JP2003013344A - 吸水・発散機能ダブルラッシェル経編地 - Google Patents

吸水・発散機能ダブルラッシェル経編地

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JP2003013344A
JP2003013344A JP2001193818A JP2001193818A JP2003013344A JP 2003013344 A JP2003013344 A JP 2003013344A JP 2001193818 A JP2001193818 A JP 2001193818A JP 2001193818 A JP2001193818 A JP 2001193818A JP 2003013344 A JP2003013344 A JP 2003013344A
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water
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knitted fabric
double raschel
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JP2001193818A
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Katsuhiko Yanagi
克彦 柳
Fumio Shirasaki
文雄 白崎
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Seiren Co Ltd
Original Assignee
Seiren Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 素材の肌側から外側への水分移動をスムーズ
に行い、しかも、外側から肌側への水分の戻り現象を極
力少なくする逆止弁的効果を有し、吸水機能が大きく、
しかもベタツキのない快適なインナ−用のダブルラッシ
ェル経編地を提供すること。 【解決手段】 表地Fと裏地Uを連結用編成糸Kで連結
させたダブルラッシェル経編地Tにおいて、表地Fにの
み編み込まれた連結用編成糸Kと裏地Uにのみ編み込ま
れた連結用編成糸Kとを互いに交絡させたことにより水
分の戻り現象を防止した吸水・発散機能を有するダブル
ラッシェル経編地Tであって、表地F又は、表地F並び
に表地にのみ編み込まれた連結用編成糸が親水性繊維で
形成され、裏地U又は、裏地並びに裏地にのみ編み込ま
れた連結用編成糸が疎水性繊維で形成されており、上記
疎水性繊維が疎水性マルチ・フィラメント繊維である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性と発散性に
優れた、ベタツキ感のない肌着用として最適なダブルラ
ッシェル経編地に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、肌着用素材は、その吸汗性を高め
るために、吸水性の良好な綿糸が多用された。しかし、
綿糸は綿糸自体がその内部に水分を取り込み、吸汗の目
的は一応達するものの、一旦、吸収した水分は蒸発し難
く、発汗量が多くなると蒸発が追いつかず、着用者の肌
にベタツキ感を与えるという大きな欠点があった。
【0003】そこで、これらの欠点を解決すべく種々の
手段が講じられている。その一つに綿糸等の親水性繊維
を使用せず、疎水性である合成繊維を用いることによっ
て吸水性、発散性の両機能を付与する手段が挙げられ
る。つまり、肌側にあたる裏地に吸水性機能を付与し、
これよりも外側の吸水性機能を更に高めて、肌から発散
される水分を速やかに裏地から表地に移動させ、これを
蒸発させることによりベタツキ感を抑制している。
【0004】具体的には特開平9−316757号に示
される経編地や、特開2000−178857号に示さ
れる丸編地のように、合成繊維を用いて、内層、中層、
外層の多層構造を形成し、内層と外層を連結する連結部
を通じて内側から外側へ水分を移動させている。このよ
うに従来技術は、使用素材自体が有する吸水性を利用す
るというよりも合成繊維のマルチフィラメント糸を使用
して、その毛細管現象を利用することにより、水分の移
動を図るという手段が主流となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来手
段においては、内側と外側を連結する連結部は内側から
外側へ水分を移動させる機能を有すると同時に、一方で
外側から内側へ再び水分が戻る現象、つまり、戻り現象
をも発生させてしまう大きな問題があり、必ずしも吸水
・発散のための効果的手段とはなり得なかったのであ
る。
【0006】そこで、本発明は、素材の肌側から外側へ
の水分移動をスムーズに行い、しかも、外側から肌側へ
の水分の戻り現象を極力少なくする逆止弁的効果を有
し、吸水機能が大きく、しかもベタツキのない快適なイ
ンナ−用のダブルラッシェル経編地を提供することを目
的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のダブルラッシェル経編地においては表裏2
枚の地組織を形成し、それぞれの地組織に編み込まれた
連結用編成糸を互いに交絡させて、表裏2枚の編地を連
結する構造を採用して、表裏2枚の編地を直結する連結
糸を排除することにより水分の戻り現象を防止すること
とした。
【0008】即ち、本発明は、(1)、表地と裏地を連
結用編成糸で連結させたダブルラッシェル経編地であっ
て、表地にのみ編み込まれた連結用編成糸と裏地にのみ
編み込まれた連結用編成糸とを互いに交絡させた吸水・
発散機能ダブルラッシェル経編地に存する。
【0009】そして、(2)、表地の少なくとも一部が
親水性繊維で形成され、裏地の少なくとも一部が疎水性
繊維で形成されている吸水・発散機能ダブルラッシェル
経編地に存する。
【0010】そしてまた、(3)、表地にのみ編み込ま
れた連結用編成糸が親水性繊維で、裏地にのみ編み込ま
れた連結用編成糸が疎水性繊維である吸水・発散機能ダ
ブルラッシェル経編地に存する。
【0011】そしてまた、(4)、疎水性繊維が疎水性
マルチ・フィラメント繊維である吸水・発散機能ダブル
ラッシェル経編地に存する。
【0012】そしてまた、(5)、連結用編成糸の布帛
全体に対する占有割合が50%以下である吸水・発散機
能ダブルラッシェル経編地に存する。
【0013】そしてまた、(6)、表地と裏地を連結用
編成糸で連結させたダブルラッシェル経編地において、
表地にのみ編み込まれた連結用編成糸と裏地にのみ編み
込まれた連結用編成糸とを互いに交絡させたことにより
水分の戻り現象を防止した吸水・発散機能を有するダブ
ルラッシェル経編地であって、表地又は、表地並びに表
地にのみ編み込まれた連結用編成糸が親水性繊維で形成
され、裏地又は、裏地並びに裏地にのみ編み込まれた連
結用編成糸が疎水性繊維で形成されており、上記疎水性
繊維が疎水性マルチ・フィラメント繊維である吸水・発
散機能を有するダブルラッシェル経編地に存する。
【0014】上記記載の吸水・発散機能ダブルラッシェ
ル経編地における表地とは衣料として使用した際の外側
を言い、裏地とは肌面側を言う。また、疎水性マルチ・
フィラメント繊維とは、ポリエステルやナイロン等の合
成繊維マルチ・フィラメント糸を示す。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。本発明の吸水・発散機能ダブ
ルラッシェル経編地Tの製造に当たっては、図1にその
側面図で示す2列針床経編機であるダブルラッシェル機
Rを使用する。
【0016】すなわち、ビームB1、B2から供給され
る編成糸K1、K2をオサL1、L2によりニードルN
1に案内し、所要の組織により裏地Uを編成する。ま
た、ビームB5、B6から供給される編成糸K5、K6
をオサL5、L6によりニードルN2に案内し、所要の
組織により表地Fを編成する。そして、ビームB3から
供給される連結用編成糸K3をオサL3によりニードル
N2に、ビームB4から供給される連結用編成糸K4を
オサL4によりニードルN1に、連結用編成糸K3、K
4が編機側面から見て交叉するように案内し、それぞ
れ、所要の組織により編成することにより、連結用編成
糸K3、K4は互いに交絡して、連結用編成糸K3は表
地Fに編み込まれ(すなわち連結用編成糸K3は表地F
に帰属する)、また連結用編成糸K4は裏地Uに編み込
まれ(すなわち連結用編成糸K4は裏地Uに帰属す
る)、表地F、裏地Uは、これらを直結する連結糸を用
いることなく相互に連結されて吸水・発散機能ダブルラ
ッシェル経編地Tが形成される。
【0017】この吸水・発散機能ダブルラッシェル経編
地Tの構造を、図2に従い説明すれば、表地Fと裏地U
の2枚の編地が、表地Fにのみに編み込まれる連結用編
成糸K3と、裏地Uのみに編み込まれる連結用編成糸K
4が互いに絡み合い、交絡点Cを形成して連結される。
本発明の吸水・発散機能は、以上の構造に併せて、表地
F、裏地U、連結用編成糸Kに疎水性マルチ・フィラメ
ント繊維、並びに親水性マルチ・フィラメント繊維等を
使い分けることにより付与される。
【0018】以下、具体的構成を説明する。裏地Uを形
成する編成糸としては、それ自体は保水せず、しかも十
分な吸水機能が必要であるため、疎水性マルチ・フィラ
メント繊維を使用する。この場合、他の繊維との組み合
わせも当然可能であるが、水分移動を速やかに行うため
に疎水性マルチ・フィラメント繊維のみを使用すること
が望ましい。疎水性マルチ・フィラメント繊維として
は、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成
繊維が挙げられる。これらマルチ・フィラメント糸を構
成する単繊維繊度としては、直接肌と接するため肌触
り、風合いを重視し、2〜5dtexが好ましい。
【0019】表地Fを形成する編成糸としては、親水性
繊維のみで構成されてもよいし、親水性繊維と他の繊維
との組み合わせであっても良い。親水性繊維としては、
綿、羊毛、絹等の天然繊維やレーヨン、キュプラ等の再
生繊維等が挙げられ、本発明では、これら繊維のマルチ
・フィラメント糸、或いは紡績糸を用いる。この組み合
わせに関しては、例えば、レーヨンと綿、キュプラと羊
毛、ポリエステルとレーヨン、ポリエステルと綿、ナイ
ロンとキュプラ、ナイロンと羊毛の組み合わせ等があ
る。このように多様な編成糸を表地Fに使用可能である
ので、製品の表側として要求される、風合いや意匠効果
を高めるのに便利である。
【0020】表地Fと裏地Uを連結する連結用編成糸K
は、水分の移動経路の機能が必要であり、モノ・フィラ
メント以外のものが採用される。なかでも、疎水性マル
チ・フィラメント繊維が好ましいが、綿糸などの親水性
繊維であっても良く、また、その組み合わせであっても
良い。マルチ・フィラメント糸である場合には、単繊維
繊度が10dtex以下の合成繊維が好ましい。
【0021】ここで、表地Fにのみ編み込まれた連結用
編成糸K3の吸水機能は、裏地Uにのみ編み込まれた連
結用編成糸K4の吸水機能に比較して、より高い方が裏
地Uから表地Fへの水分移動がスム−ズになる為、連結
用編成糸K3に親水性繊維、連結用編成糸K4に疎水性
マルチ・フィラメント繊維を用いた構成のものがより好
適である。また、裏地Uを構成する繊維は、その繊維自
体は水分を繊維内部に保持せずに水分の移動が行え、表
地Fを構成する繊維は裏地Uを構成すると比べて親水性
が高いことが裏地Uから表地Fへ水分を移動させるため
には重要である。
【0022】以上の構成による吸水・発散機能ダブルラ
ッシェル経編地Tの吸水・発散機能作用を、従来例と比
較して説明する。ここで、図3は、ダブルラッシェル経
編地における断面構造を示す模式図であり、(A)は、
従来型の連結糸を用いたダブルラッシェル経編地の水分
の移動状態を示す図、また(B)は、本発明の連結用編
成糸を用いた水分移動状態を示す図である。
【0023】図3(A)に示す従来型の連結糸CYを用
いたダブルラッシェル経編地においては、吸水・発散機
能を付与する為の種々の手段を講じた場合において、一
旦、裏地Uが吸水して連結糸CYを経路としてこの水分
が表地Fに移動(矢印Y1)したとしても、連結糸CY
が表地F、裏地Uを直結した一体構造であるので、容易
に戻り現象(矢印Y2)を生じてしまうのである。ま
た、吸水量が多くなると一体構造の従来型のダブルラッ
シェル経編地全体に水分が行き渡ることとなり、表地
F、裏地Uに全体に均一に水分が充満することとなりベ
タツキ感が生ずる。
【0024】これに対し、本発明の吸水・発散機能ダブ
ルラッシェル経編地Tは、図3(B)に示すように、表
地F、裏地Uは、連結用編成糸K(K3,K4)によっ
て接結されてはいるものの、それぞれの連結用編成糸K
(K3,K4)が別々の表地又は裏地に帰属しているも
ので一体構造ではない。つまり、水分移動の経路は、交
絡点Cにおいて、連結用編成糸K4、K3が線接点とな
って遮断された構造となっている。裏地が水分を吸収す
ると、水分は連結用編成糸K3に至る。この時、交絡点
Cは線接点とはなっているものの、言うなれば裏地Uは
水源側であり、充分な水分量を有しているので線接点を
包含するように水分は移動(矢印Y3)するのである。
【0025】そして、一旦、表地F側に移動した水分
は、従来型の連結糸CYと比べ連結用編成糸K3とK4
の接地面積が小さく、裏地Uに戻る水分量も少なくな
る。また水分は表地F側から空気中に発散されていく
為、従来型と比べ戻り現象は極端に少なくなる。つま
り、本発明の吸水・発散機能ダブルラッシェル経編地T
における交絡点Cは水分移動に対して逆止弁的効果をも
たらすのである。特に本吸水・発散機能ダブルラッシェ
ル経編地Tにおいては、表地Fに綿糸や羊毛などの親水
性天然繊維や、レーヨン等の親水性マルチ・フィラメン
ト繊維を使用している場合には、表地F側に移動した水
分は、繊維間は言うに及ばず、繊維自体が水分を吸収す
るので、水分の一時貯蔵機能を充分に果たし、この点に
おいても戻り現象の防止効果が発揮される。
【0026】また、本吸水・発散機能ダブルラッシェル
経編地Tは、裏地Uと表地Fを連結するためのいわゆる
連結糸を擁しない。つまり、従来のダブルラッシェル経
編地は、表裏2枚の編地間を往復してこれらを連結する
ための連結糸を設けていたのに対し、本吸水・発散機能
ダブルラッシェル経編地Tは、表地にのみ編み込まれた
連結用編成糸K3と裏地Uにのみ編み込まれた連結用編
成糸K4とを互いに交絡させて表裏2枚の編地を連結す
る手段を採用しているので、編成時に連結用編成K3、
K4は互いに引っ張り合う力が働き、連結糸の占める体
積部分が省略され、その分、編地自体を薄くすることが
可能となった。
【0027】また、編地自体を薄くすることが可能とな
った分、連結糸が存在しない分、軽量化も図られる。同
一糸使いで重量比で10%〜40%の軽量化効果が得ら
れた。後述する実施例及び比較例には、布帛全体に対す
る連結糸の占有割合(重量)が示されており、このこと
からも、本発明の経編地においては軽量化効果のあるこ
とが理解できる。
【0028】実施例1及び実施例2では連結糸の占有割
合が、50%以下となり、結果的に軽い経編地が形成で
きる(比較例1及び比較例2を参照)。更に、連結用編
成糸Kを互いに交絡させる手段を採用しているので、表
裏2枚の編地は互いに引き寄せられ、2枚の編地間の空
隙部が少なくなり、このことでも編地は薄くなる。
【0029】以上のように、本吸水・発散機能ダブルラ
ッシェル経編地Tは、連結用編成糸Kの交絡によるその
体積部分の省略化と軽量化が図られ、結果的に薄くて軽
い肌着等に最適な編地が得られることとなる。
【0030】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明する。な
お実施例、比較例における性能の測定と評価は、実施
例、比較例の布帛を常法によりリラックス、精練、染
色、乾燥セット加工を行って得られた布帛を用いて、次
の方法で評価を行った。 (1)押し戻り水分量 基布を10cm×10cmに裁断し、その基布に1.0
ccの蒸留水を肌面より滴下して1分放置する。その
後、ガラスなどの吸水性のない板の上に肌面を下にして
置き、その上から10gの荷重をかけ、1分間放置す
る。そして、ガラス板に移動した水分量(重量)を測定
する。 (2)通気性 JIS−L−1096 A フラジール法 (3)着用テストを加味した総合評価 実施例、比較例のサンプルで製品を作成し、実着用テス
トを実施し、蒸れ感、ベタツキ感を中心に着用感を4段
階に評価した。 ◎−べとつき感が無く、非常に快適である。 ○−快適で着用に対し問題なし。 △−着用できるが、不快感を感じる。 ×−不快である。
【0031】(実施例1)カールマイヤー社製ダブルラ
ッシェル機(RD6DPLM)を使用し、図4に示す組
織図に従い、裏地Uをナイロン糸(78dtex/34f)
を使用して、穴目の無い無地組織に編成し、表地をキュ
プラ糸(56dtex/24f)で穴目を有するメッシ
ュ組織に編成した。連結用編成糸Kにはナイロン糸(5
6dtex/17f)を用い、厚み1.4mmの吸水・
発散機能ダブルラッシェル経編地Tを作成した。表1に
示すように極めて良好な結果が得られた。
【0032】(実施例2)カールマイヤー社製ダブルラ
ッシェル機(RD6DPLM)を使用し、図5に示す組
織図に従い、裏地Uをポリエステル糸(78dtex/
24f)を使用して、穴目のない無地組織に編成し、表
地Fを綿糸(133dtex/40番手相当)でメッシ
ュ組織に編成した。連結用編成糸Kにはポリエステル糸
(78dtex/24f)を用い、厚み1.7mmの吸
水・発散機能ダブルラッシェル経編地を作成した。表1
に示すように良好な結果が得られた。
【0033】(実施例3)カールマイヤー社製ダブルラ
ッシェル機(RD6DPLM)を使用し、図6に示す組
織図に従い、裏地Uをナイロン糸(78dtex/34
f)を使用して、穴目のない無地組織に編成し、表地F
をキュプラ糸(56dtex/24f)でメッシュ組織
に編成した。連結用編成糸Kには綿糸(133dtex
/40番手相当)を用い、厚み1.7mmの吸水・発散
機能ダブルラッシェル経編地を作成した。表1に示すよ
うに良好な結果が得られた。
【0034】(実施例4)カールマイヤー社製ダブルラ
ッシェル機(RD6DPLM)を使用し、図7に示す組
織図に従い、裏地Uをナイロン糸(78dtex/34
f)を使用して、穴目のない無地組織に編成し、表地F
をキュプラ糸(56dtex/24f)でメッシュ組織
に編成した。裏地Uに帰属する連結用編成糸K4には、
ナイロン糸(56dtex/17f)、表地Fに帰属す
る連結用編成糸K3には、キュプラ糸(56dtex/
24f)を用い、厚み1.4mmの吸水・発散機能ダブ
ルラッシェル経編地Tを作成した。表1に示すように極
めて良好な結果が得られた。
【0035】以下、比較例を示す。
【比較例】(比較例1)カールマイヤー社製ダブルラッ
シェル機(RD6DPLM)を使用し、図8に示す組織
図に従い、裏地Uをナイロン糸(78dtex/34
f)を使用して、穴目の無い無地組織に編成し、表地F
をキュプラ糸(56dtex/24f)で穴目を有する
メッシュ組織に編成した。連結糸CYにはナイロン糸
(56dtex/17f)を用いて直結し、厚み1.7
mmのダブルラッシェル経編地を作成した。表1に示す
ようにベタツキ感が残り、好ましくない。
【0036】(比較例2)カールマイヤー社製ダブルラ
ッシェル機(RD6DPLM)を使用し、図9に示す組
織図に従い、裏地Uをポリエステル糸(78dtex/
24f)を使用して、穴目の無い無地組織に編成し、表
地Fを綿糸(133dtex/40番手相当)で穴目を
有するメッシュ組織に編成した。連結糸CYにはポリエ
ステル糸(78dtex/24f)を用いて直結し、厚
み1.7mmダブルラッシェル経編地を作成した。表1
に示すようにベタツキ感が残り、好ましくない。
【0037】(比較例3)カールマイヤー社製ダブルラ
ッシェル機(RD6DPLM)を使用し、図10に示す
組織図に従い、裏地Uをキュプラ糸(56dtex/2
4f)を使用して、穴目の無い無地組織に編成し、表地
Fをナイロン糸(78dtex/34f)で穴目を有す
るメッシュ組織に編成した。連結用編成糸Kにはナイロ
ン糸(56dtex/17f)を用いて交絡させて連結
し(比較例1、2とは異なり、実施例と同様の連結)、
厚み1.4mmのダブルラッシェル経編地を作成した。
表1に示すようにベタツキ感が残り、良くない。
【0038】(比較例4)カールマイヤー社製ダブルラ
ッシェル機(RD6DPLM)を使用し、図11に示す
組織図に従い、裏地Uをポリエステル糸(78dtex
/24f)を使用して、穴目の無い無地組織に編成し、
表地Fも裏地同様のポリエステル糸(78dtex/2
4f)で、穴目を有するメッシュ組織に編成した。連結
用編成糸Kにはポリエステル糸(56dtex/17
f)を用いて交絡させて連結し(比較例1、2とは異な
り、実施例と同様の連結)、厚み1.4mmのダブルラ
ッシェル経編地を作成した。表1に示すようにベタツキ
感が残り、良くない。
【0039】以上、実施例1、2、3、4と比較例1、
2、3、4について説明した。実施例はいずれも、その
ベタツキ感が解消されている。これに対し、比較例はい
ずれもベタツキ感が生じている。これらを総合的に分析
すると、実施例のように交絡点を形成した連結用編成糸
Kを用いると同時に、表地Fに親水性繊維を用いて表裏
を連結した場合は、ベタツキ感が解消されている。
【0040】これに対し、表裏を直結した従来の連結の
場合には、ベタツキ感が解消されていない。ところが、
比較例3、4に示されるように交絡点Cを形成した連結
用編成糸Kを用いた場合でも、裏地Uに親水性繊維を用
いた場合や、裏地U、表地F、連結用編成糸Kのいずれ
もに疎水性マルチ・フィラメント繊維を使用した場合に
はベタツキ感は解消されていない。
【0041】以上のことから解るように、裏地Uに少な
くともその一部に疎水性マルチ・フィラメント繊維を使
用し、表地Fに少なくともその一部に親水性繊維を使用
し、同時に、表裏を連結用編成糸Kを互いに交絡させて
連結することにより、ベタツキ感が解消されるのであ
る。特に、使用する親水性繊維は、綿糸のような天然繊
維の紡績糸よりもキュプラのような親水性マルチ・フィ
ラメント繊維を使用したほうが好結果が得られる。
【0042】また、本発明の吸水・発散機能ダブルラッ
シェル経編地Tの厚みついては、その用途により適宜に
決められ特に限定されないが、連結用編成糸K同士が互
いに引っ張り合うような構造になっているので、通常の
従来構造のものより厚みを薄くすることができる。よっ
て、直接肌に触れる肌着など、より厚みが薄いものが要
求される用途には好適である。
【0043】以上、本発明についてその詳細を説明した
が、本発明の吸水・発散機能ダブルラッシェル経編地T
はこれらの実施の形態に限定されることなく、その本質
から逸脱しない範囲で他の変形、組み合わせが可能であ
ることは言うまでもない。例えば、表裏の組織は、裏地
U側にもメッシュ組織等が使用可能であり、表地F側に
も無地組織等が使用可能であることは言うまでもない。
また、使用するオサは6枚に限定するものではないのは
当然のことである。更に本吸水・発散機能ダブルラッシ
ェル経編地Tは、インナー衣料以外の、例えばスポーツ
衣料、或いは医療用等繊維製品など、多くの分野に使用
可能であることは当然可能である。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】素材の内側と外側間における両方向の水
分移動を阻止し、内側から外側への水分移動をスムーズ
に、しかも、水分の戻り現象を極力少なくすることがで
きる。そのため、水分の移動については逆止弁的効果を
有し、吸水機能が大きく、しかもベタツキを防止するこ
とできる。また、編地自体を薄く形成することができ軽
量化効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、2列針床経編機であるダブルラッシェ
ル機Rを使用した編成方法を示す。
【図2】図2は、本発明の吸水・発散機能を有するダブ
ルラッシェル経編地の構造を模式的に示す図である。
【図3】図3は、ダブルラッシェル経編地における断面
構造を示す模式図であり、(A)は、従来型の連結糸を
用いたダブルラッシェル経編地の水分の移動状態を示す
図、また(B)は、本発明の連結用編成糸を用いた水分
移動状態を示す図である。
【図4】図4は、実施例1におけるダブルラッシェル経
編地の組織図を示す図である。
【図5】図5は、実施例2におけるダブルラッシェル経
編地の組織図を示す図である。
【図6】図6は、実施例3におけるダブルラッシェル経
編地の組織図を示す図である。
【図7】図7は、実施例4におけるダブルラッシェル経
編地の組織図を示す図である。
【図8】図8は、比較例1におけるダブルラッシェル経
編地の組織図を示す図である。
【図9】図9は、比較例2におけるダブルラッシェル経
編地の組織図を示す図である。
【図10】図10は、比較例3におけるダブルラッシェ
ル経編地の組織図を示す図である。
【図11】図11は、比較例4におけるダブルラッシェ
ル経編地の組織図を示す図である。
【符号の説明】
C…交絡点 CY…連結糸 B1〜B6…ビーム F…表地 G1〜G6…ガイド K…連結用編成糸 K1〜K6…連結用編成糸 L1〜L6…オサ N1,N2…ニードル U…裏地 T…ダブルラッシェル経編地 R…ダブルラッシェル機 Y1〜Y3…矢印

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表地と裏地を連結用編成糸で連結させたダ
    ブルラッシェル経編地であって、表地にのみ編み込まれ
    た連結用編成糸と裏地にのみ編み込まれた連結用編成糸
    とを互いに交絡させたことを特徴とする吸水・発散機能
    ダブルラッシェル経編地。
  2. 【請求項2】表地の少なくとも一部が親水性繊維で形成
    され、裏地の少なくとも一部が疎水性繊維で形成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の吸水・発散機能ダ
    ブルラッシェル経編地。
  3. 【請求項3】表地にのみ編み込まれた連結用編成糸が親
    水性繊維で、裏地にのみ編み込まれた連結用編成糸が疎
    水性繊維であることを特徴とする請求項1又は2記載の
    吸水・発散機能ダブルラッシェル経編地。
  4. 【請求項4】疎水性繊維が疎水性マルチ・フィラメント
    繊維であることを特徴とする請求項2又は3記載の吸水
    ・発散機能ダブルラッシェル経編地。
  5. 【請求項5】連結用編成糸の布帛全体に対する占有割合
    が50%以下であることを特徴とする請求項1、2又は
    3記載の吸水・発散機能ダブルラッシェル経編地。
  6. 【請求項6】表地と裏地を連結用編成糸で連結させたダ
    ブルラッシェル経編地において、表地にのみ編み込まれ
    た連結用編成糸と裏地にのみ編み込まれた連結用編成糸
    とを互いに交絡させたことにより水分の戻り現象を防止
    した吸水・発散機能を有するダブルラッシェル経編地で
    あって、表地又は、表地並びに表地にのみ編み込まれた
    連結用編成糸が親水性繊維で形成され、裏地又は、裏地
    並びに裏地にのみ編み込まれた連結用編成糸が疎水性繊
    維で形成されており、上記疎水性繊維が疎水性マルチ・
    フィラメント繊維であることを特徴とする吸水・発散機
    能を有するダブルラッシェル経編地。
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