JP2003013411A - コンクリート橋桁の補修方法 - Google Patents

コンクリート橋桁の補修方法

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JP2003013411A
JP2003013411A JP2001196338A JP2001196338A JP2003013411A JP 2003013411 A JP2003013411 A JP 2003013411A JP 2001196338 A JP2001196338 A JP 2001196338A JP 2001196338 A JP2001196338 A JP 2001196338A JP 2003013411 A JP2003013411 A JP 2003013411A
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Tsutomu Sumiya
務 角谷
Minoru Mizoe
実 溝江
Fumio Idegami
文雄 井手上
Yasuhisa Fujiwara
保久 藤原
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Sumitomo Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主鉄筋の応力状態を補修前と補修後とで大
きく変化させることなく、コンクリート橋の桁下面の広
範囲の劣化コンクリートを補修すること、及び広範囲の
補修を周辺に大きな影響を与えることなく実施するこ
と。 【解決手段】 コンクリートの橋桁1を、該橋桁の軸
線方向の区分線によって複数の区画に区分し、第1の区
画以外の部分の桁下に支保工2を設置して橋桁のたわみ
を制限する。第1の区画の桁下面のコンクリートを、高
圧水噴流によって主鉄筋が露出するまではつり取り、コ
ンクリートをはつり取った部分をモルタル層の吹きつけ
により復元する。次に、該モルタルの硬化後、復元した
区画の桁下に支保工を設置して桁のたわみを制限し、他
の区画の補修を同様に行う。このような補修作業は桁下
空間の側面及び底面を防水性シート4で覆いその内側で
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、コンクリート構
造の橋桁を補修する方法に係り、特に鉄筋の腐食により
下面付近のコンクリートが劣化した橋桁を修復する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄筋コンクリート構造物、プレストレス
コンクリート構造物は、塩害、コンクリートの中性化、
アルカリ骨材反応等によって劣化することが知られてい
る。このうち、塩害及びコンクリートの中性化による劣
化は、コンクリート構造物の表面付近に埋め込まれた鉄
筋が、コンクリート中の塩分によって、又はコンクリー
トのアルカリ性が失われることによって腐食することに
よって生じる。つまり、鉄筋が腐食することによって体
積膨張が生じ、かぶり部分のコンクリートにひびわれが
発生する。これにともない、鉄筋の腐食はさらに促進さ
れ、かぶり部分のコンクリートが剥落することもある。
【0003】このような劣化が生じたコンクリート橋桁
の補修は、一般に次のように行われている。まず、かぶ
り部分のコンクリートをはつり取り、鉄筋を露出させ
る。そして、鉄筋の錆を除去した後、モルタル又はコン
クリートで埋め戻し、かぶり部分を復元する。このよう
に健全なモルタル又はコンクリートで再び鉄筋を被覆す
ることにより、腐食の進行を抑え、構造物の耐用年数を
延ばすことができる。
【0004】上記補修方法において、かぶり部分のコン
クリートをはつる作業は、ほとんどの場合ブレーカやピ
ックハンマー等を用い、機械的にコンクリートを破砕す
ることによって行われている。また、モルタル又はコン
クリートで鉄筋を埋め戻す作業は、コンクリートをはつ
り取った面に沿って型枠を設置し、モルタル等を注入し
て固化させるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような補修は、
コンクリートの橋桁で一般に行われているが、この場合
には次のような問題点がある。下面のコンクリートが劣
化している橋桁で、かぶり部分のコンクリートをはつり
取ることによって、主鉄筋が露出し、コンクリートとの
一体性が失われると、鉄筋とコンクリートとの複合断面
として曲げモーメントに抵抗することができなくなる。
このため、橋桁が供用中である場合はもちろん、供用さ
れていなくても桁自重を支持し、橋桁としての形態及び
機能を維持する必要がある。
【0006】これに対し、上記橋桁を支保工等で仮支持
して補修を行ったとしても、鉄筋コンクリートとの一体
性が失われることによって鉄筋の引張応力度は解放さ
れ、モルタルで鉄筋を被覆するときの状態によって補修
後の鉄筋の応力度が異なることになる。つまり、補修前
と補修後とで鉄筋に作用する応力度が変化することがあ
り、これが構造物全体に影響して過大な応力が発生する
原因になるおそれも生じる。このため、補修前と補修後
の鉄筋の応力度はほぼ同じとなるのが望ましい。
【0007】一方、橋桁の下面が劣化しているときに、
これをはつり取る作業を行うと、コンクリート片や粉塵
が周囲に飛散し、市街地等では近隣に多大な影響を及ぼ
す。また、劣化コンクリートのはつり作業に高圧水噴流
(ウォータジェット)を用いることが提案されており、
この方法ではコンクリートの破砕片や濁水が広範囲に飛
散する。
【0008】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、主鉄筋の応力状態を補修
前と補修後とで大きく変化させることなく、橋桁下面の
広範囲の劣化コンクリートを補修すること、及び広範囲
の補修を周辺に大きな影響を与えることなく実施するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、 コンクリートの橋桁を、
該橋桁の軸線方向の区分線によって複数の区画に区分
し、 第1の区画以外の部分の桁下に支保工を設置して
橋桁のたわみを制限するように桁下面に当接し、前記第
1の区画の桁下面のコンクリートを、橋桁の軸線方向に
配置された主鉄筋が露出するまではつり取り、 コンク
リートをはつり取った部分をモルタル層により復元し、
該モルタルの硬化後、復元した区画の桁下に支保工を
設置して桁のたわみを制限するように桁下面に当接する
工程、他の区画の桁下面のコンクリートをはつり取る工
程、モルタル層によって復元する工程を繰り返すことを
特徴とするコンクリート橋桁の補修方法を提供する。
【0010】この補修方法では、桁下面のコンクリート
をはつり取ることによってその部分の耐荷力は失われる
が、橋桁を軸線方向の区分線によって複数の区画に区分
し、一つの区画の補修を行ってこれが完了してから次の
区画の補修に着手するので、橋桁全体の耐荷力の低下は
少ない。
【0011】また、補修を行う区画以外の区画には、桁
下に支保工を設置して桁のたわみを制限しているので、
大きな活荷重が作用しても、橋桁全体の安全性が充分に
維持される。さらに、支保工は桁のたわみを制限するよ
うに設置されているので、桁のコンクリートをはつり取
ることによってその部分の耐荷力が失われると、その荷
重を支保工が負担することになる。そして、既存コンク
リート及び鉄筋と一体となるようにモルタル層又はコン
クリート層を形成した後、支保工を撤去すると補修後の
桁に付加が作用し、鉄筋の応力度は補修前の状態とほぼ
同じに復元される。
【0012】請求項2に係る発明は、 コンクリートの
橋桁を、該橋桁の軸線方向の区分線によって複数の区画
に区分し、 第1の区画の桁下面のコンクリートを、橋
桁の軸線方向に配置された主鉄筋が露出するまではつり
取り、 コンクリートをはつり取った部分をモルタル層
により復元し、 該モルタルの硬化後、隣接する区分に
ついて、主鉄筋が露出するまでコンクリートをはつり取
る工程、モルタル層で復元する工程を行い、これらの工
程を全区画について繰り返すことを特徴とするコンクリ
ート橋桁の補修方法を提供する。
【0013】この補修方法では、橋桁を軸線方向に区分
し、区分された区画ごとに、コンクリートをはつり取る
作業を行うので、橋桁全体の耐荷力の低下は少なく、支
保工等を用いることなく桁自重及び活荷重等を支持する
ことができる。ただし、必要に応じ、補修を行う区画上
の車線で交通規制を行うのが望ましい。
【0014】また、この補修方法では、第1の区画の補
修を行った後は、必ず隣接する区画の補修を行う。これ
により、第1の区画でコンクリートをはつり取り、鉄筋
とコンクリートとが分離してこの部分で桁が耐荷力を失
ったとき、負担されていた荷重は隣接部分に分配され
る。そして、第1の区画の補修が終了し、隣接する第2
の区画でコンクリートをはつり取る作業を行ったとき、
この部分に負担されていた荷重のほとんどが両側で隣接
する部分に負担される。したがって、第1の区画の補修
時に隣接する第2の区画に負担された荷重が第2の区画
の補修を行うときに、再び第1の区画に分配されること
になる。そして、第1の区画から順次全区画について補
修を完了したときには、鉄筋の応力度が補修前と大きな
差がないものとなり、構造全体の応力が安全に維持され
る。
【0015】請求項3に係る発明は、請求項1又は請求
項2に記載のコンクリート橋桁の補修方法において、
前記桁下面のコンクリートをはつり取る工程は、高圧水
噴流をコンクリート面に向けて噴射することにより行う
ものとし、 該工程を、桁下空間の側面及び底面を防水
性シートで覆い、その内側で行うものとする。
【0016】この方法では、高圧水噴流によって、はつ
り取られたコンクリート片や砂、モルタル破砕片等が飛
散するが、側面を覆うシートによって近隣施設等へ影響
を及ぼすのを防止することができる。また、劣化コンク
リートをはつり取るのに多量の水を使用するので、この
水が砂やモルタル破砕片を含む濁水となって流下する
が、桁下空間の底面部にも防水性シートを配しているの
で、濁水が近隣地へ流出するのを防止することができ
る。
【0017】請求項4に係る発明は、請求項3に記載の
コンクリート橋桁の補修方法において、 前記桁下面の
コンクリートをはつり取る工程は、 前記防水性シート
で覆った内側に滞留する濁水をポンプで排水しながら行
うものとする。
【0018】この方法では、桁下空間の底面に滞留する
濁水を円滑に排出することができ、濁水の処理を確実に
行うことができるとともに、桁下空間での作業性を良好
に維持することができる。
【0019】請求項5に係る発明は、請求項3に記載の
コンクリート橋桁の補修方法において、 コンクリート
をはつり取った部分を前記モルタル層で復元する工程
は、圧縮空気圧によって、モルタルを吹き付けるもので
あり、 該工程を前記防水性シートで覆った内側で行う
ものとする。
【0020】圧縮空気圧によってモルタルを吹き付ける
作業は、モルタルを形成する材料が施工面に強く打ち付
けられ、はね返ることによって多くの粉塵を生じる。特
に、砂、セメントを水と別に供給し、混合しながら吹き
付ける、いわゆる乾式の吹き付け工法では多くの粉塵を
生じる。しかし、周囲が防水性シートで覆われた内側で
作業を行うことにより、粉塵の近隣地域への飛散を防止
することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本願に係る発明の実施の形
態を図に基づいて説明する。図1は、本願発明に係る方
法によって補修することができるコンクリート橋梁の一
例を示す概略図である。この橋梁は、図1(a)に示す
ように、鉄筋コンクリートの穴あき床版(ホロースラ
ブ)からなる4径間連続桁2連を設けたものであり、橋
桁の断面は図1(b)に示すように、平坦な底面を有
し、橋の軸線方向に桁高(H=90cm)が等しいものとな
っている。
【0022】橋桁内には、断面が円形の中空部が形成さ
れ、この上側及び下側には、コンクリートの表面に沿っ
て鉄筋が配置されている。橋桁の軸線方向に配置され、
曲げモーメントに抵抗する主鉄筋は、径間中央部1aで
は主に下面付近に配置され、支点上1bでは主に上面付
近に配置されている。そして、その外側に配力鉄筋が橋
の軸線と直角方向に配置されている。
【0023】この橋におけるコンクリートの劣化は、主
に第1径間Aにおける橋桁の下面のコンクリートに生じ
ており、主鉄筋及び配力鉄筋より外側の、いわゆるかぶ
り部分のコンクリートに多数のひびわれが発生し、一部
は剥落している。このようなコンクリートの劣化は、鉄
筋の腐食にともなう膨張によって生じており、鉄筋の腐
食は塩害もしくは、道路表面に散布された凍結防止用の
塩化ナトリウムが桁の継手部からの漏水に混じって桁下
面に浸透したものと推測される。
【0024】この橋桁の補修は、劣化した部分のコンク
リートをはつり取り、鉄筋の錆を除去した後、新たなモ
ルタル層で被覆するものであり、次のような手順で行
う。
【0025】まず、図2に示すように、橋桁1の軸線方
向の区分線(仮想線)により、橋桁の下面を4つの区画
に区分する。そして、補修は第1の区画を最初に行うも
のとし、第1の区画以外の部分に支保工2を設ける。こ
の支保工2は、所定の高さに構築された桟橋3上に組み
立てられ、頂部を橋桁1の下面に当接して橋桁1のたわ
みが増大しようとするときに、このたわみを拘束するよ
うに荷重を負担するものである。ただし、橋桁のたわみ
がある程度増加するのを許容するものであっても差し支
えはない。
【0026】つづいて、第1の区画の両側に防水性シー
ト4を張設する。防水性シート4は支保工又は桟橋上に
立設された仮枠5に支持させる。また、桁下空間の底部
つまり桟橋3上にも防水性シート6を敷設する。
【0027】上記防水性シートで覆われた内側で、高圧
水噴流(ウォータジェット)を、ノズルからコンクリー
トが劣化した桁下面に噴射し、劣化したかぶり部分のコ
ンクリートをはつり取る。このノズルは、図3に示すよ
うに、機械7に支持させ、所定の速度及びパターンで移
動するように設定するとともに、桟橋3上を走行する車
両8によって所定速度で移動する。このとき、ウォータ
ジェットは、水圧を78Mpa(800Kgf/cm2)から88Mpa(900
Kgf/cm2) に設定し、水量は、110リットル/min 〜
117リットル/minに設定する。また、噴き出すノズル
の先端と対向するコンクリート面との間隔は30〜100mm
とする。また、ノズルの移動速度を2.0m/min〜2.5m/m
inに設定し、同じ位置を4〜6回程度繰り返し噴き付け
るものとしている。
【0028】上記のように高圧水噴流を噴射することに
より、劣化したコンクリートがはつり取られ、配力鉄筋
及びその内側に配置された主鉄筋が露出する。そして、
これらの鉄筋にも上記高圧水噴流が噴き付けられること
により、鉄筋の表面に生じた錆のみがほぼ完全に除去さ
れ、健全な部分が露出する。
【0029】また、鉄筋の腐食が進んでいるときには、
主鉄筋より内側までコンクリートをはつり取り、必要に
応じて鉄筋を新しいものに交換する。このように主鉄筋
とコンクリートとが分離されると、この部分の橋桁は耐
荷力を失い、この部分で負担していた荷重は隣接する部
分に分配される。
【0030】なお、上記ウォータジェットでコンクリー
トをはつり取る作業を行うと、多量の水が供給され、は
つり取られたコンクリート片や破砕されたモルタル片等
を含んで桁下に落下する。そして、底面のシート上に滞
留した水は、桟橋3上に設置されたポンプ9によって処
理施設に送られる。
【0031】上記のように劣化したコンクリートが除去
されると、亜硝酸塩の水溶液を噴霧によって鉄筋に塗布
する。このような噴霧による塗布では、簡単な作業で効
率が良く、さらに水溶液のはね返り等により鉄筋の裏側
にも容易に塗布することができる。上記亜硝酸塩は、例
えば亜硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム等を用いること
ができる。これらは鉄筋の防錆剤として作用するもので
ある。
【0032】つづいて、劣化部分を除去したコンクリー
ト面及び鉄筋を被覆するようにモルタル層を形成する。
モルタル層は、乾式の吹き付け工法によって形成するこ
とができる。これは、圧縮空気を利用して、砂及びセメ
ント等のモルタル材料を水と混合しながらノズルから施
工面に吹き付けるものであり、広い範囲にモルタル層を
効率よく形成することができる。また、空気圧によって
材料を施工面に強く衝突させるので、施工面に凹凸があ
っても材料が完全に密着する。
【0033】また、上記モルタルには、鋼繊維、ガラス
繊維、炭素繊維又は合成繊維を混入するのが望ましい。
混入する繊維は、径が0.5〜1.0mmで長さが20mm〜40mmの
短繊維を用いるのが望ましく、特に径は0.5〜0.8mm、長
さは25mm〜30mmのものが好ましい。これらの短繊維は、
例えば0.5〜1.0 体積%を混入することができるが、状
況に応じて増減することもできる。
【0034】上記乾式の吹き付け作業は、図4に示すよ
うに、作業台10上でノズル11を移動させながら行
う。このとき、多量の粉塵が発生するが、送風装置12
で空気を送り込むとともに、集塵ダクト13によって粉
塵を吸引しながら作業を行う。
【0035】上記のようにして、鉄筋を覆うモルタル層
を形成することによって、第1の区画の補修を完了す
る。そして、図5に示すように、第1の区画の下に支保
工2aを設置するとともに、第2の区画の下に設けられ
ていた支保工を撤去し、、その両側に桁下面から桟橋上
まで防水性シート14を張設する。また、桟橋3上にも
防水性シート15を敷設する。そして、第1の区画と同
様に劣化コンクリートをはつり取る作業、防錆剤を塗布
する作業、モルタル層を形成する作業を行う。このよう
な作業は、第3の区画、第4の区画についても同様に行
い、補修を完了する。
【0036】その後、支保工2をすべて撤去すると、こ
れらの支保工に負担されていた荷重は橋桁1に負担さ
れ、鉄筋には補修前と大差のない応力度が導入される。
【0037】なお、上記乾式の吹き付け工法に代え、湿
式の吹き付け工法によってモルタル層を形成することも
できる。この工法は、少なくとも水とセメントと砂とを
あらかじめ混練して未硬化のモルタルを形成しておき、
これをポンプでノズルまで搬送するとともに、ノズル部
分に圧縮空気を供給してモルタルを噴射するものであ
る。この工法を用いる場合には、モルタルに数%〜数1
0%程度(体積百分率)の合成樹脂(ポリマー)を混合
しておくのが望ましい。
【0038】次に、本願に係る発明の他の実施形態であ
るコンクリート橋桁の補修方法について説明する。この
補修方法では、図6に示すように、橋桁1の下面を軸線
方向の区分線(仮想線)によって4つの区画に区分す
る。そして、橋桁全体の桁下空間を側部に張設した防水
性シート21及び桟橋3上に敷設した防水性シート22
で覆う。
【0039】補修作業は上記防水性シート21,22で
覆われた内側で、第1の区画から順次隣接する区分、つ
まり第2の区画、第3の区画、第4の区画の順で行う。
補修作業の内容は先の実施形態と同じである。このよう
な補修方法では、橋桁を区分して順次に行うが、支保工
を用いないので効率よく作業を行うことができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係る鉄
筋コンクリート橋桁の補修方法では、橋桁をその軸線方
向の区分線によって複数に区分して、一区画毎に補修作
業を行うので橋桁を供用しながらの施工ができるととも
に、補修前と補修後とで桁下面付近に配置された主鉄筋
の応力度が大きく変動しない。したがって、構造全体の
安全性を充分に維持しながら補修することができる。ま
た、コンクリート片や粉塵が近隣地域に飛散するのが有
効に防止され、市街地でも効率よい作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る“コンクリート橋桁の補修方
法”を適用することができるコンクリート橋の例を示す
概略側面図及び桁断面図である。
【図2】図1に示す橋桁の補修区分及び支保工・防水性
シートの設置状態を示す概略断面図である。
【図3】図1に示す橋桁の下面のコンクリートをはつり
取る作業を行うときの状態を示す概略図である。
【図4】図1に示す橋桁の下面に、モルタル層を形成す
る作業を行うときの状態を示す概略図である。
【図5】図1に示す橋桁の第1の区分についての補修を
終了し、第2の区分の補修を行うときの状態を示す概略
図である。
【図6】請求項2に係る“コンクリート橋桁の補修方
法”を実施したときの状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 橋桁 2 支保工 3 桟橋 4 防水性シート 5 仮枠 6 防水性シート 7 ノズルを操作する機械 8 車両 9 ポンプ 10 作業台 11 ノズル 12 送風装置 13 集塵ダクト 14,15 防水性シート 21,22 防水性シート
フロントページの続き (72)発明者 井手上 文雄 広島県広島市中区鉄砲町7−18 東芝フコ ク生命ビル 日本道路公団保全部内 (72)発明者 藤原 保久 東京都新宿区荒木町13番地の4 住友建設 株式会社内 Fターム(参考) 2D059 AA08 BB39 EE10 GG39 GG55

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリートの橋桁を、該橋桁の軸線
    方向の区分線によって複数の区画に区分し、 第1の区画以外の部分の桁下に支保工を設置して橋桁の
    たわみを制限するように桁下面に当接し、 前記第1の区画の桁下面のコンクリートを、橋桁の軸線
    方向に配置された主鉄筋が露出するまではつり取り、 コンクリートをはつり取った部分をモルタル層により復
    元し、 該モルタルの硬化後、復元した区画の桁下に支保工を設
    置して桁のたわみを制限するように桁下面に当接する工
    程、他の区画の桁下面のコンクリートをはつり取る工
    程、モルタル層によって復元する工程を繰り返すことを
    特徴とするコンクリート橋桁の補修方法。
  2. 【請求項2】 コンクリートの橋桁、該橋桁の軸線方
    向の区分線によって複数の区画に区分し、 第1の区画の桁下面のコンクリートを、橋桁の軸線方向
    に配置された主鉄筋が露出するまではつり取り、 コンクリートをはつり取った部分をモルタル層により復
    元し、 該モルタルの硬化後、隣接する区分について、主鉄筋が
    露出するまでコンクリートをはつり取る工程、モルタル
    層で復元する工程を行い、これらの工程を全区画につい
    て繰り返すことを特徴とするコンクリート橋桁の補修方
    法。
  3. 【請求項3】 前記桁下面のコンクリートをはつり取
    る工程は、高圧水噴流をコンクリート面に向けて噴射す
    ることにより行うものとし、 該工程を、桁下空間の側面及び底面を防水性シートで覆
    い、その内側で行うことを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載のコンクリート橋桁の補修方法。
  4. 【請求項4】 前記桁下面のコンクリートをはつり取
    る工程は、 前記防水性シートで覆った内側に滞留する濁水をポンプ
    で排水しながら行うことを特徴とする請求項3に記載の
    コンクリート橋桁の補修方法。
  5. 【請求項5】 コンクリートをはつり取った部分を前
    記モルタル層で復元する工程は、圧縮空気圧によって、
    モルタルを吹き付けるものであり、 該工程を前記防水性シートで覆った内側で行うことを特
    徴とする請求項3に記載のコンクリート橋桁の補修方
    法。
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