JP2003014670A - 蛍光x線分析方法及び蛍光x線分析装置 - Google Patents

蛍光x線分析方法及び蛍光x線分析装置

Info

Publication number
JP2003014670A
JP2003014670A JP2001200008A JP2001200008A JP2003014670A JP 2003014670 A JP2003014670 A JP 2003014670A JP 2001200008 A JP2001200008 A JP 2001200008A JP 2001200008 A JP2001200008 A JP 2001200008A JP 2003014670 A JP2003014670 A JP 2003014670A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorescent
ray
sample
positive electrode
intensity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001200008A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Sekiguchi
敦 関口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2001200008A priority Critical patent/JP2003014670A/ja
Publication of JP2003014670A publication Critical patent/JP2003014670A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料中の異物の混入を、精度良く、且つ短時
間で分析可能である。 【解決手段】 試料100の一主面側に励起用X線B1
を照射するX線源3と、試料100の一主面側に放出さ
れる蛍光X線B2aの強度を検出する第1の検出手段4
と、上記第1の検出手段4が検出する、試料100の一
主面側に放出される蛍光X線B2aの延長線上であり、
且つ上記試料100の他主面側に放出される蛍光X線B
2bの強度を検出する第2の検出手段5と、上記第1の
検出手段4の検出結果と上記第2の検出手段5の検出結
果とを合わせて分析する分析手段6とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料中の異物金属
を検出するための蛍光X線分析方法及び蛍光X線分析装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムイオン二次電池等の非水電解質
二次電池を構成する部品は、正極、負極、セパレータ、
電解液及び容器に大別される。非水電解質二次電池を製
造するに際して正極活物質等の正極材料以外の金属粒子
からなる異物が、正極中に混入することがある。正極材
料以外の金属粒子からなる異物のうち粒径50μm以上
のもの(以下、異物金属と称する。)は、電池が組み立
てられた後の充電時に溶解し、負極に析出して内部短絡
を生じさせる。したがって、この異物金属が混入した正
極を用いて製造された非水電解質二次電池は、自己放電
増大により不良品となってしまう。
【0003】このため、非水電解質二次電池の製造工程
では、異物金属が混入しないように細心の注意が払われ
ている。しかしながら、異物金属がいったん混入した場
合には、生産性を維持しつつ特定サイズの異物金属のみ
を正極から選別除去することは極めて困難である。そこ
で、このような不良を引き起こす正極を製造工程から除
去するために、正極における異物金属の混入の有無を調
べる必要がある。
【0004】試料である正極中の異物金属を検出する一
般的な分析方法としては、例えば蛍光X線分析方法が広
く知られている。通常の蛍光X線分析に用いられる蛍光
X線分析装置10は、図6に示すように、正極100の
一主面側に、励起用X線B1を照射するX線源11と、
正極100から放出される蛍光X線B2の強度を検出す
るための検出器12と、検出器12からの検出信号を受
けて分析処理を行う分析器13とを備えている。
【0005】この蛍光X線分析装置10で分析を行う際
には、先ず、X線源11から励起用X線B1を正極10
0の一主面に対して照射する。これにより正極100か
ら一主面側に放出される蛍光X線B2の強度を、検出器
12が検出する。次に、検出器12の検出結果を受けて
分析器13が分析を行い、異物金属の混入の有無を評価
する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような通常の蛍光X線分析方法は、均一物質中に混入
した異物金属については効果的に調べられるものの、非
水電解質二次電池用の正極に混入した異物金属について
は、その混入の有無を調べることが非常に困難である。
言い換えると、通常の性能を有する蛍光X線分析装置
は、測定感度が不足し、正極に混入した異物金属を精度
良く測定することは困難である。
【0007】この理由をさらに詳細に説明する。例えば
図7に示すように、正極100として、厚さ20μm程
度の集電体101上に厚さ(50+x)μmの活物質層
102が形成されてなり、不良品発生を引き起こす最小
のサイズである粒径50μmの異物金属が、活物質層1
02の底部に存在する正極100を用意する。すなわ
ち、異物金属の端部と活物質層102との表面の距離は
xμmとされている。
【0008】この正極100に対して励起用X線B1を
照射し、異物金属から発せられるFe−Kα蛍光X線B
2の強度を測定した。なお、上述した蛍光X線B2の強
度の測定は、異物金属の端部と活物質層102との表面
の距離xを0〜60μmと変化させた場合、すなわち活
物質102の厚さ(50+x)μmを、50μm〜11
0μmと変化させた場合について行った。励起用X線B
1の入射時の強度を100%としたときの、蛍光X線B
2の相対的な強度を概算した結果を、図8に示す。
【0009】蛍光X線B2の強度は、正極活物質の厚み
の増加に伴って微弱となり、x=40μm、すなわち正
極活物質層の厚みが90μmを上回る付近で検出強度が
限りなく0%に近づき、x=50μm、すなわち正極活
物質層の厚みが100μm付近でほぼ0%になる。
【0010】つまり、Feを含有する異物金属から発せ
られた蛍光X線B2は、活物質層102を通過して外に
放出されるまでの間に活物質層102に共存するCo、
Mn、Ni等の元素による吸収妨害を受けるため、強度
が著しく弱められる。このため、異物金属が活物質層1
02の深部に存在する場合には、蛍光X線B2の強度が
著しく弱められ、異物金属から発せられる蛍光X線B2
の強度を検出器で検出することが不可能となる。
【0011】また、蛍光X線B2の強度を高めるため
に、励起用X線B1の出力を高めることが考えられる
が、測定時間が長時間化する等の不都合がある。また、
性能の高い大規模なX線傾向分析装置が必要となる。
【0012】そこで本発明はこのような従来の実情に鑑
みて提案されたものであり、試料中の異物金属の混入
を、精度良く、且つ短時間で分析可能な蛍光X線分析方
法及び蛍光X線分析装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る蛍光X線分析方法は、試料の一主面
側に励起用X線を照射することによって当該試料の一主
面側に放出される蛍光X線の強度と、上記試料の一主面
側に放出される蛍光X線の延長上であり、且つ当該試料
の他主面側に放出される蛍光X線の強度とをそれぞれ検
出し、これらの検出結果を合わせて分析することを特徴
とする。
【0014】以上のように構成された蛍光X線分析方法
では、試料から互いに180°逆方向に放出される蛍光
X線の強度をそれぞれ検出することにより、異物から発
せられる蛍光X線を確実に検出できる。すなわち、これ
らの検出結果を積算して分析することにより、試料のい
かなる位置に異物が存在する場合であっても、異物から
発せられた蛍光X線を充分な強度にて検出することがで
きる。
【0015】また、励起用X線の出力を向上させること
や、測定時間を長時間化することがない。
【0016】特に、上記試料は、金属箔上に活物質層が
形成されてなる電池用電極であることが好ましい。
【0017】集電体となる金属箔は、蛍光X線を吸収し
難い材料からなり、また膜厚も薄くなされているため、
活物質層に比べて蛍光X線が透過しやすい。したがっ
て、活物質層を通過してくる蛍光X線の強度だけでな
く、金属箔を通過してくる蛍光X線の強度も検出するこ
とにより、異物から発せられる蛍光X線を確実に検出で
きる。すなわち、これらの検出結果を積算して分析する
ことにより、電池用電極のいかなる位置に異物が存在す
る場合であっても、異物の存在を確認することができ
る。
【0018】また、本発明に係る蛍光X線分析装置は、
試料の一主面側に励起用X線を照射するX線源と、試料
の一主面側に放出される蛍光X線の強度を検出する第1
の検出手段と、上記第1の検出手段が検出する、試料の
一主面側に放出される蛍光X線の延長線上であり、且つ
上記試料の他主面側に放出される蛍光X線の強度を検出
する第2の検出手段と、上記第1の検出手段の検出結果
と上記第2の検出手段の検出結果とを合わせて分析する
分析手段とを有することを特徴とする。
【0019】以上のように構成された蛍光X線分析装置
では、試料から互いに180°逆方向に放出される蛍光
X線の強度を、第1の検出手段と第2の検出手段とでそ
れぞれ検出することにより、異物から発せられる蛍光X
線を確実に検出できる。すなわち、分析手段でこれらの
検出結果を積算して分析することにより、試料のいかな
る位置に異物が存在する場合であっても、異物から発せ
られた蛍光X線を充分な強度にて検出することができ
る。
【0020】また、この蛍光X線分析装置によれば、励
起用X線の出力を向上させることや、測定時間を長時間
することなく分析可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る蛍光X線分析
方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】図1に示す蛍光X線分析装置1は、試料と
して例えば正極中に混入した異物金属の存在を判別する
ための装置である。
【0023】この蛍光X線分析装置1は、試料として集
電体となる金属箔上に活物質層が形成されてなる電池用
電極、特に正極100を保持する保持部材2と、正極1
00に励起用X線B1を照射するX線源3と、正極10
0の主面に対してX線源3側且つ法線方向に放出される
蛍光X線の強度を検出する第1の検出器4と、正極10
0の主面に対してX線源3と反対側且つ法線方向に放出
される蛍光X線の強度を検出する第2の検出器5と、分
析器6とを備えて構成されている。
【0024】保持部材2は、分析を行う際に正極100
を保持するものである。なお、図1においては、保持部
材2と集電体とが接する状態で正極100を保持部材2
に固定している。
【0025】また、保持部材2は、図示しないフレーム
に支持されている。フレームは、例えばリング状又は四
角形等の所望の形状を呈している。そして、このフレー
ムは、図示しないフレーム支持部材に固定され、フレー
ム支持部材は、X軸方向及びY軸方向に自在に移動可能
とされている。すなわち、この蛍光X線分析装置1で
は、フレーム支持部材を移動させることにより、保持部
材2を移動させることができ、これにより、保持部材2
に保持された正極100をX軸方向及びY軸方向に自在
に移動させ、分析位置の変更及びスキャンが可能とされ
ている。
【0026】X線源3は、正極100の活物質層側に配
され、正極100の主面に対して所定の入射角θをもっ
て励起用X線B1を照射するものである。
【0027】X線源3の配置位置は、図1に示す入射角
θが極力小さくなるように、すなわち正極100に対し
て入射する励起用X線B1が試料の法線に近づくように
設定することが好ましい。これにより、活物質層100
内を通過する励起用X線B1が、検出対象である異物金
属に到達するまでの距離を短くできるため、活物質層1
00による吸収を極力抑えられ、励起用X線B1の強度
を維持できる。
【0028】なお、X線源3は、正極100の集電体側
に配するようにしても良い。
【0029】第1の検出器4は、励起用X線B1が正極
100に入射する点での正極100の法線上に配され、
正極100の活物質層側から法線方向に放出される蛍光
X線B2aの強度を検出する。第1の検出器4として
は、例えば波長分散方式の検出器等が用いられる。
【0030】第2の検出器5は、励起用X線B1が正極
100に入射する点での正極100の法線上に配され、
正極100の集電体側から法線方向に放出される蛍光X
線B2bの強度を検出する。第2の検出器5としては、
例えば波長分散方式の検出器等が用いられる。
【0031】すなわち、これら第1の検出器4と第2の
検出器5とは、正極100から放出される蛍光X線のう
ち、正極100から互いに180°逆方向に放出される
蛍光X線B2aと蛍光X線B2bとをそれぞれ検出可能
な位置に配される。
【0032】分析器6は、第1の検出器4で検出した蛍
光X線B2aの強度の検出結果と、第2の検出器5で検
出した蛍光X線B2bの強度の検出結果とを、それぞれ
受けて、これらの検出結果を検出結果を合わせて分析す
ること、すなわち積算して分析することが可能な制御ユ
ニットを備えるものである。
【0033】試料となる正極100は、例えば非水電解
質二次電池等の正極として用いられるものである。正極
100は、図2に示すように集電体101の一主面上に
活物質層102が形成されてなる。
【0034】集電体101は、例えばアルミ箔等からな
り、厚みは20μm以下程度とされている。また、活物
質層102は、正極活物質を例えば溶剤等とともに集電
体101上に塗布、乾燥することにより形成されてい
る。正極活物質としては、例えばLiCoO、LiM
nO、LiNiO等のリチウム化合物等が挙げられ
る。
【0035】また、正極100は、集電体を除いた活物
質層102の厚みが100μm以下であることが好まし
い。活物質層102の厚みが100μmを上回ると、活
物質層102が集電体101から剥離する虞がある。
【0036】集電体101として用いられるアルミ箔の
X線吸収率は極めて小さく、具体的には活物質層102
のX線吸収率の約1/10以下である。これとともに、
集電体101の厚みは、活物質層102の厚みの1/5
程度とされている。すなわち、集電体101のX線吸収
率は、活物質層102のX線吸収率の略1/50以下と
されており、ほぼ無視できるレベルである。
【0037】この蛍光X線分析装置1では、以下のよう
にして蛍光X線分析を行う。
【0038】まず、試料となる正極100を、フレーム
に保持された保持部材2上に、集電体101が保持部材
2に接するように保持する。
【0039】つぎに、蛍光X線分析装置1内を所定の圧
力に真空引きする。これにより、空気の散乱による励起
用X線及び蛍光X線の減衰が防止される。
【0040】つぎに、フレーム支持部材を移動させるこ
とにより、正極100を例えば所定のスキャン開始位置
まで移動させる。
【0041】つぎに、X線源3から正極100に対して
励起用X線B1を照射する。これにより図3に示すよう
に、正極100から放出される蛍光X線のうち、第1の
検出器4が、活物質層102側へ放出される蛍光X線B
2aの強度を検出する。それと略同時に、第2の検出器
5が、集電体101側へ放出される蛍光X線B2bの強
度を検出する。第1の検出器4及び第2の検出器5は、
検出結果にもとづく信号を分析器6へそれぞれ出力す
る。
【0042】つぎに、分析器6は、第1の検出器4から
入力された信号と、第2の検出器5から入力された信号
とを積算処理し、分析する。
【0043】上述したような操作を正極100の位置を
移動させてスキャンしながら行うことにより、正極10
0中の異物金属の混入分析を行うことができる。
【0044】例えば図3に示すように、異物金属が活物
質層102の底、すなわち集電体101近傍に存在する
場合、異物から活物質層102側へ発せられた蛍光X線
B2aは、活物質層102を通過するまでに共存する元
素による吸収妨害を受けて、極めて微弱となる。このた
め、第1の検出器4は、正極100から放出される蛍光
X線B2aの強度を検出できない場合がある。
【0045】これに対して、異物から集電体101側へ
発せられた蛍光X線B2bは、活物質層102に比べて
X線を透過しやすい材料からなる集電体101と、X線
透過性材料からなる保持部材2を通過して、正極100
の外へ放出される。すなわち、集電体101側へ放出さ
れた蛍光X線B2bは、吸収妨害の影響を比較的受ける
ことなく充分な強度をもって放出されることになる。こ
のため、異物金属が活物質層102の底、すなわち集電
体101近傍に存在する場合には、第2の検出器5が、
正極100から放出される蛍光X線B2bの強度を検出
することになる。なお、図3においては保持部材2の図
示を省略している。
【0046】逆に、異物金属が活物質層102の表面に
存在する場合には、第1の検出器4が蛍光X線B2aの
強度を確実に検出する。
【0047】したがって、第1の検出器4の検出結果と
第2の検出器5の検出結果とを積算して分析することに
より、正極100中のいかなる位置に異物金属が混入し
ている場合であっても、異物金属の存在を確実に検知す
ることができる。
【0048】以上説明したように、本発明によれば、試
料から互いに180°逆方向に放出される蛍光X線の強
度を試料の両主面側に配された検出器によってそれぞれ
検出することにより、異物から発せられる蛍光X線を確
実に検出できる。すなわち、これらの検出結果を積算し
て分析することにより、試料のいかなる位置に異物が存
在する場合であっても、異物から発せられた蛍光X線を
充分な強度にて検出することができる。このため、試料
に混入した異物金属について、その数や大きさを精度良
く検出することが可能である。具体的には、試料の一主
面側にのみ検出器が配された蛍光X線分析装置で分析し
た場合に比べて、検出感度を約3倍向上させることがで
きる。
【0049】また、本発明によれば、励起用X線の出力
を向上させるために大規模で高価な蛍光X線装置を用意
することや、測定時間を長時間化することがなく、精度
良い分析が可能である。また、試料を破壊することなく
異物金属の混入を検出可能である。
【0050】なお、上述したような蛍光X線分析方法
を、図2に示すような非水電解質二次電池用正極の分析
に採用する場合には、正極を作製した直後に分析するこ
とが好ましい。
【0051】また、非水電解質二次電池用正極として
は、図2に示すように集電体101の一主面上に活物質
層102が形成されているものと、図4に示すように集
電体101の両主面に活物質層102が形成されている
ものとがあるが、後者を分析する場合には、集電体10
1の一主面のみに活物質層102が形成されている時点
で分析を行うことが好ましい。
【0052】また、X線源3は、正極100の集電体1
01側に配されても良い。すなわち、図5に示すよう
に、正極100の集電体101側から励起用X線B1が
照射されても構わない。
【0053】上述のような蛍光X線分析方法を非水電解
質二次電池の製造工程で用いることにより、異物金属の
混入した正極を、次工程に移行する前に判別することが
できる。このため、汚染された正極を製造工程から除外
することにより、最終製品である例えば非水電解質二次
電池の不良率の大幅な低下、すなわち歩留まりの向上に
寄与できる。具体的には、従来の歩留まりを約1%改善
することが可能である。
【0054】また、異物金属が混入した正極を非破壊で
検査できるため、従来の、集電体から正極活物質を剥離
して分析するような、破壊分析による異物金属の分析に
比べて測定時間の大幅な短縮を図ることが可能である。
具体的には、測定の速度を約3倍向上することが可能で
ある。
【0055】なお、上述したような蛍光X線分析方法に
よって分析される試料としては、上述したような非水電
解質二次電池用の正極を用いることが好ましいが、これ
に限定することなく、いかなるものを分析しても構わな
い。
【0056】
【実施例】以下、本発明を具体的な実験結果にもとづい
て説明する。
【0057】<実施例1>実施例1では、試料として、
厚み20μmのアルミ箔の一主面に95wt%のLiC
oOと2.5wt%のカーボンと2.5wt%のポリ
フッ化ビニリデンとを含有する活物質層が厚み80μm
で形成され、さらに、この活物質層中に異物金属として
鉄が混入された非水電解質二次電池の正極を用意した。
【0058】そして、上述した図1に示すような、正極
の両主面側に波長分散方式の検出器をそれぞれ配置した
X線蛍光分析装置を用いて、正極中に混入している鉄等
の異物金属の検出を試みた。
【0059】測定条件 X線管:縦型Rh/Crデュアルターゲット管(50k
v−60Ma) 検出器:波長分散型検出器(正極電極の表側及び裏側に
それぞれ1個ずつ配置) 分析径:5mm×3mm この結果、5点において、異物を示すピークを検出し
た。そこで、正極のピークの検出点を切り出して調べた
ところ、粒径約70μmの鉄粒子が混入していることが
確認された。
【0060】<比較例1>まず、試料として、実施例1
と同様の非水電解質二次電池の正極を用意した。
【0061】そして、図6に示すような、試料の表側に
配された1個の検出器を有する従来の蛍光X線分析装置
を用いて、以下の条件により異物である鉄の検出を試み
た。
【0062】測定条件 X線管:縦型Rh/Crデュアルターゲット管(50k
v−60Ma) 検出器:波長分散型検出器(正極電極の表側に1個のみ
配置) 分析径:5mm×3mm この結果、異物を示すピークを検出不能であった。
【0063】以上の実施例1及び比較例1の結果より、
従来の蛍光X線分析装置では検出不可能である粒径70
μm程度の鉄粒子が、本発明を適用した蛍光X線分析装
置においては検出可能であることが判った。
【0064】<実施例2>実施例2では、試料として、
厚み20μmのアルミ箔の一主面に95wt%のLiC
oOと2.5wt%のカーボンと2.5wt%のポリ
フッ化ビニリデンとを含有する活物質層が厚み80μm
で形成され、さらに、この活物質層中に異物金属として
真鍮が混入された非水電解質二次電池の正極を用意し
た。そして、実施例1と同様の条件で、試料中に混入し
ている真鍮等の異物金属の検出を試みた。
【0065】この結果、15点において、異物を示すピ
ークを検出した。そこで、正極のピークの検出点を切り
出して調べたところ、粒径約60μm〜100μmの真
鍮粒子が混入していることが確認された。
【0066】<比較例2>まず、試料として、実施例2
と同様の非水電解質二次電池の正極を用意した。そし
て、比較例1と同様の条件で、異物である真鍮の検出を
試みた。
【0067】この結果、異物を示すピークが検出不能で
あった。
【0068】以上の実施例2及び比較例2の結果より、
従来の蛍光X線分析装置では検出不可能である粒径約6
0μm〜100μm程度の真鍮粒子が、本発明を適用し
た蛍光X線分析装置においては検出可能であることが判
った。
【0069】したがって、本発明を適用した蛍光X線分
析方法及び蛍光X線分析装置を用いることにより、従来
の蛍光X線分析では検出できなかった異物金属の検出を
精度良く行うことが可能であるといえる。
【0070】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る蛍光X線分析方法は、試料から互いに180°
逆方向に放出される蛍光X線の強度をそれぞれ検出する
ことにより、異物から発せられる蛍光X線を確実に検出
できる。すなわち、これらの検出結果を積算して分析す
ることにより、試料のいかなる位置に異物が存在する場
合であっても、異物から発せられた蛍光X線を充分な強
度にて検出することができる。したがって、本発明によ
れば、試料中の異物金属の混入を精度良く検出すること
ができる。
【0071】また、本発明に係る蛍光X線分析方法で
は、励起用X線の出力を向上させるために大規模な設備
を用意することや、測定時間を長時間化する必要がない
ため、簡単且つ短時間での分析が可能である。
【0072】また、本発明に係る蛍光X線分析装置は、
試料から互いに180°逆方向に放出される蛍光X線の
強度を、第1の検出手段と第2の検出手段とでそれぞれ
検出することにより、異物から発せられる蛍光X線を確
実に検出できる。すなわち、分析手段でこれらの検出結
果を積算して分析することにより、試料のいかなる位置
に異物が存在する場合であっても、異物から発せられた
蛍光X線を充分な強度にて検出することができる。した
がって、本発明によれば、試料中の異物金属の混入を精
度良く検出することができる。
【0073】また、この蛍光X線分析装置によれば、励
起用X線の出力を向上させるために大規模な設備を用意
することや、測定時間を長時間する必要がないため、簡
単且つ短時間での分析が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した蛍光X線分析装置の構成を模
式的に示す図である。
【図2】試料である正極の断面図である。
【図3】図1における、励起用X線が照射された正極付
近を拡大して示す断面図である。
【図4】集電体の両主面に活物質層が形成されてなる正
極電極の断面図である。
【図5】正極の集電体側から励起用X線を照射した状態
を示す断面図である。
【図6】従来の蛍光X線分析装置の構成を模式的に示す
図である。
【図7】図6における、励起用X線が照射された正極付
近を拡大して示す図である。
【図8】活物質層側に配された検出器によって、正極中
の異物金属から発せられた蛍光X線強度を検出した結果
を示す特性図である。
【符号の説明】
1 蛍光X線分析装置、2 保持部材、3 X線源、4
第1の検出器、5第2の検出器、6 分析器、100
正極、101 集電体、101 活物質層
フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA01 BA04 CA01 DA01 DA02 DA06 FA14 GA01 GA06 JA11 KA01 LA02 NA13 NA17 NA18 RA08 2G043 AA01 BA01 EA11 GA08 GB01 GB03 5H050 AA19 BA05 CA08 CA09 GA27 GA28 GA29 HA12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料の一主面側に励起用X線を照射する
    ことによって当該試料の一主面側に放出される蛍光X線
    の強度と、上記試料の一主面側に放出される蛍光X線の
    延長上であり、且つ当該試料の他主面側に放出される蛍
    光X線の強度とをそれぞれ検出し、これらの検出結果を
    合わせて分析することを特徴とする蛍光X線分析方法。
  2. 【請求項2】 励起用X線が照射される部分での、試料
    の法線方向に放出される蛍光X線をそれぞれ検出するこ
    とを特徴とする請求項1記載の蛍光X線分析方法。
  3. 【請求項3】 上記試料は、金属箔上に活物質層が形成
    されてなる電池用電極であることを特徴とする請求項1
    記載の蛍光X線分析方法。
  4. 【請求項4】 上記電池用電極は、正極電極であること
    を特徴とする請求項4記載の蛍光X線分析方法。
  5. 【請求項5】 試料の一主面側に励起用X線を照射する
    X線源と、 試料の一主面側に放出される蛍光X線の強度を検出する
    第1の検出手段と、 上記第1の検出手段が検出する、試料の一主面側に放出
    される蛍光X線の延長線上であり、且つ上記試料の他主
    面側に放出される蛍光X線の強度を検出する第2の検出
    手段と、 上記第1の検出手段の検出結果と上記第2の検出手段の
    検出結果とを合わせて分析する分析手段とを有すること
    を特徴とする蛍光X線分析装置。
  6. 【請求項6】 上記第1の検出手段は、上記試料の一主
    面側且つ試料の法線方向に放出される蛍光X線の強度を
    検出し、 上記第2の検出手段は、上記試料の他主面側且つ試料の
    法線方向に放出される蛍光X線の強度を検出することを
    特徴とする請求項5記載の蛍光X線分析装置。
  7. 【請求項7】 上記試料は、金属箔上に活物質層が形成
    されてなる電池用電極であることを特徴とする請求項5
    記載の蛍光X線分析装置。
  8. 【請求項8】 上記電池用電極は、正極電極であること
    を特徴とする請求項7記載の蛍光X線分析装置。
JP2001200008A 2001-06-29 2001-06-29 蛍光x線分析方法及び蛍光x線分析装置 Withdrawn JP2003014670A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001200008A JP2003014670A (ja) 2001-06-29 2001-06-29 蛍光x線分析方法及び蛍光x線分析装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001200008A JP2003014670A (ja) 2001-06-29 2001-06-29 蛍光x線分析方法及び蛍光x線分析装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003014670A true JP2003014670A (ja) 2003-01-15

Family

ID=19037205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001200008A Withdrawn JP2003014670A (ja) 2001-06-29 2001-06-29 蛍光x線分析方法及び蛍光x線分析装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003014670A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100566590B1 (ko) 2004-09-15 2006-03-31 주식회사 디지털텍 내부 롤에의 이물질 부착여부 확인장치를 채용한 리튬 2차전지용 전극활물질 코팅 장치
JP2006251298A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Nissan Motor Co Ltd 音声入力装置および音声入力方法
US7643608B2 (en) 2004-12-28 2010-01-05 Panasonic Corporation Method for checking for leakage from tubular batteries
JP2011107005A (ja) * 2009-11-19 2011-06-02 Seiko Instruments Inc 蛍光x線検査装置及び蛍光x線検査方法
WO2011122663A1 (ja) * 2010-03-30 2011-10-06 三井金属鉱業株式会社 リチウムイオン電池用正極活物質材料及びリチウムイオン電池
CN113552148A (zh) * 2020-04-13 2021-10-26 东芝It·控制系统株式会社 非破坏检查装置

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100566590B1 (ko) 2004-09-15 2006-03-31 주식회사 디지털텍 내부 롤에의 이물질 부착여부 확인장치를 채용한 리튬 2차전지용 전극활물질 코팅 장치
US7643608B2 (en) 2004-12-28 2010-01-05 Panasonic Corporation Method for checking for leakage from tubular batteries
JP2006251298A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Nissan Motor Co Ltd 音声入力装置および音声入力方法
JP2011107005A (ja) * 2009-11-19 2011-06-02 Seiko Instruments Inc 蛍光x線検査装置及び蛍光x線検査方法
JP5140193B2 (ja) * 2010-03-30 2013-02-06 三井金属鉱業株式会社 リチウムイオン電池用正極活物質材料及びリチウムイオン電池
GB2491535A (en) * 2010-03-30 2012-12-05 Mitsui Mining & Smelting Co Positive electrode active material for lithium-ion battery and lithium-ion battery
WO2011122663A1 (ja) * 2010-03-30 2011-10-06 三井金属鉱業株式会社 リチウムイオン電池用正極活物質材料及びリチウムイオン電池
US20130134349A1 (en) * 2010-03-30 2013-05-30 Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. Positive Electrode Active Material for Lithium-Ion Battery and Lithium-Ion Battery
GB2491535B (en) * 2010-03-30 2013-07-03 Mitsui Mining & Smelting Co Positive electrode active material for lithium-ion battery and lithium-ion battery
JPWO2011122663A1 (ja) * 2010-03-30 2013-07-08 三井金属鉱業株式会社 リチウムイオン電池用正極活物質材料及びリチウムイオン電池
KR101325165B1 (ko) 2010-03-30 2013-11-07 미쓰이 긴조꾸 고교 가부시키가이샤 리튬 이온 전지용 양극 활물질 재료 및 리튬 이온 전지
US8728343B2 (en) * 2010-03-30 2014-05-20 Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. Positive electrode active material for lithium-ion battery and lithium-ion battery
CN113552148A (zh) * 2020-04-13 2021-10-26 东芝It·控制系统株式会社 非破坏检查装置
CN113552148B (zh) * 2020-04-13 2023-11-17 东芝It·控制系统株式会社 非破坏检查装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Qian et al. The role of structural defects in commercial lithium-ion batteries
JP5813923B2 (ja) X線透過検査装置及びx線透過検査方法
EP3447479A1 (en) Method and device for continuous non-destructive inspection of membrane-electrode assembly
JP5564303B2 (ja) X線透過検査装置
JP2012524385A (ja) バッテリーを動作させるための方法
WO2019163023A1 (ja) 電池材料の化学状態分析装置及び方法
EP3816616A1 (en) Radiation transmission inspection method and device, and method for manufacturing microporous film
JP2010286406A (ja) X線透過検査装置及びx線透過検査方法
KR102009051B1 (ko) 이물 검출 장치
JP2003014670A (ja) 蛍光x線分析方法及び蛍光x線分析装置
US20180059035A1 (en) X-ray transmission inspection apparatus
JP2011107005A (ja) 蛍光x線検査装置及び蛍光x線検査方法
US10823676B2 (en) Non-contact type security inspection system and method
Kunimura et al. Trace elemental determination using a portable total reflection X-ray fluorescence spectrometer with a collodion film sample holder
Liendo et al. Comparison between proton‐induced x‐ray emission (PIXE) and total reflection x‐ray fluorescence (TXRF) spectrometry for the elemental analysis of human amniotic fluid
KR102381250B1 (ko) 전지 음극 표면의 금속 성분 분석 방법
US20200292449A1 (en) Detecting metal contamination in polymer sheets
Bauermann et al. Nondestructive Defect Detection in Battery Pouch Cells: A Comparative Study of Scanning Acoustic Microscopy and X-Ray Computed Tomography
JP7382244B2 (ja) 膜電極構造体の検査方法
US5336886A (en) Apparatus for measuring a diffraction pattern of electron beams having only elastic scattering electrons
JP2019144123A (ja) 電池材料の化学状態分析方法
Sato et al. Rapid detection and element identification of fine metal particles for underpinning battery quality
CN110261419B (zh) 自动在线检测重金属的设备及方法、纺织品生产设备
Pitta Bauermann et al. Nondestructive Defect Detection in Battery Pouch Cells: A Comparative Study of Scanning Acoustic Microscopy and X‐Ray Computed Tomography
JPH08152378A (ja) 光ファイバーの検査方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080902