JP2003013275A - 電気炉ダストの処理方法 - Google Patents

電気炉ダストの処理方法

Info

Publication number
JP2003013275A
JP2003013275A JP2001194472A JP2001194472A JP2003013275A JP 2003013275 A JP2003013275 A JP 2003013275A JP 2001194472 A JP2001194472 A JP 2001194472A JP 2001194472 A JP2001194472 A JP 2001194472A JP 2003013275 A JP2003013275 A JP 2003013275A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zinc
electric furnace
nitric acid
solution
dust
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001194472A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Uno
壽 宇野
Takashi Nakamura
崇 中村
Tomio Takasu
登実男 高須
Hideyuki Ito
秀行 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Magnetic Dressing Co
Original Assignee
Nippon Magnetic Dressing Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Magnetic Dressing Co filed Critical Nippon Magnetic Dressing Co
Priority to JP2001194472A priority Critical patent/JP2003013275A/ja
Publication of JP2003013275A publication Critical patent/JP2003013275A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Abstract

(57)【要約】 【課題】 亜鉛又は亜鉛化合物を含む原料から純亜鉛及
び/又は酸化亜鉛を効率よく回収できる亜鉛の回収方
法、及びこれを用いて金属類を効果的にリサイクルでき
る電気炉ダストの処理方法を提供する。 【解決手段】 亜鉛の回収方法は、亜鉛又は亜鉛化合物
を含む原料を、硝酸で浸出して硝酸亜鉛の溶液を形成
し、溶液を電気分解して、純亜鉛及び/又は酸化亜鉛を
回収する。また、電気炉ダストの処理方法は、電気炉か
ら発生するダストと希硝酸とを混合し、pHを調整して
ダストに含まれる鉄分を除く重金属類を希硝酸中に浸出
し、鉄分を除く重金属類が浸出した溶液を活性炭処理な
いしは、煮沸及び濃縮処理を行い、可溶性シリカを除去
する。この処理液に亜鉛を加え、亜鉛よりイオン化傾向
の小さい重金属を析出させて回収し、重金属が除去され
て、硝酸亜鉛を含む溶液を電気分解し、純亜鉛及び/又
は酸化亜鉛を回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気分解による亜
鉛の回収方法を用いた電気炉ダストの処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、日本において電気炉から発生する
ダストは、年間約50万tにも及んでいる。この電気炉
ダスト中には多量のZnが含まれているため、この電気
炉ダスト中のZnを回収する必要があるが、現在、この
処理が施されているのは発生量の約65%程度であり、
残りの約35%は未処理のままで埋立て処分がなされて
いる。この方法としては、電気炉ダスト中のZnOを高
温下で還元揮発させて該ダストから高純度のZnOを回
収する乾式法が採用されている。また、Zn(ZnO)
を回収した後のダストは高濃度の鉄分を含有するにもか
かわらず、電気炉にリサイクルされることなく埋立てや
路盤材として使用されてきたが、最近ではこの用途にも
限界がみえてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の乾式法
においては、高温で処理するため非常に高いエネルギー
を必要とする。従って、経済的な面からみるとダスト処
理規模の大きい方が効率的であるが、一般に一製鉄所の
電気炉から発生する電気炉ダストの量はそれほど多くな
く、これらを一か所に収集して処理するための運搬等を
考慮すると効果的な処理方法とはいえない。また、高い
エネルギーを必要とするにもかかわらず、現在の乾式法
ではZnOが完全に還元されず、亜鉛を十分に回収でき
ないという問題がある。更に、還元後の残りのダストは
埋立てや路盤材として使用されているが、このダスト中
には未還元の亜鉛の他、鉛、カドミウム、クロム等も含
まれているため環境上好ましくない。また、平成11年
に出願された特許第3080947号は、かかる事情に
鑑みて出願されたものであるが、この特許では電気炉ダ
ストを硝酸浸出時に、可溶性シリカが浸出し、亜鉛電解
採取時にシリカが析出して、電解に阻害効果があること
が見いだされた。本発明はかかる事情に鑑みてなされた
もので、亜鉛又は亜鉛化合物を含む原料から亜鉛及び/
又は酸化亜鉛を効率よく回収できる亜鉛の回収方法を用
いて鉄分も含めた重金属類を効果的にリサイクルできる
電気炉ダストの処理方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う第1の発
明に係る電気炉ダストの処理方法は、電気炉から発生す
るダストと希硝酸とを混合し、pHを調整して該ダスト
に含まれる鉄分を除く重金属類を該希硝酸中に浸出させ
る第1工程と、前記鉄分を除く重金属類が浸出した溶液
を処理して、可溶性シリカを除去する第2工程と、前記
可溶性シリカが除去されて、重金属類が浸出した溶液に
亜鉛を加え、亜鉛よりイオン化傾向の小さい重金属を析
出させて回収する第3工程と、前記重金属が除去され
て、硝酸亜鉛を含む溶液を電気分解し、純亜鉛及び/又
は酸化亜鉛を回収する第4工程を有する。これにより第
1工程においては、選択的に電気炉ダスト中に含まれる
鉄分以外の重金属類を浸出させるので、鉄分を浸出残渣
として回収することができる。また、第2工程において
は、重金属類と同時に浸出される可溶性シリカを除去す
るので、亜鉛電解採取を容易にすることができる。ま
た、第3工程においては、亜鉛よりイオン化傾向の小さ
な金属、例えば鉛、銅、カドミウム等を析出させること
ができる。そして、第4工程においては、第3工程で
鉛、銅、カドミウム等を回収した後の溶液を電気分解す
ることにより純亜鉛及び/又は酸化亜鉛 を回収するこ
とができる。
【0005】第1の発明に係る電気炉ダストの処理方法
において、前記pHは、3〜5の範囲にあることが望ま
しい。pHが3未満では、鉄分(Fe(III))が浸出して
溶液中に入る可能性があり、一方、pHが5を超えると
きには、鉄分以外の他の金属、例えばCu2+、Pb2+
Cd2+等が溶液中に浸出しない可能性がある。これによ
り、鉄を溶液中に沈殿物として除去することが可能とな
る。また、第1の発明に係る電気炉ダストの処理方法に
おいて、第2工程で硝酸浸出液を活性炭で吸着処理及び
/又は硝酸浸出液を煮沸して濃縮による析出が、可溶性
シリカを除去することに有効である。また、第1の発明
に係る電気炉ダストの処理方法において、第4工程で純
亜鉛及び/又は酸化亜鉛を回収した残りの硝酸を含む溶
液を、第1工程で使用する希硝酸の一部又は全部として
使用することが可能である。これにより希硝酸のリサイ
クルを行なうことができる。
【0006】前記目的に沿う第2の発明に係る電気炉ダ
ストの処理方法は、第4工程で亜鉛の電解採取時の電解
温度を60℃にすることで酸化亜鉛を、室温(25℃)
で金属亜鉛を選択的に回収することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る電気炉ダストの処理方法の工程説明図、図2は
同電気炉ダストの処理方法における電気分解の説明図、
図3は本発明の他の実施の形態に係る電気炉ダストの処
理方法の工程説明図、図4は同電気炉ダストの処理方法
における電気分解の説明図である。
【0008】図1及び図2に示すように、本発明の一実
施の形態に係る電気炉ダストの処理方法においては、ま
ず溶解槽10に電気炉から発生したダスト約1000g
を入れる。次いで、希硝酸を加えて溶液のpHを3〜5
の範囲、例えばpH4程度に調整する。そして、所定時
間、例えば1〜2時間程度攪拌を行う。これにより電気
炉ダスト中に含まれる鉄分を除く重金属類、例えばZ
n、Pb、Cu、Cd等は、硝酸溶液中に浸出する。一
方、CaO、SiO2 等のスラグ分等を含む未溶解の鉄
分は、浸出残渣として回収される(第1工程)。ここ
で、この浸出残渣は約740gであって、鉄分品位は4
0〜50%であることから、再び電気炉に戻して再利用
することができる。また、沈殿物にはZnO・Fe2
3 も含まれるが、これも同様に電気炉に戻して再利用す
ることができる。
【0009】次に、この上澄み液はZn2+、Pb2+など
の重金属イオンの他に、電気炉ダスト中に含まれる不定
形シリカ/シリコンが浸出した可溶性シリカを含有す
る。これは、亜鉛の電解採取時に白色ゲル状生成物の原
因物質となり、カソードから発生する泡を固定・強化し
て亜鉛の電解効率を著しく損なう。この可溶性シリカを
除去するために第2工程で活性炭処理ないしは煮沸・濃
縮処理を行う。活性炭処理の場合は、この溶液を所定の
活性炭を充填した活性炭充填槽中に注入し、充分反応さ
せてから排出するか、又は液中に100メッシュ以下の
微粉の活性炭を50g/リットル添加し2時間攪拌した
後に活性炭を分離除去する。煮沸・濃縮する場合には、
この液を加熱槽で2時間煮沸すると可溶性シリカが固体
の不溶性シリカとなって沈殿する。これらの処理による
硝酸浸出液中の諸成分を表1に示す。本処理により、液
中のシリコンが完全に/殆ど除去されていることがわか
る(第2工程)。
【0010】
【表1】
【0011】次に、上澄み液を清浄槽11に移し、これ
に亜鉛20g程度を加え、所定時間(例えば1〜2時間
程度)攪拌する。亜鉛は、イオン化傾向のより小さな金
属イオン、例えばPb2+、Cu2+、Cd2+等と置換して
金属イオン(Zn2+)となって溶解する。一方、亜鉛よ
りイオン化傾向の小さな重金属は析出する。そして、上
澄み液(析出物を除く溶液)を次の工程で使用する電解
槽12に移し、析出した重金属(Pb、Cu、Cd等)
を回収する(第3工程)。
【0012】次いで、前記重金属が除去(回収)された
溶液を電解槽12で電気分解する。図2に示すように、
電気分解に使用する電解槽12は、図示しない恒温水槽
によって一定の温度、例えば60℃程度に保持されてい
て、この電解槽12の中に第3工程で重金属を回収した
後の硝酸亜鉛を含む溶液が入れられる。また、電解槽1
2内には、例えば白金板からなるアノード(陽極)13
と、例えばアルミニウムからなるカソード(陰極)14
が設けられて、アノード13とカソード14の端部はそ
れぞれ直流電源15に接続されている。
【0013】この装置を用いて電気分解を行う場合、直
流電源15を用いて通電することにより、アノード13
側では、2H2 O→4H+ +O2 +4e- という反応が
起こって、酸素を発生する。また、カソード14側にお
いては、2Zn2++4e- →2Znという反応が起こっ
て亜鉛が析出する。電気分解終了後、この析出した純亜
鉛及び/又は酸化亜鉛を回収する(第4工程)。また、
アノード13で生じた4H+ は溶液中の4(NO3 -
と結びついて硝酸(HNO3 )を再生する。この再生し
た硝酸を含む溶液は、溶解槽10に戻すことにより第1
工程で加える希硝酸の一部又は全部として使用すること
ができる。
【0014】次に、図3及び図4に、本発明の他の実施
の形態に係る電気炉ダストの処理方法を示す。まず溶解
槽20に電気炉から発生したダスト約1000gを入れ
る。次いで、希硝酸を加えて溶液のpHを1以下、例え
ばpH1程度に調整する。そして、所定時間、例えば1
〜2時間程度攪拌を行う。これにより電気炉ダスト中に
含まれる金属類、例えばZn、Fe、Pb、Cu、Cd
等は、硝酸溶液中に浸出する。一方、SiO2 、CaO
等の未溶解のスラグ分は、酸性浸出を利用しているた
め、他の金属元素が付着していない純度の高い浸出残渣
として回収することができる(第1工程)。なお、この
浸出残渣は約190gであることから、スラグとして再
利用することもできる。
【0015】また、上澄み液を脱鉄槽21に移し、Fe
3+にNaOH等を添加し、pH3程度まで調整すること
で、Fe(OH)3 の水酸化物として沈殿させ回収す
る。同時に溶解している可溶性シリカはFe(OH)3
との共沈により除去されるので、特別の工程を必要とし
ない(第2工程)。さらに、金属が浸出している硝酸溶
液と有機溶媒とを混合し、その金属を抽出する溶媒抽出
法を採用して、溶液中のFe3+のみを選別除去すること
もできる(第2工程)。この沈殿物には、ZnO等の付
着物がなく、鉄の純度が高いため、再び電気炉に戻して
再利用する必要はなく、リサイクルしやすい。次に、鉄
を除去した液を清浄槽22に移し、これに亜鉛を20g
程度加え、所定時間(例えば1〜2時間程度)攪拌す
る。亜鉛は、イオン化傾向のより小さな金属イオン、例
えばPb2+、Cu2+、Cd2+等と置換して金属イオン
(Zn2+)となって溶解する。
【0016】一方、亜鉛よりイオン化傾向の小さな金属
は析出する。そして、上澄み液(析出物を除く溶液)を
次の工程で使用する電解槽23に移し、析出した金属
(Pb、Cu、Cd等)を回収する(第3工程)。次い
で、亜鉛よりイオン化傾向の小さい金属が除去(回収)
された溶液を電解槽23で電気分解する。図4に示すよ
うに、電気分解に使用する電解槽23は、図示しない恒
温水槽によって一定の温度、例えば室温(25℃)〜6
0℃程度に保持されていて、この電解槽23の中に第3
工程で金属を回収した後の硝酸亜鉛を含む溶液が入れら
れる。また、電解槽23内には、例えば白金板からなる
アノード(陽極)24と、例えばアルミニウムからなる
カソード(陰極)25が設けられて、アノード24とカ
ソード25の端部はそれぞれ直流電源26に接続されて
いる。
【0017】この装置を用いて電気分解を行う場合、直
流電源26を用いて通電することにより、アノード24
側では、2H2 O→4H+ +O2 +4e- という反応が
起こって、酸素を発生する。また、カソード25側にお
いては、2Zn2++4e- →2Znという反応が起こっ
て亜鉛が析出する。電気分解終了後、この析出した純亜
鉛及び/又は酸化亜鉛を回収する(第4工程)。また、
アノード24で生じた4H+ は溶液中の4(NO3 -
と結びついて硝酸(HNO3 )を再生する。この再生し
た硝酸を含む溶液は、電解槽20に戻すことにより第1
工程で加える希硝酸の一部又は全部として使用すること
ができる。なお、電解温度が60℃では、電解生成物は
白色の酸化亜鉛であるが、室温(25℃)では、黒色の
金属亜鉛となる。これは、電解槽の温度調節を行うこと
により、必要とする製品を簡単に造り分けが出来ること
を意味しており、工業上価値が高いものとなる。
【0018】以上の工程で電気炉から発生するダストを
処理することにより亜鉛の他、鉄、鉛等の回収を効率よ
く行うことができ、これらの有効利用を図ることが可能
となる。また、使用する希硝酸は再生して繰り返し使用
することができ、全体として経済的に電気炉ダストの処
理を行うことが可能となる。
【0019】
【実施例】次に、本発明に係る電気炉ダストの処理方法
の実施例を示す。ここでは、表2に示す組成の電気炉ダ
ストを使用して、図1の工程をもとに以下の処理を行っ
た。
【0020】
【表2】
【0021】まず、電気炉ダスト100gに水1000
ccを加え、更に硝酸を加えてpH=4に調整し、60
分間攪拌を行った。そして、溶液の成分の分析を行っ
た。その結果を表3(No.1)に示す。なお、表中の
NDは、Not Detectedの略であり、検出さ
れなかったことを示す。
【0022】
【表3】
【0023】この結果より、Feの含有量は4.4pp
mと極微量となっており、鉄分は溶液中にほとんど残存
していないことがわかる。次に、前記同様、電気炉ダス
ト100gに水1000ccを加え、更に硝酸を加えて
pH=4に調整し、60分間攪拌を行い、存在する沈殿
物(鉄)を回収した後に活性炭を5g添加して2時間攪
拌し、固液分離を行って、可溶性シリカを除去した。こ
の溶液に亜鉛2.52gを加えて更に60分間攪拌を行
った。そして、溶液の成分の分析を行った。その結果を
表3(No.2)に示す。この結果より、Cd、Pb、
Cu、は硝酸のみを加えて攪拌したとき(表3(No.
1))と比べて明らかに減少している。これより、溶液
中に存在していた金属イオン(Cd2+、Pb2+、C
2+)は亜鉛と置換し、金属となって析出したことがわ
かる。
【0024】更に、電気分解による亜鉛の回収を行っ
た。なお、アノードには白金電極を、カソードにはアル
ミニウム電極を用いた。電解液は、亜鉛10g/リット
ル、pH3の溶液であり、希硝酸に酸化亜鉛を溶解させ
て作成した。電解温度は60℃、定電流法で電解時間は
1時間とした。その後、カソードに析出した亜鉛の量を
キレート滴定により定量した。その結果を表4に示す。
【0025】
【表4】
【0026】表4から、電流密度の増加に伴い析出亜鉛
量は増加しており、硝酸を用いた電気分解による亜鉛の
回収は容易に実施できることがわかった。また、本電気
分解においては容易に高電流効率が得られ、工業的にも
有用なものであることがわかった。なお、電流効率が1
00%を超えているが、これは一部、一価のZnが生成
したためではないかと考えられる。また、電解時間を2
時間にして同様の実験を行ったが、亜鉛の析出量は電気
量に比例して大きくなるものの、その他の特別な変化は
生じなかった。ここで、本実施例に係る電気分解におい
ては、希硝酸に酸化亜鉛を溶解させた溶液を使用した
が、前記表3(No.2)に示す組成の溶液で電気分解
を行っても同様に亜鉛を容易に回収することができる。
【0027】以上、本発明を実施の形態を参照して説明
してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の
構成に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載さ
れている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態
や変形例も含むものである。例えば、溶解槽と清浄槽は
別々の槽を用いたが、同一槽内で処理を行うことも可能
である。また、電気分解においてアノードには白金を用
いたがチタン合金、ステンレスを用いることも可能であ
り、カソードにはアルミニウムを用いたがステンレスを
用いることも可能である。
【0028】
【発明の効果】請求項1〜6に記載の電気炉ダストの処
理方法においては、第1工程において、電気炉から発生
するダストと希硝酸とを混合し、pHを調整してダスト
に含まれる鉄分を除く重金属類を希硝酸中に浸出させる
ため、ダストに含まれる鉄分を浸出残渣に移行すること
ができ、その結果、電気炉ダストから鉄(分)を容易に
回収することができる。また、第2工程においては、鉄
分を除く重金属類が浸出した溶液を処理して可溶性シリ
カを除去するので、亜鉛の電解採取時に白色ゲル状生成
物の原因物質が発生し、カソードから発生する泡を固定
・強化して亜鉛の電解効率を著しく損なうことを防止す
ることができる。また、第3工程においては、可溶性シ
リカが除去されて、重金属類が浸出した溶液に亜鉛を加
え、亜鉛よりイオン化傾向の小さい金属を析出させて回
収するため、鉛等の有価金属を容易に回収することがで
きる。そして、第4工程においては、第3工程で鉛、
銅、カドミウム等を回収した後の溶液を電気分解するた
め、電解時における電流効率が良く、更に、純度の高い
純亜鉛及び/又は酸化亜鉛を回収することができる。し
たがって第1工程から第4工程の処理により、電気炉ダ
ストから容易に効率よく含まれる金属を回収することが
でき、それぞれの成分の有効利用を図ることが可能とな
る。
【0029】特に、請求項2記載の電気炉ダストの処理
方法においては、pHを3〜5の範囲にするので、他の
余分な金属を沈殿させることなく、確実に鉄(Fe(II
I))を浸出残渣に移行させることができ、後の工程にお
いて、鉄分を含まない、純度の高い金属を回収すること
ができる。
【0030】請求項5記載の電気炉ダストの処理方法に
おいては、第4工程で純亜鉛及び/又は酸化亜鉛を回収
した残りの硝酸を含む溶液を、第1工程で使用する希硝
酸の一部又は全部として使用するので、希硝酸のリサイ
クルを行うことができ、省コストにすることができる。
【0031】請求項6記載の電気炉ダストの処理方法に
おいては、第4工程において、電解温度を60℃にする
ことで、電解生成物を白色の酸化亜鉛として回収し、室
温(25℃)とすることで、黒色の金属亜鉛として回収
することができる。これは、電解槽の温度調節をおこな
うことより、回収物を選択的に造り分けることが出来る
ことを意味しており、工業上価値が高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電気炉ダストの処
理方法の工程説明図である。
【図2】同電気炉ダストの処理方法における電気分解の
説明図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る電気炉ダストの
処理方法の工程説明図である。
【図4】同電気炉ダストの処理方法における電気分解の
説明図である。
【符号の説明】
10:溶解槽、11:清浄槽、12:電解槽、13:ア
ノード、14:カソード、15:直流電源、20:溶解
槽、21:脱鉄槽、22:清浄槽、23:電解槽、2
4:アノード、25:カソード、26:直流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22B 7/02 F27D 17/00 105K 4K058 19/30 B09B 3/00 304G F27D 17/00 105 ZAB (72)発明者 高須 登実男 福岡県北九州市戸畑区仙水町1番1号 九 州工業大学工学部物質工学科内 (72)発明者 伊藤 秀行 福岡県北九州市戸畑区仙水町1番1号 九 州工業大学工学部物質工学科内 Fターム(参考) 4D004 AA16 AB03 AC05 CA34 CA35 CA37 CA44 CB50 CC11 CC12 DA03 DA20 4D017 AA13 BA11 CA03 DA01 EA03 4G047 AA02 AB02 4K001 AA30 BA14 DB05 DB21 4K056 AA02 AA05 BB05 DB21 4K058 AA17 AA21 BA21 BA24 BA25 BA27 BB03 CA03 CA13 EB02 EB15 ED04 FA11 FC07 FC21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気炉から発生するダストと希硝酸とを
    混合し、pHを調整して該ダストに含まれる鉄分を除く
    重金属類を該希硝酸中に浸出させる第1工程と、前記鉄
    分を除く重金属類が浸出した溶液を処理して、可溶性シ
    リカを除去する第2工程と、前記可溶性シリカが除去さ
    れて、重金属類が浸出した溶液に亜鉛を加え、亜鉛より
    イオン化傾向の小さい重金属を析出させて回収する第3
    工程と、前記重金属が除去されて、硝酸亜鉛を含む溶液
    を電気分解し、純亜鉛及び/又は酸化亜鉛を回収する第
    4工程を有することを特徴とする電気炉ダストの処理方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電気炉ダストの処理方法
    において、前記pHは、3〜5の範囲にあることを特徴
    とする電気炉ダストの処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電気炉ダストの処
    理方法において、第2工程で硝酸浸出液を活性炭で処理
    して、可溶性シリカを除去することを特徴とする電気炉
    ダストの処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の電気炉ダストの処
    理方法において、第2工程で硝酸浸出液を煮沸して濃縮
    し、可溶性シリカを除去することを特徴とする電気炉ダ
    ストの処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電
    気炉ダストの処理方法において、第4工程で純亜鉛及び
    /又は酸化亜鉛を回収した残りの硝酸を含む溶液は、第
    1工程で使用する希硝酸の一部又は全部として使用する
    ことを特徴とする電気炉ダストの処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電
    気炉ダストの処理方法において、第4工程で電気分解す
    る温度を変えて純亜鉛と、酸化亜鉛を自由に製造できる
    ことを特徴とする電気炉ダストの処理方法。
JP2001194472A 2001-06-27 2001-06-27 電気炉ダストの処理方法 Pending JP2003013275A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001194472A JP2003013275A (ja) 2001-06-27 2001-06-27 電気炉ダストの処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001194472A JP2003013275A (ja) 2001-06-27 2001-06-27 電気炉ダストの処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003013275A true JP2003013275A (ja) 2003-01-15

Family

ID=19032606

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001194472A Pending JP2003013275A (ja) 2001-06-27 2001-06-27 電気炉ダストの処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003013275A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005033355A1 (ja) * 2003-09-30 2005-04-14 Nikko Materials Co., Ltd. 高純度酸化亜鉛粉末及びその製造方法並びに高純度酸化亜鉛ターゲット及び高純度酸化亜鉛薄膜
WO2007052618A1 (ja) * 2005-10-31 2007-05-10 Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. 排水からの金属の除去方法及び除去装置
JP2009074132A (ja) * 2007-09-20 2009-04-09 Dowa Metals & Mining Co Ltd 亜鉛電解液の製造方法
JP7415276B2 (ja) 2019-06-21 2024-01-17 住友金属鉱山株式会社 金属カドミウムの製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005033355A1 (ja) * 2003-09-30 2005-04-14 Nikko Materials Co., Ltd. 高純度酸化亜鉛粉末及びその製造方法並びに高純度酸化亜鉛ターゲット及び高純度酸化亜鉛薄膜
JP2009167095A (ja) * 2003-09-30 2009-07-30 Nippon Mining & Metals Co Ltd 高純度酸化亜鉛粉末、高純度酸化亜鉛ターゲット及び高純度酸化亜鉛薄膜
WO2007052618A1 (ja) * 2005-10-31 2007-05-10 Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. 排水からの金属の除去方法及び除去装置
JP2007117965A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 排水からの金属の除去方法及び除去装置
US8603344B2 (en) 2005-10-31 2013-12-10 Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. Method and apparatus for removing metal from waste water
JP2009074132A (ja) * 2007-09-20 2009-04-09 Dowa Metals & Mining Co Ltd 亜鉛電解液の製造方法
JP7415276B2 (ja) 2019-06-21 2024-01-17 住友金属鉱山株式会社 金属カドミウムの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100314260A1 (en) Process for producing rare metal and production system thereof
KR101640462B1 (ko) 폐기물로부터 금속을 회수하기 위한 습식 제련 공정 및 장치
CN101575715A (zh) 一种从电子废弃物中提取有价金属的方法
US2655472A (en) Process of extracting and recovering metals by leaching and electrolysis
JP5370683B2 (ja) 銅硫化物からの銅の回収方法
JPH05255772A (ja) 電気的製鋼において発生する煙塵からの亜鉛・鉛の回収方法および精製金属の炉への再循環方法およびこの方法を実施するための装置
KR20200083578A (ko) 리튬 이온 폐전지의 처리 방법
KR20150046336A (ko) 산화인듐-산화주석 분말의 제조 방법, ito 타깃의 제조 방법 및 수산화인듐-메타주석산 혼합물의 제조 방법
JP3962855B2 (ja) 飛灰からの重金属の回収方法
JP2003247089A (ja) インジウムの回収方法
JP2002511527A (ja) 湿式処理による製鋼所塵埃の処理方法
JP2010138490A (ja) 亜鉛の回収方法等
JP6233478B2 (ja) ビスマスの精製方法
CN108950218A (zh) 一种从废旧印刷线路板中回收金、银和铜的方法
JP2008115429A (ja) 湿式銅製錬法における銀の回収方法
JP5702272B2 (ja) ビスマス電解殿物の処理方法
WO2018138917A1 (ja) ビスマスの精製方法
JPH10501208A (ja) 高温加水分解法により金属含有材料から金属を抽出する方法
JP2012167345A (ja) 希土類系磁石合金材料からの金属元素の分離回収方法
JP2019527769A (ja) 貴金属の濃縮回収方法
JP2003013275A (ja) 電気炉ダストの処理方法
JP4882125B2 (ja) 銀回収方法
JPH0975891A (ja) 製鉄ダストの湿式処理方法
JP3080947B1 (ja) 電気炉ダストの処理方法
WO2006084273A2 (en) Process for hydrometallurgical treatment of electric arc furnace dust