JP2003012792A - ポリカーボネートの製造方法および装置 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法および装置

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JP2003012792A
JP2003012792A JP2001199001A JP2001199001A JP2003012792A JP 2003012792 A JP2003012792 A JP 2003012792A JP 2001199001 A JP2001199001 A JP 2001199001A JP 2001199001 A JP2001199001 A JP 2001199001A JP 2003012792 A JP2003012792 A JP 2003012792A
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polycarbonate
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carbonic acid
acid diester
reaction
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JP2001199001A
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Eiji Ito
栄二 伊藤
Masashi Shimonari
正志 下成
Toru Sawaki
透 佐脇
Katsuji Sasaki
勝司 佐々木
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリカーボネート製造設備の汚染を防止して
品質に優れるポリカーボネートを長期間安定に製造でき
るようにする方法および装置を提供する。また、ポリカ
ーボネートの真空発生装置および副生物捕集装置を簡略
化でき、経済的に有利にポリカーボネートを製造できる
方法および装置を提供する。 【解決手段】 ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと
を、触媒の存在/非存在下にエステル交換させてポリカ
ーボネートを製造する方法において、当該エステル交換
反応を行うための1以上の反応器と当該反応器内の気体
を吸引するための排気設備との間にモノヒドロキシ化合
物および/または炭酸ジエステルを主体とする物質の蒸
気を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、溶融重合による
ポリカーボネートの製造方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネートに代表されるポ
リカーボネートの製造方法としては、従来、ビスフェノ
ールA等の芳香族ジヒドロキシ化合物に代表されるジヒ
ドロキシ化合物のアルカリ金属塩とホスゲンとをメチレ
ンクロライド等の有機溶剤の存在下に直接重合させる方
法(界面法)、あるいは、芳香族ジヒドロキシ化合物に
代表されるジヒドロキシ化合物と芳香族炭酸ジエステル
に代表される炭酸ジエステルとをエステル交換させ副生
するモノヒドロキシ化合物を除去しながら重合を行う方
法(溶融重縮合法、固相重合法)が知られている。
【0003】これらのうち、溶融重縮合法は、界面法と
比較して安価にポリカーボネートを製造することができ
るという利点を有すると共に、ホスゲン等の毒性物質を
用いないので、環境衛生上好ましい。
【0004】しかしながら、溶融重合法は界面法と比較
して重合速度が遅く、重合速度を高めるため、異なる真
空度で操作される複数の反応槽を直列に配置して連続的
に重合を行うことがしばしば実施されている。この方法
では真空度の異なる複数の反応器が1基の真空発生器を
共用することは行われておらず、通常、操作真空度ごと
に多数の真空発生器と副生物捕集設備を設置することが
行われていた。このため、溶融重合の設備は高価なもの
となっていた。
【0005】また、溶融重合によってポリカーボネート
を製造する方法は、一般に、触媒として金属の有機酸
塩、無機酸塩、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはア
ルコラートなどを使用して、150℃から350℃まで
反応温度を段階的に上げるとともに反応圧力を大気圧か
ら133×10-6MPa以下の高真空度まで段階的に下
げることにより副生物を反応混合物から留去することで
実施され、重合終了後のポリカーボネートは溶融状態で
得られる。このため、得られたポリマーを固化すること
なく、直接添加剤を添加し減圧で処理できると言う利点
を有する。
【0006】しかし、上記の工程で使用する重合反応器
等と真空発生器とを結ぶ配管および副生物などの飛散物
捕集設備および真空発生器には、反応副生物である副生
フェノール類蒸気の固化物、同伴される未反応物および
低重合物、添加剤等が付着堆積しやすいという問題があ
る。
【0007】この問題に対処するには、固化閉塞防止の
ための特別の配慮が必要であり、通常、重合槽や添加剤
添加混練機等と真空発生器とを結ぶ配管は高温に加熱
し、飛散物が固化することを防ぐ処置が施されている
が、このような処置では配管内面が高温になるため、付
着した飛散物が熱劣化し配管を閉塞し、設備の長期安定
運転性を阻害すると言う問題があった。
【0008】また、この熱劣化した飛散物による閉塞の
問題が、一つの真空発生器を真空度が異なる複数の反応
器で共用することを困難としていた。すなわち、通常、
一つの真空発生器を共用する場合には各々の真空度を区
分するための絞り弁を用いるが、飛散物が絞り弁に付着
し、熱劣化、閉塞を引き起こすため、真空度を区分する
ことができず、一つの真空発生器を真空度が異なる複数
の反応器で共用することを困難としていた。
【0009】更に、熱劣化した物質が重合反応器等に落
下してポリマーに混入し、得られるポリカーボネートの
品質を劣化させる問題もあった。
【0010】また、666×10-6MPa以下の減圧下
においては、反応副生物が液相で存在できなくなる場合
があるため、固化閉塞の問題が生じやすく長期連続運転
に問題があった。
【0011】これらの問題を解決するために本願発明者
らは重合槽の真空発生器としてエジェクターを使用する
方法を先に提案した。この方法に従えば、反応副生物の
捕集が容易になり、反応副生物自体による固化閉塞の問
題は大きく改善されたが、多数のエジェクターを使用す
ることによる重合設備の価格アップや、気相部の管壁等
に付着した物質の熱劣化による配管系の閉塞や、得られ
るポリマーの品質低下の問題は依然として解決されるべ
き課題として残っていた。
【0012】なお、本願明細書において「反応副生物」
とは、重合反応器から真空ポンプ等の真空吸引系によっ
て吸引される副生物質の蒸気、反応分解物、同伴される
未反応物、低重合物、添加剤等の混合物を意味し、「凝
縮反応副生物」とは、この反応副生物が、真空吸引系で
凝縮されたものを意味する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、一つの真
空発生器を異なる真空度で操作される複数の反応器で共
用することによりポリカーボネートの溶融重合に使用す
る設備を簡略化すること、および、上記重合または添加
剤混練設備等と真空発生設備または排気設備とを結ぶ配
管や配管中に設置されるバルブ等の機器内部に付着する
飛散物の熱劣化物による閉塞を防止し、安定した長期連
続運転を可能にすると共に、品質の優れたポリカーボネ
ートを安定に製造することを可能とする方法およびその
ための設備を提供することを目的とする。
【0014】また、従来必要としていたバルブ解体によ
る付着物の除去作業が不要となり、人的労力の大幅な削
減が可能となる方法および設備を提供することを目的と
している。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願発明は次
の通りである。
【0016】1. ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとを、触媒の存在/非存在下にエステル交換させてポ
リカーボネートを製造する方法において、当該エステル
交換反応を行うための1以上の反応器と当該反応器内の
気体を吸引するための排気設備との間にモノヒドロキシ
化合物および/または炭酸ジエステルを主体とする物質
の蒸気を供給するポリカーボネートの製造方法。
【0017】2. 前記排気設備が、1つの排気設備で
複数の反応器内の気体を吸引することを含むことを特徴
とする、上記1に記載のポリカーボネートの製造方法。
【0018】3. 前記蒸気の供給が、前記反応器内の
圧力を調節するためにも使用し得ることを特徴とする上
記1または2に記載のポリカーボネートの製造方法。
【0019】4. 前記排気設備がエジェクターとバロ
メトリックコンデンサーとよりなり、当該エジェクター
の駆動源がモノヒドロキシ化合物および/または炭酸ジ
エステルを主体とする物質の蒸気であり、当該バロメト
リックコンデンサーの冷却液がモノヒドロキシ化合物お
よび/または炭酸ジエステルを主体とする物質の溶液で
あることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のポ
リカーボネートの製造方法。
【0020】5. 前記モノヒドロキシ化合物および/
または炭酸ジエステルを主体とする物質がポリカーボネ
ートの製造時の凝縮反応副生物を含む物質であることを
特徴とする上記1〜4のいずれかに記載のポリカーボネ
ートの製造方法。
【0021】6. 前記モノヒドロキシ化合物がフェノ
ールであることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記
載のポリカーボネートの製造方法。
【0022】7. 前記炭酸ジエステルがジフェニルカ
ーボネートであることを特徴とする上記1〜6のいずれ
かに記載のポリカーボネートの製造方法。
【0023】8. 前記蒸気の吹込み位置を、反応器と
真空発生器とを接続する配管中であって、最も反応器側
に近いバルブの位置よりも反応器側に設置することを特
徴とする上記1〜7のいずれかに記載のポリカーボネー
トの製造方法。
【0024】9. ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとを、触媒の存在/非存在下にエステル交換させてポ
リカーボネートを製造する方法において、ジヒドロキシ
化合物と炭酸ジエステルとを、触媒の存在/非存在下に
エステル交換させてポリカーボネートを製造する際に副
生する凝縮反応副生物を、当該凝縮反応副生物を含む物
質の蒸気を駆動源とするエジェクターと当該凝縮反応副
生物を含む物質の溶液を冷却液とするバロメトリックコ
ンデンサーとを使用して吸引捕集するポリカーボネート
の製造方法。
【0025】10. 吸引捕集物の一部を蒸留等で精製
後、炭酸ジエステル化合物製造原料としてポリカーボネ
ートの製造工程に供給することを特徴とする上記9に記
載のポリカーボネートの製造方法。
【0026】11. ポリカーボネートの製造を連続的
に実施することを特徴とする上記1〜10のいずれかに
記載のポリカーボネートの製造方法。
【0027】12. ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
テルとを、触媒の存在/非存在下にエステル交換させて
ポリカーボネートを製造する装置において、当該エステ
ル交換反応を行うための1以上の反応器と、当該反応器
内の気体を吸引するための排気設備と、当該反応器と当
該排気設備との間に設置される、モノヒドロキシ化合物
および/または炭酸ジエステルを主体とする物質の蒸気
を供給するための蒸気供給設備(b)と、を含むポリカ
ーボネートの製造装置。
【0028】13. 前記排気設備が、1つの排気設備
で複数の反応器内の気体を吸引することを含むことを特
徴とする、上記12に記載のポリカーボネートの製造装
置。
【0029】14. 前記排気設備がエジェクターとバ
ロメトリックコンデンサーとよりなり、当該エジェクタ
ーの駆動源がモノヒドロキシ化合物および/または炭酸
ジエステルを主体とする物質の蒸気であり、当該バロメ
トリックコンデンサーの冷却液がモノヒドロキシ化合物
および/または炭酸ジエステルを主体とする物質の溶液
であることを特徴とする上記12または13に項記載の
ポリカーボネートの製造装置。
【0030】15. 前記モノヒドロキシ化合物および
/または炭酸ジエステルを主体とする物質がポリカーボ
ネートの製造時の凝縮反応副生物を含む物質であること
を特徴とする上記12〜14のいずれかに記載のポリカ
ーボネートの製造装置。
【0031】16. 前記モノヒドロキシ化合物がフェ
ノールであることを特徴とする上記12〜15のいずれ
かに記載のポリカーボネートの製造装置。
【0032】17. 前記炭酸ジエステルがジフェニル
カーボネートであることを特徴とする上記12〜16の
いずれかに記載のポリカーボネートの製造方法。
【0033】18. 前記蒸気の吹込み位置が、反応器
と真空発生器とを接続する配管中であって、最も反応器
側に近いバルブの位置よりも反応器側にあることを特徴
とする上記12〜17のいずれかに記載のポリカーボネ
ートの製造装置。
【0034】19. ポリカーボネートの製造を連続的
に実施することを特徴とする上記12〜18のいずれか
に記載のポリカーボネートの製造装置。
【0035】なお、本願明細書において、「モノヒドロ
キシ化合物」とは例えばフェノール、クレゾール、キシ
レノール、サリチル酸、サリチル酸のエステルなどが挙
げられ、就中フェノールが最も好ましい。
【0036】本願発明で言う、ポリカーボネートとは主
たる成分である芳香族ジヒドロキシ化合物と、炭酸エス
テルとを塩基性窒素化合物とアルカリ金属化合物とより
なるエステル交換触媒等の存在下あるいは非存在下、溶
融重縮合させた芳香族ポリカーボネートを主な対象とす
るが、その他のジヒドロキシ化合物と、炭酸エステルと
を溶融重縮合させたその他のポリカーボネートも含まれ
る。また、このような芳香族ジヒドロキシ化合物として
は、具体的にはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)オキサイド、ビス(3,5
−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)オキサイド、
p,p’−ジヒドロキシジフェニル、3,3’−ジクロ
ロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(ヒドロ
キシフェニル)スルホン、レゾルシノール、ハイドロキ
ノン、1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジクロロベンゼ
ン、1,4−ジヒドロキシ−3−メチルベンゼン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシド等が挙げられるが、特
に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが
好ましい。
【0037】炭酸ジエステルとしては、具体的にはジフ
ェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス
(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボ
ネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)
カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカー
ボネートなどが用いられる。これらのうち特にジフェニ
ルカーボネートが好ましい。
【0038】さらに、本願発明のポリカーボネートには
必要に応じて、脂肪族ジオールとして、例えば、エチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、1,10−デカンジオール等
を、ジカルボン酸類として、例えば、コハク酸、イソフ
タル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン
酸、シクロヘキサンカルボン酸、テレフタル酸等;オキ
シ酸類例えば、乳酸、P−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸等を含有していても良い。
【0039】本願発明に用いられる触媒は特に限定され
ないが、塩基性窒素化合物とアルカリ金属化合物および
/またはアルカリ土類金属化合物とよりなるエステル交
換触媒を使用することができる。
【0040】本願発明で使用されるアルカリ金属および
/またはアルカリ土類金属化合物についても、得られる
ポリカーボネートの色相を低下させるものでなければ特
に制限はなく種々の公知のものを使用することができ
る。
【0041】触媒として用いられるアルカリ金属化合物
としては、例えばアルカリ金属の水酸化物、炭酸水素化
物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シ
アン酸塩、チオシアン酸塩、ステアリン酸塩、水素化ホ
ウ素塩、安息香酸塩、リン酸水素化物、ビスフェノー
ル、フェノールの塩等が挙げられる。
【0042】具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、酢酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウ
ム、硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウ
ム、亜硝酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸リチウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸カ
リウム、シアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、
チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン
酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カ
リウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ酸ナト
リウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息
香酸リチウム、リン酸水素ジナトリウム、リン酸水素ジ
カリウム、リン酸水素ジリチウム、ビスフェノールAの
ジナトリウム塩、ジカリウム塩、ジリチウム塩、フェノ
ールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙
げられる。
【0043】触媒として用いられるアルカリ土類金属化
合物としては、例えばアルカリ土類金属の水酸化物、炭
酸水素化物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫
酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、ステアリン酸塩、
安息香酸塩、ビスフェノール、フェノールの塩等が挙げ
られる。
【0044】具体例としては、水酸化カルシウム、水酸
化バリウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウ
ム、炭酸水素バリウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸
カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、酢酸
カルシウム、酢酸バリウム、酢酸ストロンチウム、硝酸
カルシウム、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウム、亜硝
酸カルシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸ストロンチウ
ム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸バリウム、亜硫酸ストロ
ンチウム、シアン酸カルシウム、シアン酸バリウム、シ
アン酸ストロンチウム、チオシアン酸カルシウム、チオ
シアン酸バリウム、チオシアン酸ストロンチウム、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリ
ン酸ストロンチウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化
ホウ素バリウム、水素化ホウ素ストロンチウム、安息香
酸カルシウム、安息香酸バリウム、安息香酸ストロンチ
ウム、ビスフェノールAのカルシウム塩、バリウム塩、
ストロンチウム塩、フェノールのカルシウム塩、バリウ
ム塩、ストロンチウム塩などが挙げられる。
【0045】本願発明においては所望により、触媒のア
ルカリ金属化合物として、(a)周期律表第14族の元
素のアート錯体のアルカリ金属塩または(b)周期律表
第14族の元素のオキソ酸のアルカリ金属塩を用いるこ
とができる。ここで周期律表第14族の元素とは、ケイ
素、ゲルマニウム、スズのことをいう。
【0046】(a)周期率表第14族元素のアート錯体
のアルカリ金属塩としては、特開平7−268091号
公報に記載のものをいうが、具体的には、ゲルマニウム
(Ge)の化合物;NaGe(OMe)5、NaGe
(OEt)3、NaGe(OPr)5、NaGe(OB
u)5、NaGe(OPh)5、LiGe(OMe)5
LiGe(OBu)5、LiGe(OPh)5を挙げるこ
とができる。
【0047】スズ(Sn)の化合物としては、NaSn
(OMe)3、NaSn(OMe)2(OEt)、NaS
n(OPr)3、NaSn(O−n−C6133、Na
Sn(OMe)5、NaSn(OEt)5、NaSn(O
Bu)5、NaSn(O−n−C12255、NaSn
(OEt)、NaSn(OPh)5、NaSnBu2(O
Me)3を挙げることができる。
【0048】また(b)周期律表第14族元素のオキソ
酸のアルカリ金属塩としては、例えばケイ酸(sili
cic acid)のアルカリ金属塩、スズ酸(sta
nic acid)のアルカリ金属塩、ゲルマニウム
(II)酸(germanous acid)のアルカ
リ金属塩、ゲルマニウム(IV)酸(germanic
acid)のアルカリ金属塩を好ましいものとして挙げ
ることができる。
【0049】ケイ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノケ
イ酸(monosilicic acid)またはその
縮合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その
例としては、オルトケイ酸モノナトリウム、オルトケイ
酸ジナトリウム、オルトケイ酸トリナトリウム、オルト
ケイ酸テトラナトリウムを挙げることができる。
【0050】スズ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノス
ズ酸(monostanic acid)またはその縮
合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その例
としてはモノスズ酸ジナトリウム塩(Na2SnO3・X
2O、X=0〜5)、モノスズ酸テトラナトリウム塩
(Na4SnO4)を挙げることができる。
【0051】ゲルマニウム(II)酸(germano
us acid)のアルカリ金属塩は、例えばモノゲル
マニウム酸またはその縮合体の酸性あるいは中性アルカ
リ金属塩であり、その例としてはゲルマニウム酸モノナ
トリウム塩(NaHGeO2)を挙げることができる。
【0052】ゲルマニウム(IV)酸(germani
c acid)のアルカリ金属塩は、例えばモノゲルマ
ニウム(IV)酸またはその縮合体の酸性あるいは中性
アルカリ金属塩であり、その例としてはオルトゲルマニ
ウム酸モノリチウム酸(LiH3GeO4)オルトゲルマ
ニウム酸ジナトリウム塩、オルトゲルマニウム酸テトラ
ナトリウム塩、ジゲルマニウム酸ジナトリウム塩(Na
2Ge25)、テトラゲルマニウム酸ジナトリウム塩
(Na2Ge49)、ペンタゲルマニウム酸ジナトリウ
ム塩(Na2Ge511)を挙げることができる。
【0053】触媒としてのアルカリ金属化合物またはア
ルカリ土類金属化合物は、当該触媒中のアルカリ金属元
素またはアルカリ土類金属元素が芳香族ジオール化合物
(芳香族ジヒドロキシ化合物)1モル当り1×10-8
5×10-5当量となる場合で好ましく使用される。より
好ましい割合は同じ基準に対し5×10-7〜1×10 -5
当量となる割合である。
【0054】当該触媒中のアルカリ金属元素量またはア
ルカリ土類金属元素量が芳香族ジオール化合物1モル当
り1×10-8〜5×10-5当量の範囲を逸脱すると、得
られるポリカーボネートの諸物性に悪影響を及ぼした
り、また、エステル交換反応が充分に進行せず高分子量
のポリカーボネートが得られない等の問題があり好まし
くない。
【0055】また、触媒としての含窒素塩基性化合物と
しては、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキ
シド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒド
ロキシド(Bu4NOH)、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムヒドロキシド(φ−CH2(Me)3NOH)、ヘ
キサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどの
アルキル、アリール、アルキルアリール基などを有する
アンモニウムヒドロオキシド類、トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ヘキサデシ
ルジメチルアミンなどの3級アミン類、あるいはテトラ
メチルアンモニウムボロハイドライド(Me4NB
4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド
(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフ
ェニルボレート(Me4NBPh4)、テトラブチルアン
モニウムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)な
どの塩基性塩を挙げることができる。
【0056】上記含窒素塩基性化合物は、含窒素塩基性
化合物中のアンモニウム窒素原子が芳香族ジヒドロキシ
化合物1モル当り1×10-5〜5×10-3当量となる割
合で用いるのが好ましい。より好ましい割合は同じ基準
に対し2×10-5〜5×10 -4当量となる割合である。
特に好ましい割合は同じ基準に対し5×10-5〜5×1
-4当量となる割合である。
【0057】なお、本願明細書において、仕込み芳香族
ジヒドロキシ化合物(芳香族ジオール化合物ともいう)
に対するアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合
物、含窒素塩基性化合物の割合いを、「芳香族ジヒドロ
キシ化合物1モルに対し金属または塩基性窒素としてW
(数値)当量のZ(化合物名)量」として表現したが、
これは、例えば、Zがナトリウムフェノキシドや2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンモノナトリ
ウム塩のようにナトリウム原子が一つであり、またはト
リエチルアミンのように塩基性窒素が一つであれば、Z
の量がWモルに相当する量であることを意味し、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジナトリウ
ム塩のように二つであれば、W/2モルに相当する量で
あることを意味する。
【0058】本願発明の重縮合反応には、上記触媒と一
緒に、必要により、周期律表第14族元素のオキソ酸お
よび同元素の酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも
1種の助触媒を共存させることができる。
【0059】これら助触媒を特定の割合で用いることに
より、末端の封鎖反応、重縮合反応速度を損なうことな
く、重縮合反応中に生成し易い分岐反応や、成形加工時
における装置内での異物の生成、やけといった好ましく
ない副反応をより効果的に抑制することができる。
【0060】本願発明において、芳香族ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステルとをエステル交換させる温度およ
び圧力は特に制限がなく、反応が開始し、かつ反応で生
成したモノヒドロキシ化合物が反応系外に速やかに除去
される温度および圧力であれば如何なる条件でも良い
が、150℃〜200℃の温度および40000×10
-6MPa〜13333×10-6MPaの圧力で反応を開
始した後、反応の進行に伴うポリカーボネート樹脂の分
子量の増大に従って反応温度を高め、反応圧力を低下さ
せ、最終的には270℃〜350℃の温度および133
×10-6MPa以下の圧力で反応を実施することが一般
的である。
【0061】更に詳しくは、ポリカーボネート樹脂の粘
度平均分子量(Mv)が1000〜2000までの領域
では150℃〜220℃の温度および40000×10
-6MPa〜13333×10-6MPaの圧力で反応を実
施し、Mvが4000〜60000の領域では200℃
〜250℃、1333×10-6MPa〜13333×1
-6MPaで反応を実施し、Mvが6000を越える領
域では250℃〜350℃、133×10-6MPa以下
で反応を実施するのが好ましい。なお、使用する圧力の
単位は、特に記述しない限りすべて絶対圧である。
【0062】本願発明においては上記方法で得られたポ
リカーボネートをベント式2軸ルーダーを用いて、触媒
失活剤の添加処理および水添加による脱揮処理を行なう
のが好ましい。この際に、ポリカーボネートを重合機か
ら直接溶融状態でルーダーに供給しても良く、一旦冷却
・ペレット化してルーダーに供給しても良いが、重合で
得られた溶融状態のポリカーボネートに直接触媒失活剤
や水などの脱揮助剤や各種の添加剤を加えることが好ま
しく実施される。
【0063】本願発明において使用する触媒失活剤を以
下に説明する。
【0064】触媒失活剤は触媒の活性を著しく低下させ
るものであり、このような触媒失活剤は単独でポリカー
ボネート樹脂に添加しても良く、水と触媒失活剤の混合
液として同時にポリカーボネート樹脂に添加してもよ
い。
【0065】このようなエステル交換による重合触媒の
失活剤としては特開平8−59975号公報記載のよう
な公知の剤が有効に使用されるが、この中でもスルホン
酸のアンモニウム塩、スルホン酸のホスホニウム塩、ス
ルホン酸のエステルが好ましい。
【0066】さらには、ドデシルベンゼンスルホン酸の
エステル、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、パラトル
エンスルホン酸のエステル、アンモニウム塩、ホスホニ
ウム塩やベンゼンスルホン酸のエステル、アンモニウム
塩、ホスホニウム塩が好ましい。
【0067】また、触媒失活剤であるスルホン酸のエス
テルとしては例えば、ベンゼンスルホン酸メチル、ベン
ゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベ
ンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニ
ル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスル
ホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラト
ルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フ
ェニルなどを挙げることができる。
【0068】本願発明においては、これらの触媒失活剤
の内、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホ
ニウム塩、パラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモ
ニウム塩が最も好ましく使用される。
【0069】溶融重合で得られるポリカーボネート樹脂
に対する触媒失活剤の添加量は、アルカリ金属化合物、
アルカリ土類金属化合物より選ばれた前記主重縮合触媒
1当量あたり0.5〜50当量の割合で、好ましくは
0.5〜10当量の割合で、更に好ましくは0.8〜5
当量の割合で使用する。ここで触媒失活剤の当量は失活
剤1分子中に存在する、触媒金属の1価当りと反応し得
る部位の数を表わし、触媒失活剤のモルと当量の関係
は、失活剤1分子中に当該反応部位が1個存在する場合
には1モルは1当量に等しくなり、当該反応部位が2個
存在する場合には1モルは2当量に等しくなる。これは
通常、ポリカーボネート樹脂に対し0.01〜500p
pmの割合で使用することに相当する。
【0070】また本願発明においては、本願発明の目的
を損なわない範囲でポリカーボネートにその他の添加剤
を添加することができる。
【0071】このような添加剤としては、例えば、加工
安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸
収剤、金属不活性化剤、金属石鹸類、造核剤、帯電防止
剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、難燃
剤、離型剤、防黴剤、着色剤、防曇剤、天然油、合成
油、ワックス、有機系充填剤、無機系充填剤、エポキシ
化合物をあげることができる。
【0072】これらの内でも耐熱安定剤、紫外線吸収
剤、離型剤、着色剤等が特に一般的に使用され、これら
は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0073】本願発明に用いられる加工安定剤、耐熱安
定剤、酸化防止剤等の目的のためには、例えば、燐化合
物、フェノール系安定剤、有機チオエーテル系安定剤、
ヒンダードアミン系安定剤等を挙げることができる。
【0074】光安定剤、紫外線吸収剤等としては、一般
的な紫外線吸収剤が用いられ、例えば、サリチル酸系紫
外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外
線吸収剤等を挙げることができる。
【0075】離型剤としては一般的に知られた離型剤を
用いることができ、例えば、パラフィン類などの炭化水
素系離型剤、ステアリン酸等の脂肪酸系離型剤、ステア
リン酸アミド等の脂肪酸アミド系離型剤、ステアリルア
ルコール、ペンタエリスリトール等のアルコール系離型
剤、グリセリンモノステアレート等の脂肪酸エステル系
離型剤、シリコーンオイル等のシリコーン系離型剤等を
挙げることができる。
【0076】着色剤としては有機系や無機系の顔料や染
料を使用することができる。
【0077】金属不活性化剤としては、例えばN、N’
−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等が、金属石鹸類と
しては例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ニ
ッケル等が挙げられる。
【0078】造核剤としては、例えばジ(4−t−ブチ
ルフェニル)ホスホン酸ナトリウム、ジベンジリデンソ
ルビトール、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェノール)アシッドホスフェートナトリウム塩等のソル
ビトール系、リン酸塩系化合物が挙げられる。
【0079】帯電防止剤としては、例えば(β−ラウラ
ミドプロピル)トリメチルアンモニウムメチルスルフェ
ート等の第4級アンモニウム塩系、アルキルホスフェー
ト系化合物が挙げられる。
【0080】滑剤としては、例えばエルカ酸アミド、ス
テアリン酸モノグリセリド、等が、難燃剤としては、例
えばトリス(2−クロロエチル)ホスフェートなどの含
ハロゲンリン酸エステル類、ヘキサブロモシクロドデカ
ン、デカブロモフェニルオキサイドなどのハロゲン化
物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アル
ミニウムなどの金属無機化合物類、これらの混合物等が
挙げられる。
【0081】これらの触媒失活剤または他の添加剤は、
直接に、または適当な溶剤に溶解または分散させて、あ
るいはマスターペレットとして、溶融状態のポリカーボ
ネートに添加、混練する。このような操作を実施するの
に用いられる設備に特に制限は無いが、例えば2軸押出
機等が好ましく、触媒失活剤または他の添加剤を溶剤に
溶解または分散させた場合はベント付きの2軸押出機が
特に好ましく使用される。
【0082】他の添加剤は、触媒失活剤と同時に、また
は別個に、溶融状態のポリカーボネートに添加すること
が好ましい。
【0083】なお、触媒失活剤または他の添加剤、その
溶液、スラリー、マスターペレットは、溶融状態のポリ
カーボネートに添加する前に、不活性ガス雰囲気下に置
くことや、溶融状態のポリカーボネートに添加、混練す
る場合における設備の雰囲気を不活性ガス雰囲気下に置
くことが、ポリカーボネートの酸素による分解を防止
し、着色を防ぐ意味で有効な場合が多い。ここで、「添
加、混練する場合における設備の雰囲気を不活性ガス雰
囲気下に置く」とは、たとえば、当該設備としてベント
付きの2軸押出機を使用する場合には、触媒失活剤また
は他の添加剤、その溶媒、分散剤、マスターペレットの
添加口またはその近傍から2軸押出機内に窒素、アルゴ
ン等の不活性ガスを注入することによって行なうことが
できる。
【0084】更に、2軸押出機内の、添加口とは別の個
所からこの注入ガスを常圧または真空で排気し、2軸押
出機内を、全体的または部分的に、常圧または真空に保
つこと、この添加口と真空吸引口との間にポリマーシー
ル部を設けること、この添加口と真空吸引口とを含む部
分または添加と真空吸引口とその間にあるポリマーシー
ル部とを含む部分を一つのユニットとして、一つの2軸
押出機内に複数のユニットを設けること、それらの一つ
または複数のユニットを持つ2軸押出機を複数シリーズ
に接続することも可能である。
【0085】本願発明は、回分式設備でも連続式設備で
も実施することができる。本願発明はこれらの操作形態
のうち、連続式で実施する場合に特に長期間の安定性が
求められ、また、設備を簡略化した場合の経済効果も大
きいため、連続式に適用することが最も好ましい。
【0086】連続式で実施する場合は、通常2基以上の
反応器を直列に設置し、隣接する反応器を配管で接続
し、必要に応じて反応液を移送するためのポンプを備え
た設備を用い、各々の反応器を異なる条件に維持しつつ
最初の反応器に原料と触媒を連続的に供給し副生物を連
続的に系外に抜き出しつつエステル交換反応を行い、最
後の反応器から所望の重合度のポリカーボネートを連続
的に抜出すことにより実施される。このようにして得ら
れたポリカーボネートに、必要に応じ、前述の添加剤を
加えることも行われる。
【0087】本願発明の第1の技術は、上記製造設備の
中で高温に保持される気相部、例えば、原料溶解槽から
発生する揮発物を系外に取り出す設備、重合反応器から
発生する副生物を系外に取り出す設備、脱揮設備から発
生する低沸点物を系外に取り出す設備、添加剤の添加混
練設備に付属したベント設備等の汚染、閉塞防止に関わ
る。
【0088】溶融重合でポリカーボネートを製造する設
備は150℃を超える温度で運転され、更には200℃
〜350℃と言う高温で運転される場合があり、その気
相部や付属する排気設備も操作温度と同様高温に維持さ
れる。このため、気相部や排気設備に付着した物質は長
時間高温に晒されることとなり、熱劣化、変質し更に高
融点の物質に変化し、蓄積され、最終的には気相部から
落下しポリマー中に混入して品質劣化を生じたり、排気
設備を閉塞させて運転継続を困難にする。
【0089】この傾向は重合条件が厳し(高温、高真空
度)くなる粘度平均分子量が6000以上の領域の重合
を行う反応器およびその副生物排気設備、および重合で
得られたポリカーボネートの失活、脱揮、添加剤混練粘
等の後処理を行う設備およびそれに付帯する排気設備に
特に顕著に現れる。
【0090】本願発明者らはこの問題を解決すべく鋭意
検討した結果、意外にもモノヒドロキシ化合物および/
または炭酸ジエステル化合物を主体とする蒸気を汚染が
進行する気相部や排気設備に導入することにより、劣化
物の付着が完全に抑制されることを見出し本願発明に到
達した。
【0091】この原因は定かではなく、例えば、モノヒ
ドロキシ化合物および/または炭酸ジエステル化合物を
主体とする蒸気による飛散物の分圧低下と付着抑制効果
が考えられるが、同様の分圧低下効果が期待される窒素
等の導入ではその効果は小さい。また、モノヒドロキシ
化合物や炭酸ジエステルによるポリカーボネートオリゴ
マー等の高沸点飛散物の低分子量化効果が考えられるが
気体のモノヒドロキシ化合物や炭酸ジエステルが顕著な
解重合能力を有することは知られておらず意外なことで
ある。
【0092】本願発明に使用するモノヒドロキシ化合物
とは例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、サ
リチル酸、サリチル酸のエステルなどが挙げられ、ポリ
カーボネートの溶融重合の際に副生するモノヒドロキシ
化合物に一致するものであることが好ましく、更にフェ
ノールが最も好ましい。
【0093】本願発明に使用する炭酸ジエステルとして
は、具体的にはジフェニルカーボネート、ジトリールカ
ーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m
−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビ
ス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジ
シクロヘキシルカーボネートなどが用いられ、ポリカー
ボネートの溶融重合の原料として使用する炭酸ジエステ
ルに一致する化合物であることが好ましく、特にジフェ
ニルカーボネートが好ましい。
【0094】本願発明において「主体とする」と言う意
味は、上記のモノヒドロキシ化合物および/または炭酸
ジエステルを50重量%以上含むことを意味する。溶融
重合でポリカーボネートを製造する時に各反応器から副
生する物質を凝縮捕集した凝縮反応副生物はモノヒドロ
キシ化合物や炭酸ジエステルを主体としており、この凝
縮反応副生物を含む物質の蒸気も本願発明の目的のため
に好ましく使用することができる。
【0095】本願発明は機器の汚染防止を目的とするも
のであるが、その汚染防止を行う機器の気相部および付
属する排気設備の温度は汚染防止に使用する上記モノヒ
ドロキシ化合物や炭酸ジエステルの融点以上であり、か
つ350℃以下の温度とするのが好ましい。
【0096】なお、本願発明において、「汚染防止」と
は、汚染されていない物を汚染から護る意味だけではな
く、場合によっては、すでに汚染されてしまっている物
を洗浄することをも意味し得る。
【0097】さらに好ましくは汚染防止に使用する上記
モノヒドロキシ化合物や炭酸ジエステルの沸点以上であ
り、かつ排気設備が付属する機器の操作温度+20℃以
下である。
【0098】汚染防止を行う設備の温度が汚染防止に使
用する上記モノヒドロキシ化合物や炭酸ジエステルの融
点以下になると、これらが汚染防止を行う設備に付着、
固化するため、好ましくない場合が多い。また汚染防止
を行う設備の温度が350℃以上になると付着物の炭化
が促進されるため、好ましくない場合が多い。
【0099】本願発明の汚染防止を行う機器の気相部お
よび付属する排気設備の圧力は特に制限は無く、加圧、
常圧、減圧何れでもよいが、通常ポリカーボネートの製
造条件における操作圧力を変更することなく、あるいは
わずかに変更する程度で、蒸気を汚染が進行する気相部
や排気設備に導入することが可能である。
【0100】本願発明の汚染防止に使用するモノヒドロ
キシ化合物および/または炭酸ジエステルを主体とする
物質の使用量は、汚染防止を行う機器の気相部および付
属する排気設備での汚染防止を効率的におこなうため
に、重合反応器または処理設備から発生する飛散物の量
に対し、重量比において1/5倍以上を常に維持するよ
うにするのが望ましい。さらに望ましくは重量比におい
て1/2倍以上、よりさらに望ましくは重量比において
2倍以上である。
【0101】しかしながら重合反応器または処理設備か
ら発生する飛散物の量に対し、重量比において10倍以
上とした場合、機器の気相部および付属する排気設備で
の汚染防止は行なえるが、汚染防止に使用するモノヒド
ロキシ化合物および/または炭酸ジエステルを主体とす
る物質の使用量が過剰になるため、運転コストの面から
好ましくない。
【0102】本願発明の汚染防止方法が適用できる機器
は気相部に汚染が生じる機器であれば有効に実施できる
が、特に、重合反応器と真空発生器との間に設置された
機器や重合を終えたポリカーボネートの触媒失活、脱
揮、添加剤添加処理を行う装置と排気設備との間に設置
された機器に有効に実施でき、更に好ましくは粘度平均
分子量が6000を超える領域の重合に使用する反応器
と真空発生器との間に設置された機器に適用される。
【0103】このような反応器または処理装置と真空発
生器または排気設備との間に設置される機器としては、
特に制限は無いが例えば、両者を結ぶ配管、バルブ、受
器を挙げることができる。
【0104】なお、本願発明においては、特に明示し、
あるいは黙示的に示されない限り、「反応器」とは、重
合反応器、原料貯槽、2軸押出機等の処理装置を含む概
念である。
【0105】本願発明においては、汚染防止に使用する
モノヒドロキシ化合物および/または炭酸ジエステルを
主体とする物質の蒸気を汚染防止対象の機器の上流側か
ら供給し、排気設備または真空発生器に向かって流すこ
とによって汚染を防止することができる。この操作をポ
リカーボネートの製造運転と平行して継続実施すること
により処理装置または反応器と排気設備または真空発生
器との間に設置される機器の汚染を防止することが可能
となる。
【0106】以下、本願発明による排気設備の一例を図
1によって示す。ただし、図1は本願発明の1実施態様
に過ぎず、本願発明はこの図によって制限されるもので
はない。
【0107】芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとを一定比率で溶解させ、高温保持する貯槽1より発
生する副生フェノール類蒸気および外部から漏れ込む空
気が揮発物蒸気排気配管2を通ってスクラバー3を介し
てブロアー4に吸引される。このとき、揮発物蒸気排気
配管2の壁面は副生フェノール類蒸気が固化しないよう
に当該副生フェノール類の融点以上に加熱されている。
また、揮発物蒸気排気配管2には、バルブ5を設置し適
度に絞りを設け、貯槽1の圧力を調整する。さらにフェ
ノール類蒸気を吹込み口6より投入し、揮発物蒸気排気
配管2およびバルブ5の汚染を防止する。
【0108】また、スクラバー3ではフェノール類を主
体とする液をポンプ7によって循環し、クーラー8で所
定の温度に冷却した後、副生フェノール類蒸気をスクラ
ビングさせる。
【0109】また、スクラバー3内で増加した凝縮液は
払出配管9から系外に払出され、精製処理を行なったの
ち前工程に供給され再利用される。
【0110】本願発明の第2の技術は異なる真空度で操
作される複数の反応器を1基の真空発生器で真空吸引す
ることにより溶融重合によるポリカーボネート製造設備
を簡略化し、経済的にポリカーボネートを製造すること
を可能とする技術に関する。
【0111】以下、本願発明による真空発生器の一例を
図2によって示す。ただし、図2は本願発明の1実施態
様に過ぎず、本願発明はこの図によって制限されるもの
ではない。
【0112】重合反応器10,11より発生する反応副
生物および外部から漏れ込む空気が反応副生物蒸気排気
配管12,13を通ってスクラバー14を介して真空ポ
ンプ15によって吸引される。このとき、反応副生物蒸
気排気配管12,13の壁面は反応副生物の副生フェノ
ール類蒸気、反応分解物、同伴される未反応物および/
または低重合物が固化しないように融点以上に加熱され
ている。また、反応副生物蒸気排気配管12,13に
は、それぞれバルブ16,17を設置し適度に絞りを設
け、各重合反応器10,11を異なる真空度に設定す
る。さらに各重合反応器の真空度の微調整を行なうため
にバルブ16,17の重合反応器側に、反応圧力微調整
制御用のフェノール類蒸気を吹込み口18,19から投
入する。
【0113】スクラバー14には、大気脚20が接続さ
れ、ホットウェル21に液が連続的に払出される。ホッ
トウェル21に払出された液は、スクラバー14のスク
ラバー液として使用するため、ポンプ22により送液さ
れクーラー23で所定の温度に冷却される。
【0114】また、スクラバー14のスクラバー液に使
用されない余剰のホットウェル21の液は抜き出し口2
4から系外に払出され、精製処理を行なったのち前工程
に供給され再利用される。
【0115】本願発明の第3の技術は異なる真空度で操
作される複数の反応器を1基のエジェクターとバロメト
リックコンデンサーよりなり、当該エジェクターの駆動
源がポリカーボネートの製造時の凝縮反応副生物を含む
物質の蒸気であり、当該バロメトリックコンデンサーの
冷却液が当該反応副生物を含む溶液であるもので真空吸
引することにより溶融重合によるポリカーボネート製造
設備を簡略化し、経済的にポリカーボネートを製造する
ことを可能とする技術に関する。
【0116】本願発明に使用するエジェクター設備につ
いて、特に制限はないが、好ましい対応を以下に例示す
る。
【0117】本願発明において、当該エジェクターを含
む容器または配管の壁面は熱媒ジャケット、温水ジャケ
ット、電気ヒーターにより均一にムラ無く加熱すること
が配管や容器の閉塞防止のため好ましい。
【0118】また、重合反応器とエジェクターとを結ぶ
配管は反応副生物または凝縮反応副生物中の副生フェノ
ール類蒸気、反応分解物、同伴される未反応物および/
または低重合物が固着しない温度、すなわち融点以上に
加熱する必要があり、更に好ましくは前記副生フェノー
ル類蒸気、反応分解物、同伴される未反応物および/ま
たは低重合物が凝縮しない温度、すなわち当該圧力にお
ける凝縮反応物の沸点以上に加熱する。このような温度
を具体的に述べると、45℃以上に加熱することが望ま
しい。更に望ましくは、80℃以上であり、より更に望
ましくは155℃以上であり、なお望ましくは250℃
以上である。
【0119】また、エジェクター壁面の加熱温度は、反
応副生物が固化しない温度が必要であり、例えば40℃
以上が好ましく使用される。
【0120】また、本願発明において、重合反応器とエ
ジェクターとの配管との間に設けるバルブについては、
特に制限はないが、複数基の重合反応器を1基のエジェ
クターで真空吸引する場合、各重合反応器の真空度が個
々に制御できるような位置に、少なくとも重合器の数だ
け設置する。
【0121】本願発明において、エジェクターとは、高
圧の蒸気を駆動源としてノズルから噴射し反応副生物を
吸引し両流体を混合させながらディフューザー内を通過
させ圧縮させるものでありコンデンサーと組み合わせて
使用される。
【0122】また、エジェクター駆動蒸気の圧力は、
0.05〜0.7MPaであることが望ましく、さらに
望ましくは0.05〜0.2MPaであることが望まし
い。
【0123】本願発明において、ポリカーボネート樹脂
を製造するための原料として最も好ましい芳香族ジヒド
ロキシ化合物はビスフェノールAであり、最も好ましい
炭酸ジエステル化合物はジフェニルカーボネートである
ため、エジェクター駆動蒸気源および圧力制御用蒸気に
もちいる物質はフェノールを主体とする凝縮反応副生物
を含む物質が最も好ましい。
【0124】本願発明において、コンデンサーとは、そ
の内部に導入された反応副生物を冷却し凝縮させるもの
であり、バロメトリックコンデンサーやサーフェスコン
デンサーが用いられるが、汚れによる性能劣化が生じる
可能性の少ないバロメトリックコンデンサーを用いるこ
とが望ましい。
【0125】本願発明において、バロメトリックコンデ
ンサーとは、抽気ガスに冷却液を噴霧し反応副生物と熱
交換し凝縮させるものであり、通常バロメトリックコン
デンサーの下部に大気脚を設けて冷却液と凝縮液とを連
続的に抜き出す。なお、抽気ガスとは、エジェクターに
吸引される蒸気のことであり、反応副生物および重合反
応器等に漏れ込む空気等をあわせたものである。
【0126】この場合において、吸引された反応副生物
を冷却し凝縮させるための冷却液は、当該冷却液自身の
蒸気圧が操作温度において、エジェクターの運転圧力以
下の液である。この吸引された反応副生物を冷却し凝縮
させるための冷却液は、フェノールを主体とする凝縮反
応副生物を含む物質が最も好ましい。
【0127】なお、エジェクターの駆動源やコンデンサ
ーの冷却液として凝縮反応副生物だけでなく、新たに外
部からフェノール類や炭酸ジエステル類を注入使用する
と、反応分解物などの不純物が含まれないため、エジェ
クターやコンデンサーなどに汚れが生じにくく安定運転
上望ましい。
【0128】すなわち、運転条件等により反応分解物お
よび/または未反応物などの不純物が増加し、運転に支
障をきたす恐れがある場合があるので、ポリカーボネー
ト樹脂の製造中、適宜フェノール類を注入し、凝縮反応
混合物の組成を一定範囲に維持することが望ましい。フ
ェノール類が、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
テル化合物とを反応せしめた際に副生する凝縮反応副生
物の主要成分と同一である場合には、当該凝縮反応副生
物の主要成分としてのフェノール類と注入したフェノー
ル類との合計が、凝縮反応副生物の75重量%以上であ
ることが望ましく、より望ましくは85重量%以上であ
り、さらに望ましくは95重量%以上である。
【0129】本願発明において、エジェクターの最終段
は、液封ポンプもしくは液エジェクターが通常用いられ
る。液エジェクターを使用する方が、液の汚れに強く望
ましい。この場合の駆動液も有効成分の分離回収やプロ
セスの簡素化の観点から、芳香族ジヒドロキシ化合物と
炭酸ジエステル化合物とを反応せしめた際に副生する凝
縮反応副生物を主体とした物質が好ましい。
【0130】本願発明において、バロメトリックコンデ
ンサーおよび/または液エジェクターより抜き出された
排出液は、所定の温度に冷却後再び、バロメトリックコ
ンデンサーおよび/または液エジェクターの冷却液とし
て使用すると共に、ボイラーで加熱しエジェクター駆動
蒸気として使用し、残部は連続的に系外に排出し、必要
に応じ精製後、炭酸ジエステル化合物製造原料として当
該製造工程に供給され再利用される。精製方法として
は、蒸留が好ましく用いられる。
【0131】エジェクターより炭酸ジエステル化合物製
造原料として当該製造工程に供給される排出液は、エジ
ェクター駆動蒸気発生用ボイラーからの缶出液および液
循環ラインからの排出液を使用するのが望ましい。この
場合のエジェクター駆動蒸気発生用ボイラーからの缶出
液量および液循環ラインからの払出し量は、系内組成維
持によって制御するのが好ましい。
【0132】以下、本願発明によるエジェクターの一例
を図3によって示す。ただし、図3は本願発明の1実施
態様に過ぎず、本願発明はこの図によって制限されるも
のではない。
【0133】重合反応器27,28,29より発生する
反応副生物および外部から漏れ込む空気が反応副生物蒸
気排気配管30,31,32を通って第1段エジェクタ
ー33に吸引される。このとき、反応副生物蒸気排気配
管30,31,32の壁面は反応副生物の副生フェノー
ル類蒸気、反応分解物、同伴される未反応物および/ま
たは低重合物が固化しないように融点以上に加熱されて
いる。また、反応副生物蒸気排気配管30,31,32
には、それぞれバルブ34,35,36を設置し適度に
絞りを設け、各重合反応器27,28,29を異なる真
空度に設定する。さらに各重合反応器の真空度の微調整
を行なうためにバルブ34,35,36の重合反応器側
に、反応副生成物排気配管の汚染防止と反応圧力の微調
整を目的としたフェノール類蒸気の吹込み口37,3
8,39が設けられている。
【0134】第1段エジェクター33において、駆動蒸
気入口管40より圧力0.2MPaの凝縮反応副生物を
含む物質の蒸気が吹き込まれ、副生フェノール類蒸気、
反応分解物、同伴される未反応物および/または低重合
物および外部から漏れ込む空気を吸引し、次いでコンデ
ンサー41でスクラビングされる。
【0135】ついで、第2段エジェクター42に駆動蒸
気入口配管40より圧力0.2MPaの凝縮反応副生物
を含む物質の蒸気が吹き込まれ、コンデンサー41内を
吸引し、最終的に液エジェクター43で第2段エジェク
ター42排出蒸気の凝縮および吸引を行なう。
【0136】コンデンサー41と液エジェクター43に
は、それぞれ大気脚44が接続され、ホットウェル45
に液が連続的に払出される。ホットウェル45に払出さ
れた液は、コンデンサー41と液エジェクター43の駆
動源として使用するため、ポンプ46により送液されク
ーラー47で所定の温度に冷却されると共に、ボイラー
48にて加熱され0.2MPaの凝縮反応副生物を含む
物質の蒸気を発生させる原料となる。
【0137】また、コンデンサー41と液エジェクター
43の駆動液およびエジェクター駆動蒸気に使用されな
い余剰のホットウェル45の液は抜き出し口49および
ボイラー底抜き口50から系外に払出され、精製処理を
行なったのち前工程に供給され再利用される。
【0138】
【発明の効果】ポリカーボネート製造設備の汚染を防止
して品質に優れるポリカーボネートを長期間安定に製造
できるようになる。
【0139】また、ポリカーボネートの真空発生装置お
よび副生物捕集装置を簡略化でき、経済的に有利な方法
でポリカーボネートを製造できる。
【0140】
【実施例】以下に、本願発明の実施例を示す。なお、こ
の実施例は本願発明を例示するためのものであり、本願
発明はこの実施例によって制限されるものではない。
【0141】[実施例1]2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン1モルに対し、1.05モルの割
合でジフェニルカーボネートを撹拌機を備えた溶解槽に
仕込み、窒素置換後150℃で溶解した。
【0142】次いで、当該溶解混合物を図1に記載する
ような貯槽1に送液した。また、当該貯槽内部で発生す
る副生フェノール類蒸気の固化物および外部から漏れ込
む空気を排気することを目的とし、貯槽気相部に図1に
示すような排気設備を設置し、常に貯槽内圧力を930
00×10-6MPaとした。
【0143】図1に記載するように当該貯槽の揮発物蒸
気排気配管2には、配管壁面およびバルブの汚染防止を
目的として、0.2MPaのフェノール蒸気を揮発物蒸
気配管中の絞りバルブ5より上流側のフェノール類蒸気
吹込み口6から1kg/時間の割合で連続的に吹き込ん
だ。
【0144】貯槽から当該溶解混合物を精留塔を備え、
内温220℃、内圧を13330×10-6MPaに維持
した竪型反応槽に60kg/時間の割合で連続的に供給
した。
【0145】100日間の連続運転を行なった後、点検
を行った結果、揮発物蒸気排気配管中に付着物は全く見
られず、良好な運転をが達成できたことが確認できた。
【0146】また、スクラバーから回収した副生フェノ
ール類蒸気は、精製回収してジフェニルカーボネートの
原料として問題なく再利用することができた。
【0147】[実施例2]実施例1により得た溶解混合
物を図2に示すような精留塔10Aを備え、内温220
℃、内圧を13330×10-6MPaに維持した第1重
合反応器10に60kg/時間の割合で連続的に供給す
るとともに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン1モルに対し、1×10-6当量のビスフェノー
ルAジナトリウム塩と1×10-4当量のテトラメチルア
ンモニウムヒドロキシドを連続的に加え、生成したフェ
ノールを精留塔より除去して反応を行なった。
【0148】次いで、得られた反応物をギヤポンプ25
を用いて連続的に抜き出し、図2に示すような精留塔1
1Aを備え、内温260℃、内圧を2000×10-6
Paに維持した第2重合反応器11に供給し、生成した
フェノールを精留塔より除去して反応を行なった。
【0149】また、両重合反応器の真空吸引は図2に示
すように、各々精留塔の出側に取り付けた反応副生物蒸
気排気配管12,13から1基の真空発生器で行なっ
た。また、各々真空圧力の粗調整は図2のように設置し
た絞りバブル16,17で行い、各々真空圧力の微調整
は図2に示すように第1重合反応器および第2重合反応
器の当該絞りバルブ上流側に設置した蒸気の吹き込み口
18,19から、排気配管12,13および絞りバルブ
16,17の汚染防止を兼ねて、0.2MPaのフェノ
ール蒸気を吹き込むことで実施した。平均的な吹き込み
量を測定した結果、フェノール蒸気量は各々約2kg/
時間、4kg/時間であり、各々の抽気量に対する割合
は重量比において1/5倍、1/2倍であった。
【0150】得られた反応物をギアポンプ26を用いて
連続的に抜き出した。得られた反応物の重合度は固有粘
度を測定することで求めた。固有粘度[η]は、0.7
g/dlの反応物塩化メチレン溶液をウベロード粘度計
を用いて測定することで求めた。その結果、[η]=
0.16のプレポリマーが得られた。
【0151】200日間の連続運転を行なった後に点検
を行った結果、各反応副生物蒸気配管中および、絞りバ
ルブに付着物は全く見られず、良好な運転を達成するこ
とができた。また、スクラバーから回収した副生フェノ
ール類蒸気は、精製回収してジフェニルカーボネートの
原料として問題なく再利用することができた。
【0152】[実施例3]実施例1により得た溶解混合
物を図3に示すような精留塔27Aを備え、内温220
℃、内圧を13330×10-6MPaに維持した第1重
合反応器27に60kg/時間の割合で連続的に供給す
るとともに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン1モルに対し、1×10-6当量のビスフェノー
ルAジナトリウム塩と1×10-4当量のテトラメチルア
ンモニウムヒドロキシドを連続的に加え、生成したフェ
ノールを精留塔より除去して反応を行なった。
【0153】次いで、得られた反応物をギヤポンプ51
を用いて連続的に抜き出し、図3に示すような精留塔2
8Aを備え、内温260℃、内圧を2000×10-6
Paに維持した第2重合反応器28に供給し、生成した
フェノールを精留塔より除去して反応を行なった。
【0154】次いで、得られた反応物をギヤポンプ52
を用いて連続的に抜き出し、図3に示すような、内温2
70℃、内圧を133×10-6MPaに維持した精留塔
を有さない第3重合反応器29に供給し、生成したフェ
ノールを除去して反応を行なった。
【0155】また、各重合反応器の真空吸引は図3に示
すように、第1重合反応器27および第2重合反応器2
8は各々精留塔出側に取り付けた反応副生物蒸気排気配
管30,31から、また第3重合反応器29は反応槽に
直接取り付けた反応副生物蒸気排気配管32から1基の
フェノールエジェクター(即ち、第1段エジェクター3
3と第2段エジェクター42と液エジェクター43との
組合わせ)で行なった。
【0156】また、各々真空圧力の粗調整は図3のよう
に設置した絞りバブル34,35,36で行い、各々真
空圧力の微調整は図3に示すように第1重合反応器2
7、第2重合反応器28および第3重合反応器29の当
該絞りバルブ上流側に設置した蒸気の吹き込み口37,
38,39から、反応副生物蒸気排気配管30,31,
32および絞りバルブ34,35,36の汚染防止を兼
ねて、0.2MPaの反応副生物を主体とする液をボイ
ラー46で蒸発させた蒸気を吹き込むことで実施した。
【0157】平均的な吹き込み量を測定した結果、蒸気
量は各々約2kg/時間、4kg/時間、6kg/時間
であり、各々の抽気量に対する割合は重量比において1
/5倍、1/2倍、2倍であった。
【0158】得られたポリマーの重合度は固有粘度を測
定することで求めた。固有粘度[η]は、0.7g/d
lの反応物塩化メチレン溶液をウベロード粘度計を用い
て測定することで求めた。その結果、[η]=0.35
のポリカーボネート樹脂が得られた。
【0159】次いで、当該ポリカーボネート樹脂をギヤ
ポンプ53を用いて2軸押出機に供給し、重合触媒の活
性をなくす処理を行い安定化されたポリカーボネート樹
脂を連続的に得た。
【0160】300日間の連続運転を行なった後に点検
を行った結果、各反応副生物蒸気排気配管中および、絞
りバルブに付着物は全く見られず、良好な運転を達成す
ることができた。
【0161】また、ホットウエル45内の反応副生物を
主体とする液の組成を分析した結果、95重量%のフェ
ノールと3重量%のジフェニルカーボネートとを含んで
おり、エジェクターから回収した副生フェノール類蒸気
は、精製回収してジフェニルカーボネートの原料として
問題なく再利用することができた。
【0162】[実施例4]実施例2で得られた反応物
を、図4に示すような内温270℃、内圧を133×1
-6MPaに維持した精留塔を有さない第3重合反応器
54に連続的に供給し、生成したフェノールを除去して
反応を行なった。
【0163】第3重合反応器54は反応槽に直接取り付
けた反応副生物蒸気排気配管55からフェノールエジェ
クターで真空吸引を行なった。
【0164】第3重合反応槽の真空圧力の粗調整は図4
のように設置した絞りバブル58で行い、真空圧力の微
調整は絞りバルブ58の下流側に設置したフェノール類
蒸気吹き込み口56から、0.2MPaの反応副生物を
主体とする液をボイラー68で蒸発させた蒸気を吹き込
むことで実施した。
【0165】当該フェノール類蒸気の平均的な吹き込み
量を測定した結果、蒸気量は約3kg/時間であり、抽
気量に対する割合は重量比において1/3倍であった。
【0166】また、反応副生物蒸気排気配管55および
絞りバルブ58の汚染防止は、絞りバルブ58の上流側
に設置した吹き込み口59から、0.2MPaのジフェ
ニルカーボネートの蒸気を吹き込むことで実施した。
【0167】当該ジフェニルカーボネート蒸気の平均的
な吹き込み量を測定した結果、蒸気量は約6kg/時間
であり、抽気量に対する割合は重量比において2倍であ
った。
【0168】得られたポリマーの重合度は固有粘度を測
定することで求めた。固有粘度[η]は、0.7g/d
lの反応物塩化メチレン溶液をウベロード粘度計を用い
て測定することで求めた。その結果、[η]=0.35
のポリカーボネート樹脂が得られた。
【0169】次いで、当該ポリカーボネート樹脂をギヤ
ポンプ71を用いて2軸押出機に供給し、重合触媒の活
性をなくす処理を行い安定化されたポリカーボネート樹
脂を連続的に得た。
【0170】300日間の連続運転を行なった後に点検
を行った結果、各反応副生物蒸気排気配管中および、絞
りバルブに付着物は全く見られず、良好な運転を達成す
ることができた。
【0171】また、エジェクターから回収した副生フェ
ノール類蒸気は、精製回収してジフェニルカーボネート
の原料として問題なく再利用することができた。
【0172】同様に精製回収したジフェニルカーボネー
トもポリカーボネートの原料として問題なく再利用する
ことができた。
【0173】[比較例1]揮発物蒸気排気配管にフェノ
ール蒸気を吹き込まずに運転した以外は、実施例1と同
様に運転を行なった。
【0174】結果、連続運転開始30日目より、揮発物
蒸気排気配管中のバルブにジフェニルカーボネートの凝
固付着による圧力損失が発生、連続運転60日目で当該
バルブ部分が完全閉塞し、運転停止を余儀なくされた。
【0175】運転停止後、装置の分解を行なったところ
当該バルブ部分やフランジ接合部分や配管の曲がり部分
(曲管部)等の加熱を完全に行うことが難しい箇所に
は、大量に凝固したジフェニルカーボネートが付着して
おり、洗浄整備に多大な労力を必要とした。
【0176】[比較例2]反応副生物蒸気排気配管にフ
ェノール蒸気を吹き込む代わりに窒素を吹き込んで運転
した以外は、実施例2と同様に運転を行なった。
【0177】結果、連続運転開始50日目より、反応副
生物蒸気排気配管中のバルブに副生フェノール類蒸気の
固化物、反応分解物、同伴される未反応物および低重合
物の炭化付着による圧力損失が発生、連続運転100日
目で当該バルブ部分が完全閉塞し、設備全体の運転停止
を余儀なくされた。
【0178】運転停止後、装置の分解を行なったところ
当該バルブ部分やフランジ接合部分や配管の曲がり部分
(曲管部)等の加熱を完全に行うことが難しい箇所に
は、大量の副生フェノール類蒸気の固化物、反応分解
物、同伴される未反応物および低重合物の炭化物が付着
しており、洗浄整備に多大な労力を必要とした。
【0179】[比較例3]反応副生物蒸気排気配管にフ
ェノール蒸気を吹き込む代わりに窒素を吹き込んでに運
転した以外は、実施例3と同様に運転を行なった。
【0180】結果、連続運転開始30日目より、反応副
生物蒸気排気配管中のバルブに副生フェノール類蒸気の
固化物、反応分解物、同伴される未反応物および低重合
物の炭化付着による圧力損失が発生、連続運転50日目
で当該バルブ部分が完全閉塞し、運転停止を余儀なくさ
れた。
【0181】運転停止後、装置の分解を行なったところ
当該バルブ部分やフランジ接合部分や配管の曲がり部分
(曲管部)等の加熱を完全に行うことが難しい箇所に
は、大量の副生フェノール類蒸気の固化物、反応分解
物、同伴される未反応物および低重合物の炭化物が付着
しており、洗浄整備に多大な労力を必要とした。
【0182】[比較例4]反応副生物蒸気排気配管に何
も吹き込まず、各反応重合槽の真空調整を図3に示す絞
りバルブ34,35,36で行なった以外は、実施例3
と同様に運転を行なった。
【0183】結果、連続運転開始15日目より、反応副
生物蒸気排気配管中のバルブに副生フェノール類蒸気の
固化物、反応分解物、同伴される未反応物および低重合
物の炭化付着による圧力損失が発生、連続運転30日目
で当該バルブ部分が完全閉塞し、運転停止を余儀なくさ
れた。
【0184】運転停止後、装置の分解を行なったところ
当該バルブ部分やフランジ接合部分や配管の曲がり部分
(曲管部)等の加熱を完全に行うことが難しい箇所に
は、大量の副生フェノール類蒸気の固化物、反応分解
物、同伴される未反応物および低重合物の炭化物が付着
しており、洗浄整備に多大な労力を必要とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明による排気設備の一例を示す図であ
る。
【図2】本願発明による排気設備の他の一例を示す図で
ある。
【図3】本願発明による排気設備の他の一例を示す図で
ある。
【図4】本願発明による排気設備の他の一例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 貯槽 2 揮発物蒸気排気配管 3 スクラバー 4 ブロアー 5 バルブ 6 フェノール類蒸気吹込み口 7 ポンプ 8 クーラー 9 払出配管 10 第1重合反応器 10A 精留塔 11 第2重合反応器 11A 精留塔 12 反応副生物蒸気排気配管 13 反応副生物蒸気排気配管 14 スクラバー 15 真空ポンプ 16 バルブ 17 バルブ 18 フェノール類蒸気吹込み口 19 フェノール類蒸気吹込み口 20 大気脚 21 ホットウェル 22 ポンプ 23 クーラー 24 液抜き出し口 25 ギヤポンプ 26 ギヤポンプ 27 第1重合反応器 27A 精留塔 28 第2重合反応器 28A 精留塔 29 第3重合反応器 30 反応副生物蒸気排気配管 31 反応副生物蒸気排気配管 32 反応副生物蒸気排気配管 33 第1段エジェクター 34 バルブ 35 バルブ 36 バルブ 37 フェノール類蒸気吹き込み口 38 フェノール類蒸気吹き込み口 39 フェノール類蒸気吹き込み口 40 駆動蒸気入口配管 41 コンデンサー 42 第2段エジェクター 43 液エジェクター 44 大気脚 45 ホットウェル 46 ポンプ 47 クーラー 48 ボイラー 49 抜き出し口 50 ボイラー底抜き口 51 ギヤポンプ 52 ギヤポンプ 53 ギヤポンプ 54 第3重合反応器 55 反応副生物蒸気排気配管 56 フェノール類蒸気吹き込み口 57 第1段エジェクター 58 バルブ 59 ジフェニルカーボネート蒸気吹き込み口 60 駆動蒸気入口配管 61 コンデンサー 62 第2段エジェクター 63 液エジェクター 64 大気脚 65 ホットウェル 66 ポンプ 67 クーラー 68 ボイラー 69 抜出し口 70 ボイラー底抜き口 71 ギヤポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐脇 透 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 (72)発明者 佐々木 勝司 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4J029 AA09 AB04 AC01 BB05 BB05B BB10A BB12A BB13A BB13B BF21 BG05X BG06X BG07X BG24X BH02 BH07 DB07 DB11 DB13 HC04 HC05 KD09 KE05 KE07 KJ01 KJ02 KJ06 LA05 LB04 LB08

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと
    を、触媒の存在/非存在下にエステル交換させてポリカ
    ーボネートを製造する方法において、 当該エステル交換反応を行うための1以上の反応器と当
    該反応器内の気体を吸引するための排気設備との間にモ
    ノヒドロキシ化合物および/または炭酸ジエステルを主
    体とする物質の蒸気を供給するポリカーボネートの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記排気設備が、1つの排気設備で複数
    の反応器内の気体を吸引することを含むことを特徴とす
    る、請求項1に記載のポリカーボネートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記蒸気の供給が、前記反応器内の圧力
    を調節するためにも使用し得ることを特徴とする請求項
    1または2に記載のポリカーボネートの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記排気設備がエジェクターとバロメト
    リックコンデンサーとよりなり、当該エジェクターの駆
    動源がモノヒドロキシ化合物および/または炭酸ジエス
    テルを主体とする物質の蒸気であり、当該バロメトリッ
    クコンデンサーの冷却液がモノヒドロキシ化合物および
    /または炭酸ジエステルを主体とする物質の溶液である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリ
    カーボネートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記モノヒドロキシ化合物および/また
    は炭酸ジエステルを主体とする物質がポリカーボネート
    の製造時の凝縮反応副生物を含む物質であることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネー
    トの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記モノヒドロキシ化合物がフェノール
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    のポリカーボネートの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記炭酸ジエステルがジフェニルカーボ
    ネートであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載のポリカーボネートの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記蒸気の吹込み位置を、反応器と真空
    発生器とを接続する配管中であって、最も反応器側に近
    いバルブの位置よりも反応器側に設置することを特徴と
    する請求項1〜7のいずれかに記載のポリカーボネート
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと
    を、触媒の存在/非存在下にエステル交換させてポリカ
    ーボネートを製造する方法において、 ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、触媒の存在
    /非存在下にエステル交換させてポリカーボネートを製
    造する際に副生する凝縮反応副生物を、当該凝縮反応副
    生物を含む物質の蒸気を駆動源とするエジェクターと当
    該凝縮反応副生物を含む物質の溶液を冷却液とするバロ
    メトリックコンデンサーとを使用して吸引捕集するポリ
    カーボネートの製造方法。
  10. 【請求項10】 吸引捕集物の一部を蒸留等で精製後、
    炭酸ジエステル化合物製造原料としてポリカーボネート
    の製造工程に供給することを特徴とする請求項9に記載
    のポリカーボネートの製造方法。
  11. 【請求項11】 ポリカーボネートの製造を連続的に実
    施することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記
    載のポリカーボネートの製造方法。
  12. 【請求項12】 ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル
    とを、触媒の存在/非存在下にエステル交換させてポリ
    カーボネートを製造する装置において、 当該エステル交換反応を行うための1以上の反応器と、 当該反応器内の気体を吸引するための排気設備と、 当該反応器と当該排気設備との間に設置される、モノヒ
    ドロキシ化合物および/または炭酸ジエステルを主体と
    する物質の蒸気を供給するための蒸気供給設備(b)
    と、を含むポリカーボネートの製造装置。
  13. 【請求項13】 前記排気設備が、1つの排気設備で複
    数の反応器内の気体を吸引することを含むことを特徴と
    する、請求項12に記載のポリカーボネートの製造装
    置。
  14. 【請求項14】 前記排気設備がエジェクターとバロメ
    トリックコンデンサーとよりなり、当該エジェクターの
    駆動源がモノヒドロキシ化合物および/または炭酸ジエ
    ステルを主体とする物質の蒸気であり、当該バロメトリ
    ックコンデンサーの冷却液がモノヒドロキシ化合物およ
    び/または炭酸ジエステルを主体とする物質の溶液であ
    ることを特徴とする請求項12または13に項記載のポ
    リカーボネートの製造装置。
  15. 【請求項15】 前記モノヒドロキシ化合物および/ま
    たは炭酸ジエステルを主体とする物質がポリカーボネー
    トの製造時の凝縮反応副生物を含む物質であることを特
    徴とする請求項12〜14のいずれかに記載のポリカー
    ボネートの製造装置。
  16. 【請求項16】 前記モノヒドロキシ化合物がフェノー
    ルであることを特徴とする請求項12〜15のいずれか
    に記載のポリカーボネートの製造装置。
  17. 【請求項17】 前記炭酸ジエステルがジフェニルカー
    ボネートであることを特徴とする請求項12〜16のい
    ずれかに記載のポリカーボネートの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記蒸気の吹込み位置が、反応器と真
    空発生器とを接続する配管中であって、最も反応器側に
    近いバルブの位置よりも反応器側にあることを特徴とす
    る請求項12〜17のいずれかに記載のポリカーボネー
    トの製造装置。
  19. 【請求項19】 ポリカーボネートの製造を連続的に実
    施することを特徴とする請求項12〜18のいずれかに
    記載のポリカーボネートの製造装置。
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