JP2003013798A - サイアミーズシリンダの冷却装置 - Google Patents

サイアミーズシリンダの冷却装置

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JP2003013798A
JP2003013798A JP2002142335A JP2002142335A JP2003013798A JP 2003013798 A JP2003013798 A JP 2003013798A JP 2002142335 A JP2002142335 A JP 2002142335A JP 2002142335 A JP2002142335 A JP 2002142335A JP 2003013798 A JP2003013798 A JP 2003013798A
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Kazutoshi Okamoto
一利 岡本
Yasuichi Kamata
保一 鎌田
Akira Hayatani
章 早谷
Masaji Yugawa
政次 湯川
Osamu Yoshii
理 吉井
Kazuyoshi Morioka
和良 森岡
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    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/02Cylinders; Cylinder heads  having cooling means
    • F02F1/10Cylinders; Cylinder heads  having cooling means for liquid cooling
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】サイアミーズシリンダの冷却装置におい
て、左右のシリンダヘッド締結用ボス部5・5間のヘッ
ド寄り部4aと、このヘッド寄り部4aよりも下方の部
分とにわたり上記冷却水路15を設け、この冷却水路1
5を上下に区画分離し、シリンダヘッド締結用ボス部5
・5の下縁から冷却水路15の最下縁までの冷却水路下
半部の上下方向全域にわたり、縦向き一連に上記冷却水
導入部13・13を形成し、この冷却水導入部13・1
3をシリンダジャケット8・8に向けて前後に拡開さ
せ、この冷却水導入部13・13の拡開先の入口前後縁
を相互に対向するシリンダ外周面3a・3aで形成した 【効果】ヘッド寄り部4aとこれよりも下方の冷却通路
下半部を強力に冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多気筒エンジンのサイ
アミーズシリンダの冷却装置に関し、当該シリンダの連
続肉壁部のヘッド寄り部を強力に冷却し、多気筒エンジ
ンの相対的小型軽量化と出力アップを図る事ができるも
のを提供する。
【0002】
【従来の技術】近年、多気筒エンジンを小型・軽量化す
る必要からシリンダボアの間隔を狭くし、あるいは、排
気量を多くしてエンジンの大出力化を図る必要からシリ
ンダボアを大きくしてシリンダの連続肉壁部を可能な限
り薄くしたサイアミーズシリンダが採用されるようにな
った。この種の従来技術としては、例えば、特公昭56
−42744号公報に開示されたもの(以下、従来例1
という)、あるいは、実開昭59−68155号公報に
開示されたもの(以下、従来例2という)が知られてい
る。
【0003】図6は従来例1を示し、図6(A)はサイ
アミーズシリンダの要部の縦断面図、図6(B)は図6
(A)中のB−B線矢視横断平面図、図6(C)はサイ
アミーズシリンダの連続肉壁部のヘッド寄り部に鋳込ま
れる水路形成部材の斜視図である。この従来例1は、シ
リンダブロック1に複数のシリンダ3を前後に並設し、
隣接するシリンダ3・3を連続肉壁部4で連続させてサ
イアミーズシリンダ2を構成し、このサイアミーズシリ
ンダ2を囲むようにシリンダジャケット8を形成し、上
記連続肉壁部4に水路形成部材10を鋳込んである。こ
の水路形成部材10は、図6(A)(B)(C)に示す
ように、その縦断側面視で縦長・偏平な冷却水路15を
備え、上記ヘッド寄り部4aの左右両端部のシリンダジ
ャケット8・8を当該冷却水路15で連通するように構
成されている。
【0004】図6(B)に示すように、上記シリンダジ
ャケット8・8は、上記連続肉壁部4のヘッド寄り部4
aの左右両外側にせまっており、上記冷却水路15の一
側より流入した冷却水は、当該冷却水路15を流通する
ことにより、当該ヘッド寄り部4aを冷却する。なお、
シリンダヘッド(図示せず)を締結する左右一対のボル
ト6・6のボス部5・5は、当該シリンダジャケット8
・8の外側に位置している。ここで、上記水路形成部材
10の左右両端部より突設した突出係止部14a・14
bはシリンダジャケット中子の製作時に当該水路形成部
材10を中子に確実に固定するためのものである。
【0005】図7は従来例2を示し、図7(A)はサイ
アミーズシリンダの要部の縦断面図、図7(B)は図7
(A)中のB−B線矢視横断平面図、図7(C)はサイ
アミーズシリンダの連続肉壁部4のヘッド寄り部4aに
鋳込まれる水路形成部材の斜視図である。この水路形成
部材10は、図7(A)(B)(C)に示すように、連
続肉壁部4の左右のシリンダジャケット8・8を連通す
る冷却水路15と、この冷却水路15の左右両端部に位
置し、当該冷却水路15と連通する左右一対のジャケッ
ト連通路12・12と、各ジャケット連通路12・12
の下側に位置し、各シリンダジャケット8・8に向けて
開口した左右一対の冷却水導入部13・13とを備えて
いる。
【0006】上記冷却水導入部13・13より流入した
冷却水は、上記冷却水路15を流通するとともに、ジャ
ケット連通路12・12を介して上記ヘッド寄り部4a
の上側に位置するヘッドジャケット(図示せず)に流出
し、その間に連続肉壁部4のヘッド寄り部4aを冷却す
る。なお、上記連続肉壁部4のヘッド寄り部4aの左右
に位置するシリンダヘッド締結用ボス部5・5は、従来
例1と同様に当該シリンダジャケット8・8の外側に位
置している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来例1は、冷却水路
15の左右両端部及び突出係止部14a・14bがシリ
ンダジャケット8・8内に突出しているため、シリンダ
外周面(3a)に沿って流れようとする冷却水の円滑な
流通を阻害し、冷却水が冷却水路15に流入するのを妨
げている。このため、上記連続肉壁部4のヘッド寄り部
4aを強力に冷却できないという難点がある。しかも、
水路形成部材10の冷却水路15が縦断側面視で縦長・
偏平であることから、冷却水路15の機械的強度が低
く、シリンダボアの孔加工時の歪み耐久性が劣る。さら
に、左右のシリンダヘッド締結用ボス部5・5が、シリ
ンダジャケット8・8の外側に位置しているため、左右
のヘッドボルト6・6の間隔が大きくなり、シリンダ3
を周方向に沿って均一かつ強力に締結することができな
いという難点がある。
【0008】また、従来例2は、各ジャケット連通路1
2を構成する筒体の下部を切り欠いて冷却水導入部13
を形成しているが、当該冷却水導入部13の間口が小さ
いため、多量の冷却水を冷却水路15に円滑に導入する
ことができず、上記連続肉壁部4のヘッド寄り部4aを
強力に冷却できないという難点がある。しかも、従来例
1と同様に冷却水路15が縦長・偏平であることから、
シリンダボアの孔加工時の歪み耐久性が劣る。さらに、
左右のシリンダヘッド締結用ボス部5・5が、シリンダ
ジャケット8・8の外側に位置しているため、左右のヘ
ッドボルト6・6の間隔が大きくなり、シリンダ3を周
方向に沿って均一かつ強力に締結することができないと
いう難点がある。
【0009】つまり、従来例1及び従来例2は、いずれ
も燃焼室に近いヘッド寄り部4aを強力に冷却できず放
熱能力が低いため、空気利用率の向上を図ることができ
ず、ひいてはエンジンの出力アップを図ることができな
い。即ち、ピストンリングはシリンダ壁を介して冷却さ
れるが、上記ヘッド寄り部4aの放熱能力が低いと、ピ
ストンリングの焼き付き等を防止する観点より、特にト
ップリングをピストン頂面から一定距離だけ離間して装
着せざるを得ない。このことはピストン頂部の外周に燃
焼に寄与しないリング状のデッドスペースが生じること
を意味する。このため空気利用率の向上を図ることがで
きず、ひいてはエンジンの出力アップを図ることができ
ないことになる。しかも、シリンダボアの孔加工時やエ
ンジン運転時の歪み耐久性が劣る。
【0010】また、ディーゼルエンジンでは、圧縮比が
高く、略900Kg/cm2以上のガスシール圧を必要
とするが、上記従来例1及び従来例2は、いずれもシリ
ンダヘッド締結用ボス部5・5の間隔が大きく、シリン
ダ3を周方向に沿って均一かつ強力に締結することがで
きないため、ディーゼルエンジンに適用した場合には、
ガスシール圧を十分に高めることができない。特に近年
では、さらに小型軽量化を促進し、エンジンの大出力化
を図ることが要請されているが、従来例1及び従来例2
は上記難点を有するため、これらの要請に十分に応える
ことができない。
【0011】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、上記連続肉壁部のヘッド寄り部をさらに強力に
冷却してトップリングをより上方に位置させることによ
り空気利用率の向上を図り、多気筒エンジンの一層の小
型軽量化とエンジンの出力向上を図るとともに、シリン
ダボアの孔加工時やエンジン運転時の歪み耐久性を高め
ることを技術的課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の基本構成は、以
下のように構成される。サイアミーズシリンダ2を囲む
ようにシリンダジャケット8を形成し、上記サイアミー
ズシリンダ2の連続肉壁部4に水路を形成する。上記水
路は、上記連続肉壁部4の左右両側に位置するシリンダ
ジャケット8・8とヘッドジャケット22とを連通する
ように縦向きに形成された左右のジャケット連通路12
・12と、上記左右のジャケット連通路12・12の下
部に設けられ、上記シリンダジャケット8・8に向けて
開口する冷却水導入部13・13と、上記左右のジャケ
ット連通路12・12を連通する横向きの冷却水路15
とを備える。
【0013】請求項1に記載の発明は、上記基本構成を
有するサイアミーズシリンダの冷却装置において、以下
の特徴構成を備える。上記連続肉壁部4の左右両側で、
シリンダ3・3にシリンダヘッド締結用ボス部5・5を
連続させて形成するとともに、上記各ジャケット連通路
12・12を上記各シリンダヘッド締結用ボス部5・5
の内側に位置させ、上記左右のシリンダヘッド締結用ボ
ス部5・5間のヘッド寄り部4aと、このヘッド寄り部
4aよりも下方の部分とにわたり上記冷却水路15を設
け、この冷却水路15を上下に区画分離し、シリンダヘ
ッド締結用ボス部5・5の下縁から冷却水路15の最下
縁までの冷却水路下半部の上下方向全域にわたり、縦向
き一連に上記冷却水導入部13・13を形成し、この冷
却水導入部13・13をシリンダジャケット8・8に向
けて前後に拡開させ、この冷却水導入部13・13の拡
開先の入口前後縁を相互に対向するシリンダ外周面3a
・3aで形成した、ことを特徴とする。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
したサイアミーズシリンダの冷却装置において、上記冷
却水路15の上縁を左右方向両外側へ上り勾配に形成し
た、ことを特徴とする。
【0015】
【発明の作用・効果】 請求項1に記載の発明では、
前記基本構成を備えるサイアミーズシリンダの冷却装置
において、連続肉壁部4の左右両側で、シリンダ3・3
にシリンダヘッド締結用ボス部5・5を連続させて形成
するとともに、上記各ジャケット連通路12・12を上
記各シリンダヘッド締結用ボス部5・5の内側に位置さ
せ、上記左右のシリンダヘッド締結ボス部5・5間のヘ
ッド寄り部4aと、このヘッド寄り部(4a)よりも下
方の部分とにわたり上記冷却水路15を設け、この冷却
水路15を上下に区画分離したことから、連続肉壁部4
の左右両側の厚肉部をくりぬいて、当該ジャケット連通
路12・12の孔径を大きくできる。これにより、多量
の冷却水を流通させて冷却性能を高めることができる。
即ち、シリンダジャケット8・8内の冷却水は、上記水
路を通ってヘッドジャケット22へ抜ける。その間に冷
却水の多くは冷却水路15を流通して上記ヘッド寄り部
4aを強力に冷却する。そしてピストンリングはシリン
ダ壁を介してピストンを強力に冷却できるので、トップ
リングをピストン頂面に可及的に近づけ、ピストン頂部
外周の燃焼に寄与しないリング状のデッドスペースを極
力小さくして空気利用率の向上を図ることができる。ま
た、これに伴って燃料の未燃部分及び潤滑油の炭化によ
るトップリングの膠着を解消することができる。
【0016】 トップリングをピストン頂面に可及的
に近づけることに伴って、ピストンピンの位置をピスト
ン頂面に可及的に近づけ、その分だけクランク軸の振り
回しの寸法を長くすることができ、コンロッドやエンジ
ンの体格(高さ)を変えないで、ピストンストローク、
ひいては排気量アップを図ることができる。つまり、多
気筒エンジンの相対的小型化とエンジンの大出力化を図
ることができる。
【0017】 逆にピストンストロークを変えない場
合には、ピストンピンの位置をピストン頂面に近づけた
分だけコンロッドを長く設定できるので、ピストン側圧
力を低減でき、結果として摩擦損失の低減が図れる。 また、当該ヘッド寄り部を強力に冷却できるので、
シリンダボアの直径を大きくすることにより排気量アッ
プ、ひいては出力アップを図ることができる。
【0018】 請求項1に記載の発明では、冷却水路
15を上下に区画分離したことから、縦長で偏平な冷却
水路を備える従来例と比較して、冷却水路15の機械的
強度が増大し、シリンダボアの孔加工時やエンジン運転
時の歪み耐久性が高まる。 請求項1に記載の発明では、シリンダヘッド締結用
ボス部5・5の下縁から冷却水路15の最下縁までの冷
却水路下半部の上下方向全域にわたり、縦向き一連に上
記冷却水導入部13・13を形成し、この冷却水導入部
13・13をシリンダジャケット8・8に向けて前後に
拡開させ、この冷却水導入部13・13の拡開先の入口
前後縁を相互に対向するシリンダ外周面3a・3aで形
成した、ことから、シリンダジャケット8・8内の冷却
水はシリンダ外周面3aに沿って円滑に流れ、シリンダ
ジャケット8・8に向けて大きく拡開された冷却水導入
部13・13より流入し、上記ジャケット連通路12・
12及び冷却水路15を通ってヘッドジャケット22へ
抜ける。これにより、上記ヘッド寄り部4aを一層強力
に冷却するとともに、ヘッド寄り部4aよりも下方の冷
却通路下半部も強力に冷却する。
【0019】 請求項2に記載の発明では、請求項1
に記載した発明の効果〜に加え、上記冷却水路15
の上縁を左右方向両外側へ上り勾配に形成したことか
ら、冷却水路15内で冷却水が沸騰して水蒸気が発生し
た場合でも、水蒸気は左右方向両外側へ上り勾配に形成
した冷却水路15の上縁に沿って上方へ移動し、ジャケ
ット連通路12・12を通ってヘッドジャケット22に
逃げるので、冷却性能は高く維持される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明に係るサイアミーズシ
リンダの冷却装置を具備する縦型多気筒エンジンの要部
を示し、同図(A)は部分縦断面図、同図(B)はその
シリンダブロックの部分平面図である。また、図2は本
発明の実施形態に係る水路形成部材を示し、同図(A)
は当該水路形成部材の斜視図、同図(B)は図2(A)
中のB−B線矢視縦断面図、同図(C)は図2(A)中
のC−C線矢視横断平面図である。さらに、図3は本発
明に係るサイアミーズシリンダの冷却装置を具備する縦
型多気筒エンジンの要部の縦断面図である。
【0021】この縦型多気筒エンジンEは、図3に示す
ように、クランクケースを一体に形成したシリンダブロ
ック1の上にシリンダヘッド20をヘッドボルト6で固
定し、シリンダブロック1に形成したシリンダジャケッ
ト8とシリンダヘッド20に形成したヘッドジャケット
22とを、連続肉壁部4以外の部分に形成した多数のジ
ャケット連通孔24で連通し、シリンダブロック1を冷
却した冷却水でシリンダヘッド20を冷却するように構
成されている。
【0022】本発明に係るサイアミーズシリンダの冷却
装置は、従来例1及び従来例2と同様の基本構成を備え
ている。即ち、図1及び図3に示すように、シリンダブ
ロック1に複数のシリンダ3を前後に並設し、隣接する
シリンダ3・3を連続肉壁部4で連続させてサイアミー
ズシリンダ2を構成するとともに、上記サイアミーズシ
リンダ2を囲むようにシリンダジャケット8が形成され
ている。上記連続肉壁部4には、後述する水路形成部材
10が鋳込まれている。
【0023】以下、本発明の実施形態の特徴構成につい
て説明する。上記水路形成部材10は、図2に示すよう
に、プレス成型した2枚の板金を相互に対向して重ね合
わせ、接当部をシーム溶接して一体に構成されている。
即ち、この水路形成部材10は、左右一対のジャケット
連通路12・12と、上記ジャケット連通路12・12
の下側に位置し、各シリンダジャケット8・8に向けて
開口する左右一対の冷却水導入部13・13と、左右の
ジャケット連通路12・12及び左右の冷却水導入部1
3・13と連通する冷却水路15とを備え、上記冷却水
導入部13・13は、左右に突設した前後一対の冷却水
案内板14・14を、それぞれシリンダ外周面3aに沿
って前後に拡開させて成り、上記冷却水導入部13・1
3より導入した多量の冷却水を、上記冷却水路15に流
通させるとともに、上記ジャケット連通路12・12を
介して上記ヘッド寄り部4aの上側に位置するヘッドジ
ャケット22に流出させるように構成されている。
【0024】上記のように水路形成部材10は、上下多
段で交互に形成した非空洞部11と冷却水路15とを備
えることから、冷却水路15の機械的強度が増大するの
で、従来例のように冷却水路15を縦断側面視で縦長・
偏平に形成した場合と比較して、シリンダボアの加工時
やエンジン運転時に連続肉壁部4に作用する加圧力に対
して強力に対抗でき、歪み耐久性が高まるという利点が
ある。
【0025】左右一対のシリンダヘッド締結用ボス部5
・5は、上記ヘッド寄り部4aの左右両側部と連続して
形成され、ヘッドボルト6・6の配置間隔を狭めて当該
狭められた分だけシリンダ3を周方向に沿って均一かつ
強力に締結するように構成されている。なお、本発明は
これに限らないが、左右一対のシリンダヘッド締結用ボ
ス部5・5をヘッド寄り部4aの左右両側部及びシリン
ダ3・3と連続して形成することにより、シリンダブロ
ック1の上端壁にあけたジャケット連通孔23と一対の
ジャケット連通路12・12の孔径を大きくして多量の
冷却水を流通させることができるという利点がある。
【0026】上記一対のジャケット連通路12・12は
当該ボス部5・5の内側に位置し、シリンダブロック1
の上端壁及びシリンダヘッド20の下端壁とにあけたジ
ャケット連通孔23と連通している。また、冷却水路1
5の左右の寸法dは、図1(A)(B)に示すように、
上記連続肉壁部4の左右の寸法Dよりも小さく設定され
ている。これにより、上記一対のジャケット連通路12
・12の開口内側間隔dが上記連続肉壁部4の左右の寸
法Dよりも小さく設定される。従って、ジャケット連通
路12・12の開口内側間隔dを狭めた分だけ、左右の
ヘッドボルト6・6の配置間隔を狭めることができ、シ
リンダ3の周囲のヘッドボルト6の個数を多くすること
ができるので、シリンダ3を周方向に沿って一層均一か
つ強力に締結することができる。これにより、ガスシー
ル圧を高めることができる。
【0027】上記冷却水導入部13・13は、図1
(A)(B)に示すように、上記各ジャケット連通路1
2・12の下部で、上記左右のシリンダヘッド締結ボス
部5・5の下側に近接配置され、前後一対の冷却水案内
板14・14を左右に突設し、これらの冷却水案内板1
4・14をそれぞれシリンダ外周面3aに添わせ、前後
に拡開させて構成されている。すなわち、図1(A)
(B)に示すように、シリンダヘッド締結用ボス部5・
5の下縁から冷却水路15の最下縁までの冷却水路下半
部の上下方向全域にわたり、縦向き一連に上記冷却水導
入部13・13を形成し、この冷却水導入部13・13
をシリンダジャケット8・8に向けて前後に拡開させ、
図2(C)に示すように、この冷却水導入部13・13
の拡開先の入口前後縁を相互に対向するシリンダ外周面
3a・3aで形成した。上記構成により、冷却水導入部
13・13の上下及び前後の間口が大きく形成され、冷
却水の多くはシリンダジャケット8・8に向けて拡開さ
れた冷却水導入部13・13より下側冷却水路15b及
びジャケット連通路12に多量に流入し、上記ジャケッ
ト連通路12・12を通って連続肉壁部4の上側に位置
するヘッドジャケット22へ抜ける。その間に多量の冷
却水が冷却水路15及びジャケット連通路12・12を
流通し、上記ボス部5・5の間のヘッド寄り部4aを強
力に冷却されるとともに、ヘッド寄り部4aよりも下方
の冷却通路下半部も強力に冷却される。これによりエン
ジンの排気量アップ、ひいては出力アップを図ることが
できる。
【0028】即ち、ヘッド寄り部4aを強力に冷却する
ことで、シリンダ壁を介してピストンリングを強力に冷
却できるので、トップリングをピストン頂面に可及的に
近づけ、ピストン頂部外周の燃焼に寄与しないリング状
のデッドスペースを極力小さくして空気利用率の向上を
図ることができる。また、これに伴って燃料の未燃部分
の炭化によるトップリングの膠着を解消することができ
る。
【0029】しかも、トップリングをピストン頂面に可
及的に近づけることに伴って、ピストンピンの位置をピ
ストン頂面に可及的に近づけ、その分だけクランク軸の
振り回しの寸法を長くすることができ、コンロッドエン
ジンの体格を変えないで相対的小型化を図り、ピストン
ストロークを大きくして、排気量アップを図ることがで
きる。また、当該ヘッド寄り部4aを強力に冷却できる
ので、シリンダボアの直径を大きくすることにより排気
量アップを図ることもできる。さらに、ターボチャージ
ャを搭載した多気筒エンジン等においても本発明を適用
することにより、相対的小型化とエンジンの大出力化を
図ることができる。
【0030】図4は2枚の板金を重ね合わせて構成した
水路形成部材10の冷却水路15の断面形状を例示する
概要図で、それぞれ(A)は矩形、(B)は5角形、
(C)は6角形、(D)は半円形、(E)は半矩形を示
し、連続肉壁部4の形状等を考慮して適宜形状が選定さ
れる。
【0031】図5は水路形成部材10の冷却水路15の
他の配列を例示する概要図である。図5(A)は非空洞
部11と冷却水路15とを上下多段で交互に配列したも
のであるが、連続肉壁部4のヘッド寄り部4aを強力に
冷却するために、上方の冷却水路15aの路幅を下方の
冷却水路15bの路幅よりも大きくしてある。図5
(B)は、上下多段で交互に配列した非空洞部11と冷
却水路15とが、共に下向きに円弧状に形成してある。
図5(C)は冷却水路15を略V字状とし、かつ、図5
(A)と同様に上方の冷却水路15aの路幅を下方の冷
却水路15bの路幅よりも大きくしてある。図5(D)
は上下多段に配列した冷却水路15の中央部を縦向きの
冷却水路15cで連通してある。図5(E)は図5
(C)と同様の冷却水路15の中央部を縦向きの冷却水
路15cで連通してある。図5(F)は非空洞部11と
冷却水路15とを上下多段に傾斜させてある。そして図
5(G)は略X字状に交差させた冷却水路15を上下二
段に配列させてある。
【0032】図5(B)〜図5(G)の配列によれば、
万一、冷却水路15内で冷却水が沸騰して水蒸気が発生
した場合でも、水蒸気は傾斜した各冷却水路15の上縁
に沿って上方へ移動し、ジャケット連通路12・12を
通ってヘッドジャケット22に逃げるので、冷却性能は
高く維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサイアミーズシリンダの冷却装置
を具備する縦型多気筒エンジンの要部を示し、同図
(A)は部分縦断面図、同図(B)はそのシリンダブロ
ックの部分平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る水路形成部材を示し、
同図(A)は当該水路形成部材の斜視図、同図(B)は
図2(A)中のB−B線矢視縦断面図、同図(C)は図
2(A)中のC−C線矢視横断平面図である。
【図3】本発明に係るサイアミーズシリンダの冷却装置
を具備する縦型多気筒エンジンの要部の縦断面図であ
る。
【図4】本発明の水路形成部材の冷却水路の断面形状を
例示する概要図である。
【図5】本発明の水路形成部材の冷却水路の配列を例示
する概要図である。
【図6】従来例1を示し、同図(A)は縦型エンジンの
サイアミーズシリンダの要部の縦断面図、同図(B)は
図6(A)中のB−B線矢視横断平面図、同図(C)は
水路形成部材の斜視図である。
【図7】従来例2を示す図6相当図である。
【符号の説明】
2…サイアミーズシリンダ、3…シリンダ、3a…シリ
ンダ外周面、4…連続肉壁部、4a…連続肉壁部のヘッ
ド寄り部、5…シリンダヘッド締結用ボス部、8…シリ
ンダジャケット、12…ジャケット連通路、13…冷却
水導入部、15…冷却水路、15b…冷却水路の上縁、
22…ヘッドジャケット。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02F 1/00 F02F 1/00 J 1/10 1/10 B (72)発明者 鎌田 保一 大阪府堺市築港新町3丁8番 株式会社ク ボタ堺臨海工場内 (72)発明者 早谷 章 大阪府堺市築港新町3丁8番 株式会社ク ボタ堺臨海工場内 (72)発明者 湯川 政次 大阪府堺市築港新町3丁8番 株式会社ク ボタ堺臨海工場内 (72)発明者 吉井 理 大阪府堺市築港新町3丁8番 株式会社ク ボタ堺臨海工場内 (72)発明者 森岡 和良 大阪府堺市築港新町3丁8番 株式会社ク ボタ堺臨海工場内 Fターム(参考) 3G024 AA28 AA29 AA31 AA32 AA33 CA03 CA05 FA00 FA01 FA07 FA14 GA02 GA13 HA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サイアミーズシリンダ(2)を囲むよう
    にシリンダジャケット(8)を形成し、上記サイアミー
    ズシリンダ(2)の連続肉壁部(4)に水路を形成し、 上記水路は、上記連続肉壁部(4)の左右両側に位置す
    るシリンダジャケット(8・8)とヘッドジャケット
    (22)とを連通するように縦向きに形成された左右の
    ジャケット連通路(12・12)と、上記左右のジャケ
    ット連通路(12・12)の下部に設けられ、上記シリ
    ンダジャケット(8・8)に向けて開口する冷却水導入
    部(13・13)と、上記左右のジャケット連通路(1
    2・12)を連通する横向きの冷却水路(15)とを備
    える、サイアミーズシリンダの冷却装置において、 上記連続肉壁部(4)の左右両側で、シリンダ(3・
    3)にシリンダヘッド締結用ボス部(5・5)を連続さ
    せて形成するとともに、上記各ジャケット連通路(12
    ・12)を上記各シリンダヘッド締結用ボス部(5・
    5)の内側に位置させ、 上記左右のシリンダヘッド締結用ボス部(5・5)間の
    ヘッド寄り部(4a)と、このヘッド寄り部(4a)よ
    りも下方の部分とにわたり上記冷却水路(15)を設
    け、この冷却水路(15)を上下に区画分離し、 シリンダヘッド締結用ボス部(5・5)の下縁から冷却
    水路(15)の最下縁までの冷却水路下半部の上下方向
    全域にわたり、縦向き一連に上記冷却水導入部(13・
    13)を形成し、この冷却水導入部(13・13)をシ
    リンダジャケット(8・8)に向けて前後に拡開させ、こ
    の冷却水導入部(13・13)の拡開先の入口前後縁を
    相互に対向するシリンダ外周面(3a・3a)で形成し
    た、ことを特徴とするサイアミーズシリンダの冷却装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したサイアミーズシリン
    ダの冷却装置において、 上記冷却水路(15)の上縁を左右方向外側へ上り勾配
    に形成した、ことを特徴とするサイアミーズシリンダの
    冷却装置。
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