JP2003013255A - マグネシウム成形体の表面処理方法 - Google Patents
マグネシウム成形体の表面処理方法Info
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Abstract
一な化成処理を可能にする。 【解決手段】 マグネシウム成形体に化成処理を行う
前に、ウエットブラスト処理を行って表面に残存する離
型剤等を除去する。 【効果】 成形体表面が化学的、物理的に均一にな
り、その後に行なう化成処理において、成形体の部分ご
とのエッチングの過不足がなくなって均一な化成処理が
行なわれる。さらに成形体表面に適度な凹凸が付与さ
れ、アンカー効果が生じて塗装密着性が向上する。
Description
はマグネシウム合金製部品において、マグネシウム成形
体の表面に化成被膜を形成する表面処理方法に関するも
のである。
やチクソ成形法で作る場合、図2に示すような工程を踏
んでいた。まず、成形工程において成形品が作られる
(工程1)。次いで成形品に付随しているゲートやオー
バーフローのプレス切断をし(工程2)、該プレス切断
後に成形品に付随しているバリやかえりを取るためのバ
リ取り、仕上げ加工を行う(工程3)。該工程後、ボス
のネジ穴加工などの機械加工が行われる(工程4)。こ
れらの工程を経て形状を整えられた成形品は、化成処理
工程(工程6)によって耐食性や塗装密着性などの表面
機能が付与され、塗装、印刷工程(工程7)を経て製品
となる。また、場合によっては化成処理工程(工程6)
の前に、成形品表面に付着している離型剤を除去するた
めに機械研磨工程(工程5)を経ることもある。
とノンクロメート処理がある。クロメート処理は有害な
クロム酸を使用するため、最近では環境に対する配慮か
らノンクロメート処理が主流である。ノンクロメート処
理の主な工程は図3に示すとおりである。すなわち、成
形体表面に付着した油分を除去する脱脂工程(行なわな
い場合もある)(工程6a)、成形体表面に付着した離
型剤を除去するためのエッチング工程(工程6b)、該
エッチング工程で生成した酸化物を除去するための脱ス
マット工程(工程6c)、無機物や有機物の皮膜を成形
体に付与する化成皮膜形成工程(工程6d)とからな
る。
において、工程1で成形された成形品は、工程2におい
てゲート、オーバーフローなどがプレス機により除去さ
れる。その後、工程3においてブラシ、ヤスリ、サンダ
などで成形品についたバリ取りや仕上げが行なわれ、工
程4でボス部ネジ穴加工などの機械加工が施される。こ
れらの工程で形状が整えられた後、工程6の化成処理工
程において、離型剤の除去などの表面調整、および防錆
や良好な塗装密着性などの機能を付与するための皮膜形
成が行なわれる。工程6の前には離型剤を幾らかあらか
じめ除去しておいて均一に化成処理が行なえるようにす
るため、工程5としてバレルなどの機械研磨工程を行な
うこともある。最後に工程7において成形体表面の塗
装、および製品名やロゴなどの印刷を行ない、製品とし
て完成する。
なう前に成形体表面を清浄な状態にするための前工程を
含んでいる。図3に化成処理工程のフローチャート図を
示す。工程6aは成形体表面に付着した油分を除去する
ための脱脂工程であり、アルカリ溶液を用いることが多
いが、工程6bのエッチング工程がこれを兼ねて省略さ
れることもある。工程6bのエッチング工程は、酸性溶
液によりマグネシウム成形体表面に付着した離型剤を、
これを含む表面層ごと除去する工程である。工程6cの
脱スマット工程は、工程6bのエッチング工程で生じた
表面酸化物(スマット)をアルカリ溶液に浸漬すること
で除去する工程である。工程6dは化成皮膜形成工程
で、例えば有機皮膜のような化成皮膜を成形体に付与
し、湿潤環境に対する耐食性を向上させ、または塗装に
際しては塗装密着性を向上させる。
形法やチクソ成形法で成形した成形品の鋳放し状態の表
面は、金型に塗布された離型剤が成形体の一部表面に多
量に残留したり、合金元素の濃度分布が均一でないなど
の不均一性を持つ。そのため、化成処理などの化学的手
法のみでは、均一に離型剤を除去する処理が施されない
ため、離型剤の残留やエッチング過剰などが原因で、耐
食性の低下や、とくに塗装密着性の低下などの不良が生
じやすかった。
ア、すなわちアルミナや樹脂のような細かい研磨粒子と
成形品を混ぜて撹拌することにより成形体表面を研磨し
て離型剤を除去するバレル研磨などの機械研磨方法を、
化成処理工程前に行なうことにより、表面を研削し、あ
る程度の離型剤を事前に除去するなどの対策がとられて
いた。しかし、バレル研磨では研削力が小さいため完全
な離型剤の除去は難しく、また表面を削るだけで積極的
な塗装密着性の向上には寄与しない。さらに、成形体が
傷を嫌う場合には成形体同士の衝突を防ぐために、バレ
ル研磨槽1槽に対し、成形体1個で処理する必要があ
り、大量生産に適さないなどの難点があった。
を解決するためになされたもので、化成処理前にウエッ
トブラスト処理を施すことにより、マグネシウム成形体
における化成処理の均一性を向上させては均一な化成被
膜を生成し、塗装に際しては塗装密着性を飛躍的に向上
させることのできるマグネシウム成形体の表面処理方法
を提供することを目的としている。
本発明のマグネシウム成形体の表面処理方法のうち請求
項1記載の発明は、マグネシウム成形体に化成処理を行
う表面処理において、該化成処理前に、ウエットブラス
ト処理を行うことを特徴とする。
処理方法は、請求項1記載の発明において、ウエットブ
ラスト処理における砥材がアルミナであり、該アルミナ
の平均粒径が40〜110μmであることを特徴とす
る。
理方法は、請求項1または2に記載の発明において、ウ
エットブラスト処理後、化成処理前に前記マグネシウム
成形体の乾燥処理を行わず、該成形体の表面が濡れた状
態で化成処理を行うことを特徴とする。
剤が局部的に多量に存在すると、化成処理後に離型剤が
表面の一部に残留し、化成処理前に離型剤が少なかった
ところが過剰なエッチングを受け表面が荒れるなどの不
均一な化成処理が行なわれる可能性があるが、請求項1
記載の本発明によれば、化成処理前にウエットブラスト
処理を施すことにより、離型剤が多量に残留している部
分を除去し、化成処理前に成形体表面を化学的にほぼ均
一な状態にして化成処理が均一に行なわれ、均一な化成
被膜の形成が可能になる。また、その上層に塗装を施す
場合には、塗装の密着性を向上させる。
のような細かい研磨粒子と水を混ぜたスラリーを成形体
に直接吹き付け、成形体表面を研磨粒子により研磨する
方法である。すなわち、このウエットブラスト処理で研
磨粒子を成形体に均一に投射することにより、金属成形
体の表面が均一に除去される。このとき同時に離型剤も
除去される。また表面には研磨粒子の投射痕が残るた
め、Ra=1〜2程度の平均表面粗度を持った表面状態
になる。よってウエットブラスト処理によって、局部的
な離型剤の残留などが無く、化学的に均一な、また表面
粗さ等物理的にも均一な表面が得られる。そのため、化
成処理を均一に行なうことができ、化成処理前の成形体
表面の不均一が原因でエッチング量が不均一になるなど
の化成処理不良を解消することができる。
砥材としては請求項2に記載するように、アルミナが好
適であり、該アルミナは平均粒径が40〜110μmで
あるのが望ましい。これは、硬質のアルミナにより離型
剤の除去が効果的になされるとともに、その平均粒径が
40μm未満であると、離型剤の除去が充分になされ
ず、一方、平均粒径が110μmを越えると、成形体表
面の粗度が悪くなるためである。
前には、マグネシウム成形体に対する乾燥処理を行わ
ず、該成形体の表面が濡れた状態で化成処理を行うこと
ができる。なお、上記の乾燥処理とは、成形体表面に付
着しているウエットブラスト処理における水分を完全に
除去するものであり、一部の水分を除去する場合には、
ここでは乾燥処理とはしない。成形体が濡れた状態で化
成処理を行うと、例えば表面活性剤を含まないアルカリ
溶液といったような、マグネシウム合金に対する濡れ性
が悪い化成皮膜処理薬液に対しても濡れ性が向上するた
め、化成皮膜の安定した形成に寄与できる。
する。図1は本発明によるマグネシウム成形体の製造方
法のフローチャート図である。図1において工程12
は、成形工程、工程13は、はプレス機によるトリミン
グ工程、工程14はバリ取り、仕上げ工程、工程15は
機械加工工程、工程16は研磨粒子にアルミナを用いた
ウエットブラスト処理工程、工程17は化成処理工程、
工程18は塗装、印刷工程である。
が作られる。次いで工程13のプレス切断で、成形品に
付随しているゲートやオーバーフローなどをプレス機で
プレス切断して除去する。次いで、工程14のバリ取
り、仕上げ工程で、上記プレス切断後に成形品に付随し
ているバリやかえりを取るため、バリ取りや仕上げ加工
を行う。該工程後、工程15の機械加工工程で、ボスの
ネジ穴加工などの機械加工が行われる。次いで、工程1
6でウエットブラスト処理がなされる。該工程では適当
な砥材と水等の液体をコンプレッサからの圧縮空気等で
加速してマグネシウム成形品に吹き付ける。砥材として
はアルミナが好適であり、平均粒径40〜110μmの
アルミナを水に混合する。該液体はノズルから成形体表
面に吹き付ける。この時のノズルの走行速度は、例えば
5mm/秒程度である。この処理により成形品の表面に
付着している離型剤等の異物が確実に除去されて表面が
清浄化される。該成形品は、次いで工程17において化
成処理に供される。この化成処理では、成形品を適当な
酸、アルカリに浸漬するなどして成形品の表面に化成被
膜を形成する。この化成処理では、従来と同様に、通常
は、脱脂、エッチング、脱スマット、化成被膜形成の工
程を含む。その内容は従来と同様とすることができるの
で、詳細な説明は省略する。化成皮膜の形成によって成
形品には耐食性や塗装密着性などの表面機能が付与され
る。その後は、工程18における塗装、印刷工程により
成形体表面の塗装や製品名、ロゴなどの印刷などを行な
う。
トブラスト処理がなされており、化成処理において均一
な化成被膜が形成され、所望の皮膜性能が表面全体にお
いて均等に得られる。しかも、この成形品に塗装、印刷
を行う場合には、均一な化成被膜が形成されていること
により、密着性に優れた塗装皮膜、印刷皮膜が得られ
る。なお、上記実施形態では、化成処理後に、塗装、印
刷を行う場合について説明したが、本発明としては、こ
れら塗装、印刷を行わない工程においても本発明の適用
が可能である。
に塗装した本発明試験片と、従来の工程(図2)を経て
マグネシウム成形体に塗装した比較試験片とを用意し
た。上記の試験片を60℃×4時間の温水浸漬試験に供
し、温水浸漬試験後、1mm碁盤目試験により塗装密着
性を調べた。ウエットブラストを行わなかった比較試験
片は、塗装剥離面積が50〜60%であるのに対し、本
発明で処理した本発明試験片では塗装剥離面積が5%以
下であり、本発明法により塗装密着性は飛躍的に向上し
たことが明らかとなった。
エットブラスト処理により表面の離型剤を除去し、成形
体表面を化学的、物理的に均一にするので、その後に行
なう化成処理において、成形体の部分ごとにエッチング
の過不足があるような不均一な処理が行なわれるような
ことがなくなる。さらに、成形体表面に適度な凹凸を付
与することで、アンカー効果(塗膜が凹凸に染み込み塗
装密着性が向上する効果)が生じ、塗装密着性が向上す
る。
のフローチャート図である。
ーチャート図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 マグネシウム成形体に化成処理を行う表
面処理において、該化成処理前に、ウエットブラスト処
理を行うことを特徴とするマグネシウム成形体の表面処
理方法 - 【請求項2】 ウエットブラスト処理における砥材がア
ルミナであり、該アルミナの平均粒径が40〜110μ
mであることを特徴とする請求項1記載のマグネシウム
成形体の表面処理方法 - 【請求項3】 ウエットブラスト処理後、化成処理前に
前記マグネシウム成形体の乾燥処理を行わず、該成形体
の表面が濡れた状態で化成処理を行うことを特徴とする
請求項1または2に記載のマグネシウム成形体の表面処
理方法
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KR100613157B1 (ko) | 2004-09-10 | 2006-08-17 | 후지쯔 가부시끼가이샤 | 마그네슘 또는 마그네슘 합금 하우징 및 그 제조 방법 |
JP2006297397A (ja) * | 2005-04-15 | 2006-11-02 | Sumitomo Metal Ind Ltd | マグネシウム板 |
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-
2001
- 2001-07-02 JP JP2001200293A patent/JP4873438B2/ja not_active Expired - Fee Related
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