を基準音高に決定する(ステップS9)。また、音名取得部54aは、ステップS2で取得された曲データから、曲中の現在位置における参照音および伴奏音の音名を現在音名として取得する(ステップS10)。
その後、参照決定部54bは、ステップS4またはステップS5で決定された不等分律、ステップS9で決定された基準音高、および記憶装置13に記憶された調律情報に基づいて、ステップS10で取得された参照音の現在音名に対応する音高を参照音高として決定する(ステップS11)。同様に、参照決定部54bは、不等分律、基準音高および調律情報に基づいて、ステップS10で取得された伴奏音の現在音名に対応する音高を伴奏音高として決定する(ステップS12)。
次に、調律部55は、ステップS12で決定された伴奏音高に基づいて伴奏音データにおける伴奏音を調律する(ステップS13)。続いて、調律部55は、調律後の伴奏音を示す伴奏音データを音出力部8に出力する(ステップS14)。これにより、調律された伴奏音が音出力部8から発生される。なお、曲データに基づいて、調律された伴奏音以外の伴奏音(例えば、ドラム音)が音出力部8から発生されてもよい。
ユーザは、音出力部8から発生される伴奏音を聞きながら歌唱音または演奏音をユーザ発生音として音入力部1に入力することができる。音高取得部56は、音入力部1からユーザ発生音のユーザ音高として取得する(ステップS15)。提示部57は、ステップS11で決定された参照音高とステップS15で取得されたユーザ音高との差分を示す差分提示画像DIを表示部6に表示させる(ステップS16)。
最後に、再生部52は、曲の現在位置が終了位置に到達したか否かを判定する(ステップS17)。曲の現在位置が終了位置に到達していない場合、再生部52は、ステップS8に戻る。これにより、曲の再生が継続され、曲の現在位置が終了位置に到達するまでステップS8〜S17が繰り返される。曲の現在位置が終了位置に到達した場合、差分提示処理が終了する。なお、操作部4が停止ボタンを含み、ユーザが停止ボタンを操作した場合に、差分提示処理が終了してもよい。
上記の差分提示処理において、一部の処理が他の時点で実行されてもよい。例えば、ステップS3〜S5は、ステップS1,S2よりも先に実行されてもよい。また、ステップS8,S9とステップS10とは、いずれが先に実行されてもよいし、同時に実行されてもよい。さらに、ステップS11とステップS12とは、いずれが先に実行されてもよいし、同時に実行されてもよい。
[5]効果
第1の実施の形態に係る差分提示装置100においては、曲中でユーザにより発生されるべき音名列を含む曲データから曲中の現在位置における音名が現在音名として参照音高決定部54により取得される。所定の音律における音名と音高との対応関係を表す調律情報に基づいて、取得した現在音名に対応する音高が参照音高として参照音高決定部54により決定される。ユーザにより発生される音の音高がユーザ音高として音高取得部56により順次取得される。決定された参照音高と取得されたユーザ音高との差分を表す差分情報が提示部57により提示される。
第1の実施の形態に係る差分提示装置100においては、曲中でユーザにより発生されるべき音名列を含む曲データから曲中の現在位置における音名が現在音名として参照音高決定部54により取得される。所定の音律における音名と音高との対応関係を表す調律情報に基づいて、取得した現在音名に対応する音高が参照音高として参照音高決定部54により決定される。ユーザにより発生される音の音高がユーザ音高として音高取得部56により順次取得される。決定された参照音高と取得されたユーザ音高との差分を表す差分情報が提示部57により提示される。
この構成によれば、ユーザは、提示部57により提示される差分情報を視認することにより、曲を演奏しながら参照音高とユーザ音高との差分を認識することができる。したがって、ユーザは、発生された音の音高と所望の参照音高との差分を認識することができる。
差分情報は、参照音高に対応する参照指標と、ユーザ音高に対応するユーザ音高指標とを含む差分提示画像DIとして表示される。差分提示画像DIにおいては、差分が大きいほど参照指標とユーザ音高指標との間の距離が大きくなる。この場合、ユーザは、参照指標とユーザ音高指標との間の距離を視認することにより、参照音高とユーザ音高との差分を容易に認識することができる。
調律情報においては、各音名に対応する音高が基準音高に対して不等分律の関係を有する音高として表される。この場合、曲中の他の音名の音高と協和しやすい参照音高を決定することができる。また、不等分律は、純正律、ピタゴラス音律または中全音律を含むので、良好な和音を発生させるための参照音高を決定することができる。
調律情報においては、各音名に対応する音高が基準音高決定部53により決定される基準音高に対する相対的な音高として表される。基準音高決定部53により決定された基準音高と調律情報とに基づいて、参照音高決定部54により参照音高が決定される。この場合、各音名に対応する音高を基準音高に対する相対的な音高に容易に決定することができる。
また、曲データには曲中の音名列に対応するコード列が含まれ、曲データから曲中の現在位置におけるコードが基準音高決定部53により取得される。この場合、取得されたコードにおける根音の平均律の音高を基準音高としてより容易に決定することができる。
曲データは伴奏音データをさらに含み、差分提示装置100は、曲中の現在位置における伴奏音データに基づく伴奏音を出力する音出力部8をさらに備える。この場合、ユーザは、音出力部8から出力される伴奏音を聞きながら伴奏音に合わせてユーザ発生音を発生させることができる。また、ユーザは、伴奏音とユーザ発生音との協和音を聞くことができる。
差分提示画像DIは、針部71と、複数の目盛りSCと、複数の目盛りSCの1つとして配置される基準目盛りSCaとを含み、基準目盛りSCaが参照指標として参照音高決定部54により決定された参照音高に対応し、針部71の先端部の位置がユーザ音高指標として音高取得部56により取得されたユーザ音高に対応する。
この場合、差分提示画像DIはアナログ式のチューナを模した画像となり、参照音高とユーザ音高との差分が大きいほど基準目盛りSCaと針部71の先端部との間の距離が大きくなるように、差分提示画像DI上における基準目盛りSCaと針部71の先端部との位置関係が調整される。ユーザは、基準目盛りSCaと針部71の先端部との間の距離を視認することにより、参照音高とユーザ音高との差分をより容易に認識することができる。
<B>第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態に係る差分提示装置について、上記第1の実施の形態に係る差分提示装置100と異なる点を説明する。
本発明の第2の実施の形態に係る差分提示装置について、上記第1の実施の形態に係る差分提示装置100と異なる点を説明する。
[1]差分提示装置の機能的な構成
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る差分提示装置100Aの機能的な構成を示すブロック図である。図10の差分提示装置100Aは、図2の曲データ取得部51、再生部52、基準音高決定部53、参照音高決定部54、調律部55、音高取得部56および提示部57の代わりに、コード波形取得部61、指示受付部62、コード特定部63、基準音高決定部53A、参照音高決定部54A、音高取得部56Aおよび提示部57Aを含む。コード波形取得部61、指示受付部62、コード特定部63、基準音高決定部53A、参照音高決定部54A、音高取得部56Aおよび提示部57Aは、CPU11が差分提示プログラムを実行することにより実現される。
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る差分提示装置100Aの機能的な構成を示すブロック図である。図10の差分提示装置100Aは、図2の曲データ取得部51、再生部52、基準音高決定部53、参照音高決定部54、調律部55、音高取得部56および提示部57の代わりに、コード波形取得部61、指示受付部62、コード特定部63、基準音高決定部53A、参照音高決定部54A、音高取得部56Aおよび提示部57Aを含む。コード波形取得部61、指示受付部62、コード特定部63、基準音高決定部53A、参照音高決定部54A、音高取得部56Aおよび提示部57Aは、CPU11が差分提示プログラムを実行することにより実現される。
コード波形取得部61は、音入力部1から入力されるオーディオデータに基づいてコード波形を取得する。コード波形は、複数の音高を含むコード音高群を表す。コード音高群は、一のコードを構成する複数の音名の音高の組み合わせである。ユーザは、操作部4を操作することによってコード波形の取得を指示する。指示受付部62は、ユーザによるコード波形の取得指示を受け付ける。例えば、操作部4がコード波形取得ボタンを含み、ユーザがコード波形取得ボタンを押下すると、指示受付部62がコード波形の取得指示を受け付ける。
コード波形の取得指示が受け付けられると、コード波形取得部61が、その時点で入力されているオーディオデータからコード波形を取得する。例えば、複数の演奏者が合奏を行っている途中でユーザがコード波形の取得を指示する。この場合、その指示の時点で発生されているコード音高群を表すコード波形が取得される。なお、ユーザによる指示に応答してコード波形が取得されるのではなく、オーディオデータが継続的に入力されつつ複数のコード音高群を表す複数のコード波形が順次取得されてもよい。あるいは、オーディオデータの入力が停止された時点で最後に入力されていたオーディオデータからコード波形が取得されてもよい。
コード特定部63は、取得されたコード波形に基づいて、コード音高群に対応するコード(コード名)を特定する。この場合、公知の解析技術によってコード波形からコード(コード名)を特定することができる。
音高取得部56Aは、取得部の例であり、音入力部1から入力されるオーディオデータに基づいて、ユーザ発生音の音高をユーザ音高として取得する。例えば、操作部4がユーザ音高取得ボタンを含み、ユーザがユーザ音高取得ボタンを押下すると、音高取得部56Aがユーザ音高を取得する。例えば、ユーザは、ユーザ音高取得ボタンを押下するとともに、単独で楽器を演奏する。これにより、ユーザ発生音のオーディオデータが入力され、そのオーディオデータからユーザ音高が取得される。ピエゾ素子等を用いて楽器の振動からユーザ発生音の周波数が検出され、その周波数に対応する音高がユーザ音高として取得されてもよい。ユーザを含む複数の演奏者が合奏を行いながら、合奏音のオーディオデータが取得されるのと同時に、ピエゾ素子によってユーザ音高が取得されてもよい。なお、コード波形取得部61および高音取得部56Aにそれぞれ音入力部1が接続されてもよい。
基準音高決定部53Aは、取得されたコード波形に基づいて基準音高を特定する。例えば、コード波形によって表されるコード音高群のうち、ユーザ音高とはことなる一の音高が基準音高に決定される。例えば、コードの根音の音高が基準音高に決定される。
基準音高として、予め定められた音高が用いられてもよい。例えば、クラシック音楽の演奏で“A”の音高として一般的に設定される440Hzまたは442Hzの音高が、基準音高として用いられてもよい。また、基準音高をユーザが指定可能であってもよい。あるいは、コード音高群の一の音高が基準音高に決定され、その基準音高がコード音高群の他の音高に基づいて補正されてもよい。
各コードについて予め複数のテンプレート波形が予め用意され、その複数のテンプレート波形と取得されたコード波形との比較に基づいて、基準音高が特定されてもよい。例えば、一のコードについて、439Hz、440Hz、441Hzおよび442Hzをそれぞれ基準とする4つのテンプレート波形が用意される。取得されたコード波形がそれら複数のテンプレート波形の各々と比較され、コード波形と最も近いテンプレート波形が特定される。特定されたテンプレート波形の基準の周波数に基づいて、基準音高が決定される。
参照音高決定部54Aは、音名取得部54cおよび参照決定部54dを含む。音名取得部54cは、コード特定部63により特定されたコードを構成する複数の音名のうち、ユーザにより発生されるべき一の音名をユーザ音名として取得する。ユーザ音名は、対象音名の例である。本例において、音名取得部54cは、音高取得部56Aにより取得されたユーザ音高に基づいてユーザ音名を取得する。例えば、コード特定部63により特定されたコードを構成する複数の音名のうち、ユーザ音高と最も近い音高に対応する音名がユーザ音名として取得される。この場合、基準音高に基づいてコードを構成する複数の音名の音高がそれぞれ特定され、その複数の音高の各々とユーザ音高とが比較されることにより、コードを構成する複数の音名のうちユーザ音高と最も近い音高に対応する音名が特定されてもよい。
また、音名取得部54cは、図2の音名取得部54aと同様に、不等分律の種類がユーザにより選択された場合には、不等分律を選択された種類に決定する。不等分律の種類がユーザにより選択されない場合には、音名取得部54aは、不等分律を純正律に決定する。
参照決定部54dは、記憶装置13に記憶された調律情報、および基準音高決定部53Aにより決定された基準音高に基づいて、音名取得部54aにより取得されたユーザ音名に対応する音高を参照音高として決定する。
提示部57Aは、音高取得部56Aにより取得されたユーザ音高と参照決定部54dにより決定された参照音高との差分を表す差分情報を提示する。本例において、提示部57Aは、差分情報とともに、コード特定部63により決定されたコード名および音名取得部54cにより取得されたユーザ音名を提示する。例えば、表示部6の画面上に、差分情報、コード名およびユーザ音名を含む差分提示画像が表示される。
図11は、第2の実施の形態における差分提示画像の一例を示す図である。図11の差分提示画像DIaは、図3の差分提示画像DIを含むとともに、対象のコード名CNおよびユーザ音名USを含む。ユーザは、差分提示画像DI内の針部71の先端部と基準目盛りSCaとの位置関係に基づいて、自身が発生する音高(ユーザ音高)と参照音高との差分を認識することができる。また、ユーザは、針部71の先端部が基準目盛りSCaと一致するように自身が発生する音高を調整することにより、対象のコード内で自身が発生する音高と他の音高とを協和させることができる。
図11の差分提示画像DIaでは、針部71および基準目盛りSCaによってユーザ音高と参照音高との差分が表されるが、「+」および「−」等の記号、または「↑」および「↓」等の矢印によってユーザ音高と参照音高との差分が表されてもよい。また、ユーザ音名は、イタリア式の表記(「ド」、「レ」、・・・「シ」)であってもよく、日本式の表記(「ハ」、「ニ」、・・・「ロ」)であってもよい。また、ユーザ音名に対応する階名が表示されてもよい。この場合、調性は、予めユーザが指定してもよく、入力されたオーディオデータが解析されることによって取得されてもよい。
[2]コード波形を用いた処理の具体例
図12は、コード波形を用いた処理の具体例について説明するための図である。図12において、横軸は時間を表す。図12の例では、演奏者α、演奏者βおよび演奏者γが合奏を行い、その合奏音のオーディオデータが図2の音入力部1から入力される。本例においては、演奏者βがユーザである。
図12は、コード波形を用いた処理の具体例について説明するための図である。図12において、横軸は時間を表す。図12の例では、演奏者α、演奏者βおよび演奏者γが合奏を行い、その合奏音のオーディオデータが図2の音入力部1から入力される。本例においては、演奏者βがユーザである。
図12の例では、期間T1において、演奏者αが“C”を発生し、演奏者βが“E”を発生し、演奏者γが“G”を発生する。“C”、“E”および“G”は、コード「C」を構成する。同様に、期間T2においては、演奏者α〜βがコード「FonC」を構成する“C”、“F”および“A”を発生し、期間T3においては、演奏者α〜γがコード「GonD」を構成音する“D”、“G”および“B”を発生する。
例えば、期間T1において、ユーザである演奏者βが、自身の発生音が演奏者α,βの発生音と協和していないと感じた場合、演奏者βは、演奏を行いながら期間T1内の時点t11で操作部4のコード波形取得ボタンを押下する。これにより、コード波形取得部61(図10)は、時点t11で入力されている合奏音のオーディオデータからコード波形を取得する。コード特定部63(図10)は、取得されたコード波形に基づいて、コード「C」を特定する。
合奏の終了後、演奏者βは、期間T1における“E”の適切な音高を確認するために、操作部4のユーザ音高取得ボタンを押下し、改めて“E”を発生する。これにより、音高取得部56A(図10)は、入力されたオーディオデータからユーザ音高を取得する。参照音高決定部54Aの音名取得部54c(図10)は、取得されたユーザ音高に基づいて、ユーザ音名として“E”を取得する。
なお、ユーザ(演奏者β)が誤った音を発生した場合、すなわち、ユーザにより発生される音高が、取得されたコード波形により表されるコード音高群のいずれとも大きく異なる場合には、例えば、表示部6の画面上にエラーメッセージが表示される。また、取得されたコード波形から特定されるコード名、またはそのコードを構成する複数の音名が表示部6の画面上に表示されてもよい。この場合、ユーザによる誤った音の発生が防止される。
基準音高決定部53A(図10)は、取得されたコード波形によって表されるコード音高群のうち、例えばコードの根音である“C”の音高を基準音高に特定する。参照音高決定部54Aの参照決定部54d(図10)は、調律情報および基準音高に基づいて、ユーザ音名である“E”の参照音高を決定する。提示部57A(図10)は、ユーザ音高と参照音高との差分を表す差分情報を例えば表示部6の画面上に提示する。ユーザは、提示された差分情報に基づいて、コード「C」内で自身が発生すべき“E”の音高を確認することができる。
取得されたコード波形から特定されるコードの構成音のうち、ユーザ音名以外の音名の音が図1の音出力部8から出力されてもよい。例えば、取得されたコード波形がコード「C」に対応し、かつユーザ音名が“E”である場合、“C”および“G”がそれぞれ出力されてもよい。この場合、“C”および“G”の音高は、参照音高と同様に、基準音高および調律情報に基づいて所定の音律に調整される。これにより、ユーザは、対象のコード内において、自身が発生する音高が他の音高と協和しているか否かを聴感的に認識することができる。あるいは、参考のために、特定されるコードの構成音のうち、ユーザ音名を含む全ての音名の音が所定の音律に従う音高で出力されてもよい。
合奏の途中で複数回にわたってコード波形の取得が指示され、その指示毎にコード波形が取得されてもよい。例えば、図12の時点t11,t12でコード波形の取得が指示された場合に、コード「C」に対応するコード波形およびコード「GonD」に対応するコード波形がそれぞれ取得されてもよい。この場合、取得された複数のコード波形のうちのいずれかがユーザにより指定され、指定されたコード波形を用いて上記同様の処理が行われる。それにより、ユーザは、複数のコードに関するユーザ音高の確認および調整を効率良く行うことができる。
[3]差分提示処理
次に、第2の実施の形態に係る差分提示方法による差分提示処理について説明する。本実施の形態では、差分提示処理がコード特定処理およびユーザ音高調整処理を含む。図13は、図10の各機能部によるコード特定処理の一例を示すフローチャートであり、図14は、図10の各機能部によるユーザ音高調整処理のフローチャートである。図13および図14のコード特定処理およびユーザ音高調整処理は、図1のCPU11がROM10または記憶装置13に記憶された差分提示プログラムを実行することにより行われる。
次に、第2の実施の形態に係る差分提示方法による差分提示処理について説明する。本実施の形態では、差分提示処理がコード特定処理およびユーザ音高調整処理を含む。図13は、図10の各機能部によるコード特定処理の一例を示すフローチャートであり、図14は、図10の各機能部によるユーザ音高調整処理のフローチャートである。図13および図14のコード特定処理およびユーザ音高調整処理は、図1のCPU11がROM10または記憶装置13に記憶された差分提示プログラムを実行することにより行われる。
図13のコード特定処理においては、まず、指示受付部62が、コード波形の取得が指示されたか否かを判定する(ステップS21)。コード波形の取得が指示されるまで、指示受付部62がステップS21を繰り返す。コード波形の取得が指示されると、指示受付部62がその指示を受け付けるとともに、コード波形取得部61が、音入力部1からオーディオデータが入力されているか否かを判定する(ステップS22)。オーディオデータが入力されていない場合、コード波形取得部61は、エラーの発生を提示する(ステップS23)。例えば、表示部6の画面上にエラーメッセージが表示される。その後、指示受付部62がステップS21に戻る。
オーディオデータが入力されている場合、コード波形取得部61は、入力されたオーディオデータが複数の音高を表すか否かを判定する(ステップS24)。入力されたオーディオデータが単一の音高のみを表す場合、コード波形取得部61は、ステップS23に進み、エラーの発生を提示する。一方、入力されたオーディオデータが複数の音高を含む場合、コード波形取得部61は、オーディオデータが表す波形をコード波形として取得する(ステップS25)。続いて、コード特定部63が、取得されたコード波形に基づいて、コード名を特定する(ステップS26)。これにより、コード特定処理が終了する。
図14のユーザ音高調整処理においては、音名取得部54cが、ユーザによる操作部4の操作に基づいて、不等分律の種類が選択されたか否かを判定する(ステップS31)。不等分律の種類が選択された場合、音名取得部54cは、不等分律を選択された種類に決定し(ステップS32)、ステップS34に進む。不等分律の種類が選択されない場合、音名取得部54cは、不等分律を純正律に決定し(ステップS33)、ステップS34に進む。ステップS34において、音高取得部56Aは、ユーザ音高の取得が指示されたか否かを判定する(ステップS34)。ユーザ音高の取得が指示されるまで、音名取得部54cは、ステップS31〜S34を繰り返す。
ユーザ音高の取得が指示されると、提示部57Aが、図13のコード特定処理のステップS26で特定されたコード名を提示する(ステップS35)。例えば、表示部6の画面上で図11のコード名CNが表示される。次に、音高取得部56Aが、音入力部1からオーディオデータが入力されたか否かを判定する(ステップS36)。オーディオデータが入力されるまで、音高取得部56AはステップS36を繰り返す。
オーディオデータが入力されると、音高取得部56Aは、入力されたオーディオデータが単一の音高を表すか否かを判定する(ステップS37)。入力されたオーディオデータが複数の音高を表す場合、音高取得部56Aは、エラーの発生を提示する(ステップS38)。例えば、図13のステップS23と同様に、表示部6の画面上にエラーメッセージが表示される。その後、音名取得部54cがステップS31に戻る。なお、上記のステップS36において、一定時間オーディオデータが入力されなかった場合には、音名取得部54cがステップS38に進み、エラーの発生を提示してもよい。
入力されたオーディオデータが単一の音高のみを表す場合、音高取得部56Aは、入力されたオーディオデータが表す音高をユーザ音高として取得する(ステップS39)。次に、音名取得部54cが、ステップS39で取得されたユーザ音高に基づいてユーザ音名を特定する(ステップS40)。例えば、音名取得部54cは、図13のステップS26で特定されたコード名を構成する複数の音名のうち、ステップS39で取得されたユーザ音高と最も近い音高に対応する音名をユーザ音名として特定する。次に、提示部57Aは、特定されたユーザ音名を提示する(ステップS41)。例えば、表示部6の画面上で図11のユーザ音名USが表示される。
なお、取得されたユーザ音高が、特定されたコード名を構成する複数の音名のいずれとも大きく異なる場合(例えば、100セント以上異なる場合)には、エラーメッセージが表示部6の画面上に表示されてもよい。また、その場合において、特定されたコード名を構成する複数の音名のうち、ユーザ音高と最も近い音高に対応する音名が、正しい音名の候補として表示部6の画面上に表示されてもよい。
次に、基準音高決定部53Aは、ステップS25で取得されたコード波形に基づいて基準音高を決定する(ステップS42)。例えば、基準音高決定部53Aは、ステップS25で取得されたコード波形によって表されるコード音高群のうちコードの根音の音高を基準音高に決定する。
次に、参照決定部54dは、記憶装置13に記憶された調律情報、およびステップS42で決定された基準音高に基づいて、ステップS40で特定されたユーザ音名に対応する音高を参照音高として決定する(ステップS43)。次に、提示部57Aは、ステップS39で取得されたユーザ音高およびステップS42で決定された参照音高に基づいて差分情報を取得し、取得された差分情報を提示する(ステップS45)。例えば、表示部6の画面上で図11の差分提示画像DIが表示される。
次に、音高取得部56Aは、ユーザ音高調整処理の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS45)。例えば、操作部4が停止ボタンを含み、ユーザが停止ボタンを押下することによってユーザ音高調整処理の終了が指示される。ユーザ音高調整処理の終了が指示されていない場合、音高取得部56Aは、ステップS36に戻る。ユーザ音高調整処理の終了が指示されると、ユーザ音高の取得および各情報の提示が停止され、ユーザ音高調整処理が終了する。
[4]効果
第2の実施の形態に係る差分提示装置100Aにおいては、コード音高群を表すコード波形が取得され、取得されたコード波形に基づいてコードが特定される。特定されたコードを構成する複数の音名のうち一の音名がユーザ音名として取得され、所定の音律における音名と音高との対応関係を表す調律情報に基づいて、取得されたユーザ音名に対応する音高が参照音高として決定される。決定された参照音高とユーザ音高との差分を表す差分情報が提示される。
第2の実施の形態に係る差分提示装置100Aにおいては、コード音高群を表すコード波形が取得され、取得されたコード波形に基づいてコードが特定される。特定されたコードを構成する複数の音名のうち一の音名がユーザ音名として取得され、所定の音律における音名と音高との対応関係を表す調律情報に基づいて、取得されたユーザ音名に対応する音高が参照音高として決定される。決定された参照音高とユーザ音高との差分を表す差分情報が提示される。
この構成によれば、ユーザは、提示された差分情報を視認することにより、対象のコード内において、自身が発生する音高と他の音高との差分を容易に確認することができる。また、ユーザは、差分情報を見ながら、対象のコード内の他の音高と協和するように、自身が発生する音高を調整することができる。
また、本実施の形態では、取得されたコード波形に基づいて基準音高が決定され、その基準音高を基準に参照音高が決定される。これにより、コード内の他の音高に変動がある場合でも、ユーザは、その音高と協和するように自身が発生する音高を調整することが可能となる。
また、本実施の形態では、ユーザによってコード波形の取得が指示されると、その指示の時点で入力されているオーディオデータからコード波形が取得される。この場合、ユーザは、他の演奏者と合奏を行いながら任意の時点でコード波形の取得を指示することができる。それにより、ユーザは、合奏中の任意のコードについて、ユーザ音高と他の音高との関係を確認することが可能となる。
<C>他の実施の形態
上記実施の形態では、所定の音律における音名と音高との対応関係を表す調律情報がテーブルの形式で記憶装置13等の記憶媒体に記憶されるが、他の形式で記憶されてもよい。例えば、調律情報は、所定の音律における音名と音高とを対応付ける計算式の形式で記憶されてもよい。また、上記実施の形態では、所定の音律は不等分律であるが、平均律であってもよい。
上記実施の形態では、所定の音律における音名と音高との対応関係を表す調律情報がテーブルの形式で記憶装置13等の記憶媒体に記憶されるが、他の形式で記憶されてもよい。例えば、調律情報は、所定の音律における音名と音高とを対応付ける計算式の形式で記憶されてもよい。また、上記実施の形態では、所定の音律は不等分律であるが、平均律であってもよい。
上記第1の実施の形態では、曲中の現在位置のコードにおける根音の平均律の音高が基準音高に決定されるが、曲の調性における主音の平均律の音高が基準音高決定部53により基準音高に決定されてもよい。この場合でも、基準音高を容易に決定することができる。この構成においては、基準音高決定部53は、コード取得部53aの代わりに曲の調性を取得する曲調性取得部を含む。曲調性取得部は、曲データ取得部51により取得された曲データから曲の調性を取得する。基準決定部53bは、曲調性取得部により取得された調性における主音の平均律の音高を基準音高に決定する。例えば、曲の調性がハ長調である場合には、主音は“C”である。この場合、“C”の平均律の音高が基準音高に決定されてもよい。
参照音高決定部54(54A)は、時系列に並ぶ複数の音高を取得し、取得された複数の音高に基づいて調性を特定し、特定された調性に基づいて参照音高を特定してもよい。例えば、ユーザによる演奏または複数の演奏者による合奏音を表すオーディオデータが音入力部1から入力され、そのオーディオデータが解析されることにより調性が特定される。特定された調性および調律情報に基づいて、所定の音律における対象音名の音高が参照音高として特定される。それにより、ユーザは、演奏曲の調性に応じた所定の音律での音高を確認することができる。
上記実施の形態では、差分提示装置100,100Aが音入力部1および音出力部8を含むが、外部装置として音入力部および音出力部が用意されてもよい。また、上記第1の実施の形態では、伴奏音の調律が行われなくてもよく、したがって、調律後の伴奏音が音出力部8から発生されなくてもよい。この場合、差分提示装置100は調律部55および音出力部8を含まなくてもよい。
上記実施の形態では、不等分律の種類として純正律、ピタゴラス音律または中全音律が選択可能であるが、ヴェルクマイスター音律またはキルンベルガー音律等の他の音律が選択可能であってもよい。
上記実施の形態では、図2の各機能部がCPU11等のハードウェアおよび差分提示プログラム等のソフトウェアにより実現されるが、これらの機能部が電子回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
差分提示装置100,100Aは、電子鍵盤楽器等の電子楽器に適用されてもよく、パーソナルコンピュータ、スマートフォンまたはタブレット端末等の他の電子機器に適用されてもよい。
Claims (18)
- ユーザにより発生されるべき音名を対象音名として取得し、所定の音律における音名と音高との対応関係を表す調律情報に基づいて、取得した対象音名に対応する音高を参照音高として決定する参照音高決定部と、
ユーザにより発生された音高をユーザ音高として取得する取得部と、
決定された参照音高と取得されたユーザ音高との差分を表す差分情報を提示する提示部とを備える、差分提示装置。 - 前記所定の音律は、不等分律である、請求項1記載の差分提示装置。
- 前記不等分律は、純正律、ピタゴラス音律または中全音律を含む、請求項2記載の差分提示装置。
- 前記提示部は、前記決定された参照音高に対応する参照指標と、前記ユーザ音高に対応するユーザ音高指標とを含む差分提示画像を前記差分情報として表示し、前記差分が大きいほど前記参照指標と前記ユーザ音高指標との間の距離が大きくなるように、前記差分提示画像上における前記参照指標と前記ユーザ音高指標との位置関係を調整する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の差分提示装置。
- 前記参照音高決定部は、曲中でユーザにより発生されるべき音名列を含む曲データから前記曲中の現在位置における音名を対象音名として取得する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の差分提示装置。
- 前記調律情報は、各音名に対応する音高を基準となる音高である基準音高に対して不等分律の関係を有する音高として表す、請求項5記載の差分提示装置。
- 前記基準音高を決定する基準音高決定部をさらに備え、
前記調律情報は、各音名に対応する音高を前記基準音高に対する相対的な音高として表し、
前記参照音高決定部は、決定された前記基準音高と前記調律情報とに基づいて前記参照音高を決定する、請求項6記載の差分提示装置。 - 前記基準音高決定部は、前記曲の調性における主音の平均律の音高を前記基準音高に決定する、請求項7記載の差分提示装置。
- 前記曲データは、前記曲中の前記音名列に対応するコード列をさらに含み、
前記基準音高決定部は、前記曲データから前記曲中の現在位置におけるコードを取得し、取得したコードにおける根音の平均律の音高を前記基準音高に決定する、請求項7または8記載の差分提示装置。 - 複数の音高を含むコード音高群を表すコード波形を取得するコード波形取得部と、
取得されたコード波形に基づいて、前記コード音高群に対応するコードを特定するコード特定部とをさらに備え、
前記参照音高決定部は、特定されたコードを構成する複数の音名のうち一の音名を対象音名として取得する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の差分提示装置。 - 前記参照音高決定部は、取得されたユーザ音高に基づいて対象音名を取得する、請求項10記載の差分提示装置。
- 前記調律情報は、各音名に対応する音高を基準となる音高である基準音高に対して不等分律の関係を有する音高として表す、請求項10または11記載の差分提示装置。
- 前記基準音高を決定する基準音高決定部をさらに備え、
前記調律情報は、各音名に対応する音高を前記基準音高に対する相対的な音高として表し、
前記参照音高決定部は、決定された前記基準音高と前記調律情報とに基づいて前記参照音高を決定する、請求項12記載の差分提示装置。 - 前記基準音高決定部は、前記取得されたコード波形に基づいて前記基準音高を決定する、請求項13記載の差分提示装置。
- ユーザによる前記コード波形の取得指示を受け付ける指示受付部をさらに備え、
前記コード波形取得部は、前記取得指示が受け付けられた時点での入力音を表す波形を前記コード波形として取得する、請求項10〜14のいずれか一項に記載の差分提示装置。 - 前記参照音高決定部は、時系列に並ぶ複数の音高を取得し、取得された複数の音高に基づいて調性を特定し、特定された調性に基づいて前記参照音高を決定する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の差分提示装置。
- ユーザにより発生されるべき音名を対象音名として取得し、所定の音律における音名と音高との対応関係を表す調律情報に基づいて、取得した対象音名に対応する音高を参照音高として決定するステップと、
ユーザにより発生される音の音高をユーザ音高として取得するステップと、
決定された参照音高と取得されたユーザ音高との差分を表す差分情報を提示するステップとを含む、差分提示方法。 - ユーザにより発生されるべき音名を対象音名として取得し、所定の音律における音名と音高との対応関係を表す調律情報に基づいて、取得した対象音名に対応する音高を参照音高として決定するステップと、
ユーザにより発生される音の音高をユーザ音高として取得するステップと、
決定された参照音高と取得されたユーザ音高との差分を表す差分情報を提示するステップとを、
コンピュータに実行させるための差分提示プログラム。
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