JP2000072506A - 超速硬モルタルの乾式吹付け工法 - Google Patents

超速硬モルタルの乾式吹付け工法

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JP2000072506A
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silica fume
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Yoshio Uchida
美生 内田
Yoshihisa Masuda
芳久 増田
Yoshiki Tanaka
善樹 田中
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Tokyu Construction Co Ltd
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Tokyu Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリカフュームを含有する鋼繊維補強超速
硬モルタルの吹付け施工時における発生粉塵濃度及びは
ね返り率の低減効果に優れた超速硬モルタルの乾式吹付
け工法を提供することを課題とする。 【解決手段】 超速硬セメント88〜92重量%及び
シリカヒューム8〜12重量%からなる混合物、細骨材
並びに鋼繊維を混練して鋼繊維配合ドライモルタルを作
製し、次いで、この鋼繊維配合ドライモルタルを吹付け
ノズルにより水を添加しつつ吹き付けるように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、打継目付着性状及び初
期材令における鋼繊維との付着性状に優れ、吹付け施工
時の発生粉塵濃度及びはね返り率の低減効果にも優れた
超速硬モルタルの乾式吹付け工法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種要因によるコンクリート構造
物の劣化に対する対策として、各種の補修、補強工法が
提案されている。これらの1つとして、初期強度発現性
を最大の特徴とする特殊セメントである超速硬セメント
を用いた鋼繊維補強モルタルの乾式吹付け工法が知られ
ている。この工法は、超速硬セメントの初期強度発現性
と吹付け工法の施工性、更に鋼繊維の混入による補強効
果を兼ね備えた工法であり、鉄道高架橋等の断面復旧工
法として利用されている。
【0003】しかしながら、この様な施工条件下では、
列車通過時の振動が施工上大きな問題となり易く、新旧
コンクリートの打継目付着強度が補修工事の成否の鍵を
握る重要な要因となる。また、これらの補修工事におい
ては、新コンクリート中に分散混入される補強用短繊維
(鋼繊維等)と、新コンクリートとの付着特性を確保す
ることも重要である。従って、前記補修工事等に用いる
ことのできる、打継目付着性状及び鋼繊維等との付着性
状に優れた超速硬モルタル材料の開発が望まれていた。
【0004】一方、非晶質の超微粉であるシリカフュー
ムを吹付け材料に混入すると、吹付け材料の性状、即
ち、施工性、耐水性、耐酸性、耐薬品性、各種強度等が
改善されることが知られている。
【0005】また、従来より、湿式吹付け工法において
は、吹付け材料中にシリカフュームを混入すると、吹付
け施工時の発生粉塵量及び吹付け材料のはね返り量を低
減できるが、乾式吹付け工法においては、練り混ぜ水の
添加から吹付け施工迄の練り混ぜ時間が短く、シリカフ
ュームの均質な分散が図れないこと等から、シリカフュ
ームを使用しても、吹付け施工時の発生粉塵量及びはね
返り量の低減効果は、湿式工法ほどには期待できないも
のとされている。
【0006】前記超速硬モルタルを用いる鉄道高架橋等
の断面復旧工法では、超速硬セメントが接水直後から水
和反応を開始するため、湿式工法の採用は不可能であ
り、乾式工法が採用されており、そのため吹付け施工時
の発生粉塵量及び吹付け材料のはね返り量の低減が大き
な課題となっていた。従って、前記補修工事等に用いる
ことのできる、前記性状に加え、更に乾式吹付け施工時
の発生粉塵濃度及びはね返り率の低減効果にも優れた超
速硬モルタル材料の開発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来の技
術が有する問題点に鑑みてなされたものであり、その解
決のため具体的に設定した課題は、シリカフュームを含
有する鋼繊維補強超速硬モルタルの吹付け施工時におけ
る発生粉塵濃度及びはね返り率の低減効果に優れた超速
硬モルタルの乾式吹付け工法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、通常の超
速硬セメントの一部を、特定の割合でシリカフュームで
置換した混合物を用いると、新旧コンクリートの打継目
付着性状及び補強用短繊維(鋼繊維等)との付着性状を
大きく改善することができ、水を添加しつつ吹き付ける
ことにより、その吹付け施工時の発生粉塵濃度及びはね
返り率の低減効果に優れることを見出した。すなわち、
【0009】前記課題を効果的に解決できる具体的に構
成された手段としての、本発明の請求項1に係る超速硬
モルタルの乾式吹付け工法は、超速硬セメント88〜9
2重量%及びシリカヒューム8〜12重量%からなる混
合物、細骨材並びに鋼繊維を混練して鋼繊維配合ドライ
モルタルを作製し、次いで、この鋼繊維配合ドライモル
タルを吹付けノズルにより水を添加しつつ吹き付けるこ
とを特徴とするものである。
【0010】そして、請求項2に係る超速硬モルタルの
乾式吹付け工法は、細骨材の表面水率が2〜6%である
ことを特徴とする。
【0011】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳述する。
なお、この実施の形態は、発明の主旨をより良く理解さ
せるため具体的に説明するものであり、特に指定のない
限り、発明内容を限定するものではない。
【0012】この実施の形態の超速硬モルタルは、超速
硬セメント88〜92重量%及びシリカフューム8〜1
2重量%からなる混合物、水、表面水率2〜6%の細骨
材並びに鋼繊維を混練させてなる。この超速硬モルタル
は、打継目付着性状、及び初期材令における補強用の鋼
繊維との付着性状に優れている。
【0013】更に、特定の割合で超速硬セメントの一部
をシリカフュームで置換した混合物を用いた超速硬モル
タルの乾式吹付け工法によれば、吹付け施工性に関して
は、特定の表面水率を有する細骨材を用いれば、モルタ
ル吹付け施工時の発生粉塵濃度及びはね返り率を著しく
低減させることができる。
【0014】一般に、新旧コンクリートの打継目付着強
度は、旧コンクリート表面の物理的な形状、旧コンクリ
ート表面への付着物の有無、新旧コンクリート間の水分
移動等に大きく影響される。しかしながら、これらの影
響因子が同一である場合には、新旧コンクリート界面の
付着強度は、新コンクリート硬化体の接着強さに支配さ
れることになる。超速硬セント硬化体は、水和反応の初
期において針状の水和生成物であるエトリンガイドを生
成することが知られている。
【0015】超速硬セメント中に混入されたシリカフュ
ームは、この針状の結晶構造の空隙部を充填し、この結
果、超速硬セント硬化体と被接着物、即ち、旧コンクリ
ート面と新コンクリート中との水和反応部の物理的な接
着面積が増加することとなり、その結果新旧コンクリー
ト界面の接着強度が改善される。
【0016】また補強用短繊維(鋼繊維等)とモルタル
又はコンクリートとの付着強度は、繊維表面の親水性、
モルタル又はコンクリートの強度、繊維表面の形状、繊
維表面に付着した異物の有無等に影響される。シリカフ
ュームを混入した超速硬セメントを用いたモルタル又は
コンクリートは、通常の超速硬セメントを用いたモルタ
ル又はコンクリートと比して、微視的なブリージングが
発生しないため、モルタル又はコンクリート中に分散配
置された補強用短繊維(鋼繊維等)の全周にわたり、良
好な付着性を確保できる。
【0017】また超速硬セメント水和物であるエトリン
ガイトの針状結晶の空隙部を、シリカフュームが充填
し、より緻密なモルタル又はコンクリートを形成するた
め、補強用短繊維(鋼繊維等)とモルタル又はコンクリ
ートとの物理的な付着性状が改善され、その結果、モル
タル又はコンクリートと補強用短繊維(鋼繊維等)との
付着性状が改善される。
【0018】一般に、高炉スラグ微粉末、フライアッシ
ュ等のポゾラン物質で超速硬セメントの一部を置換した
場合には、ポゾラン反応に起因する各種性状の改善効果
は期待できる。このことは、粉末度が高く、水和活性度
の非常に高いシリカフュームを混和材として用いる場合
にも、例外ではない。従って、付着性状の改善を目的と
して、超速硬セメントの一部をシリカフュームで置換す
る実施の形態の超速硬モルタルにおいては、前記の通
り、超速硬セメント88〜92重量%に対してシリカフ
ューム8〜12重量%程度の割合で置換することが好ま
しく、この程度の混合割合の場合には、超速硬セメント
の初期強度発現性を損なうことなく、付着性状が改善さ
れる。
【0019】シリカフュームは、シリコンメタル、フェ
ロシリコン生産時の排気ガス中に含まれるマイクロシリ
カ粒子で、バグフィルターにより捕収された平均粒径
0.15μm程度の超微粒子で、通常90%程度以上の
SiO2 を含有している。市販のシリカフュームには、
微粒子状のもの、比表面積2000cm2 /g程度に凝
集加工したもの、液体中に懸濁し、スラリー化したもの
等があるが、本発明においてはいずれのシリカフューム
を用いてもよい。用いられるシリカフュームとしては、
SiO2 含量90%以上で、平均粒径約0.15μm、
比表面積15〜25万cm2 /g程度のものが好まし
い。
【0020】また、通常の超速硬セメント88〜92重
量%及びシリカフューム8〜12重量%からなる混合物
を用い、しかも表面水率2〜6%の細骨材を使用して得
られる超速硬モルタルは、乾式工法により吹付け施工し
た場合、吹付け施工時の発生粉塵濃度及びはね返り率を
かなり低減させることができる。
【0021】この際、表面水率2〜6%程度の細骨材を
使用し、ドライモルタル練り混ぜ時にシリカフュームを
細骨材及び超速硬セメントと事前に混合する。これはシ
リカフュームの均質な分散を図ると共に、シリカフュー
ムと細骨材の有する適度な表面水とを反応させてシリカ
フュームに所定の粘稠性を発現させるためである。
【0022】この結果、吹付け施工時の発生粉塵濃度
は、シリカフュームの混入により40〜50%程度低減
し、同時に吹付け材料のはね返り率も減少する。細骨材
の表面水率が、少なすぎる場合には、シリカフュームの
混入による粉塵濃度の低減効果が損なわれ、また多過ぎ
る場合には、乾式吹付け時の圧送ホースの閉塞が頻発す
ることとなる。
【0023】この吹付け施工時の発生粉塵濃度及びはね
返り率を低減させた超速硬モルタルにおいても、使用さ
れるシリカフュームは、前述の通りであり、市販のシリ
カフュームのいずれをも用いることができ、ドライモル
タル練り混ぜ時に細骨材及び超速硬セメントと混合可能
であればよい。
【0024】吹付けモルタルの標準的な配合は単位結合
材量350〜600kg/m3 、単位水量100〜30
0kg/m3 、繊維混入率0.5〜4体積%程度であ
る。
【0025】
【実施例】以下、具体的な実施例につき説明する。 〔実施例1〕シリカフュームを混入した超速硬モルタル
又はコンクリートと補強用鋼繊維との付着性状について
検討した。表1に使用材料及びシリカフュームの分析結
果を示す。用いた練り混ぜモルタルの水結合材比は45
%、砂結合材比は1.5、細骨材は豊浦標準砂とし、更
に高性能減水剤及び擬結遅延剤をそれぞれ結合材重量の
2%、0.3%使用した。付着試験はJCI−SF8
「繊維の付着試験方法」に準じ、試験材令3時間から適
時実施した。
【0026】
【表1】
【0027】図1に鋼繊維の付着強度と材令の関係を示
す。この図1より、鋼繊維とモルタルとの付着強度は、
特に初期材令において、改善されている。シリカフュー
ム未混入の場合でも、超速硬セメントを用いたモルタル
と鋼繊維との付着性状は、普通セメントを用いた場合と
比較して、比較的良好であることと、今回のこの試験結
果を合わせて考えると、鋼繊維と、シリカフュームを用
いるモルタルとの付着特性を有効に利用するためには、
より高強度の鋼繊維を使用することが重要である。
【0028】なお、この時の圧縮強度は、図2にモルタ
ルの圧縮強度と材令との関係を示すように、いずれも材
令に伴い増加している。しかしながらその傾向は、シリ
カフューム置換率の影響を受け、特に置換率20%の場
合、材令6時間〜7日における圧縮強度は、置換率0%
と比して明らかに低下している。このことよりシリカフ
ュームの置換率が適切(8〜12%)であれば、その初
期強度発現性は損なわれないことが明らかである。
【0029】〔実施例2〕超速硬吹付けモルタルを用い
て、コンクリートパネルと吹付けモルタルとの打継目付
着性状について検討した。表2に吹付け実験時のモルタ
ル配合例を示す。今回の試験では、砂結合材比を4(一
定)、シリカフューム置換率を10%とした。また、水
結合材比は45%とした。なお超速硬吹付けモルタルの
水結合材比は、図3に示す吹付けシステムの練り混ぜ水
の圧送管中に配置した瞬間流量計により測定した練り混
ぜ水量、ドライモルタル配合及び単位時間当たりの材料
吐出量より算出した。シリカフュームとしては比表面積
2000cm2 /g程度に凝集加工したものを用いた。
【0030】
【表2】
【0031】図4に打継目付着強度試験の手順を示す。
打継面である旧コンクリート表面はグリッド径0.5m
mのブラスト機を用い、0.4mm程度の深さにブラス
ト処理した。試験は材令7日及び28日で実施した。吹
付け後のパネルは、屋外にて湿潤状態で保管し、コア供
試体は試験3日前に採取した。
【0032】図5に打継目付着強度試験結果を示す。こ
の図5より、置換率10%の打継目付着強度は、材令7
日及び28日共に置換率0%の強度を上回っている。こ
の結果より、超速硬吹付けモルタルの打継目付着強度
は、シリカフュームの使用により、かなり改善できるこ
とが明らかである。
【0033】なお、本発明のシリカフュームで置換した
超速硬セメントを用いた吹付けモルタル中のシリカフュ
ーム粒子を示す電子顕微鏡写真によると、塊状のシリカ
フューム粒子は完全に分散していないものの、その周囲
には細かな球状粒子が認められ、シリカフューム粒子に
より、セメント水和物の空隙が充填されている状況が観
察できた。
【0034】〔実施例3〕シリカフュームの有無(置換
率0及び10%)及び細骨材の表面水率(2%、4%お
よび6%)が発生粉塵濃度及び吹付け材料のはね返り率
に及ぼす影響について検討した。
【0035】表3に使用材料、シリカフュームの化学分
析結果及び目標吐出配合を示す。
【表3】
【0036】実験は、図3に示す吹付けシステムを用
い、8×6×3mのテント内に鉛直に設置した1×2m
のパネルに、超速硬モルタルを約20cmの厚さで水平
方向から吹付け、そのときの粉塵濃度及びはね返り率を
測定した。粉塵濃度の測定には、7.07μm以上の粗
大粒子を除去するためのセパレーターを有するローボリ
ュームサンプラーにより、質量濃度換算係数を校正した
綱領積算型デジタル粉塵計を用いた。測定は吹付け位置
から3m、5mまたは7m後方、高さ1.5mで実施し
た。また、はね返り率は吹付け前後のパネル重量及び吹
付け施工後に回収したリバウンド重量より算出した。
【0037】図3中、1は材料ヤード、2は強制ミキサ
ー、3はベルトコンベヤー、4は水タンク、5はコンプ
レッサー、6は吹付け機、7は水ポンプ、8は瞬間流量
計、9は吹付けノズルを示す。また、圧送距離は約30
m、圧送管の管径は1.5インチである。
【0038】図6に超速硬モルタル吹付け時の平均粉塵
濃度と細骨材の表面水率との関係を示す。この図6よ
り、表面水率が2%の場合はシリカフュームの有無に係
わらず粉塵濃度はほぼ同等であるが、表面水率が4又は
6%となるとシリカフュームの使用により粉塵濃度は明
らかに低下している。このことから、乾式吹付け工法に
おいても細骨材の表面水を適宜管理すれば、シリカフュ
ームを用いて粉塵濃度を低下させることが可能であるこ
とが判明した。
【0039】乾式吹付け工法においては、細骨材の表面
水率は施工能率に影響するため、粉塵濃度のみから使用
細骨材の表面水率を規定することはできない。図7に超
速硬モルタル吹付けの時間当たり吐出量と細骨材の表面
水率の関係を示す。この図7より、シリカフュームの有
無に係わらず表面水率が4%の時、吐出量は最大となっ
ており、またシリカフュームを使用した場合には、表面
水率が4%から6%に増加しても吐出量に及ぼす影響は
小さい。従って、今回の材料において施工能率から決定
される細骨材の最適表面水率は4〜6%程度であると考
えられる。これは粉塵濃度から決定する値に近く、実用
範囲内では粉塵濃度を元に表面水率を管理しても、施工
能率上の問題は発生しないといえる。
【0040】図8に、表面水率6%の粉塵濃度の経時変
化を示す(測定位置3m、5mまたは7m)。この図8
より、シリカフュームの使用により、粉塵濃度は吹付け
の全般において減少している。
【0041】図9には、はね返り率と細骨材の表面水率
との関係を示す。この図9より、超速硬吹付けモルタル
のはね返り率はシリカフュームの使用により減少傾向に
あるといえる。なお、今回、吹付けは水平方向に実施し
たが、これを高架橋の補修工事等に適用した場合には、
鉛直方向への作業が多くなるため、シリカフュームの使
用によるはね返り率の低減効果はより明らかになるもの
と思われる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に係る
超速硬モルタルの乾式吹付け工法は、超速硬セメント8
8〜92重量%及びシリカヒューム8〜12重量%から
なる混合物、細骨材並びに鋼繊維を混練して鋼繊維配合
ドライモルタルを作製し、次いで、この鋼繊維配合ドラ
イモルタルを吹付けノズルにより水を添加しつつ吹き付
けることにより、シリカフュームによって超速硬セメン
ト水和物の針状結晶構造間に生じる空隙部を充填して、
より緻密なモルタルまたはコンクリートを形成するとと
もに接着性状を改善することができ、補強用鋼繊維との
物理的な付着性状を良くして超速硬モルタルの強度を高
めるとともに、被着物に対する超速硬セメント硬化体の
付着性状を向上させて吹付け施工時の発生粉塵濃度及び
はね返り率を低減させることができ、各種の補修、補強
工事の用途に効果的に適用できる優れた工法を提供でき
る。
【0043】また、請求項2に係る超速硬モルタルの乾
式吹付け工法は、細骨材の表面水率を2〜6%としたこ
とにより、前記性状に加え、更に吹付け施工時の発生粉
塵濃度及びはね返り率の低減効果を最大限発揮すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼繊維の付着強度と材令の関係を示すグラフで
ある。
【図2】モルタルの圧縮強度と材令との関係を示すグラ
フである。
【図3】吹付けシステムを示す説明図である。
【図4】打継目付着強度試験の手順を示す説明図であ
る。
【図5】打継目付着強度試験結果を示すグラフである。
【図6】粉塵濃度と表面水準との関係を示すグラフであ
る。
【図7】吐出量と表面水準との関係を示すグラフであ
る。
【図8】粉塵濃度の経時変化を示すグラフである。
【図9】はね返り率と表面水準との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 材料ヤード 2 強制ミキサー 4 水タンク 5 コンプレッサ 6 吹付け機 9 吹付けノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 善樹 東京都江戸川区清新町1−1−36−604

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超速硬セメント88〜92重量%及びシリ
    カヒューム8〜12重量%からなる混合物、細骨材並び
    に鋼繊維を混練して鋼繊維配合ドライモルタルを作製
    し、次いで、この鋼繊維配合ドライモルタルを吹付けノ
    ズルにより水を添加しつつ吹き付けることを特徴とする
    超速硬モルタルの乾式吹付け工法。
  2. 【請求項2】細骨材の表面水率が2〜6%であることを
    特徴とする請求項1記載の超速硬モルタルの乾式吹付け
    工法。
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